JP2014113511A - 膜分離設備および膜分離設備の運転方法 - Google Patents

膜分離設備および膜分離設備の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】下向流の流速を膜面洗浄に最適な速度に上げることができ、曝気に要する消費電力を抑制することが可能な膜分離設備を提供する。
【解決手段】処理槽2内に、浸漬型の複数台の膜ユニット3a〜3dと、上下方向に循環する循環流4を発生させる散気装置14a〜14dとが設けられ、各膜ユニット3a〜3dは複数の膜エレメント8を有し、膜エレメント8の下方において散気装置14a〜14dから散気することにより、少なくとも一台の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路に下向流22が流れるとともに残りの膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路に上向流21が流れる膜分離設備1であって、下向流22の流速をより速くするための下向流促進機構40が循環流4の流路に備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば下廃水や浄水等の処理対象液を固液分離する逆曝気方式の膜分離設備および膜分離設備の運転方法に関する。尚、逆曝気とは、下向流が膜エレメント間に流れている状態で、膜エレメントの下方より曝気して膜エレメント間に気泡を上昇させることをいう。
従来、この種の膜分離設備としては、例えば図14に示すように、固液分離槽101内に浸漬型の複数の膜ユニット102a〜102dが隣接して設けられている。各膜ユニット102a〜102dは、複数枚の平板状の膜エレメント103と、これら膜エレメント103が収められた膜エレメント収容部104とを有している。各膜ユニット102a〜102dの上方領域同士および下方領域同士は槽内において相互に連通している。また、膜エレメント103の下方には、複数の散気装置105a〜105dが各膜ユニット102a〜102d毎に設けられている。また、固液分離槽101には、余剰汚泥を槽外へ排出する汚泥引抜系106が設けられている。
これによると、例えば、第1および第3の散気装置105a,105cから小量の空気を曝気すると共に、第2および第4の散気装置105b,105dから大量の空気を曝気することにより、第2および第4の膜ユニット102b,102dに上向流107が発生し、この上向流107が液面付近で反転することにより、第1および第3の膜ユニット102a,102cに下向流108が発生し、処理対象液109が固液分離槽101内で上下方向に循環する。
下向流108が発生する第1および第3の膜ユニット102a,102cにおいては、各膜エレメント103の相互間の流路、つまり膜間流路を流れる下向流108中に散気装置105a,105cから供給された洗浄用空気の気泡は、下向流108の流れに抗して逆方向に上昇することで上昇速度が遅速し、膜間流路をろ過膜の膜面に沿って上昇しながら上方向のみならず斜め方向や横方向へ漂流する。この気泡の存在によって槽内の活性汚泥混合液の下向流108の流れが乱されるとともに、膜間流路における液中の気泡保持量が多くなる。この気泡保持量が多くなることで、ろ過膜の膜面上に乱流が生じ易くなり、下向流108の下方へ向けた力と上昇する気泡流の上方に向けた力がろ過膜の膜面に協働して作用するとともに、下向流108の水流にゆらぎを与えることで、十分な洗浄効果をろ過膜の膜面に与えることができる。
また、汚泥を含む固形分は汚泥引抜系106から余剰汚泥として槽外へ排出される。尚、このような膜分離設備については、下記特許文献1に記載されている。
また、別の膜分離設備としては、例えば図15に示すように、処理槽120内に浸漬型の複数の膜ユニット121a,121bが隣接して設けられ、これら膜ユニット121a,121bの周囲を取り囲んで膜ユニット121a,121bと処理槽120との間を仕切る壁体122が処理槽120内に設けられ、壁体122の上方に、処理対象液109を壁体122の内外に出し入れする上部連通部123が備えられている。
各膜ユニット121a,121bは、複数枚の平板状の膜エレメント124と、これら膜エレメント124が収められた膜エレメント収容部125とを有している。各膜ユニット121a,121bの上方領域同士および下方領域同士は壁体122内において相互に連通している。また、膜エレメント124の下方には、複数の散気装置126a,126bが各膜ユニット121a,121b毎に設けられている。さらに、処理槽120内の底部で且つ壁体122の外部には、補助散気装置127a,127bが設けられている。
これによると、例えば、一方の散気装置126aから大量の空気を曝気すると共に、他方の散気装置126bから小量の空気を曝気することにより、一方の膜ユニット121aに上向流107が発生し、この上向流107が液面付近で反転することにより、他方の膜ユニット121bに下向流108が発生し、処理対象液109が壁体122内で上下方向に循環する。
下向流108が発生する他方の膜ユニット121bにおいては、上記図14に示した膜分離設備と同様な作用・効果により、十分な洗浄効果をろ過膜の膜面に与えることができる。また、補助散気装置127a,127bから空気を曝気することにより、生物処理に必要な十分な量の酸素を処理対象液109中に供給することができる。尚、このような膜分離設備については、下記特許文献2に記載されている。
特開2008−246357 特開2012−161791
上記図14に示した従来形式の膜分離設備では、下向流108の流速を、ろ過膜の膜面洗浄に最適な速度まで上げる必要がある。下向流108の流速を上げるには、(1)第1および第3の散気装置105a,105cからの曝気量を減らす方法と、(2)第2および第4の散気装置105b,105dからの曝気量を増やす方法とが考えられる。しかしながら上記(1)の方法では、第1および第3の散気装置105a,105cから放出される気泡の量が不足し、ろ過膜の膜面洗浄効果が十分に得られない虞がある。
従って、下向流108の流速を上げるには、通常、上記(2)の方法を採用しているが、この方法では、第2および第4の散気装置105b,105dからの曝気量を増やすと、全散気装置105a〜105dの総曝気量が増大し、曝気に要する消費電力が増大するといった問題がある。
尚、汚泥引抜系106から槽外へ排出される余剰汚泥の排出量は非常に少量であり、また、排出した余剰汚泥は固液分離槽101内に返送されないため、余剰汚泥の排出時に下向流108の流速が上昇することはほとんど望めない。
このような問題は、図15に示した別の従来形式のものについても同様に発生する。尚、補助散気装置127a,127bから曝気を行った場合、壁体122の外面と処理槽120の内面との間の領域128に上向流107が発生するが、他方の膜ユニット121bを流れる下向流108が壁体122内の下部から壁体122の外部へ流れ出る流路は形成されていないため、下向流108の流速が上昇することはほとんど望めない。
本発明は、下向流の流速を膜面洗浄に最適な速度に上げることができ、曝気に要する消費電力を抑制することが可能な膜分離設備および膜分離設備の運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、処理槽内に、浸漬型の複数台の膜ユニットと、上下方向に循環する循環流を発生させる散気装置とが設けられ、
各膜ユニットは循環流の流路を形成して配列された複数の膜エレメントを有し、膜エレメントの下方において散気装置から散気することにより、少なくとも一台の膜ユニットの膜エレメント間流路に下向流が流れるとともに残りの膜ユニットの膜エレメント間流路に上向流が流れる膜分離設備であって、
下向流の流速をより速くするための下向流促進機構が循環流の流路に備えられているものである。
これによると、散気装置からの曝気量を増加させずに下向流の流速を上げることができる。すなわち、下向流促進機構により、散気装置からの総曝気量を低減しながら、下向流の流速を膜面洗浄に最適な速度に調節することができる。
本第2発明における膜分離設備は、各膜ユニットは、膜エレメントを収容する膜エレメント収容部と、散気装置を収容する散気装置収容部とを有し、
散気装置収容部の上部に開口部が形成され、
膜エレメント収容部は散気装置収容部の開口部上に配置され、
開口部を通じて膜エレメント収容部内と散気装置収容部内とが連通し、
下向流促進機構は散気装置収容部内の処理対象液を散気装置収容部外へ排出するものである。
これによると、散気装置収容部内に沈降して堆積した固形物が、処理対象液と共に、下向流促進機構によって強制的に散気装置収容部外へ排出される。このため、散気装置収容部内の固形物の堆積量が低減され、循環流の流れが散気装置収容部内に堆積した固形物によって阻害されるのを防止することができる。
本第3発明における膜分離設備は、下向流促進機構は、散気装置収容部外へ排出した処理対象液を、処理槽又は処理槽の上流側に返送するものである。
これによると、下向流促進機構により、散気装置収容部内の処理対象液を散気装置収容部外に排出して処理槽又は処理槽の上流側に返送することで、処理槽内の処理対象液の循環量を増加させることができ、これに伴って、下向流の流量が増加して下向流の流速が速くなり、この増速分に対応した散気装置の曝気量が低減されるため、総曝気量が低減され、曝気に要する消費電力が抑制される。
尚、散気装置収容部外に排出した処理対象液は、処理系外に排出されずに、処理槽内に返送されるため、処理対象液の排出量に制約がなく、下向流の流速の増加量を大きくすることができる。
本第4発明における膜分離設備は、下向流促進機構は、散気装置収容部内の処理対象液を排出する複数の排出口を有しているものである。
これによると、散気装置収容部内に沈降して堆積した固形物が処理対象液と共に排出口から散気装置収容部外に排出される。この際、排出口は複数個所に設けられているため、固形物が十分に排出され、散気装置収容部内の固形物の堆積量が低減され、循環流の流れが散気装置収容部内に堆積した固形物によって阻害されるのを防止することができる。
本第5発明は、処理槽内に、浸漬型の複数台の膜ユニットと、上下方向に循環する循環流を発生させる散気装置とが設けられ、
各膜ユニットは循環流の流路を形成して配列された複数の膜エレメントを有し、散気装置の散気量を異ならせることにより、少なくとも一台の膜ユニットの膜エレメント間流路に下向流を発生させるとともに残りの膜ユニットの膜エレメント間流路に上向流を発生させ、
下向流促進機構によって下向流の流速をより速くする膜分離設備の運転方法であって、
散気量を調節することにより、膜エレメント間流路を流れる下向流の流速を0.1m/秒以上で0.4m/秒以下の範囲内にするものである。
これによると、膜エレメント間流路を流れる下向流の流速が0.1m/秒以上で0.4m/秒以下の範囲内となることにより、循環流が安定してスムーズに流れると共に、下向流中の気泡保持量が増加するため、膜エレメントの膜面の洗浄効果が向上する。
本第6発明における膜分離設備の運転方法は、各膜ユニットの膜エレメントは膜エレメント収容部に収容され、
散気装置は散気装置収容部内に設けられ、
散気装置収容部の上部に開口部が形成され、
膜エレメント収容部は散気装置収容部の開口部上に配置され、
開口部を通じて膜エレメント収容部内と散気装置収容部内とが連通し、
下向流促進機構を用いて、散気装置収容部内の処理対象液を散気装置収容部外に排出し、排出した液を処理槽又は処理槽の上流側に返送することで、下向流の流速を調節するものである。
本第7発明における膜分離設備の運転方法は、散気をしながら下向流が流れる膜ユニットと散気をしながら上向流が流れる膜ユニットを所定の時間毎に切り替えながら継続的に運転を行なう通常運転と、通常運転の合間に、下向流が流れる膜ユニットの散気を停止するとともに、上向流が流れる膜ユニットの曝気量を通常運転時より多くする特別運転を設定時間行なうものである。
これによると、特別運転時の上向流の流速が通常運転時の上向流の流速よりも速くなるため、特別運転を行うことによって、処理槽内に沈降して堆積した固形物が、強力な上向流に乗って膜エレメント間流路を上昇し、膜ユニットの外部に排出される。これにより、処理槽内底部における固形物の堆積量が低減され、通常運転時において、循環流の流れが処理槽内底部に堆積した固形物によって阻害されるのを防止することができる。
以上のように本発明によると、散気装置からの総曝気量を低減しながら、下向流の流速を膜面洗浄に最適な速度に上げることができるため、曝気に要する消費電力を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 同、膜分離設備の平面図である。 図1におけるX−X矢視図である。 本発明の第2の実施の形態における膜分離設備の運転方法を説明する図である。 本発明の第3の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第4の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第5の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第6の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第7の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第8の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 同、膜分離設備の平面図である。 本発明の第9の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第10の実施の形態における膜分離設備の給気装置の図である。 従来の膜分離設備の断面図である。 別の従来の膜分離設備の断面図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、第1の実施の形態について説明する。本発明の逆曝気方式の膜分離設備は例えば下廃水や浄水等の水処理に用いるものであり、本第1の実施の形態では、膜分離活性汚泥処理に用いる膜分離設備について説明する。
図1〜図3に示すように、膜分離設備1は処理槽の一例である膜分離槽2と浸漬型の複数の膜ユニット3a〜3dとを有し、膜ユニット3a〜3dは、下部に、上下方向に循環する循環流4を発生させる散気設備5を備えている。
各膜ユニット3a〜3dにはそれぞれ、膜分離槽2内に設置され且つ上下両端が開放された四角箱型の膜エレメント収容部7(膜ケース)と、膜エレメント収容部7内に収容された複数の膜エレメント8とが具備されている。各膜エレメント8は、樹脂製のろ板9と、ろ板9の両表面に取り付けられたろ過膜10とを有している。これら各膜エレメント8は、ろ過膜10を透過した透過液を導出する透過液導出系12に連通している。
各膜エレメント8は、ろ過膜10の膜面を上下方向に沿わせて、膜エレメント収容部7内に所定間隔C(一般的に約5〜8mm程度)をあけて平行に配列されている。膜エレメント8の厚さ方向において隣り合う膜エレメント8のろ過膜10の膜面間には膜エレメント間流路11が形成されており、膜エレメント間流路11は循環流4の流路となる空間である。
膜ユニット3a〜3dの下部に配置された散気設備5は、膜分離槽2内の底部に設置された散気装置収容部13(散気ケース)と、散気装置収容部13内に設置された複数の散気装置14a〜14dと、各散気装置14a〜14dに散気用の空気を供給する給気装置15とを有している。
散気装置収容部13の上部には複数の開口部16が形成されている。各膜エレメント収容部7は散気装置収容部13の各開口部16上に配置され、開口部16を通じて膜エレメント収容部7内と散気装置収容部13内とが連通している。
尚、膜エレメント収容部7と散気装置収容部13とは、一体構造であってもよいし、或は、別体構造であってもよい。
各散気装置14a〜14dはそれぞれ、各膜ユニット3a〜3dの下方に配置されており、複数の散気管等から構成されている。また、散気装置収容部13の内部は、複数の仕切板17によって、複数のドラフト部18a〜18dに仕切られている。尚、各仕切板17の下端と膜分離槽2の底面との間には連通部19が形成されており、仕切板17を介して隣接するドラフト部18a〜18d同士は連通部19を介して連通している。
給気装置15は、ブロワ31と、ブロワ31に接続された給気管路32と、給気管路32から分岐して第1および第3の散気装置14a,14cに接続された一方の分岐管路33と、給気管路32から分岐して第2および第4の散気装置14b,14dに接続された他方の分岐管路34と、流量調整管路35と、電動式の三方弁36と、電動式の流量調整弁37とを有している。
三方弁36は、入口側が給気管路32の下流端部に接続され、一方の出口側が一方の分岐管路33に接続され、他方の出口側が他方の分岐管路34に接続されている。また、流量調整管路35は、一端が一方の分岐管路33に接続され、他端が他方の分岐管路34に接続されている。流量調整弁37は流量調整管路35の途中に設けられている。
各散気装置14a〜14dの曝気量を調節することにより、膜分離槽2内の処理対象液20が流動して、膜分離槽2内に、上下方向の循環流4が発生する。この際、循環流4は上向流21と下向流22とからなり、各散気装置14a〜14dの曝気量(散気量)を調節することによって、膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流速が0.1m/秒以上で0.4m/秒以下の範囲内に設定され、より好ましくは0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内に設定されている。
尚、膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流速は、散気装置収容部13内の各ドラフト部18a〜18dの特定の水平断面における下向きの流速を電磁流速計等で測定し、測定された流速に、各ドラフト部18a〜18dの水平断面積と下向流22が流れる膜エレメント間流路11の総断面積との比を乗じることにより、求めることができる。また、上向流21の流速も同様にして求めることができる。
例えば、図1に示すように、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定量よりも減らして小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定量よりも増やして大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの各膜エレメント間流路11に循環流4の一部である上向流21が生起し、上向流21が液面付近で反転して下向流22となり、下向流22は、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れた後、第1および第3のドラフト部18a,18cから底部の連通部19を通って隣の第2および第4のドラフト部18b,18dに流入して循環する。
尚、本実施の形態では、各膜ユニット3a〜3d間のスペース24に発生する下向流および各膜ユニット3a〜3dと膜分離槽2の立壁面2aとの間のスペース25に発生する下向流は、途中で散気装置収容部13により遮断されるため、各膜ユニット3a〜3dの下方に連通せず、循環流4にはならない。従って、各スペース24,25は循環流4の流路とみなさないものとする。
循環流4の流路には、下向流22の流速をより速くするための下向流促進機構40が備えられている。下向流促進機構40は、散気装置収容部13内の処理対象液20を膜分離槽2の外部へ排出した後に膜分離槽2に返送する循環管路41と、循環管路41の途中に設けられたポンプ42とを有している。循環管路41の一端部は、端部に配置された第4の膜ユニット3dの下方において、散気装置収容部13内に連通している。尚、循環管路41は、膜分離槽2の外部において、循環流4の流路の一部を構成するものである。
以下、上記構成における作用を説明する。
各散気装置14a〜14dで曝気を行いながら、各膜エレメント8で処理対象液20を濾過して固液分離処理する。この際、ろ過膜10を透過した透過液は各膜エレメント8から透過液導出系12を通って膜分離槽2の外部へ導出される。
例えば、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定量よりも減らして小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定量よりも増やして大曝気量とする場合、給気装置15を下記のように作動させる。
先ず、ブロワ31を駆動し、三方弁36を切換えて入口側と他方の出口側とを全開にすると共に一方の出口側を全閉にする。これにより、ブロワ31から送り出された空気が給気管路32から三方弁36を経て他方の分岐管路34に供給される。そして、流量調整弁37を開くことにより、他方の分岐管路34を流れる空気の一部が流量調整管路35を通って一方の分岐管路33へ供給される。この際、流量調整弁37の開度を調節することにより、一方の分岐管路33を流れる空気の流量と他方の分岐管路34を流れる空気の流量とを調整することができ、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定の小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定の大曝気量とすることができる。
このときの流量調整弁37の開度を所定開度とすると、流量調整弁37を事前に所定開度にした状態で、上記のように三方弁36を切換えてもよい。
また、三方弁36を切換えて入口側と一方の出口側とを全開にすると共に他方の出口側を全閉にすることにより、一方の分岐管路33を流れる空気の一部が流量調整管路35を通って他方の分岐管路34へ供給され、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定の大曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定の小曝気量に切り換えることができる。
例えば、上記のように三方弁36を切換えて、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に上向流21が発生し、この上向流21が液面付近で反転することにより、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に下向流22が発生し、膜分離槽2内に循環流4が発生する。
この際、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の上昇速度は下向流22によって遅くなり、気泡は、下向流22中を、横方向へ揺動しながら低速で上昇する。このような気泡の存在により、下向流22の流れが乱れるとともに、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11における処理対象液20中の気泡保持量が増加する。そのため、膜面と気泡との接触機会が増加し、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面が良好に洗浄される。尚、このような作用効果は逆曝気によって顕著に生じるものである。
また、上記のような逆曝気において、流量調整弁37の開度を調節することで、膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流速を調整することができ、下向流22の流速を0.1m/秒以上で0.4m/秒以下の範囲内にすることにより、より好ましくは0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内にすることにより、循環流4が安定してスムーズに流れると共に、下向流22中の気泡保持量が増加するため、膜エレメント8の膜面の洗浄効果が向上する。
尚、仮に、下向流22の流速が0.4m/秒を超えてしまうと、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の一部が上昇せずに下向流22と共に下降してしまうため、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面の洗浄効率が低下してしまう。
また、反対に、下向流22の流速が0.1m/秒よりも低いと、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の上昇速度があまり遅くならず、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11における処理対象液20中の気泡保持量が低下し、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面の洗浄効率が低下してしまう。
また、上記のように第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に上向流21を発生させ、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に下向流22を発生させ、各膜エレメント8で処理対象液20を濾過をして固液分離する際、下向流促進機構40のポンプ42を駆動することにより、散気装置収容部13内の処理対象液20が、循環管路41を通って強制的に膜分離槽2の外部へ排出され、その後、循環管路41から膜分離槽2に返送される。
このようにして膜分離槽2に返送された処理対象液20は、上向流21が発生している第2および第4の膜ユニット3b,3dではなく、下向流22に合流して第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を下向きに流れ、再び、循環管路41を通って膜分離槽2の外部へ排出される。これにより、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流量が増加して、下向流22の流速が速くなり、この増速分に対応した第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を低減することができるため、各散気装置14a〜14dの総曝気量が低減され、曝気に要するブロワ31の消費電力が抑制される。尚、膜分離槽2の外部に排出した処理対象液20は、処理系外に排出されずに、膜分離槽2内に返送されるため、処理対象液20の排出量に制約がなく、下向流22の流速の増加量を大きくすることができる。
例えば、125枚の膜エレメント8を有する膜ユニット3a〜3dを設置し、上記のように第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に上向流21を発生させ、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に下向流22を発生させ、このときの下向流22が流れる下向流流路断面積S(すなわち第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11の総断面積)を1mとし、さらに、全ての膜ユニット3a〜3dによって1日にろ過処理される処理対象液20の処理量Qを200m/日とし、ポンプ42により1日当りに排出して循環させる処理対象液20の循環量Rを20Q(すなわち、R=20×200=4000m/日)とした場合、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流速Vは以下のように算出される。
流速V=循環量R/(24×3600×下向流流路断面積S)
=4000/(24×3600×1)
=0.046[m/秒]
すなわち、下向流促進機構40のポンプ42を駆動して処理対象液20を循環させることにより、下向流22の流速が0.046m/秒だけ増速されるため、この増速分に対応した第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量が低減され、これにより、第1〜第4の散気装置14a〜14dの総曝気量を低減しながら、下向流22の流速を膜面洗浄に最適な0.1〜0.4m/秒の範囲内に保つことができる。例えば、下向流22の流速を0.15m/秒に保つ場合、第2および第4の散気装置14b,14dは、流速が0.104m/秒(=0.15−0.046)の下向流22を発生させるのに要する曝気量で曝気すればよい。さらに、上記循環量Rを変えることにより、下向流22の流速を調節することも可能である。
また、下向流促進機構40のポンプ42を駆動することにより、散気装置収容部13内の処理対象液20と共に、散気装置収容部13内に沈降して堆積した固形物が循環管路41を通って膜分離槽2の外部へ排出される。このため、散気装置収容部13内の固形物の堆積量が低減され、循環流4の流れが散気装置収容部13内に堆積した固形物によって阻害されるのを防止することができる。
尚、上記実施の形態では、下向流22の流速を0.1m/秒以上で0.4m/秒以下の範囲内にしているが、さらに、循環流4が流れる流路のうちの下向流22が流れる流路の総断面積Aと上向流21が流れる流路の総断面積Bとの面積比A/Bを0.63以上で3.33以下の範囲内にすることにより、膜エレメント8の膜面の洗浄効果がより一段と向上する。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態においては、膜分離設備1の運転には、散気をしながら下向流22が流れる膜ユニット3a〜3dと散気をしながら上向流21が流れる膜ユニット3a〜3dを所定の時間毎に切り替えながら継続的に運転を行なう通常運転と、下向流22が流れる膜ユニット3a〜3dの散気を停止するとともに、上向流21が流れる膜ユニット3a〜3dの曝気量を通常運転時より多くする特別運転との2種類の運転方法がある。そして、通常運転の合間に特別運転を設定時間行なっている。
例えば、通常運転時において、小曝気量に必要な風量を分配できるように、事前に給気装置15の流量調整弁37の開度を調整しておく。その後、図4(a)に示すように、ブロワ31を駆動し、三方弁36を切換えて入口側と他方の出口側とを全開にすると共に一方の出口側を全閉にし、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定の小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定の大曝気量とする。
これにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に上向流21が発生し、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に下向流22が発生する。
上記のような運転を所定の時間行なった後、図4(b)に示すように、Lポートの三方弁36を切換えて入口側と一方の出口側とを全開にすると共に他方の出口側を全閉にし、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定の大曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定の小曝気量とする。
これにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に下向流22が発生し、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に上向流21が発生する。
このように上向流21が流れる膜ユニットと下向流22が流れる膜ユニットとを切り替えながら継続的に通常運転を行い、この通常運転の合間に、以下のような特別運転を設定時間行なう。
例えば、図4(b)に示すように、三方弁36を切換えて入口側と一方の出口側とを全開にすると共に他方の出口側を全閉にし、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を所定の大曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を所定の小曝気量とする通常運転から特別運転に切り替える場合、図4(c)に示すように、流量調整弁37を全閉する。
これにより、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量が所定の大曝気量よりも多い最大曝気量となるとともに、第2および第4の散気装置14b,14dの散気が停止するため、特別運転時において第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる上向流21の流速が通常運転時よりも速くなる。
この状態で所定時間特別運転を行った後、三方弁36を切換えて入口側と他方の出口側とを全開にすると共に一方の出口側を全閉にする。これにより、第1および第3の散気装置14a,14cの散気が停止するとともに、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量が所定の大曝気量よりも多い最大曝気量となるため、特別運転時において第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11を流れる上向流21の流速が通常運転時よりも速くなる。
このように、特別運転時の上向流21の流速が通常運転時の上向流21の流速よりも速くなるため、特別運転を行うことによって、膜分離槽2内に沈降して堆積した固形物は、強力な上向流21に乗って膜エレメント間流路11を上昇し、上向流21が流れている膜ユニット3a〜3dの外部に排出される。これにより、膜分離槽2内の底部における固形物の堆積量が低減され、通常運転時において、循環流4の流れが膜分離槽2の内底部に堆積した固形物によって阻害されるのを防止することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、図5に示すように、膜分離槽2の上流側に生物処理槽50(処理槽の上流側の一例)が設置されている。尚、生物処理槽50は、好気槽、無酸素槽、嫌気性消化槽等である。生物処理槽50の上部と膜分離槽2の上部とは供給口59を介して連通し、生物処理槽50内の処理対象液20は供給口59からオーバーフローして膜分離槽2に供給される。また、下向流促進機構40の循環管路41は、散気装置収容部13内の処理対象液20を膜分離槽2の外部へ排出した後に生物処理槽50に返送する。尚、循環管路41と生物処理槽50とは、膜分離槽2の外部において、循環流4の流路の一部を構成するものである。
これによると、下向流促進機構40のポンプ42を駆動することにより、散気装置収容部13内の処理対象液20が、循環管路41を通って強制的に膜分離槽2の外部へ排出され、循環管路41から生物処理槽50内に返送され、生物処理槽50内から供給口59を経て膜分離槽2に供給される。これにより、処理対象液20が生物処理槽50と膜分離槽2とに亘って循環するため、先述した第1および第2の実施の形態と同様な作用・効果が得られる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、上記第3の実施の形態の変形例であり、図6に示すように、生物処理槽50は、上流側の無酸素槽51と、下流側の好気槽52とで構成されている。無酸素槽51と好気槽52とは仕切壁53によって仕切られており、無酸素槽51内の処理対象液20は仕切壁53の上端部をオーバーフローして下流側の好気槽52内に供給され、好気槽52内の処理対象液20は供給口59からオーバーフローして膜分離槽2に供給される。また、下向流促進機構40の循環管路41は、散気装置収容部13内の処理対象液20を膜分離槽2の外部へ排出した後に無酸素槽51に返送する。尚、循環管路41と無酸素槽51と好気槽52とは、膜分離槽2の外部において、循環流4の流路の一部を構成するものである。
これによると、下向流促進機構40のポンプ42を駆動することにより、散気装置収容部13内の処理対象液20が、循環管路41を通って強制的に膜分離槽2の外部へ排出され、循環管路41から無酸素槽51内に返送され、無酸素槽51内から仕切壁53の上端部をオーバーフローして隣の好気槽52内に流れ込み、好気槽52内から供給口59を経て膜分離槽2に供給される。これにより、処理対象液20が無酸素槽51と好気槽52と膜分離槽2とに亘って循環するため、先述した第1および第2の実施の形態と同様な作用・効果が得られる。
尚、この第4の実施の形態の膜分離設備1は、硝化液循環を兼用した設備であり、無酸素槽51では脱窒反応が行われ、好気槽52では硝化反応が行われる。
尚、第4の実施の形態では、生物処理槽50を、上流側の無酸素槽51と下流側の好気槽52とで構成しているが、上流側の嫌気槽と、下流側の好気槽52と、これら嫌気槽と好気槽52との間に設けられた無酸素槽51とで構成してもよい。
また、生物処理槽50を嫌気槽と無酸素槽51とで構成し、膜分離槽2を好気槽と兼用してもよい。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、図7に示すように、上記第3の実施の形態と同様に膜分離槽2の上流側に生物処理槽50が設置され、さらに、膜分離槽2の下流側に汚泥貯留槽55が設置されている。膜分離槽2と汚泥貯留槽55とは仕切壁57で仕切られており、散気設備5の散気装置収容部13内と汚泥貯留槽55の下部とは排出管58を介して連通している。
下向流促進機構40の循環管路41は汚泥貯留槽55内の処理対象液20を外部へ排出した後に生物処理槽50に返送するものであり、循環管路41の一端部は汚泥貯留槽55内の下部に連通している。尚、循環管路41と生物処理槽50と汚泥貯留槽55とは、膜分離槽2の外部において、循環流4の流路の一部を構成するものである。
これによると、下向流促進機構40のポンプ42を駆動することにより、汚泥貯留槽55内の処理対象液20が、循環管路41を通って強制的に汚泥貯留槽55の外部へ排出され、循環管路41から生物処理槽50内に返送される。これに応じて、散気装置収容部13内の処理対象液20が排出管58を通って汚泥貯留槽55内へ排出されるとともに、生物処理槽50内の処理対象液20が供給口59を通って膜分離槽2に供給される。これにより、処理対象液20が生物処理槽50と膜分離槽2と汚泥貯留槽55とに亘って循環するため、先述した第1および第2の実施の形態と同様な作用・効果が得られる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、図8に示すように、下向流促進機構40の循環管路41の一端部は複数の分岐循環管路41a〜41dに分岐している。各分岐循環管路41a〜41dは、先端部に、散気装置収容部13内の処理対象液20を排出する複数の排出口62a〜62dを有している。尚、各排出口62a〜62dは、略均等間隔で、各ドラフト部18a〜18d毎に複数箇所に設けられている。
以下、上記構成における作用を説明する。
下向流促進機構40のポンプ42を駆動することにより、散気装置収容部13内の処理対象液20と共に、散気装置収容部13内に沈降して堆積した固形物が各排出口62a〜62dから各分岐循環管路41a〜41dを通って膜分離槽2の外部へ排出される。この際、排出口62a〜62dは複数個所に設けられているため、固形物が十分に排出され、散気装置収容部13内の固形物の堆積量が低減され、循環流4の流れが散気装置収容部7内に堆積した固形物によって阻害されるのを防止することができる。
(第7の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、下向流促進機構40の循環管路41とポンプ42とを膜分離槽2の外部に設けて、散気装置収容部13内の処理対象液20を散気装置収容部13の外部で且つ膜分離槽2の外部に排出しているが、本第7の実施の形態では、図9に示すように、循環管路41とポンプ42とを膜分離槽2内に設けてもよい。
これによると、散気装置収容部13内の処理対象液20が散気装置収容部13の外部で且つ膜分離槽2内に排出される。
(第8の実施の形態)
上記第1〜第7の実施の形態では、各膜ユニット3a〜3dは、下部に、共通した一台の散気装置収容部13を有しているが、本第8の実施の形態では、図10,図11に示すように、各膜ユニット3a〜3dは、それぞれの下部に、複数の散気装置収容部13a〜13dを個別に有している。各散気装置14a〜14dは各散気装置収容部13a〜13d内に設置されている。各膜ユニット3a〜3dは各散気装置収容部13a〜13dの上部に設けられている。
互いに隣り合った各膜ユニット3a〜3d間および各散気装置収容部13a〜13d間にはそれぞれ、所定の間隔を有する流通路66が形成されている。さらに、各膜ユニット3a〜3dおよび各散気装置収容部13a〜13dと膜分離槽2の立壁面2aとの間にもそれぞれ、所定の間隔を有する流通路67が形成されている。尚、これら流通路66,67は循環流4の流路の一部を形成している。
各散気装置収容部13a〜13dの上部にはそれぞれ開口部16が形成されており、各膜ユニット3a〜3dの膜エレメント収容部7内と各散気装置収容部13a〜13d内とが開口部16を通じて連通している。各散気装置収容部13a〜13dの下端部には連通口65が形成されており、各散気装置収容部13a〜13dの内部と各流通路66,67とが連通口65を介して連通している。
下向流促進機構の一例として下向流促進用散気装置68が膜分離槽2内の下部に複数設置されている。これら下向流促進用散気装置68は、散気装置14a〜14dと同様な構成であり、各流通路66,67の底部に設けられている。
以下、上記構成における作用を説明する。
例えば、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に上向流21が発生し、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に下向流22が発生する。
この際、各下向流促進用散気装置68を大曝気量で曝気することにより、各流通路66,67に上向流21が発生し、これら上向流21は、液面付近で反転して、下向流22が発生している第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に流入するため、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流量が増加し、下向流22の流速が速くなるので、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。また、下向流22は、第1および第3の散気装置収容部13a,13c内の下部において反転しながら連通口65から流通路66,67の下部へ流れ出て、上向流21となって循環する。
尚、本実施の形態は、膜分離槽2を好気槽と兼用する場合であって、膜洗浄用の曝気だけでは好気処理に必要な酸素が不足するとき、下向流促進用散気装置68を補助散気装置と兼用させることで設備が効率的になって消費電力を抑制することができる。
第8の実施の形態では、下向流促進機構の一例として下向流促進用散気装置68を用いたが、下向流促進用散気装置68の代りに、処理対象液20を下方から上方へ強制的に送り出す回転翼を備えた攪拌装置を用いてもよい。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態では、図12に示すように、各膜ユニット3a〜3dの下部間には、流通路66を途中で遮蔽する遮蔽板70が設けられている。また、両端部に配置された第1および第4の散気装置収容部13a,13d内と流通路67とを連通させている連通口65には、攪拌装置71(下向流促進機構の一例)が用いられている。これら攪拌装置71はモータ等で回転する回転翼を備えている。
以下、上記構成における作用を説明する。
例えば、第1および第3の散気装置14a,14cの曝気量を小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量を大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの膜エレメント間流路11に上向流21が発生し、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に下向流22が発生する。
この際、攪拌装置71の回転翼を回転させることにより、散気装置収容部13内の処理対象液20が強制的に散気装置収容部13の外部に排出されて、各流通路67に上向流21が発生し、これら上向流21は、液面付近で反転して、下向流22が発生している第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11に流入するため、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流22の流量が増加し、下向流22の流速が速くなるので、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態では、図13に示すように、給気装置75は、ブロワ31と、ブロワ31に接続された給気管路32と、給気管路32から分岐して各々の散気装置14a〜14dに接続された第1〜第4の分岐管路76a〜76dと、各々の分岐管路76a〜76dに設けられた流量調整弁77a〜77dとを有している。
これによると、各流量調整弁77a〜77dの開度を調節することにより、各散気装置14a〜14dの曝気量を個別に調整することができる。
上記第1〜第7の実施の形態では、下向流促進機構40は散気装置収容部13内の処理対象液20を直接散気装置収容部13から排出しているが、上向流21が流れる膜ユニットの下部に撹拌機を設置し、上昇流を生起して、膜エレメント間流路11を経由して散気装置収容部13内の処理対象液20を散気装置収容部13から排出してもよい。また、上向流21が流れる膜ユニットの上部に撹拌機や補助散気装置を設置し、上昇流を生起して、膜エレメント間流路11を経由して散気装置収容部13内の処理対象液20を散気装置収容部13から排出してもよい。
上記各実施の形態では、四台の膜ユニット3a〜3dのうちの二台の膜ユニット(すなわち第1および第3の膜ユニット3a,3c)の膜エレメント間流路11に下向流22が流れ、残りの二台の膜ユニット(すなわち第2および第4の膜ユニット3b,3d)の膜エレメント間流路11に上向流21が流れているが、少なくともいずれか一台の膜ユニットの膜エレメント間流路11に下向流22が流れ、残りの膜ユニットの膜エレメント間流路11に上向流21が流れていてもよい。また、第1又は第3の膜ユニット3a,3c以外の膜ユニットに下向流22が流れてもよく、第2又は第4の膜ユニット3b,3d以外の膜ユニットに上向流21が流れてもよい。
上記各実施の形態では、膜分離槽2内に膜ユニット3a〜3dを四台配置しているが、四台に限定されるものではなく、四台以外の複数台配置してもよい。
上記各実施の形態では、膜エレメント8は平膜形式のものを用いたが、中空糸形式の膜エレメントであってもよい。
1 膜分離設備
2 膜分離槽(処理槽)
3a〜3d 膜ユニット
4 循環流
7 膜エレメント収容部
8 膜エレメント
11 膜エレメント間流路
13,13a〜13d 散気装置収容部
14a〜14d 散気装置
16 開口部
20 処理対象液
21 上向流
22 下向流
40 下向流促進機構
62a〜62d 排出口
68 下向流促進用散気装置(下向流促進機構)
71 攪拌装置(下向流促進機構)

Claims (7)

  1. 処理槽内に、浸漬型の複数台の膜ユニットと、上下方向に循環する循環流を発生させる散気装置とが設けられ、
    各膜ユニットは循環流の流路を形成して配列された複数の膜エレメントを有し、膜エレメントの下方において散気装置から散気することにより、少なくとも一台の膜ユニットの膜エレメント間流路に下向流が流れるとともに残りの膜ユニットの膜エレメント間流路に上向流が流れる膜分離設備であって、
    下向流の流速をより速くするための下向流促進機構が循環流の流路に備えられていることを特徴とする膜分離設備。
  2. 各膜ユニットは、膜エレメントを収容する膜エレメント収容部と、散気装置を収容する散気装置収容部とを有し、
    散気装置収容部の上部に開口部が形成され、
    膜エレメント収容部は散気装置収容部の開口部上に配置され、
    開口部を通じて膜エレメント収容部内と散気装置収容部内とが連通し、
    下向流促進機構は散気装置収容部内の処理対象液を散気装置収容部外へ排出するものであることを特徴とする請求項1に記載の膜分離設備。
  3. 下向流促進機構は、散気装置収容部外へ排出した処理対象液を、処理槽又は処理槽の上流側に返送することを特徴とする請求項2に記載の膜分離設備。
  4. 下向流促進機構は、散気装置収容部内の処理対象液を排出する複数の排出口を有していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の膜分離設備。
  5. 処理槽内に、浸漬型の複数台の膜ユニットと、上下方向に循環する循環流を発生させる散気装置とが設けられ、
    各膜ユニットは循環流の流路を形成して配列された複数の膜エレメントを有し、散気装置の散気量を異ならせることにより、少なくとも一台の膜ユニットの膜エレメント間流路に下向流を発生させるとともに残りの膜ユニットの膜エレメント間流路に上向流を発生させ、
    下向流促進機構によって下向流の流速をより速くする膜分離設備の運転方法であって、
    散気量を調節することにより、膜エレメント間流路を流れる下向流の流速を0.1m/秒以上で0.4m/秒以下の範囲内にすることを特徴とする膜分離設備の運転方法。
  6. 各膜ユニットの膜エレメントは膜エレメント収容部に収容され、
    散気装置は散気装置収容部内に設けられ、
    散気装置収容部の上部に開口部が形成され、
    膜エレメント収容部は散気装置収容部の開口部上に配置され、
    開口部を通じて膜エレメント収容部内と散気装置収容部内とが連通し、
    下向流促進機構を用いて、散気装置収容部内の処理対象液を散気装置収容部外に排出し、排出した液を処理槽又は処理槽の上流側に返送することで、下向流の流速を調節することを特徴とする請求項5に記載の膜分離設備の運転方法。
  7. 散気をしながら下向流が流れる膜ユニットと散気をしながら上向流が流れる膜ユニットを所定の時間毎に切り替えながら継続的に運転を行なう通常運転と、通常運転の合間に、下向流が流れる膜ユニットの散気を停止するとともに、上向流が流れる膜ユニットの散気量を通常運転時より多くする特別運転を設定時間行なうことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の膜分離設備の運転方法。
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