JP4333854B2 - ポリエステル化粧合板 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はポリエステル化粧合板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧板用の化粧紙を合板に接着し不飽和ポリエステル樹脂を塗布したポリエステル化粧合板、いわゆるポリ板と称せられるものや、熱硬化性樹脂含浸紙を熱圧成形した熱硬化性樹脂積層板が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらポリ板は曲げ加工が困難であった。すなわちポリ板は可とう性が少ないため曲げ加工をしようとすると材破を招き、さらにこの材破を克服するあまり木質系基材にVカット溝を形成して屈曲させようとすると表層にクラックが生じることがあった。一方、熱硬化性樹脂積層板、例えばメラミン樹脂化粧板の表面に擦り傷や打痕、異物などの欠点が生じた生産不良品には商品価値がなく廃棄せざるを得ない状況にあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる状況に鑑み検討されたもので,下から順に,基材としての合板と,両面がサンディング処理された熱硬化性樹脂積層板に化粧紙を接着してフィルム成形法により製造されたポリエステル化粧ボードとが,接着剤を介して積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル化粧合板である。以下,本発明について,詳細に説明する。
【0005】
本発明のポリエステル化粧合板の化粧層は化粧板用の化粧紙に通常公知の不飽和ポリエステル樹脂からなる樹脂液を塗布し硬化させてなり,この樹脂液はエチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコールなどの多価アルコールと多塩基酸,例えばフマル酸,無水マレイン酸などの不飽和多塩基酸,無水フタル酸,イソフタル酸などの不飽和多塩基酸と適宜選択して縮合させて得られる不飽和ポリエステル樹脂に,スチレンの如き重合性モノマーや,メチルエチルケトンパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物,ハイドロキノン,カテコールなどの重合禁止剤,トルエン,アセトンなどの有機溶剤,離型剤,着色用の顔料などを加えたものであり,必要に応じてビニルエステル樹脂,アクリル樹脂などで変性したものを用いることができる。
【0006】
本発明において用いる熱硬化性樹脂積層板としては、例えばメラミン樹脂含浸紙とフェノール樹脂含浸紙とを通常公知の方法で熱圧成形したメラミン樹脂化粧板、メラミン樹脂含浸紙を同様の方法で熱圧成形したメラミン樹脂積層板、フェノール樹脂含浸紙を同様の方法で熱圧成形したフェノール樹脂積層板などが挙げられ、化粧紙、合板との接着性を考慮して両面をサンディング処理したものが適する。この他、表面に極くわずかな欠点、例えば擦り傷、打痕、異物などがあるメラミン樹脂化粧板の化粧層をサンディング装置で除去したものも資源の再利用の面からも好適である。いずれも曲げ加工性を考慮して厚みは0.4〜1.2mmとするのが望ましく、下限以下では取扱い中に破損しやすく、上限を超えると曲げ加工性が劣るため好ましくない。
【0007】
サンディング装置としてはベルトサンダー、ドラムサンダー、ディスクサンダーなどが挙げられるが、中でも駆動輪と従動輪にエンドレス研磨布を掛けたベルトサンダーが広面積用途として汎用性があり好ましく、研磨布の粒度(#)は80〜240、研削材としては溶融アルミナ、炭化ケイ素などが好ましい。研磨布の粒度(#)が下限に満たないとサンディング面が粗くなりポリエステル化粧合板の表面に両面がサンディング処理された熱硬化性樹脂積層板の凹凸が現われやすく、また上限を超えると目が細かすぎるためサンディング処理や、メラミン樹脂化粧板の化粧層を除去するのが難しく、十分な接着面積も確保できない。
【0008】
本発明のポリエステル化粧合板は、両面をサンディング処理した熱硬化性樹脂積層板と化粧紙とを酢酸ビニル樹脂接着剤などを用いて接着した後、化粧紙の表面に不飽和ポリエステル樹脂からなる樹脂液を塗布した後、フィルムを載置し脱泡し、樹脂を硬化させるいわゆるフィルム成形法に基づいたポリエステル化粧ボードを得た後、基材として5〜7プライの厚み6〜12mmの合板、あるいは3〜5プライの厚み2〜3mmの合板を複数枚用い、接着剤、例えば酢酸ビニル樹脂接着剤を介して熱圧成形することにより得ることができるが、特に製法について限定されるものではない。ただ、基材としては厚みが6〜15mmの合板を1枚用いるよりも厚みが2〜3mmの合板を複数枚用いた方が曲げ加工性に優れ、とりわけ好ましい結果が得られる。熱圧成形する条件は、温度は60〜120℃、圧力は5〜20kg/cm2、時間は20秒〜10分程度でよい。
【0009】
かようにして得られたポリエステル化粧合板は、平板のままで壁面などに供されるのはもちろんのこと、曲面成形が可能であるため湾曲面に施工することができるなど内装材としての利用範囲は広い。
【0010】
湾曲面用として供する場合は基材として複数枚の合板を用い、フィルム成形法により得られたポリエステル化粧ボードと接着剤を介して所望の曲面を有する雄型と雌型の二つの型に挿入して熱圧成形すればよい。加熱手段としてはスチーム、電熱ヒーター、高周波など公知の方法が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0011】
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
実施例1
研磨布の粒度が120で両面がサンディング処理された厚み1.0mmのフェノール樹脂積層板4と、化粧紙として木目柄印刷紙とをエチレン酢酸ビニル系接着剤(アイカ工業株式会社製、AE−49H(硬化剤)、AE−49K(主剤))を用いて接着した。次いでエチレングリコールとフマル酸からなる不飽和ポリエステル樹脂にベンゾイルパーオキサイド、ハイドロキノン、トルエン、アセトンなどを加えた樹脂液を塗布しフィルム成形してポリエステル化粧ボード8aを得た。次いで、厚みが6mmの合板1とを同様の酢酸ビニル系接着剤を介して温度60℃、圧力10kg/m2、時間3分の条件で熱圧成型し、実施例1のポリエステル化粧合板9aを得た。
【0012】
実施例2
実施例1と同様のポリエステル化粧ボード8aを用い、厚みが2.5mmの合板3枚とを実施例1と同様の酢酸ビニル系接着剤を介在して温度60℃、圧力10kg/m2、時間5分の条件で熱圧成型し、実施例2のポリエステル化粧合板9bを得た。
【0013】
実施例3
実施例1においてフェノール樹脂積層板4の代わりに、化粧層に極くわずかな擦り傷があり既に裏面が研磨布の粒度が120でサンディング処理されたメラミン樹脂化粧板の化粧層を粒度が80のベルトサンダーで除去した厚み1.0mmの化粧層除去メラミン樹脂化粧板5を用いてポリエステル化粧ボード8cを得た。次いで、厚みが2.5mmの合板3枚とを実施例1と同様の酢酸ビニル系接着剤を介在して温度60℃、圧力10kg/m2、時間5分の条件で熱圧成型し、実施例3のポリエステル化粧合板9cを得た。
【0014】
比較例1
厚みが9mmの合板と、化粧紙として木目柄印刷紙とを実施例1と同様の酢酸ビニル系接着剤を用いて接着した。次いで実施例1と同様の樹脂液を塗布しフィルム成形して比較例1の化粧ボードを得たが曲げ加工性が劣っていた。
【0015】
比較例2
厚み3.0mmの合板を3枚、実施例1と同様の酢酸ビニル系接着剤を介して積層一体化した後、化粧紙として木目柄印刷紙とを接着した。次いで実施例1と同様の樹脂液を塗布しフィルム成形して比較例2の化粧ボードを得たが曲げ加工性が劣っていた。
【0016】
比較例3
実施例2において研磨布の粒度が60でサンディング処理したフェノール樹脂積層板3を用いた以外は同様に成形し比較例3の化粧ボードを得たが、化粧表面のサンディング跡が目立った。
【0017】
比較例4
実施例2において、研磨布の粒度が320でサンディング処理したフェノール樹脂積層板3を用いた以外は同様に成形し比較例4の化粧ボードを得たが、合板との密着性が好ましくなかった。
【0018】
評価結果を表1に示す。
【表1】
* ph:フェノール樹脂積層板
me:化粧層除去メラミン樹脂化粧板
【0019】
評価方法については以下の通りとした。
曲げ成形性:105℃−25R、105℃−200Rで加工し異常なきを○、化粧層にクラックありを△、材破したものを×とした。
外観:30cm離れた位置の斜光下目視にて確認し、異常なきを〇、下地のサンダー目が確認されたものを×とした。
浸せきはくり:JAS「特殊合板の日本農林規格」の2類浸せきはくり試験に基づき実施した。剥離なきを〇、剥離有りを×とした。
【0020】
【発明の効果】
本発明のポリエステル化粧合板は熱硬化性樹脂積層板を介在させることにより可とう性が優れたものとなり、とりわけ薄い複数枚の合板を用いることにより更に曲げ加工が容易になり湾曲面への施工ができる。
【0021】
更に、表面に一部欠点のあるメラミン樹脂化粧板の化粧層を除去して残った材を再利用することができ資源的に好都合で、環境的にも非常に都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポリエステル化粧合板の構成断面図。
【図2】実施例2のポリエステル化粧合板の構成断面図。
【図3】実施例3のポリエステル化粧合板の構成断面図。
【符号の説明】
1 合板
2 複層合板
3 化粧層
4 フェノール樹脂積層板
5 化粧層除去メラミン樹脂化粧板
7 化粧層除去面
8 ポリエステル化粧ボード
8c ポリエステル化粧ボード
9a ポリエステル化粧合板
9b ポリエステル化粧合板
9c ポリエステル化粧合板
Claims (6)
- 下から順に,基材としての合板と,両面がサンディング処理された熱硬化性樹脂積層板に化粧紙を接着してフィルム成形法により製造されたポリエステル化粧ボードとが,接着剤を介して積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル化粧合板。
- 前記の熱硬化性樹脂積層板がフェノール樹脂積層板であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル化粧合板。
- 下から順に,基材としての合板と,メラミン樹脂化粧板の化粧層をサンディングにて除去した化粧層除去メラミン樹脂化粧板に化粧紙を接着してフィルム成形法により製造されたポリエステル化粧ボードとが,接着剤を介して積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル化粧合板。
- 下から順に,基材としての複数枚の合板と,両面がサンディング処理された熱硬化性樹脂積層板に化粧紙を接着してフィルム成形法により製造されたポリエステル化粧ボードとが,接着剤を介して積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル化粧合板。
- 前記の熱硬化性樹脂積層板がフェノール樹脂積層板であることを特徴とする請求項4記載のポリエステル化粧合板。
- 下から順に,基材としての複数枚の合板と,メラミン樹脂化粧板の化粧層をサンディングにて除去した化粧層除去メラミン樹脂化粧板に化粧紙を接着してフィルム成形法により製造されたポリエステル化粧ボードとが,接着剤を介して積層一体化されてなることを特徴とするポリエステル化粧合板。
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