JPH01297257A - インクジェット記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット記録方法に関し、さらに詳しく
は、インク流路に沿って設けられた電気機械変換素子に
より発生する圧力でインク吐出口からインク滴を噴射し
て記録を行うインクジェット記録方法に関する。

〔従来の技術〕

インクジェット記録方法として、インク供給口からイン
ク吐出口へ至るインク流路の一部に設けたインク加圧室
を、圧電素子等の電気機械変換素子で膨張させることに
より、前記インク供給口からインクを吸収し、しかる後
、前記インク加圧室を収縮させてインクを吐出させる方
法が、例えば、特開昭５７−１０５３６１に開示されて
いる。

第２図はこの種のインクジェットヘッドの駆動方法で電
気機械変換素子としての圧電素子に印加される最も基本
的な電圧パルス波形を示す。

第２図において、変換素子に常時圧の電圧を印加してイ
ンク加圧室の容積を縮小させておき、インク吐出指令が
あった時急激に電圧をほぼ零まで下げて立下がり部（ス
テップ波形）１を形成することによりインク加圧室を急
激に膨張させ、その後所定時間そのままの状態を保ち（
平行部２）、次いで再び電圧を急激に増加させてステッ
プ波形（立上がり部）３を形成し、インク加圧室を急激
に収縮させる駆動方法、すなわち、矩形波の電圧パルス
を印加して駆動する方法（記録方法）が−般に採用され
る。

このような電圧パルスによる駆動方法は、前述のインク
加圧室の収縮によってインク吐出口からインクを吐出さ
せようとするものである。

第３図〜第６図は第２図の印加電圧パルスで記録する場
合のインク吐出のメカニズムを経時的に示す縦断面図で
ある。

すなわち上記駆動方法では、第３図に示すように、印字
指令に基づいてステップ電圧（立上がり電圧）■が圧電
素子４に印加された瞬間に該圧電素子４は膨張し、線６
．７で囲まれたインク加圧室内のインク５の圧力が周囲
の圧力（例えば大気圧）ＰＯより低くなる。

第３図ではインク加圧室内の圧力が周囲よりΔＰだけ低
いことを示すため、−ΔＰで表示する。

以下では、周囲の部分の圧力ＰＯより圧力の低い部分は
負圧部分と称するとともに一符号を用いて示し、周囲の
部分ＰＯより圧力の高い部分は正圧部分と称するととも
に十符号を用いて示す。

インク加圧室内に生じた負圧部分−ΔＰ（第３図）は、
素子４の膨張によって形成されると直ちに２つの負圧部
分に分かれ、１つはインク供給口８に向かい、他の１つ
はインク吐出口９に向かってそれぞれインク流路内を伝
播していく。

これら２つに分かれた負圧部分は第４図中に負圧部分１
０．１１で示し、それぞれ−１／２ΔＰの負圧を呈する
。

一方の負圧部分１１がインク吐出口９に到達すると、イ
ンクと外界との境界面であるメニスカム１２が内方へ引
き込まれ、第４図中破線１２Ａで示す位置へ移りそこで
静止する。

次いで、この負圧部分１１はインク吐出口９で反射され
て内方（インク供給口８）へ向かってインク流路内を伝
播していく。

これに続いて第２図の電圧ステップ（立上がり部）３が
素子４に印加されると、該素子４が急激に収縮し、第５
図に示すようにインク加圧室内のインク５に＋ΔＰの正
圧部分か形成され、この正圧部分は前述の負圧部分の場
合と同様に２つに分かれ、第６図に示すように、圧力が
＋１／２ΔＰである２つの正圧部分１２．１３となって
インク供給口８およびインク吐出口９へ向かってそれぞ
れインク流路内を伝播していく。

一方の正圧部分１３がインク吐出口９に到達すると、メ
ニスカス１２Ａはインク吐出口９から押し出されてイン
ク滴を形成し、インクの吐出が生じる。

（発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記駆動方法では、インク流路内にイン
ク吐出に関与する正圧部分１３以外の余分の圧力波１０
．１１．１２が形成され、これら余分の圧力波がインク
流路内を往復しインク吐出口９に到達した際に、メニス
カス１２を引き込んでインク吐出口９から空気を取り込
み泡がインク流路内に生じたり、逆に、メニスカスをイ
ンク吐出口９から押し出し余分のインク滴を形成して吐
出させたりする現象が生じ、このため、インク滴の吐出
が不可能または不安定になったり、余分のインク滴吐出
によって画像品質の低下を招いたりするなどの不具合が
あった。

このような不具合を解消するため、例えば、特開昭５９
−１７６０６０では、第７図に示すように、前述の矩形
状の電圧パルス１．２．３（第２図）の他に別の矩形状
の電圧パルス１４．１５．１６を追加することにより泡
の取り込みや余分のインク滴の吐出を防止しようとする
提案がなされている。

しかし、この提案では、追加した電圧ステップ１４．１
６でさらに２つづつ合計４つの圧力波がインク流路内に
発生するため、ある条件下では性能向上がみられても、
−船釣には、前述の泡の取り込みや余分のインク吐出に
よる画像品質低下を解決することはきわめて困難であっ
た。

そこで、さらに同様の一連の電圧ステップを追加するこ
とが同提案の中で例示されているが、これでは、さらに
別の圧力波をインク流路内に発生させる原因となるばか
りでな（、複雑な駆動電圧波形を必要とすることになり
、実用的な解決策を提供するまでには至らなかった。

〔問題点を解決するだめの手段〕

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので
あり、電気機械変換素子を膨張収縮させて得られる圧力
波動でインクを噴射するに際し、簡易な方法でインク滴
を安定した状態で吐出させうるインクジェット記録方法
を提供することを目的とする。

本発明は、電気機械変換素子を常時収縮させておき、印
字指令に基づき該変換素子を膨張させてインクを吐出し
、その後膣変換素子をゆるやかに収縮させて元の状態に
復帰させ、次の印字指令を待機するインクジェット記録
方法により、上記目的を達成するものである。

本発明では、例えば電気機械変換素子４として圧電素子
を用いた場合、該圧電素子に印加する電圧として、まず
インク吐出待機的には正の一定電圧（ここでは正の電圧
が圧電素子の電極に印加されている時にインク加圧室が
収縮するように極性が設定されているものとする）を印
加しておき、インク吐出指令があった時、急激な電圧ス
テップ（立下がり）によって印加電圧を零または然るべ
き低い電圧に急変させて圧電素子を急激に膨張させ、そ
の後印加電圧を徐々にインク吐出待機中の電圧（正の一
定電圧）へ戻すことにより、圧電素子を徐々に収縮させ
るインクジェット記録方法が提供される。

〔実施例〕

第１図は本発明に一実施例によるインクジェット記録方
法を示し、第１図中の（Ａ）は変換素子４に印加される
電圧波形を示し、（Ｂ）はインク流路の縦断面を示し、
（Ｃ）は（Ａ）の電圧波形を（Ｂ）の変換素子（圧電素
子）４に印加した時のインク流路内の圧力波の伝播状況
を示すグラフである。

第１図の（Ｂ）において、インク供給口８およびインク
吐出口９との間を延びるインク流路の途中に電気機械変
換素子（圧電素子）４が添設され、インク吐出指令入力
端子Ｓからの指令信号が入力されると、駆動回路Ｉ８が
動作して第１図の（Ａ）の電圧波形が変換素子４に印加
され、インク吐出口９からインク〆１１ｉ１７が吐出さ
れる。

第１図の（Ａ＞において、予め正の一定電圧（波形部分
２１）を変換素子４に印加しておくことにより該変換素
子４を収縮させてインク吐出待機状態に保持しておき、
時刻１＝０で印字指令があると、急激な電圧下降ステッ
プ１９を形成して変換素子４に対する印加電圧を零また
は然るべき低い値まで下げることにより、該変換素子４
の収縮の全部または一部を解いて膨張させる。

次いで、変換素子４に印加している電圧を、第１図の（
Ａ）中の波形部分２０に示すように、ゆるやかに上昇さ
せて変換素子４を徐々に収縮させ、インク吐出待機状態
の元の印加電圧２１に戻し、次のインク吐出に備える。

すなわち、本発明によるインクジェット記録方法は、前
述のごとく、インク流路に沿って設けられた電気機械変
換素子４を収縮膨張させ、該流路内のインクに発生する
圧力波動によりインクを噴射して記録するに際し、前記
変換素子４を常時収縮させておき（波形２１）、印字指
令Ｓに基づき該変換素子４を膨張させて（ステップ１９
）インクを吐出させ（インク滴１７）、その後前記変換
素子４をゆるやかに収縮させて（波形２０）元の状！ｔ
３（電圧印加状態２１）へ復帰させ、次の印字指令を待
機する駆動方法で実施される。

以上の駆動方法にあっては、印字指令が発せられた時点
（ｔ　＝　０）で電圧ステップ１９が素子４に印加され
ると、インク加圧室は膨張し、このため第３図および第
４図に示すようにインク流路内を伝播する２つの負圧部
分１０、ＩＩが発生する。

インク吐出口９へ向かう方の負圧部分１１の伝播状態が
第１図の（Ｃ）中の番号２２で示され、他方のインク供
給口８へ向かう負圧部分１ｏの伝播状態は（Ｃ）中の番
号２５で示されている。また、これらの負圧部分１０．
１１はそれぞれ（Ｃ）中の番号２６．２３で示すように
インク供給口８およびインク吐出口９に到達するとそこ
で反射され、逆方向へ伝播する圧力波になる。この逆方
向の圧力波の伝播状態は（Ｃ）中に番号２７および２４
で示されている。

以下同様に第１図の（Ｃ）の図表に示すように方向転換
を繰返しながらインク流路内を伝播する。

ところで、（Ｃ）の図表中の番号２３で示すように負圧
部分１１がインク吐出口９に到達すると第４図に示すご
と（メニスカス１２を引き込んで１２Ａの位置まで移動
させここに静止させる。

この負圧部分１１はその後前述のごとくインク吐出口９
で反射してインク供給口８へ向けて伝播する。

１＝０で発生したもう１つの負圧部分１０は、初めにイ
ンク供給口８へ向けて伝播し、ここで反射されて正圧′
部分となってインク吐出口９へ向かい、インク吐出口９
に到達するとすでに引き込まれたメニスカス１２Ａを該
インク吐出口９より外へ押し出し、更にインクｆＮ１？
（第１図の（Ｂ））を形成しインク吐出を行う。

第８図は第１図の（Ａ）中の電圧波形２１．１９．２０
．２１を発生させるための回路を例示する。

第８図において、トランジスタ３１のエミッタに入力さ
れる電圧パルス３２はインク吐出指令信号を示し、この
電圧パルス３２の幅ｔＱを変化させることによって第１
図の（Ａ）中の電圧ステップ１９の高さを調節すること
ができる。

第８図中の変換素子（圧電素子）４の静電容量を５００
０ρＦ程度とし、さらに、抵抗２９．３０のそれぞれを
例えば３０にΩ、６ｏΩ程度とすると、第１図の（Ａ）
に示した波形の電圧Ｖを得ることができる。

以上説明した本発明のインクジェット記録方法によれば
、電気機械変換素子４に予め電圧を印加して収縮させて
おき、次にインク吐出指令に基づいて収縮を解除する方
向の急激な電圧ステップ１９を印加して急激に膨張させ
る。

この膨張によって発生する２つの負の圧力波１Ｏ５１１
のうち、インク供給口８側へ向がう負の圧力波ｌＯが該
インク供給口部分で反射されると、正の圧力波となって
今度はインク吐出口９へ向がって伝播する。

この正の圧力波となって伝播する反射波を利用してイン
ク吐出口９からインク滴を吐出させる。

その後、前記変換素子４をゆるやかに収縮させ、インク
流路内に圧力波が発生することを防止しながら、元の収
縮状態に復帰させる。

この復帰の際に、第１図の（Ａ）中の２０のようにゆる
やかに収縮させるので、インク吐出に関与しない不必要
な圧力波がインク流路内に発生することを効果的に防止
することができ、インク滴の安定した吐出動作を実現す
ることができた。

また、第４図に示すように内方へ後退したメニスカス１
２Ａの位置から吐出インクを外方へ加速することになる
ので、加速期間（加速距離）を充分確保することが可能
になった。

このため、十分な速度に達した後インクが吐出口９から
吐出されるので、大きなインク滴ではなく、小さな速度
の大きいインク滴を安定した状態で形成することが可能
になった。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、圧電
素子等の電気機械変換素子を常時収縮させておき、印字
指令に基づき該素子を膨張させてインクを吐出させ、そ
の後前記素子をゆるやかに収縮させて元の状態に復帰さ
せ、次の印字指令を待機するので、簡便な構成でインク
滴を安定した状態で吐出させることができ、画像品質の
向上並びに作動の信頼性向上を達成しうるインクジェッ
ト記録方法が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図の（Ａ）、（Ｂ）および（Ｃ）は本発明によるイ
ンクジェット記録方法の一実施態様を示すものであり、
（Ａ）は素子への印加電圧波形を、（Ｂ）はインクジェ
ットヘッドの構造を、（Ｃ）はインク流路内の圧力波の
伝播チャートをそれぞれ示し、第２図は従来のインクジ
ェット記録方法における印加電圧波形を示し、第３図〜
第６図は変換素子に電圧が印加された後のインク流路内
の圧力波の状態を経時的に示す模式図、第７図は従来の
インクジェット記録方法における他の印加電圧波形を示
し、第８図は第１図の（Ａ）の電圧波形を得るのに好適
な回路構成を示す回路図である。 ４・−・・−・・・・・・電気機械変換素子（圧電素子
など）、５−・・・・−・・・インク加圧室、８−−−
−−−−−−−インク供給口、９−・−・−インク吐出
口、１０．１１−−−−−−一圧力波１９−−−−−−
〜・素子を膨張させる電圧ステップ、２０−−一−−−
・・−・−ゆるやかに収縮させる波形部分、２１−・・
−一・常時収縮用の印加電圧、Ｓ−・−・・−・・印字
指令（インク吐出）信号。 代理人　弁理士　　大　音　康　毅

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）インク流路に沿って設けられた電気機械変換素子
   を収縮膨張させ、該流路内のインクに発生する圧力波動
   によりインクを噴射して記録するインクジェット記録方
   法において、前記変換素子を常時収縮させておき、印字
   指令に基づき該変換素子を膨張させてインクを吐出させ
   、その後前記変換素子をゆるやかに収縮させて元の状態
   に復帰させ、次の印字指令を待機することを特徴とする
   インクジェット記録方法。