JP4324821B2 - 永久磁石電動機 - Google Patents

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    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機や電気自動車等のモータに用いられる永久磁石電動機に係り、さらに詳しく言えば、マグネットトルクとリラクタンストルクを併用する永久磁石電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石電動機としては、例えば図10に示す構成のものがある。この永久磁石電動機は、回転磁界を発生する24スロットの固定子1内に回転子2を有しており、この回転子2には極数(4極)分だけの永久磁石3が外径に沿って円周方向に等間隔に埋設されている。
【0003】
永久磁石3は断面形状が長方形であり、この長方形の側面を回転子2の外周側とシャフト4側に向けて埋設し、しかもその側面側を磁極とするとともに、隣接する永久磁石3を異極としている。また、隣接する永久磁石3の端部と回転子2の外周との間には、磁束の漏洩、短絡を防止するためのフラックスバリア5が設けられている。このようにして、永久磁石3を埋設した回転子2を用いることにより、回転力となるマグネットトルクを発生させることができる。
【0004】
しかし、永久磁石3の磁束の漏洩、短絡を防止するためには、同永久磁石3とフラックスバリア5との間の距離lが極めて小さいため、固定子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路(磁路)が確保されない。したがって、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスの差が殆どなく、リラクタンストルクの発生が期待できない。
【0005】
そこで、例えば図11に示す構造の回転子6が提案されている。この回転子6は、主磁極を形成するため断面長方形の永久磁石7をq軸上に埋め込んだ構造になっている。この場合、固定子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路が確保され、一方のd軸から他方のd軸への磁束に対して永久磁石7がフラックスバリの機能を発揮するため、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差が大きくなり、リラクタンストルクが発生する。
【0006】
したがって、マグネットトルクとリラクタンストルクによる合成トルクが当該永久磁石電動機のモータトルクとなり、大きなトルクを得ることができる。なお、図中、図10と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略し、また固定子は図10を参照されたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記永久磁石電動機においては、リラクタンストルクが発生するものの、永久磁石7が図10に示した回転子よりも小さくなるため、マグネットトルクが図10に示した回転子2の場合よりも小さいという欠点がある。この欠点を解消し、マグネットトルクの増大を図るためには、マグネットの使用量を増加するか、磁力の強いマグネット材料(希土類磁石)を使用し、永久磁石7を大きくすればよい。
【0008】
しかし、このようにマグネットの使用量を増やせば、その分コストが上昇し、また、磁力の強いマグネット材料として例えば希土類磁石を使用すると、これはフェライト磁石と比較して高価であることから、やはりコスト高になってしまう。
【0009】
また、回転子6の永久磁石7の大きさと、回転子2の方の永久磁石2の大きさとの違いから、図10に示した永久磁石電動機の方が、より大きなマグネットトルクを得ることができる。したがって、回転子6を用いた永久磁石電動機において、図10に示した永久磁石電動機で発生するマグネットトルクの大きさを得ようとすると、永久磁石7のマグネット使用量をより増加せねばならず、コストがさらに上昇することになる。
【0010】
このように、従来の永久磁石電動機にあっては、低コストでモータの高トルク化、高効率化を図ることが困難であった。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、マグネットトルクとリラクタンストルクを併用して高トルク化、高効率化を図り、しかも低コストで実現することができるようにした永久磁石電動機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、電機子巻線が施された固定子と、永久磁石を埋設した積層コアと同コアに固定されたシャフトとを備える回転子と、を有する永久磁石電動機であって、前記積層コアに埋設された永久磁石は前記シャフトと直交する面に対する断面形状が長辺と短辺とからなる長方形であり、長辺が前記回転子の径方向と直交するように埋設された第1の永久磁石と、長辺が前記回転子の径方向に沿うように埋設された第2の永久磁石とからなり、前記第1の永久磁石は前記回転子の径方向に沿って着磁され、前記第2の永久磁石は前記回転子の周方向に沿って着磁されて、前記第1及び第2の永久磁石によって主磁極が形成され、前記第1の永久磁石と第2の永久磁石との間に前記固定子からの磁束の路(磁路)を確保するように前記第2の永久磁石を挟んで補極を形成し、かつ、前記第2の永久磁石と前記シャフトとの間に、前記シャフトと直交する面に対する断面形状が長辺と短辺とからなる長方形で長辺が前記回転子の径方向に沿うように配置される空気層の孔を形成すると共に、前記第2の永久磁石と回転子外周との間には空気層の孔が存在しないことを特徴としている。
【0013】
前記第1の永久磁石は断面形状を長方形とし、該長方形の長辺はd軸方向に向けて配置され、前記第2の永久磁石は角柱形とし、該角柱形の長辺はq軸方向に配置され、前記第1の永久磁石の磁力は、前記第2の永久磁石の磁力以上にするとよい。これにより、第1の永久磁石と第2の永久磁石との間に、固定子からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路が確実に確保される。また製品の設計時に、第2の永久磁石の角柱形の長辺の長さを調整することにより、マグネットトルクの大きさを調整し、さらにその角柱形の長辺を短くして第2の永久磁石のマグネット使用量を調整すれば、低コスト化が図れる。
【0014】
前記第2の永久磁石の端部と前記回転子の外周との間を、前記第2の永久磁石の幅より狭い幅に切り取って切取部を形成するとよい。これにより、第2の永久磁石の磁束の漏洩、短絡がより低減される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図9を参照して詳しく説明する。なお、図中、図10と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0016】
図1および図2において、本発明の第1の実施例を示す三相四極の永久磁石電動機の回転子10は、断面形状を長方形とした第1の永久磁石11をd軸付近に埋め込み、かつ、同回転子10の外周に沿って極数(四極)分だけ等間隔に配置するとともに、断面形状を角形とした第2の永久磁石12をq軸付近に埋め込み、かつ、同回転子10の外周に沿って極数(四極)分だけ等間隔に配置している。また、第1の永久磁石11の両端側にフラックスバリア13a,13bの孔が形成され、第2の永久磁石12のシャフト側端部には、同シャフトに向けたフラックスバリア14の孔が形成されている。
【0017】
第1の永久磁石11は、断面長方形の側辺に直角方向に着磁し、隣接する第1の永久磁石11とは逆方向の着磁としている。つまり、隣接する第1の永久磁石11,11は異極になっている。第2の永久磁石12は、q軸方向の辺を長くした断面角形の角柱であり、その断面の長辺に対して直角方向に着磁とし、隣接する第2の永久磁石13の相対する面を同極としている。つまり、隣接する第2の永久磁石12によって第1の永久磁石による磁極と同極を構成する。上記第1および第2の永久磁石11,12によって主磁極が形成され、つまり当該モータの四極が形成される。
【0018】
なお、第1および第2の永久磁石11,12と回転子10の外周との間隔は、後述するコアシート10aの厚さt以上間(少なくともt〜3t)としており、第1および第2の永久磁石11,12の磁束の漏洩、短絡を防止し、当該コアの強度を保つ働きをする。
【0019】
フラクスバリア13a,13bは、第1の永久磁石11の両端部側に位置し、ほぼ三角形の孔であり、第1の永久磁石11の磁束の漏洩、短絡を防止する。なお、フラックスバリア13a,13bの一辺は第1の永久磁石11の端面(短辺)に平行であり、その間のブリッジk1はコアシート10aの厚さt以上(例えばt〜3t)としており、当該コアの強度を保つ働きもする。また、フラックスバリア13a,13bと回転子10の外周との間隔はコアシート10aの厚さt以上間(例えばt〜3t)にするとよい。さらに、フラックスバリア13a,13bはできるだけ小さくするとよい。
【0020】
すなわち、第2の永久磁石12と同フラックスバリア13a,13bとの間が広くなり、固定子1の磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路(磁路幅)をできるだけ広く確保することできるからである。なお、上記一方のq軸から他方のq軸への磁路を確保するためには、第1の永久磁石11の断面長方形の長辺を従来(図10参照)と比較して短くするとよい。
【0021】
フラックスバリア14は、第2の永久磁石12の端部からシャフト4の方へ延びた長方形の孔であり、第2の永久磁石12の磁束の漏洩、短絡を防止する。また、フラックスバリア14が第2の永久磁石12の孔と一体化していることから、その長方形の孔の短辺は第2の永久磁石12の幅より小さくなっており、第2の永久磁石12が当該コア内で移動することもない。なお、フラックスバリア14とシャフト4との間は当該コアの強度を保つ意味からも、コアシート10aの厚さt以上(例えばt〜3t)とする。
【0022】
このようにして、固定子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸へ磁束の路(磁路)を確保し(図2の線矢印参照)、第1および第2の永久磁石11,12による主磁極に対してリラクタンスモータの突極部に相当する補極h1,h2を形成する。なお、主磁極の円周方向の幅は、補極h1,h2の円周方向の幅より大きくするとよい。
【0023】
上記構成とした回転子10によると、主磁極を形成する第1および第2の永久磁石11,1は、従来例に示した図10の回転子2と図11の回転子6とを組み合わせた形になることから、マグネットトルクが従来例よりも大きくなる。また、フラックスバリア13a,13bと第2の永久磁石12との間では、固定子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路(磁路)が通り易いため、その磁路の磁気抵抗を小さくしてq軸インダクタンスLqを大きくすることになる。
【0024】
しかも、第1および第2の永久磁石11,1は、透磁率が悪いばかりでなく、空気層のフラックスバリア14が存在することから、一方のd軸から他方のd軸への磁束が通りにくくなる。これは、その磁路の磁気抵抗を大きくし、d軸インダクタンスLdを小さくすることになる。したがって、リラクタンスモータの突極比に相当するd軸、q軸インダクタンス差(Ld−Lq)が大きくなり、リラクタンストルクが大きくなる。
【0025】
このように、リラクタンストルクが補助的に発生することから、主のマグネットトルクと合わさった合成トルク、つまり永久磁石電動機のトルクが大きくなり、高トルク、高効率のモータを実現することができる。また、製品の設計時には、第1および第2の永久磁石11,12のマグネット使用量を調整でき、特に、第2の永久磁石12のq軸方向の長さの調整が容易であり、適応的なトルクのモータを実現することができる。
【0026】
しかも、従来例と比較して同程度のマグネット使用量、同程度のコストで高トルク化、高効率化を図ることができる。例えば、第2の永久磁石12の幅方向(断面長方形の短辺側)を短くしなくとも、第2の永久磁石12の大きさ(磁力)を小さくすることができ、低コスト化が容易となる。これは、着磁方向の厚さが小さいと、永久磁石の劣下が激しく、当該永久磁石電動機の品質低下となるからである。
【0027】
さらに、ブリッジk1がコアシート10aの厚さt以上であることから、第1の永久磁石11を十分に保持することができる。また、第2の永久磁石12と回転子10の外周との間がコアシート10aの厚さt以上であることから、第2の永久磁石12を十分に保持することができ、特に高速回転にも耐えることができる。しかも、後述するコア製造時には、バリ等の発生もなく、コア製造の歩留まりが向上し、製造コストの低下が可能となる。また、コアの機械的強度を保つこともでき、特に、回転時のコア強度が保たれることから、モータの信頼性も向上する。
【0028】
さらにまた、第1および第2の永久磁石11,12の材料として、フェライト磁石を用いた場合は、モータの低コスト化に有効であり、希土類磁石を用いた場合は、モータの高トルク化、小型化に有効となる。したがって、コストやトルク等を勘案して永久磁石の材料を選択し、種々の適応的なモータを得ることができる。
【0029】
ここで、回転子10の製造について説明すると、コアプレス金型を用いて自動プレスで電磁鋼板を打ち抜き、同金型内で一体的に形成するコア積層方式(自動積層方式)を採用する。
【0030】
図3に示すように、このプレス加工工程では、回転子10のコアを打ち抜き、シャフト4の孔(中心孔)4a、第1および第2の永久磁石11,12を埋設する孔、フラックスバリア13a,13b,14の孔を打ち抜く。そして、これら打ち抜いたコアシート10aを積層してかしめ、固定する。なお、図3は図2のd軸方向の概略的断面図である。
【0031】
上記自動積層方式によって自動的にプレス、積層して得た回転子10のコアの孔に、IPM方式で第1および第2永久磁石11,12を埋め込む。なお、第1の永久磁石11はd軸方向と平行に磁化、着磁し、隣接する第1の永久磁石11の磁極は逆とする。また、第2の永久磁石12はq軸に対して直角方向に磁化、着磁し、隣接する第2の永久磁石1の相対する面を同極とし、この面の磁極を第1の永久磁石11の磁極面と異極とする。このように、第1および第2の永久磁石11,12の着磁をそれぞれ平行とすることにより、第1および第2の永久磁石11,12を高精度で製造することができる。つまり、着磁を高精度で行うことができ、製造上の歩留まりもよい。
【0032】
また、図示しないが、第1および第2の永久磁石11,12がコア内で移動したり、コアが飛び出さないように、上述した固定においては積層したコアの両端側に蓋(端子板)を添えるとともに、図4に示すかしめ用のリベット15を通す。
【0033】
図4に示すように、リベット15は、第1の永久磁石11と第2の永久磁石12との間の領域に通し、一方のq軸から他方のq軸への磁束に対して悪影響(例えば乱れ)を与えないように、その材質には透磁率のよい磁性材を用いる。なお、図4中、図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0034】
また、コアのかしめとしては、リベット15を通すだけなく、コアシート10aのプレス加工積層時にも形成すれば、コアの固定強度をより増加させることができる。さらに、上記高トルク、高効率のモータを例えば空気調和機の圧縮機のブラシレスDCモータとして利用すれば、空気調和機の低コスト化、空気調和機の運転効率の上昇を図ることができる。
【0035】
なお、固定子1は、例えば、巻線をU相、内径側の巻線をW相、その中間の巻線をV相としている。また、24スロットの固定子1には、三相(U相、V相およびW相)の電機子巻線が施されているが、スロット数や電機子巻線が異なっていてもよい。
【0036】
図5は、第2の実施例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図である。なお、図中、図1および図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略し、また固定子1については図1を参照されたい。
【0037】
図5において、この回転子20は、図1および図2に示したフラックスバリア13a,13bに代え、同回転子20の外周をV溝形状に切り欠いた切欠部(空気層のフラックスバリア)21a,21bを形成してなる。切欠部21a,21bの一辺は、第1の永久磁石11の端面に平行であり、その間は前実施例のブリッジk1と同様のブリッジk2となる。したがって、このブリッジk2により、前実施例と同様の効果が発揮される。
【0038】
また、その他辺はq軸に平行である。つまり、切欠部21a,21bは、鋭角のV溝形状であり、そのV溝の深さがフラックスバリア13a,13bの一辺の長さ程度である。したがって、回転子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束を阻むこともなく、前実施例と同程度のリラクタンストルクを発生させることができる。
【0039】
なお、上記構成とした回転子20を製造する場合、前実施例と同じく、コア積層方式(自動積層方式)を適用し、プレス加工工程において回転子20のコアを打ち抜く際、シャフト4の孔と、第1および第2の永久磁石11,12をIPM方式で埋設する孔、フラックスバリア14の孔および切欠部21a,21bとを打ち抜き、これらを打ち抜いたコアシート10aを積層してかしめ、固定する。回転子20の製造においては、前実施例で説明したように、第1および第2の永久磁石11,12を埋め込む他に、両端側に端子板を添えてリベットを通す。
【0040】
図6は、本発明の第1の実施例の変形例を示す回転子の概略的平面図である。なお、図中、図1および図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0041】
図6において、この回転子30は、第2の永久磁石12の端部側のコアを部分的に切り取った切取部(空気層のフラックスバリア)31を形成してなる。切取部31は、回転子30の外周から第2の永久磁石12の端部(断面長方形の短辺)に達する所定幅の溝となり、第2の永久磁石12の磁束の漏れ、短絡防止の効果を発揮する。この場合、切取部31の幅は広いほど、その磁束の漏れ、短絡防止の効果を発揮するが、第2の永久磁石12の断面長方形の短辺の長さより狭くする必要がある。すなわち、第2の永久磁石12をコア内に固定しておく必要があるからである。なお、本実施例は他に第1の実施例と同様の作用、効果を奏し、また回転子30の製造についても、第1の実施例と同様でよいことから、その説明を省略する。
【0042】
図7は、上記変形例を第2の実施例に適用した本発明の第2の実施例の変形例を示す回転子の概略的平面図である。なお、図中、図5と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図7において、この回転子40は、図6に示した切取部31と同じく、第2の永久磁石12の端部側のコアを部分的に切り取った切取部(空気層のフラックスバリア)41を形成してなる。
【0043】
したがって、切取部41は、第2の永久磁石12の磁束の漏れ、短絡防止の効果を発揮する。また、その切取部41の幅は、広いほど、その効果を発揮するが、第2の永久磁石12の断面長方形の短辺の長さより狭くする。なお、本実施例は他に第2の実施例と同様の作用、効果を奏し、また回転子40の製造についても、第1の実施例と同様でよいことから、その説明を省略する。
【0044】
図8は、本発明の第3の実施例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図である。なお、図中、図1および図2と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0045】
図8において、この回転子50は、図1および図2に示したフラックスバリア14に代え、第2の永久磁石12の端部側から隣接する第2の永久磁石12の端部側に渡った孔のフラックスバリア51を形成してなる。フラックスバリア51は、q軸を境として左右に延びた変形台形形状であるが、この変形台形形状はその底辺を逆円弧とし、その両辺を直線とし、その上辺をシャフト4の周囲に沿った円弧としてなる。
【0046】
フラックスバリア51と第2の永久磁石12との間は、コアシート10aの厚さt以上(例えばt〜3t)のブリッジk3であり、隣接するフラックスバリア51は、互いに直線部分で相対しており、この間はコアシートの厚さt以上(例えばt〜3t)のブリッジk4になっている。したがって、フラックスバリア51が第1の実施例に示したフラックスバリア14の場合よりも広く、第2の永久磁石12の磁束の漏洩、短絡をより低減できるため、マグネットトルクの向上が図れる。
【0047】
また、フラックスバリア51は、第1の永久磁石11側が逆円弧であることから、固定子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路を阻むこともない。しかも、フラックスバリア51は、上述したフラックスバリア14より大きいため、一方のd軸から他方のd軸への磁路をより阻むことから、リラクタンストルクの向上が図れる。
【0048】
さらに、上記フラックスバリア51によると、第1の永久磁石11側が逆円弧形状であることから、このフラックスバリア51と第1の永久磁石11との間にはある程度広い領域を確保することができ、図4に示したリベット15を余裕をもって通すことができる。さらにまた、前実施例でも説明したように、ブリッジk3,k4によりコア強度を保つことができる。
【0049】
なお、本実施例は、他に第1の実施例と同様の作用、効果を奏し、また回転子50の製造についても、第1の実施例と同様でよいことから、その説明を省略する。また、本実施例は、第1の実施例の変形例および第2の実施例(変形例も含む)にも適用し、上記効果を得ることができる。
【0050】
図9は、本発明の第4の実施例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図である。なお、図中、図5と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0051】
図9において、この回転子60は、図5に示したフラックスバリア14に代え、第2の永久磁石12の端部からシャフト4に延び、その先端を左右分けたY字形状のフラックスバリア61を形成してなる。フラックスバリア61は、その先端面がシャフト4の周囲に沿った円弧であり、かつその先端を左右に開いたY字形状であるが、その側辺は逆円弧となっている。
【0052】
フラックスバリア61と第2の永久磁石12の孔とは、一体化していることから、フラックスバリア61の端部の幅は、第2の永久磁石12の端部幅より狭くなっている。すなわち、第2の実施例で説明したように、第2の永久磁石12がコア内で動かないようにする。フラックスバリア61の左右に分かれている先端面は直線形状であり、隣接するフラックスバリア61の先端同士が相対している。つまり、その相対する先端面は平行であり、その間はコアシート10aの厚さt以上(例えばt〜3t)のブリッジk5になっている。
【0053】
したがって、フラックスバリア61は、第2の実施例に示したフラックスバリア14の場合より広く、第2の永久磁石12の磁束の漏洩、短絡をより低減することができるため、マグネットトルクの向上が図れる。また、フラックスバリア61の側辺が逆円弧であることから、固定子1からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路を阻むこともない。しかも、フラックスバリア61が上記フラックスバリア14より大きいことから、一方のd軸から他方のd軸への磁路をより阻むことになり、リラクタンストルクの向上が図れる。
【0054】
さらに、上記フラックスバリア61によると、第1の永久磁石11側が逆円弧形状であることから、このフラックスバリア61と第1の永久磁石11との間には、ある程度広い領域を確保することができ、図4に示したリベット15を余裕をもって通すことができる。さらにまた、前実施例でも説明したように、ブリッジk5によりコア強度を保つことができる。
【0055】
なお、本実施例は、他に第2の実施例と同様の作用、効果を奏し、また回転子60の製造についても、第2の実施例と同様でよいことから、その説明を省略する。また、本実施例は第1の実施例(変形例も含む)および第2の実施例の変形例にも適用し、上述効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、第1の永久磁石と第2の永久磁石との間にその固定子からの磁束のうち、一方のq軸から他方のq軸への磁束の路(磁路)を確保してq軸付近に補極を形成し、第1の永久磁石の両端部側にその磁路を阻害しない程度の孔あるいは切欠部を形成する。また、磁束の漏洩、短絡を防止するために第2の永久磁石の端部側にフラックスバリアを形成していることから、リラクタンストルクが確実に発生し、主磁極の永久磁石によってマグネットトルクが効果的に発生する。したがって、このマグネットトルクとリラクタンストルクを併用することによりモータの高トルク化、高効率化を図ることができる。
【0057】
また、製品の設計時には、少なくとも第2の永久磁石のq軸方向の長さを調整すれば、コスト、高トルク、高効率とを勘案して必要とするモータを得ることができる。例えば、第2の永久磁石のq軸方向を短くし、マグネット使用量を減らして低コストを図る一方、第2の永久磁石とシャフトとの間のフラックスバリアが広く(q軸方向に長く)なるため、マグネットトルクを補うリラクタンストルクの発生に寄与し、高トルク化、高効率化を実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す永久磁石電動機の概略的平面図。
【図2】図1に示す永久磁石電動機を説明するための回転子の概略的平面図。
【図3】図1に示す永久磁石電動機を説明するための回転子の概略的断面図。
【図4】本発明の第1の実施例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図。
【図5】本発明の第2の実施例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図。
【図6】図1および図2に示す第1の実施例の変形例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図。
【図7】図5に示す第2の実施例の変形例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図。
【図8】本発明の第3の実施例を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図。
【図9】本発明の第4の実施例の形態を示す永久磁石電動機の回転子の概略的平面図。
【図10】従来の永久磁石電動機の概略的平面図。
【図11】従来の永久磁石電動機の概略的平面図。
【符号の説明】
1 固定子
4 シャフト
4a 中心孔(シャフト4の孔)
10,20,30,40,50,60 回転子
10a コアシート
11 第1の永久磁石
12 第2の永久磁石
13a,13b、14,51,61 フラックスバリア(空気層の孔)
21a,21b 切欠部(空気層のフラックスバリア)
31,41 切取部(空気層のフラックスバリア)
h1,h2 補極
k1,k2,k3,k4,k5 ブリッジ
t コアシートの厚さ

Claims (3)

  1. 電機子巻線が施された固定子と、永久磁石を埋設した積層コアと同コアに固定されたシャフトとを備える回転子と、を有する永久磁石電動機であって、
    前記積層コアに埋設された永久磁石は前記シャフトと直交する面に対する断面形状が長辺と短辺とからなる長方形であり、長辺が前記回転子の径方向と直交するように埋設された第1の永久磁石と、長辺が前記回転子の径方向に沿うように埋設された第2の永久磁石とからなり、
    前記第1の永久磁石は前記回転子の径方向に沿って着磁され、前記第2の永久磁石は前記回転子の周方向に沿って着磁されて、前記第1及び第2の永久磁石によって主磁極が形成され、
    前記第1の永久磁石と第2の永久磁石との間に前記固定子からの磁束の路(磁路)を確保するように前記第2の永久磁石を挟んで補極を形成し、かつ、前記第2の永久磁石と前記シャフトとの間に、前記シャフトと直交する面に対する断面形状が長辺と短辺とからなる長方形で長辺が前記回転子の径方向に沿うように配置される空気層の孔を形成すると共に、前記第2の永久磁石と回転子外周との間には空気層の孔が存在しないことを特徴とする永久磁石電動機。
  2. 前記第1の永久磁石の磁力は、前記第2の永久磁石の磁力以上としてなる請求項1に記載の永久磁石電動機。
  3. 前記第2の永久磁石の端部と前記回転子の外周との間を、前記第2の永久磁石の幅より狭い幅に切り取って切取部を形成してなる請求項1または2に記載の永久磁石電動機。
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