JP4321871B2 - マンホール内壁切断装置 - Google Patents
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Description
マンホール内壁に対する回転刃の最初の位置合わせが煩雑であるため、切断作業を行うのに熟練を要する。また、切断作業時において回転刃が見えにくい構成のため、回転刃の前進、公転等の状況が分かり難い。マンホール内壁を所定の深さまで切断するのに、回転刃に過大な負荷を与えてしまうおそれがあった。
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、円盤状の回転刃に過大な負荷を与えることなく、簡単かつ迅速にマンホール内壁を所定の深さまで切断できるマンホール内壁切断装置を提供することを目的とする。
〈構成1〉
水平面で回転する回転リングと、上記回転リングに配設され、同回転リングと共に水平面で回転するレールと、上記レールの上に移動可能に載置された枠体と、上記枠体を、上記レール又は上記回転リングに一時的に固定する固定機構と、上記枠体に、上記回転リング内を挿通移動可能に配設された回転軸と、上記回転軸に設けられた円盤状の回転刃と、上記枠体に配設され、かつ移動時には上記回転リングを持ち上げた状態とし、据付け時には上記回転リングを着地状態とするように傾動可能にされたキャスタと、上記回転軸を回転駆動する回転駆動機構とを備えたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
マンホール内壁面と回転刃との位置関係を、枠体及び回転リングの内孔を通して目視できるので、回転刃の位置合わせが容易であり、切断作業中に修正変更を逐次行うことができ、切断作業がし易い。
水平面で回転する回転リングと、上記回転リングに配設され、同回転リングと共に水平面で回転するレールと、上記レールの上に移動可能に並列に載置される2本の形鋼とこれらの形鋼の中間部間を連結した連結部材とからなり、平面略H字形を呈する枠体と、上記枠体を、上記レール又は上記回転リングに一時的に固定する固定機構と、上記枠体に、上記回転リング内を挿通移動可能に配設された回転軸と、上記回転軸に設けられた円盤状の回転刃と、上記回転軸を回転駆動する回転駆動機構と、上記枠体の両端部間にそれぞれ掛け渡されて、平面四角形を呈するように設けられた前連結体及び後連結体と、上記前連結体及び後連結体の下位にそれぞれ配置された前可動支持部材及び後可動支持部材と、上記前可動支持部材及び後可動支持部材を、上記前連結体及び後連結体に対してそれぞれ垂直方向に上下移動させる昇降駆動機構と、上記前可動支持部材及び後可動支持部材のいずれか一方に配設された、車輪を支持する支持体が水平面で自由に回転する構成の自在キャスタ及びその他方に配設された、車輪を支持する支持体が水平面で回転しない構成の車輪とを備えたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成1又は2に記載のマンホール内壁切断装置において、上記レールは、2本の山形鋼を、上記回転リング上に適当間隔を置いて並列配置すると共に固定し、かつ、上記2本の山形鋼に、それぞれ上記枠体を支持する複数の支持ローラを間隔を置いて配設したものであり、上記枠体は、2本のみぞ形鋼を、その溝部を下向きにして上記レールの支持ローラ上に載置されるものであることを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成1又は2に記載のマンホール内壁切断装置において、上記固定機構は、上記レールに沿うように配置されて上記回転リングに固定され、かつ上縁に係止溝を有するストッパ板と、上記枠体に回動自在に配設され、かつ回動により一部が上記ストッパ板の上記係止溝に挿脱自在に嵌入されるレバーとからなるものであることを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成4に記載のマンホール内壁切断装置において、上記ストッパ板の上記係止溝は、上記ストッパ板の上縁に、所定間隔を置いて複数箇所に設けられたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成4に記載のマンホール内壁切断装置において、上記係止溝は、ストッパ板の上縁に、所定間隔を置いて複数箇所に設けられ、かつ、各溝に、上記枠体の前進方向に上昇する傾斜面と同傾斜面の端部を仕切る段部とが順次設けられて単鋸歯状を呈するようにしたものであることを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成5又は6に記載のマンホール内壁切断装置において、上記複数の各係止溝に、枠体の所定の移動距離を示す数値を表示したことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成4に記載のマンホール内壁切断装置において、上記ストッパ板に、上記枠体の、上記レール上での上下動を押さえるストッパピンを設けたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成1に記載のマンホール内壁切断装置において、上記枠体の前部に配設されたキャスタには、前方回転軸に支持された直行キャスタが使用され、上記枠体の後部に配設されたキャスタには、後方回転軸に、周方向に位置をずらして支持された自在キャスタ及び補助用直行キャスタが使用され、上記前方回転軸と上記後方回転軸は、それぞれ支持軸回転機構により回転して上記枠体の前部に配設された上記直行キャスタと、上記枠体の後部に配設された上記自在キャスタ及び上記補助用直行キャスタを傾動するものとされたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成1〜9のいずれかに記載のマンホール内壁切断装置において、上記枠体に、水を収納した水タンクを載置し、この水タンクの排水孔に、蛇口を介してホースを連結したことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成2に記載のマンホール内壁切断装置において、上記昇降駆動機構は、上記前連結体及び後連結体の各上面にそれぞれ起立された架台と、上記架台に回転自在かつ上下方向に支承された縦ねじ軸と、上記ねじ軸に螺合された可動軸受体と、一端部が上記可動軸受体に連結され、中間部が上記前連結体及び後連結体にそれぞれ設けられた貫通孔に挿通され、他端部が上記前可動支持部材及び後可動支持部材にそれぞれ連結されたガイド部材とを備えたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
構成1〜11のいずれかに記載のマンホール内壁切断装置において、上記回転リングと上記枠体のいずれか一方に横ねじ軸を回転自在に配設し、その他方に上記横ねじ軸に螺合されて上記横ねじ軸の回転により往復動する可動軸受けを配設し、上記枠体に、上記横ねじ軸を回転させる伝動軸を配設したことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
これらの図において、実施例1のマンホール内壁切断装置(以下、装置という。)は、水平面で回転する回転リング14と、回転リング14上に並列配置された2本のレール16(図4)と、平面略H字形の枠体18と、枠体18をレール16又は回転リング14に固定する固定機構20と、枠体18の中央部に垂下されて回転自在に配置された回転軸22と、回転軸22の下端に配設された円盤状の回転刃24と、枠体18の下面に配設された複数のキャスタ26a、26b、26cと、回転軸22を適当な回転速度で回転駆動する回転駆動機構28とを備えている。
ハンドル56又はハンドル57を、手動又は電動で回転することにより、前方ねじ軸62又は後方ねじ軸64が定位置で回転し、リンク70、リンク72を介して前方回転軸42あるいは後方回転軸44に回転力を付与し、キャスタ26a、26b、26cを傾動させる動作をする。キャスタ26a、26b、26cの動作については後述する。
固定機構20は、移動時や回転刃24での切断時に、枠体18を、レール16、回転リング14に固定するときに使用される。この固定機構20は、2本のレール16のうち、いずれか一方にのみ設けられていればよい。
すなわち、地面31から最も近い位置で浮上している回転リング14を地面に着地するために、キャスタ26を傾動する際に、直行キャスタ26aを傾動するときには問題は生じないが、自在キャスタ26bを傾動したときには補助用直行キャスタ26cがないと、装置全体が激しく揺動する。地面に僅かな凹凸があると、さらに激しく揺動する。これは、直行キャスタ26aはその車輪の支持体が動かない構成であるのに対して、自在キャスタ26bはその車輪の支持体が自由に回転する構成のために傾動に不安定であるからである。このような現象は、回転リング14を着地状態から地面より浮上させるために、キャスタ26を傾動する際にも生じる。
こうして所定の150mmの深さまでの切り込みができる。すなわち、マンホール内壁の外面に沿って回転刃24を自転及び公転させながらマンホール内壁を一周して平面状円形に切断する。
図16は同装置を前方からみた状態を一部断面で示している。図示するように、回転リング14上の枠体18(図17)の前方端部間に前連結体102が掛け渡された状態に配設されている。前連結体102の下方には、両端に車輪106を配設した前可動支持部材103が配置されている。前連結体102と前可動支持部材103との間に、前可動支持部材103を、前連結体102対して垂直方向に上下移動させる昇降駆動機構104が設けられている。
ハンドル122の取っ手を回転して縦ねじ軸108を回動したとき、可動軸受体110がガイド部材114により回動が押えられて上下方向に移動する。可動軸受体110の上下移動により、前可動支持部材103及び車輪106が一緒に鉛直方向に上下移動する。前可動支持部材103及び車輪106がガイド部材114により持ち上げられて前連結体102に向って上昇したとき、回転リング14が相対的に下降する状態となって、図16(b)に示すように、回転リング14が着地するに至る。
このようにキャスタ及び車輪を、実施例1の装置の場合のように回動することなく、地面に対して鉛直方向に上下移動できるので、装置を地面の所定位置に正確に設置することができる。
なお、横ねじ軸116は回転リング14側に回転自在に配設されてもよい。この場合にはL型板128が連結部材40側に配設され、このL型板128に可動軸受け118が配設されるように構成変更される。
ハンドル124の取っ手を回転して伝動軸120、複数のかさ歯車130を介して横ねじ軸116を回動したとき、可動軸受け118が横ねじ軸116にそって往復動する。例えば、着地して固定状態の回転リング14に対して、可動軸受け118が往復動することにより枠体の連結部材40が相対移動する。所望の位置でハンドル操作を行って簡単に回転リング14と枠体18との相対移動を行わせることができる。
16 レール
18 枠体
20 固定機構
22 回転軸
24 回転刃
26a 直行キャスタ
26b 自在キャスタ
26c 補助用直行キャスタ
27 ベルト
28 回転駆動機構
29 ローラ
30 マンホール首部
31 地面
32 山形鋼
34 支持ローラ
36 押えローラ
38 みぞ形鋼
40 連結部材
42 前方回転軸
44 後方回転軸
46 連結部材
48 脚柱
50 門形支柱
54 把持部材
56 ハンドル
57 ハンドル
58 逆L字形支柱
60 コ字形支柱
62 前方ねじ軸
64 後方ねじ軸
70 リンク
72 リンク
74 板状部材
76 板状部材
78 水タンク
80 蛇口
82 ホース
84 ストッパ板
86 係止溝
87 数値
88 レバー
90 ストッパピン
92 ピン
94 傾斜面
Claims (11)
- 水平面で回転する回転リングと、
前記回転リングに配設され、同回転リングと共に水平面で回転するレールと、
前記レールの上に移動可能に載置された枠体と、
前記枠体を、前記レール又は前記回転リングに一時的に固定する固定機構と、
前記枠体に、前記回転リング内を挿通移動可能に配設された回転軸と、
前記回転軸に設けられた円盤状の回転刃と、
前記枠体に配設され、かつ移動時には前記回転リングを持ち上げた状態とし、据付け時には前記回転リングを着地状態とするように傾動可能にされたキャスタと、
前記回転軸を回転駆動する回転駆動機構とを備えたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 水平面で回転する回転リングと、
前記回転リングに配設され、同回転リングと共に水平面で回転するレールと、
前記レールの上に移動可能に並列に載置される2本の形鋼とこれらの形鋼の中間部間を連結した連結部材とからなり、平面略H字形を呈する枠体と、
前記枠体を、前記レール又は前記回転リングに一時的に固定する固定機構と、
前記枠体に、前記回転リング内を挿通移動可能に配設された回転軸と、
前記回転軸に設けられた円盤状の回転刃と、
前記回転軸を回転駆動する回転駆動機構と、
前記枠体の両端部間にそれぞれ掛け渡されて、平面四角形を呈するように設けられた前連結体及び後連結体と、
前記前連結体及び後連結体の下位にそれぞれ配置された前可動支持部材及び後可動支持部材と、
前記前可動支持部材及び後可動支持部材を、前記前連結体及び後連結体に対してそれぞれ垂直方向に上下移動させる昇降駆動機構と、
前記前可動支持部材及び後可動支持部材のいずれか一方に配設された、車輪を支持する支持体が水平面で自由に回転する構成の自在キャスタ及びその他方に配設された、車輪を支持する支持体が水平面で回転しない構成の車輪とを備えたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項1又は2に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記レールは、2本の山形鋼を、前記回転リング上に適当間隔を置いて並列配置すると共に固定し、かつ、前記2本の山形鋼に、それぞれ前記枠体を支持する複数の支持ローラを間隔を置いて配設したものであり、
前記枠体は、2本のみぞ形鋼を、その溝部を下向きにして前記レールの支持ローラ上に載置されるものであることを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項1又は2に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記固定機構は、前記レールに沿うように配置されて前記回転リングに固定され、かつ上縁に係止溝を有するストッパ板と、
前記枠体に回動自在に配設され、かつ回動により一部が前記ストッパ板の前記係止溝に挿脱自在に嵌入されるレバーとからなるものであることを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項4に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記ストッパ板の前記係止溝は、前記ストッパ板の上縁に、所定間隔を置いて複数箇所に設けられたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項4に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記係止溝は、ストッパ板の上縁に、所定間隔を置いて複数箇所に設けられ、かつ、各溝に、前記枠体の前進方向に上昇する傾斜面と同傾斜面の端部を仕切る段部とが順次設けられて単鋸歯状を呈するようにしたものであることを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項5又は6に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記複数の各係止溝に、枠体の所定の移動距離を示す数値を表示したことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項4に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記ストッパ板に、前記枠体の、前記レール上での上下動を押さえるストッパピンを設けたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のマンホール内壁切断装置において、
前記枠体に、水を収納した水タンクを載置し、この水タンクの排水孔に、蛇口を介してホースを連結したことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項2に記載のマンホール内壁切断装置において、
前記昇降駆動機構は、
前記前連結体及び後連結体の各上面にそれぞれ起立された架台と、
前記架台に回転自在かつ上下方向に支承された縦ねじ軸と、
前記ねじ軸に螺合された可動軸受体と、
一端部が前記可動軸受体に連結され、中間部が前記前連結体及び後連結体にそれぞれ設けられた貫通孔に挿通され、他端部が前記前可動支持部材及び後可動支持部材にそれぞれ連結されたガイド部材とを備えたことを特徴とするマンホール内壁切断装置。 - 請求項1〜10のいずれかに記載のマンホール内壁切断装置において、
前記回転リングと前記枠体のいずれか一方に横ねじ軸を回転自在に配設し、その他方に前記横ねじ軸に螺合されて前記横ねじ軸の回転により往復動する可動軸受けを配設し、
前記枠体に、前記横ねじ軸を回転させる伝動軸を配設したことを特徴とするマンホール内壁切断装置。
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