JP4323056B2 - 多指ハンド装置の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の指機構を有する多指ハンド装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人の手と同様の構造を有するハンド装置等、多指ハンド装置は、手掌部から複数の指機構が延設され、その各指機構は、複数の関節を介して複数のリンク機構を順次連接して構成されている。そして、各関節を作動させる(例えば各関節の屈曲動作を行わせる)アクチュエータが、各リンク機構等、適宜の箇所に設けられている。
【0003】
この種の多指ハンド装置により物体を把持する場合、より具体的には、多指ハンド装置の一つ以上の指機構と手掌部とを物体に接触させて該物体を把持する場合、その把持動作は例えば次のように行われている。
【0004】
すなわち、物体に対して多指ハンド装置を位置決めし、多指ハンド装置のあらかじめ定められた部位(例えば指機構の先端等)を物体に接触させる。そして、この状態から、物体の把持に際して該物体に接触させるべき指機構の各関節をあらかじめ定められた形態でアクチュエータを介して作動させて、該指機構及び手掌部を物体に接触させ、該物体を把持する。
【0005】
しかしながら、このような把持動作では、物体の形状やサイズがあらかじめ決められているような場合には支障はないが、種々様々の形状、サイズの物体を把持する場合には、次のような不都合を生じるものとなっていた。
【0006】
すなわち、種々様々な物体を把持しようとする場合、該物体に対して多指ハンド装置を常に精度よく位置決めすることは難しく、物体の把持の開始に際して常に、多指ハンド装置の所望の部位を最初に物体に接触させるようにすることが困難である。このため、あらかじめ定められた形態で指機構の各関節を作動させても、物体の把持を円滑に行うことができない場合が多くなるという不都合がある。
【0007】
この場合、かかる不都合を解消するためには、例えば物体を撮像して、その形状やサイズを画像処理により認識し、その認識した物体の形状やサイズに応じて多指ハンド装置の適切な把持動作を演算することも考えられる。しかるにこのようなやり方では、演算処理量が膨大となり、その演算処理に多大な時間を要するものとなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、種々様々の物体の把持を比較的簡単な制御処理で適切に行うことができる多指ハンド装置の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の多指ハンド装置の制御装置はかかる目的を達成するために、手掌部から延設された複数の指機構を備え、各指機構が、前記手掌部側から複数の関節を介して順次連接された複数のリンク機構と、前記各関節の運動を行わしめるアクチュエータとを具備する多指ハンド装置の制御装置において、前記各指機構の少なくとも二つ以上のリンク機構と、前記手掌部とにそれぞれ外力を検知する力センサを設け、前記手掌部と前記複数の指機構のうちの少なくとも一つの指機構とを物体の外面に沿わせるように接触させて該物体を把持する際に、前記多指ハンド装置を該物体に接近させながら前記力センサの出力を監視し、
該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、該物体に接触させる指機構の最も先端側に位置する力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、当該先端側の力センサが設けられているリンク機構の該物体への接触に続いて、当該先端側の力センサ以外の力センサが当該先端側の力センサに近いものから順番に該物体との接触に伴う外力を検知し、さらに最後に前記手掌部の力センサが該物体との接触に伴う外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御し、
該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、前記手掌部の力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、前記手嘗部の該物体への接触に続いて、前記物体に接触させる各指機構の力センサが該手掌部の力センサに近いものから順番に外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御し、
該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、該物体に接触させる指機構の最も先端側の力センサと前記手掌部の力センサとの中間に位置する力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、当該中間の力センサが設けられているリンク機構の該物体への接触に続いて、当該中間の力センサよりも該指機構の先端側の力センサが当該中間の力センサに近いものから順番に外力を検知すると共に、前記手掌部の力センサを含めて当該中間の力センサよりも手掌部側の力センサが当該中間の力センサに近いものから順番に外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御することによって前記物体の把持動作を行うことを特徴とする。
【0010】
かかる本発明によれば、前記手掌部と前記複数の指機構のうちの少なくとも一つの指機構とを物体の外面に沿わせるように接触させて該物体を把持する際に、前記多指ハンド装置を該物体に接近させながら前記力センサの出力を監視し、該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうちの一つが前記物体との接触に伴う外力を最初に検知すると、前記アクチュエータのうちの前記物体に接触させるべき各指機構の関節を作動させるアクチュエータを、前記外力を最初に検知した力センサにより近い力センサから順番に外力が検知されるように制御する。このため、物体に接触させる指機構の関節は、最初に前記外力を検知した力センサが設けられているリンク機構あるいは手掌部により近いリンク機構から順番に物体に接触するように作動する
より具体的に言えば、本発明では、前記物体の把持の際に、該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、該物体に接触させる指機構の最も先端側に位置する力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、当該先端側の力センサが設けられているリンク機構の該物体への接触に続いて、当該先端側の力センサ以外の力センサが当該先端側の力センサに近いものから順番に該物体との接触に伴う外力を検知し、さらに最後に前記手掌部の力センサが該物体との接触に伴う外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御する。このため、指機構の先端部が最初に物体に接触したときには、該指機構の関節は、該指機構のリンク機構が先端側のものから手掌部側のものにかけて順次物体に接触し、最終的に手掌部が物体に接触するように作動する。
また、該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、前記手掌部の力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、前記手嘗部の該物体への接触に続いて、前記物体に接触させる各指機構の力センサが該手掌部の力センサに近いものから順番に外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御する。このため、手掌部が最初に物体に接触したときには、該物体を把持するための指機構の関節は、該指機構のリンク機構が手掌部側のものから先端側のものにかけて順次物体に接触するように作動する。
また、該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、該物体に接触させる指機構の最も先端側の力センサと前記手掌部の力センサとの中間に位置する力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、当該中間の力センサが設けられているリンク機構の該物体への接触に続いて、当該中間の力センサよりも該指機構の先端側の力センサが当該中間の力センサに近いものから順番に外力を検知すると共に、前記手掌部の力センサを含めて当該中間の力センサよりも手掌部側の力センサが当該中間の力センサに近いものから順番に外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御する。このため、指機構の中間部分が最初に物体に接触したときには、該指機構の関節は、その中間部分よりも先端側のリンク機構が中間部分寄りのものから先端側のものにかけて順次物体に接触するように作動すると共に、その中間部分よりも手掌部側のリンク機構が中間部分寄りのもの順次物体に接触し、さらに手掌部が物体に接触するように作動する。
って、把持する物体の形状やサイズによらずに、前記外力を検知した力センサが指機構のどのリンク機構もしくは手掌部に設けられているかによらずに、該物体を把持するための指機構や手掌部を該物体に円滑に沿わせて接触させることができる。さらに、このように指機構や手掌部を物体に円滑に沿わせて接触させる作動は、最初に前記外力を検知した力センサが手掌部及び指機構のいずれに設けられているか、あるいは、指機構のどのリンク機構に設けられているかによらずに行うことできる。このため、物体の把持に際しての多指ハンド装置の物体に対する位置決めをさほど高精度に行う必要がない。
【0011】
この結果、本発明によれば、多指ハンド装置による種々様々の物体の把持を比較的簡単な制御処理で適切に行うことができる。
【0012】
かかる本発明では、前記手掌部の力センサは、該手掌部の手平面部に設けた圧力センサであり、前記各指機構のリンク機構に設けた力センサは、該リンク機構の側面部のうち、前記物体の把持動作に際して前記手平面部に対面するように該手掌部に接近する面部に設けた圧力センサであることが好ましい。
【0013】
このように前記力センサとして圧力センサを用い、それを手掌部の手平面部と、各指機構のリンク機構の側面部のうちの上記の側面部(これは人の指の腹側の面部に相当する)とに設けることによって、前述のような物体の把持に際しての多指ハンド装置の作動制御を簡略な構成で支障なく行うことができる。
【0014】
さらに本発明では、前記各指機構の最も先端側のリンク機構の先端部には、前記力センサとしての三軸力センサが設けられていることが好ましい。
【0015】
このように各指機構の先端部に三軸力センサを設けることによって、例えば物体の把持に際して、指機構の先端部が最初に物体に接触した場合には、該指機構が物体にどのような姿勢で接触したかが判るため、物体の把持に適した姿勢に多指ハンド装置の姿勢を調整した上で、物体の把持を円滑に行うことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図11を参照して説明する。
【0023】
図1及び図2は本実施形態の多指ハンド装置の基本構造を示す斜視図であり、図1は多指ハンド装置の手平面を上側にして示した斜視図、図2は多指ハンド装置の手甲側を上側にして示した斜視図である。尚、図1及び図2では、説明の便宜上、多指ハンド装置の各指機構2〜5は、その要部構成のみを簡略化して記載し、アクチュエータ等の構成要素を省略している。
【0024】
図1及び図2に示すように、本実施形態の多指ハンド装置は、手掌部1と、この手掌部1から延設された複数の指機構2〜5とを具備している。指機構2〜5は、本実施形態では4本であり、このうち、指機構2は人の手の親指に相当するものである。
【0025】
手掌部1は、板状部材により形成されたものであり、表面が手平面6a(図1参照)となる手掌本体板6と、この手掌本体板6の後端部から該手掌本体板6と略直交する姿勢で手甲側(手掌本体板6の裏面側)に起立された起立板7とから構成されている。手掌本体板6の裏面(手甲側の面)は、指機構2〜5のうちの指機構3〜5が取付けられる面部である(図2参照)。
【0026】
起立板7は、手掌部1の略幅方向に延在する第1部分起立板7aと、この第1部分起立板7aの一端側で該第1部分起立板7aに対して傾斜して延在する第2部分起立板7bとから成る。第1部分起立板7aは、図示しないロボットのアーム(腕体)に取付けられる部分、第2部分起立板7bは、指機構2が取付けられる部分である。
【0027】
指機構2〜5のうち、指機構3〜5は、いずれも同一構造であり、それぞれ、第1〜第5の5個のリンク機構8〜12を手掌部1側から順に第1〜第4の4個の関節13〜16を介して連接した構造となっている。尚、指機構3〜5は、上記のようにいずれも同一構造であることから、図1及び図2では、便宜上、指機構4については、各リンク機構及び各関節の参照符号を省略している。
【0028】
これらの指機構3〜5のより詳細な構造は後述するが、それぞれの各関節13〜16は、いずれも一軸回りの回転運動を可能とする関節である。そして、本実施形態では、最も手掌部1寄りの第1関節13の回転軸心は、他の三つの第2〜第4関節14〜16の回転軸心(これらは互いに平行である)と直交している。
【0029】
すなわち、例えば指機構5について図1を参照して説明すると、この指機構5の第1関節13は、図示の回転軸心13xの回りに第2リンク機構9を第1リンク機構8に対して回転可能とし、第2関節14は、第1関節13の回転軸心13xと直交する回転軸心14xの回りに第3リンク機構10を第2リンク機構9に対して回転可能としている。さらに、第3関節15は、第2関節14の回転軸心14xと平行な回転軸心15xの回りに第4リンク機構11を第3リンク機構10に対して回転可能とし、第4関節16は、第3関節15の回転軸心15xと平行な回転軸心16xの回りに第5リンク機構12を第4リンク機構11に対して回転可能としている。
【0030】
このような第1〜第4関節13〜16の回転動作は、指機構3,4についても全く同様である。そして、本実施形態では、指機構3〜5のそれぞれは、その第1リンク機構8が、第1関節13の回転軸心13xを手掌部1の手掌本体板6と略直交する方向に向けて該手掌本体板6の裏面部に固設されている(図2参照)。
【0031】
一方、指機構2は、第1〜第4の4個のリンク機構17〜20を手掌部1側から順に第1〜第3の3個の関節21〜23を介して連接した構造となっている。
【0032】
この指機構2の各関節21〜23は、前記指機構3〜5の第1〜第3関節13〜15と同様、いずれも一軸回りの回転運動を可能とする関節であり、最も手掌部1寄りの第1関節21の回転軸心は、他の二つの第2及び第3関節22,23の回転軸心(これらは互いに平行である)と直交している。
【0033】
すなわち、図1参照して、指機構2の第1関節21は、図示の回転軸心21xの回りに第2リンク機構18を第1リンク機構17に対して回転可能とし、第2関節22は、第1関節21の回転軸心21xと直交する回転軸心22xの回りに第3リンク機構19を第2リンク機構18に対して回転可能としている。さらに、第3関節23は、第2関節22の回転軸心22xと平行な回転軸心23xの回りに第4リンク機構20を第3リンク機構19に対して回転可能としている。
【0034】
そして、本実施形態では、指機構2は、その第1リンク機構17が、第1関節21の回転軸心21xを手掌部1の第2部分起立板7bと直交する方向(手掌本体部6と略平行な方向)に向けて該第2部分起立板7bの外表面部に固設されている。
【0035】
前記指機構2〜5のさらに詳細な構造を図3〜図6を参照して説明する。
【0036】
図3及び図4は、同一構造である指機構3〜5のうちの例えば指機構3を各関節13〜16の箇所で分解して示した分解斜視図である。この場合、図3では、指機構3の腹側の側面部、すなわち指機構3の、前記手掌部1の手平面6aと同じ側の側面部であって、図1及び図2ように指機構3を屈曲させた状態で手掌部1の手平面6aに対面する側面部(以下、腹面部という)が図3中の矢印Aの方向(上方向)に向けられている。また、図4では、指機構3の腹面部が同図中の矢印Bの方向(横方向)に向けられている。また、図5は指機構3を伸ばした状態で、その腹面部側から見た平面図、図6は図5のVI矢視図である。
【0037】
図3〜図5に示すように、指機構3の第1リンク機構8は、手掌部1に固定される本体機枠24に、第1関節13を動作させるための電動モータ25(アクチュエータ)と、該電動モータ25の回転位置あるいは第1関節13の動作位置を検出するためのロータリエンコーダ26と、遊星歯車機構等により構成された減速装置27とを搭載している。図4に示すように、電動モータ25の駆動軸25aは、無端条ベルト28を介してロータリエンコーダ26の回転軸26a及び減速装置27の入力軸27aに接続され、電動モータ25の駆動軸25aの回転が無端条ベルト28を介してロータリエンコーダ26の回転軸26a及び減速装置27の入力軸27aに伝達されるようになっている。
【0038】
減速装置27は、第1関節13を構成するものであり、その入力軸27aに与えられる回転を減速して出力する回転出力部27b、すなわち、入力軸27aよりも遅い回転速度で入力軸27aの軸心(これは第1関節13の回転軸心13xである)の回りに回転する回転出力部27bを備えている。この回転出力部27bは、第2リンク機構9の構成要素となるもので、第2リンク機構9の本体機枠29を図5に示すようにネジ30により固定して結合するための結合部31が一体に設けられている。該結合部31に第2リンク機構9の本体機枠29を結合することにより該本体機枠29が減速装置27の回転出力部27bと一体化する。これにより、該第2リンク機構9は、第1リンク機構8の電動モータ25を作動させたとき、第1関節13の回転軸心13xである減速装置27の入力軸27aの軸心回りに回転(揺動)する。
【0039】
上記のように回転出力部27bの結合部31に本体機枠29が結合される第2リンク機構9にあっては、その本体機枠29に、第1リンク機構8と同様、電動モータ32(アクチュエータ)、ロータリエンコーダ33及び減速装置34が搭載され、電動モータ32の駆動軸32aが無端条ベルト35を介してロータリエンコーダ33の回転軸33a及び減速装置34の入力軸34aに接続されている。この場合、電動モータ32、ロータリエンコーダ33及び減速装置34は、本体機枠29を第1リンク機構8側の前記結合部31に結合した状態で、それらの軸心が前記第1関節13の回転軸心13xと直交するように配置されている。
【0040】
この第2リンク機構9の減速装置34は、前記第2関節14を構成するもので、第1リンク機構8の減速装置27と同様、その入力軸34aに与えられる回転を減速して出力する回転出力部34bを第3リンク機構10の構成要素として有している。該回転出力部34bは、第2関節14の回転軸心14xとしての減速装置34の入力軸34aの軸心回りに該入力軸34aよりも遅い回転速度で回転可能に設けられ、この回転出力部34bに、第3リンク機構10の本体機枠36を図示しないネジにより固定して結合する結合部37が一体に設けられている。該結合部37に第3リンク機構10の本体機枠36を結合することにより、該第3リンク機構10は、第2リンク機構9の電動モータ32を作動させたとき、第2関節14の回転軸心14xである減速装置34の入力軸34aの軸心回りに回転出力部34bと一体に回転(揺動)する。
【0041】
上記のように回転出力部34bの結合部37に本体機枠36が結合される第3リンク機構10にあっては、その本体機枠36に、第1リンク機構8と同様、電動モータ38(アクチュエータ)、ロータリエンコーダ39及び減速装置40が搭載され、電動モータ38の駆動軸38aが無端条ベルト41を介してロータリエンコーダ39の回転軸39a及び減速装置40の入力軸40aに接続されている。この場合、電動モータ38、ロータリエンコーダ39及び減速装置40は、本体機枠36を第2リンク機構9側の前記結合部37に結合した状態で、それらの軸心が前記第2関節14の回転軸心14xと平行になるように配置されている。
【0042】
この第3リンク機構10の減速装置40は、前記第3関節15を構成するもので、第1リンク機構8の減速装置27と同様、その入力軸40aに与えられる回転を減速して出力する回転出力部40bを第4リンク機構11の構成要素として有している。該回転出力部40bは、第3関節15の回転軸心15xとしての減速装置40の入力軸40aの軸心回りに該入力軸40aよりも遅い回転速度で回転可能に設けられ、この回転出力部40bに、板状に形成された第4リンク機構11の本体部11aが一体に設けられている。これにより、第4リンク機構11は、第3リンク機構10の電動モータ38を作動させたとき、第3関節15の回転軸心15xである減速装置40の入力軸40aの軸心回りに回転出力部40bと一体に回転(揺動)する。
【0043】
第4リンク機構11の本体部11aの先端部(回転出力部40bと反対側の端部)には、第5リンク機構12との連結部42が設けられている。該連結部42は、第4関節16の構成要素となるもので、第3関節15の回転軸心15xと平行なピン穴43が穿設されている。
【0044】
上記連結部42は、図5に示すように、第5リンク機構12の本体機枠44の第4リンク機構11側の端部に形成された切込溝45に挿入され、該切込溝45を横断する方向で本体機枠44に穿設されたピン穴46と連結部42のピン穴43とが同心になるように配置される。そして、この状態で、本体機枠44のピン穴46及び連結部42のピン穴43にピン47を挿通することにより、連結部42が第5リンク機構12の本体機枠44に連結され、その連結箇所が第4関節16として構成される。すなわち、第5リンク機構12は、第4関節16の回転軸心16xとしてのピン47の軸心回りに回転可能とされる。
【0045】
この場合、本実施形態では、第5リンク機構12の本体機枠44は、上記のように第4リンク機構11の連結部42に連結されているだけでなく、さらに、図6に示すようにアーム片48を介して第3リンク機構10の本体機枠36に連結されている。
【0046】
上記アーム片48は、第5リンク機構12の本体機枠44の側面部の後端部寄りの箇所から、第3リンク機構10の本体機枠36の側面部の先端部寄りの箇所にかけて指機構3の長手方向に対して傾斜した姿勢で延在しており、その両端部は、それぞれ第5リンク機構12の本体機枠44と第3リンク機構10の本体機枠36とに支軸49,50を介して回転可能に軸支されている。
【0047】
このようなアーム片48を備えていることにより、第3リンク機構10の電動モータ38の作動によって、第4リンク機構11が図6に仮想線で示すように指機構3の腹面部側に回転(揺動)されたとき、第5リンク機構12は、第4リンク機構11に対してピン47の回りに回転(揺動)し、第4リンク機構11よりも大きな回転角度で、第3リンク機構10に対して揺動する。つまり、第3関節15の箇所で指機構3がその腹面部側に屈曲すると、それに連動して、第4関節16の箇所で、指機構3がその腹面部側に屈曲する。従って、本実施形態では第3リンク機構10の電動モータ38は、第3関節15を作動させるアクチュエータであると同時に、第4関節16を作動させるアクチュエータでもある。
【0048】
以上説明した指機構3の構造は、指機構4,5についても全く同一である。尚、詳細な図示は省略するが、指機構2については、その第1リンク機構17から第3関節23にかけての部分の構造は、前述の指機構3〜5の第1リンク機構8から第3関節15にかけての部分の構造と同一である。すなわち、指機構2の第1リンク機構17、第2リンク機構18、第3リンク機構19、第1関節21、第2関節22及び第3関節23の構造は、それぞれ指機構3〜5の第1リンク機構8、第2リンク機構9、第3リンク機構10、第1関節13、第2関節14及び第3関節15の構造と同一である。
【0049】
そして、指機構2にあっては、第3関節23より先端側の第4リンク機構20の構造のみが、指機構3〜5の第3関節15よりも先端側の部分の構造と相違するものとなっている。この場合、指機構2の第4リンク機構20は、指機構3〜5のような前記アーム片48を具備せずに、該指機構3〜5における第4リンク機構11と第5リンク機構12とをネジ等により一体的に固定して結合したような構造となっている。
【0050】
また、本実施形態では、指機構2〜5のうち、指機構3〜5のそれぞれには、図1〜図3及び図5に示すように、力センサとしての圧力センサ51,52及び三軸力センサ53が備えられている。各指機構3〜5に備えた圧力センサ51,52は本実施形態では二つであり、圧力センサ51は、各指機構3〜5の腹面部側で、第3リンク機構10の本体機枠36に貼着されている。また、圧力センサ52は、各指機構3〜5の腹面側で、第4リンク機構11の構成要素である減速装置40の回転出力部40b(第3関節15の箇所)に貼着されている。
【0051】
さらに三軸力センサ53は、第5リンク機構12の本体機枠44の略球形状に形成された先端部(各指機構3〜5の先端部)に内蔵されている。
【0052】
これと同様に、指機構2にも、図2に示すように、二つの圧力センサ54,55と三軸力センサ56とが備えられ、圧力センサ54は、指機構2の腹面部側で、第3リンク機構19の第2関節22寄りの箇所に貼着されている。また、圧力センサ55は、指機構2の腹面部側で、第4リンク機構20の第3関節23寄りの箇所に貼着されている。さらに、三軸力センサ56は、第4リンク機構20の先端部(指機構2の先端部)に内蔵されている。
【0053】
また、図1に示すように、手掌部1の手平面6aには、指機構3,4の付け根の近傍箇所で、圧力センサ57が貼着されると共に、指機構2の付け根の近傍箇所で、圧力センサ58が貼着されている。
【0054】
次に、上述した構成の多指ハンド装置の制御システムを図7を参照して説明する。図7はこの制御システムのブロック図である。尚、図7では、前述した各指機構2〜5に備えた圧力センサ(圧力センサ51等)と、三軸力センサ(三軸力センサ53等)と、ロータリエンコーダ(ロータリエンコーダ26等)と、電動モータ(電動モータ25等)とにそれぞれ総称的に参照符号60,61,62,63を付している。これらの参照符号60〜63は、前記図1〜図5において括弧書きで併記されている。以下の説明では、必要に応じてこの参照符号60,61,61,62を用いることがある。
【0055】
図7に示すように、本実施形態における制御システムは、マイクロコンピュータを用いて構成されたコントローラ64を備え、各圧力センサ60、各三軸力センサ61及び各ロータリエンコーダ62の検出出力は、このコントローラ64に入力される。そして、コントローラ64は、それらの検出出力のデータ等を用いて各指機構2〜5の各電動モータ63を制御するようにしている。この場合、コントローラ64は、前述の多指ハンド装置を備えた図示しないロボットの本体部に搭載され、各圧力センサ60、各三軸力センサ61、各ロータリエンコーダ62及び各電動モータ63に図示を省略する信号線を介して接続されている。
【0056】
次に、本実施形態の多指ハンド装置により、物体を把持する際の作動を説明する。
【0057】
本実施形態の多指ハンド装置による物体(図示しない)の把持は、例えば指機構2の腹面部と、指機構3〜5のうちの少なくとも一つの指機構の腹面部と手掌部1の手平面6aとを物体の表面に接触させ、それらの間に物体を包み込むようにすることでなされる。
【0058】
このような物体の把持動作に際しては、まず、例えば多指ハンド装置の各指機構2〜5を伸ばした状態で、該多指ハンド装置を物体に向かって接近させる。そして、この接近を行いながら、前記コントローラ64が、物体を把持するために該物体に接触させる各指機構のそれぞれについて、図8〜図11のフローチャートに示すような制御処理を行うことで、物体の把持動作が行われる。
【0059】
ここで、以下の説明では、物体を把持するために、例えば指機構2及び指機構3を用いる場合を想定し、まず、指機構3に係わる動作について説明する。
【0060】
図8を参照して、コントローラ64は、まず、各圧力センサ60及び各三軸力センサ61による検出データを取得する(STEP1)。
【0061】
次いで、コントローラ64は、手掌部1の圧力センサ60のうちの指機構3寄りの圧力センサ57(図1参照)により圧力が検知されたか否かを判断する(STEP2)。このとき、手掌部1の圧力センサ57により圧力が検知された場合、すなわち、手掌部1の圧力センサ57の部分が、把持すべき物体に最初に接触した場合には、第1把持制御の処理を実行する(STEP3)。
【0062】
この第1把持制御の処理は、図9のフローチャートに示すように行われる。すなわち、コントローラ64は、まず、指機構3の第3リンク機構10を該指機構3の腹面部側に位置する物体に向かって回転させるように第2関節14を電動モータ63(第2リンク機構9の電動モータ32)により作動させると共に、第3リンク機構10の圧力センサ51の検出データを取得する(STEP3−1)。
【0063】
そして、第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検知されたか否かを判断し(STEP3−2)、その検知がなされるまで、STEP3−1の処理を継続する。これにより、手掌部1に続いて、第3リンク機構10が物体に接触される。
【0064】
次いで、第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検知されると、コントローラ64は、指機構3の第4リンク機構11を物体に向かって回転させるように第3関節15を電動モータ63(第3リンク機構10の電動モータ38)により作動させると共に、第4リンク機構11の圧力センサ52の検出データを取得する(STEP3−3)。
【0065】
そして、第4リンク機構11の圧力センサ52により圧力が検知されたか否かを判断し(STEP3−4)、その検知がなされるまで、STEP3−3の処理を継続する。これにより、第3リンク機構10に続いて、第4リンク機構11が物体に接触される。
【0066】
尚、このとき、第3関節15の作動に連動して、前述のように第5リンク機構12が第4関節16の前記ピン47の回りに回転する(第4関節16において指機構3がその腹面部側に屈曲する)ため、基本的には第5リンク機構12も最終的に物体に接触する。また、STEP3−4で、第4リンク機構11の圧力センサ52により圧力が検知された場合には、第1把持制御の処理は終了する。
【0067】
このようにして、物体に最初に手掌部1が接触した場合には、指機構3の第3〜第5リンク機構12が手掌部1側のものから順番に、物体に接触される。
【0068】
図8のフローチャートに戻って、前記STEP2で、手掌部1の圧力センサ57により圧力が検知されない場合には、コントローラ64は、次に、指機構3の第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検出されたか否かを判断する(STEP4)。このとき、第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検知された場合、すなわち、第3リンク機構10の圧力センサ51の部分が、把持すべき物体に最初に接触した場合には、第2把持制御の処理を実行する(STEP5)。
【0069】
この第2把持制御の処理は、図10のフローチャートに示すように行われる。この第2把持制御の処理では、STEP5−1〜STEP5−2の処理と、STEP5−3〜STEP5−4の処理とが並列的に行われる。前者の処理では、コントローラ64は、まず、指機構3の第2リンク機構9及び手掌部1を該指機構3の腹面部側に位置する物体に向かって回転させるように第2関節14を電動モータ63(第2リンク機構9の電動モータ32)により作動させると共に、手掌部1の圧力センサ60のうちの指機構3寄りの圧力センサ57の検出データを取得する(STEP5−1)。
【0070】
そして、手掌部1の圧力センサ57により圧力が検知されたか否かを判断し(STEP5−2)、その検知がなされるまで、STEP5−1の処理を継続する。これにより、第3リンク機構10よりも手掌部1側においては、第3リンク機構10に続いて、手掌部1が物体に接触される。
【0071】
一方、STEP5−3〜STEP5−4の処理では、コントロータ64は、まず、指機構3の第4リンク機構11を物体に向かって回転させるように第3関節15を電動モータ63(第3リンク機構10の電動モータ38)により作動させると共に、第4リンク機構11の圧力センサ52の検出データを取得する(STEP5−3)。
【0072】
そして、第4リンク機構11の圧力センサ52により圧力が検知されたか否かを判断し(STEP5−4)、その検知がなされるまで、STEP5−3の処理を継続する。これにより、第3リンク機構10よりも指機構3の先端側においては、第3リンク機構10に続いて、第4リンク機構11が物体に接触される。
【0073】
尚、このとき、第3関節15の作動に連動して、第5リンク機構12が第4関節16の前記ピン47の回りに回転するため、基本的には第5リンク機構12も最終的に物体に接触する。
【0074】
上述のようにしてSTEP5−2と、STEP5−4とで、それぞれ独立的に、手掌部1の圧力センサ57による圧力の検知と、第4リンク機構11の圧力センサ52による圧力の検知とがなされたときには、コントローラ64はさらに、その両圧力センサ57,52により圧力が同時に検知されているか否かを判断し(STEP5−5)。このとき、両圧力センサ57,52により圧力が同時に検知されたときには、第2把持制御の処理は終了する。尚、STEP5−5で両圧力センサ57,52により圧力が同時に検知されない状態は、STEP5−1〜STEP5−2の処理と、STEP5−3〜STEP5−4の処理とのうちのいずれか一方の処理の継続中の状態である。
【0075】
このようにして、物体に最初に第3リンク機構10が接触した場合には、該第3リンク機構10よりも手掌部1側では、該手掌部1が次に物体に接触され、第3リンク機構10よりも指機構3の先端側では、第4リンク機構11及び第5リンク機構12が順番に物体に接触される。
【0076】
図8のフローチャートに戻って、前記STEP4で、指機構3の第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検知されない場合には、コントローラ64は、次に、指機構3の第4リンク機構11の圧力センサ52により圧力が検出されたか否かを判断する(STEP6)。このとき、第4リンク機構11の圧力センサ52により圧力が検知された場合、すなわち、第4リンク機構11の圧力センサ52の部分が、把持すべき物体に最初に接触した場合には、第3把持制御の処理を実行する(STEP7)。
【0077】
この第3把持制御の処理は、図11のフローチャートに示すように行われる。すなわち、コントローラ64は、まず、指機構3の第3リンク機構10を該指機構3の腹面部側に位置する物体に向かって回転させるように第3関節15を電動モータ63(第3リンク機構10の電動モータ38)により作動させると共に、第3リンク機構10の圧力センサ51の検出データを取得する(STEP7−1)。
【0078】
そして、第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検知されたか否かを判断し(STEP7−2)、その検知がなされるまで、STEP7−1の処理を継続する。これにより、第4リンク機構11に続いて、第3リンク機構10が物体に接触される。
【0079】
尚、このとき、第3関節15の作動に連動して、前述のように第5リンク機構12が第4関節16の前記ピン47の回りに回転するため、基本的には第5リンク機構12も物体に接触する。
【0080】
次いで、第3リンク機構10の圧力センサ51により圧力が検知されると、コントローラ64は、指機構3の第2リンク機構9及び手掌部1を物体に向かって回転させるように第2関節14を電動モータ63(第2リンク機構9の電動モータ32)により作動させると共に、手掌部1の圧力センサ60のうちの指機構3寄りの圧力センサ57の検出データを取得する(STEP7−3)。
【0081】
そして、手掌部1の圧力センサ57により圧力が検知されたか否かを判断し(STEP7−4)、その検知がなされるまで、STEP7−3の処理を継続する。これにより、第3リンク機構10に続いて、手掌部1が物体に接触される。
【0082】
尚、STEP7−4で、手掌部1の圧力センサ57により圧力が検知された場合には、第3把持制御の処理は終了する。
【0083】
このようにして、物体に最初に指機構3の第4リンク機構11が接触した場合には、指機構3の第3リンク機構10と、手掌部1とが順番に、物体に接触される。また、第3リンク機構10の物体への接触と並行して、指機構3の先端部に位置する第5リンク機構も物体に接触される。
【0084】
図8のフローチャートに戻って、前記STEP6で、指機構3の第4リンク機構11の圧力センサ52により圧力が検知されない場合には、コントローラ64は、次に、指機構3の先端部の第5リンク機構12の三軸力センサ53により外力が検出されたか否かを判断する(STEP8)。このとき、三軸力センサ53により外力が検知された場合、すなわち、第5リンク機構11が、把持すべき物体に最初に接触した場合には、第4把持制御の処理を実行する(STEP9)。
【0085】
この第4把持制御の処理は、本実施形態では、前述の第3把持制御の処理と同一であり、前記図11のフローチャートに示すように行われる。この場合、STEP7−1,7−2の処理を行ったとき、指機構3の第3関節15の作動に連動して、前述のように第5リンク機構12が第4関節16の前記ピン47の回りに回転するため、基本的には、第4リンク機構11及び第3リンク機構10が順番に物体に接触する。そして、第3リンク機構10が物体に接触した後の作動は、第3把持制御の処理の場合と全く同一となる。
【0086】
従って、物体に最初に指機構3の先端部の第5リンク機構12が接触した場合には、それに続いて第4リンク機構11、第3リンク機構10、及び手掌部1が順番に、物体に接触される。
【0087】
尚、この場合、物体に最初に接触する第5リンク機構12の力センサは、三軸力センサ53であるため、指機構3が物体に対してどの向きに接触しているかをコントローラ64が認識することができる。このため、多指ハンド装置の物体に対する姿勢を、指機構3の第3リンク機構10等を物体に接触させやすい姿勢に調整した上で、上記のように第4リンク機構11、第3リンク機構10、及び手掌部1を順番に物体に接触させることができる。
【0088】
図8のフローチャートの説明に戻って、STEP8で、第5リンク機構12の三軸力センサ53により外力が検出されない場合は、指機構3が未だ物体に接触していない状態であり、この場合には、コントローラ64は、把持動作の指令が継続しているか否かを判断する(STEP10)。そして、該指令が継続している場合には前記STEP1からの処理が繰り返される。
【0089】
また、前述のように第1〜第4把持制御のいずれかの処理を終了した後も、STEP10の判断処理が行われ、把持動作の指令が継続している場合には、前記STEP1からの処理が繰り返される。この場合、指機構3や手掌部1は把持制御の処理によって既に物体に接触されているので、基本的には、その状態が維持されることとなる。
【0090】
物体を指機構3と指機構2とを用いて把持する場合、指機構2についても、前述の図8〜図11のフローチャートに従って、指機構2の動作のための処理がコントローラ64により行われる。但し、この場合、STEP2、STEP5−2、
STEP5−5、STEP7−4で圧力が検知されたか否かを判断する手掌部1の圧力センサ60は、指機構2寄りの圧力センサ58である。
【0091】
そして、このように指機構2についても指機構3と同様の制御処理が行われることによって、指機構2の第3リンク機構19及び第4リンク機構20がその腹面部側で物体に接触される。
【0092】
これにより、指機構2,3及び手掌部1は、物体を包囲するようにして該物体に接触され、該物体が把持される。
【0093】
尚、上述したような把持動作は、他の指機構を用いて物体を把持する場合にも同様に行われる。
【0094】
以上説明したようにして、本実施形態の多指ハンド装置による物体の把持に際しては、その把持を行うための各指機構2〜5の関節は、圧力センサ60や三軸力センサ61の検出データに応じて、多指ハンド装置の最初に物体に接触した部位により近い部位を順番に物体に接触させるように電動モータ63により作動される。このため、基本的には、物体の形状やサイズによらずに、該物体の外面に円滑に沿うようにして、指機構2〜5や手掌部1を物体に接触させて該物体を把持することができる。また、物体の把持に際して、常に多指ハンド装置の特定の部位を最初に物体に接触させずともよいため、物体と多指ハンド装置との位置決めをさほど精度よく行う必要がなく、把持動作のための処理が容易となる。
【0095】
尚、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形態様も可能である。
【0096】
すなわち、前記実施形態では、指機構を4本備えた多指ハンド装置について説明したが、指機構の本数は、これに限定されるものではなく、2本以上備えておればよい。
【0097】
また、前記実施形態では、指機構2のリンク機構の個数を4個とし、指機構3〜5のリンク機構の個数を5個としたが、指機構2のリンク機構を指機構3〜5のリンク機構の個数と同一としたり、各指機構のリンク機構の個数をそれぞれ異なるものとしてもよい。
【0098】
また、前記実施形態では、物体の把持に際して、最初に指機構の中間部のリンク機構の圧力センサにより圧力が検知されたとき、前記図10の第2把持制御の処理のように、中間部のリンク機構よりも先端側における指機構の作動の制御処理と、その中間部のリンク機構よりも手掌部側の指機構の作動の制御処理とを並列的に行うようにしたが、それらの制御処理を順番に行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における多指ハンド装置の斜視図。
【図2】図1の多指ハンド装置を図1とは異なる方向から見た斜視図。
【図3】図1及び図2の多指ハンド装置の指機構の分解斜視図。
【図4】図1及び図2の多指ハンド装置の指機構の分解斜視図。
【図5】図1及び図2の多指ハンド装置の指機構の平面図。
【図6】図5のVI矢視図。
【図7】本発明の実施形態における制御システムのブロック図。
【図8】本発明の実施形態の作動を説明するためのフローチャート。
【図9】図8のフローチャートのサブルーチン処理を示すフローチャート。
【図10】図8のフローチャートのサブルーチン処理を示すフローチャート。
【図11】図8のフローチャートのサブルーチン処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…手掌部、2〜5…指機構、8〜12,17〜20…リンク機構、13〜16,21〜23…関節、25,32,38,63…電動モータ(アクチュエータ)、51,52,54,55,60…圧力センサ(力センサ)、53,56,61…三軸力センサ(力センサ)。

Claims (3)

  1. 手掌部から延設された複数の指機構を備え、各指機構が、前記手掌部側から複数の関節を介して順次連接された複数のリンク機構と、前記各関節の運動を行わしめるアクチュエータとを具備する多指ハンド装置の制御装置において、
    前記各指機構の少なくとも二つ以上のリンク機構と、前記手掌部とにそれぞれ外力を検知する力センサを設け、
    前記手掌部と前記複数の指機構のうちの少なくとも一つの指機構とを物体の外面に沿わせるように接触させて該物体を把持する際に、前記多指ハンド装置を該物体に接近させながら前記力センサの出力を監視し
    該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、該物体に接触させる指機構の最も先端側に位置する力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、当該先端側の力センサが設けられているリンク機構の該物体への接触に続いて、当該先端側の力センサ以外の力センサが当該先端側の力センサに近いものから順番に該物体との接触に伴う外力を検知し、さらに最後に前記手掌部の力センサが該物体との接触に伴う外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御し、
    該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、前記手掌部の力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、前記手嘗部の該物体への接触に続いて、前記物体に接触させる各指機構の力センサが該手掌部の力センサに近いものから順番に外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御し、
    該物体に接触させる指機構及び前記手掌部の各力センサのうち、該物体に接触させる指機構の最も先端側の力センサと前記手掌部の力センサとの中間に位置する力センサが最初に、該物体との接触に伴う外力を検知したときには、当該中間の力センサが設けられているリンク機構の該物体への接触に続いて、当該中間の力センサよりも該指機構の先端側の力センサが当該中間の力センサに近いものから順番に外力を検知すると共に、前記手掌部の力センサを含めて当該中間の力センサよりも手掌部側の力センサが当該中間の力センサに近いものから順番に外力を検知するように該指機構の各関節を作動させる前記アクチュエータを制御することによって前記物体の把持動作を行うことを特徴とする多指ハンド装置の制御装置。
  2. 前記手掌部の力センサは、該手掌部の手平面部に設けた圧力センサであり、前記各指機構のリンク機構に設けた力センサは、該リンク機構の側面部のうち、前記物体の把持動作に際して前記手平面部に対面するように該手掌部に接近する面部に設けた圧力センサであることを特徴とする請求項1記載の多指ハンド装置の制御装置。
  3. 前記各指機構の最も先端側のリンク機構の先端部には、前記力センサとしての三軸力センサが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の多指ハンド装置の制御装置。
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