JP4326793B2 - 画像処理装置及びその画像処理装置を備えた画像処理システム - Google Patents

画像処理装置及びその画像処理装置を備えた画像処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナ装置(以下、単にスキャナと呼ぶ)に代表される画像処理装置及びこの画像処理装置とパーソナルコンピュータ等のホスト装置とで構成される画像処理システムに係る。特に、本発明は、画像処理装置に備えられた記憶手段(以下、バッファと呼ぶ)の空き容量が無くなってしまって(バッファフル状態になって)画像処理装置での画像読取動作が停止してしまうといった状況を回避する対策の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、原稿等の画像を読み取るスキャナには、読み取った画像データを一時的に記憶するバッファが備えられている。つまり、読み取った画像データを一時的にバッファに記憶し、この画像データをパーソナルコンピュータ等のホスト装置に順次転送するようになっている。これにより、スキャナの読取速度とスキャナからホスト装置への転送速度とが一致しない場合であっても、効率的に読取処理及び転送処理を行うことができる。
【0003】
ところが、上記読取速度が転送速度を大きく上回る場合には、バッファからホスト装置に転送すべき画像データによってバッファが満杯になる所謂バッファフルの状態になることがある。このバッファフルの状態になると、原稿の画像データの読み取りを一時停止(所謂スキャンストップ)して、バッファからホスト装置への画像データの転送のみを行い、バッファ内に蓄積されている画像データ量が減少してバッファの空き容量が増加するのを待ち、バッファ内に新たな画像データの格納が可能な状態になった後に、原稿の読み取りを再開する必要があった。
【0004】
このため、バッファの空き容量が増加するまで待つ間、原稿の読み取りの停止を余儀なくされることになりタイムロスが生じてしまう。また、原稿の読み取りを一時中断することにより、中断の前後における画像をつなぎあわせるための位置合わせが必要となり、この位置合わせが適正に行われない場合には、画像データにつなぎ目が生じる等、画像データに基づいて形成される画像の品質が低下するという課題があった。
【0005】
この点に鑑みられたものとして下記の特許文献1が提案されている。この特許文献1には、ホスト装置への転送速度及びバッファの使用量を検知し、これらに基づいて画像の読取速度を決定及び可変にすることが開示されている。具体的には、バッファの使用量が80%まで上昇すると光学系が減速して画像の読取速度を低下させる一方、バッファの使用量が30%まで低下すると光学系が加速して画像の読取速度を上昇させるようにしている。
【0006】
しかし、この公報に開示されているものでは、プレスキャン時のデータを利用しており、例えばホスト装置の使用状況の変化によりその処理速度が変化する等、プレスキャン時と使用状況が異なる場合や転送速度の時間的なバラツキや揺らぎが発生する場合を考慮していないため、実際にはその時々で最適な読取速度が算出されていないという課題があった。
【0007】
この課題に鑑み、本発明の発明者は、既に行われた画像読取処理における読取速度、読取停止時間、原稿の総ライン数を記憶しておき、過去の設定に応じて読取速度を決定するといった技術について既に提案している(特願2002−13132号)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−215326号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案の技術は、画像処理装置がスキャナとしてのみ機能する場合について考慮されたものである。近年は、画像処理装置の複合機化が進んでおり、スキャナ機能以外にプリント機能等も兼ね備えた画像処理装置が普及してきている。
【0010】
つまり、画像処理装置がスキャナとしてのみ機能する場合には、上述の技術によってスキャンストップの発生を抑制することが可能であるが、この画像処理装置のスキャナ機能とプリンタ機能とを同時使用する場合には、これら両機能が通信回線を共用することになり、ホスト装置との間の通信速度が極端に低下してしまって、スキャンストップを招きやすい状況になってしまう。また、このようにスキャナ機能とプリンタ機能とを同時使用する場合、プリンタ機能によりバッファ内の記憶領域の一部が使用(プリントデータが記憶)されるため、スキャナ機能で使用可能なバッファ内の記憶領域が大きく制約を受けることになり、このスキャナ機能で取得した画像データを記憶可能な容量が少なくなることによってもスキャンストップを招きやすい状況になってしまう。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スキャナ機能に加えて他の機能(プリンタ機能等)を備えた画像処理装置に対し、複数の機能が同時使用される状況になってもスキャンストップの発生を抑制することが可能な画像処理装置及びその画像処理装置を備えた画像処理システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
上記の目的を達成するために、本発明は、スキャナ機能以外の機能であって通信回線を使用する他機能の状況をチェックし、この他機能の使用状況に応じてスキャナ機能における画像読取速度の初期速度設定や速度変更を行うようにしている。これにより、複合機に特有の複数機能同時使用の状況でも、スキャンストップを生じさせない適切なスキャン速度設定ができるようにしている。
【0013】
−解決手段−
具体的には、原稿画像を読み取り、その読み取った画像データを記憶手段に一時的に記憶すると共にこの画像データをホスト装置またはサーバ装置である外部機器に順次送信する「スキャナ機能」と、この「スキャナ機能」以外の機能であって上記外部機器との間で通信を行うプリント機能またはPCfax機能である「他機能」とを備えた画像処理装置を前提とする。この画像処理装置に対し、上記「スキャナ機能」のみが稼働している場合における上記原稿画像の読取速度よりも、上記「スキャナ機能」と上記「他機能」とが共に稼働している場合における上記原稿画像の読取速度を低く設定する読取速度変更手段と、上記「スキャナ機能」と上記「他機能」とが共に稼働している場合に、上記記憶手段の記憶領域に割り当てられるスキャンデータ用記憶領域及び上記他機能のデータ用記憶領域それぞれの容量を認識するバッファ監視手段とを備えさせる。そして、上記読取速度変更手段が、上記バッファ監視手段によって認識された上記スキャンデータ用記憶領域の容量が小さいほど上記原稿画像の読取速度を低く設定する構成としている。
【0015】
「スキャナ機能」が単独で機能している場合には、外部機器との間での通信速度が比較的高く確保され且つこの「スキャナ機能」で使用可能な記憶手段の記憶容量も大きい。このため、スキャンストップが生じる可能性は殆どない。これに対し、「スキャナ機能」と「他機能」とが共に稼働する状況では、両機能のデータが画像処理装置と外部機器との間で送受信されるためスキャン画像データの通信速度が極端に低下してしまい、また、「他機能」により記憶手段内の記憶領域の一部が使用されるため、スキャン画像データの記憶が可能な記憶領域が大きく制約を受けることになる。このためスキャンストップを招きやすい状況になる。本解決手段では、この「他機能」の影響によってスキャンストップを招きやすい状況になった際には「スキャナ機能」における原稿読取速度を低く設定し、バッファフルの状態が生じることを抑制することによってスキャンストップの発生を回避することが可能になる。
【0016】
また、上記読取速度変更手段は、上記「スキャナ機能」と上記「他機能」とが共に稼働している場合に、上記「スキャナ機能」における上記外部機器に対する通信速度が低いほど上記原稿画像の読取速度を低く設定するよう構成されている。
【0019】
また、上記読取速度変更手段によって設定された読取速度が、原稿画像の読み取り動作を行うスキャナ部において原稿画像の読み取り動作が可能となる必要最低速度以下である場合には、原稿画像の読み取り動作を停止する構成となっている。
【0021】
更に、上記原稿画像の読み取り動作を停止した後、上記スキャンデータ用記憶領域の空き容量が増加して原稿画像の読み取り動作が可能な状況になると、上記スキャンデータ用記憶領域の空き容量に応じて算出された読取速度で原稿画像の読み取り動作を開始する構成となっている。
【0024】
尚、上述した各解決手段に係る画像処理装置と、この画像処理装置との間で画像データの送受信が可能な外部機器とによって構成されている画像処理システムも本発明の技術的思想の範疇である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本形態は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を備えた複合機に本発明を適用した場合について説明する。
【0026】
−複合機の全体構成の説明−
図1は本形態に係る画像処理装置としての複合機1の内部構成の概略を示している。この図1のように、本複合機1は、スキャナ部2、画像形成部としてのプリント部3及び原稿自動給紙部4を備えている。以下、各部について説明する。
【0027】
<スキャナ部2の説明>
スキャナ部2は、透明なガラス等で成る原稿台41上に載置された原稿の画像や原稿自動給紙部4により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って画像データを作成する部分である。このスキャナ部2は、露光光源21、複数の反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子(CCD:Charge Coupled Device)26を備えている。
【0028】
上記露光光源21は、原稿自動給紙部4の原稿台41上に載置された原稿や原稿自動給紙部4を搬送される原稿に対して光を照射するものである。各反射鏡22,23,24は、図1に破線で光路を示すように、原稿からの反射光を一旦図中左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、結像レンズ25に向かうように図中右方向に反射させるようになっている。
【0029】
原稿の画像読取動作として、上記原稿台41上に原稿が載置された場合(「シート固定方式」として使用する場合)には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置と仮想線で示す位置との間を原稿台41に沿って水平方向に走査して、原稿全体の画像を読み取ることになる。一方、原稿自動給紙部4を搬送される原稿を読み取る場合(「シート移動方式」として使用する場合)には、露光光源21及び反射鏡22が図1に実線で示す位置に固定され、後述する原稿自動給紙部4の原稿読取部42を原稿が通過する際にその画像を読み取ることになる。尚、この原稿読取部42は、後述するプラテンガラス42a、原稿押え板42b、露光光源21、反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子26により構成されている。
【0030】
上記各反射鏡22,23,24で反射されて結像レンズ25を通過した光は光電変換素子26に導かれ、この光電変換素子26において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換されるようになっている。
【0031】
<プリント部3の説明>
プリント部3は、画像形成系31と用紙搬送系32とを備えている。
【0032】
画像形成系31は、レーザスキャニングユニット31a及びドラム型の感光体31bを備えている。レーザスキャニングユニット31aは、上記光電変換素子26において変換された原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射するものである。感光体31bは、図1中に矢印で示す方向に回転し、レーザスキャニングユニット31aからのレーザ光が照射されることによってその表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0033】
また、感光体31bの外周囲には、上記レーザスキャニングユニット31aの他に、現像装置31c、転写チャージャ31d、図示しないクリーニング装置、除電器31e、主帯電器31fが周方向に亘って順に配設されている。現像装置31cは、感光体31bの表面に形成された静電潜像をトナーにより可視像に現像するものである。転写チャージャ31dは、感光体31bの表面に形成されたトナー像を記録媒体としての画像形成用紙5に転写するものである。クリーニング装置は、トナー転写後において感光体31bの表面に残留したトナーを除去するようになっている。除電器31eは、感光体31bの表面の残留電荷を除去するものである。主帯電器31fは、静電潜像が形成される前の感光体31bの表面を所定の電位に帯電させるようになっている。
【0034】
このため、画像形成用紙5に画像を形成する際には、主帯電器31fによって感光体31bの表面が所定の電位に帯電され、レーザスキャニングユニット31aが原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体31bの表面に照射する。その後、現像装置31cが感光体31bの表面にトナーによる可視像を現像し、転写チャージャ31dによって、トナー像が画像形成用紙5に転写される。更に、その後、感光体31bの表面に残留したトナーはクリーニング装置によって除去されると共に、感光体31bの表面の残留電荷が除電器31eによって除去される。これにより、画像形成用紙5への画像形成動作(印刷動作)の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚の画像形成用紙5,5,…に対して連続的に画像形成を行うことができるようになっている。
【0035】
一方、用紙搬送系32は、用紙収容部としての用紙カセット33や用紙トレイ34に収容された画像形成用紙5,5,…を1枚ずつ搬送して上記画像形成系31による画像形成を行わせると共に、画像形成された画像形成用紙5を用紙排出部としての排紙トレイ35へ排出するものである。
【0036】
この用紙搬送系32は、主搬送路36と反転搬送路37とを備えている。主搬送路36は、一端が分岐されて用紙カセット33及び用紙トレイ34の排出側にそれぞれ対向していると共に他端が排紙トレイ35に対向している。反転搬送路37は、一端が転写チャージャ31dの配設位置よりも上流側(図中下側)で主搬送路36に繋がっていると共に、他端が転写チャージャ31dの配設位置よりも下流側(図中上側)で主搬送路36に繋がっている。
【0037】
主搬送路36の上流端(用紙カセット33や用紙トレイ34の排出側に対向する部分)には断面が半円状のピックアップローラ36a,36aが配設されている。このピックアップローラ36a,36aの直下流側には給紙ローラ36b,36bが配設されている。このピックアップローラ36a及び給紙ローラ36bの回転により、用紙カセット33または用紙トレイ34に収容されている画像形成用紙5,5,…を1枚ずつ間欠的に主搬送路36に給紙できるようになっている。
【0038】
この主搬送路36における転写チャージャ31dの配設位置よりも上流側には、画像形成用紙5の通過を検知するためのレジスト検知スイッチ36c及びレジストローラ36d,36dがそれぞれ配設されている。このレジストローラ36d,36dは、感光体31b表面のトナー像と画像形成用紙5との位置合わせを行いながら画像形成用紙5を搬送するものである。主搬送路36における転写チャージャ31dの配設位置よりも下流側には、画像形成用紙5に転写されたトナー像を加熱により定着させるための一対の定着ローラ36e,36e及び画像形成用紙5が定着ローラ36e,36eを通過したことを検知するための定着検知スイッチ36fがそれぞれ配設されている。主搬送路36の下流端には、画像形成用紙5を排紙トレイ35に排紙するための一対の排紙ローラ36g,36g及び画像形成用紙5の排紙を検知するための排紙検知スイッチ36hがそれぞれ配設されている。
【0039】
主搬送路36に対する反転搬送路37の上流端の接続位置には分岐爪38が配設されている。この分岐爪38は、図1に実線で示す第1位置と仮想線で示す第2位置との間で水平軸回りに回動自在となっている。この分岐爪38が第1位置にあるときには画像形成用紙5が排紙トレイ35へ排紙され、第2位置にあるときには画像形成用紙5が反転搬送路37へ供給されるようになっている。反転搬送路37の複数箇所には搬送ローラ37a,37a,…が配設されており、画像形成用紙5が反転搬送路37に供給された場合(所謂スイッチバック搬送により画像形成用紙5が反転搬送路37に供給された場合)には、これら搬送ローラ37a,37a,…によって画像形成用紙5が搬送され、レジストローラ36dの上流側で画像形成用紙5が反転されて再び転写チャージャ31dに向かって主搬送路36を搬送されるようになっている。つまり、画像形成用紙5の裏面に対して画像形成が行えるようになっている。
【0040】
<原稿自動給紙部4の説明>
次に、原稿自動給紙部4について説明する。この原稿自動給紙部4は、所謂自動両面原稿搬送装置として構成されている。図2は、本原稿自動給紙部4及びその周辺部分を示す概略図である。この原稿自動給紙部4は、シート移動式として使用可能であって、原稿載置部としての原稿トレイ43、中間トレイ44、原稿排出部としての原稿排紙トレイ45及び各トレイ43,44,45間で原稿を搬送する原稿搬送系46を備えている。
【0041】
上記原稿搬送系46は、原稿トレイ43に載置された原稿6,6,…を、原稿読取部42を経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ搬送するための主搬送路47と、中間トレイ44上の原稿6を主搬送路47に供給するための副搬送路48とを備えている。
【0042】
主搬送路47の上流端(原稿トレイ43の排出側に対向する部分)には原稿ピックアップローラ47a及び捌きローラ47bが配設されている。捌きローラ47bの下側には捌き板47cが配設されており、原稿ピックアップローラ47aの回転に伴って原稿トレイ43上の原稿6,6,…のうちの1枚がこの捌きローラ47bと捌き板47cとの間を通過して主搬送路47に給紙されるようになっている。主搬送路47と副搬送路48との合流部分(図中A部分)には原稿6の通過を検知するための原稿入紙センサ47dが配設されている。更に、この原稿入紙センサ47dの配設位置よりも下流側にはPSローラ47e,47eが配設されている。このPSローラ47e,47eは、原稿6の先端とスキャナ部2の画像読取タイミングとを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するものである。つまり、このPSローラ47e,47eは原稿6が供給された状態でその原稿6の搬送を一旦停止し、上記タイミングを調整して原稿6を原稿読取部42に供給するようになっている。
【0043】
原稿読取部42は、プラテンガラス42aと原稿押え板42bとを備え、PSローラ47e,47eから供給された原稿6がプラテンガラス42aと原稿押え板42bとの間を通過する際に、上記露光光源21からの光がプラテンガラス42aを通過して原稿6に照射されるようになっている。この際、上記スキャナ部2による原稿画像データの取得が行われる。上記原稿押え板42bの背面(上面)にはコイルスプリング42cによる付勢力が付与されている。これにより、原稿押え板42bがプラテンガラス42aに対して所定の押圧力をもって接触しており、原稿6が原稿読取部42を通過する際にプラテンガラス42aから浮き上がることを阻止している。
【0044】
プラテンガラス42aの下流側には、搬送ローラ47f及び原稿排紙ローラ47gが備えられている。プラテンガラス42a上を通過した原稿6が搬送ローラ47f及び原稿排紙ローラ47gを経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ排紙される構成となっている。尚、上記各ローラ47e,47f,47gのうち図2中で回転方向に矢印を付したものが駆動ローラであって、それに接触するローラが従動ローラとなっている。
【0045】
原稿排紙ローラ47gと中間トレイ44との間には中間トレイ揺動板44aが配設されている。この中間トレイ揺動板44aは、中間トレイ44側の端部が揺動中心とされて、図2に実線で示すポジション1と仮想線で示すポジション2との間で揺動可能となっている。中間トレイ揺動板44aがポジション1にある場合には原稿排紙ローラ47g,47gから排紙された原稿6は原稿排紙トレイ45へ回収される。一方、中間トレイ揺動板44aがポジション2にある場合には原稿排紙ローラ47g,47gから排紙された原稿6は中間トレイ44へ排出されるようになっている。この中間トレイ44への排紙時には、図2に仮想線で示すように、原稿6の端縁(図中の右端縁)が原稿排紙ローラ47g,47g間に挟持された状態となっており、この状態から原稿排紙ローラ47gが逆回転することによって原稿6が副搬送路48に供給され、この副搬送路48を経て再び主搬送路47に送り出されるようになっている。この原稿排紙ローラ47gの逆回転動作は、主搬送路47への原稿6の送り出しと画像読取タイミングとを調整して行われる。これにより、原稿6の裏面の画像が原稿読取部42によって読み取られるようになっている。
【0046】
また、主搬送路47の上流端(原稿トレイ43における図2中の右端近傍位置)には、原稿トレイ43上に原稿6が存在するか否かを検知するための原稿検知センサ4Aが設けられている。また、主搬送路47の下流端近傍位置であって、副搬送路48との分岐部分(図中B部分)付近には、この主搬送路47を搬送される原稿6の先端(搬送方向の下流側端縁)が通過したことを検知可能な原稿先端検知センサ4Bが設けられている。
【0047】
<動作説明>
以上の如く構成された複合機1の動作として、先ず、本複合機1が、プリンタとして機能する場合には、パーソナルコンピュータ等のホスト装置から送信された印刷データ(イメージデータやテキストデータ)を受信し、この受信した印刷データ(プリントデータ)を後述するバッファ76に一旦格納していく。このバッファ76へのプリントデータの格納と共に、バッファ76からのプリントデータの読み出しを順次行って、この読み出したプリントデータに基づき、上述したプリント部3の画像形成動作により画像形成用紙5に画像形成が行われる。
【0048】
また、本複合機1がスキャナとして機能する場合には、上記スキャナ部2によって読み取った原稿のスキャン画像データをバッファ76に一旦格納していく。このバッファ76へのスキャン画像データの格納と共に、バッファ76からホスト装置へのスキャン画像データの送信を順次行って、このホスト装置のディスプレイ等に画像表示する。
【0049】
更に、本複合機1が複写機として機能する場合には、上記スキャナ機能によって読み取った原稿画像データに基づきプリント部3の画像形成動作によって画像形成用紙5に画像形成が行われることになる。
【0050】
<制御ブロックの説明>
次に、上述した各動作を実行するための制御系について説明する。図3は、本複合機1に備えられた制御系のブロック構成を示す図である。
【0051】
この図3に示すように、本制御系は、上記スキャナ部に相当する読取部2、プリント部に相当する印字部を備えている。上記読取部2は読取制御手段71により、また印字部は印字制御手段72によってそれぞれの駆動部分が制御される。また、読取制御手段71は読取部2の各センサからの検出信号を受け、印字制御手段72は印字部の各センサからの検出信号を受けるようになっている。
【0052】
また、本制御系は、複合機1の操作パネル(図示省略)をユーザが操作した際の入力信号を受けるキー入力部73、この操作パネル上に設けられた液晶パネル等で成る表示部74、外部機器であるホスト装置PCとの間でデータの送受信を行うI/F部75を備えている。
【0053】
本複合機1を統括的に制御する制御部70は、キー入力部73からの信号を受け、この信号に基づいて、読取制御手段71及び印字制御手段72の駆動制御、表示部74の表示制御を行うようになっている。
【0054】
上記I/F部75は、本複合機1に備えられた記憶手段としてのバッファ76に対し通信処理部77を介して接続されている。そして、この通信処理部77での通信処理によって、バッファ76内のデータがI/F部75からホスト装置PCに送信されたり、ホスト装置PCから送信されてI/F部75が受けたデータがバッファ76に格納されるようになっている。
【0055】
例えば、バッファ76からホスト装置PCに向けて送信されるデータとしては、本複合機1がスキャナとして機能する場合に上記スキャナ部2によって取得されたスキャンデータ、本複合機1がファクシミリ装置として機能する場合に公衆電話回線から受信したPCfaxデータ(受信ファクシミリデータ)等が掲げられる。一方、ホスト装置PCから送信されてバッファ76に格納されるデータとしては、本複合機1がプリンタとして機能する場合にプリント部3において画像形成用紙5に印刷するためのプリントデータ、本複合機1がファクシミリ装置として機能する場合に公衆電話回線へ送信するPCfaxデータ(送信ファクシミリデータ)等が掲げられる。
【0056】
そして、本形態の特徴として、この制御系には、通信制御手段81、通信速度確認手段82、通信速度記憶手段83、バッファ監視手段84、読取速度算出手段85が備えられている。以下、それぞれについて説明する。
【0057】
通信制御手段81は、上記制御部70によって制御されると共に、上記通信処理部77との間で通信を行い、この通信処理部77での通信処理動作を制御したり、現在のデータ通信速度(複合機1とホスト装置PCとの間での通信速度)を認識するようになっている。
【0058】
通信速度確認手段82は、上記通信制御手段81からデータ通信速度情報を受けて現在のデータ通信速度を確認し、その情報を通信速度記憶手段83に送信する。そして、この通信速度記憶手段83は、そのデータ通信速度情報を記憶する。
【0059】
バッファ監視手段84は、上記バッファ76内の記憶容量の使用状況を監視しており、例えば本複合機1がスキャナとしてのみ機能している場合のバッファ76内の空き容量や、本複合機1がスキャナとして機能し且つプリンタとしても機能している場合の各機能毎に使用されている記憶領域の容量やそれぞれの空き容量を認識している。
【0060】
図4は、このバッファ監視手段84によって監視されるバッファ76内の記憶容量の使用状況の例を模式的に示す図である。図4(a)は、バッファ76内に画像データが記憶されていない状態、つまり、バッファ76内の全記憶領域が空き領域となっている状態を示している。図4(b)は、本複合機1がスキャナとしてのみ機能している場合であって、原稿1枚目のスキャンデータと2枚目のスキャンデータとが格納されている状態を示している。図4(c)は、本複合機1がプリンタとしてのみ機能している場合であって、ホスト装置PCから受信した1枚目のプリントデータと2枚目のプリントデータとが格納されている状態を示している。図4(d)は、本複合機1がスキャナ及びプリンタとして機能している場合であって、原稿1枚目のスキャンデータ、1枚目のプリントデータ、2枚目のプリントデータが格納されている状態を示している。この図4(d)の場合には、スキャンデータ用の記憶領域とプリントデータ用の記憶領域とが予め領域設定されており(図中の破線参照)、各データは、それぞれに割り当てられた領域内に格納されることになる。
【0061】
読取速度算出手段85は、上記バッファ監視手段84、通信速度確認手段82、通信速度記憶手段83からの情報を受け、それに応じて読取部2における読取速度を算出している。ここで算出された読取速度の信号が読取制御手段71に送信され、この読取制御手段71はこの信号に応じた読取速度で読取部2が画像読取動作を実行するように制御している。この読取速度算出手段85による読取速度の算出の詳細については後述する。
【0062】
<読取速度の制御動作>
次に、本複合機1が少なくともスキャナとして機能している場合において、上記読取速度算出手段85の算出動作によって決定される読取速度(スキャナ部2における原稿画像の読取速度)の制御手順について図5のフローチャートに沿って説明する。
【0063】
スキャナ部2のスキャン動作の開始が要求されると、先ず、ステップST1において、バッファ76内の記憶容量のうち現在使用可能なメモリ量(空き記憶容量)をバッファ監視手段84が確認する。そして、ステップST2において、プリント機能の使用状況、つまり、本複合機1がプリンタとしても稼働しているか否かを確認する。
【0064】
ここで、本複合機1がプリンタとして稼働していない場合にはバッファ76の全領域をスキャン用バッファとして使用するべく通常処理設定を行う(ステップST3)。ここで言う通常処理設定とは、バッファ76内に、少なくとも原稿1枚分(最新のスキャン画像データに係る原稿1枚分)の画像データが常に記憶保持されるようにする処理設定を言う。この処理設定により、上記図4(b)の如く、バッファ76の全領域をスキャン用バッファとして使用可能となる。このように、原稿1枚分のスキャン画像データをバッファ76に記憶させておくことで、万一の再送信の必要に対応することができ、送信すべきスキャン画像データの欠落を回避することが可能である。
【0065】
一方、本複合機1がプリンタとして稼働している場合には、バッファ76内の記憶領域のうちプリント機能によって使用されている記憶領域以外の領域をスキャン用バッファとして使用可能にすると共に、このスキャン用バッファに対してリングバッファ処理設定を行う(ステップST4)。ここで言うリングバッファ処理設定とは、送信データ1パケット毎に画像データの記憶を管理し、ホスト装置PCに送信されたパケットに対しては画像データの消去を行って、その空き領域(1パケット分の空き容量)に次のスキャン画像データが記憶できるようにするための処理設定を言う。この処理設定により、上記図4(d)の如く、バッファ76内の記憶領域の一部をスキャン用バッファとして使用し、他の領域をプリント用バッファとして使用することになる。このようにバッファ76をリングバッファとすることで、原稿1枚分のスキャン画像データの全ての送信が完了する前にバッファ76内に空き容量を確保することができるので、次頁の原稿に対する画像読取動作を遅延なく実行することが可能になる。
【0066】
以上の如く、スキャン動作を開始する際に、本複合機1がプリンタとして稼働しているか否か、つまり、スキャン用バッファとして使用可能な記憶容量の大きさを確認する。
【0067】
そして、この確認した記憶容量の大きさに基づいてホスト装置PCに対する通信速度を予測し(ステップST5)、この予測した通信速度及びスキャン用バッファとして使用可能な記憶容量の大きさに基づいて、上記読取速度算出手段85がスキャナ部2での原稿の読取速度を算出してその算出結果をスキャン速度として決定する(ステップST6)。そして、スキャナ部2によるスキャン動作がこの速度で開始される。
【0068】
ここで算出される読取速度は、本複合機1がプリンタとして稼働していない場合よりも、プリンタとして稼働している場合の方が低く設定されることになる。つまり、本複合機1がプリンタとして稼働している場合には、ホスト装置PCからのプリントデータがバッファ76の一部の記憶領域に格納されている可能性があるため、スキャン用バッファとして使用可能な領域は制約を受けている。この状態で読取速度を高速度に設定したのでは、バッファフルの状態に陥りやすく、スキャンストップを招いてしまう可能性がある。このため、本複合機1がプリンタとして稼働している場合には読取速度を低く設定している。具体的には、スキャン動作を実行した際に、バッファ76に対してスキャン画像データを格納していってもバッファフル状態が生じないような読取速度に設定される。つまり、上記予測した通信速度が低いほど及びスキャン用バッファとして使用可能な記憶容量の大きさが小さいほど読取速度は低く設定されることになる。
【0069】
以上のようにしてスキャン動作が開始された後、ステップST8に移り、新たにプリント機能の使用要求がなされたか否かを判定する。
【0070】
ここで、新たにプリント機能の使用要求がなされた場合には、ステップST9に移り、先ず、ホスト装置PCからのプリントデータの転送開始を一時的に待機させる。そして、ステップST10,ST11において、上記ステップST3で通常処理設定を行っていた場合にはそれを解除して上記リングバッファ処理設定(上記ステップST4での処理設定)に切り換える。つまり、バッファ76内に原稿1枚分の画像データが記憶保持されるようにする設定を解除し、送信データ1パケット毎に管理し、ホスト装置PCに送信されたパケットに対しては画像データの消去を行って、その空き領域に次のスキャン画像データが記憶できるようにする設定に切り換える。
【0071】
これに伴い、ステップST12において、スキャナ部2における読取速度を低速に切り換え(読取速度算出手段85による読取速度の算出結果に基づいて切り換え)、上述の如く、バッファフルの状態になり難くしてスキャンストップの発生を抑制する。
【0072】
この際、読取速度算出手段85により算出された読取速度は必要最低速度以下であるか否かを判定する(ステップST13)。この必要最低速度とは、スキャナ部2において画像の読取動作が可能となる必要最低限の速度を言う。
【0073】
ここで、算出された読取速度が必要最低速度以下である場合には、読取動作が不能な状況にあると判断して画像の読取動作を停止(スキャンストップ)する。この状況は、例えば、現在のバッファ76内の空き容量が、数パケット分の画像データしか記憶できない僅かな空き容量となっている場合が掲げられる。
【0074】
その後、バッファ76から1パケット分の画像データがホスト装置PCに送信されると(ステップST15)、バッファ監視手段84がバッファ76内のメモリ残量(空き容量)を確認しながら画像の読取動作が開始可能な状況になるのを待ち(ステップST16)、画像の読取動作が開始可能な状況になった時点で、そのバッファ76内のメモリ残量(空き容量)に応じて読取速度算出手段85が読取速度を算出(スキャナ速度を変更)し、その速度でスキャナ部2によるスキャン動作が開始される(ステップST17、ST18)。このようにしてスキャン動作が開始された後、再びステップST8に戻る。
【0075】
また、上記ステップST13において、算出された読取速度が必要最低速度を越えていると判定した場合には、ステップST22に移り、スキャンデータの1パケット分をホスト装置PCに送信していく転送動作を実行する。このステップST22以降の動作については後述する。
【0076】
一方、上記ステップST8において、新たなプリント機能の使用要求がなされいないと判定された場合には、ステップST19に移って、バッファ監視手段84がバッファ76内のメモリ残量(空き容量)を確認する。そして、バッファ76内のメモリ残量が十分に確保されている場合(現在の読取速度でスキャン動作を実行していってもバッファフルになる前またはバッファフルと同時にスキャン動作が終了する状況や、最高速度でスキャン動作を実行していってもスキャン動作が終了するまでバッファフル状態にはならない状況である場合)には、ステップST20において、プリントデータの転送開始が一時的に待機しているか否かを判定し、待機している場合には、それを解除してプリントデータの転送を開始する(ステップST21)。一方、バッファ76内のメモリ残量が十分に確保されてない場合(現在の読取速度でスキャン動作を実行していくとスキャン動作が終了するまでにバッファフルになってしまう場合)には、ステップST12に移り、上述した如くスキャナ部2における読取速度を低速に切り換える処理(通信速度及びスキャン用バッファとして使用可能な記憶容量の大きさに基づいた読取速度算出手段85による読取速度の算出処理)を行う。
【0077】
ステップST21でプリントデータの転送を開始した後、スキャンデータの1パケット分がホスト装置PCに送信される度に、全てのスキャンデータの送信が完了したか否かを判定し(ステップST23)、この判定がYESになるまで上記ステップST8以降の動作を繰り返す。このようにして、バッファ監視手段84によってバッファ76内のメモリ残量(空き容量)を確認しながら、また、現在の原稿の読取速度を認識しながら、スキャンストップが発生しない読取速度を読取速度算出手段85が算出し、この算出した読取速度が必要最低速度以下にならない限り、この算出した読取速度でスキャナ部2によるスキャン動作を実行していくようになっている。
【0078】
図6は、本複合機1がスキャナ及びプリンタとして稼働している場合の画像読取速度の変化状態及びバッファ76内の記憶容量の変化状態を示している。
【0079】
図6(a)は、原稿1枚目のスキャンデータのスキャン動作及びホスト装置PCへの転送動作の完了後に、プリントデータの格納が開始された(プリント要求がされた)際の状態を示している。原稿2枚目のスキャンデータのホスト装置PCへの転送速度が、プリントデータの受信に伴って低下している(原稿1枚目のスキャンデータの場合に比べて「1ページスキャン完」から「1ページ転送完」までの時間を長く要している)状況となっている。尚、この図6(a)の実線(右上がりの傾斜部分)の傾斜角度は原稿読取速度を示している。本発明では、プリントデータが占める容量が大きくなるに従って、バッファフル状態を回避するように原稿読取速度を低下させていく(実線で示す右上がりの傾斜部分の傾斜角度を小さくしていく)ことになる。つまり、図示しないが、3枚目のプリントデータの格納時には、バッファフル状態を回避するために、原稿読取速度を低下させる(実線の傾斜角度を小さくする)処理を行う。
【0080】
図6(b)は、プリントデータの格納開始に伴って、原稿読取速度を低く設定し、これによってバッファフル状態を回避しながらスキャンデータのスキャン動作及びホスト装置PCへの転送動作が行われる状態を示している。この図6(b)における実線の水平部分は、原稿読取速度を低くする変更を行ったことで、原稿読取速度とホスト装置PCへの転送速度とが略一致していることを示している。
【0081】
図6(c)は、スキャン動作が実行されている際に、新たにプリント機能の使用要求がなされた場合の状態(上記ステップST9の状態)を示している。この場合、ホスト装置PCからのプリントデータの転送開始を一時的に待機させる。その待機させている間に原稿読取速度を低く設定することによって、バッファフル状態を回避しながらスキャンデータのスキャン動作及びホスト装置PCへの転送動作が行われている。本図で実線で示す右下がりとなっている部分は、原稿読取速度を低く設定したことによって、原稿読取速度よりもホスト装置PCへの転送速度の方が高くなった状態を示している。これにより、プリントデータの格納領域を確保してバッファフル状態を回避している。
【0082】
以上説明したように、本形態では、「他機能」であるプリント機能の実行の有無の影響を考慮し、スキャンストップを招きやすい状況になった際には「スキャナ機能」における原稿読取速度を低く設定し、バッファフルの状態が生じることを抑制することによってスキャンストップの発生を回避することが可能になる。このため、バッファ76の空き容量が増加するまで待つ間のタイムロスの発生を回避することができると共に、画像データにつなぎ目が生じることに起因する画像品質の低下を回避することができるといった効果を複合機において実現することができる。
【0083】
−その他の実施形態−
上述した実施形態では、スキャナ機能及びプリンタ機能を備えた複合機に対し、この両機能が稼働した場合の画像読取速度の制御について説明した。本発明は、これに限らず、スキャナ機能及び他機能としてのPCfax機能を備えた複合機に対し、この両機能が稼働した場合(スキャナ機能とPCfax受信機能とが稼働した場合、スキャナ機能とPCfax送信機能とが稼働した場合)の画像読取速度の制御に対しても適用可能である。
【0084】
また、上記実施形態では、複合機1とホスト装置PCとの間で画像データを送受信する構成に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、これに限らず、LAN(Local Area Network)等のネットワークを構成するサーバ装置と複合機1との間で画像データを送受信する構成にも適用することが可能である。
【0085】
また、上記実施形態では、画像データの種類(カラー画像であるのかモノクロ画像であるのか)に拘わりなく画像読取速度を変更する場合について説明したが、データ量の大きいカラー画像をスキャニングする場合には特にスキャンストップが発生しやすいことを考慮し、このカラー画像をスキャニングする場合についてのみ画像読取速度を変更するようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、「スキャナ機能」を備えた複合機に対し、「スキャナ機能」以外の機能であって通信回線を使用する「他機能」の状況をチェックし、この「他機能」の使用状況に応じて「スキャナ機能」における画像読取速度の初期速度設定や速度変更を行うようにしている。これにより、複合機に特有の複数機能同時使用の状況でも、スキャンストップを生じさせない適切なスキャン速度設定ができる。その結果、記憶手段の空き容量が増加するまで待つ間のタイムロスの発生を回避することができると共に、画像データにつなぎ目が生じることに起因する画像品質の低下を回避することができるといった効果を複合機において実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る複合機の内部構成の概略を示す図である。
【図2】原稿自動給紙部及びその周辺部分を示す概略図である。
【図3】複合機に備えられた制御系のブロック構成を示す図である。
【図4】バッファ内の記憶容量の使用状況の例を模式的に示す図である。
【図5】原稿画像読取速度の制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】複合機がスキャナ及びプリンタとして稼働している場合の画像読取速度の変化状態及びバッファ内の記憶容量の変化状態を示す図である。
【符号の説明】
1 複合機(画像処理装置)
71 読取制御手段(読取速度変更手段)
76 バッファ(記憶手段)
85 読取速度算出手段(読取速度変更手段)
PC ホスト装置(外部機器)

Claims (2)

  1. 原稿画像を読み取り、その読み取った画像データを記憶手段に一時的に記憶すると共にこの画像データをホスト装置またはサーバ装置である外部機器に順次送信する「スキャナ機能」と、この「スキャナ機能」以外の機能であって上記外部機器との間で通信を行うプリント機能またはPCfax機能である「他機能」とを備えた画像処理装置において、
    上記「スキャナ機能」のみが稼動している場合における上記原稿画像の読取速度よりも、上記「スキャナ機能」と上記「他機能」とが共に稼動している場合における上記原稿画像の読取速度を低く設定する読取速度変更手段と、
    上記「スキャナ機能」と上記「他機能」とが共に稼動している場合に、上記記憶手段の記憶領域に割り当てられるスキャンデータ用記憶領域及び上記他機能のデータ用記憶領域それぞれの容量を認識するバッファ監視手段とを備え、
    上記読取速度変更手段は、上記バッファ監視手段によって認識された上記スキャンデータ用記憶領域の容量が小さいほど上記原稿画像の読取速度を低く設定するように構成され、
    上記読取速度変更手段は、上記「スキャナ機能」と上記「他機能」とが共に稼動している場合に、上記「スキャナ機能」における上記外部機器に対する通信速度が低いほど上記原稿画像の読取速度を低く設定するよう構成され、
    上記読取速度変更手段によって設定された読取速度が、原稿画像の読み取り動作を行うスキャナ部において原稿画像の読み取り動作が可能となる必要最低速度以下である場合には、原稿画像の読み取り動作を停止する構成とされ、
    上記原稿画像の読み取り動作を停止した後、上記スキャンデータ用記憶領域の空き容量が増加して原稿画像の読み取り動作が可能な状況になると、上記スキャンデータ用記憶領域の空き容量に応じて算出された読取速度で原稿画像の読み取り動作を開始する構成とされていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置と、この画像処理装置との間で画像データの送受信が可能な外部機器とによって構成されていることを特徴とする画像処理システム
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