JP2006035791A - 圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006035791A
JP2006035791A JP2004222836A JP2004222836A JP2006035791A JP 2006035791 A JP2006035791 A JP 2006035791A JP 2004222836 A JP2004222836 A JP 2004222836A JP 2004222836 A JP2004222836 A JP 2004222836A JP 2006035791 A JP2006035791 A JP 2006035791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
piezoelectric
circuit
pressurizing chamber
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004222836A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Hashiguchi
拓二 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2004222836A priority Critical patent/JP2006035791A/ja
Publication of JP2006035791A publication Critical patent/JP2006035791A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】 レベル変換器を必要としないため、より一層の高集積化と小型化とが可能な圧電素子駆動回路と、それを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法とを提供する。
【解決手段】 圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、抵抗R1と圧電素子PEとを直列に繋いで第1回路C1を形成し、この第1回路C1の、抵抗R1と圧電素子PEとの間から分岐させて、スイッチング素子TRを介して接地に到る第2回路C2を形成する。圧電インクジェットヘッドの駆動方法は、この圧電素子駆動回路を用いて、引き打ち法によって圧電インクジェットヘッドを駆動させて、紙面にドット形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電素子を駆動させるための圧電素子駆動回路と、この圧電素子駆動回路を用いて、圧電インクジェットヘッドを駆動させるための駆動方法とに関するものである。
例えば、オンデマンド型のインクジェットプリンタなどに用いる、圧電セラミックの電歪効果を駆動源とする圧電インクジェットヘッドにおいては、当該圧電セラミックを含む圧電素子に充電して変形させ、それによって振動板を撓ませて加圧室の容積を減少させることで、当該加圧室内のインクを、連通するノズルからインク滴として吐出させて、紙面にドットを形成している。
詳しく説明すると、圧電セラミックを含む圧電素子と、圧電素子を支持する振動板とを積層した圧電アクチュエータが、圧電セラミックが発生する力を加圧室内のインクに圧力として伝えることで、この加圧室に連通するノズルからインク滴を吐出させるための駆動源としての役割を果たしている。それと同時に、圧電アクチュエータは、加圧室内のインクの圧力を受けることによって振動板が撓むため、当該加圧室を含むヘッド内のインクの振動に対して、弾性体としての役割も持っている。
圧電素子に充電して力を発生させると、ヘッド内のインクは、振動板を介して圧電アクチュエータから受けた圧力によって振動を起こす。この振動は、圧電アクチュエータと加圧室とを弾性として、また、加圧室にインクを供給する供給口、加圧室とノズルとを繋ぐノズル流路、およびノズルを慣性として発生する。この振動における、ヘッド内のインクの、体積速度の固有振動周期は、上記各部の寸法とインクの物性値、圧電アクチュエータの寸法と物性値とによって決まる。
そして、圧電インクジェットヘッドにおいては、かかるインクの振動による、ノズル内でのインクメニスカスの振動を利用してインク滴を発生させて、紙面にドットを形成している。すなわち、ノズル内のインクメニスカスは、振動の速度がノズルの外方へ向かうことによって、ノズル先端の開口から、外部へと柱状に押し出される。この押出されたインクは、その形状からインク柱と呼ばれる。振動の速度は、やがてノズルの内方向へ向かうが、インク柱はそのまま外方向に運動を続けるため、インクメニスカスから切り離される。そして、切り離されたインク柱が1〜2滴程度のインク滴にまとまり、それが紙面の方向に飛翔して、紙面にドットを形成する。
上記の圧電インクジェットヘッドにおいて、圧電素子に充電して駆動させるための駆動回路としては、例えば、図9に示すように、電源VPと接地EAとの間に、第1スイッチング素子TR1と第2スイッチング素子TR2とを直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の両スイッチング素子TR1、TR2間から分岐させて、抵抗素子Rと、圧電素子PEとを介して接地EAに至る第2回路C2を形成したものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
圧電素子PEは、圧電セラミック9と、この圧電セラミック9を挟む一対の電極8、10とで構成され、等価的にコンデンサとして機能する。
上記の駆動回路においては、第1スイッチング素子TR1をオン状態、第2スイッチング素子TR2をオフ状態とすると、圧電素子PEが、電源VPの電圧とほぼ等しい電圧まで充電されて、変形を生じる(変形状態)。また、第1スイッチング素子TR1をオフ状態、第2スイッチング素子TR2をオン状態とすると、充電された電圧が放電されるため、圧電素子PEの変形が解除される(変形解除状態)。そして、この2つの状態を組み合わせて圧電素子PEを駆動させると、前記のメカニズムにより、ノズルを通してインク滴が吐出される。
特開平9−323413号公報(請求項1、第0010欄〜第0011欄、第0015欄、図10)
上記の駆動回路においては、第1スイッチング素子TR1の基準電圧が、圧電素子PEの充電電圧である、電源VPの電圧と等しくなる。そのためオフ制御する際に、当該第1スイッチング素子TR1は、ゲート電極に、電源VPの電圧とほぼ等しい制御電圧を印加する必要がある。
しかし、電源VPの電圧は、通常、12〜48V程度であって、圧電インクジェットヘッドにおいて画像データ転送および印字ドット制御等を行うための、ロジック回路LCのロジック電圧(およそ3.3〜5.0V程度)よりも高いため、第1スイッチング素子TR1をオン−オフ制御して圧電素子PEを駆動させるためには、図9に示すように、ロジック回路LCの制御信号を、レベル変換器RCにおいて、電源VPの電圧とほぼ同電圧の制御電圧に変換した後、第1スイッチング素子TR1のゲート電極に入力する必要がある。
そして、レベル変換器RCは、1つの圧電素子ごとに1つずつ設けなければならない上、例えば駆動回路を集積して集積回路を形成する際に、個々のレベル変換器RCが、スイッチング素子等と比べて広い面積を必要とすることから、特に、複数の圧電素子を個別に駆動制御する必要のある圧電インクジェットヘッドの駆動回路において、その集積化、小型化の妨げとなったり、駆動回路の製造コストが高くつく原因となったりするという問題がある。
そして、特に近年の、インクジェットプリンタにおける印字の高精細化の要求に伴うノズル数、すなわち圧電素子数の増加と、それと相反する、圧電インクジェットヘッドのさらなる小型化の要求の両方を満足するためには、駆動回路を、これまでよりもさらに高集積化しつつ、より一層、小型化しなければならないが、従来の駆動回路では、これらの要求に十分に対応できなくなりつつあるのが現状である。
本発明の目的は、レベル変換器を必要としないため、より一層の高集積化と小型化とが可能な圧電素子駆動回路と、それを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法とを提供することにある。
請求項1記載の発明は、圧電素子に充電して変形させる変形状態と、放電させて変形を解除する変形解除状態との組み合わせによって圧電素子を駆動させる駆動回路であって、
電源と接地との間に、抵抗素子と圧電素子とをこの順に直列に繋いで第1回路を形成すると共に、この第1回路の、抵抗素子と圧電素子との間から分岐させて、スイッチング素子を介して接地に到る第2回路を形成してあり、
スイッチング素子をオフ状態とすることで圧電素子に充電して変形状態とし、スイッチング素子をオン状態とすることで圧電素子を放電させて変形解除状態とすることを特徴とする圧電素子駆動回路である。
請求項2記載の発明は、第2回路に、スイッチング素子と直列に抵抗素子を設ける請求項1記載の圧電素子駆動回路である。
請求項3記載の発明は、第1回路の、第2回路の接続点と、圧電素子との間に、圧電素子と直列に抵抗素子を設ける請求項1記載の圧電素子駆動回路である。
請求項4記載の発明は、
(A) インクが充てんされる加圧室、
(B) 加圧室に連通し、インクメニスカスが形成されるノズル、および
(C) 圧電素子と、この圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を減少させることで、加圧室内のインクを、ノズルを通してインク滴として吐出させるための振動板とを含む圧電アクチュエータ、
をそれぞれ複数個ずつ備えると共に、上記各圧電素子ごとに、請求項1〜3のいずれかに記載の圧電素子駆動回路を備える圧電インクジェットヘッドを駆動する方法であって、
待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態として、いずれの圧電素子も変形状態を維持することで、加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、
ノズルを通してインク滴を吐出させる加圧室においては、選択的に、
(1) 圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態として、圧電素子を変形解除状態とすることで、加圧室の容積を増加させて、ノズル内のインクメニスカスを加圧室の側に引き込んだ後、
(2) 再びスイッチング素子をオフ状態として、圧電素子を変形状態とすることで加圧室の容積を減少させることにより、
ノズル内のインクメニスカスを振動させてインク滴を発生させると共に、ノズルから吐出させることを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法である。
請求項5記載の発明は、圧電素子に充電して変形させる変形状態と、放電させて変形を解除する変形解除状態との組み合わせによって圧電素子を駆動させる駆動回路であって、
電源と接地との間に、圧電素子とスイッチング素子とをこの順に直列に繋いで第1回路を形成すると共に、電源から、抵抗素子を介して、上記第1回路の、圧電素子とスイッチング素子との間に到る第2回路を形成してあり、
スイッチング素子をオン状態とすることで圧電素子に充電して変形状態とし、スイッチング素子をオフ状態とすることで圧電素子を放電させて変形解除状態とすることを特徴とする圧電素子駆動回路である。
請求項6記載の発明は、第1回路の、第2回路の接続点と接地との間に、スイッチング素子と直列に抵抗素子を設ける請求項5記載の圧電素子駆動回路である。
請求項7記載の発明は、第1回路の、圧電素子と、第2回路の接続点との間に、圧電素子と直列に抵抗素子を設ける請求項5記載の圧電素子駆動回路である。
請求項8記載の発明は、
(A) インクが充てんされる加圧室、
(B) 加圧室に連通し、インクメニスカスが形成されるノズル、および
(C) 圧電素子と、この圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を減少させることで、加圧室内のインクを、ノズルを通してインク滴として吐出させるための振動板とを含む圧電アクチュエータ、
をそれぞれ複数個ずつ備えると共に、上記各圧電素子ごとに、請求項5〜7のいずれかに記載の圧電素子駆動回路を備える圧電インクジェットヘッドを駆動する方法であって、
待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態として、いずれの圧電素子も変形解除状態を維持することで、加圧室の容積を平常の状態に維持しておき、
ノズルを通してインク滴を吐出させる加圧室においては、選択的に、圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態として圧電素子を変形状態とすることで、加圧室の容積を減少させてインク滴を発生させ、ノズルから吐出させることを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法である。
請求項1記載の発明においては、スイッチング素子をオフ状態とすると、このスイッチング素子と並列で、かつ抵抗素子と直列に繋がれた圧電素子が、抵抗素子の抵抗値と圧電素子の容量値とによって決まる所定の時定数でもって、電源とほぼ同電圧まで充電されて、圧電素子が変形状態とされる。また、スイッチング素子をオン状態とすると、圧電素子に充電された電圧が、スイッチング素子のオン抵抗値と、圧電素子の容量値とによって決まる所定の時定数でもって放電されて、圧電素子が変形解除状態とされる。そのため、この2つの状態を組み合わせることで、圧電素子を駆動させることができる。
またスイッチング素子は、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子として、ロジック回路のロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、レベル変換器を省略することができ、より一層の高集積化と小型化とが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、第2回路に、スイッチング素子と直列に挿入する抵抗素子の抵抗値を調整することによって、放電時の時定数を任意に調整することができる。また、請求項3記載の発明によれば、第1回路の、第2回路の接続点と、圧電素子との間に、圧電素子と直列に挿入する抵抗素子の抵抗値を調整することによって、充電時の時定数、および放電時の時定数を任意に調整することができる。
請求項4記載の発明によれば、上記の圧電素子駆動回路を用いることで、いわゆる引き打ち式の駆動方法によって、任意のノズルからインク滴を吐出させて印字を行うことができる。また、圧電素子の変形状態を維持する待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態として、電源から接地に漏洩する電流を著しく減少させることができるため、インクジェットプリンタの、待機時の消費電力を低減することができる。
請求項5記載の発明においては、スイッチング素子をオン状態とすると、このスイッチング素子と直列で、かつ抵抗素子と並列に繋がれた圧電素子が、スイッチング素子のオン抵抗値と圧電素子の容量値とによって決まる所定の時定数でもって、電源とほぼ同電圧まで充電されて、圧電素子が変形状態とされる。また、スイッチング素子をオフ状態とすると、圧電素子と抵抗素子によって閉回路が形成され、圧電素子に充電された電圧が、抵抗素子の抵抗値と、圧電素子の容量値とによって決まる所定の時定数でもって放電される結果、圧電素子が変形解除状態とされる。そのため、この2つの状態を組み合わせることで、圧電素子を駆動させることができる。
またスイッチング素子は、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子として、ロジック回路のロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、レベル変換器を省略することができ、より一層の高集積化と小型化とが可能となる。
請求項6記載の発明によれば、第1回路の、第2回路の接続点と接地との間に、スイッチング素子と直列に挿入する抵抗素子の抵抗値を調整することによって、充電時の時定数を任意に調整することができる。また、請求項7記載の発明によれば、第1回路の、圧電素子と、第2回路の接続点との間に、圧電素子と直列に挿入する抵抗素子の抵抗値を調整することによって、充電時の時定数、および放電時の時定数を任意に調整することができる。
請求項8記載の発明によれば、上記の圧電素子駆動回路を用いることで、いわゆる押し打ち式の駆動方法によって、任意のノズルからインク滴を吐出させて印字を行うことができる。また、圧電素子の平常の状態を維持する待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態として、電源から接地に漏洩する電流を著しく減少させることができるため、インクジェットプリンタの、待機時の消費電力を低減することができる。
図1(a)は、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の一例を示す回路図、同図(b)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態としたときの、同回路の等価回路図、同図(c)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態としたときの、同回路の等価回路図である。
図1(a)を参照して、この例の圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、抵抗素子R11と圧電素子PEとをこの順に直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の、抵抗素子R11と圧電素子PEとの間の接続点C10から分岐させて、スイッチング素子TRを介して、第1回路C1の、圧電素子PEと接地EAとの間の接続点C11に到る第2回路C2を形成したもので、スイッチング素子TRのゲート電極は、ロジック回路LCと直接に接続してある。また、圧電素子PEは、圧電セラミック9と、この圧電セラミック9を挟む一対の電極8、10とで構成され、等価的にコンデンサとして機能する。
上記の圧電素子駆動回路は、電源VPよりも電圧の低い電源VLによってロジック回路LCを作動させて、スイッチング素子TRをオフ状態とすると、同図(b)の等価回路図に示すように、電源VPと接地EAとの間に、抵抗素子R11と圧電素子PEとが直列に繋がれた状態となり、この状態で、圧電素子PEは、抵抗素子R11の抵抗値r11(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×r11でもって、電源VPの電圧(V)とほぼ同電圧まで充電されて、変形状態となる。
また、ロジック回路LCを作動させて、スイッチング素子TRをオン状態とすると、同図(c)の等価回路図に示すように、電源VPと接地EAとの間に、抵抗素子R11と圧電素子PEとが直列に繋がれると共に、この圧電素子PEと並列に、抵抗素子R0が繋がれた状態となる。この状態で、抵抗素子R0の抵抗値、すなわち、スイッチング素子TRのオン抵抗値r0(Ω)は、抵抗素子R11の抵抗値r11(Ω)に比べて十分に小さい値とされるため、充電状態の圧電素子PEは、上記オン抵抗値r0(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×r0でもって放電されて、変形解除状態となる。
そして、この2つの状態を組み合わせて圧電素子PEを駆動させると、例えばインクジェットヘッドにおいて、前記のメカニズムによって、ノズルを通してインク滴を吐出させることができる。
また、上記例の圧電素子駆動回路において、スイッチング素子TRは、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子TRとして、ロジック回路LCのロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、これらの図に示すようにレベル変換器を省略することができ、それによって、従来のものに比べてより一層の高集積化と小型化とが可能となる。
スイッチング素子TRとしては、半導体集積回路を形成することができる、電界効果型トランジスタ(MOSFET)やバイポーラトランジスタ等が好ましい。
図2(a)(b)は、それぞれ、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の他の例を示す回路図である。
このうち、図2(a)の例の圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、抵抗素子R11と圧電素子PEとをこの順に直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の、抵抗素子R11と圧電素子PEとの間の接続点C10から分岐させて、第2の抵抗素子R21と、スイッチング素子TRとを介して、第1回路C1の、圧電素子PEと接地EAとの間の接続点C11に到る第2回路C2を形成したもので、スイッチング素子TRのゲート電極は、ロジック回路LCと接続してある。この例の圧電素子駆動回路は、先の図1(a)のものと同様に作動させて、圧電素子PEを駆動させることができる。
また、スイッチング素子TRは、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子TRとして、ロジック回路LCのロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、図に示すようにレベル変換器を省略することができる。
また、第2の抵抗素子R21の抵抗値r21(Ω)を、抵抗素子R11の抵抗値r11(Ω)に比べて小さい値として、その抵抗値r21(Ω)を調整するようにすると、放電時の、スイッチング素子TRのオン抵抗値r0(Ω)と、抵抗素子R21の抵抗値r21(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×(r0+r21)を任意に、しかもより細かく調整することができる。
一方、図2(b)の例の圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、抵抗素子R11と、第2の抵抗素子R22と、圧電素子PEとをこの順に直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の、抵抗素子R11と抵抗素子R22との間の接続点C10から分岐させて、スイッチング素子TRを介して、第1回路C1の、圧電素子PEと接地EAとの間の接続点C11に到る第2回路C2を形成したもので、スイッチング素子TRのゲート電極は、ロジック回路LCと接続してある。この例の圧電素子駆動回路は、先の図1(a)のものと同様に作動させて、圧電素子PEを駆動させることができる。
また、スイッチング素子TRは、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子TRとして、ロジック回路LCのロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、図に示すようにレベル変換器を省略することができる。
また、第2の抵抗素子R22の抵抗値r22(Ω)を、抵抗素子R11の抵抗値r11(Ω)に比べて小さい値として、その抵抗値r22(Ω)を調整するようにすると、充電時の、抵抗素子R11の抵抗値r11(Ω)と、抵抗素子R22の抵抗値r22(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×(r11+r22)、および放電時の、スイッチング素子TRのオン抵抗値r0(Ω)と、抵抗素子R22の抵抗値r22(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×(r0+r22)を任意に、しかもより細かく調整することができる。
図3は、上記図1(a)〜図2(b)のいずれかの圧電素子駆動回路によって駆動される圧電素子を組み込むことができる、圧電インクジェットヘッドの一例において、当該圧電素子と振動板とを含む圧電アクチュエータを取り付ける前の状態を示す平面図である。図の例の圧電インクジェットヘッドは、1枚の基板1上に、加圧室2とそれに連通するノズル3とを含むドット形成部を複数個、配列したものである。
また図4(a)は、上記例の圧電インクジェットヘッドにおいて、圧電アクチュエータACを取り付けた状態での、1つのドット形成部を拡大して示す断面図、図4(b)は1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。
各ドット形成部のノズル3は、図3に白矢印で示す主走査方向に複数列並んでいる。図の例では4列に並んでおり、同一列内のドット形成部間のピッチは90dpiであって、圧電インクジェットヘッドの全体として360dpiを実現している。
各ドット形成部は、基板1の、図4(a)において上面側に形成した、矩形状の中央部の両端に半円形の端部を接続した平面形状を有する加圧室2と、上記基板1の下面側の、加圧室2の一端側の端部の、半円の中心と重なる位置に形成したノズル3とを、上記端部の半円と同径の、断面円形のノズル流路4で繋ぐと共に、上記加圧室2の他端側の端部の、半円の中心と重なる位置に形成した供給口5を介して、加圧室2を、基板1内に、各ドット形成部を繋ぐように形成した共通供給路6(図3に破線で示す)に繋ぐことで構成してある。
また上記各部は、図の例では、加圧室2を形成した第1基板1aと、ノズル流路4の上部4aと供給口5とを形成した第2基板1bと、ノズル流路4の下部4bと共通供給路6とを形成した第3基板1cと、ノズル3を形成した第4基板1dとを、この順に積層、一体化することで形成してある。
第1基板1aと第2基板1bには、図3に示すように、第3基板1cに形成した共通供給路6を、基板1の上面側で、図示していないインクカートリッジからの配管と接続するためのジョイント部11を構成するための通孔11aを形成してある。
さらに各基板1a〜1dは、例えば樹脂や金属などからなり、フォトリソグラフ法を利用したエッチングなどによって上記各部となる通孔を設けた、所定の厚みを有する板体にて形成してある。
基板1の上面側には、当該基板1と同じ大きさを有する1枚の振動板7を積層してある。また、この振動板7の上には、少なくとも各ドット形成部を覆う大きさを有する1枚の薄膜状の共通電極8と、各ドット形成部の加圧室2の中央部と重なる位置に個別に設けた、略矩形状の平面形状を有する横振動モードの薄板状の圧電セラミック9と、各圧電セラミック9上に形成した、同じ平面形状を有する個別電極10とをこの順に積層することで、圧電素子PEを構成すると共に、上記振動板7と圧電素子PEとで圧電アクチュエータACを構成してある。
なお圧電セラミック9を、いくつかのドット形成部の加圧室2にまたがる大きさに一体形成して、個別電極10のみ、各ドット形成部の加圧室2の中央部と重なる位置に個別に設けてもよい。
上記のうち振動板7は、例えばモリブデン、タングステン、タンタル、チタン、白金、鉄、ニッケルなどの単体金属や、これら金属の合金、あるいはステンレス鋼などの金属材料にて、所定の厚みを有する板状に形成してある。また振動板7には、先の基板1の通孔11aと共にジョイント部11を構成する通孔11bを形成してある。
共通電極8、個別電極10は、共に金、銀、白金、銅、アルミニウムなどの導電性に優れた金属の箔や、これらの金属からなるめっき被膜、真空蒸着被膜などで形成してある。なお振動板7を、例えば白金などの導電性の高い金属で形成して共通電極8を省略してもよい。
圧電セラミック9を形成する圧電材料としては、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)や、当該PZTにランタン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの酸化物の1種または2種以上を添加したもの、例えばPLZTなどの、PZT系の圧電材料を挙げることができる。また、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN)、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどを主要成分とするものを挙げることもできる。
薄板状の圧電セラミック9は、従来と同様にして形成することができる。
例えば上記の圧電材料を焼結して形成した焼結体を薄板状に研磨した所定の平面形状を有するチップを、共通電極8上の所定の位置に接着、固定したり、いわゆるゾル−ゲル法(またはMOD法)によって、共通電極8上に、圧電材料のもとになる有機金属化合物から形成したペーストを所定の平面形状に印刷し、乾燥、仮焼成、焼成の工程を経て形成したり、あるいは共通電極8上に、反応性スパッタリング法、反応性真空蒸着法、反応性イオンプレーティング法などの気相成長法によって、圧電材料の薄膜を所定の平面形状に形成したりすることによって、圧電セラミック9を形成することができる。
圧電セラミック9を、例えば横振動モードとして駆動するためには、圧電材料の分極方向を、当該圧電セラミック9の厚み方向、より詳しくは個別電極10から共通電極8に向かう方向に配向させる。そのためには、例えば高温分極法、室温分極法、交流電界重畳法、電界冷却法などの従来公知の分極法を採用することができる。また、分極後の圧電セラミック9をエージング処理してもよい。
圧電材料の分極方向を上記の方向に配向させた圧電セラミック9は、共通電極8を接地した状態で、個別電極10から正の駆動電圧を印加することによって充電させると、分極方向と直交する面内で収縮する。しかし圧電セラミック9は、共通電極8を介して振動板7に固定されているため、結果的に、圧電セラミック9と振動板7とが加圧室方向に撓むことになる。
このため、撓みが発生する際の力が加圧室2内のインクに圧力変化として伝えられ、この圧力変化によって、供給口5、加圧室2、ノズル流路4、およびノズル3内のインクが振動を起こす。そして振動の速度が、結果的にノズル3の外に向かうことによって、ノズル3内のインクメニスカスが、インク滴吐出側の先端の開口30から外部へと押し出されて、先に説明したようにインク柱が形成される。
振動の速度は、やがてノズル内方向に向かうが、インク柱はそのまま外方向に運動を続けるため、インクメニスカスから切り離されて1〜2滴程度のインク滴にまとまり、それが紙面の方向に飛翔して、紙面にドットを形成する。
インク滴が飛翔して減少した分のインクは、ノズル3内のインクメニスカスの表面張力によって、インクカートリッジから、当該インクカートリッジの配管、ジョイント部11、共通供給路6、供給口5、加圧室2、およびノズル流路4を介してノズル3に再充てんされる。
前記図1(a)〜図2(b)のいずれかの圧電素子駆動回路を用いて、上記の圧電インクジェットヘッドを駆動させる駆動方法としては、いわゆる引き打ち式の駆動方法が好適に採用される。
そして、待機時、すなわち図5(a)のt1より以前の状態では、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子TRをいずれもオフ状態とすることで、いずれの圧電素子PEにおいても、図5(b)に示すように駆動電圧を印加しつづけて、充電された変形状態を維持することで、加圧室2の容積を減少させた状態を維持しておく。
ドットを形成するに際して、ノズル3を通してインク滴を吐出させる加圧室2においては、
(1) 図5(a)のt1の時点で、圧電素子駆動回路のスイッチング素子TRをオン状態として、図5(b)に示すように所定の時定数でもって圧電素子PEを放電させて変形解除状態として、加圧室2の容積を増加させることで、ノズル3内のインクメニスカスを加圧室2の側に引き込んだ後、
(2) 図5(a)のt2の時点で、再びスイッチング素子TRをオフ状態として、図5(b)に示すように所定の時定数でもって圧電素子PEに充電して変形状態として、加圧室2の容積を減少させることによって、
ノズル3内のインクメニスカスを振動させてインク滴を発生させると共に、ノズル3から吐出させる。
また、この間、ノズル3を通してインク滴を吐出させない加圧室2においては、スイッチング素子TRのオフ状態を維持し、それによって圧電素子PEの充電された変形状態を維持し続ける。そうすると、上記(1)(2)の操作を行った加圧室2に対応するノズル3のみから、選択的に、インク滴を吐出させて、紙面にドットを形成することができる。
また、上記のうち、圧電素子PEの変形状態を維持する待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子TRをオフ状態として、電源VRから接地EAに漏洩する電流を著しく減少させることができるため、インクジェットプリンタの、待機時の消費電力を低減することができる。
また、前記図1(a)〜図2(b)の各圧電素子駆動回路中に含まれる抵抗素子R11〜R22の抵抗値を調整して、(1)の工程における圧電素子PEの放電時の時定数や、(2)の工程における圧電素子PEの充電時の時定数を、それぞれ、圧電素子の駆動に適するように設定することで、圧電素子の電圧の立ち下がり時間、および立ち上がり時間を各々、独立に適正な値に設定して、ノズル3におけるインク滴の形成と吐出や、共通供給路6から加圧室2へのインクの供給等を最良な状態に設定することができる。
図6(a)は、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の他の例を示す回路図、同図(b)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態としたときの、同回路の等価回路図、同図(c)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態としたときの、同回路の等価回路図である。
図6(a)を参照して、この例の圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、圧電素子PEとスイッチング素子TRとをこの順に直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の、電源VPと圧電素子PEとの間の接続点C10から分岐させて、抵抗素子R12を介して、上記第1回路C1の、圧電素子PEとスイッチング素子TRとの間の接続点C11に到る第2回路C2を形成したもので、スイッチング素子TRのゲート電極は、ロジック回路LCと直接に接続してある。また、圧電素子PEは、圧電セラミック9と、この圧電セラミック9を挟む一対の電極8、10とで構成され、等価的にコンデンサとして機能する。
上記の圧電素子駆動回路は、電源VPよりも電圧の低い電源VLによってロジック回路LCを作動させて、スイッチング素子TRをオン状態とすると、同図(b)の等価回路図に示すように、電源VPと接地EAとの間に、圧電素子PEと抵抗素子R0とが直列に繋がれると共に、この圧電素子PEと並列に、抵抗素子R12が繋がれた状態となる。この状態で、抵抗素子R0の抵抗値、すなわち、スイッチング素子TRのオン抵抗値r0(Ω)は、抵抗素子R12の抵抗値r12(Ω)に比べて十分に小さい値とされるため、圧電素子PEは、抵抗素子R0の抵抗値r0(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×r0でもって、電源VPの電圧(V)とほぼ同電位まで充電されて、変形状態となる。
また、ロジック回路LCを作動させて、スイッチング素子TRをオフ状態とすると、同図(c)の等価回路図に示すように、圧電素子PEと抵抗素子R12とによって閉回路が形成され、圧電素子PEに充電された電圧が、抵抗素子R12の抵抗値r12(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×r12でもって放電される結果、圧電素子PEが変形解除状態とされる。
そして、この2つの状態を組み合わせて圧電素子PEを駆動させると、例えばインクジェットヘッドにおいて、ノズルを通してインク滴を吐出させることができる。
また、上記例の圧電素子駆動回路において、スイッチング素子TRは、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子TRとして、ロジック回路LCのロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、これらの図に示すようにレベル変換器を省略することができ、それによって、従来のものに比べてより一層の高集積化と小型化とが可能となる。
図7(a)(b)は、それぞれ、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の他の例を示す回路図である。
このうち、図7(a)の例の圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、圧電素子PEと、第2の抵抗素子R23と、スイッチング素子TRとをこの順に直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の、電源VPと圧電素子PEとの間の接続点C10から分岐させて、抵抗素子R12を介して、上記第1回路C1の、圧電素子PEと抵抗素子R23との間の接続点C11に到る第2回路C2を形成したもので、スイッチング素子TRのゲート電極は、ロジック回路LCと直接に接続してある。この例の圧電素子駆動回路は、先の図6(a)のものと同様に作動させて、圧電素子PEを駆動させることができる。
また、スイッチング素子TRは、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子TRとして、ロジック回路LCのロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、図に示すようにレベル変換器を省略することができる。
また、第2の抵抗素子R23の抵抗値r23(Ω)を、抵抗素子R12の抵抗値r12(Ω)に比べて小さい値として、その抵抗値r23(Ω)を調整するようにすると、充電時の、スイッチング素子TRのオン抵抗値r0(Ω)と、抵抗素子R23の抵抗値r23(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×(r0+r23)を任意に、しかもより細かく調整することができる。
一方、図7(b)の例の圧電素子駆動回路は、電源VPと接地EAとの間に、圧電素子PEと、第2の抵抗素子R24と、スイッチング素子TRとをこの順に直列に繋いで第1回路C1を形成すると共に、この第1回路C1の、電源VPと圧電素子PEとの間の接続点C10から分岐させて、抵抗素子R12を介して、上記第1回路C1の、抵抗素子R24とスイッチング素子TRとの間の接続点C11に到る第2回路C2を形成したもので、スイッチング素子TRのゲート電極は、ロジック回路LCと直接に接続してある。この例の圧電素子駆動回路は、先の図6(a)のものと同様に作動させて、圧電素子PEを駆動させることができる。
また、スイッチング素子TRは、常に接地と接続されているため、当該スイッチング素子TRとして、ロジック回路LCのロジック電圧によってオン−オフ制御できるものを用いて、図に示すようにレベル変換器を省略することができる。
また、第2の抵抗素子R24の抵抗値r24(Ω)を、抵抗素子R12の抵抗値r12(Ω)に比べて小さい値として、その抵抗値r24(Ω)を調整するようにすると、充電時の、スイッチング素子TRのオン抵抗値r0(Ω)と、抵抗素子R24の抵抗値r24(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×(r0+r24)、および放電時の、抵抗素子R12の抵抗値r12(Ω)と、抵抗素子R24の抵抗値r24(Ω)と、圧電素子PEの、コンデンサとしての容量値c(F)とによって決まる所定の時定数c×(r12+r24)を任意に、しかもより細かく調整することができる。
上記図6(a)〜図7(b)の圧電素子駆動回路も、前記図3、図4(a)(b)の圧電インクジェットヘッドに組み込むことができる。図6(a)〜図7(b)のいずれかの圧電素子駆動回路を用いて、上記の圧電インクジェットヘッドを駆動させる駆動方法としては、いわゆる押し打ち式の駆動方法が好適に採用される。
そして、待機時、すなわち図8(a)のt1より以前の状態では、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子TRをいずれもオフ状態とすることで、いずれの圧電素子PEにおいても、図8(b)に示すように駆動電圧を印加せずに、放電された変形解除状態を維持することで、加圧室2の容積を平常の状態に維持しておく。
ドットを形成するに際して、ノズル3を通してインク滴を吐出させる加圧室2においては、圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態として圧電素子を変形状態とすることで、加圧室の容積を減少させてインク滴を発生させる。
また、この間、ノズル3を通してインク滴を吐出させない加圧室2においては、スイッチング素子のオフ状態を維持し、それによって圧電素子PEの放電された変形解除状態を維持し続ける。そうすると、上記の、圧電素子を変形状態とする操作を行ったノズル3のみから選択的にインク滴を吐出させて、紙面にドットを形成することができる。
ドットの形成後は、図8(a)のt2の時点で、再びスイッチング素子TRをオフ状態として、図8(b)に示すように所定の時定数でもって圧電素子PEを放電させて変形解除状態とすることにより、圧電素子PEの変形解除状態を維持する待機状態に戻すことができる。
また、この待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子TRをオフ状態として、電源VRから接地EAに漏洩する電流を著しく減少させることができるため、インクジェットプリンタの、待機時の消費電力を低減することができる。
また、前記図6(a)〜図7(b)の各圧電素子駆動回路中に含まれる抵抗素子R12〜R24の抵抗値を調整して、(i)の工程における圧電素子PEの充電時の時定数や、(ii)の工程における圧電素子PEの放電時の時定数を、それぞれ、圧電素子の駆動に適するように設定することで、圧電素子の電圧の立ち上がり時間、および立ち下がり時間を各々、独立に適正な値に設定して、ノズル3におけるインク滴の形成と吐出や、共通供給路6から加圧室2へのインクの供給等を最良な状態に設定することができる。
なお、本発明の圧電素子駆動回路は、インクジェットプリンタ以外にも、例えば各種のアクチュエータ、フィルタ、圧電共振子(発振子を含む)、超音波振動子、超音波モータ、圧電センサ等における、圧電素子の駆動回路として適用することもできる。特にアクチュエータは、電気信号に対する応答速度がμsecオーダと非常に高速であるため、前記のようにインクジェットプリンタに好適に使用できる他、半導体製造装置のXYステージの位置決め用アクチュエータやマイクロポンプにも好適に採用される。
同図(a)は、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の一例を示す回路図、同図(b)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態としたときの、同回路の等価回路図、同図(c)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態としたときの、同回路の等価回路図である。 同図(a)(b)は、それぞれ、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の他の例を示す回路図である。 図1(a)〜図2(b)のいずれかの圧電素子駆動回路によって駆動される圧電素子を組み込むことができる、圧電インクジェットヘッドの一例において、当該圧電素子と振動板とを含む圧電アクチュエータを取り付ける前の状態を示す平面図である。 同図(a)は、上記例の圧電インクジェットヘッドにおいて、圧電アクチュエータを取り付けた状態での、1つのドット形成部を拡大して示す断面図、同図(b)は1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。 同図(a)は、上記例の圧電インクジェットヘッドを、図1(a)〜図2(b)のいずれかの圧電素子駆動回路によって駆動する際の、スイッチング素子の動作のタイミングを示すグラフ、同図(b)は、上記スイッチング素子の動作に伴って圧電素子に印加される電圧の波形を示すグラフである。 同図(a)は、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の他の例を示す回路図、同図(b)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態としたときの、同回路の等価回路図、同図(c)は、上記圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態としたときの、同回路の等価回路図である。 同図(a)(b)は、それぞれ、本発明の圧電素子駆動回路の、実施の形態の他の例を示す回路図である。 同図(a)は、前記例の圧電インクジェットヘッドを、図6(a)〜図7(b)のいずれかの圧電素子駆動回路によって駆動する際の、スイッチング素子の動作のタイミングを示すグラフ、同図(b)は、上記スイッチング素子の動作に伴って圧電素子に印加される電圧の波形を示すグラフである。 従来の駆動回路の例を示す回路図である。
符号の説明
VP 電源
EA 接地
PE 圧電素子
TR スイッチング素子
R11、R12 抵抗素子
C1 第1回路
C2 第2回路
R21〜R24 抵抗素子
2 加圧室
3ノズル
7 振動板
AC 圧電アクチュエータ

Claims (8)

  1. 圧電素子に充電して変形させる変形状態と、放電させて変形を解除する変形解除状態との組み合わせによって圧電素子を駆動させる駆動回路であって、
    電源と接地との間に、抵抗素子と圧電素子とをこの順に直列に繋いで第1回路を形成すると共に、この第1回路の、抵抗素子と圧電素子との間から分岐させて、スイッチング素子を介して接地に到る第2回路を形成してあり、
    スイッチング素子をオフ状態とすることで圧電素子に充電して変形状態とし、スイッチング素子をオン状態とすることで圧電素子を放電させて変形解除状態とすることを特徴とする圧電素子駆動回路。
  2. 第2回路に、スイッチング素子と直列に抵抗素子を設ける請求項1記載の圧電素子駆動回路。
  3. 第1回路の、第2回路の接続点と、圧電素子との間に、圧電素子と直列に抵抗素子を設ける請求項1記載の圧電素子駆動回路。
  4. (A) インクが充てんされる加圧室、
    (B) 加圧室に連通し、インクメニスカスが形成されるノズル、および
    (C) 圧電素子と、この圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を減少させることで、加圧室内のインクを、ノズルを通してインク滴として吐出させるための振動板とを含む圧電アクチュエータ、
    をそれぞれ複数個ずつ備えると共に、上記各圧電素子ごとに、請求項1〜3のいずれかに記載の圧電素子駆動回路を備える圧電インクジェットヘッドを駆動する方法であって、
    待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態として、いずれの圧電素子も変形状態を維持することで、加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、
    ノズルを通してインク滴を吐出させる加圧室においては、選択的に、
    (1) 圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態として、圧電素子を変形解除状態とすることで、加圧室の容積を増加させて、ノズル内のインクメニスカスを加圧室の側に引き込んだ後、
    (2) 再びスイッチング素子をオフ状態として、圧電素子を変形状態とすることで加圧室の容積を減少させることにより、
    ノズル内のインクメニスカスを振動させてインク滴を発生させると共に、ノズルから吐出させることを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法。
  5. 圧電素子に充電して変形させる変形状態と、放電させて変形を解除する変形解除状態との組み合わせによって圧電素子を駆動させる駆動回路であって、
    電源と接地との間に、圧電素子とスイッチング素子とをこの順に直列に繋いで第1回路を形成すると共に、電源から、抵抗素子を介して、上記第1回路の、圧電素子とスイッチング素子との間に到る第2回路を形成してあり、
    スイッチング素子をオン状態とすることで圧電素子に充電して変形状態とし、スイッチング素子をオフ状態とすることで圧電素子を放電させて変形解除状態とすることを特徴とする圧電素子駆動回路。
  6. 第1回路の、第2回路の接続点と接地との間に、スイッチング素子と直列に抵抗素子を設ける請求項5記載の圧電素子駆動回路。
  7. 第1回路の、圧電素子と、第2回路の接続点との間に、圧電素子と直列に抵抗素子を設ける請求項5記載の圧電素子駆動回路。
  8. (A) インクが充てんされる加圧室、
    (B) 加圧室に連通し、インクメニスカスが形成されるノズル、および
    (C) 圧電素子と、この圧電素子の変形によって撓んで加圧室の容積を減少させることで、加圧室内のインクを、ノズルを通してインク滴として吐出させるための振動板とを含む圧電アクチュエータ、
    をそれぞれ複数個ずつ備えると共に、上記各圧電素子ごとに、請求項5〜7のいずれかに記載の圧電素子駆動回路を備える圧電インクジェットヘッドを駆動する方法であって、
    待機時には、各圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオフ状態として、いずれの圧電素子も変形解除状態を維持することで、加圧室の容積を平常の状態に維持しておき、
    ノズルを通してインク滴を吐出させる加圧室においては、選択的に、圧電素子駆動回路のスイッチング素子をオン状態として圧電素子を変形状態とすることで、加圧室の容積を減少させてインク滴を発生させ、ノズルから吐出させることを特徴とする圧電インクジェットヘッドの駆動方法。
JP2004222836A 2004-07-30 2004-07-30 圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法 Pending JP2006035791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004222836A JP2006035791A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004222836A JP2006035791A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006035791A true JP2006035791A (ja) 2006-02-09

Family

ID=35901274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004222836A Pending JP2006035791A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006035791A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007274848A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Kyocera Corp 圧電アクチュエータの駆動方法および圧電アクチュエータユニット
US7867450B2 (en) 2006-11-08 2011-01-11 Seiko Epson Corporation Liquid droplet ejecting head, inspection device, and method of using inspection device

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01297257A (ja) * 1988-05-25 1989-11-30 Canon Inc インクジェット記録方法
JPH0924609A (ja) * 1995-07-12 1997-01-28 Mita Ind Co Ltd インクジェットヘッド駆動装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01297257A (ja) * 1988-05-25 1989-11-30 Canon Inc インクジェット記録方法
JPH0924609A (ja) * 1995-07-12 1997-01-28 Mita Ind Co Ltd インクジェットヘッド駆動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007274848A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Kyocera Corp 圧電アクチュエータの駆動方法および圧電アクチュエータユニット
US7867450B2 (en) 2006-11-08 2011-01-11 Seiko Epson Corporation Liquid droplet ejecting head, inspection device, and method of using inspection device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000141647A (ja) インクジェット記録装置
JP4563786B2 (ja) 液体吐出装置およびその駆動方法
JP2020138515A (ja) 液体吐出ヘッド及びプリンタ
JP2002355967A (ja) 液体吐出ヘッド駆動装置
US7488057B2 (en) Piezoelectric ink jet printer head and its manufacturing process
JP2010105300A (ja) 液体吐出装置
JP4580201B2 (ja) 圧電素子の再生方法および液体吐出装置
JP4494880B2 (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法
JP4323197B2 (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法
US6805420B2 (en) Drive unit for liquid ejection head and liquid ejection apparatus provided with such unit
JP2010105299A (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッド
JP2006035791A (ja) 圧電素子駆動回路とそれを用いた圧電インクジェットヘッドの駆動方法
US11059285B2 (en) Liquid discharge head and printer
JP2004351879A (ja) 圧電インクジェットヘッド
JP2006158127A (ja) 圧電アクチュエータとその再生方法および液体吐出装置
JP2006272702A (ja) 液体吐出装置
JP4847180B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動方法および圧電アクチュエータユニット
JP5274883B2 (ja) インクジェットヘッド及びその揺動方法、並びに画像形成装置
JP4541856B2 (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法
JP2004351878A (ja) 圧電インクジェットヘッド
JP2004195792A (ja) インクジェット記録装置
JP2004017600A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US8944566B2 (en) Inkjet print head
JP2017087510A (ja) 液体吐出ヘッドの駆動方法、液体吐出ヘッドおよび液体を吐出する装置
JP2024047749A (ja) 液体吐出ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070618

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101008

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110210