JP4328102B2 - 排水の生物処理槽および生物処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、微生物固定化担体を利用して生物学的に汚水処理を行なう排水の生物処理槽およびこの処理槽を用いた排水の生物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
排水の新しい生物処理法の一つとして、担体に微生物を固定し、窒素やりん等の富栄養化成分を除去する微生物包括固定法が開発されている。この方法では、一例を図12に示すように、一般に、排水等の被処理水が充満した処理槽21に、ペレット状の担体Aが投入され、この担体Aに排水を処理する微生物が固定され、処理槽21中への微生物が高濃度に維持されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12に示した処理槽21では、その底部に空気供給源に連通した曝気装置22が配設され、また、その内部には、傾斜したスクリーン23を有する担体分離装置が設けられ、スクリーン23の目詰まりを効果的に抑制するために、スクリーン23に対向してほぼ並行に、モータ24の駆動軸に連結されたプーリ25、25aに、無端状のベルト26を巻き掛けた移動壁装置27が設けられている。
【0004】
前記曝気装置22から細やかに散気された空気により被処理水が攪拌されると、担体に固定された微生物に酸素が供給され、かつ、被処理水と担体Aとが混合した状態で流動し、被処理水中の窒素などが生物学的に処理され、被処理水は移動壁装置27の上端を越えてスクリーン23とベルト26の対向面26Aとの間を下降し、このスクリーンを通過して、流出口28から排水される。この過程で、移動壁装置27のベルト26の周回移動により、スクリーン23に与える被処理水の平行流の流速が大きくなり、スクリーン23の洗浄効果が高められる。
【0005】
また、他の例では、図13に示すように、上部と下部に開口を設けた阻流板32を配置し、下部開口に、支柱33に支持されてプロペラ式攪拌機34をそれぞれ配備した汚水処理槽31が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この汚水処理槽31では、プロペラ式攪拌機34を作動させることにより、阻流板32によって区分された区画ごとに、阻流板32を挟んで上下に、流入口35から流入した被処理水の循環流が形成されるため、担体Aが流出口36に偏らずに、処理槽31の全体に分散される。また、ブロワ37を運転し、曝気装置38から散気させることにより、阻流板32によって区分された区画ごとに旋回流が発生し、充分に生物学的に処理された被処理水が、スクリーンを備えた流出口36から流出する。
【0006】
さらに、スクリーンに付着した担体を分離する装置として、水中攪拌曝気装置による吸引動力および循環ポンプにより誘起したスクリーン全面の下降流によるせん断力で、前記担体を除去する装置も開発されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−86177号公報([0006]〜[0026])
【特許文献2】
特開平7−136679号公報([0005]〜[0015])
【非特許文献3】
第36回下水道研究発表会講演集(1999)、P.577〜P.579
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2002−86177号公報に開示された汚水処理槽21では、被処理水の下降流にさらに強制流動を与えて、スクリーン23の洗浄効果を高めるために、スクリーン23の前面側に対向して、モータ駆動の移動壁装置27を設けており、一方、特開平7−136679号公報では、汚水処理槽31内に阻流板32を設け、被処理水の循環流を形成し、担体Aの偏在防止のために、阻流板32の下部開口にプロペラ式攪拌機34を設けている。このため、いずれの場合でも、担体の沈降を防止するために必要な攪拌や担体に固定された微生物に酸素を供給する曝気に必要な動力以上の動力を余分に必要とし、スクリーン閉塞防止し、前記処理槽への担体の戻りや分散を良好にするために前記装置類を新たに設置することでイニシャルコストが増大し、それらの運転・管理を行なうことでランニングコストが増大するなど、設備コストおよびエネルギ消費の観点から問題がある。また、担体分離のために水中曝気装置を用いる場合でも、曝気に必要な動力以外に、循環ポンプによる攪拌動力が必要である。
【0009】
また、停電が発生した場合、非常電源が起動するまでに数秒から数十秒の時間を必要とするため、この間にスクリーンから担体を除去する被処理水の流れがなくなると、上記いずれの場合も、瞬時にスクリーンの目詰まりが発生して処理槽から汚水と担体とが溢れ出すおそれがある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、外部から担体沈降防止および曝気以外には動力供給を必要とせずに、処理槽内に循環流を形成して担体とスクリーンとを円滑に分離でき、スクリーンに目詰まりが発生せず、担体の戻りが良好な排水の生物処理槽および生物処理方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するためにこの発明では以下の構成を採用したのである。
【0012】
即ち、微生物を固定した担体を浮遊状態で含む排水の生物処理槽の被処理水の流出側に設置した担体分離用のスクリーンと、このスクリーンの前面側に対向するダクト壁面と、このダクト壁面の下端側から前記生物処理槽の底部に沿って流入側に至る担体の戻り用のダクト壁面と、流入側のダクト壁面により形成される循環ダクトとを備えた排水の生物処理槽であって、前記生物処理槽の流入側に、流入した被処理水の、周囲の流体を引き込む吸引流れを形成するように、前記生物処理槽の流入側壁面の下部にエジェクタ管を設け、このエジェクタ管の効果による吸引流れにより、流入する被処理水と循環ダクトからの担体の戻り流とを混合するエジェクタ型混合域が形成されるようにしたことを特徴とする排水の生物処理槽を構成したのである。
【0013】
前記生物処理槽は、通常、複数直列に配置されて汚水等の被処理水が生物処理され、上流側の処理槽の方の水位が高いため、例えば、図1に示すように、通常、隣接する処理槽間には水位差Δhが存在する。この水位差Δhにより、生物処理槽1の流入側壁面2に設けた下部開口3から、隣接する上流側の生物処理槽1aの被処理水が流入する。その際に、上流側処理槽1aの持つ位置エネルギが下部開口3を通過する際に運動エネルギに変換され、被処理水の運動量が、処理槽1内の周囲の流体を引き込む吸引流れが形成される。
【0014】
このように、生物処理槽1に着目すれば、その流入側に、流入した被処理水の吸引流れが、流入側壁面2と仕切り板Tとで形成される流路で上方向に生じることにより、流入側にエジェクタ型混合域Mが形成される。そして、この被処理水は、循環ダクト4の外壁面4a、4b、4cで形成された反応域5で水中攪拌機6により攪拌されながら、前記担体Aと混合接触して生物処理され、スクリーン7の前面側では、担体Aが混合した被処理水の下降流が形成される。この下降流により、電力などの外部エネルギを供給しなくても、スクリーン7から担体Aを取り除いて目詰まりを防止することができ、生物処理された被処理水がスクリーン7を通過して下流側の処理槽1bの方へ流出するとともに、被処理水の一部が循環ダクト4の戻り流となって、担体Aを処理槽1の流入側まで流動させることができる。このように、流入側に形成されたエジェクタ型混合域Mで被処理水と返送された担体Aとが混合され、処理槽内に循環流が形成される。そして、前記生物処理槽の流入側壁面の下部にエジェクタ管を設けることにより、このエジェクタ管から生物処理槽内に流出する被処理水の流速が、流入側壁面に生物処理槽の幅に亘って流入口を設けた場合よりも大きくなり、エジェクタ型混合域での被処理水と、最下流の生物処理槽から循環ダクトを介して戻された担体との混合がより効果的に行なわれる。
【0015】
なお、前記水位差Δhは、前記下部開口3の断面積、即ちエジェクタ部の面積と被処理水の処理流量から決まり、処理槽内での循環流の形成に必要な吸引流れが発生するように、処理流量に対応して、エジェクタ部断面積が設計される。また、上流側の処理槽から横方向に被処理水を導入して、吸引流れを生じさせることもできる。
【0016】
そして、前記循環ダクト4内を処理槽1の上流側まで流動してきた担体Aを含む戻り流は、流入側での吸引流れの作用、即ちエジェクタ効果により形成されるエジェクタ型混合域で、被処理水と混合されて前記反応域5に送られ、このエジェクタ型混合域Mでの被処理水と担体Aとの混合効果により、前記反応域5での被処理水の生物処理が効果的に行なわれる。
【0017】
ここで、前記循環ダクト内での担体を返送する戻り流の流動性について検討すると、エジェクタ型混合域での運動量保存式は、
ρ(W1V1 2+W2V2 2)+(W1+W2)(p−Δp)=ρW3V3 2+W3p--(1)
となり、循環ダクト内での担体を含む戻り流の圧力損失Δpは、
Δp=λL[(W0+W4)/(2W0W4)]×ρV4/2 ------------(2)
となる。
ここに、W0:スクリーンの幅 W1〜W4:図1に示した各位置での流路高さ(m) V1〜V4:同各位置での流速(m/s) λ:圧力損失係数
L:処理槽底部の循環ダクト長さ(m) ρ:密度(1000kg/m3)
Δh:処理槽間の水位差、である。
式(1)と式(2)とを連立させると、
Δp=λL[(W0+W4)/(2W0W4)]×ρV4/2=ρ[W1W2/W3 2](V1 2−V2)2 -------------------(3)
流入する被処理水の流速V1は、被処理水の流量Q0および下部開口部3の面積、即ちエジェクタ部面積から求めることができるので、式(3)はV2に関する2次式となって、
V2=[α±(α×β)0.5]×V1/(α−β) -----------------------(4)
となる。
ここで、α=W1W2/W3、 β=λL[(W0+W4)/(4W0W4 3)]×W2 2 である。
【0018】
例えば、被処理水の流量Q0=1260m3/hの場合、W0=4(m)、W1=0.088(m)、W2=0.2(m)、W4=0.2(m)、L=5(m)、Δh=50(mm)、圧力損失係数λは、担体が含まれるため粘性が大きくなることを考慮して、λ=0.2と見積もると、式(4)により、戻り流の流速V2が求まり、このV2の値から、式(3)により、処理槽底部の循環ダクト内での圧力損失Δpが求まり、式(2)を用いて循環ダクト4内での戻り流の流速V4が求まる。この流速V4が算出されると、担体Aを含む戻り流の流量Q4=V4×W4×W0×3600=817m3/hとなる。いま、担体Aの処理槽への投入率(槽内水量に対する比率)を10%とすると、循環ダクト内の戻り流に含まれる担体の比率Rは、概略、
R=(1260+817)×0.1/817≒0.25
となる。即ち、戻り流の担体Aの含有率は25%程度となって、良好な流動性が保たれ、処理槽内に循環流が円滑に形成される。
【0019】
微生物を固定した担体を浮遊状態で含む排水の生物処理室が、被処理水の通過部を設けた隔壁を介して複数直列に連結され、生物処理室間を被処理水が流れる方向を基準としたときの、最下流の生物処理室の流出側に設置した担体分離用のスクリーンと、前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面と、このダクト壁面の下端側から前記生物処理室の底部に沿い、前記隔壁を貫通して、最上流の生物処理室の流入側に至る担体の戻り用のダクト壁面と、流入側のダクト壁面により形成される循環ダクトとを備えた排水の生物処理槽であって、前記生物処理槽の流入側壁面の下部にエジェクタ管を設け、このエジェクタ管の効果による吸引流れにより、流入する被処理水と循環ダクトからの担体の戻り流とを混合するエジェクタ型混合域が形成されるように排水の生物処理槽を構成することができる。
【0020】
このような装置構成では、最上流の処理槽の流入側で、位置エネルギを運動エネルギに変換する手段により吸引流れを生じさせるために必要な水位差Δhは、この最上流の処理槽とこの最上流の処理槽に隣接する上流側処理槽との間で確保できればよいため、処理槽全体の水位差を低く抑えることができる。また、前記スクリーンは、最下流の処理槽にのみ設ければよく、前記エジェクタ混合域も、最上流の処理槽の流入側のみに設ければよいため、生物処理槽を連結した場合の装置構成が簡便となり、経済的である。さらに、循環ダクトにより、最下流の処理槽1hから最上流の処理槽1fに担体Aが返送されるので、下流側の処理槽への担体の偏在が防止される。
【0023】
前記スクリ−ン前面側に対向したダクト壁面と流入側のダクト壁面とを連結管により接続して循環ダクトを形成することもできる。
【0024】
このようにすれば、連結管の断面が軸対象形状であるため、ダクト高さを大きくとれるので、夾雑物によるダクト閉塞の危険性がより少なくなる。また、処理槽の底面からの循環ダクトを形成する連結管として、既存の市販の管材を用いることができるため、経済的である。
【0025】
前記生物処理槽の流入側に形成されたエジェクタ型混合域に曝気装置を組み入れることが望ましい。
【0026】
このようにすれば、曝気装置により、エジェクタ型混合域に供給される空気が、本来の曝気作用に加えて、エアリフト効果を発揮するため、所要の水位差Δhを確保できない場合などでも、前記吸引流れを生じさせるに必要な吸引力を補うことができる。
【0027】
前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面が、前記生物処理槽の底部両側に分岐し、この分岐したダクト壁面の下端側から流路が前記生物処理槽の両側底部に沿って流入側に至り、さらにそれぞれの流路が前記流入側壁面に沿って上方に延びるようにして担体の戻り用の循環ダクトが形成され、この上方に延びた循環ダクトの内部に、前記エジェクタ管をそれぞれ設けて排水の生物処理槽を構成することもできる。
【0028】
前記排水の生物処理槽では、通常、担体の堆積を防止するために、底部両側は、長手方向に沿って、側面から底面にかけ下方へ傾斜した斜面状に形成されている。上記のように、前記生物処理槽の両側底部に、その流出側から流入側へ至る長手方向に流路を設けるようにすれば、斜面状に形成された生物処理槽の両側底部のスペースを有効に利用することができる。それにより、循環ダクトを生物処理槽内に設けずに済み、生物処理の反応域が実質的に広くなるなど、生物処理槽内の容積をより有効利用できる。
【0029】
前記エジェクタ管が流量調整手段を備えていることが望ましい。
【0030】
前記担体を返送する循環ダクト内の流速は、ダクト内の圧力損失を防止する観点から30mm/s以下に、担体がダクト内に沈降し、滞留することを防止する観点から10cm/s以上にする必要があることから、通常、10〜30cm/sと低速であり、排水中の繊維質などの異物や微生物が分泌する膜などによって循環ダクト内が閉塞する危険性がある。前記流量調整手段により、一方のエジェクタ管を閉じると、閉じた方の循環ダクトも流動が停止するため、処理槽の流入側での水位差(Δh)が増加する。この水位差(Δh)の増加により、他方のエジェクタ管から流出する被処理水が増加し、それに伴って循環ダクト内の流速も増加するため、ダクト内面に付着している前記異物や分泌膜の除去が可能となる。
【0031】
前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面のスクリーン側に形成された内部空間が、仕切り板により分割され、その分割された内部空間の下端側がそれぞれ、前記生物処理槽の両側底部に沿って流入側に至る流路に接続されて前記循環ダクトが形成され、前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面の上部に、分割された内部空間のそれぞれに対応して、前記生物処理槽からの担体の流入を防止するための可動仕切り部材を設けることが望ましい。
【0032】
前記生物処理槽の設計処理流量よりも、排水流量がかなり低い場合には、それぞれの循環ダクトでの戻り流の流速は小さく、循環ダクトの底部に担体が沈降し、滞留する危険性がある。このため、前記可動部仕切り部材を前記ダクト壁面に取り付けて、仕切り板により分割した一方の内部空間への担体の流入を防止すれば、エジェクタ管による吸引流れは継続しているため、この一方の内部空間の下端側から延びた循環ダクトには、分割した他方の内部空間のスクリーンを通過した担体を含まない処理水が流入し、循環ダクト内での担体の沈降や滞留を防止することができる。
【0035】
前記生物処理槽の底部に沿った循環ダクトに、一端側がこの循環ダクトに連通し、他端側が処理槽内の水面から突出するように空気抜き管を設けることが望ましい。
【0036】
このようにすれば、循環ダクト内での空気溜まりの発生を防止できるため、戻り流が円滑に流動し、担体の返送が阻害されずに済む。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態を添付の図2〜図11に基づいて説明する。
【0038】
図2(a)および(b)は、第1の実施形態を示したもので、生物処理室1cは、複数の生物処理室を直列に配置した連結型の生物処理槽で、中間に位置する生物処理室である。この生物処理室1cの流出側には、担体分離用のスクリーン7が、この生物処理室1cの全幅にわたり、かつ、その高さが生物処理室1c内の汚水などの被処理水の水位Hよりも高くなるように設置されている。前記生物処理室1cの流入側壁面2の下部の幅方向に、隣接する上流側の生物処理室1dからの被処理水が流入し、一例として、上方に流れるように複数のエジェクタ管8が設けられている。前記スクリーン7の前面側には、所要の間隔S1をもって、その上部から下方に延び、生物処理室1cの全幅にわたるダクト壁面4aが対向して設けられ、同様に生物処理室1cの流入側にも、前記エジェクタ管8と所要の間隔S2をもって、流入側の下部から上方に延び、生物処理室1dの全幅にわたるダクト壁面4bが設けられている。
【0039】
図2(b)に示したように、生物処理室1cとその上流側の生物処理室1dとの間には、水位差Δhが存在し、この水位差Δhは、被処理水の流量とエジェクタ部の面積、即ちエジェクタ管8の断面積の総和から決まるため、被処理水の吸引流れの作用により、生物処理室1c内に循環流を生じる所要の水位差となるように、被処理水の流量に対応して、エジェクタ部の面積が設計されている。
【0040】
前記ダクト壁面4a、4bは、いずれもその高さが、生物処理室1cの水位Hよりも低くなるように設けられ、それぞれの下部で、図2(c)に示すような連結管9で接続されて、流入側と流出側とが連通した循環ダクト4が形成されている。前記生物処理室1cの流出側壁面10の下部には、流入側壁面2の場合と同様に、その幅方向に複数の開口部3bが設けられ、それぞれの開口部3bに、隣接する下流側の生物処理室1e側に突出した、前記エジェクタ管8と同様のエジェクタ管8aが設けられ、このエジェクタ管8aは、下流側の生物処理室1eの流入側のエジェクタ管となっている。また、前記生物処理室1cの底部は、図2(c)に示したダクト壁4aの幅方向の中央部から両側壁11、11aにかけて上方に傾斜し、担体Aの堆積を防止するように形成されている。
【0041】
前記ダクト壁面4a、4b、生物処理室1cの側壁11、11aと前記生物処理室1cの底部および連結管9の外表面で形成される反応域5に、硝酸菌などの微生物が固定された、PEG(ポリエチレングリコール)などのペレット状の担体Aが投入され、生物処理室1cの側壁11に設けた水中攪拌機6により攪拌されて沈降が防止され、かつ、曝気されて、担体Aが被処理水中に浮遊状態で混合されている。
【0042】
この発明の第1の実施形態は以上のような構成であり、以下にその機能について説明する。
【0043】
前記生物処理室1cとその上流側の生物処理室1dとの間には、図2に示したように、水位差Δhが存在するため、この水位差Δhにより、生物処理室1cの流入側壁面2に設けたエジェクタ管8により、上流側の生物処理室1dから被処理水が流入する。その際に、前述のように、上流側生物処理室1dの持つ位置エネルギがエジェクタ管8を通過する際に運動エネルギに変換され、被処理水の運動量が、生物処理槽1内の周囲の流体を引き込む吸引流れが生じる。
【0044】
この吸引流れの作用、即ちエジェクタ効果により、前記生物処理室1cの流入側と流出側との間に循環流が形成され、スクリーン7の前面側に生じる下降流により、このスクリーン7への担体Aの付着が防止され、停電が発生しても、スクリーン7に目詰まりが発生しない。そして、前記エジェクタ混合域Mで、循環ダクト4を介して流入側へ戻された担体Aと被処理水とが混合され、この混合流体が前記反応域5へ供給されて、生物処理槽1内での担体の分布を均一にすることができ、被処理水の生物処理を効果的に行なうことができる。
【0045】
図3(a)および(b)は、第2の実施形態を示したもので、3室の排水の生物処理室1f、1g、1hが、図示していない被処理水の通過部を設けた隔壁12、12aを介して直列に連結され、最下流の生物処理室1hの流出側にのみ担体分離用のスクリーン7が設置され、最上流の生物処理室1fの流入側壁面2の下部のみ、生物処理室1fの幅方向に、複数のエジェクタ管8が設けられている。そして、前記スクリーン7の前面側には、所要の間隔S1をもって、その上部から下方に延び、生物処理室1hの全幅にわたるダクト壁面4dが対向して設けられ、同様に生物処理室1fの流入側にも、前記エジェクタ管8と所要の間隔S2をもって、流入側の下部から上方に延び、生物処理室1dの全幅にわたるダクト壁面4eが設けられている。
【0046】
前記ダクト壁面4d、4eは、いずれもその高さが、生物処理室1f、1hの水位Hよりも低くなるように設けられ、それぞれの下部で、隔壁12、12aを貫通した連結管9aで接続されて、流入側と流出側とが連通した循環ダクト4が形成されている。そして、流入側では、エジェクタ管8とダクト壁面4eとにより、流入した被処理水と、前記循環ダクト4内を戻されてきた担体Aとが、前記エジェクタ管8からの吸引流れにより混合されるエジェクタ型混合域Mが形成されている。
【0047】
このような装置構成では、最上流の生物処理室1fの流入側で、前記吸引流れを生じさせるために必要な水位差Δhは、この最上流の生物処理室1fと隣接する上流側の生物処理室1jとの間で確保できればよいため、生物処理室1f〜1h間では全水位差を低く抑えることができる。また、前記スクリーン7は、最下流の生物処理室1hにのみ設ければよく、前記エジェクタ混合域Mも、最上流の生物処理室1fの流入側にのみに形成すればよいため、生物処理室を複数連結した場合の装置構成が簡便となり、経済的である。
【0048】
なお、図4に示すように、前記エジェクタ型混合域Mの下部、即ち、エジェクタ管8の下部に曝気装置13を設けるようにすれば、そのエアリフト効果により、所要の水位差Δhを確保しにくい場合に、被処理水の流入側への吸引力を補うことができる。
【0049】
図5は、第3の実施形態を示したもので、図3に示した生物処理槽と同様に、3つの生物処理室1a、1b、1cが、被処理水の通過口14、14aをそれぞれ設けた隔壁12、12aを介して直列に連結されており、この場合は、最下流の生物処理室1cに設けたスクリーン7の前面側に対向する下方に延びたダクト壁面4fが、この生物処理室1cの底部両側に分岐してダクト壁面4g、4hが形成されている。この分岐したダクト壁面4g、4hの前端側から、生物処理室1cの両側の底部に沿って傾斜して設けたダクト壁面4j、4kと生物処理室1a〜1cの両側底部の内壁面によりそれぞれ形成される流路が流入側に至り、さらに生物処理室1aの流入側壁面2および側壁面11b、11cにそれぞれ沿って上方に延びるようにダクト壁面4m、4nを設けてそれぞれ流路が形成され、これらのダクト壁面4f、4j、4mおよび4g、4k、4nによる流路で担体の戻り用の循環ダクト4が形成されている。そして、この両側の循環ダクト4、4の上方に延びる部分の内部に、前記エジェクタ管8、8がそれぞれ挿入されている。そして、生物処理室1bの両側の底部に沿った循環ダクト4の中程に、一端側がこの循環ダクト4に連通し、他端側が処理槽内の水面から突出した空気抜き管15がそれぞれ設けられている。
【0050】
通常、排水生物処理槽の底部の両側には、担体の堆積を防止するために、側面側から底面側へ傾斜した斜面が、長手方向に沿って形成されている。上記のように、各生物処理室1a〜1cの底部両側に、長手方向にそって斜面状のダクト壁面4j、4kを設ければ、このダクト壁面4j、4kが担体の堆積防止機能を有するため、各生物処理室1a〜1cの両側底部のスペースを有効に使用することができ、各生物処理室内に循環ダクトを通さずに済む。それにより、担体による被処理水との生物処理の反応域がより大きくとれるなど、生物処理室内の容積をより有効に利用することができる。
【0051】
また、担体の戻り流が循環ダクト4を通過する過程で、空気抜き管15から生物処理槽外に排気されるため、生物処理室1a〜1cに大量の微細気泡が滞留せず、空気溜まりの発生を防止できるため、戻り流が円滑に流動し、担体の返送が阻害されずに済む。さらに、エジェクタ管8を、流入側の循環ダクト4の上方に延びた部分の内部に設けたので、循環ダクト4内を戻された担体とエジェクタ管8から流出する被処理水との混合が効果的になされる。そして、生物処理室1aの流入側下部に、図4に示したように、曝気装置を設けることもでき、そのエアリフト効果により、生物処理室1aに戻された担体の均一混合が促進される。
【0052】
図6は第4の実施形態を示したもので、最下流の生物処理室1cに設けたスクリーン7の前面側に対向した、両側に側板を有するダクト壁面4fの下端側から生物処理槽1a、1b、1cの底部両側に分岐したダクト壁面4g、4hに、この底部両側に沿って設けた連結管9b、9cの一端側がそれぞれ接続され、この連結管9b、9cの他端側が、流入側壁面2に沿って上方に延びた混合管16、16aにそれぞれ接続されて循環ダクト17、17aが形成されている。この混合管16、16a、即ち上方に延びた循環ダクトの内部に設けたエジェクタ管8、8aの入側に流量調節手段、即ちバルブ18、18aが設けられている。このバルブ18、18aとしては、仕切り弁、蝶型弁、扁心鋳造弁などを用いることができる。また、処理槽1aの流入側に、図4に示したように、曝気装置を設けることもでき、図5の場合と同様の効果が得られる。さらに、図5に示したように、連結管9b、9cの中程に、一端側がこの連結管9b、9cにそれぞれ連通し、他端側が処理槽内の水面から突出した空気抜き管をそれぞれ設けることもできる。
【0053】
このように、エジェクタ管8、8aの入側にバルブ18、18aを設けることにより、例えば、バルブ18を全閉にして、エジェクタ管8からの生物処理室1a内への流れおよび循環ダクト17内での戻り流を停止させると、流入側壁面2での水位差は4倍に増加する。それにより、バルブ18aが開放しているエジェクタ管8aからの生物処理室1a内への流速が増加し、このエジェクタ効果による吸引流れによって、循環ダクト17a内の流速も増加するため、循環ダクト17aの内面に付着している繊維質や微生物が分泌する膜などの異物の除去が可能となる。同様の操作により、循環ダクト17内面の清掃も行なうことができる。
【0054】
なお、前記循環ダクトは、上述のように、生物処理室1a〜1cの底部両側にそれぞれ沿った合計2本のみならず、複数本設けることができ、従って、エジェクタ管も複数本設けることができる。一般に、n組の循環ダクトとエジェクタ管とを設ける場合、前記バルブ操作により、1本のエジェクタ管を閉じると、流入側壁面2での水位差は、[n/(n−1)]2となる。この水位差の増加に伴って、開放しているエジェクタ管から処理槽内への流速が増加するため、循環ダクト内の流速が上昇し、ダクト内面の清掃効果が高まる。
【0055】
ここで、処理流量、即ち生物処理室1aへの被処理水の流入流量と、流入側での水位差および循環ダクト17、17a内の流速との関係について定量的に考えると以下のようになる。図7は、処理流量1110m3/hに設計された生物処理槽(図6参照)で、エジェクタ管8、8aの内径がそれぞれ320mm、循環ダクト17、17aの内径がそれぞれ750mmの場合の、流入流量と水位差および循環ダクト内流速との関係についての実験結果を示したものである。
【0056】
前記バルブ18、18aを全開にした両肺運転では、水位差が300mmの場合、循環ダクト17、17a内の流速は31cm/s程度となる。このとき、循環流量に対する流入流量の比は、およそ0.8である。ここで、一方のバルブ、例えば、バルブ18を閉じた片肺運転を行なうと、水位差は1200mmに増加し、それに伴って、循環ダクト内流速を51cm/s程度にまで、一時的に増加させることができる。この状態では、循環流量に対する流入流量の比は0.65程度に低下するため、スクリーン7の表面に付着する担体を除去する性能が低下し、スクリーン7が閉塞し始める。しかし、バルブ18の操作により、エジェクタ管8の全閉時間を短時間にし、かつ、この短時間の全閉操作を繰り返すことにより、スクリーン7の閉塞が進行しない間に、51cm/s程度の流速で循環ダクト内壁面に付着した前記の異物や膜を除去することが可能となる。なお、生物処理槽によっては、水位差1200mmを確保できない場合がある。そのような場合には、前記の短時間の全閉操作とその間の部分閉鎖操作などのバルブ操作により、循環ダクト内での単位時間当たりの平均流速を上昇させて循環ダクト内壁面の清掃を行ない、循環ダクト壁内面に付着した異物や膜を除去することが可能である。
【0057】
図8は第5の実施形態を示したもので、スクリーン7の前面側に対向した、両側に側板を有するダクト壁面4fのスクリーン7側の内部空間が仕切り板19により分割され、前記ダクト壁面4fの下端側から生物処理室1cの底部両側に分岐したダクト壁面4g、4hが、生物処理室1a、1b、1cの底部両側に沿って設けた連結管9b、9cに接続されている。そして、分割された内部空間のそれぞれに対して、生物処理室1cからの担体の流入を防止するための、可動仕切り部材20、20aを備えている。この可動仕切り部材20、20aは、ダクト壁面4fに取り付けたときに、その上端が被処理水面よりも高くなるように形成されている。これらの他は、図6に示した排水生物処理槽と同様の構成であり、前述のように、エジェクタ管8、8aの内径はそれぞれ320mm、循環ダクト17、17aの内径はそれぞれ750mmである。なお、図6の排水生物処理槽の場合と同様に、生物処理室1aの流入側に曝気装置を設けることができ、前述の効果が得られる。
【0058】
前記可動仕切り部材20、20aを用いて、循環ダクト17、17a内での担体の沈降や滞留を防止する方法について、実験結果に基づいて以下に説明する。被処理水の流入流量が1110m3/hとなるように設計された生物処理槽では、例えば、流入流量が300m3/hと少ない場合には、循環ダクト17、17a内の流速は8cm/s程度にしか達せず、この程度の戻り流の流速では、循環ダクト17、17a内に担体が沈降し、滞留するおそれが大きい。この沈降・滞留を避けるために、一方の可動仕切り部材、例えば、可動仕切り部材20をダクト壁面4fにはめ込む。このはめ込んだ可動仕切り部材20の上端は、被処理水の水面よりも高いため、担体は可動仕切り部材20をはめ込んだ方の内部空間には流入せず、従って、循環ダクト17内にも流入しない。
【0059】
前記バルブ18、18aは全開であり、エジェクタ管8から被処理水が生物処理室1aに流入し、前述のように、エジェクタ効果による吸引流れを生じるため、仕切り板19により分割された、可動仕切り部材20aをはめ込んでいない方の内部空間からスクリーン7を通過した処理水が、図9に示すように、スクリーン7を逆方向に通過して循環ダクト17内に流入する。この状態を続けることにより、循環ダクト17内を、担体を含まない処理水により置換できる。この置換の終了後に、バルブ18を全閉としてエジェクタ管8からの被処理水の流入を停止させた片肺運転を行なうと、もう一方の循環ダクト17aでは、戻り流の流速が14cm/s程度に上昇し、担体の沈降・滞留を防止することができる。なお、図10は、可動仕切り部材20をはめ込んでいない通常時の処理状況を示したもので、仕切り部材で分割されたそれぞれの内部空間から、被処理水はスクリーン7を透過し、担体Aは循環ダクト17、17aを通って、吸引流れにより混合管16、16aから生物処理槽内に戻される。前記図9は、可動仕切り部材20をはめ込むことにより、スクリーン7を透過した処理水が、逆方向に再透過することにより、循環ダクト17を通過して戻される担体Aを、この処理水で置換した状態を示したものである。同様にして、可動仕切り部材20aの方をダクト壁面4fにはめ込むことにより、循環ダクト17aの方を処理水で置換し、もう一方の循環ダクト17の戻り流の流速を前述の14cm/s程度に上昇させ、担体の沈降・滞留を防止する片肺運転を行なうことができる。
【0060】
図11は参考形態を示したもので、図9に示したように、スクリーン7を透過した担体を含まない処理水がスクリーン7を逆方向に透過して循環ダクト内に流入させる代わりに、供給管21により、上流側水槽から被処理水をスクリ−ン7を逆方向に透過させて、循環ダクト17内に導くようにした状態を示したものである。上流側水槽の方が高水位であるため、被処理水の供給を、ポンプを必要とせず簡便に行なうことができる。この場合、被処理水中に含まれる汚泥が循環ダクト17内に堆積するのを防止するため、スクリーン7を透過した処理水の一部を、供給管21aから循環ダクト17に戻すようにすることが望ましい。この供給管21、21aは、循環ダクト17aについても同様に設置することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、微生物を固定した担体を用いて排水処理を行なう排水生物処理槽の流入側に、上流側の排水生物処理槽との被処理水の水位差によって流入した被処理水の周りの流体を引き込む吸引流れを発生させ、前記生物処理槽の流入側にエジェクタ型混合域を形成し、かつ、生物処理槽内に循環流を形成するようにしたので、電力などの外部エネルギを供給しなくても、担体分離用のスクリーンへの担体の付着を防止でき、停電発生時でもスクリーンの目詰まりを回避できる。また、循環流の形成に外部エネルギを用いないため、装置構成を簡素化でき、経済的である。
【0062】
さらに、前記吸引流れの作用、即ちエジェクタ効果により、流入側へ、循環ダクト内を沈降・滞留せずに戻された担体と被処理水とが混合されるので、これらの混合流が生物処理槽の反応域へ供給されて、生物処理槽内での担体の分布を均一にすることができ、生物処理が効果的に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の排水の生物処理槽での吸引流れについての説明図
【図2】 (a)第1の実施形態の生物処理槽の平面図
(b)(a)の生物処理槽の縦断側面図
(c)(a)の生物処理槽の要部を示す斜視図
【図3】 (a)第2の実施形態の排水の生物処理槽の平面図
(b)(a)の生物処理槽の縦断側面図
【図4】 図3に示した排水の生物処理槽の流入側の要部を示す縦断側面図
【図5】 第3の実施形態の排水の生物処理槽の斜視図
【図6】 第4の実施形態の一部を切り欠いた排水の生物処理槽の斜視図
【図7】 図6の排水生物処理槽での流入流量と水位差および循環ダクト内流速との関係を示す説明図
【図8】 第5の実施形態の一部を切り欠いた排水の生物処理槽の斜視図
【図9】 図7の排水の生物処理槽の通常運転時の担体と被処理水の流れを示す説明図
【図10】 図7の排水の生物処理槽の可動仕切り部材をはめ込んで担体の流入を防止した状態を示す説明図
【図11】 参考形態の一部を切り欠いた排水の生物処理槽の斜視図
【図12】 従来技術の排水の生物処理槽の断面図
【図13】 他の従来技術の排水の生物処理槽の断面図
【符号の説明】
1、1a〜1h:生物処理槽 2、2a:流入側壁面 3:下部開口
4:循環ダクト 4a〜4n:ダクト壁面 5:反応域
6:水中攪拌機 7:スクリーン 8、8a:エジェクタ管
9、9a、9b、9c:連結管 10:流出側壁面
11、11a〜11c:側壁 12、12a:隔壁 13:曝気装置
14、14a:通過口 15:空気抜き管 16、16a:混合管
17、17a:循環ダクト18、18a、18b:バルブ 19:仕切り板
20、20a:可動仕切り部材 21、21a:供給管
A:担体 H:水位 M:エジェクタ混合域
S1、S2:間隔 T:仕切り板
Claims (9)
- 微生物を固定した担体を浮遊状態で含む排水の生物処理槽の被処理水の流出側に設置した担体分離用のスクリーンと、このスクリーンの前面側に対向するダクト壁面と、このダクト壁面の下端側から前記生物処理槽の底部に沿って流入側に至る担体の戻り用のダクト壁面と、流入側のダクト壁面により形成される循環ダクトとを備えた排水の生物処理槽であって、前記生物処理槽の流入側に、流入した被処理水の、周囲の流体を引き込む吸引流れを形成するように、前記生物処理槽の流入側壁面の下部にエジェクタ管を設け、このエジェクタ管の効果による吸引流れにより、流入する被処理水と循環ダクトからの担体の戻り流とを混合するエジェクタ型混合域が形成されるようにしたことを特徴とする排水の生物処理槽。
- 微生物を固定した担体を浮遊状態で含む排水の生物処理室が、被処理水の通過部を設けた隔壁を介して複数直列に連結され、生物処理室間を被処理水が流れる方向を基準としたときの、最下流の生物処理室の流出側に設置した担体分離用のスクリーンと、前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面と、このダクト壁面の下端側から前記生物処理室の底部に沿い、前記隔壁を貫通して、最上流の生物処理室の流入側に至る担体の戻り用のダクト壁面と、流入側のダクト壁面により形成される循環ダクトとを備えた排水の生物処理槽であって、前記生物処理槽の流入側壁面の下部にエジェクタ管を設け、このエジェクタ管の効果による吸引流れにより、流入する被処理水と循環ダクトからの担体の戻り流とを混合するエジェクタ型混合域が形成されるようにしたことを特徴とする排水の生物処理槽。
- 前記スクリ−ン前面側に対向したダクト壁面と流入側のダクト壁面を連結管により接続して循環ダクトを形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の排水の生物処理槽。
- 前記生物処理槽の流入側に形成されたエジェクタ型混合域に曝気装置を組み入れたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の排水の生物処理槽。
- 前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面が、前記生物処理槽の底部両側に分岐し、この分岐したダクト壁面の下端側から流路が前記生物処理槽の両側底部に沿って流入側に至り、さらにそれぞれの流路が前記流入側壁面に沿って上方に延びるようにして担体の戻り用の循環ダクトが形成され、この上方に延びた循環ダクトの内部に、前記エジェクタ管をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の排水の生物処理槽。
- 前記エジェクタ管が流量調整手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の排水の生物処理槽。
- 前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面のスクリーン側に形成された内部空間が、仕切り板により分割され、その分割された内部空間の下端側がそれぞれ、前記生物処理槽の両側底部に沿って流入側に至る流路に接続されて前記循環ダクトが形成され、前記スクリーンの前面側に対向するダクト壁面の上部に、分割された内部空間のそれぞれに対応して、前記生物処理槽からの担体の流入を防止するための可動仕切り部材を設けたことを特徴とする請求項5または6に記載の排水の生物処理槽。
- 前記生物処理槽の底部に沿った循環ダクトに、一端側がこの循環ダクトに連通し、他端側が処理槽内の水面から突出するように空気抜き管を設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の排水の生物処理槽。
- 請求項1から8のいずれかに記載の排水の生物処理槽を用いた排水の生物処理法であって、前記生物処理槽の流入側に、流入した被処理水の、周囲の流体を引き込む吸引流れを発生させ、この吸引流れによるエジェクタ効果により、前記生物処理槽の流入側と流出側との間に循環流を形成してスクリーンへの担体の付着を防止し、かつ、前記担体を、循環ダクトを介して流入側へ戻し、被処理水と混合するようにしたことを特徴とする排水の生物処理方法。
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