JP4323197B2 - 圧電インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にプリンター、コピア、ファクシミリ、およびそれらの複合機などに好適に用いる圧電インクジェットヘッドの、新規な駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばオンデマンド型のインクジェットプリンタなどに用いる、圧電素子の電歪効果を駆動源とする圧電インクジェットヘッドにおいては、当該圧電素子と、圧電素子を支持する振動板とを含む駆動部が、圧電素子が発生する力を加圧室内のインクに圧力として伝えることで、この加圧室に連通するノズル部からインク滴を吐出させるための駆動源としての役割を果たしている。それと同時に駆動部は、加圧室内のインクの圧力を受けることによって振動板が撓むため、ヘッド内のインクの振動に対して弾性体としての役割も持っている。
【0003】
圧電素子に電圧を印加して力を発生させると、ヘッド内のインクは、振動板を介して駆動部から受けた圧力によって振動を起こす。この振動は、駆動部と加圧室とを弾性、加圧室にインクを供給する供給口、加圧室とノズル部とを繋ぐノズル流路、およびノズル部を慣性として発生する。この振動における、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期は、上記各部の寸法とインクの物性値、駆動部の寸法と物性値とによって決まる。
【0004】
そして圧電インクジェットヘッドにおいては、かかるインクの振動による、ノズル部内でのインクメニスカスの振動を利用してインク滴を発生させている。
そのため、特許文献1で説明されているように圧電素子に印加する駆動電圧の、駆動電圧波形のパルス幅は、従来、インクの体積速度の固有振動周期に合わせて決定されていた。たとえば引き打ち方式の駆動方法においては、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期の1/2倍を基準として、駆動電圧波形のパルス幅を設定してきた。
【0005】
図12は、引き打ち方式の駆動方法において圧電素子に印加する駆動電圧VPの駆動電圧波形(太線の一点鎖線で示す)と、かかる駆動電圧波形が与えられた際の、ノズル部におけるインクの体積速度(太線の実線で示す、正がインクの吐出方向)との関係を簡略化して示すグラフである。
図に見るように引き打ち方式の駆動方法では、待機時(図12中のt1より以前)には、たとえば横振動モードの圧電素子の場合、印加する駆動電圧VPを所定値VHに維持(VP=VH)して圧電素子を面方向に収縮させつづけることによって、振動板を、加圧室の容積を減少させた状態を維持するべく撓ませ続けており、この間、ヘッド内のインクは静止状態、すなわちノズル部でのインクの体積速度は0を維持する。
【0006】
ノズル部からインク滴を吐出させて紙面にドットを形成するには、まずその直前のt1の時点で、駆動電圧VPを所定値VHから放電(VP=0)させて圧電素子を面方向に伸長させることによって振動板の撓みを解除する。
そうするとノズル部内のインクは、加圧室の容積が増加する分、インクメニスカスが加圧室の側に引き込まれた状態となる。その際の体積速度は、図12のt1とt2の間の部分に示すように一旦、負の側に大きくなった後、徐々に低下してやがて0に近づく。これは、太線の実線で示すインクの体積速度の固有振動周期T1の、ほぼ半周期分に相当する。
【0007】
そして、ノズル部でのインクの体積速度が限りなく0に近づいた時点で、駆動電圧VPを再び所定値VHまで充電(VP=VH)して圧電素子を面方向に収縮させて振動板を撓ませる。この操作は、太線の一点鎖線で示すように、パルス幅T3が固有振動周期T1の1/2倍である駆動電圧波形を有する駆動電圧VPを、圧電素子に印加していることに相当する。
このとき、ノズル部内のインクは、インクメニスカスが加圧室の側に最も大きく引き込まれた静止状態(体積速度が0の状態)から、逆に正の方向へ戻ろうとする状態であるところに、振動板を撓ませて加圧室の容積を減少させることによって当該加圧室から押し出されたインクが加わることになる。このためインクは、ノズル部の先端から大きく正の側に突出し、その先端からインク滴が分離する。そして分離したインク滴が飛翔して紙面に到達することで、紙面にドットを形成する。
【0008】
【特許文献1】
特開平2−192947号公報(第3頁左上欄第19行〜同頁右上欄第6行、第3頁右上欄第14行〜同頁左下欄第2行、第16図(b))
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、駆動電圧波形のパルス幅T3を、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1の1/2倍に設定した場合、インク滴の飛翔速度は最大になるものの、インク滴の状態に問題があった。
すなわちインク滴の先頭に、飛翔速度が極めて高い小滴、いわゆる高速サテライトが発生してしまうため、紙面に形成した画像に、かかる高速サテライトによる、いわゆるチリの不良が生じるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、高速サテライトの発生を防止しうる、新規な圧電インクジェットヘッドの駆動方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため、発明者は、引き打ち方式の駆動方法において、ノズル部内におけるインクメニスカスの挙動と、圧電素子の動作タイミングとの関係についてさらに検討を行った。
その結果、図13に示すように駆動電圧波形のパルス幅T3を、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1の1/2倍である0→t2間の時間と一致させた場合、ノズル部内のインクメニスカスは、図14に示す挙動をとることが判った。
【0012】
すなわち図13のt2の時点で、インクメニスカスは、加圧室の側に最も大きく引き込まれた静止状態(体積速度が0の状態)をとる(図14のt2の状態)。
しかしこのt2の時点で、圧電素子への駆動電圧の再充電が開始されるため、その少し後のt3の時点では、前述したようにインクメニスカスが正の方向へ戻りつつあるところへ、振動板が撓んで加圧室から押し出されたインクが加わることになり、ノズル部内の圧力が急激に上昇する。このため図14のt3に示すようにインクメニスカスの先端中央部の速度が極端に高くなってしまう。そのためインク柱の先端はその後、t4〜t6の時点を経るうちに急速に先鋭になり、やがて分離して、高速の小滴である高速サテライトを発生する。
【0013】
そこで発明者は、駆動電圧波形のパルス幅T3を、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1の1/2倍より長めに設定することを検討した。
そして、たとえば図5に示すように駆動電圧波形のパルス幅T3を、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1の1/2倍である0→t2間よりも僅かに長い0→t3間の時間に設定すると、ノズル部内のインクメニスカスは図6に示す挙動をとり、高速サテライトの発生を防止できることを見出した。
【0014】
すなわち図5のt2の時点で、インクメニスカスは、従来と同様に加圧室の側に最も大きく引き込まれた静止状態(体積速度が0の状態)をとる(図6のt2の状態)。
しかしこのt2の時点では、圧電素子への駆動電圧の再充電を開始していないため、ノズル部内のインクメニスカスは、インクの体積速度の固有振動によって自然に正の方向へ移動を開始する。そして引き込みがある程度緩和された図6のt3の時点で圧電素子への駆動電圧の再充電を開始すると、ノズル部内の圧力の急激な上昇を抑制することができる。そのためインク柱の先端は、t4〜t6の時点を経ても、先の場合よりも丸みを帯びた状態を維持するので、高速サテライトの発生を防止することができる。
【0015】
ただし、駆動電圧波形のパルス幅T 3 を、上記の範囲内でも大きくすればするほど、インク滴の飛翔速度は低下する。そこで発明者は、パルス幅T 3 と、インク滴の飛翔速度との関係についてもさらに検討した。その結果、インク滴の飛翔速度の低下をより少なくするためには、駆動電圧波形のパルス幅T 3 を、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1の0.65倍以下にすればよいことを見出した。
【0016】
したがって請求項1記載の発明は、
(A) インクが充てんされる加圧室と、
(B) この加圧室に連通したノズル部と、
(C) 圧電素子と、この圧電素子の、駆動電圧波形の印加による変形によって撓んで上記加圧室の容積を減少させることで、上記加圧室内のインクを、上記ノズル部を通してインク滴として吐出させるための振動板とを含む駆動部と、
を備えた圧電インクジェットヘッドを駆動する方法であって、
待機時に、上記圧電素子に一定の駆動電圧を印加することで上記加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、
(1) ドット形成直前に駆動電圧を放電することで上記加圧室の容積を増加させて、上記ノズル部内のインクメニスカスを上記加圧室の側へ引き込んだ後、
(2) 再び駆動電圧を印加することで上記加圧室の容積を減少させてインク滴を吐出させるに際し、
上記(1)の工程における上記圧電素子に印加されていた駆動電圧の立ち下がりの開始時点から上記立下りを経て、上記(2)の工程における駆動電圧の立ち上がりの開始時点までの、駆動電圧波形のパルス幅T 3 が、上記圧電インクジェットヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T 1 に対して、式(i):
0.5×T 1 <T 3 (i)
および式(ii):
T 3 ≦0.65×T 1 (ii)
をともに満足する範囲に設定され、かつ上記(1)の工程における上記圧電素子に印加されていた駆動電圧の立下りの開始時点から立下りの完了時点までの時間が0.5×T 1 より小さいことを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法である。
【0017】
本発明の駆動方法は、複数のドット形成部を有する圧電インクジェットヘッドにおいて特に有効である。
したがって請求項2記載の発明は、請求項1の圧電インクジェットヘッドが、上記加圧室と上記ノズル部とをそれぞれ複数有しており、上記駆動部は、複数の上記加圧室を覆う上記振動板と、薄膜状の共通電極と、上記複数の加圧室にまたがり一体形成されている上記圧電素子と、複数の上記加圧室の中央部にそれぞれ重なって配置された複数の個別電極と、をこの順に積層して構成され、上記圧電素子が、上記個別電極から上記共通電極に向かう方向に分極されており、上記(1)の工程において、上記分極方向の電界の印加で上記分極方向と直交する方向に収縮する横振動モードの変位によって、上記加圧室の容積を減少させることを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
図1は、本発明の駆動方法を実施するための圧電インクジェットヘッドの一例において、圧電素子と振動板とを含む駆動部を取り付ける前の状態を示す平面図である。
図の例の圧電インクジェットヘッドは、1枚の基板1上に、加圧室2とそれに連通するノズル部3とを含むドット形成部を複数個、配列したものである。
【0019】
また図2(a)は、上記例の圧電インクジェットヘッドにおいて、駆動部を取り付けた状態での、1つのドット形成部を拡大して示す断面図、図2(b)は1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。
各ドット形成部のノズル部3は、図1に白矢印で示す主走査方向に複数列並んでいる。図の例では4列に並んでおり、同一列内のドット形成部間のピッチは90dpiであって、圧電インクジェットヘッドの全体として360dpiを実現している。
【0020】
各ドット形成部は、基板1の、図2(a)において上面側に形成した、矩形状の中央部の両端に半円形の端部を接続した平面形状を有する加圧室2と、上記基板1の下面側の、加圧室2の一端側の端部の、半円の中心と重なる位置に形成したノズル部3とを、上記端部の半円と同径の、断面円形のノズル流路4で繋ぐとともに、上記加圧室2の他端側の端部の、半円の中心と重なる位置に形成した供給口5を介して、加圧室2を、基板1内に、各ドット形成部を繋ぐように形成した共通供給路6(図1に破線で示す)に繋ぐことで構成してある。
【0021】
また上記各部は、図の例では、加圧室2を形成した第1基板1aと、ノズル流路4の上部4aと供給口5とを形成した第2基板1bと、ノズル流路4の下部4bと共通供給路6とを形成した第3基板1cと、ノズル部3を形成した第4基板1dとを、この順に積層、一体化することで形成してある。
また第1基板1aと第2基板1bには、図1に示すように、第3基板1cに形成した共通供給路6を、基板1の上面側で、図示していないインクカートリッジからの配管と接続するためのジョイント部11を構成するための通孔11aを形成してある。
【0022】
さらに各基板1a〜1dは、例えば樹脂や金属などからなり、フォトリソグラフ法を利用したエッチングなどによって上記各部となる通孔を設けた、所定の厚みを有する板体にて形成してある。
基板1の上面側には、当該基板1と同じ大きさを有する1枚の振動板7と、少なくとも各ドット形成部を覆う大きさを有する1枚の薄膜状の共通電極8と、図1中に一点鎖線で示すように各ドット形成部の加圧室2の中央部と重なる位置に個別に設けた、略矩形状の平面形状を有する横振動モードの薄板状の圧電素子9と、各圧電素子9上に形成した、同じ平面形状を有する個別電極10とを、この順に積層することで駆動部を構成してある。
【0023】
なお圧電素子9を、いくつかのドット形成部の加圧室2にまたがる大きさに一体形成して、個別電極10のみ、図1中に一点鎖線で示すように各ドット形成部の加圧室2の中央部と重なる位置に個別に設けてもよい。
上記のうち振動板7は、例えばモリブデン、タングステン、タンタル、チタン、白金、鉄、ニッケルなどの単体金属や、これら金属の合金、あるいはステンレス鋼などの金属材料にて、所定の厚みを有する板状に形成してある。また振動板7には、先の基板1の通孔11aとともにジョイント部11を構成する通孔11bを形成してある。
【0024】
共通電極8、個別電極10は、ともに金、銀、白金、銅、アルミニウムなどの導電性に優れた金属の箔や、これらの金属からなるめっき被膜、真空蒸着被膜などで形成してある。なお振動板7を、例えば白金などの導電性の高い金属で形成して共通電極8を省略してもよい。
圧電素子9を形成する圧電材料としては、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)や、当該PZTにランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの酸化物の1種または2種以上を添加したもの、例えばPLZTなどの、PZT系の圧電材料を挙げることができる。また、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN)、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどを主要成分とするものを挙げることもできる。
【0025】
薄板状の圧電素子9は、従来と同様にして形成することができる。
例えば上記の圧電材料を焼結して形成した焼結体を薄板状に研磨した所定の平面形状を有するチップを、共通電極8上の所定の位置に接着、固定したり、いわゆるゾル−ゲル法(またはMOD法)によって、共通電極8上に、圧電材料のもとになる有機金属化合物から形成したペーストを所定の平面形状に印刷し、乾燥、仮焼成、焼成の工程を経て形成したり、あるいは共通電極8上に、反応性スパッタリング法、反応性真空蒸着法、反応性イオンプレーティング法などの気相成長法によって、圧電材料の薄膜を所定の平面形状に形成したりすることによって、圧電素子9を形成することができる。
【0026】
圧電素子9を横振動モードとするためには、圧電材料の分極方向を、当該圧電素子9の厚み方向、より詳しくは個別電極10から共通電極8に向かう方向に配向させる。そのためには、例えば高温分極法、室温分極法、交流電界重畳法、電界冷却法などの従来公知の分極法を採用することができる。また、分極後の圧電素子9をエージング処理してもよい。
圧電材料の分極方向を上記の方向に配向させた圧電素子9は、共通電極8を接地した状態で、個別電極10から正の駆動電圧VPを印加することによって、分極方向と直交する面内で収縮する。しかし圧電素子9は、共通電極8を介して振動板7に固定されているため、結果的に、圧電素子9と振動板7とが加圧室方向に撓むことになる。
【0027】
このため、撓みが発生する際の力が加圧室2内のインクに圧力変化として伝えられ、この圧力変化によって、供給口5、加圧室2、ノズル流路4、およびノズル部3内のインクが振動を起こす。そして振動の速度が、結果的にノズル部3の外に向かうことによって、ノズル部3内のインクメニスカスが外部へと押し出されて、前記のようにインク柱が形成される。
インク柱は、やがて振動の速度がノズル部内方向に向かうことによってノズル部3内のインクメニスカスに吸収されるが、その際、前記のようにインク柱の先端部が切り離されて、インク滴となって紙面の方向に飛翔して、紙面にドットを形成する。
【0028】
インク滴が飛翔して減少した分のインクは、ノズル部3内のインクメニスカスの表面張力によって、インクカートリッジから、当該インクカートリッジの配管、ジョイント部11、共通供給路6、供給口5、加圧室2、およびノズル流路4を介してノズル部3に再充てんされる。
個別電極10を介して圧電素子9に印加する駆動電圧波形は、この例では、図3の回路を使って発生させる。
【0029】
図の回路は、電源線12aと接地12bとの間に第1トランジスタTR1、抵抗R1、R2および第2トランジスタTR2を直列に繋いで第1回路12cを形成し、かつこの第1回路12cの抵抗R1、R2間から分岐させて抵抗R3、個別電極10、圧電素子9および共通電極8を介して接地12dに至る第2回路12eを形成するとともに、両トランジスタTR1、TR2のベースにそれぞれコントロール電圧VCを印加するための端子12fを接続したものである。圧電素子9は、等価的にコンデンサとして機能する。
【0030】
上記回路は、圧電インクジェットヘッドの待機時、すなわち図4(a)のt1より以前の状態では、端子12fから両トランジスタTR1、TR2のベースにコントロール電圧VC1を印加した状態とされる。この状態では、第1トランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間がON、第2トランジスタTR2のコレクタ−エミッタ間がOFFとなるため、電源線12aから、第1トランジスタTR1、抵抗R1、R3、個別電極10を介して圧電素子9に、図4(b)に示すように、当該電源線12aの電源電圧値(前記所定値)VHに相当する駆動電圧VPが継続的に印加される(VP=VH)。このため圧電素子9は分極方向と直交する面内で収縮しつづけ、それにともなって圧電素子9と振動板7とが加圧室2の方向に撓んだ状態を維持する。
【0031】
引き打ち方式の駆動方法においてドットを形成するに際しては、前述したドット形成の直前のt1の時点で、図4(a)に示すように、端子12fから両トランジスタTR1、TR2のベースに印加していたコントロール電圧VCを停止する。
そうすると、第1トランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間がOFF、第2トランジスタTR2のコレクタ−エミッタ間がONとなるため、圧電素子9に印加されていた駆動電圧VPが、抵抗R3、R2および第2トランジスタTR2を介して接地12bに放電される。
【0032】
次に、前述したt2の時点で、図4(a)に示すように、端子12fから両トランジスタTR1、TR2のベースに再びコントロール電圧VC1を印加する。
そうすると、第1トランジスタTR1のエミッタ−コレクタ間がON、第2トランジスタTR2のコレクタ−エミッタ間がOFFとなるため、電源線12aから、第1トランジスタTR1、抵抗R1、R3、個別電極10を介して圧電素子9に再び充電が開始される。
【0033】
本発明では、先に説明したように駆動電圧の立ち下がりt1から立ち上がりt2までの、駆動電圧波形のパルス幅T3を、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1に対して、式(i):
0.5×T1<T3 (i)
を満足する範囲に設定する。これにより高速サテライトの発生を防止して、紙面に形成した画像にチリの不良が生じるのを防ぐことができる。
【0034】
また、前述したようにインク滴の飛翔速度の低下をより少なくするために、駆動電圧波形のパルス幅T3 は、上記式(i)の範囲内において、式(ii):
T3≦0.65×T1 (ii)
を満足する範囲に設定される。
また、上記(1)の工程における上記圧電素子に印加されていた駆動電圧の立下りの開始時点から立下りの完了時点までの時間は0.5×T 1 より小さい範囲に設定される。
また高速サテライトの発生をさらに確実に防止するためには、駆動電圧波形のパルス幅T3を、上記の範囲内でもとくに、式(iii):
0.55×T1≦T3 (iii)
を満足する範囲に設定するのがさらに好ましい。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を、実施例に基づいて説明する。
圧電インクジェットヘッドの作製
図1および図2(a)(b)に示す構造を有し、なおかつ加圧室2の面積が0.2mm2、幅が200μm、深さが100μm、ノズル部3の直径が25μm、長さが30μm、ノズル流路4の直径が200μm、長さが800μm、供給口5の直径が25μm、長さが30μmである圧電インクジェットヘッドを作製した。
【0036】
ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1は10μsecであった。
インク滴の形成状態の観察
実施例で作製した圧電インクジェットヘッドを引き打ち方式の駆動方法で駆動することとし、図4(b)に示す駆動電圧波形を有し、かつ駆動電圧VPの所定値VHが20Vである駆動電圧を、パルス幅T3を5.0μsecから6.5μsecの間(前記固有振動周期T1の0.5倍〜0.65倍の間)で、0.5μsec間隔で振った状態で印加した際の、高速サテライトの発生の有無を観察した。
【0037】
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
電気等価回路の作成
実施例で作製した圧電インクジェットヘッドについて、各部を集中定数で近似して、図7に示す音響系の電気等価回路を作成した。
図の電気等価回路において駆動部は、等価的に音響容量CaとイナータンスMaと音響抵抗Raで表すことができ、加圧室2は音響容量Ccで表すことができる。
【0040】
また供給口5は、イナータンスMsと音響抵抗Rsで表すことができるとともに、ノズル部3のインクメニスカスの液面と、図示しないインクカートリッジ内のインクの液面との高低差に基づく水頭圧が作用している。
さらにノズル部3は、イナータンスMnと音響抵抗Rnで表すことができるとともに、当該ノズル部3のインクメニスカスの表面張力が作用している。
上記の電気等価回路においては、駆動部に駆動電圧VPを印加して圧を発生させると、ノズル部3に、図中に矢印で示す方向のインクの流れが発生する。そしてその体積速度を求めることができる。また求めた体積速度と、ノズル部3の直径やインクの表面張力などから、インク滴の飛翔速度を、演算により求めることができる。
【0041】
また上記の電気等価回路と、ノズル部を差分法でモデル化したものとを連成解析することでインク滴の形状を演算することができる。なお自由表面の表現にはVOF法を利用することとする。
インク滴の飛翔速度、および形状の演算
実施例で作製した圧電インクジェットヘッドを、前記と同じ駆動電圧波形を有する駆動電圧によって駆動することとし、そのパルス幅T3を、前記と同様に5.0μsecから6.5μsecの間(前記固有振動周期T1の0.5倍〜0.65倍の間)で、0.5μsec間隔で振った状態で印加した際の、メイン滴の飛翔速度とインク滴の形状を、前記の電気等価回路、およびノズル部の差分法でのモデルを用いて演算した。
【0042】
結果を表2および図8〜11に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
結論
表1、2および図8〜11より、駆動電圧波形のパルス幅T3が固有振動周期T1の0.5倍では高速サテライトが発生したのに対し、上記パルス幅T3を、固有振動周期T1の0.5倍を超える範囲とすることで、その発生を防止できることが確認された。また、上記範囲内でもパルス幅T3を、固有振動周期T1の0.55倍〜0.65倍の範囲内とすることで、インク滴の飛翔速度の低下をより少なくしつつ、高速サテライトの発生をさらに確実に防止できることも確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法を実施するための、圧電インクジェットヘッドの一例における、圧電素子と振動板とを含む駆動部を取り付ける前の状態を示す平面図である。
【図2】同図(a)は、図1の例の圧電インクジェットヘッドにおいて、駆動部を取り付けた状態での、1つのドット形成部を拡大して示す断面図、同図(b)は、1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。
【図3】上記圧電インクジェットヘッドを駆動して、本発明の駆動方法を実施するための駆動回路の一例を示す回路図である。
【図4】同図(a)は、図3の駆動回路の端子に入力するコントロール電圧の電圧波形を示すグラフ、同図(b)は、上記コントロール電圧の入力によって駆動回路に発生させて、圧電素子に与える駆動電圧波形を示すグラフである。
【図5】本発明の駆動方法の一例における、駆動電圧波形と、かかる駆動電圧波形が与えられた際の、ノズル部におけるインクの体積速度との関係を示すグラフである。
【図6】図5の駆動方法を実施した際の、各時点における、ノズル部内のインクメニスカスの挙動を示す拡大図である。
【図7】本発明の、実施例で作製した圧電インクジェットヘッドを構成する各部を集中定数で近似して作成した電気等価回路を示す回路図である。
【図8】本発明の、実施例で作製した圧電インクジェットヘッドに、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1の0.5倍のパルス幅T3を有する駆動電圧波形を印加してインクを吐出させた際の、インク滴の形状変化を、図7の電気等価回路と、ノズル部のモデルを用いて演算した結果を示す図である。
【図9】上記圧電インクジェットヘッドに、体積速度の固有振動周期T1の0.55倍のパルス幅T3を有する駆動電圧波形を印加してインクを吐出させた際の、インク滴の形状変化を演算した結果を示す図である。
【図10】上記圧電インクジェットヘッドに、体積速度の固有振動周期T1の0.60倍のパルス幅T3を有する駆動電圧波形を印加してインクを吐出させた際の、インク滴の形状変化を演算した結果を示す図である。
【図11】上記圧電インクジェットヘッドに、体積速度の固有振動周期T1の0.65倍のパルス幅T3を有する駆動電圧波形を印加してインクを吐出させた際の、インク滴の形状変化を演算した結果を示す図である。
【図12】従来の引き打ち方式の駆動方法において圧電素子に印加する駆動電圧VPの駆動電圧波形と、かかる駆動電圧波形が与えられた際の、ノズル部におけるインクの体積速度との関係を簡略化して示すグラフである。
【図13】従来の駆動方法の一例における、駆動電圧波形と、かかる駆動電圧波形が与えられた際の、ノズル部におけるインクの体積速度との関係を示すグラフである。
【図14】図13の駆動方法を実施した際の、各時点における、ノズル部内のインクメニスカスの挙動を示す拡大図である。
【符号の説明】
2 加圧室
3 ノズル部
7 振動板
9 圧電素子
Claims (2)
- (A) インクが充てんされる加圧室と、
(B) この加圧室に連通したノズル部と、
(C) 圧電素子と、この圧電素子の、駆動電圧波形の印加による変形によって撓んで上記加圧室の容積を減少させることで、上記加圧室内のインクを、上記ノズル部を通してインク滴として吐出させるための振動板とを含む駆動部と、
を備えた圧電インクジェットヘッドを駆動する方法であって、
待機時に、上記圧電素子に一定の駆動電圧を印加することで上記加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、
(1) ドット形成直前に駆動電圧を放電することで上記加圧室の容積を増加させて、上記ノズル部内のインクメニスカスを上記加圧室の側へ引き込んだ後、
(2) 再び駆動電圧を印加することで上記加圧室の容積を減少させてインク滴を吐出させるに際し、
上記(1)の工程における上記圧電素子に印加されていた駆動電圧の立ち下がりの開始時点から上記立下りを経て、上記(2)の工程における駆動電圧の立ち上がりの開始時点までの、駆動電圧波形のパルス幅T3 が、上記圧電インクジェットヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期T1に対して、式(i):
0.5×T1<T3 (i)
および式(ii):
T3≦0.65×T1 (ii)
をともに満足する範囲に設定され、かつ上記(1)の工程における上記圧電素子に印加されていた駆動電圧の立下りの開始時点から立下りの完了時点までの時間が0.5×T 1 より小さいことを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法。 - 請求項1の圧電インクジェットヘッドが、上記加圧室と上記ノズル部とをそれぞれ複数有しており、上記駆動部は、複数の上記加圧室を覆う上記振動板と、薄膜状の共通電極と、上記複数の加圧室にまたがり一体形成されている上記圧電素子と、複数の上記加圧室の中央部にそれぞれ重なって配置された複数の個別電極と、をこの順に積層して構成され、上記圧電素子が、上記個別電極から上記共通電極に向かう方向に分極されており、上記(1)の工程において、上記分極方向の電界の印加で上記分極方向と直交する方向に収縮する横振動モードの変位によって、上記加圧室の容積を減少させることを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法。
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