JP4322348B2 - 電動式のパーキングブレーキ操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動式のパーキングブレーキ操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5−170067号公報は電気駆動のパーキングブレーキ装置の一例を開示している。このものは図9aに示すように、パーキングブレーキ101と、そのパーキングブレーキ101をパーキングブレーキケーブル102およびレバー群103を介して操作するモータMと、レバー群103をマニュアル操作ケーブル104を介して操作する、足踏みペダルなどの手動式の操作手段105とを備えている。
【0003】
前記レバー群103は、図9bに示すように、シャフト106に対してそれぞれ揺動自在に設けられるギヤ107、セクタレバー108、インタミレバー109およびマニュアル操作レバー110を有する。ギヤ107は前記モータMによって往復駆動されるピニオン(図9aの111)と噛み合っており、ギヤ107とセクタレバー108とは、ギヤ107に対して回動自在に取り付けられるポウル112によって係脱自在に連結されている。符号113はポウル112を常時係合方向に付勢するバネである。インタミレバー109には、パーキングブレーキケーブル102の端部が連結され、マニュアル操作レバー110には、マニュアル操作ケーブル104の端部が連結されている。そしてマニュアル操作レバー110とセクタレバー108は、それぞれインタミレバー109の片面側に当接可能であり、それにより、パーキングブレーキケーブル102を引く方向でインタミレバー109と係合することができる。
【0004】
このものはいわば電気駆動されるセクタレバー108とマニュアル操作レバー110とが、並列的に配置され、いずれか一方がインタミレバー109を操作するときは他方が邪魔をしない。そのため、電気系統が故障したとき、足踏みペダルなどの操作手段105を操作することにより、マニュアル操作ケーブル104およびマニュアル操作レバー110を介してパーキングブレーキケーブル102を引き操作し、パーキングブレーキ101をかけることができる。さらに、走行時に使用する油圧ブレーキなどが故障したときは、操作手段105でパーキングブレーキ101を操作して、緊急時の補助ブレーキとして使用しうる。他方、電気駆動によるブレーキの作動状態で電気系統が故障したときは、ポウル112のセクタレバー108との係合を外すことにより、ブレーキを解除することができる。
【0005】
また、特公平6−49452号公報には、図10a、図10bに示すような、モータMによって駆動されるネジ機構115を利用した電動パーキング装置が開示されている。このものは左右のパーキングブレーキ116、116同士を連結したコントロールケーブル(ボーデンケーブル)117の導管118の長さを伸ばすように操作することにより、間接的に内索119を引き操作し、左右のパーキングブレーキ116、116に同じブレーキ力を付与するようにしたものである。モータMのロータ120は中空で、その内部にナット部材121が固定され、ナット部材121には中空にしたネジ122が螺合している。ネジ122の内部には、内索119が通されている。なお、上記公報では、電気系統が故障した場合の手動操作については、言及していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平5−170067号公報のパーキングブレーキ装置は、モータMを回転させてセクタレバー108をブレーキ作動側に操作した状態では、マニュアル操作レバー110がフリーの状態となる。そのため、マニュアル操作ケーブルに張力を与えるバネや、マニュアル操作レバー110を所定位置に停止させるストッパなどが必要となり、機構が複雑になる。また、電動でブレーキを作動させた状態では、操作手段105の側とは縁が切れているので、マニュアル操作ブレーキ作動状態で電気系統が故障したときに使用するポウル112は、操作手段105の側に設けることができず、レバー群103に設けなくてはならない。そのため、そのポウル112を操作してブレーキを解除する操作が厄介である。
【0007】
本発明は電動操作時においても操作側のケーブルと従動側のケーブルの縁が切れず、それにより構成が簡単な電動パーキングブレーキ操作装置を提供することを第1の課題としている。さらに本発明は、電気操作でブレーキを作動させた状態で電気系統が故障したときでも、運転席において容易にブレーキ状態を解除することができるパーキングブレーキ操作装置を提供することを第2の課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動式パーキングブレーキ操作装置は、手動操作レバーに連結される操作側ケーブルと、ブレーキ側に連結される従動側ケーブルと、両者のケーブル間に介在される伝達機構とを備えており、前記伝達機構が、ハウジングと、操作側ケーブルの端部に連結した第1部材と、従動側ケーブルの端部に連結した第2部材と、第1部材と第2部材とを、操作側の操作を従動側ケーブルに伝達しうる状態で常時連結すると共に、ケーブル全体の有効長さを長くする状態と短くする状態の間で相対的に接近/隔離させる移動手段と、その移動手段を電気的に往復駆動する電気駆動手段とを有する。
【0009】
そして、前記第1部材または第2部材のいずれか一方が、対応するケーブルと同心状に配置されるネジ軸を備え、他方がそのネジ軸と螺合するナットを備えており、そのネジ軸がハウジングによって回転自在に支持されると共に対応するケーブルに回転自在に連結されており、前記ナットがハウジングによって回転しないように支持され、かつ、両者が結合された状態でハウジングによって軸方向に移動自在に支持されており、かつその両者のネジ結合が前記移動手段を構成している。
【0010】
さらに前記電気駆動手段がハウジング内に収容および固定されており、前記ネジ軸にスプラインが設けられ、そのスプラインと嵌合するスプラインナットがハウジングによって回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されている。前記電気駆動手段によって回転駆動されるスプラインナットとネジ軸のスプラインとが、軸方向の相対的な移動を許しながら回転力を伝えるように連結している。さらに前記ネジ軸の軸心に沿って貫通孔が形成されており、そのネジ軸と連結されるケーブルが引きケーブルで、ネジ軸に対して一端側から貫通孔に通され、ネジ軸の他端に対し、ネジ軸の回転を許しながら、それ自体は回転しないように支持される係止部材に係止されている。
このような操作装置では、前記ナットが連結板に固定され、その連結板に一端が固定されると共に前記ネジ軸を挟んで配置される2本のスライド軸が前記ハウジングを貫通して軸方向移動自在に設けられており、それらの2本のスライドロッドの他端に連結部材が固定されており、その連結部材に前記操作側ケーブルまたは従動側ケーブルの一端が連結されており、前記ネジ軸の他端側がナットおよびスライドロッドを介してハウジングに支持されているものが好ましい。
【0011】
また、前記駆動ケーブルが手動操作レバーに対し、ケーブルの有効長さを一時的に伸ばし、かつ、復帰可能な連結手段を介して連結されているものが好ましい。その場合は、前記手動操作レバーが軸周りに回動自在に設けられる回動レバーであり、前記連結手段が手動操作レバーと同心状に回動自在に設けられた復帰用レバーと、その復帰用レバーと手動操作レバーとを係脱自在に連結する係合爪であるのが好ましい。
【0012】
【作用】
本発明の操作装置(請求項1)では、操作側ケーブルと従動側ケーブルとが常時連結されている。そして電気駆動手段は移動手段により、第1部材と第2部材の接近/離隔を操作するだけである。そして電気駆動によりケーブル全体の有効長さを短くするように操作したとき、従動側ケーブルが引き操作され、パーキングブレーキが作動する。その状態から逆にケーブル全体の有効長さを長くするように操作すると、ブレーキが解除される。
【0013】
また、操作側ケーブルと従動側ケーブルとが常時連結されているので、電気駆動系統でパーキングブレーキを作動していない状態で、手動操作レバーにより操作ケーブルと従動ケーブルを介してパーキングブレーキを作動/解除操作することができる。したがってパーキングブレーキを作動していない状態で電気系統が故障したとき、あるいは走行中に油圧ブレーキ(サービスブレーキ)系統が故障したとき、手動操作レバーにより、手動でパーキングブレーキを操作することができる。
【0014】
前述のように本発明の操作装置では、操作側ケーブルと従動側ケーブルとが常時連結されているので、電動操作でブレーキを作動させた場合でも、操作ケーブルが緩むことがない。そのため、手動操作レバー側に復帰バネなどの繁雑な構成を設ける必要がなく、構成がシンプルになる。
【0015】
さらに本発明の操作装置では、移動手段としてネジ機構を採用しており、ネジ軸とナットの相対的な回転が直進運動に変換されるので、収容スペースが小さくて済む。
【0016】
さらにネジ軸またはナットのうち、ネジ軸と、電気駆動手段とが、ネジ軸に設けられるスプラインおよびそのスプラインと連結されるスプラインナットを介して、軸方向の移動を許しながら回転力を伝えるように連結されている。そのため、モータなどの電気駆動手段をネジやナットとは別個にハウジングに取り付けておくことができる。それにより移動させるべき部材が小さいもので済む。さらにネジ軸に形成した貫通孔にケーブルを通しているので、ネジ軸に偏心荷重が加わりにくい。また、全体の配置スペースが少なくて済む。
【0017】
請求項3の操作装置は、電気駆動でパーキングブレーキを作動させた状態で電気系統が故障したとき、連結機構でケーブルの有効長さを一時的に伸ばすと、パーキングブレーキ内の復帰バネで操作側ケーブルおよび従動側ケーブルの全体がパーキングブレーキ側に移動する。それにより、ブレーキ作用が解除される。このような構成は、操作側ケーブルと従動側ケーブルとが常時連結されているために採用することができる。
請求項4の操作装置では、通常の状態では、係合爪により手動操作レバーと復帰用レバーとが結合されている。そのため、手動操作レバーでパーキングブレーキを手動操作することができる。電気駆動でパーキングブレーキを作動させた状態で電気系統が故障したときは、係合爪による結合を解除すると、復帰用レバーの回動が自由になる。そして操作ケーブルの長さを伸ばすように回動させることにより、ブレーキ作用を解除することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の電動式パーキングブレーキ操作装置の実施の形態を説明する。図1は本発明の操作装置の一実施形態を手動操作機構と共に示す概略斜視図、図2はその一部切り欠き側面図、図3は図2のIII-III 線断面図、図4および図5はそれぞれ図1の手動操作機構の一部切り欠き側面図および平面図、図6aはその手動操作機構の要部分解斜視図、図6bはその機構におけるケーブルガイドの裏面側から見た斜視図、図7a〜cはそれぞれ図1の手動操作機構の作動状態を示す側面図、図8a〜dはそれぞれ図1の操作装置の作動状態を示す要部平面図である。
【0019】
図1は本発明の操作装置を自動車に取り付けた状態で示している。図1において、符号1は手動操作機構であり、その手動操作機構1の後方に、操作装置の本体(請求項1の伝達機構)2が配置され、両者は操作側ケーブル3で連結されている。本体2の後方には従動側ケーブル4が延び出しており、その従動側ケーブル4に従来公知のイコライザ5が連結され、さらにそのイコライザ5から従来のものと同じ2本のケーブル7、7を介して左右の後輪のパーキングブレーキ(図示省略)が連結されている。すなわち本体2は従来のパーキングブレーキシステムにおける手動操作機構とイコライザの間に介在される形となる。
【0020】
図2に示すように、手動操作機構1は自動車のコンソール部位8に配置され、本体2は床面9の上部に配置される。なお図1の10は操作装置1のモータMを制御するコントローラであり、11は操作スイッチである。
【0021】
図3は図2の操作装置の本体2の内部をIII-III 線で断面した平面図である。ただしモータMおよび減速機Gは断面していない。本体2はハウジング12と、その内部に収容したモータM、減速機Gおよびネジ機構13を備えている。減速機Gはここではウオーム減速機を採用している(図2参照)。モータMの出力軸はウオームに連結され、ウオームと噛み合うホイールギヤを支持する出力軸14に第1ベベルギヤ15が固定されている。
【0022】
ハウジング12の左端には、ベアリング16を介して円筒状のスプラインナット17が回転自在に支持されている。そのスプラインナット17の端部の外周には、第2ベベルギヤ18が固定されている。第2ベベルギヤ18は前述の第1ベベルギヤ15と噛み合っている。スプラインナット17の内面にはメス側のスプラインが形成されている。スプラインナット17の左端には止めリング17aが係止され、その止めリング17aと第2ベベルギヤ18とでベアリング16とベアリングカバー19とを挟むことにより、スプラインナット17の軸方向の移動を止めている。
【0023】
スプラインナット17内には、表面にオス側のスプライン20aが形成されたネジ軸20が軸方向に摺動自在に収容されている。オス側のスプライン20aと前述のメス側のスプラインとは、軸方向に摺動自在に、かつトルク伝達可能に噛み合っている。ネジ軸20の他端側の表面には、送りネジ20bが形成されており、その外周に送りネジ用ナット21が螺合している。ネジ軸20の先端には、ネジ軸に加わる軸方向の力を受けるための円板状の受け部材23が固定されている。
【0024】
前記ハウジング12の右端には、一対のスライドロッド24が軸方向に摺動自在に設けられている。スライドロッド24の左端同士は円板状の連結板25で連結されており、その連結板25に前記送りネジ用ナット(以下、単にナットという)21が固定されている。スライドロッド24の右端同士は連結部材26で連結されており、その中心部に従動側ケーブル4の端部が連結されている。スライドロッド24の中間部には、円板状のスライド部材(請求項4の係止部材)27が摺動自在に設けられている。ネジ軸20にはその軸方向に貫通する孔28が形成されており、操作側ケーブル3はその孔28および受け部材23の中心の開口を通っている。そしてその操作側ケーブル3の端部は前記スライド部材27の中心に索端金具29を介して係止されている。スライド部材27と受け部材23の間にはスラストベアリング30が介在されている。なお符号31は、図2から分かるように、スライド部材27に固定した、スラストベアリング30を覆うカバーである。
【0025】
上記のように構成される操作装置の本体2において、モータMが一方向に回転すると、減速機Gの出力軸14が減速された状態で回転する。それにより第1ベベルギヤ15および第2ベベルギヤ18が回転し、スプラインナット17が回転し、それに噛み合っているネジ軸20が回転する。そのときナット21は連結板25に固定され、連結板25は一対のスライドロッド24に固定されているので、ナット21は回転しない。それによりネジ軸20とナット21の間には、ネジ軸20がナット21内に入り込むような相対的な軸方向の動きが生ずる。しかし操作側ケーブル3の他端が手動操作機構(図2の符号1)側に係止されているので、ネジ軸20は右方向に移動せず、ナット21が左側に移動する。したがって図8のS2に示すように、連結板25、スライドロッド24および連結部材26が一体となって左側に移動する。それにより従動側ケーブル4が左側に引かれ、パーキングブレーキがリターンスプリングの付勢力に抗して作動し、ブレーキがかけられる。
【0026】
つぎにモータMが逆方向に回転すると、ネジ軸20が逆方向に回転し、ナット21を右側に移動させようとする。それによりパーキングブレーキはそのリターンスプリングの付勢力に従って、従動側ケーブル4が右側に引かれる。それにより図8のS1に示すように、ナット21、連結板25、スライドロッド24および連結部材26が一体となって右側に移動する。したがって従動側ケーブル4が右側に移動し、パーキングブレーキのブレーキ作用を解除する。
【0027】
なお上記の作動中、スライド部材27はネジ軸21と共に静止状態を維持する。また操作側ケーブル3には常時張力が加わっている。すなわちパーキングブレーキには常時ブレーキを解除する方向にリターンスプリングが付勢している。そのためその引き力は従動側ケーブル4、スライドロッド24、ナット21、受け部材27と伝わり、スライド部材27を常時右方向へ引いている。そしてネジ軸20とスプラインナット17とは軸方向に摺動自在である。そのため操作側ケーブル3に張力が維持され、緩むことはない。操作側ケーブル3の端部は、受け部材23とはスラストベアリング30により回転方向のトルク伝達を切り離したスライド部材27に係止しているので、ネジリ方向の力が加わることもない。
【0028】
さらに上記のようにネジ軸20は軸方向に摺動自在であるので、操作側ケーブル3と従動側ケーブル4とは、直接力を伝達する。そのため後述するように操作側ケーブル3の引き操作または弛み操作によって、従動側ケーブル4を引いたり、弛めたりする操作を行うことができる。
【0029】
つぎに図4、図5および図6を参照して手動操作機構1を説明する。図4において、符号33はベースであり、ベース33には、軸34により操作レバー35およびラッチプレート36がそれぞれ回動自在に取り付けられている。操作レバー3の回動範囲は、その下面がレバーストッパ37と当たる位置から上方向である。ラッチプレート36の回動範囲は、後端の係合片38が操作レバー35の後端に係合する位置から、下方に回動して下端がベース33に当接するまでの範囲である。
【0030】
本実施形態では図5および図6aに示すように、操作レバー35は2枚のプレート35aおよび35bにより構成されており、その先端に握り部39が取り付けられている。なお図4では手前側のプレート35bの中間部分を切り欠いて内部を示している。前記ラッチプレート36はそれらの2枚のプレート35a、35bの間に収容されており、その先端にはノッチ36aが形成され、上端に摘み36bを突設している。さらに2枚のプレートの間には、係合爪40が収容されており、その係合爪40は操作レバー35に取り付けた軸41により回動自在に支持されている。係合爪40の先端には爪42が設けられ、その爪42は、通常の状態ではラッチプレート36のノッチ36aに係止されている。係合爪40およびノッチ36aは請求項5の復帰可能な連結手段である。
【0031】
ノッチ36aの位置は、ラッチプレートの軸34と係合爪40の軸41を結ぶ直線より上側であり、それにより爪42がノッチ36aに噛み合っている状態ではラッチプレート36の操作レバー35に対する反時計方向の回動が拘束される。しかし係合爪40を反時計方向に回動させて噛み合いを外すことは可能である。係合爪40の前端側は、係合爪40を反時計方向に回動させるために工具43などを係合させる係合部44である。
【0032】
さらにラッチプレート36の裏面側には、ケーブルガイド47が取り付けられている。このケーブルガイド47はたとえば金属薄板製であり、図6bに示すように、上端部はU字状に折り曲げて、操作側ケーブル3の端部を係止する固定部48としている。またケーブルガイド43の下縁は略円弧状にされ、その下縁に沿って断面L字状の形態に折り曲げ、ガイド部49としている。ガイド部49は軸34の中心を中心とする円弧状としてもよいが、中心から等間隔でなくてもよく、たとえばケーブルの先端側が係合する始めの部分の半径を大きくすることにより、操作レバー35の最初の引き上げ力を軽減することができる。このようにガイド部45の半径を代えることにより、操作レバー35の引き上げ角度と操作側ケーブル3の引き力の関係を任意に設定しうる。なおケーブルガイド47に代えてケーブルを巻きとるドラムを取り付けてもよい。
【0033】
前述のモータ駆動によるパーキングブレーキの作動・解除の操作は、図4あるいは図7aの操作レバー35を倒した状態で行う。このとき、操作側ケーブル3の端部はケーブルガイド43の固定部44に係止されており、ケーブルガイド43が固定されているラッチプレート36は、係合爪40との噛み合いにより、操作レバー35に対する反時計方向の回動が拘束されている。また、操作レバー35もレバーストッパ37に当接して反時計方向に回動できない。それにより、操作側ケーブル3は右方向に移動できない。そのため前述のように、モータMの回転方向に応じて、図8のS1からS2の状態に操作してパーキングブレーキを掛けたり、逆に回転させてブレーキを解除することができる。
【0034】
つぎに手動操作について説明する。操作レバー35を倒している状態で電気系統が故障してモータMを回転させることができないときは、図7bに示すように操作レバー35を手動で引き起こす。それにより係合爪40との係合に基づいてラッチプレート36も時計方向に回動し、操作側ケーブル3を引き上げ、その右側の部分を左側に引き込む。そのとき、図3のネジ軸20はスプラインナット17に対して軸方向に摺動自在であるので、ネジ軸20およびスライドロッド24などが図8のS3で示すように、左側に移動する。したがって従動側ケーブル4を介してパーキングブレーキを作動させることができる。逆に操作レバー35を手動で倒すと、操作側ケーブル3および従動側ケーブル4を通じてブレーキを解除することができる。
【0035】
また、運転者が操作レバー35を適切な角度に維持すれば、操作側ケーブル3および従動側ケーブル4を通じてパーキングブレーキの効き方の程度を調節することができる。さらに上記のように、モータを作動させない状態では、操作側ケーブル3と従動側ケーブル4とがあたかも1本のケーブルのように作用する。そのため、このパーキングブレーキ操作装置は、単にパーキングブレーキとしてだけでなく、通常の油圧式のブレーキがベーパーロックなどで効かないときなどの自動車の走行中における緊急用の補助ブレーキとして利用することができる。
【0036】
なお上記実施形態では示していないが、通常は操作レバー35を引き上げた状態でロックし、解除ボタンなどでロックを解除するラチェット機構を設けておく。それにより、操作レバー35を離してもブレーキ状態を維持させることができ、解除ボタンをロックを解除しながら操作レバーを戻すことにより、パーキングブレーキを解除することができる。
【0037】
一旦モータMを作動させて図8のS2の状態とした状態で、電動系統に故障が生じたときは、操作レバー35はもともと倒れているため、それ以上倒すことができず、ブレーキを解除することができなくなる。図4の係合爪40はそのような場合でも手動操作でブレーキを解除できるようにするためのものである。すなわちそのような場合には、図4のように工具43で係合爪40の係合部44を押し下げ、係合爪40とラッチプレート36の係合を外す。それにより操作側ケーブル3の引き力が緩められる。したがって、従動側ケーブル4および操作側ケーブル3はパーキングブレーキのリターンスプリングにより、図8の符号S4に示すように、右側に移動する。それによりブレーキ作用を解除することができる。
【0038】
電気系統の故障が修理された後は、モータMを回転させてネジ軸20とナット21の位置関係を図8のS1の状態に戻すことができる。それによりケーブル3、4の張力が緩む。そのため、図4の摘み36bを摘んでラッチプレート36を時計方向に回転させ、再び詰め部材40とラッチプレート36とを係合させる。それにより元の状態に戻すことができる。
【0039】
以上のようにこの電動パーキングブレーキ操作装置の実施形態では、電気系統の故障のときに手動でブレーキをかけたり、またはブレーキを解除することができる。さらに自動車の走行中に使用する緊急用の補助ブレーキとしても使用することができる。
【0040】
前記実施形態では操作側ケーブル3の側にネジ軸を連結しているが、逆に従動側ケーブル4の側にネジ軸を連結するようにしてもよい。すなわち図3の本体2の作用は、実質的には操作側ケーブルと従動側ケーブルの全体の有効長さを短くしたり長くする作用を行うだけであり、両者を逆にしても同じ作用効果を奏する。
【0041】
また、前記実施形態では本体のネジ軸をモータで回転させているが、逆にナット側をモータで回転させるようにしてもよい。さらに前記実施形態では、ネジ軸をスプラインによりモータM側に対して軸方向移動自在に設けているが、滑りキーなど、他の手段で軸方向移動自在、かつ、トルク伝達可能に連結してもよい。さらにモータMおよび減速機Gが軽い場合は、ネジ軸と一緒に軸方向に移動させるようにしてもよい。その場合はスプラインなどのトルク伝達可能な滑り手段を設ける必要はない。さらにモータなどがとくに軽い場合は、ハウジングを床面に固定せず、左右のケーブルにより宙吊りにしてもよい。
【0042】
さらに前記実施形態ではネジ軸とナットにより、操作側ケーブルと従動側ケーブルの接近・離隔を行っているが、ケーブルのそれぞれの端部をドラムに巻き上げるなど、他の手段で接近・離隔を行うこともできる。また操作側ケーブルと従動側ケーブルとを1本のケーブルで構成し、ケーブルの配索経路を迂回させるなどにより、実質的にケーブルの有効長さを変更させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の操作装置の一実施形態を手動操作機構と共に示す概略斜視図である。
【図2】 図1の操作装置および手動操作機構の一部切り欠き側面図である。
【図3】 図2のIII-III 線断面図である。
【図4】 図1の手動操作機構の一部切り欠き側面図である。
【図5】 図1の手動操作機構の平面図である。
【図6】 図6aはその手動操作機構の要部分解斜視図であり、図6bはその機構におけるケーブルガイドの裏面側から見た斜視図である。
【図7】 図7a〜cはそれぞれ図1の手動操作機構の作動状態を示す側面図である。
【図8】 図1の操作装置の種々の作動状態を示す作動状態説明図である。
【図9】 図9aは従来の電動パーキングブレーキ装置の一例を示す全体斜視図であり、図9bはその要部断面図である。
【図10】 図10aは従来の電動パーキングブレーキ装置の他の例を示す平面図、図10bはその要部断面図である。
【符号の説明】
1 手動操作機構
2 本体
3 操作側ケーブル
4 従動側ケーブル
10 コントローラ
11 操作スイッチ
12 ハウジング
13 ネジ機構
16 ベアリング
17 スプラインナット
20 ネジ軸
21 ナット
23 受け部材
24 スライドロッド
25 連結板
26 連結部材
27 スライド部材
33 ベース
34 軸
35 操作レバー
36 ラッチプレート
36a ノッチ
36b 摘み
39 握り部
40 係合爪
47 ケーブルガイド
Claims (4)
- 手動操作レバーに連結される操作側ケーブルと、ブレーキ側に連結される従動側ケーブルと、両者のケーブル間に介在される伝達機構とを備えており、
前記伝達機構が、ハウジングと、操作側ケーブルの端部に連結した第1部材と、従動側ケーブルの端部に連結した第2部材と、第1部材と第2部材とを、操作側の操作を従動側ケーブルに伝達しうる状態で常時連結すると共に、ケーブル全体の有効長さを長くする状態と短くする状態の間で相対的に接近/隔離させる移動手段と、その移動手段を電気的に往復駆動する電気駆動手段とを有し、
前記第1部材または第2部材のいずれか一方が、対応するケーブルと同心状に配置されるネジ軸を備え、他方がそのネジ軸と螺合するナットを備えており、
そのネジ軸がハウジングによって回転自在に支持されると共に、対応するケーブルに回転自在に連結され、前記ナットがハウジングによって回転しないように支持され、かつ、両者が結合された状態でハウジングによって軸方向に移動自在に支持されており、その両者のネジ結合が前記移動手段を構成しており、
前記電気駆動手段がハウジング内に収容および固定されており、前記ネジ軸にスプラインが設けられ、そのスプラインと嵌合するスプラインナットがハウジングによって回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されており、前記電気駆動手段によって回転駆動されるスプラインナットとネジ軸のスプラインとが、軸方向の相対的な移動を許しながら回転力を伝えるように連結しており、
前記ネジ軸の軸心に沿って貫通孔が形成されており、そのネジ軸と連結されるケーブルが引きケーブルで、ネジ軸に対して一端側から貫通孔に通され、ネジ軸の他端に対し、ネジ軸の回転を許しながら、それ自体は回転しないように支持される係止部材に係止されている電動式のパーキングブレーキ操作装置。 - 前記ナットが連結板に固定され、その連結板に一端が固定されると共に前記ネジ軸を挟んで配置される2本のスライド軸が前記ハウジングを貫通して軸方向移動自在に設けられており、それらの2本のスライドロッドの他端に連結部材が固定されており、その連結部材に前記操作側ケーブルまたは従動側ケーブルの一端が連結されており、
前記ネジ軸の他端側がナットおよびスライドロッドを介してハウジングに支持されている請求項1記載の操作装置。 - 前記駆動ケーブルが手動操作レバーに対し、ケーブルの有効長さを一時的に伸ばし、かつ、復帰可能な連結手段を介して連結されている請求項1または2記載の操作装置。
- 前記手動操作レバーが軸周りに回動自在に設けられる回動レバーであり、前記連結手段が手動操作レバーと同心状に回動自在に設けられた復帰用レバーと、その復帰用レバーと手動操作レバーとを係脱自在に連結する係合爪である請求3記載の操作装置。
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