JP2763364B2 - インクジェット装置 - Google Patents

インクジェット装置

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JP2763364B2 JP2045315A JP4531590A JP2763364B2 JP 2763364 B2 JP2763364 B2 JP 2763364B2 JP 2045315 A JP2045315 A JP 2045315A JP 4531590 A JP4531590 A JP 4531590A JP 2763364 B2 JP2763364 B2 JP 2763364B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、インク噴射口(インク吐出口)から紙など
の記録媒体に向かってインクを滴として噴射(吐出)さ
せ、文字や画像を記録媒体に形成するインクジエツト記
録装置に関するものである。
〔背景となる技術〕
インクを滴として噴射させて記録を行うインクジエツ
ト記録装置が、近年ますます注目を集めている。この装
置は他の記録装置に比べ、 高速記録が可能 カラー化が容易 普通紙に記録が可能 騒音が小さい 記録品位が良い といった多くの利点が持っている。
このようなインクジエツト記録装置の代表例は、イン
クを噴射する噴射口と、その噴射口に連通するインク
路、及びそのインク路に設けられ、インク路のインクを
噴射させるために利用されるエネルギーを発生するエネ
ルギー発生手段と、を有する記録ヘツドを備えている。
記録ヘツドは入力された記録情報に応じて選択的に噴射
口からインクを滴として噴射させ、記録媒体に文字や画
像を形成する。
ここで使用されるインクは、一般に顔料や染料等の溶
質成分と、これを溶解または分散させるための水や有機
溶剤等から成る溶媒成分とによって形成されている。
第2図(1)は、従来のインクジエツト記録ヘツドの
一例の構造を示す模式的断面図である。第2図(2)
は、第2図(1)のA−A′での模式的断面図である。
第2図において、101は記録ヘツドであり、1はSi
(シリコン)基板、2は記録ヘツド本体を示す。インク
ジェット記録ヘッドには、複数のインク噴射口8と、そ
れぞれ複数のインク噴射口8に対応した複数のインク路
(ノズル)6と、発熱抵抗体を有する複数のエネルギー
発生体3とが配置されている。各インク路は、インク路
分離壁11によって分離されている。インク路の並びピツ
チは63.5μmである。
エネルギー発生体3は、記録情報に基づく駆動信号に
よって、複数個あるインク路6のインクを選択的に噴射
口8より噴射させる。この駆動信号は、フレキシブルケ
ーブル5によって不図示の記録装置の駆動回路に電気的
に接続されている。9は共通インク室で、複数個のイン
ク路6全てに通じており、噴射口8より噴射した分のイ
ンクはインク路6、共通液室9を通じて、インク供給チ
ユーブ4より供給される。インク供給チユーブ4と共通
インク室9の間には、インク噴射口8より十分小さい穴
が多数あいたゴミ取り用のフイルター7がある。インク
室6は全部で265個あり、説明のため第2図(2)で1
から256まで番号付けをしてある。Si(シリコン)基板
1の下部には、記録ヘツド全体の機械的強度を強くする
ためのAl(アルミニウム)基板がある。
〔発明が解決しようとしている課題〕
この様な従来のインクジエツト記録ヘツドは、複数の
インク路が1個の共通インク室に連通している構造のた
め、各インク路間の相互干渉が発生し、インクの噴射特
性が悪化してしまうことがあるという問題があった。
ここで相互干渉とは、記録ヘツドから 第1のインク噴射により、ある特定の吐出口からイン
クを噴射させる、 第2のインク噴射により、の吐出口に隣接する吐出
口からインクを噴射させる、 としたとき、の動作の直後にの動作を行った場合
と、の動作は無く、またはの動作後十分長い時間の
後にの動作を行った場合とで、第2の噴射によるイン
クの噴射量やインクの噴射速度等が変化する現象のこと
を言う。
噴射特性の悪化とは、噴射量や噴射速度の変化量が大
きいことを言い、この時、記録される文字や画像の品位
が劣化する。特にインクの噴射量の変化は、品位に対す
る影響力が大きい。尚、この現象の発生は、やの動
作で、同時にインクを噴射させる吐出口の数が多いほ
ど、また、記録ヘツドの構造で、複数のインク路の分離
隔離後端と共通液室の後面との距離が短かいほど著し
い。
この相互干渉の発生原因について、第3図を用いて説
明する。第3図(1)は、記録ヘツド101のエネルギー
発生体を形成する発熱抵抗体に対し、パルスP1により
の第1の噴射を行うタイミングt=0と、パルスP2によ
りの第2の噴射を行うタイミングt=tsを付与するこ
とを示す図である。P1とP2のパルス幅は、それぞれ10se
cで、発熱抵抗体に印加する電圧は30Vである。第3図
(2)は、第2図(2)の一部を描いた部分断面図であ
り、第1のパルスP1により、インク路No.1〜4のエネル
ギー発生体を同時に駆動し、第2のパルスP2でインク路
No.5〜8のエネルギー発生体を駆動しようとする直前の
時刻を示す。インク路No.1〜4のエネルギー発生体の発
熱により、気泡21が発生し、矢印Cで示す方向に、イン
クが噴射し始める。これと同時に、共通液室9側にも、
矢印Dで示すようにインクが少量逆流する。この現象に
より、インク路No.5以降のインク路に連通する噴射口か
らは、矢印Eで示す方向にインクは完全に噴射しないも
のの、若干量だけ噴射方向にでっぱる。すなわち、イン
クと外気の界面であるメニスカスがやや凸状になる。こ
の後、インク路No.1〜4に連通する吐出口からのインク
噴射は、正常に行われる。
ところが、もし、t=ts=13(μsec)でP2を印加
し、インク路No.5〜8に連通する吐出口からインクを噴
射させると、メニスカスが凸状の状態からの噴射とな
り、P1が無くP2のみを印加させた場合に比べ、インク路
No.5〜8に連通する吐出口から噴射されるインクの体積
はΔVだけ多くなる。即ち、より大きいインク滴が噴射
される。
一般に、隣接記録点のインク噴射量の変化が約10
(%)であると、目視で記録品位の劣化が確認されるこ
とが知られている。
インク路No.5に連通する吐出口からのインク噴射量の
増加分を正確に測定することは難しいが、近似的な計算
により次の様であることが予想される。第2図(2)の
状態で、インク路No.5に連通する吐出口からのメニスカ
スのでっぱり量は10(μm)であった。現実のインク路
の断面は20(μm)×25(μm)であるが、直径25(μ
m)の円筒型であると近似した。
更に顕微鏡観察により、メニスカスのでっぱりが第4
図のように球の一部であると近似されることから、メニ
スカスのでっぱりによる増加は、 ΔV1=2.98(pico 1itter) である。次にインクを噴射しない定常状態では、メニス
カスはやや凹状で2(μm)へこんでいるようにセツト
されている。これが吐出口面と一致するまでの差分は、 ΔV2=0.16(pico 1itter) である。これらから、インク噴射量の増加分は ΔV=ΔV1+ΔV2 =3.14(pico 1itter) となる。通常のインク滴の噴射量は、V=28(pico 1i
tter)程度であるため、インク滴の変化量は、 ΔV/V=11.2(%) となり、記録品位が劣化してしまう。
また、これまでの説明では、インク路No.5に連通する
吐出口のメニスカスが最もでっぱるタイミングでP2を印
加するとしたが、これより若干早いタイミングでP2を印
加するほうが、インク滴の変化量がより大きくなること
が確認された。これは、エネルギー発生体に電圧を印加
してからインクに気泡が発生するまでに時間的な遅れが
あること、及びメニスカスが最もでっぱる時間よりも、
この直前でメニスカスがでっぱる方向に移動している時
のほうがインクが噴射する方向に受けている力が大きい
からであると考えられる。
更に、t=40(μsec)付近でP2を印加すると、これ
までとは逆に、インク滴の変化量が負の値となった。こ
の現象は、一度凸状になったメニスカスがインクの表面
張力により回復し、その運動エネルギーにより、定常状
態より更に凹状になったこと、および、インク路No.1〜
4に発生していた気泡が消えるタイミングで第3図
(2)の矢印DとEとが逆の方向に向いているからであ
ると考えられる。
これらの問題点を解決する方法として、USP4,578,678
がある。これは、記録ヘツド101の一部にインクの大気
解放部を設け、特定の吐出口からのインク噴射時に、共
通インク室9内の圧力変動を大気に発散させ、他のイン
ク路に干渉させないようにしたものである。しかし、こ
の方法は、大気解放部からの微小ゴミの進入や、インク
の蒸発による物性値の変化によるインク噴射不良の誘
発、さらには、インク固着による噴射不能の発生が起こ
ることがあるという問題点がある。また、この問題点を
解決するためには、装置が複雑になってしまう。
また、相互干渉による問題の発生を最少限にする対策
の1つとして、エネルギー発生体3の後部から共通液室
9の後部までの長さdを十分長くする方法がある。実験
ではdを6.0(mm)より長くすることにより、相互干渉
を最少限にすることができた。しかし、この方法は、記
録ヘツドの大きさをより小さくし記録装置自体を小型に
したい要求に反している。また、特にSi基板は高価な部
品であり、記録ヘツドを大型化することは装置のコスト
アツプにつながる。
さらに、非噴射吐出口でのメニスカスの振動による相
互干渉を防ぐ方法として、全インク路を同時に駆動する
方法もある。しかし、この方法では、全インク路数が増
せば増すほど、エネルギー発生体に与えるエネルギーの
集中による駆動装置の蓄エネルギーの増加(即ち、エネ
ルギー発生体が発熱抵抗体を用いて形成されている場合
の駆動電源容量の増加など)が必要となり、装置が大型
化し、且つ装置コストが増大する。
また、第5図に示す様に、全インク路を数ブロツクに
分割して、さらに、ある吐出口からインクを噴射させた
後、隣接するブロツクに属する吐出口からの噴射タイミ
ングを、メニスカスが凸状でも凹状でもなく、定常状態
となるまで十分な時間経過後とすることにより、相互干
渉を防止できる。第5図では、インク路No.16までを示
しているが、以下同様に例えばインク路No.256まで続い
ている。しかしながら、この方法は、高速記録の要求に
相反するものである。また、噴射タイミングの遅れによ
り、記録された文字や画像に段差が目だち、記録品位を
劣化させてしまう。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであ
り、高品位で高速記録が可能なインクジエツト記録装置
を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、小型でかつ低価格のインクジエ
ツト記録装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明は、 インクを吐出する吐出口に対応し、インクを吐出する
ためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段が設け
られたインク路の複数と、この複数のインク路が連通す
る共通インク室とを有する記録ヘッドを用い、駆動手段
によって前記記録ヘッドの前記複数のインク路に設けら
れたエネルギー発生手段を所定のブロック単位で時分割
して駆動することによって記録を行うインクジェット装
置において、 前記駆動手段は、所定のブロックに属するエネルギー
発生手段の駆動の後、該所定のブロックに位置的に隣接
するブロックに属する吐出口のメニスカスの位置が定常
状態と同じ位置に最も早く復帰するタイミングに実質的
に合わせて、該隣接ブロックに属するエネルギー発生手
段を駆動させることを特徴とする。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細
に説明する。
第1図は、本発明の実施例のインクジエツト記録装置
の駆動タイミングを示す図である。記録ヘツドの基本的
構造は従来の第2図の構造と同じである。全吐出口の数
は4637であり、吐出口の並びピツチは63.5(μm)であ
り、400DPIの記録密度で約30cmの幅を記録できる。イン
ク路隔壁11の後部(インク路と共通インク室との連通口
部分)から共通液室9の後端面の壁までの長さdは2
(mm)と従来より短くなっている。
第1図において (1)はインク路No.1〜64のエネルギー発生体を同時
に駆動させる第1のパルスP1 (2)はインク路No.65〜128のエネルギー発生体を同
時に駆動させる第2のパルスP2 (3)はインク路No.129〜192のエネルギー発生体を
同時に駆動させる第3のパルスP3 (4)はインク路No.193〜256のエネルギー発生体を
同時に駆動させる第4のパルスP4であり、以下パルスは
パルス74まで続いて全インク路のエネルギー発生体を駆
動する。パルス幅は全て7(μsec)である。
(5)はインク路No.1〜64のエネルギー発生体にパル
スP1のみを印加した時に、隣接するインク路、即ち、イ
ンク路No.65に連通する吐出口のメニスカスのでっぱり
量X(μm)を示す。ここでサインが+は凸状を、また
−は凹状を示す。定常状態ではX=−2(μm)であ
る。尚、インク路No.66に連通する吐出口のメニスカス
は、インク路No.65に連通する吐出口のメニスカスより
緩和された動きをする。
(6)は(1)〜(5)までの時間軸t(μsec)を
示す。
(5)で、パルスP1を印加後、遅れ時間tdの後、すな
わち、t=tdからXが定常状態X=X0から変化しはじめ
て、t=t1で最大となる。その後t=t3で定常状態と同
じX=−2となり、t=t4でXは最小となる。さらにt
=t5で、再び定常状態と同じX=−2となり、以後は、
メニスカスの位置Xは変化しない。
ここで、P1を印加後、t=t1付近でP2を印加すると、
P2によるインク噴射量は、P1が無くP2のみによる噴射量
より増加する。また、P1を印加後t=t4でP2を印加する
と、P2によるインク噴射量は、P1が無くP2のみによる噴
射量より減少する。
そこで、P1印加後、t2=t3−td(μsec)のタイミン
グでP2を印加すると、P1の有無に関わらず、P2によるイ
ンク噴射量は変化しなかった。すなわち、相互干渉の影
響が見られなかった。これは全インク路のエネルギー発
生体の分割駆動により、まず第1ブロツクの噴射のた
め、パルスP1でインク路No.1〜64のエネルギー発生体を
駆動し、この駆動により隣接する第2ブロツクであるイ
ンク路No.65〜128に連通する吐出口のメニスカスが、凸
状に変化し、その後、第2ブロツクの吐出口のメニスカ
スが最も早く定常状態と同じ位置に復帰する時刻t=t3
に実質的に第2ブロツクのエネルギー発生体を駆動させ
ることにより実現された。パルス印加後td(μsec)の
遅れ時間でインクにエネルギーが作用するため、P2はt3
−td(μsec)とした。以下、P3、P4、…、とP74まで、
t3=2×t2,t4=3×t2,…とした。
分割駆動のタイミング図は従来と同様に第5図である
が、パルス印加の間隔は、従来t5−tdであったものがt3
−tdとなり、実施例では約2倍の高速化が可能となっ
た。
なお、t3は、X=X0となる時刻であるが、X=X0±1
(μm)の範囲内では良好な効果が得られた。具体的に
は、td=5(μsec)、t3=35(μsec)で、t2=30(μ
sec)である、t2は29(μsec)から31(μsec)でよ
い。
第6図は記録ヘツドの駆動回路の概略を示すブロツク
図である。まず記録データS1が全インク路に対応してシ
リアルに4736個分がデータラツチ回路104に送られ、ラ
ツチ信号S2により、記録データを一時記憶する。デイジ
タルの記録データが、Hレベルのときは記録する。即
ち、インクを噴射させる。同じくLレベルの時は記録し
ない。この記録データは、ロジツク回路103に送られ
る。記録開始信号S3がロジツク回路103に入力されると
第1図に示すブロツク毎のイネーブル信号(P1,P2,P3,
…)を発生し、ラツチされた記録データとの論理積をと
り、やはり4736個あるトランジスタ102を選択的に駆動
する。トランジスタ102がオンすると、対応したインク
路の発熱素子105が発熱し、インクを噴射させる。
前述した実施例では、全インク路数Nt=4736でNb=64
ずつを分割駆動する場合を示したが、これらの数に限定
されることなく、Ntは2以上でNbは1以上で、かつ、全
インク路を分割駆動しているものには、全て本発明を適
用できる。ただし、隣接するインク路間の相互干渉は、
Nbが多いほど大きいため、Nbが多いほど得られる効果も
大きい。特に、Nbが64以上で得られる効果は絶大であ
る。
実施例では、エネルギー発生体として電気熱変換体を
使用した場合を示したが、これに限定されるものではな
い。例えば圧電素子などの電気機械変換素子でもよく、
また静電気によるインク噴射による場合でも、更には電
気放電によるインク噴射の場合でも、またその他隣接す
るインク路のメニスカスが動く場合には本発明を適用す
ることができる。
第7図は、本発明に係るインクジェット装置の一例の
外観を示す模式的斜視図である。第7図において、符号
1000は装置本体、1100は電源スイツチ、1200は操作パナ
ルである。
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でもバブ
ルジェット方式の記録ヘッド、記録装置に於いて、優れ
た効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。こ
の方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場
合には、液体(インク)が保持されているシートや液路
に対応して配置されてい電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱
変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作
用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対
応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効であ
る。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた
液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。この
パルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号
明細書、同第4345262号明細書に記載されているような
ものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関
する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことがで
きる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数
の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変
換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59年第123670
号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部
に対応せる構成を開示する特開昭59年第138461号公報に
基づいた構成としても本発明は有効である。
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対しての、キャピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別
の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した
記録を行なうために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
以上説明した本発明実施例においては、液体インクを
用いて説明しているが、本発明では室温で固体状である
インクであっても、室温で軟化状態となるインクであっ
ても用いることができる。上述のインクジェット装置で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時に
インクが液状をなすものであれば良い。加えて、積極的
に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体
状態への態変化のエネルギーとして使用せしめることで
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液
化してインク液状として吐出するものや記録媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エ
ネルギーによって初めて液化する性質のインク使用も本
発明には適用可能である。このような場合インクは、特
開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に
記載されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、本発明では、同一の記録ヘツド内
に複数のインク路と1つの共通液室とを有し、かつ、複
数のインク路のエネルギー発生体を2個以上のブロツク
に分けて分割駆動する記録ヘツドの駆動法を利用して、
特定ブロツクB1のインク噴射時に、隣接する非噴射ブロ
ツクB2のメニスカスの位置が噴射方向に前後する特性を
有する記録ヘツドを用いて、B2のメニスカスの位置が定
常状態と同じ位置に最も早く復帰するタイミングでB2を
実質的に駆動させる駆動方法により、各ブロツクごとの
インク路間で相互干渉することなくインクを噴射させ、
高品位な記録を行うことが可能となる。
特に、同時に駆動するインク路Ndが多いほど効果的
で、Ndが64本以上で得られる効果は絶大である。
更に、共通液室の幅dを小さくすればするほど、相互
干渉は発生しやすいため、本発明により得られる効果が
大きく、特にdが6.0(mm)以下で効果的である。
このため、小型で低価格な記録装置を得ることが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例のインクジエツト記録装置の
駆動タイミングを示す図である。 第2図(1)は、従来のインクジエツト記録ヘツドの一
例の構造を示す模式的断面図である。第2図(2)は、
第2図(1)のA−A′での模式的断面図である。 第3図(1)及び(2)は、記録ヘツドの電気熱変換体
へのパルス電圧印加時における圧力の伝わり方を示す図
である。 第4図は、メニスカス凸状量の近似モデルを示す図であ
る。 第5図は、従来の分割駆動法を示すタイミング図であ
る。 第6図は、記録ヘツドの駆動回路の概略を示すブロツク
図である。 第7図は、本発明に係るインクジェット装置の一例の外
観を示す模式的斜視図である。 1:Si基板 2:記録ヘツド本体 3:エネルギー発生体 4:インク供給チユーブ 5:フレキシブルケーブル 6:インク路 7:フイルター 8:噴射口 9:共通液室 10:Al基板 11:インク路分離隔壁 101:記録ヘツド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 秀美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小泉 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 金子 峰夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−56556(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出する吐出口に対応し、インク
    を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生
    手段が設けられたインク路の複数と、この複数のインク
    路が連通する共通インク室とを有する記録ヘッドを用
    い、駆動手段によって前記記録ヘッドの前記複数のイン
    ク路に設けられたエネルギー発生手段を所定のブロック
    単位で時分割して駆動することによって記録を行うイン
    クジェット装置において、 前記駆動手段は、所定のブロックに属するエネルギー発
    生手段の駆動の後、該所定のブロックに位置的に隣接す
    るブロックに属する吐出口のメニスカスの位置が定常状
    態と同じ位置に最も早く復帰するタイミングに実質的に
    合わせて、該隣接ブロックに属するエネルギー発生手段
    を駆動させることを特徴とするインクジェット装置。
  2. 【請求項2】前記複数のインク路と前記共通インク室と
    の連通口と、前記共通インク室の後端面との距離が、6.
    0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット装置。
  3. 【請求項3】前記時分割駆動により実質的に同時に駆動
    されるエネルギー発生手段の数が、64以上であることを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。
  4. 【請求項4】前記隣接ブロックに属するエネルギー発生
    手段を駆動させる実質的なタイミングが、前記最も早く
    復帰する時刻をt3とするときt3±1μsecの範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装
    置。
  5. 【請求項5】前記エネルギー発生手段が、前記エネルギ
    ーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。
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