JP2023037449A - 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品 - Google Patents

感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2023037449A
JP2023037449A JP2021144220A JP2021144220A JP2023037449A JP 2023037449 A JP2023037449 A JP 2023037449A JP 2021144220 A JP2021144220 A JP 2021144220A JP 2021144220 A JP2021144220 A JP 2021144220A JP 2023037449 A JP2023037449 A JP 2023037449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene ether
phenols
condition
raw material
photosensitive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021144220A
Other languages
English (en)
Inventor
康太 大城
Kota Oshiro
信広 石川
Nobuhiro Ishikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Holdings Co Ltd filed Critical Taiyo Holdings Co Ltd
Priority to JP2021144220A priority Critical patent/JP2023037449A/ja
Priority to PCT/JP2022/031769 priority patent/WO2023032765A1/ja
Priority to TW111132703A priority patent/TW202323370A/zh
Publication of JP2023037449A publication Critical patent/JP2023037449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/038Macromolecular compounds which are rendered insoluble or differentially wettable
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 低誘電特性と現像コントラストに優れた感光性組成物を提供する。【解決手段】 ポリフェニレンエーテルAとポリフェニレンエーテルBとラジカル重合性化合物と光ラジカル発生剤とを含み、ポリフェニレンエーテルA、Bは、それぞれ、条件1を満たすフェノール類及び条件2を満たすフェノール類を含む原料フェノール類から得られ、ポリフェニレンエーテルAは、重量平均分子量が40,000超200,000以下であり且つ原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%未満であり、ポリフェニレンエーテルBは、原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%以上である感光性組成物により課題を解決する。(条件1)オルト位及びパラ位に水素原子を有する(条件2)パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフェニレンエーテルを含む感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品に関する。
半導体デバイス等の電子部品では、絶縁層、保護膜、導体層のパターン形成に際して、フォトリソグラフィ法が多く使用されている。
フォトリソグラフィ法は、シリコンウエハや銅張積層板等の基材上に感光性組成物からなる層を形成し、所定のパターンで光照射(露光)後、現像液にて未露光部又は露光部のいずれかを溶解除去し、パターンを形成する方法である。
このようなフォトリソグラフィ法には、露光部を現像液に溶解させる方式、いわゆるポジ型と、(露光部が現像液に非溶解性となり、)未露光部を現像液に溶解させる方式、いわゆるネガ型とがある。
かかる現像工程の違いを考慮すると、例えば、ネガ型にて解像性の高いパターンを形成するためには、用いられる感光性組成物が、露光部の現像液へ耐溶解性と未露光部の現像液への優れた溶解性を両立すること、換言すれば、露光部と未露光部の現像速度の差(現像コントラスト)が大きいことが求められる。
一方、電子部品における絶縁材では、高周波数帯の信号に対する伝送損失を抑制する観点から、比誘電率(Dk)や誘電正接(Df)等の誘電特性を低減することが検討されている。例えば、特許文献1及び2には、プリント配線板の永久保護膜であるソルダーレジスト等に有用であり、誘電正接を低減したネガ型の感光性樹脂組成物が開示されている。
特開2017-15890号公報 特開2017-68242号公報
しかしながら、特許文献1及び2のような感光性樹脂組成物では、組成物成分として、現像性付与のためのカルボキシル基等の親水性基や光重合性のための(メタ)アクリレート基により、誘電特性を低減するには限界があった。
本発明の目的は、低誘電特性と現像コントラストに優れた感光性組成物の提供を課題とする。
本発明者らは、分岐構造を有するポリフェニレンエーテルが有機溶剤に可溶であることと、かかる有機溶剤を現像液としたフォトリソグラフィ法に着目して鋭意検討した。その結果、本発明者らは、特定の原料フェノール類から得られる2種のポリフェニレンエーテルと、かかるポリフェニレンエーテル中に導入した不飽和炭素結合とラジカル重合する化合物と、を組み合せて配合した感光性組成物によれば、上記課題を有利に解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
本発明は、
ポリフェニレンエーテルAと、
ポリフェニレンエーテルBと、
不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、
光ラジカル発生剤と、を含み、
前記ポリフェニレンエーテルAと前記ポリフェニレンエーテルBは、それぞれ、少なくとも下記条件1を満たすフェノール類と少なくとも下記条件2を満たすフェノール類とを含む原料フェノール類から得られ、
前記ポリフェニレンエーテルAは、重量平均分子量が40,000超200,000以下であり、かつ、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%未満であり、
前記ポリフェニレンエーテルBは、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%以上である、感光性組成物である。
(条件1)
オルト位及びパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
前記ポリフェニレンエーテルBは、重量平均分子量が5,000以上40,000以下であることが好ましい。
前記ポリフェニレンエーテルAと前記ポリフェニレンエーテルBの含有割合(ポリフェニレンエーテルA:ポリフェニレンエーテルB)が、質量比で25:75~75:25であることが好ましい。
前記不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基がチオール基及び/又はアリル基であることが好ましい。
本発明は、前記感光性組成物からなる樹脂層を有するドライフィルムであってもよい。
本発明は、前記感光性組成物又は前記樹脂層の硬化物であってもよい。
本発明は、前記硬化物を有する電子部品であってもよい。
本発明によれば、低誘電特性と現像コントラストに優れた感光性組成物を提供することが可能となる。
本実施形態に係る硬化性組成物は、フォトリソグラフィ法に用いられる感光性組成物である。
以下では、感光性組成物のことを、単に「硬化性組成物」と表現する場合がある。また、本明細書において、「樹脂組成物」を「硬化性組成物」の意味で使用することがある。
説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
本発明において、「不飽和炭素結合」は、特に断らない限り、エチレン性またはアセチレン性の炭素間多重結合(二重結合または三重結合)を示す。
本発明において、不飽和炭素結合を有する官能基としては、特に限定されないが、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(例えば、エチニル基)、又は、(メタ)アクリルロイル基が挙げられ、硬化性に優れる観点からビニル基、アリル基、(メタ)アクリルロイル基を選択でき、中でも低誘電特性に優れる観点からアリル基であることが好ましい。なお、これらの不飽和炭素結合を有する官能基は、炭素数を、例えば15以下、10以下、8以下、5以下、3以下等とすることができる。
本発明において、ポリフェニレンエーテル(PPE)の原料として用いられ、ポリフェニレンエーテルの構成単位になり得るフェノール類を総称して、「原料フェノール類」とする。
本発明において、原料フェノール類の説明を行う際に「オルト位」や「パラ位」等と表現した場合、特に断りがない限り、フェノール性水酸基の位置を基準(イプソ位)とする。
本発明において、単に「オルト位」等と表現した場合、「オルト位の少なくとも一方」等を示す。従って、特に矛盾が生じない限り、単に「オルト位」とした場合、オルト位のどちらか一方を示すと解釈してもよいし、オルト位の両方を示すと解釈してもよい。
本発明において、ポリフェニレンエーテルの数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めたものである。GPCにおいては、Shodex K-805Lをカラムとして使用し、カラム温度を40℃、流量を1mL/min、溶離液をクロロホルム、標準物質をポリスチレンとする。
本明細書において、原料フェノール類としては主に1価のフェノール類を開示しているが、本発明の効果を阻害しない範囲で、原料フェノール類として多価のフェノール類を使用してもよい。
本明細書において、数値範囲の上限値と下限値とが別々に記載されている場合、矛盾しない範囲で、各下限値と各上限値との全ての組み合わせが実質的に記載されているものとする。
<<<<<硬化性組成物の成分>>>>>
硬化性組成物は、ポリフェニレンエーテルA、ポリフェニレンエーテルB、不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基を有する化合物及び光ラジカル発生剤とを含む。また、硬化性組成物は、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。以下、それぞれの成分について説明する。
<<<<ポリフェニレンエーテルA、B>>>>
本発明の硬化性組成物が含有するポリフェニレンエーテルA及びBは、それぞれ、少なくとも下記条件1を満たすフェノール類と少なくとも下記条件2を満たすフェノール類を含む原料フェノール類から得られる。具体的には、少なくとも下記条件1を満たすフェノール類としては、条件1を満たし条件2を満たさないフェノール類又は条件1及び条件2を満たすフェノール類が挙げられ、少なくとも下記条件2を満たすフェノール類としては、条件2を満たし条件1を満たさないフェノール類又は条件1及び条件2を満たすフェノール類が挙げられる。
(条件1)
オルト位及びパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
<<<原料フェノール(類)>>>
<<条件1を満たすフェノール類>>
条件1を満たすフェノール類は、オルト位に水素原子を有するため、フェノール類と酸化重合される際に、イプソ位及びパラ位のみならず、オルト位においてもエーテル結合が形成され得るため、かかるフェノール類を原料フェノール類として用いて得られるポリフェニレンエーテルは分岐鎖状の構造を形成することが可能となる。
具体的には、条件1を満たすフェノール類から得られるポリフェニレンエーテルは、その構造の一部が、少なくともイプソ位、オルト位、パラ位の3か所がエーテル結合されたベンゼン環により分岐することとなる。
このように、その骨格内に分岐構造を有するポリフェニレンエーテルを、分岐ポリフェニレンエーテルと称する。かかる分岐ポリフェニレンエーテルによれば、有機溶剤への優れた溶解性が得られる。
条件1を満たすフェノール類としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、2,3-キシレノール、2,5-キシレノール、3,5-キシレノール、o-tert-ブチルフェノール、m-tert-ブチルフェノール、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、2-ドデシルフェノール、等を挙げることができ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<条件2を満たすフェノール類>>
条件2を満たすフェノール類は、不飽和炭素結合を含む官能基を有するため、かかるフェノール類を原料フェノールとして用いて得られるポリフェニレンエーテルはエチレン性またはアセチレン性の炭素間多重結合を含む官能基を有する。
具体的には、条件2を満たすフェノール類から得られるポリフェニレンエーテルは、その構造の一部が、少なくともベンゼン環のメタ位又はオルト位の2か所のいずれかに不飽和炭素結合を含む官能基を有することとなる。
このように、その骨格内に不飽和炭素結合を含む官能基を有するポリフェニレンエーテルを、感光性ポリフェニレンエーテルと称する。かかる感光性ポリフェニレンエーテルによれば、ラジカル等の活性種によるラジカル重合性が得られる。
条件2を満たすフェノール類は、2-アリル-6-メチルフェノール、2-アリル-6-エチルフェノール、2-アリル-6-フェニルフェノール、2-アリル-6-スチリルフェノール、2,6-ジビニルフェノール、2,6-ジアリルフェノール、2,6-ジイソプロペニルフェノール、2,6-ジブテニルフェノール、2,6-ジイソブテニルフェノール、2,6-ジイソペンテニルフェノール、2-メチル-6-スチリルフェノール、2-ビニル-6-メチルフェノール、2-ビニル-6-エチルフェノール等を挙げることができ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<条件1及び条件2を満たすフェノール類>>
条件1及び条件2を満たすフェノール類は、オルト位及びパラ位に水素原子を有し、且つ、不飽和炭素結合を含む官能基を有するフェノール類である。かかるフェノール類を原料フェノールとして用いて得られるポリフェニレンエーテルは、その構造の一部が、少なくともイプソ位、オルト位、パラ位の3か所がエーテル結合されたベンゼン環により分岐し、且つ、少なくとも一つの不飽和炭素結合を含む炭化水素基を官能基として有する。
条件1及び条件2を満たすフェノール類としては、o-ビニルフェノール、m-ビニルフェノール、o-アリルフェノール、m-アリルフェノール、3-ビニル-6-メチルフェノール、3-ビニル-6-エチルフェノール、3-ビニル-5-メチルフェノール、3-ビニル-5-エチルフェノール、3-アリル-6-メチルフェノール、3-アリル-6-エチルフェノール、3-アリル-5-メチルフェノール、3-アリル-5-エチルフェノール等を挙げることができ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<条件1及び条件2のいずれも満たさないフェノール類>>
本発明のポリフェニレンエーテルの合成に用いる原料フェノール類には、分岐構造による溶解性やラジカル重合性を調整する観点から、条件1及び条件2のいずれも満たさないフェノール類を含むことができる。
このような原料フェノール類としては、例えば、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有さず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類として、2,6-ジメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール、2-メチル-6-エチルフェノール、2-エチル-6-n-プロピルフェノール、2-メチル-6-n-ブチルフェノール、2-メチル-6-フェニルフェノール、2,6-ジフェニルフェノール、2,6-ジトリルフェノール等が挙げられ、かかるフェノール類によればベンゼン環のイプソ位及びパラ位においてエーテル結合が形成され、直鎖状に重合することから分岐構造が減少し溶解性が低下する。また、不飽和炭素結合を含む官能基を有さないため、ラジカル重合性が低減される。
また、条件1及び条件2のいずれも満たさないフェノール類としては、パラ位とオルト位に水素原子を有さず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類も挙げられる。かかるフェノール類は、ポリフェニレンエーテルの重合反応を抑制することができる。
このような条件1及び条件2のいずれも満たさないフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<<ポリフェニレンエーテルA>>>
本発明におけるポリフェニレンエーテルAは、少なくとも条件1を満たすフェノール類と少なくとも条件2を満たすフェノール類を含む原料フェノール類から得られ、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%未満であり、重量平均分子量が40,000超200,000以下であるポリフェニレンエーテルである。
ポリフェニレンエーテルAは、分岐構造と不飽和炭素結合を含む官能基を有するポリフェニレンエーテルであるが、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有比率が、ポリフェニレンエーテルBに比べて低いことから、不飽和炭素結合を含む官能基による誘電特性の悪化が抑制され、かつ合成における重合反応が進み易く、重量平均分子量が比較的大きいことで、耐現像性に優れる。
ポリフェニレンエーテルAは、未露光部の現像性と露光部の耐現像性のバランスの観点から、重量平均分子量が40,000超200,000以下であることが好ましく、60,000以上200,000以下であることがより好ましく、また数平均分子量は、10,000以上30,000以下であることが好ましく、15,000以上20,000以下であることがより好ましい。
ポリフェニレンエーテルAの合成に用いる、少なくとも条件1を満たすフェノール類の含有量は、合成時の原料フェノール類全体に対して1mol%以上99mol%以下とすることができ、5mol%以上30mol%以下であることが好ましく、5mol%以上15mol%以下であることがより好ましく、10mol%であることが更に好ましい。
ポリフェニレンエーテルAの合成に用いる、少なくとも条件2を満たすフェノール類の含有量は、合成時の原料フェノール類全体に対して、20mol%未満とすることができ、1mol%以上20mol%未満であることが好ましく、5mol%以上15mol%以下であることがより好ましく、10mol%であることが更に好ましい。
ポリフェニレンエーテルAの合成では、条件1及び条件2のいずれも満たさないフェノール類を本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
<<<ポリフェニレンエーテルB>>>
本発明におけるポリフェニレンエーテルBは、少なくとも条件1を満たすフェノール類と少なくとも条件2を満たすフェノール類を含む原料フェノール類を含む原料フェノール類から得られ、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%以上であるポリフェニレンエーテルである。
ポリフェニレンエーテルBは、分岐構造と不飽和炭素結合を含む官能基を有するポリフェニレンエーテルであり、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有比率が、ポリフェニレンエーテルAに比べて高く、不飽和炭素結合を含む官能基を多く有することから、ラジカル重合性に優れる。一方で、条件2を満たすフェノール類により重合反応が進み難く、重量平均分子量が比較的小さくなることから、優れた現像性を示す。
ポリフェニレンエーテルBは、重量平均分子量が5,000以上40,000以下であることが好ましく、ラジカル重合性や現像性がより向上することから10,000以上20,000以下であることがより好ましい。また数平均分子量は、5,000以上20,000以下であることが好ましく、5,000以上12,000以下であることがより好ましい。
ポリフェニレンエーテルBの合成に用いる、少なくとも条件1を満たすフェノール類の含有量は、合成時の原料フェノール類全体に対して1mol%以上90mol%以下とすることができ、好ましくは2mol%以上50mol%以下であり、より好ましくは5mol%以上20mol%以下である。
ポリフェニレンエーテルBの合成に用いる、少なくとも条件2を満たすフェノール類の含有量は、合成時の原料フェノール類全体に対して20mol%以上とすることができ、好ましくは20mol%以上90mol%以下であり、より好ましくは50mol%以上90mol%以下である。
ポリフェニレンエーテルBの合成では、条件1及び条件2のいずれも満たさないフェノール類を本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
<<<ポリフェニレンエーテルの含有量>>>
本発明の硬化性組成物におけるポリフェニレンエーテル(ポリフェニレンエーテルA及びポリフェニレンエーテルB)の含有量は、硬化性組成物中の揮発成分と無機充填剤を除いた全量基準で、好ましくは50~90質量%であり、より好ましくは60~80質量%である。また、硬化性組成物におけるポリフェニレンエーテルAとポリフェニレンエーテルBの含有割合(ポリフェニレンエーテルA:ポリフェニレンエーテルB)は、質量比で、10:90~90:10であることが好ましく、25:75~75:25であることがより好ましく、露光部の耐現像性を向上する場合には50:50~75:25、光ラジカル重合性(感光性)や未露光部の現像性を向上する場合には25:75~50:50とすることができる。
<<<ポリフェニレンエーテルA、Bの製造方法>>>
本発明のポリフェニレンエーテルA及びポリフェニレンエーテルBは、使用する原料フェノール類を変更する以外は、公知のポリフェニレンエーテルの合成方法で製造することができる。例えば、国際公開WO2020/017570公報にて開示された合成方法にて製造することができる。
ポリフェニレンエーテルの分子量は、使用する原料フェノール類の種類にもよるが、ポリフェニレンエーテルを合成する際の反応温度や反応時間等を変更することで調整することが可能である。
<<<<不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基を有する化合物>>>>
本発明の硬化性組成物が含有する不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基を有する化合物(以下ラジカル重合化合物とも称す)は、上述したポリフェニレンエーテルの構造中の不飽和炭素結合とラジカル重合し得る官能基を2つ以上有する化合物である。前記ラジカル重合可能な官能基は公知慣用の官能基を用いることができ、例えば、チオール基、アリル基等が挙げられる。
ラジカル重合化合物は、例えば、チオール基を有する化合物としては、トリメチロールプロパン トリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。アリル基を有する化合物としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル等が挙げられる。
<<<不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基を有する化合物の含有量>>>
硬化性組成物中のラジカル重合化合物の含有量は、硬化性組成物中のポリフェニレンエーテルに対して、1~99質量%であることが好ましく、10~20質量%であることが好ましい。
<<<<光ラジカル発生剤>>>>
本発明の硬化性組成物が含有する光ラジカル発生剤は、光照射(露光)によってラジカルを発生する化合物であり、発生したラジカルにより、上述したポリフェニレンエーテルやラジカル重合化合物をラジカル重合させ、露光部に耐現像性を付与する。
光ラジカル発生剤としては、公知慣用の光ラジカル発生剤を用いることができる。例えば、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、α-ケトール系、芳香族スルホニルクロリド系、光活性オキシム系、ベンゾイン系、ベンジル系、ベンゾフェノン系、ケタール系、チオキサントン系、アシルフォスフィンオキシド系等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル 、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、アニソイン等が挙げられる。
アセトフェノン系光ラジカル発生剤としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシル フェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。
α-ケトール系光ラジカル発生剤としては、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロ ピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン等が挙げられる。
芳香族スルホニルクロリド系光ラジカル発生剤としては、例えば、2-ナフタレンスル ホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)-オキシム等が挙げられる。
ベンゾイン系光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン等が挙げられる。
ベンジル系光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンジル等が挙げられる。
ベンゾフェノン光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
ケタール系光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
チオキサントン系光ラジカル発生剤としては、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド系光ラジカル発生剤としては、例えば、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-n-ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(1-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-t-ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2-メトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2-メトキシベンゾイル)(1-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジエトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジエトキシベンゾイル)(1-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジブトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4-ジメトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)(2,4-ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,5-ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2-メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-4-メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,5-ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,3,5,6-テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4-ジ-n-ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6-ジメチトキシベンゾイル-2,4,6-トリメチ ルベンゾイル-n-ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4 -ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10-ビス[ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2-メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの光ラジカル発生剤は、1種のみが使用されてもよいし、2種以上が使用されてもよい。
<<<光ラジカル発生剤の含有量>>>
硬化性組成物中の光ラジカル発生剤の含有量は、硬化性組成物中のポリフェニレンエーテルに対して、0.1~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。
<<<<溶剤>>>>
本発明の硬化性組成物は、配合や塗布等の工程に合わせ、必要に応じて溶剤を含むことができる。溶剤としては、上述したポリフェニレンエーテルを溶解できる溶剤が好ましく、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン等の従来使用可能な溶剤の他、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が好ましく使用される。
これらは、1種のみが使用されてもよいし、2種以上が使用されてもよい。
<<<<その他の成分>>>>
本発明の硬化性組成物は、上述した成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。例えば、シリカ等の無機充填材、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン等の過酸化物、上述したポリフェニレンエーテル以外のポリフェニレンエーテル、マレイミド樹脂、スチレン系エラストマー等の樹脂及びポリマー成分、増感剤、接着助剤、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、密着剤、着色剤、繊維、シランカップリング剤、難燃性剤、セルロースナノファイバー、分散剤、熱硬化触媒、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、防錆剤、密着性付与剤等を含んでもよい。
これらの成分は、用途等に応じて適宜の量を配合すればよい。一例として、誘電特性を向上させたい場合、硬化性組成物中の過酸化物の含有量は、硬化性組成物中のポリフェニレンエーテルに対して、0.1~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。
これらの成分は、各々、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<<<<<ドライフィルム>>>>>
ドライフィルムは、フィルム材料上に本発明の硬化性組成物からなる樹脂層を有する。ドライフィルムは、樹脂層を、基材に接するようにラミネートして使用される。
ドライフィルムは、キャリアフィルム(支持フィルム)上に硬化性組成物をブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の適宜の方法により均一に塗布し、乾燥して、前記した樹脂層を形成し、好ましくはその上にカバーフィルム(保護フィルム)を積層することにより、製造することができる。カバーフィルムとキャリアフィルムは同一のフィルム材料であっても、異なるフィルムを用いてもよい。
キャリアフィルム及びカバーフィルムのフィルム材料は、ドライフィルムに用いられるものとして公知のものをいずれも使用することができる。
キャリアフィルムとしては、例えば、2~150μmの厚さのポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルムが用いられる。
カバーフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を使用することができるが、樹脂層との接着力が、キャリアフィルムよりも小さいものが良い。
ドライフィルム上の樹脂層の膜厚は、100μm以下が好ましく、5~50μmの範囲がより好ましい。
<<<<<硬化物>>>>>
硬化性組成物、又は硬化性組成物からなる樹脂層を有するドライフィルムを用いて、硬化物を製造することができる。
本実施形態に係る硬化性組成物は、通常、ネガ型のフォトリソグラフィ法に適用される。以下、本実施形態に係る硬化性組成物をネガ型のフォトリソグラフィ法に適用して、本実施形態に係る硬化性組成物の硬化物であるパターン膜を製造する方法を説明する。
まず、ステップ1として、基材上に硬化性組成物を塗布、乾燥して樹脂層を形成する、或いは基材上にドライフィルムをラミネートして硬化性組成物からなる樹脂層を転写する。硬化性組成物を基材上に塗布する方法としては、従来、硬化性組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法、さらにはインクジェット法等を用いることができる。
塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥条件は、特に限定されないが、自然乾燥、送風乾燥、あるいは加熱乾燥を、60~130℃で1~30分の条件で行うことができる。
基材については、特に制限はなく、シリコンウエハ等の半導体基材、配線基板、各種樹脂や金属などからなる基材に広く適用できる。
次に、ステップ2として、基材上に形成した樹脂層を、パターンを有するフォトマスクを介して、あるいは直接パターン状に、光照射(露光)する。なお、ドライフィルムをラミネートする方法においては、フィルム材料を剥離して露光、或いはフィルム材料が光透過性を有する場合は、樹脂層上にフィルム材料が残した状態で露光し、その後にフィルム材料を剥離する。露光では、光ラジカル重合開始剤を活性化させることができる波長の光を用いる。具体的には、最大波長が350~410nmの範囲にあるものが好ましい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー、レーザーダイレクト露光装置等を用いることができる。
次いで、ステップ3として、樹脂層を現像液で処理する。これにより、樹脂層の未露光部分を除去してパターン膜を形成することができる。現像後は、必要に応じて樹脂層をリンス液により洗浄してもよい。
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。
現像液は、硬化性組成物の主成分であるポリフェニレンエーテルを溶解する溶剤を用いることができ、回路等の腐食を防止するために、有機溶剤とすることが好ましい。例えば、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン等の溶剤の他、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶剤を用いることができ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、現像液には、現像速度を調整する観点から、上記した有機溶剤以外の溶剤を組みわせることができ、必要に応じて、界面活性剤等を適当量含有してもよい。
リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
また、必要に応じて、ステップ5として、パターン膜を加熱してもよい。加熱温度は、特に限定されないが、例えば、100~220℃で30~120分程度の加熱等である。このときの雰囲気(気体)としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いてもよい。
<<<<<電子部品>>>>>
電子部品は、前述した本実施形態の硬化物を有するものであり、本実施形態の硬化物は、優れた誘電特性や耐熱性を有することから、電子部品を構成する材料として、種々の用途に使用可能である。
その用途は特に限定されないが、好ましくは、第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等の電子部品における絶縁材料が挙げられる。
<<<ポリフェニレンエーテルAの合成>>>
<<PPEA-1の合成>>
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ-μ-ヒドロキソ-ビス[(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)2.6gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)3.18mLを加えて十分に溶解させ、100ml/minにて酸素を供給した。原料フェノール類である2,6-ジメチルフェノール89.1g(90mol%)と2-アリルフェノール10.9g(10mol%)とをトルエン1.5Lに溶解させ原料溶液を調製した。この原料溶液をフラスコに滴下し、600rpmの回転速度で攪拌しながら40℃で10時間反応させた。反応終了後、メタノール20L:濃塩酸22mLの混合液で再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、PPEA-1を得た。PPEA-1の数平均分子量は17,500、重量平均分子量は192,000であった。
<<PPEA-2の合成>>
上記したPPEA-1の合成方法にて、反応時間を8時間とする以外は同様の方法にて、PPEA-2を得た。PPEA-2の数平均分子量は19,000、重量平均分子量は84,600であった。
<<PPEA-3の合成>>
上記したPPEA-1の合成方法にて、反応時間を6時間とする以外は同様の方法にて、PPEA-3を得た。PPEA-3の数平均分子量は14,500、重量平均分子量は50,000であった。
<<PPEA-4の合成>>
上記したPPEA-1の合成方法にて、反応時間を5時間とする以外は同様の方法にて、PPEA-4を得た。PPEA-4の数平均分子量は12,000、重量平均分子量は36,000であった。
<<<ポリフェニレンエーテルBの合成>>>
<<PPEB-1の合成>>
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ-μ-ヒドロキソ-ビス[(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)0.050gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0047gを加えて十分に溶解させ、50ml/minにて酸素を供給した。原料フェノール類である2,6-ジメチルフェノール8.8g(80mol%)と、2-アリル-6-メチルフェノール0.67g(10mol%)2-アリルフェノール1.2g(10mol%)とをトルエン60mLに溶解させ原料溶液を調製した。この原料溶液をフラスコに滴下し、600rpmの回転速度で攪拌しながら40℃で18時間反応させた。反応終了後、メタノール1.2L:濃塩酸4mLの混合液で再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、PPEB-1を得た。PPEB-1の数平均分子量は5,600、重量平均分子量は11,500であった。
<<PPEB-2の合成>>
上記したPPEB-1の合成方法にて、原料フェノール類である2,6-ジメチルフェノールを5.5g(50mol%)と、2-アリル-6-メチルフェノールを5.3g(40mol%)に変更した以外は同様の方法にて、PPEB-2を得た。PPEB-2の数平均分子量は5,400、重量平均分子量は11,200であった。
<<PPEB-3の合成>>
上記したPPEB-1の合成方法にて、原料フェノール類である2,6-ジメチルフェノールを1.1g(10mol%)と、2-アリル-6-メチルフェノールを10.7g(80mol%)に変更した以外は同様の方法にて、PPEB-3を得た。PPEB-2の数平均分子量は5,600、重量平均分子量は14,000であった。
<<<硬化性組成物の調製>>>
<<実施例1>>
PPEA-1:75質量部と、PPEB-3:25質量部と、光ラジカル発生剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(IGM Resins社製:商品名「Omnirad819」):3質量部と、チオール基含有化合物であるトリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学株式会社製:商品名「TMMP」):20質量部とを配合し、シクロヘキサノン:400質量部を加えて40℃にて30分混合、攪拌して完全に溶解させた。次いで、過酸化物としてα,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製:商品名「パーブチルP」):2質量部を配合し、マグネチックスターラーにて攪拌し、実施例1の樹硬化性組成物のワニスを得た。
<<実施例2~10、比較例1~6>>
各成分と含有量を表1に示す成分及び数値とした以外は実施例1と同様に、硬化性組成物を調整し、実施例2-13、比較例1-3の硬化性組成物のワニスを得た。
<<<評価>>>
各硬化性組成物及び各硬化性組成物を硬化して得られた硬化膜について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<<感光性及び現像性評価>>
各硬化性組成物のワニスを、シリコンウエハ上に、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が約3μmとなるように塗布し、ホットプレートで80℃1分間乾燥させ、各硬化性組成物からなる樹脂層を形成した。その後、樹脂層を形成したシリコンウエハを2.5×15cmの形状に裁断し、感光性及び現像性の試験用サンプルとした。各試験サンプルの樹脂層に、波長365nmの光を積算光量として、0(未露光)、400、800、1200、1600、2000mJ/cm照射し、次いで、シクロヘキサノンに10秒間浸漬させて現像した。現像後の試験サンプルを乾燥させた後、各露光量にて残存した樹脂層の厚みを触針式表面形状測定器にて測定した。未露光部の残存膜厚と各露光部の残存膜厚の差(現像コントラスト)に基づき、フォトリソグラフィの可否を以下基準にて評価した。
(評価基準)
◎◎:800mJ/cm以上の露光で、十分な現像コントラストが得られた。
◎ :1200mJ/cm以上の露光で、十分な現像コントラストが得られた。
○ :2000mJ/cmの露光で、十分な現像コントラストが得られた。
△ :2000mJ/cmの露光で、僅かに現像コントラストが得られた。
× :露光部に耐現像性が得られない、または、未露光部が現像されず、現像コントラストが得られない。
<<誘電特性>>
厚さ18μm銅箔の光沢面に、各硬化性組成物を乾燥後の膜厚が30μmになるようにアプリケーターにて塗布し、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥した。次いで、イナートオーブンで200℃、1h硬化した後、銅箔をエッチングすることで各組成物からなる硬化物(硬化膜)を得た。
作製した硬化膜を長さ80mm、幅45mmに切断したものを試験片として、SPDR(Split Post Dielectric Resonator)共振器法により比誘電率Dk及び誘電正接Df測定した。測定器には、キーサイトテクノロジー合同会社製のベクトル型ネットワークアナライザE5071C、SPDR共振器、計算プログラムはQWED社製のものを用いた。条件は、周波数10GHz、測定温度25℃とした。
Figure 2023037449000001
Figure 2023037449000002

Claims (7)

  1. ポリフェニレンエーテルAと、
    ポリフェニレンエーテルBと、
    不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、
    光ラジカル発生剤と、を含み、
    前記ポリフェニレンエーテルAと前記ポリフェニレンエーテルBは、それぞれ、少なくとも下記条件1を満たすフェノール類と少なくとも下記条件2を満たすフェノール類とを含む原料フェノール類から得られ、
    前記ポリフェニレンエーテルAは、重量平均分子量が40,000超200,000以下であり、かつ、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%未満であり、
    前記ポリフェニレンエーテルBは、合成時の原料フェノール類全体に対する条件2を満たすフェノール類の含有量が20mol%以上である、感光性組成物。
    (条件1)
    オルト位及びパラ位に水素原子を有する
    (条件2)
    パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
  2. 前記ポリフェニレンエーテルBは、重量平均分子量が5,000以上40,000以下である、請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記ポリフェニレンエーテルAと前記ポリフェニレンエーテルBの含有割合(ポリフェニレンエーテルA:ポリフェニレンエーテルB)が、質量比で25:75~75:25である、請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. 前記不飽和炭素結合とラジカル重合可能な官能基がチオール基及び/又はアリル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性組成物からなる樹脂層を有するドライフィルム。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性組成物又は請求項5に記載の樹脂層の硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を有する電子部品。
JP2021144220A 2021-09-03 2021-09-03 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品 Pending JP2023037449A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021144220A JP2023037449A (ja) 2021-09-03 2021-09-03 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品
PCT/JP2022/031769 WO2023032765A1 (ja) 2021-09-03 2022-08-23 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品
TW111132703A TW202323370A (zh) 2021-09-03 2022-08-30 感光性組成物、乾膜、硬化物及電子零件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021144220A JP2023037449A (ja) 2021-09-03 2021-09-03 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023037449A true JP2023037449A (ja) 2023-03-15

Family

ID=85412509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021144220A Pending JP2023037449A (ja) 2021-09-03 2021-09-03 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2023037449A (ja)
TW (1) TW202323370A (ja)
WO (1) WO2023032765A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024210077A1 (ja) * 2023-04-03 2024-10-10 太陽ホールディングス株式会社 積層体、硬化物、該硬化物からなる層間絶縁層、および配線基板

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024122788A (ja) * 2023-02-28 2024-09-09 太陽ホールディングス株式会社 硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56120729A (en) * 1980-02-27 1981-09-22 Mitsubishi Chem Ind Ltd Polyphenylene ether having allyl group at side chain
JP4334663B2 (ja) * 1998-04-07 2009-09-30 パナソニック株式会社 重合皮膜の形成方法と、これを用いた金属材料の絶縁被覆方法および絶縁被覆金属導体
JP2007166985A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Kyushu Univ 芳香族ポリマー組成物の水酸基含有量の調整方法
TW202007709A (zh) * 2018-07-17 2020-02-16 日商太陽控股股份有限公司 聚苯醚、包含聚苯醚之硬化性組成物、乾膜、預浸體、硬化物、積層板,及電子零件

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024210077A1 (ja) * 2023-04-03 2024-10-10 太陽ホールディングス株式会社 積層体、硬化物、該硬化物からなる層間絶縁層、および配線基板

Also Published As

Publication number Publication date
TW202323370A (zh) 2023-06-16
WO2023032765A1 (ja) 2023-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2023032765A1 (ja) 感光性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品
JP7366521B2 (ja) 半導体装置、及びその製造方法
KR101310407B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 감광성 엘리먼트, 레지스트 패턴의 형성방법, 및, 프린트 배선판의 제조방법
JP2012516927A (ja) 新規なポリアミック酸、ポリイミド、これを含む感光性樹脂組成物およびこれから製造されたドライフィルム
TWI734251B (zh) 覆膜的製造方法及印刷線路板
TWI620012B (zh) 感光性樹脂組成物、乾膜及印刷線路板
JP6797911B2 (ja) スルホニウム塩、光酸発生剤、硬化性組成物およびレジスト組成物
KR20030013330A (ko) 오르가노실록산계 고분자 화합물, 광경화성 수지 조성물,패턴 형성 방법 및 기판 보호용 피막
WO2008010521A1 (fr) Composition de résine photosensible
CN102164977B (zh) 感光性树脂组合物及其中使用的感光性树脂的制造方法
WO2019225185A1 (ja) スルホニウム塩、光酸発生剤、硬化性組成物およびレジスト組成物
WO2022097684A1 (ja) 感光性樹脂組成物、その硬化物及び多層材料
US20090029287A1 (en) Photosensitive resin composition
TW201027241A (en) Flame-retardant photocurable resin composition, dry film and cured product of the same, and printed wiring board using the composition, dry film or cured product
WO2008007764A1 (fr) Composition de résine photosensible, produit stratifié en cette composition, objet durci en cette composition, et procédé de traçage de motif à partir de cette composition
JPWO2016010124A1 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物
TW201111911A (en) Photosensitive resin composition, photosensitive resin laminate, and method for forming resist pattern
KR910003964B1 (ko) 광경화성 적층판
JP6476558B2 (ja) 酸基含有(メタ)アクリレート樹脂、酸基含有(メタ)アクリレート樹脂の製造方法、硬化性樹脂材料、その硬化物、及びレジスト材料
JP2012022227A (ja) フッ素化アルキルリン酸ヨードニウム系光酸発生剤含有エネルギー線硬化性組成物
WO2024181388A1 (ja) 硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、及び電子部品
JP2010266768A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2010054847A (ja) 感光性樹脂組成物及び凹凸基板の製造方法
CN105467756A (zh) 感光性树脂组合物
JP2019045674A (ja) 液状感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂層、レジストパターンの形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20240601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240823

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20240920