JPH0770264B2 - 電気コイル製造用アルミニウム合金線の連続エナメル被覆方法 - Google Patents

電気コイル製造用アルミニウム合金線の連続エナメル被覆方法

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JPH0770264B2
JPH0770264B2 JP1175387A JP17538789A JPH0770264B2 JP H0770264 B2 JPH0770264 B2 JP H0770264B2 JP 1175387 A JP1175387 A JP 1175387A JP 17538789 A JP17538789 A JP 17538789A JP H0770264 B2 JPH0770264 B2 JP H0770264B2
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気コイル製造に使用される粗線状態のアル
ミニウム合金線の連続エナメル被覆方法に係る。
アルミニウムは銅と同様に電気の良導体であり且つ密度
が小さいので、電気装置特に送電産業用電気装置の製造
に使用されると装置をかなり軽量化しその結果かなりの
経済化が得られるという利点がある。このような理由か
ら、特に絶縁ケーブル及び絶縁線においては銅に代替し
てアルミニウムがある程度使用され始めた。
しかしながら、アルミニウムをエナメル被覆線に使用す
ることに関しては現在の処まだ顕著な進展はみられな
い。
絶縁配線においては多くの場合、線は絶縁用プラスチッ
ク材料のケーシングで単に被覆されている。該ケーシン
グは、押出によって製造され、金属基体に接着しないで
該金属基体を包囲しているので、例えば線の接続のため
に線の末端を露出させる必要があるときはケーシングを
容易に除去し得る。対照的に、エナメル被覆線の場合に
は、エナメルまたはワニスが皮膜の形態で絶縁効果を与
える。コイルが占めるスペースの量を最小にするために
前記皮膜の厚さは上述の場合よりもはるかに薄い。ま
た、例えば線をコイル形に巻回するときにエナメルまた
はワニスの剥落を伴うことなく線が連続的に変形できる
ように、前記皮膜が金属コアに協力に接着していなけれ
ばならない。
現在の処、銅に関するエナメル被覆の問題は比較的十分
に解決されているが、アルミニウムに関しては事情が異
なる。実際、この金属は一般に薄い天然酸化物の層で被
覆されており、線が粗線状態のときは該層が潤滑剤を含
浸しており、これらの不純物はワニスの接着を妨害す
る。
出願人等は上記のごとき実状に鑑み、アルミニウムの用
途の拡大を図って、前記欠点を是正する方法を研究し
た。
このために出願人等は、自身の過去の業績、特に出願人
所有の米国特許第4,196,060号に記載の陽極酸化方法に
着目した。即ち、出願人等は、該方法がアルミニウム線
の表面に接触抵抗レベルが低く経時的に安定な酸化物層
を発達させる機能を果たすだけでなく、電気的用途のエ
ナメルまたはワニスの皮膜に強力な接着性を与えるとい
う意外な事実を知見した。
上記の知見に基づいて本発明は、50〜80℃における溶液
のコンダクタンスを0.02〜0.1ジーメンスに維持するに
十分な量のリン酸と泡を形成することなく洗浄及び乳化
作用を行なう界面活性剤0.5〜30gとを含有する水溶液を
収容したac陽極酸化タンクを使用し、アルミニウム合金
線を移動モードで連続的に前記タンクに15秒未満通し、
次いでエナメル被覆装置に通すことを特徴とする電気コ
イル製造用アルミニウム合金線の連続エナメル被覆方法
を提供する。
従って本発明方法は主として以下のごとき特徴を有す
る。
−エナメルの接着に適した酸化物層を形成するために比
較的一定のコンダクタンスをもつリン酸浴中で陽極酸化
を行なう。コンダクタンスレベルを常時測定し必要に応
じて酸を添加することによってコンダクタンスを一定に
維持する。
−洗浄及び乳化作用を行なう界面活性剤を使用する。
前記界面活性剤は、界面活性物質と洗浄物質とを含有す
る酸混合物から選択され得る。使用できる界面活性物質
は任意にイオン性でも非イオン性でもよく、アニオン性
及び/または両性でもよい。界面活性剤の例は特に、炭
素原子4〜20個を有する過フッ素化直鎖または分枝鎖を
含む有機ポリフッ素化誘導体、ポリエトキシル化脂肪ア
ルコール、置換フェノール、アルキル鎖に例えば炭素原
子8〜9個を含むアルキルスルホネートである。洗浄物
質としてはグリコール及びポリエチレングリコールを使
用し得る。使用される界面活性剤は、媒体に導入される
と泡を形成することなく該媒体の表面張力を大幅に減少
させる必要があり、また処理される線を被覆している循
環剤残渣を懸濁化する必要がある。例えば界面活性剤が
30g/の割合で添加されたとき、70℃の100g/のH3PO4
を含有するリン酸水溶液の表面張力が30×10-7N.mに近
い値に低下するのが好ましい。
界面活性剤に含まれる界面活性物質は極めて少量、例え
ば前記フッ素化誘導体に関しては3重量%未満、エトキ
シル化脂肪アルコールに関しては5〜10重量%のオー
ダ、置換フェノールまたはアルキルスルホネートに関し
ては数重量%のオーダである。ポリエチレングリコール
またはグリコールは数%の割合、例えば2〜5%存在し
得る。界面活性剤の使用量は一般に0.5〜30g/であ
り、最適量は組成に応じて決定される。
陽極酸化電解質の主成分の種類及び濃度レベルと界面活
性剤の存在とは本発明の必須要件であるが、その他の陽
極酸化条件は臨界的でなく、いかなる場合にも5秒未満
だけ持続する高速処理ができるという条件さえ充足でき
ればよい。例えば、電圧は通常と同様に、浴の特性値、
装置の形態、移動速度、及び、方法の最も重要な電気的
パラメータである電流密度に依存する。
強制循環のない浴における電流密度の値が2〜20A/c
m2、好ましくは6〜12A/cm2であるとき、浴の強制循環
を使用することによって電流密度を顕著に増加させ得
る。電圧は一般に4〜45Vである。また、温度も臨界的
でない。温度は主として、装置構成材料の種類及び使用
界面活性剤の特性値によって決定される。浸漬電極は、
浴に対して不活性の材料例えば黒鉛から形成されるのが
好ましい。
上記のごとく、処理時間は極めて短く一般には3〜10秒
である。このため、例えば「液体電流フィード法」と呼
ばれる公知の手順を使用し、長さ5mのタンクで毎分100m
の高速で線を浴に通すことによって線を連続処理するこ
とが可能である。
本発明方法を線引き処理後の線、即ち線の表面が使用潤
滑剤及びその他の不純物の多少とも連続的な皮膜で被覆
されているような線に直接使用してもよい。
本発明方法は銅をエナメル被覆すべく設計された連続エ
ナメル被覆ラインに十分に適合する。粗線状態の線の繰
出し装置と適当な機械的特性を与えるべく線を再熱する
炉との間に陽極酸化タンクを挿入するだけでよい。複数
の線を同時に通過させるように設計されたこの種の連続
エナメル被覆ラインはフランス特許第1,403,541号に記
載されている。
銅に通常使用されるいかなる種類のワニスまたはエナメ
ルも使用でき、特にポリウレタン、ポリエステル、ポリ
エステルイミド、ポリビニル、ポリアミド及びホルムバ
ール(Formvar)から形成される物質に属するものを使
用できる。これらのワニスは通常、厚さ50μmの薄膜の
形状で連続層としてデポジットされる。かかる線は適当
な溶媒中にワニスを局部的に溶解させることによって容
易に接続できる。即ち、前記のごときワニスの溶解によ
って、陽極酸化処理され初期の低い接触抵抗性と経時的
安定性とを維持している金属を露出させる。
本発明によってエナメル被覆されたアルミニウム線はエ
ナメルと金属との完全な接着によってすぐれた絶縁性を
示す。
線自体の直径の回りで線を巻回するような苛酷な試験ま
たは線が破断するまで引張力を作用させる試験において
もエナメルの亀裂、剥離または剥落は全く観察されなか
った。更に、線の表面に被覆用ワニスが極めてしっかり
と接着しているので、電動機及び変圧器のコイル巻線が
通常浸漬される液体溶媒及び油に対する皮膜の化学的不
活性が改良されている。
本発明を以下の実施例によって説明する。
実施例1 アルミニウム協会標準のアルミニウム合金1370−50の直
径1.7mmの線をクラスH、グレード2のポリエステルイ
ミドワニスでエナメル被覆した。
表面処理しないでエナメル被覆した線はそれ自体の直径
の回りで巻回されると多数のエナメル剥落箇所を生じ
る。
表面処理した線は同じ試験で亀裂を全く生じない。
実施例2 直径1.7mmの合金1370−50の線をクラスE、グレード2
のFormvarワニスでエナメル被覆した。
表面処理しないでエナメル被覆した線は破断伸び後にそ
れ自体の直径の回りで巻回されるとワニスが完全に剥離
する。
本発明で処理後に同じ条件下にエナメル被覆した線は亀
裂を全く生じない。
実施例3 長さ2.5mのタンクを備えた工業用装置を使用し、合金13
70−50(直径0.5〜5mm)及び1340−50(直径0.1〜0.5m
m)の線をエナメル被覆した。タンク通過速度として直
径3mmの線の毎分12mから直径1mmの線の毎分40mまでを用
いた。処理後に線を洗い、乾燥炉に入れ、次いで従来の
マルチパスエナメル被覆機に導入し、Formvarまたはポ
リエステルイミド型の電気絶縁性の種々のワニス層を各
パス毎に重合した。
このように製造されたエナメル被覆アルミニウム線はエ
ナメル被覆銅線の標準試験、即ち断裂引張(abrupt ten
sion)試験、マンドレル巻回試験、電圧下破壊試験、熱
可塑性試験及び熱衝撃試験において合格特性を示した。
特に、エナメル被覆線を2つの母線に沿って長さ50cmに
わたって露出させ対称軸に沿って捩る捩り試験に関して
は、以下の結果が観察された。
−非処理線では約50回捩った後にエナメルが剥離する。
−本発明で処理した線では、一般に皮膜の破壊が生じる
捩り回数に相当する100回以上捩った後にも剥離は皆無
である。
上記の性能レベルはエナメル被覆銅線の性能レベルに匹
敵し、電動機、変圧器及びその他の電気コイルの分野で
銅線に代わるアルミニウム線をそれほどの設備投資を要
せずにエナメル被覆できるので、エネルギ節約という今
日的な要請に十分に応えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−149494(JP,A) 特開 昭48−102277(JP,A) 特開 昭48−99676(JP,A) 特公 昭56−9239(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】50〜80℃における溶液のコンダクタンスを
    0.02〜0.1ジーメンスに維持するに十分な量のリン酸と
    泡を形成することなく洗浄及び乳化作用を行なう界面活
    性剤0.5〜30gを含有する水溶液を収容したac陽極酸化タ
    ンクを使用し、アルミニウム合金線を移動モードで連続
    的に前記タンクに15秒未満通し、次いでエナメル被覆装
    置に通すことを特徴とする電気コイル製造用アルミニウ
    ム合金線の連続エナメル被覆方法。
  2. 【請求項2】液体電流フィードによって陽極酸化電流を
    線に供給することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】陽極酸化電流の密度が2〜20A/dm2である
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】界面活性剤が、グリコール及びポリエチレ
    ングリコールから成るグループに属する少なくとも1種
    の物質と有機ポリフッ素化誘導体、ポリエトキシル化脂
    肪アルコール、置換フェノール及びアルキルスルホネー
    トから成るグループに属する少なくとも1種の物質とか
    ら形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】エナメルが、ポリウレタン、ポリエステ
    ル、ポリエステルイミド、ポリビニル、ポリイミド及び
    ホルムバールから成るグループに属することを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】エナメルの厚さが50μm未満であることを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
JP1175387A 1988-07-06 1989-07-06 電気コイル製造用アルミニウム合金線の連続エナメル被覆方法 Expired - Lifetime JPH0770264B2 (ja)

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FR8809613 1988-07-06

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JPH0272515A JPH0272515A (ja) 1990-03-12
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BR (1) BR8903304A (ja)
DE (1) DE68907290T2 (ja)
ES (1) ES2041435T3 (ja)
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