JP7264687B2 - 浄化槽及び浄化槽の運転方法 - Google Patents

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本発明は、戸建住宅、集合住宅、商業施設等から排出される排水を処理する浄化槽のうち、仕切壁で複数の槽に区切る浄化槽に関し、より詳しくは、好気処理槽で処理を受けた後の水の一部を前段処理の嫌気処理槽に循環する浄化槽及び浄化槽の運転方法に関する。
戸建住宅、集合住宅、商業施設等から排出される排水を処理する浄化槽は、特許文献1で示されるように、上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽または処理水槽の順番で各処理槽が配列されており、さらに嫌気処理槽が2室に区分されている。
特許文献1では、嫌気処理槽として嫌気ろ床槽を採用しており、好気処理槽として接触ばっ気槽を採用している。いずれも、好気処理槽で処理した水の一部を嫌気処理槽の2室に区分された上流側の嫌気処理槽第1室に循環している。
実公平7-2080号公報
ところで、コンビニエンスストアに設置した浄化槽では、トイレの使用頻度が極端に多くなりやすく、流入水にトイレットペーパーが多くなり、さらに窒素濃度(アンモニア性窒素濃度)が高く、かつ、おでんの汁や牛乳などの排水によって生物化学的酸素要求量(BOD、有機汚濁量の指標)が高い場合に、嫌気処理槽第1室での脱窒反応が活発に進行する状況となり、脱窒反応に伴うスカム形成にトイレットペーパーが加わるので、スカム生成量が想定以上に多くなる場合がある。
このような状況で浄化槽の運転を続けると、嫌気処理槽第1室の上部がスカムで塞がれてしまい、建屋内の各排出点からの排水が流れにくくなるという課題が生じる。
そこで、嫌気処理槽第1室でのスカム発生量を低減させるために、循環水量を少なく設定し直すと、今度は処理水質が悪化してしまうという新たな課題を生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、嫌気処理槽第1室でのスカム発生量を抑制しつつ、循環により脱窒反応を含めた生物処理を進行させ、所定の処理水質を確保できる浄化槽及び浄化槽の運転方法を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(1)本発明の浄化槽は、上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽、消毒槽の配列で構成され、さらに前記嫌気処理槽が仕切壁によって嫌気処理槽第1室と嫌気処理槽第2室に分割され、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内にポンプが配置された浄化槽であって、前記ポンプの移送管に循環水分岐装置が配置され、前記循環水分岐装置の第一の流出口が前記嫌気処理槽第1室の上流側に開口され、前記循環水分岐装置の第二の流出口が前記嫌気処理槽第2室の上流側に開口され、前記好気処理槽の槽内から、あるいは、前記沈殿槽の槽内から、前記ポンプにより循環水を揚水可能に構成され、前記循環水分岐装置に、前記第一の流出口から前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水量の調節と、前記第二の流出口から前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水量の調節を個別に行う流量調整機能が備えられ、前記流量調整機能に、前記第一の流出口から前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水量を、前記第二の流出口から前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水量よりも多く設定する機能が備えられたことを特徴とする。
)本発明に係る浄化槽の運転方法は、上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽、消毒槽の配列で構成され、さらに前記嫌気処理槽が仕切壁によって嫌気処理槽第1室と嫌気処理槽第2室に分割され、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内にポンプが配置され、前記ポンプの移送管に循環水分岐装置が配置され、前記循環水分岐装置の第一の流出口が前記嫌気処理槽第1室の上流側に開口され、前記循環水分岐装置の第二の流出口が前記嫌気処理槽第2室の上流側に開口された浄化槽を運転する方法であり、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内に配置した前記ポンプから揚水し、前記揚水を前記循環水分岐装置を介し前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻すとともに、前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水の水量について、前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水の水量を、前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水の水量よりも多くすることを特徴とする
本発明に係る浄化槽の運転方法は、上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽、消毒槽の配列で構成され、さらに前記嫌気処理槽が仕切壁によって嫌気処理槽第1室と嫌気処理槽第2室に分割され、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内にポンプが配置され、前記ポンプの移送管に循環水分岐装置が配置され、前記循環水分岐装置の第一の流出口が前記嫌気処理槽第1室の上流側に開口され、前記循環水分岐装置の第二の流出口が前記嫌気処理槽第2室の上流側に開口された浄化槽を運転する方法であり、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内に配置した前記ポンプから揚水し、前記揚水を前記循環水分岐装置を介し前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に水量調節しながら循環水として戻すとともに、前記循環水分岐装置に、前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水の水量を、前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水の水量よりも多くする機能を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、好気処理槽から、あるいは、沈殿槽から、ポンプにより循環水を嫌気処理槽第1室の上流側に循環させることにより、嫌気処理槽第1室でのスカム発生量を抑制しつつ、嫌気処理槽第1室での沈殿分離機能を向上させることができる。
さらに、好気処理槽から、あるいは、沈殿槽から、ポンプにより循環水を嫌気処理槽第2室の上流側に循環させることにより、嫌気処理槽第2室での脱窒機能を発揮させることができる。
このため、コンビニエンスストアの汚水浄化槽などのように窒素濃度が高く、トイレットペーパーなどの異物を多く含む排水を処理する場合であっても、嫌気処理槽第1室の上部をスカムで閉塞することがなく、所定の処理水質を確保できる浄化槽を提供することができる。
また、嫌気処理槽第1室に送る循環水量を減少させながらも、嫌気処理槽第2室に送る循環水の水量を確保させることで、嫌気処理槽第1室における脱窒機能を抑制させつつ、嫌気処理槽第2室および好気処理槽における処理機能の発揮に好適な循環水が供給され、処理水質の向上を図ることができる。
循環水を確保することで、脱窒機能の抑制に加え、各槽間での被処理水の常時移流分を確保し、処理進行を図るので、有機物の除去、硝化作用も向上させることができ、循環水によって浄化槽全体の処理機能を向上できる。
本発明において、ポンプの移送管に設けた循環水分岐装置により前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に循環水を戻すことにより、個別のポンプを用意することなく簡単な装置構成によって循環水の分流と循環ができる。
本発明に係る第一実施形態の浄化槽を示すもので、(a)は内部構造の概略を示す平面図、(b)は縦断面図である。 図1で示した浄化槽を運転する場合のフローシートの一例を示す図である。 本発明に係る浄化槽に用いる循環水分岐装置の具体例を示すもので、(a)は同循環水分岐装置の第1の例を示す斜視図、(b)は同循環水分岐装置の第2の例を示す斜視図、(c)は同循環水分岐装置の第3の例を示す斜視図、(d)は同循環水分岐装置の第4の例を示す斜視図である。 循環水量を調整するための分水計量マスの一例を示す斜視図である。 本発明の実施例に用いた循環水分岐装置を示す斜視図である。
「第一実施形態」
以下、本発明の第一実施形態に係る浄化槽について図1~図4に示すように汚水浄化装置に適用した一例に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す浄化槽1は、周壁1Aと底壁1Bと天井壁1Cにより構成された槽構造体の内部に、上流側から順に嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4と沈殿槽5と消毒槽6が順に配置されている。
本実施形態の嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3は、空気を供給せずに処理を行う槽、すなわち、嫌気性処理を行う槽であれば良く、沈殿分離槽、固液分離槽、嫌気濾床槽等を適宜採用することができる。また、嫌気処理槽第1室2と第2室3には、同じ種類の槽を採用することができるが、第1室に沈殿分離槽、第2室に嫌気濾床槽というように違う種類の槽を組み合わせることも可能である。
本実施形態の好気処理槽4は、空気を供給して処理を行う槽、すなわち、好気性処理を行う槽であれば良く、接触ばっ気槽、担体流動槽、生物濾過槽等を採用することができる。
本実施形態の沈殿槽5は、処理水を貯留できる槽であれば良く、沈殿槽、固液分離槽、処理水槽等を適宜採用することができる。
浄化槽1においてその入口側の一端上部(図1では左端上部)に流入口23が形成され、出口側の一端上部(図1では右端上部)に流出口24が形成され、浄化槽1の内部には、流入口23側から流出口24側にかけて順次間隔をあけて仕切壁1D、1E、1F、1Gが形成されている。
仕切壁1Dによって、嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3が区分され、仕切壁1Eによって、嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4が区分されている。仕切壁1Fによって、好気処理槽4と沈殿槽5が区分され、仕切壁1Gによって沈殿槽5と消毒槽6が区分されている。
以下、浄化槽1において、嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4が整列されている方向を浄化槽1の長さ方向(X方向)と規定し、浄化槽1の長さ方向に直交する水平方向を浄化槽1の幅方向(Y方向)と規定し、X方向とY方向に直交する方向を浄化槽1の高さ方向(Z方向)と規定し、適宜説明する。
浄化槽1において、仕切壁1D、1E、1Fは浄化槽1の内底部から天井部近くまで形成され、嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4は浄化槽1の底部から天井部近くまで形成されている。これらに対し仕切壁1Gは、浄化槽1の高さ方向中央部より若干高い位置に形成されているので、沈殿槽5は好気処理槽4に隣接する位置で浄化槽1の底部側に形成され、消毒槽6は沈殿槽5の上方側に形成されている。
仕切壁1D、1E、1Fは、浄化槽1の天井壁1Cまでは到達されていないので、嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4の上方には空間が形成され、これらの空間は相互に連通されている。
図1(a)では浄化槽1の天井壁1Cを略し、嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4と沈殿槽5と消毒槽6の平面視的配置のみを示している。なお、図1(a)に破線で円形状に記載したのは浄化槽1の天井壁1Cに形成されているマンホール取付部の概形を示す。
嫌気処理槽第1室2において仕切壁1Dに沿って上下方向に延在する第1の移流部25が形成され、嫌気処理槽第2室3において仕切壁1Eに沿って上下方向に延在する第2の移流部26が形成されている。
第1の移流部25は、水平断面コ字型の隔壁25Aによって区画され、隔壁25Aの下端部は嫌気処理槽第1室2の底部側に開口されている。隔壁25Aの上端部は仕切壁1Dの上端部近くまで延在されている。同様に、第2の移流部26は、水平断面コ字型の隔壁26Aによって区画され、隔壁26Aの下端部は嫌気処理槽第2室3の底部側に開口されている。隔壁26Aの上端部は仕切壁1Eの上端部近くまで延在されている。
第1の移流部25の上端部であって仕切壁1Dの上端部近くに移流口27が形成され、第2の移流部26の上端部であって仕切壁1Eの上端部近くに移流口28が形成されている。図1の構造では仕切壁1Dに2つの移流口27が形成されている。
これらの構造により、嫌気処理槽第1室2で処理した被処理水を嫌気処理槽第2室3に第1の移流部25を介し移送でき、嫌気処理槽第2室3で処理した被処理水を好気処理槽4に第2の移流部26を介し移送することができる。
仕切壁1Fの底部は処理槽1の底壁1Bより若干高い位置まで延在され、仕切壁1Fの底部側に移流口29が形成されている。このため、好気処理槽4において処理された処理水は移流口29を介し沈殿槽5の底部側に移流される。
仕切壁1Gにおいて仕切壁1Fに近い側が上方に向かうように折曲され、この折曲部30の上端が仕切壁1Fに沿って仕切壁1Fの上端部近くまで延出されている。また、折曲部30は、流出口24に相対する面の一部(面の全幅に対して80~90%程度)の上端を水位Lと同じ高さになるように設定され、折曲部30と仕切壁1Fとの間に移流部31が形成されているので、沈殿槽5において処理された処理水は移流部31を介し消毒槽6に水位Lで移流される。
以上の構成に従い、流入口23から図1(b)の下向き矢印に示すように流入水が嫌気処理槽第1室2に移流され、移流口27から下向き矢印に示すように被処理水が嫌気処理槽第2室3に移流され、移流口28から下向きの矢印に示すように被処理水が好気処理槽4に移流される。次いで、好気処理槽4で処理された被処理水は移流口29から図1(b)の上向き矢印で示すように沈殿槽5の底部に移流され、沈殿槽5で処理された処理水は移流部31の上端から下向き矢印で示すように消毒槽6に移流され、流出口24から系外に排出される。
浄化槽1において、嫌気処理槽第1室2には図示略の濾材等を配して濾床32が形成され、嫌気処理槽第2室3に図示略の濾材等を配して濾床33が形成されるとともに、好気処理槽4にも図示略の濾材等を配して濾床34が形成されている。なお、好気処理槽4の底部には、一例として、散気管などのばっ気装置35が設けられている。
次に、沈殿槽5の底部側から、移流部31を通過して沈殿槽5の上部空間に至るようにエアリフトポンプ7の揚水管8が設置されている。図1では、揚水管8の下端の吸込口13が移流口29の上端より上方に設置されているが、沈澱槽5の底部付近に設置して沈澱汚泥を一緒に移送するようにしても構わない。
揚水管8の上端部から横向きに分岐するように、好気処理槽4の上部空間と嫌気処理槽第2室3の上部空間と嫌気処理槽第1室2の上部空間を通過する移送管9が設けられている。この移送管9の先端部9aは、嫌気処理槽第1室2の上部側空間であって流入口23に近い側にまで延在され、移送管9の先端には第一の流出口15が形成されている。
移送管9の基端側は浄化槽1の天井壁1Cに近い位置において揚水管8に接続されているが、移送管9の先端側は天井壁1Cよりも下方であって、流入口23の下端に近い位置に配置され、移送管9には下り勾配が付けられている。
前記揚水管8と移送管9によりポンプ7が構成されている。
ポンプ7は、安価であること、保守作業性が容易であることから、エアリフトポンプを採用することが好ましい。ポンプ7には流量調整機構が必要であるため、エアリフトポンプ7に接続される管にはバルブ(図示省略)が設けられている。このバルブは、空気量の増減によって揚水量を調整できるように構成されており、揚水した全水量を循環水量として設定することができる。
エアリフトポンプの一例として揚水管8の下部に送気管を接続し、送気管から揚水管8に向かって空気を流出させる構成を採用することができる。
図1に示す浄化槽1では、沈澱槽5から被処理水を移送しても、嫌気処理槽第1室2から嫌気処理槽第2室3、好気処理槽4、沈澱槽5への移流(循環)が生じるので、沈澱槽5の水位は変わらない。このため、エアリフトポンプ7による移送は連続で行われることになる。
また、図4に示す構造のように、エアリフトポンプ7で揚水した水を分水計量マス10に受けて、戻り堰(四角堰)11の高さを調整することにより余剰水量を沈殿槽5に戻し、移送堰(三角堰)12から移送管9に移送される循環水量を設定値とするように調整しても良い。
図4に示す構造では、揚水管8の上端に箱型の分水計量マス10が取り付けられ、この分水計量マス10の側板10aの底部に連通口10bが形成され、側板10cと側板10dには連通口10bより水の流れで後段となる部分に、移送堰(三角堰)12が設けられ、移送堰(三角堰)12の下端より上方で鉛直方向に高さ調整可能な戻り堰(四角堰)11が取り付けられている。
連通口10bは、揚水管8から吐出される水と空気による水面の乱れを戻り堰11と移送堰12に伝えないために設けられている。戻り堰11は、側板10cと側板10dに対して接して重ね合わせるために折り曲げて形成されており、戻り堰11が側板10cと側板10dとの間に隙間が生じないように側板10cと側板10dにガイド10f、10gが取り付けられ、また、戻り堰11が落下しないように側板10cと蝶ネジ10h(蝶ネジの図示を省略、固定位置のみ図示)で固定できるようにしてある。戻り堰11の高さを調整する際には、蝶ネジ10hを一旦緩めて調整する。
以上の構成において、揚水管8から移送された水は、分水計量マス10の内部に供給され、戻り堰11で設定された高さまで汲み上げられ、戻り堰11から溢れ出て沈澱槽5に戻ることとなる。戻り堰11から処理水が溢れる状態の処理水の水面位置を図4に一点鎖線で示す。
この状態の処理水の水面より移流堰12のV溝の先端位置が低いので、処理水は移流堰12を越流して一定量の水量で移送管9に流入する。
図4の構成を採用することで沈殿槽5の内部に収容されている処理水の一部を一定量移送管9に送ることができる。分水計量マス10から移送管9に送る循環用の処理水量は、戻り堰11の高さを適宜調整することにより設定することができる。
移送管9の先端は嫌気処理槽第1室2の上方まで延在されているので、移送管9に流入した処理水の一部は嫌気処理槽第1室2の上流側に移送管先端の第一の流出口15から循環水として戻すことができるようになっている。
また、移送管9の途中部分であって嫌気処理槽第2室3の上方に循環水分岐装置14が設けられ、この循環水分岐装置14に第二の流出口16が設けられている。移送管9を流れる処理水の一部をこの第二の流出口16から循環水として嫌気処理槽第2室3の上流側(上部側)に戻すことができる。
循環水分岐装置14は一例として図3(a)に示すように、移送管9の一部にユニオン継手17(17a、17b)を介しT字型の分岐管37を回転自在に組み込んだ構造を採用できる。
分岐管37の直管部37aを移送管9の途中にユニオン継手17とともに組み込み、分岐管37の枝管37bを移送管9に対し直角向きに配置することができ、枝管先端に形成されている第二の流出口16を移送管9の延在方向に対し直角向きに配置できる。
ここで図1、図3を用いて、水の流れについて説明する。
図1(b)に示すように浄化槽1において嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3と好気処理槽4と沈殿槽5に各々水位線Lで示すように個々に槽内水が満たされている。
嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3において嫌気処理がなされ、好気処理槽4において好気処理がなされる。例えば、好気処理槽4ではアンモニア性窒素が亜硝酸性窒素および硝酸性窒素に変化される。
エアリフトポンプなどのポンプ7で揚水された沈殿槽底部の水(循環水)は、揚水管8から移送管9に移行する。
移送管9の途中には、図3(a)で示した循環水分岐装置14が配置されているので、第一の流出口15と第二の流出口16が設けられている。第一の流出口15が嫌気処理槽第1室2の上流側に開口され、第二の流出口16が嫌気処理槽第2室3の上流側に開口されている。
循環水分岐装置14は、移送管9とユニオン継ぎ手17で接続してあるので、移送管9内の水の流れる方向を軸として軸周りに回転させることができる。循環水分岐装置14を回転させることによって、枝管37bを回転させてその先端の第二の流出口16の下端高さを任意に変えることができる。このため、第一の流出口15に向かって流れている循環水の一部のみを、第二の流出口16に水量調整して分岐移流させることができる。
図3(a)に示す循環水分岐装置14においては、ユニオン継手17と分岐管37により循環水分岐装置14に流量調整機能が付与される。
このように、ポンプ7で揚水する全体の循環水量を設定した上で、嫌気処理槽第1室2への循環水量、嫌気処理槽第2室3への循環水量のうち、少なくともどちらか一方を調整できるようにすれば、嫌気処理槽第1室2の上流側と嫌気処理槽第2室3の上流側に分岐する循環水量を所定の水量に調整することができる。
例えば、枝管37bを回転させて第二の流出口16の下端高さを枝管基端側の直管部37aの底面より若干高い位置に設定しておくならば、移送管9を通過する循環水の一部のみを嫌気処理槽第2室3に循環させることができる。例えば、第二の流出口16の下端高さを調整しておくと、移送管9を流れる循環水の内、1/3あるいは1/2などの一定量を嫌気処理槽第2室3に循環させることができる。
本実施形態で示した浄化槽1であれば、好気処理槽4で好気処理した水の一部を循環水として嫌気処理槽第1室2の上流側と嫌気処理槽第2室3の上流側に分岐させることができ、かつ、それぞれ所定の水量に調整して循環させることができる。
このため、トイレットペーパー等の固形物が多く、窒素濃度の高い流入水で浄化槽1を運転した場合であっても、嫌気処理槽第1室2の上流側への循環水量を低減させつつ、嫌気処理槽第2室3の上流側への循環水量を必要量確保できる。このため、嫌気処理槽第1室2でのスカム発生量を低減することができ、かつ、嫌気処理槽第2室3での窒素除去と、さらには浄化槽1全体での処理水質の向上を図ることができる。
例えば、従来構造の浄化槽では、好気処理槽で処理した水を循環水として嫌気処理槽の上流側に一定量循環させる運転を行うことがある。この構造の場合に循環水の全量を好気処理槽の上流側に戻すと、上述のようにスカム発生量が増加する。このスカム発生を抑制するために循環水量を低減すると、処理水質が悪化する。ここで、上述のように嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3にそれぞれ望ましい量の循環水を供給すると、嫌気処理槽第1室2でのスカム発生を抑制しつつ処理水質の向上をなし得る。
図2は以上説明した浄化槽1における処理水の流れと循環水の流れについてフローシートの一例を示すもので、流入口23からの流入水は嫌気処理槽第1室2、嫌気処理槽第2室3、好気処理槽4、沈殿槽5の順に移送され、各槽において嫌気処理、好気処理、沈殿処理がなされる。
好気処理槽4において好気処理がなされた後の処理水あるいは沈殿槽5の底部側の処理水をポンプ7により嫌気処理槽第1室2と嫌気処理槽第2室3にそれぞれ流量調節を行いながら循環水として戻すことで本発明の目的を達成することができる。
即ち、嫌気処理槽第1室2でのスカム発生量を低減することができ、かつ、嫌気処理槽第2室3での効率的な窒素除去ができ、さらには浄化槽1全体での処理水質の向上を図ることができる。
なお、図1に示した浄化槽1の構造では、揚水管8の吸込口13(換言するとエアリフトポンプ7の吸込口13)を沈殿槽5に設置しているが、吸込口13は好気処理槽4の下流側に設置しても良い。いずれにしても好気処理槽4で処理された後の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を含む水を循環水として嫌気処理槽第1室2の上流側と嫌気処理槽第2室3の上流側に移送することが重要である。
また、図1に示した浄化槽1の構造では、嫌気処理槽第1室2、嫌気処理槽第2室3とも、処理水の流れ方向として図1(b)の矢印で示したように下向流方式を採用しているが、本発明の浄化槽では、上向流方式を採用することも可能である。
上向流方式を採用した場合、嫌気処理槽第1室では、流入バッフル(流入部)等を用い、流入水が浄化槽に入る部位を上流側とするので、流入バッフルの上方に循環水分岐装置の第一の流出口を設けることができる。また、上向流方式を採用した場合、嫌気処理槽第2室では、嫌気処理槽第1室の移流バッフル(流出部)や嫌気処理槽第2室の移流バッフル(流入部)等を用い、嫌気処理槽第1室で処理された水が嫌気処理槽第2室に移流する部位を上流側とするので、嫌気処理槽第1室の移流バッフル(流出部)や嫌気処理槽第2室の移流バッフル(流入部)の上方に循環水分岐装置の第二の流出口を設けることができる。
このように、本発明では、嫌気処理槽第1室および嫌気処理槽第2室に上向流方式、下向流方式等のいずれの方式を採用しても、図2のフローシートで示したように、好気処理槽で処理された水を循環水として利用し、循環水分岐装置14を介して嫌気処理槽第1室の上流側と嫌気処理槽第2室の上流側に分岐移流できれば、何ら支障のあるものではない。
ところで、上述の実施形態においては、循環水分岐装置14として図3(a)に示す構造を採用したが、循環水分岐装置14において、図3(b)、(c)、(d)にそれぞれ示す構造を採用しても良い。
図3(b)は、循環水分岐装置14として、分水計量マスを採用した例である。
この例の循環水分岐装置14は、移送管9が途中で一旦分断され、分断部分手前側の移送管9の先端に下向きの折曲部9bが設けられ、この折曲部9Bの下方に上面開口型の箱状の分水計量マス40が設けられている。
分水計量マス40は、上面開口型の本体部41を有し、その内部に堰板42、43、44を備えている。
本体部41は、移送管9の長さ方向に細長い矩形箱状に形成され、本体部41の内側に移送管9の延在方向前方側から順に堰板42、43、44が所定の間隔をあけてこの順に配列されている。
堰板42は本体部41の底壁41aに対し直角に立設され、堰板42の左右両端は本体部41の左右の側壁41bに支持され、堰板42の高さは本体部41の側壁41bの上端よりも低く形成されている。堰板42の中央上部側にV溝を設けた三角堰19が形成されている。
堰板43は本体部41の内部側において堰板42と平行に配置され、堰板43の両端部を本体部41の両側壁41bに支持されているが、堰板43は本体部41の底面から若干上方に離れた位置に取り付けられている。堰板43の底辺は三角堰19のV溝の最底部(頂点)より下方に配置されている。
堰板44は本体部41の内部側において堰板43と平行に配置され、堰板44の両端部を本体部41の両側壁41bに支持されているが、堰板44は本体部41の底面から上方に離れた位置に取り付けられている。堰板44の底辺は、堰板43の底辺と同様に三角堰19のV溝の最底部(頂点)より下方に配置されている。
本体部41において堰板44の奥側の側壁41bに四角堰18が設置されている。この四角堰18によって矩形状の流出口46が形成されている。この四角堰18は、上下の位置調節ができ、本体部41に収納可能な水量を調節することができる。
また、図3(b)では記載を略しているが、第二の流出口46の開口部両外側において四角堰18の両側縁を挟む位置に四角堰18を案内する支持枠部材がそれぞれ設けられている。四角堰18はこれらの支持枠部材に案内されつつ側板41bの外面に沿って上下にスライド移動自在に支持されている。さらに、四角堰18と側板41bは、蝶ネジ(図示省略)によって固定されているので、調整する際には蝶ネジを緩めて上下位置を調節することができる。
本体部41の他方の端面壁41cに分断された移送管9の先端側が接続され、この先端側の移送管9は嫌気処理槽第1室2の上方側まで延在され、第一の流出口15が設けられている。
図3(b)に示す循環水分岐装置14においては、分水計量マス40により循環水分岐装置14に流量調整機能が付与される。
図3(b)に示す循環水分岐装置14の構造において、移送管9を流れる循環水は、本体部41の内部に流入する。
四角堰18を鉛直方向に高さ調整可能としているため、本体部41内の水位を調整することが可能であり、三角堰19の最底部を越える循環水量、すなわち、第一の流出口15を経て嫌気処理槽第1室2の上流側に移送される循環水と、四角堰18を越える循環水、すなわち、第二の流出口16を経て嫌気処理槽第2室3の上流側に移送される循環水とを、それぞれ所定の水量で分岐移流させることができる。
図3(b)に示す構成の循環水分岐装置14を用いることにより、好気処理槽4で好気処理した水の一部を循環水として嫌気処理槽第1室2の上流側と第2室3の上流側に分岐させることができ、かつ、それぞれ所定の水量に調整して循環させることができる。
このため、図3(b)に示す構造を採用することにより、先に説明した構造と同等の作用効果を得ることができる。
図3(c)は、第二の流出口16として移送管9の底面に孔を複数開口し、嫌気処理槽第1室2の上流側に移流している循環水の一部を嫌気処理槽第二室3の上流側に孔9dから落下させて分岐移送することができる循環水分岐装置14の第3の例を示す。
この例の構造では、移送管9の底部に形成されている複数の孔9dが第二の流出口16となる。また、移送管9において第二の流出口16を形成した部分近傍に移送管外周の3分の2程度を囲むことができるC型のスライド式調整板20が移送管9の外周にスライド移動自在に嵌め込まれている。スライド式調整板20の幅は、第二の流出口16を構成する孔9dの全てを覆い隠すことができる程度の幅に設定されている。
図3(c)に示す構造の循環水分岐装置14において、スライド式調整板20の位置調節により第二の流出口16の開口面積(複数の孔9dにより構成される場合には、その合計面積)を増減させることができる。
このため、図3(c)に示す構成の循環水分岐装置14を用いることにより、好気処理槽4で好気処理した水の一部を循環水として第二の流出口16から嫌気処理槽第2室3の上流側に循環させ、移送管9の先端の第1の流出口15から第2室3の上流側に分岐させることができ、かつ、それぞれ所定の水量に調整して循環させることができる。
図3(c)に示す構造においては、第二の流出口16とスライド式調整板20により循環水分岐装置14に流量調整機能が付与される。
このため、図3(c)に示す構造を採用することにより、先の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
図3(d)は移送管9の途中部分の側面に矩形状の第二の流出口16を設け、この第二の流出口16よりも下流側の移送管内部にV溝を有する三角堰19を設けた循環水分岐装置14の第4の例を示す。
三角堰19は、移送管19の横断面の半分程度を占める半円板状の堰板からなり、堰板の上部中央にV溝19aが形成されている。三角堰19は、移送管9の横断面の下半分程度を閉じるように移送管9の内部に取り付けられている。
第二の流出口16の開口部には、移送管外周の3分の2程度を囲むことができるC型の回転式四角堰21が設けられている。回転式四角堰21は、移送管19と同じ直径の管を用いて、その側壁の一部を切り取った形状の湾曲板からなり、この湾曲板の幅は第二の流出口16の幅より大きく形成されている。移送管19と回転式四角堰21は、同じ直径の管を用いているため、移送管に緊密に接するように回転式四角堰21を外側に配置することができる。これにより位置ズレや落下することもなくなる。
図3(d)は、図3(b)に示す構造の変形例と表現することができ、移送管9に配置した第二の流出口16よりも下流側に三角堰19が設けられているので、三角堰19の上流側の移送管9内に流れる循環水の水位を増やし、第二の流出口16に設けた回転式の四角堰21の高さを調整することで、分岐移送される循環水量を調整することができる。
図3(d)に示す構造においては、第二の流出口16と回転式四角堰21と三角堰19により循環水分岐装置14に流量調整機能が付与される。
好気処理槽4で好気処理した水の一部を循環水として第二の流出口16から嫌気処理槽第2室3の上流側に分岐して流入させることができ、三角堰19を通過して移送管19の先端に到達させた循環水を嫌気処理槽第1室2の上流側に流入させることができる。
そして、回転式の四角堰21の上下位置調節を行うことで、嫌気処理槽第1室2の上流側と第2室3の上流側に分岐させた循環水の水量をそれぞれ所定の水量に調整して循環することができる。
このため、図3(d)に示す構造を採用することにより、先の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、図3(a)~(d)に示した循環水分岐装置14はそれぞれ一例に過ぎず、他の構成の循環水分岐装置を採用することができるが、いずれの構造を採用するとしても、嫌気処理槽第1室2の上流側と嫌気処理槽第2室3の上流側に所定の循環水量を分岐移送することが重要である。
コンビニエンスストアに設置された株式会社ハウステック製KGRN型の既設浄化槽(50人槽)での実施例を以下に示す。
この浄化槽は、上流側から、嫌気ろ床槽第1室(下向流方式:嫌気処理槽第1室)、嫌気ろ床槽第2室(下向流方式:嫌気処理槽第2室)、担体流動槽(好気処理槽)、沈殿槽、消毒槽の配列であり、担体流動槽(好気処理槽)の底部に循環エアリフトポンプの吸込口が配置されており、担体流動槽で処理した水の一部を循環エアリフトポンプを用いて該エアリフトポンプの移送管を用いて嫌気ろ床槽第1室の上流側に循環している構成である。
この浄化槽を備えた施設は、顧客によるトイレ利用が多いため、トイレットペーパーの使用量が多く、アンモニア性窒素濃度も高い状態であった。
3ヶ月間の使用水量から実際の流入水量を計算すると、計画流入水量10mに対して1日当たり3mであった。
通常、浄化槽における循環水量は、効率的な硝化反応と脱窒反応が進むように、流入水量に対する循環水量の比(循環比)を3として標準的に設定されていることが多く、この施設でも同様に循環比を3(1日当たり9m)として運転されていた。
この状態における処理過程では、担体流動槽で高濃度のアンモニア性窒素が亜硝酸性窒素、および、硝酸性窒素に変化し、嫌気ろ床槽第1室に循環水として移送されるので、嫌気ろ床槽第1室における脱窒反応が予想以上に進行した。この結果、貯留汚泥のスカム化が盛んになることに加え、トイレットペーパーも一緒にスカム化するので、多量のスカムが形成され、嫌気ろ床槽第1室の上部がスカムで閉塞している状況であった。
このような状況に対して、循環水量を循環比1(1日当たり3m)に減じて運転したところ、嫌気ろ床槽第1室の上流側に循環される亜硝酸性窒素、および、硝酸性窒素が少なくなり、脱窒反応の進行が抑えられるので、スカムの発生量を抑制することができたが、3ヶ月後に処理水の透視度が法定検査の指標となる20cm以下になってしまった。
処理水の透視度が悪化した原因は、以下の通りと考えられる。
循環機能のない浄化槽では、流入のない時間帯に、被処理水が各槽(嫌気ろ床槽第1室、嫌気ろ床槽第2室、担体流動槽)に滞った状態になり、流入のある時間帯にだけ、各槽での移流が生じて、被処理水の処理が進行する。
一方、循環機能のある浄化槽では、流入のない時間帯でも、常に各槽での移流が生じているので、被処理水が各槽で順次処理が連続的に行われるため、処理性能が向上する。
以上のことを踏まえると、循環水量が停止すると、あるいは、極端に少なくなると(循環比1以下)、処理性能が低下することになる。
そこで、本実施例では、図3(c)で示した構成の循環水分岐装置14を簡略化して、図5に示した構成を採用した。
図5に示す構成は、嫌気ろ床槽第2室の上方にある移送管9の底面に第二の流出口16となる穴を1つ電動ドリルで加工して作成した。加工した孔は、移送管9の直径(内径)75mmに対して、直径5mmの刃を使用した孔(孔径5mm)である。
続いて、全体の循環比が3(1日当たり9m)になるようにエアリフトポンプに供給する空気量の調整を行った。この結果、嫌気ろ床槽第1室の上流側への循環比が2(1日当たり6m)となり、嫌気濾床槽第2室の上流側への循環比が1(1日当たり3m)となったので、この循環比にて浄化槽の運転を3ヶ月間実施した。
その結果、嫌気ろ床槽第1室への循環水量を減少させたことにより、スカム発生量が抑制されたため、嫌気ろ床槽第1室の上部での閉塞が発生せず、さらに、嫌気ろ床槽第2室以降での適切な循環水量を確保できたため、処理水の透視度が30cm以上となり、所定の処理水質を満足させることができた。
従って、汚水浄化槽において、担体流動槽の底部に設けた循環エアリフトポンプの吸込口から処理水を吸引し、担体流動槽で処理した水の一部を嫌気ろ床槽第1室の上流側と嫌気ろ床槽第2室の上流側に適量戻して循環することにより、トイレットペーパーの使用量が多く、スカム発生量が多くなる使用状態の浄化槽であっても、スカム発生量を抑制できると同時に処理水の透過度を向上させることができた。
1…浄化槽、1A…周壁、1B…底壁、1C…天井壁、
1D、1E、1F、1G…仕切壁、2…嫌気処理槽第1室、3…嫌気処理槽第2室、
4…好気処理槽、5…沈殿槽、6…消毒槽、7…ポンプ(エアリフトポンプ)、
8…揚水管、9…移送管、9a…先端部、9b…折曲部、9d…孔、
10…分水計量マス、10a…側板、10b…連通口、10c…側板、10d…側板、
10e…切欠き部、10f…ガイド、10g…ガイド、10h…蝶ネジ(固定位置)、
11…戻り堰(四角堰)、12…移送堰(三角堰)、13…吸込口、
14…循環水分岐装置、15…第一の流出口、16…第二の流出口、
17…ユニオン継手、17a…ユニオン継手、17b…ユニオン継手、
18…四角堰、19…三角堰、19a…V溝、20…スライド式調整板、
21…回転式四角堰、23…流入口、24…流出口、
25…第1の移流部、25a…隔壁、26…第2の移流部、26a…隔壁、
27、28、29…移流口、30…折曲部、31…移流部、
32、33、34…濾床、35…ばっ気装置(散気管)、
37…分岐管、37a…直管部、37b…枝管、
40…分水計量マス、41…本体部、41a…底壁、41b…側壁、41c…端面壁、
42…堰板、43…堰板、44…堰板、46…流出口(第二の流出口)。

Claims (3)

  1. 上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽、消毒槽の配列で構成され、さらに前記嫌気処理槽が仕切壁によって嫌気処理槽第1室と嫌気処理槽第2室に分割され、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内にポンプが配置された浄化槽であって、
    前記ポンプの移送管に循環水分岐装置が配置され、前記循環水分岐装置の第一の流出口が前記嫌気処理槽第1室の上流側に開口され、前記循環水分岐装置の第二の流出口が前記嫌気処理槽第2室の上流側に開口され
    前記好気処理槽の槽内から、あるいは、前記沈殿槽の槽内から、前記ポンプにより循環水を揚水可能に構成され、前記循環水分岐装置に、前記第一の流出口から前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水量の調節と、前記第二の流出口から前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水量の調節を個別に行う流量調整機能が備えられ、
    前記流量調整機能に、前記第一の流出口から前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水量を、前記第二の流出口から前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水量よりも多く設定する機能が備えられたことを特徴とする浄化槽。
  2. 上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽、消毒槽の配列で構成され、さらに前記嫌気処理槽が仕切壁によって嫌気処理槽第1室と嫌気処理槽第2室に分割され、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内にポンプが配置され、
    前記ポンプの移送管に循環水分岐装置が配置され、前記循環水分岐装置の第一の流出口が前記嫌気処理槽第1室の上流側に開口され、前記循環水分岐装置の第二の流出口が前記嫌気処理槽第2室の上流側に開口された浄化槽を運転する方法であり、
    前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内に配置した前記ポンプから揚水し、 前記揚水を前記循環水分岐装置を介し前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻すとともに、
    前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水の水量について、前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水の水量を、前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水の水量よりも多くすることを特徴とする浄化槽の運転方法。
  3. 上流側から嫌気処理槽、好気処理槽、沈殿槽、消毒槽の配列で構成され、さらに前記嫌気処理槽が仕切壁によって嫌気処理槽第1室と嫌気処理槽第2室に分割され、前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内にポンプが配置され、
    前記ポンプの移送管に循環水分岐装置が配置され、前記循環水分岐装置の第一の流出口が前記嫌気処理槽第1室の上流側に開口され、前記循環水分岐装置の第二の流出口が前記嫌気処理槽第2室の上流側に開口された浄化槽を運転する方法であり、
    前記好気処理槽の槽内、あるいは、前記沈殿槽の槽内に配置した前記ポンプから揚水し、 前記揚水を前記循環水分岐装置を介し前記嫌気処理槽第1室の上流側と前記嫌気処理槽第2室の上流側に水量調節しながら循環水として戻すとともに、
    前記循環水分岐装置に、前記嫌気処理槽第1室の上流側に戻す循環水の水量を、前記嫌気処理槽第2室の上流側に戻す循環水の水量よりも多くする機能を設けたことを特徴とする浄化槽の運転方法。
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