JP4334663B2 - 重合皮膜の形成方法と、これを用いた金属材料の絶縁被覆方法および絶縁被覆金属導体 - Google Patents
重合皮膜の形成方法と、これを用いた金属材料の絶縁被覆方法および絶縁被覆金属導体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解重合法により得られる有機高分子重合皮膜とその形成方法、およびこの重合皮膜の形成方法を用いた金属材料の絶縁被覆方法と絶縁被覆金属導体に関する。また、金属コイル等の表面に施す電気絶縁性重合皮膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、高性能化にともない、機器の構成部材であるコイルについてもそれ自体の小型化、高効率化が望まれ、限られたスペースに多くの絶縁被覆電線をつめこむようになってきている。このため、絶縁皮膜のより薄い絶縁被覆電線が求められている。また、限られたスペースに多くの電線をつめこむことで、絶縁被覆電線は、自動巻線機のニードル等によって絶縁皮膜の損傷を受けやすくなり、レアショート、アース不良が生じやすいという問題がある。
【0003】
絶縁被覆電線について、特に断面が平角状である絶縁被覆電線としては、8〜20μm程度の比較的厚い絶縁皮膜を形成した絶縁被覆電線が提案されている。通常、絶縁被覆電線は、線状に引き延ばされた金属導体に絶縁性ワニスを塗布、焼き付けして製造されている。断面が平角状である絶縁被覆電線としては、絶縁皮膜の厚みが数ミクロンまたはこれ以下のような薄い絶縁被覆電線は開発されていない。これは、平角状金属導体の両平坦面上に薄い絶縁皮膜を形成することは、絶縁性ワニスの塗布、焼き付け方法の調整によっては可能でも、金属導体の端面部に薄い絶縁皮膜を安定して形成することは困難であるからである。一方、断面が平角状である絶縁被覆電線は、断面が丸状である金属導体に絶縁皮膜を形成し、これを圧延することによっても製造することができる。しかし、この方法では、絶縁皮膜に残留応力が残るため、特に、圧延率が大きい場合や絶縁皮膜が薄い場合は、絶縁皮膜に割れが生じやすいという問題がある。このため、耐電圧や耐ヒートショック性などが著しく低下する。
【0004】
金属導体上に薄い絶縁皮膜を形成する方法として、電解重合法を用い、金属導体を電極とし、金属導体上に、電気絶縁性の高分子の薄い重合皮膜を形成する方法が考えられる。電解重合による導体上への電気絶縁性高分子薄膜の形成方法の文献としては、エレクトロキミカ アクタ、第22巻、第451〜457頁、1977年(E1ectrochimica Acta,22,451−457(1977))や、ジャーナル オブ アプライド エレクトロケミストリー、第9巻、第483〜493頁、1979年(Jorna1 of App1iedE1ectrochemistry,9,483−493(1979))を挙げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、コイルの小型化、高効率化のために、限られたスペースに多くの絶縁被覆電線をつめこむようになってきていることから、絶縁皮膜のより薄い絶縁被覆電線が求められている。薄い絶縁皮膜を形成する方法として、電解重合法の応用が考えられる。また、限られたスペースに多くの電線をつめこむことで、絶縁被覆電線は、絶縁皮膜の損傷を受けやすくなる。電解重合法を応用した方法では、絶縁皮膜の損傷を受けたような絶縁欠陥部分を有する絶縁被覆金属導体の絶縁欠陥部分の修復が容易に行えると考えられる。
【0006】
しかしながら、電解重合法についてこれまで提案されているものは、導体が鉄材に限定されていた。また、電解重合で生成した重合皮膜が電気絶縁性のため、電極上での重合皮膜の成長に伴って導電が阻害され、重合皮膜が十分な厚みを得にくいという問題があった。このため、これらの解決が課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の第1の局面は、フェノールまたは2,6−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールもしくは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノールまたはフェノール誘導体の電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法である。
【0008】
本発明の第2の局面は、フェノールまたは2,6−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールもしくは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーと、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノールまたはフェノール誘導体と炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとの電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法である。
【0009】
本発明の第3の局面は、2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノール誘導体の電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法である。
【0010】
本発明の第4の局面は、2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、重合性モノマーと、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムとを含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノール誘導体と該重合性モノマーとの電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法である。
【0012】
本発明の1つの実施態様として、上記のフェノール誘導体が、2−アリルフェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールである。
【0016】
本発明の1つの実施態様として、以上の金属導体が電気絶縁性の被覆部を有し、被覆部が欠陥箇所を含む。
【0017】
本発明の第5の局面は、金属導体表面の一部または全部に、以上の重合皮膜の形成方法により、重合被膜を形成した絶縁被膜金属導体である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る重合皮膜の形成方法について具体的に説明する。
【0019】
まず本発明の第1の局面である、4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体と、アルキルアミンとを含むアルカリ性水溶液に、金属導体を浸漬する工程、および金属導体を電極として、該フェノール誘導体の電解重合を行う工程を包含する、重合皮膜の形成方法について説明する。
【0020】
4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体は、2、3、5、6位の置換基を特に限定するものではないが、例えば炭素数1から12の、好ましくは炭素数1から7の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、または炭素数6から12の芳香族炭化水素基、またはアルコキシ基(RO−)、アルコキシアルキル基(ROR−)、アシル基(RCO−)、アルコキシカルボニル基(ROCO−)、アミド基(RCONH−)、カルバモイルアルキル基(H2NCOR−)、ヒドロキシアルキル基(HOR−)などを用いることができる。ここで、Rは、炭素数1から12の、好ましくは炭素数1から7の1価または2価のアルキル基を表わす。
【0021】
また、アルキルアミンとしては、アルキル基の炭素数が1から4であるモノ−、ジ−、またはトリアルキルアミンが好ましく用いられ、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ(n−プロピル)アミン、ジ(イソプロピル)アミン、ジ(n−ブチル)アミン、ジ(イソブチル)アミン、ジ(t−ブチル)アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(イソブチル)アミン、トリ(t−ブチル)アミンが挙げられる。さらに、アルキル基の炭素数が5以上であるモノ−、ジ−、もしくはトリアルキルアミン、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの置換アルキルアミンを用いることができる。
【0022】
ここで、アルカリ性水溶液への溶解性の点から、炭素数が3迄のアルキル鎖のモノまたはジアルキルアミンが好ましく、例えばエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミンを用いることができる。また同じ理由から、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの親水性置換基を有するアルキルアミンも好ましい。
【0023】
また、アルカリ性水溶液とは、溶媒として水を用い、これにメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールなどのアルコールや、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネートなどの極性溶剤を必要に応じて加え、これに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アルカリ金属アルコラートなどの塩基性化合物を添加したものを指す。
【0024】
4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体の濃度は、0.01〜10モル/1、好ましくは0.1〜2モル/1である。アルキルアミンの濃度は、0.05〜1モル/1、好ましくは0.1〜0.6モル/1である。塩基性化合物の濃度は、4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体に対してモル量で0.5〜2倍量、好ましくは0.5〜1.2倍量である。
【0025】
金属導体としては、亜鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、銅、チタン、銀、パラジウム、インジウム、白金、金およびこれらの合金などのこれらを組成として有する金属導体を用いることができる。好ましい金属導体の例としては、銅およびその合金などの銅を組成として有する金属導体が挙げられる。ここで、「組成として有する」とは、1種以上の金属成分からなる金属組成物中に金属成分の1つとして含むことをいう。
【0026】
電解重合反応の際、用いる対極には、鉄、ステンレス、アルミニウム、パラジウム、白金、金、炭素など、種々のものを用いることができる。
【0027】
図1に示すように、金属導体を作用極とする電解反応として、4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体の陽極酸化が起こる。具体的にはこれはアルカリ性水溶液雰囲気により、フェノキシドイオンになった状態からフェノキシラジカルヘの酸化反応である。
【0028】
電解重合反応における作用極の電極電位は、使用する4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体の化学構造、アルカリ性水溶液などの条件に依存するものである。この時、電極間に印加する電圧を特に制限するものではないが、例えば0.5〜5Vが好ましい。
【0029】
電解重合反応を開始し、これが重合体の絶縁物にまで成長する反応は、図2に示すようにモノマーまたはポリマーのフェノキシラジカル同士がカップリング反応を起こして重合繰り返し単位が1つずつ増加していくことにより達成される。そして、この反応が進むにつれ、電気絶縁性の皮膜の成長が起こり、これに伴い作用極である陽極側の不活性化が起こるので、電解における電流量は漸減し、やがて重合は停止し、皮膜の成長は停止する。
【0030】
このようなフェノール類の電解重合による重合皮膜の形成は従来より知られてはいたが、早期に皮膜の成長が停止するために、例えば銅電極の場合、厚さ0.1μm程度の皮膜しか形成させることができなかった。しかし、本発明の方法は、アルキルアミンをアルカリ性水溶液に共存させることにより、厚さ0.5μm以上、好ましくは2μm以上の重合皮膜を形成できるものである。
【0031】
次に本発明の第2の局面である、4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体と、炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーと、アルキルアミンとを含むアルカリ性水溶液に、金属導体を浸漬する工程、および金属導体を電極として、該フェノール誘導体と炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとの電解重合を行う工程を包含する、重合皮膜の形成方法について説明する。
【0032】
4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体と、アルキルアミンとを含むアルカリ性水溶液に、炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーを共存させることにより、電解により生成するフェノキシラジカルを開始種としたラジカル付加重合を併発することができ、該フェノール誘導体と該炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーをポリマー組成成分として含有する、より皮膜厚みが大きい重合皮膜を金属導体電極表面に形成することができる。
【0033】
炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとしては、アルカリ性水溶液に溶解状態で共存するものであれば特に限定されるものではないが、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシアルキルメタクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアルキレングリコール(ジ)アクリレート(例えば、ポリエチレングリコール(ジ)アクリレート)、ポリアルキレングリコール(ジ)メタクリレート(例えば、ポリエチレングリコール(ジ)メタクリレート)、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライドなどの炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーを用いることができる。炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーの濃度は、0.01〜10モル/l、好ましくは0.1〜2モル/lである。
【0034】
その他は、本発明の第1の局面と同じに行い得る。
【0035】
次に本発明の第3の局面である、4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体を含むアルカリ性水溶液に、金属導体を浸漬する工程、および金属導体を電極として、該フェノール誘導体の電解重合を行う工程を包含する、重合皮膜の形成方法について説明する。
【0036】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体において、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基の種類は特に限定されるものではないが、ビニル基、アリル基、プロパルギル基、アレニル基などに代表される不飽和脂肪族の炭化水素基または芳香族の炭化水素基が挙げられ、この他に、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基であれば、いずれも使用することができる。
【0037】
上記のフェノール誘導体において、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基以外の置換基の種類は特に限定されないが、例えば、炭素数1から12の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、または炭素数6から12の芳香族炭化水素基、またはアルコキシ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基などを用いることができる。
【0038】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体としては、6位が置換あるいは非置換である2−ビニルフェノール、6位が置換あるいは非置換である2−アリルフェノール、6位が置換あるいは非置換である3−アリルフェノール、または6位が置換あるいは非置換である2−(1−プロぺニル)フェノールが好ましい。
【0039】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体の濃度は、0.01〜10モル/1、好ましくは0.1〜2モル/1である。アルカリ性水溶液の塩基性化合物の濃度は、該フェノール誘導体に対してモル量で0.5〜2倍量、好ましくは0.5〜1.2倍量である。
【0040】
電解重合の反応式を図3及び図4に示す。図3に示すように、4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体がアルカリ性水溶液中でフェノキシドイオンとなり、酸化によりフェノキシドラジカルを発生する。続いて、図4に示すように、フェノキシドラジカルが、フェノール誘導体もしくは生成中のポリマーの芳香環、または置換基中の炭素−炭素不飽和結合に付加し、重合が進行する。
【0041】
電極間に印加する電圧は特に制限するものではないが、例えば0.5〜5Vが好ましい。
【0042】
上記の4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体を用いて電解重合を行うと、置換基中の炭素−炭素不飽和結合の反応により、生成物が架橋構造をとる。そして、このため、重合生成物は電解液により膨潤し、ゲル状となる。この膨潤により、重合反応が進行しても、電解液が電極近傍まで到達することができるため、電解反応は停止することなく長時間継続する。この結果、従来、電解重合では得られなかった数十μm程度の厚みを持つ絶縁性皮膜を形成することができる。
【0043】
その他は、本発明の第1の局面と同じに行い得る。
【0044】
次に本発明の第4の局面である、4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体と、重合性モノマーとを含むアルカリ性水溶液に、金属導体を浸漬する工程、および金属導体を電極として、該フェノール誘導体と該重合性モノマーとの電解重合を行う工程を包含する、重合皮膜の形成方法について説明する。
【0045】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−決素不飽和結合を有するフェノール誘導体を含むアルカリ性水溶液に、該フェノール誘導体とは異なった重合性モノマーを共存させることで、電解によって生成するフェノキシラジカルを開始種としたラジカル共重合が進行し、この結果、絶縁重合皮膜の構造及び物性を変化させることが可能となる。
【0046】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−決素不飽和結合を有するフェノール誘導体と共存させる上記の重合性モノマーとしては、4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体(ただし、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基を有さない)、および炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーが挙げられる。
【0047】
4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体は、2、3、5、6位の置換基を特に限定するものではないが、例えば炭素数1から12の、好ましくは炭素数1から7の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、または炭素数6から12の芳香族炭化水素基、またはアルコキシ基(RO−)、アルコキシアルキル基(ROR−)、アシル基(RCO−)、アルコキシカルボニル基(ROCO−)、アミド基(RCONH−)、カルバモイルアルキル基(H2NCOR−)、ヒドロキシアルキル基(HOR−)などを用いることができる。
【0048】
炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとしては、アルカリ性水溶液に溶解状態で共存するものであれば特に限定されるものではないが、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシアルキルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシアルキルメタクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、アクリル酸、メタクリル酸、ポリアルキレングリコール(ジ)アクリレート(例えば、ポリエチレングリコール(ジ)アクリレート)、ポリアルキレングリコール(ジ)メタクリレート(例えば、ポリエチレングリコール(ジ)メタクリレート)、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライドなどの炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーを用いることができる。炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーの濃度は、0.01〜10モル/l、好ましくは0.1〜2モル/lである。
【0049】
その他は、本発明の第1の局面と同じに行い得る。
【0050】
次に本発明の1つの実施態様である、前記4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−決素不飽和結合を有するフェノール誘導体を含むアルカリ性水溶液が、さらにアルキルアミンを含むことについて説明する。
【0051】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体を含むアルカリ性水溶液にさらにアルキルアミンを共存させることで、厚みのより大きい絶縁性重合皮膜を形成することができる。これは、アルキルアミンにより電極である金属導体の表面が活性化されるためと考えられる。
【0052】
アルキルアミンとしては、4位が非置換でありかつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体を用いる場合と同様な、電解溶液であるアルカリ性水溶液に溶解するものを用いることができる。アルキルアミンの濃度は、0.01〜1モル/1、好ましくは、0.1〜0.6モル/lである。
【0053】
次に本発明の1つの実施態様である、上記の4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体が、2−アリルフェノール、2−(1−プロペニル)フェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールであることについて説明する。
【0054】
上記の4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体としては、2−アリルフェノール、2−(1−プロペニル)フェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールが特に好ましい。これらのフェノール誘導体を用いて電解重合を行うと、置換基中の炭素−炭素不飽和結合の反応により、生成物が架橋構造をとる。このような架橋構造の効果については、上記で説明した。
【0055】
次に本発明の1つの実施態様である、以上の電解重合において、金属導体が銅を組成として有することについて説明する。
【0056】
従来、電極の金属導体として鉄を用いた場合、フェノール誘導体としてフェノールとo−クロロフェノールを用いた電解重合において、塩基として塩基性が高いエチレンジアミンを用いて行うことで、厚さ10μm程度迄の重合皮膜を形成できることは知られていた(F.Bruno,M.C.Pham,およびJ.E.Dubois,E1ectrochimica Acta,22,451−457(1977))。しかし、この方法で電極の金属導体として銅を用いた場合、銅−エチレンジアミン錯体が形成して銅電極の溶出が起こり、銅電極表面への重合皮膜の安定な形成は困難であった。本発明の方法は、アルキルアミンをアルカリ性水溶液に共存させることにより、銅電極を溶解させることなく、厚さ0.5μm以上の重合物皮膜を形成できるものである。
【0057】
銅を組成として有する金属導体としては、銅以外の金属元素を含まない電気銅、脱酸銅、無酸素銅はもちろん、亜鉛を含有する黄銅、亜鉛と鉛を含有する快削黄銅、亜鉛と錫を含有するアドミラルティ黄銅、錫と燐を含有するリン青銅、アルミを含有するアルミ青銅、ニッケルとケイ素を含有するコルソン合金、マンガンとアルミを含有するホイスラー合金、亜鉛とニッケルを含有する洋白、ニッケルを含有するキュブロニッケル等の他、ベリリウム銅、ニッケル銅、銀銅、カドミウム銅、クロム銅などを用いることができる。
【0058】
更に本発明は、金属導体が銅を組成として有する金属導体であり、圧延または、圧延並びに切断により、断面が平角状に成形された部材である場合に、その表面への絶縁重合皮膜の形成方法として特に有用である。
【0059】
断面が平角状である部材の場合、従来のワニスの塗布、焼き付けによって重合皮膜を形成する方法では、部材の端面部へのワニス付着量が両平担面部より小さくなり、端面部における重合皮膜の絶縁性が劣り、このため、端面部へのワニス付着量を大きくするために、結果的に、両平坦面部へのワニス付着量もさらに大きくする必要があった。本発明では端面部への十分な重合皮膜の形成が可能である。
【0060】
次に本発明の1つの実施態様である、上記のいずれかの方法により電解重合を実施した後、該表面に重合皮膜を形成した金属導体を水、または上記のアルカリ性水溶液以外の水溶液、またはアルコール溶液に浸漬する工程をさらに包含することについて説明する。
【0061】
4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位が置換あるいは非置換であるフェノール誘導体などのフェノール誘導体を用いた電解重合において、電解重合終了後の生成重合皮膜が、電解溶液であるアルカリ性水溶液により膨潤する場合がある。この場合、電解溶液中の電解質が混入することにより、重合皮膜の絶縁性が低下することがある。重合皮膜を形成した金属導体を水、または前記アルカリ性溶液以外の水溶液、またはアルコール溶液に浸漬し、生成重合皮膜中に含有される電解質を除去することで、重合皮膜の絶縁性を向上することができる。
【0062】
浸漬する液体は、水の他、金属導体表面に形成した重合皮膜を溶解しない水溶液、またはアルコール溶液であれば、任意の液体を用いることができる。水溶液としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などの酸性水溶液、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの金属塩水溶液などを用いることができる。アルコール溶液とは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、エチレングリコールなどに代表されるアルコール類を溶媒とし、必要に応じて上記の酸および/または金属塩および/またはその他の化合物を溶解させたものである。
【0063】
また、上記の浸漬工程に代えて、または浸漬工程と併わせて、電解重合の後、重合皮膜内に残留したイオン性物質の脱離を促進するために、電解重合時とは極性が異なる電界を金属導体と対向電極との間に印加することも可能である。
【0064】
次に本発明の1つの実施態様である、上記のいずれかの方法により電解重合を実施した後、電解重合で得た重合皮膜を加熱する工程をさらに包含することについて説明する。
【0065】
重合皮膜形成のための電解重合の後、重合皮膜を加熱することにより、重合皮膜のストレスを緩和し密着性の高い皮膜を得ることができる。更に好ましくは、重合皮膜を形成するポリマーの軟化点以上へ加熱することにより、重合皮膜の緻密性の向上が可能になり、より電気絶縁性が高い重合皮膜を形成することができる。以上の加熱工程は、ポリマーの軟化点より約10〜100℃高い温度で、約1〜30分間、加熱して行うことが好ましい。
【0066】
特に、4位が非置換であり、かつ2、3、5、6位のうち1つ以上が置換されており、かついずれかの置換基中に炭素−炭素不飽和結合を有するフェノール誘導体を用いた場合、加熱することにより、重合皮膜中に残存する炭素−炭素不飽和結合間の反応が促進され、皮膜がより緻密な架橋構造を形成すると考えられる。この結果、より強固な重合皮膜を得ることができる。
【0067】
なお、上記の浸漬工程を行う場合には、加熱工程は、浸漬工程の後に行うことが好ましい。
【0068】
次に本発明の1つの実施態様である、金属導体が電気絶縁性の被覆部を有し、被覆部分が欠陥箇所を含むことについて説明する。
【0069】
電気絶縁性の被覆部を有する金属導体とは、いわゆるワニスの塗布などによって表面に絶縁被覆されたエナメル線や、表面に酸化皮膜が形成された金属導体などを指す。これらの表面絶縁被覆部に絶縁欠陥部分が存在すれば、その欠陥部分は外部と導通しうるのでこれを電極とし、前記のフェノール誘導体を含むアルカリ性水溶液に浸漬して電解重合を行うことによって、欠陥部分に重合皮膜を形成し、絶縁被覆を行うことができる。本発明を適用することにより、絶縁欠陥を有する絶縁被覆電線やトランス導体、コンデンサといった電子部品などの絶縁修復を選択的に行うことが容易になる。
【0070】
次に本発明の第5の局面である、金属導体表面の一部または全部に、以上の重合皮膜の形成方法により重合皮膜を形成した絶縁被覆金属導体について説明する。
【0071】
上記の重合皮膜の形成方法に依れば、サブミクロンから10μm迄または100μm迄の範囲の重合皮膜を金属導体である電線などに形成することができる。すなわち、この方法により形成された被覆電線は、皮膜の厚みが、ワニスの塗布、焼き付けによる被覆電線に比べて小さく、たとえばモータ巻き線として適用した場合には、単位体積あたりの巻き線密度が高くなり、より効率の高いモータを得ることができる。
【0072】
電線のような一次元的対象物へ本発明の重合皮膜の形成方法を適用するためには、例えば図5のような電解重合による重合皮膜形成装置を用いればよい。
【0073】
図5において、上記のフェノール誘導体、炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーおよびアルキルアミンを含むアルカリ性水溶液である電解液5を貯蔵した電解槽2に、リール1に巻かれた電線3をプーリー7を介して浸漬・引き上げを行えばよい。
【0074】
電解槽2には、走行する電線3に接触しない位置に対向電極4を浸し、該対向電極と電線3と電気的に接触するプーリ電極7に電源6を接続して電解を行えばよい。必要に応じて、電解後の洗浄のために、水、または前記の水溶液などの洗浄用の浸漬液9を満たした洗浄槽8や、乾燥炉10を設けて後処理を実施しても良い。このようにして処理された電線をリール11で巻取って重合皮膜を形成した電線を得ることができる。さらに、必要に応じて、電線などの金属導体への電解重合による重合皮膜形成の前に金属導体の表面の油膜や酸化皮膜を除去するために、洗浄やエッチングを実施しても良い、
【0075】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0076】
(実施例1)
2,6−ジメチルフェノール0.5mol/l、ジエチルアミン0.2mol/l、水酸化カリウム0.5mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極の電位がAg/AgC1標準電極に対して0.5Vになるように電圧を印加し、1.5分間電解を行った。その後、銅電極を取り出し十分水洗後乾燥した。重量法にて電極上に形成された重合皮膜の膜厚を測定したところ1.8μmであった。
【0077】
このように部分的に絶縁性重合皮膜を形成した複数の銅電極を積み重ね、電極間の導通を調べたところ、十分絶縁がなされていた。
【0078】
(実施例2)
実施例1により重合皮膜が形成された銅電極を220℃の恒温槽に5分間投入してエ一ジングを実施し、次いで重合皮膜の上にアルミ皮膜を蒸着により形成し、アルミ皮膜と、銅電極のうち重合皮膜が形成されていない裸の部分の間で電気絶縁性を測定したところ、1.5×1014Ωcmであった。
【0079】
(実施例3)
フェノール0.5mol/l、ヒドロキシエチルメタクリレート0.2mol/l、トリエチルアミン0.2mol/l、水酸化カリウム0.5mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極の電位がAg/AgC1標準電極に対して0.8Vになるように電圧を印加し、1.5分間電解を行った、その後、銅電極を取り出し十分水洗後乾燥した。重量法にて電極上に形成された重合皮膜の膜厚を測定したところ、2.7μmであった。
【0080】
このように部分的に絶縁性重合皮膜を形成した複数の銅電極を積み重ね、電極間の導通を調べたところ、十分絶縁がなされていた。
【0081】
(実施例4)
実施例3により重合皮膜が形成された銅電極を150℃の恒温槽に5分間投入してエ一ジングを実施し、次いで重合皮膜の上にアルミ皮膜を蒸着により形成し、アルミ皮膜と、銅電極のうち重合皮膜が形成されていない裸の部分の間で電気絶縁性を測定したところ、2×1013Ωcmであった。
【0082】
(実施例5)(参考例)
2−アリルフェノール0.7mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して、20分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は0.3μmであった。
【0083】
(実施例6)
2−アリルフェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.3mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は34μmであった。
【0084】
(実施例7)
2−アリルフェノール0.7mol/l、トリエチルアミン0.3mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:エタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極問の電位が3Vとなるように電圧を印加して5分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は10μmであった。
【0085】
(実施例8)
2−(2−プロペニル)フェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.3mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は25μmであった。
【0086】
(実施例9)
2−アリル−6−メチルフェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.3mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は30μmであった。
【0087】
(実施例10)
2−アリルフェノール0.7mol/l、2,6−ジメチルフェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.6mol/l、水酸化カリウム1.4mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は30μmであった。
【0088】
(実施例11)
2−アリルフェノール0.7mol/l、フェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.6mol/l、水酸化カリウム1.4mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極をアノードとして両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、銅電極を取り出して水洗、乾燥した。重量法による膜厚は52μmであった。
【0089】
(実施例12)
図5のような電解重合による重合皮膜形成装置を用いて、直径0.1mmの銅ワイヤに連続的に重合皮膜を形成した。電解槽の溶液には、2,6−ジメチルフェノール0.5mol/l、ヒドロキシエチルメタクリレート0.1mol/l、ジエチルアミン0.2mol/l、水酸化カリウム0.5mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液を用い、銅ワイヤ電極の電位がAg/AgC1標準電極に対して0.6Vになるように電圧を印加し、10mの電解槽を線速度0.2m/秒で走行させる条件で電解を実施した。このようにして重合皮膜の絶縁被覆を施した銅ワイヤを用いてコイルを形成したが、皮膜強度は十分であり絶縁性は十分であった。
【0090】
(実施例13)
銅を圧延並びに切断して作製された断面が平角状に成形された銅線に焼き付け塗布で平面部のワニスの平均的厚みが0.7μmになるようにワニスを付けた。端面部へのワニス付着は非常に少なく、ワニスが付着せず絶縁されていない部分も点在した。この銅線に実施例12と同様に電解重合による重合皮膜形成装置を用いて、絶縁欠陥部分に選択的に重合皮膜を形成した。これにより端面部の絶縁欠陥を消失させることができた。
【0091】
(実施例14)
直径1mmのエナメル被覆導線を直径2cmの輪状に巻いた後、そのエナメル被覆の一部分をサンドペーパーで除去し、絶縁欠陥部分を形成した電極を作成した。2−アリルフェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.3mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、該エナメル被覆導線の電極、及び対極として5x60x0.1mmの短冊状の白金電極を浸漬し、両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、取り出した該エナメル被覆導線は、絶縁皮膜がエナメル被覆除去部分に選択的に形成されていた。この電解処理後のエナメル被覆導線と白金電極を食塩水中に浸漬し、両方の問で導通を調べたところ、絶縁性は良好であった。
【0092】
(実施例15)
2−アリルフェノール0.7mol/l、フェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.6mol/l、水酸化カリウム1.4mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、実施例14に示したエナメル被覆の一部分を除去したエナメル被覆導線の電極、及び白金電極を浸漬し、両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った、電解終了後、取り出した該エナメル被覆導線は、絶縁皮膜がエナメル被覆除去部分に選択的に形成されていた。この電解処理後のエナメル被覆導線と白金電極を食塩水中に浸漬し、両方の間で導通を調べたところ、絶縁性は良好であった。
【0093】
(実施例16)
エナメル被覆導線を使用した巻き線部分に絶縁欠陥部分を有する車両換気扇用ファンモータを電極として用いた。2−アリルフェノール0.7mol/l、ジエチルアミン0.3mol/l、水酸化カリウム0.7mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、該モータと、対極としての25x60x0.1mmの短冊状白金電極を浸漬し、両電極間の電位が3Vとなるように電圧を印加して20分間電解を行った。電解終了後、取り出した該モータは、絶縁皮膜がモータの巻き線の絶縁欠陥部分に選択的に形成されていた。このモータに、塩化ナトリウムとフェノールフタレインを含む水溶液に浸した不織布をかぶせ、モータ側がカソードとなるように電圧を印加したところ、水素発生によるフェノールフタレインの発色は見られなかった。つまり、形成された絶縁皮膜の絶縁性は良好であった。
【0094】
(比較例1)
2,6−ジメチルフェノール0.5mol/l、水酸化カリウム0.5mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.1mmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極の電位がAg/AgC1標準電極に対して0.5Vになるように電圧を印加し、1.5分間電解を行った。その後、銅電極を取り出し十分水洗後乾燥した。重量法にて電極上に形成された重合皮膜の膜厚を測定したところ0.1μmであった。このように部分的に絶縁性重合皮膜を形成した複数の銅電極を積み重ね、電極間の導通を調べたが、ほとんど絶縁はなされていなかった。
【0095】
(比較例2)
フェノール0.5mol/l、エチレンジアミン0.2mol/l、水酸化カリウム0.5mol/lの水:メタノール=75:25容量%のアルカリ性水溶液に、5x60x0.lmmの短冊状の銅電極と白金電極を浸漬し、銅電極の電位がAg/AgC1標準電極に対して0.5Vになるように電圧を印加し、電解を行った。銅電極から紫色の溶液が生成し、銅電極を取り出してみると銅電極はエッチングされていた。即ち、これは銅電極の溶出が起こり、銅のエチレンジアミン錯塩溶液が生成したことがわかった。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、金属導体上に薄い絶縁皮膜を確実に形成することができ、また、電解重合法により従来困難であった、銅などの金属導体上に絶縁皮膜を形成することができる。さらに、絶縁被覆金属導体の絶縁欠陥部分の修復が容易にできる。本発明は、コイルの小型化、高効率化のために必要な、絶縁皮膜の薄い絶縁被覆電線の製造、また、コイルの絶縁欠陥部分の修復に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電解重合の酸化反応を説明した図
【図2】本発明の第1の実施例における電解重合においての成長反応を説明した図
【図3】本発明の第6の実施例における電解重合の酸化反応を説明した図
【図4】本発明の第6の実施例における電解重合においての成長反応を説明した図
【図5】本発明の第12の実施例における重合皮膜の形成方法に用いる重合皮膜形成装置を説明した図
【符号の説明】
1 電線を巻回したリール
2 電解槽
3 電線
4 対向電極
5 電解液(アルカリ性水溶液)
6 電源
7 プーリ電極
8 洗浄槽
9 洗浄液
10 乾燥炉
11 重合皮膜が形成された電線を巻取るリール
Claims (7)
- フェノールまたは2,6−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールもしくは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、該銅を電極として、該フェノールまたはフェノール誘導体の電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法。
- フェノールまたは2,6−ジメチルフェノール、2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールもしくは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーと、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノールまたはフェノール誘導体と炭素−炭素不飽和結合を有する重合性モノマーとの電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法。
- 2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノール誘導体の電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法。
- 2−アリルフェノール、2−(2−プロペニル)フェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールから選択されるフェノール誘導体と、重合性モノマーと、ジエチルアミンまたはトリエチルアミンと、水酸化カリウムと、を含むアルカリ性水溶液に、銅を浸漬する工程、および該銅を電極として、該フェノール誘導体と該重合性モノマーとの電解重合を行う工程、および電解重合を実施した後、重合皮膜を形成した銅電極を水洗後乾燥させる工程を包含する、重合皮膜の形成方法。
- 前記フェノール誘導体が、2−アリルフェノールまたは2−アリル−6−メチルフェノールである請求項3または4のいずれかに記載の重合皮膜の形成方法。
- 前記銅が電気絶縁性の被覆部を有し、該被覆部が欠陥箇所を含む、請求項1から5のいずれかに記載の重合皮膜の形成方法。
- 金属導体表面の一部または全部に、請求項1から6のいずれかに記載の重合皮膜の形成方法により、重合皮膜を形成した絶縁被覆金属導体。
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