JP4319996B2 - 成型装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の製品をキャビティ内で成型するための成型装置に関するものである。
従来の成型装置として、図に示すものが提案されている。この成型装置はベッド111に固定された金型把持体112に対し取り外し可能に装着された固定金型113と、前記金型把持体112に対し上下一対の案内レール114に沿って前後方向(図の左右)の往復動可能に装着された金型把持体115とを備えている。この金型把持体115に可動金型116が取り外し可能に装着されている。又、前記ベッド111の右側方には型閉めされた固定金型113と可動金型116によって形成されるキャビティ内にアルミニウム等の溶湯を流し込んで製品を成型するための射出機構117が装着されている。この射出機構117は前記金型把持体112を貫通して固定金型113に連通された溶湯の貯留室119を有するスリーブ118を備えている。このスリーブ118の外端部には溶湯の注入口120が設けられている。前記貯留室119の内部には射出ロッド121が挿入され、シリンダ122によって往復動されるようになっている。
記従来の成型装置は、固定金型113に対し可動金型116を型閉めした状態で、注入口120から溶湯を貯留室119内に注入し、その後、シリンダ122を作動して射出ロッド121を前進させる。そして、貯留室119内の溶湯をキャビティ内に圧入する必要があるため、成型作業の工程数が型閉め・溶湯注入・溶湯圧入の三程と多くなり、成型作業の能率が低下し製造コストの低減を図ることができないという問題があった
本発明の目的は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、製品の成型作業の能率を向上することができるとともに、貯留室内に余剰の溶湯が注入されても、成型作業を適正に行うことができる成型装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、成型用のキャビティを形成可能な下型ユニットと上型ユニットを接近又は離間可能に対向して配置し、前記下型ユニットの内部に前記キャビティに連通する溶湯の貯留室を設け、前記下型ユニットに対し前記両型ユニットの型閉め動作の後に前記貯留室内の溶湯をキャビティ内に押し出す押出手段を設け、前記型ユニットに対し前記キャビティ内の余剰溶湯を収容するダンパー室を設けるとともに、該ダンパー室に対し、該ダンパー室に収容された余剰溶湯を加圧する加圧部材を往復動可能に収容し、該加圧部材に流体圧シリンダのピストンロッドを連結し、前記流体圧シリンダのピストン側シリンダ室は、圧力流体供給源から流体が第1管路及び第1電磁切換弁の供給ポートを介して供給可能に構成されるとともに、前記流体圧シリンダのロッド側シリンダ室は、第2管路及び前記第1電磁切換弁のドレンポートを介してタンクに接続可能に構成され、前記第1管路には第1圧力調整弁が設けられ、前記流体圧シリンダと連動する加圧部材が前記ダンパー室の容積を最小にする位置に保持された状態にあり、制御装置からの信号によって第1電磁切換弁が供給ポートからドレンポートに切り換えられ、前記押出手段により貯留室内の溶湯がキャビティへ押し出される工程において、前記制御装置からの制御信号によって前記第1圧力調整弁を制御して前記ピストン側シリンダ室からタンクに排出される流体の量を調整して、ピストン側シリンダ室内の圧力を設定圧力に制御するように構成されていることを要旨とする。
この発明によれば、従来の外部装着タイプの射出機構を無くして、構造を簡素化して装置の小型化及びコストの低減を図ることができるとともに、製品の成型作業の能率を向上することができる。又、貯留室内に余剰溶湯が収容されても、ダンパー室によって吸収することができ、このため、型合わせ面に余剰溶湯が侵入するのを防止して、製品の成型作業を適正に行うことができる。又、貯留室に貯留する余剰溶湯の貯留量を厳密に管理しなくてもよいので、成型作業を迅速に行うことができる。
以下、本発明を具体化した成型装置の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
最初に、図7に基づいて成型装置全体の概略構成について説明する。
下部支持台11の下面には脚部12が設けられ、下部支持台11の上面には複数箇所(この実施形態では4箇所で二箇所のみ図示)に案内支柱13が上方に向けて互いに平行に立設されている。前記案内支柱13の上端部間には上部支持台14が架設されている。前記各案内支柱13の上部には水平方向指向する昇降板15が上下方向往復動可能に装着されている。この昇降板15は前記上部支持台14に下向きに固定した複数(一箇所のみ図示)の昇降用シリンダ16のピストンロッド17の出没動作によって昇降動作されるようになっている。前記上部支持台14には型締シリンダ18が下向き固定され、そのピストンロッド19の下端が前記昇降板15に連結されている。
前記下部支持台11の上面には前記複数の案内支柱13の間に位置するように下型ユニット21が装設されている。又、前記昇降板15の下面には上型ユニット22が装設されている。この下型ユニット21と上型ユニット22によって金型ユニット23が構成されている。
そこで、金型ユニット23の下型ユニット21と上型ユニット22の構成を図3を中心に説明する。
図3に示す下型ユニット21の下部を構成する基板24は、図7に示す前記下部支持台11の上面に図示しないクランプ機構によって取り付けられている。この基板24の上面には水平支持板25がヒンジ機構26を介して上下方向傾動可能に装着されている。前記基板24と水平支持板25との間には水平支持板25を傾動させるための傾動機構27が設けられている。この傾動機構27は前記基板24の上面に水平に支持した傾動用シリンダ28と、その傾動用シリンダ28のピストンロッド29によって作動されるカム部材30とにより構成されている。前記基板24の左端部にはロックレバー31が左右方向傾動可能に支持され、前記傾動用シリンダ28の左端部に突出したピストンロッド33によってロックされた位置に保持されるようになっている。
前記水平支持板25の上面には左右1対の円筒状をなす案内筒34が上方に向けて互いに平行に立設されている。各案内筒34には支持ロッド35が上向きにそれぞれ上下方向に往復動可能に装設され、前記各支持ロッド35には鉄等の金属材料よりなる下型把持体36が装着されている。前記下型把持体36の上面に設けた凹部には下型37が取り外し可能にボルト38によって締め付け固定されている。前記案内筒34の内部にはガスが封入され、支持ロッド35は、下型把持体36を常には所定高さ位置に弾性的に浮上保持するようにしている。
前記水平支持板25の中央部上面には円筒状をなす台座39がボルトによって固着され、この台座39の上端部に形成された雄ネジ部391には、押出手段を構成する押出ロッド40の下部に形成した雌ネジ部401が螺合されている。前記台座39の中心部には、前記押出ロッド40に設けた冷却用ジャケット402に冷却水を供給するための冷却水供給部材41が収容され、この冷却用ジャケット402に外部から押出ロッド40を冷却するための冷却水を供給するようになっている。
前記下型把持体36と下型37の中心部には円筒体42が上下方向に嵌入され、その下端外周に形成されたフランジがボルト43によって下型把持体36に締め付け固定されている。前記円筒体42の内周面にはライナー44が嵌入され、前記円筒体42の下端部にボルト45によって取り付けられたストッパー46によって所定位置に保持されている。前記押出ロッド40の上端部は前記ストッパー46に形成した挿通孔461と前記ライナー44の内周面441内に挿入されている。前記ライナー44の内周面441と押出ロッド40の上端面によって形成される有底円状の空間を溶湯の貯留室47としている。この貯留室47内に溶湯Yが上方から注入されるようになっている。
前記水平支持板25の上面には案内ロッド48が複数箇所に立設され、各案内ロッド48には昇降可能に座金49が嵌装され、各座金49は積層された皿バネ50によって上方に付勢されている。前記下型把持体36の下面には前記案内ロッド48の頭部の進入を許容する凹部361が形成されている。
次に、前記昇降板15に装着される上型ユニット22について説明すると、金属材よりなる第1上型把持体51の上面には連結部材511が複数箇所に連結され、この連結部材511が図7に示す前記昇降板15の下面に対し図示しないクランプ機構により固着されている。前記第1上型把持体51の下面には第2上型把持体52がボルト53によって締め付け固定されている。この第2上型把持体52の下面には上型54が取り外し可能にボルト55によって締め付け固定されている。この上型54に形成された第2成型面541と、前記下型37に形成された第1成型面371とによって図1に示すように所定形状の製品を成型するためのキャビティKが形成されるようになっている。
前記第1上型把持体51には、図3に示すように案内支柱56が複数箇所(四箇所のうち二箇所のみ図示)に設けられ、この案内支柱56にはボルト59によって連結された状態の第1昇降板57及び第2昇降板58が図示しないシリンダにより同時に昇降可能に装着されている。前記第2昇降板58には案内ロッド60が複数箇所(図3に四箇所のうち一箇所図示)に下向きに連結され、各案内ロッド60は前記第2上型把持体52に形成された案内通路521及び上型54に形成された案内通路542に摺動可能に挿入されている。
前記第2昇降板58には押出ピン71の上端部が連結され、押出ピン71は第2上型把持体52、上型54に設けた案内通路523,544に挿入されている。
次に、図1,2を中心に本発明の特徴的構成について説明する。
前記第2上型把持体52の中央部上面には円筒状をなす支持部材72が複数箇所にボルト73(図3参照)によって締め付け固定されている。前記支持部材72の上面にはシリンダ74が下向きに設置され、ボルト75(図3参照)によって前記支持部材72の上面に締め付け固定されている。
図1に示すように、前記シリンダ74のピストンロッド76には加圧部材としての加圧ロッド77が連結されている。この加圧ロッド77の上端部に形成された雄ネジ771は、前記ピストンロッド76に形成された雌ネジ761に螺合されている。
前記加圧ロッド77の中心部には冷却水の通路772が形成され、この通路772に外部から加圧ロッド77を冷却するための冷却水が供給されるようにしている。前記加圧ロッド77の上端部にはフランジ部773が体に形成されている。このフランジ部773には上下方向にキー溝774が形成され、前記第2上型把持体52の上部にはボルト82によってキー81が上下方向指向するように固定され、このキー81が前記キー溝774に係合され、加圧ロッド77の回動が阻止されるようになっている。前記通路772の下端は密栓83によって閉鎖されている。
前記第2上型把持体52及び上型54には、前記加圧ロッド77を上下方向に案内移動する案内通路524,545が形成されている。前記上型54に設けた案内通路545の上部にはシール部材84が嵌入され、前記加圧ロッド77がこのシール部材84によって上下方向に案内されるようになっている。前記案内通路545と、加圧ロッド77の下端とによって余剰の溶湯を収容するためのダンパー室Rが形成されている。
前記シリンダ74のピストン側シリンダ室91は、第1管路L1によって油タンク86及び油圧ポンプ87により構成された圧力流体供給源と接続されている。前記第1管路L1にはアキュームレータ88及び第1電磁切換弁89が接続され、第1電磁切換弁89とシリンダ74のロッド側シリンダ室92は、第2管路L2によって接続されている。前記第1電磁切換弁89は前記第1管路L1を介してピストン側シリンダ室91に圧油を供給して加圧ロッド77を前進させる供給ポート89a側の位置と、前記両室91,92をともにドレン状態とするドレンポート89b側の位置との間で切換可能になっている。
前記アキュームレータ88には油タンク86に油を還流する管路Lが接続され、該管路Lにはリリーフバルブ93が設けられ、制御装置94からの制御信号によって、アキュームレータ88内の圧力をほぼ一定の圧力に調整するようになっている。前記第1電磁切換弁89とシリンダ74の間の第1管路L1には第1圧力調整弁95が配設され、前記第1電磁切換弁89が加圧ロッド77を前進させる供給ポート89a側の位置に切り換えられた状態において、前記制御装置94からの制御信号によって、前記ピストン側シリンダ室91に供給する油圧力を調整するようになっている。又、第1電磁切換弁89が供給ポート89a側の位置からドレンポート89b側の位置に切り換えられると、ピストン側シリンダ室91内の油が第1管路L1を通して油タンク86に排出されるようになっている。このとき、前記第1圧力調整弁95は、制御装置94からの制御信号によって、ピストン側シリンダ室91から外部に排出される油の量を調整して、ピストン側シリンダ室91内の圧力を予め設定された設定圧力に制御する機能も兼用している。
この実施形態では、前記シリンダ74、ピストンロッド76、加圧ロッド77、油圧ポンプ87、アキュームレータ88、第1電磁切換弁89及び第1圧力調整弁95等によって加圧手段が構成されている。
なお、前記下型ユニット21、上型ユニット22には図示しないが、下型37と上型54を冷却するための冷却機構が設けられている。
次に、前記のように構成した成型装置の動作について説明する。
図3は図1に示す第1電磁切換弁89がドレンポート89b側の位置に保持され、下型ユニット21から上型ユニット22が上方に離隔された型開き状態を示し、加圧ロッド77が最下端位置に移動され、ダンパー室Rが最小の容積となっている。この状態において傾動用シリンダ28のピストンロッド33を図3において右方へ移動させ、手動によりロックレバー31のロック状態を解除する。そして、傾動機構27の傾動用シリンダ28のピストンロッド29を図3において右方に移動させてカム部材30を回動する。すると、図4に示すように水平支持板25及び下型把持体36等がヒンジ機構26を中心にして時計回り方向に回動される。この傾斜状態において前記貯留室47内に溶湯Yを注入する。なお、この傾斜角はカム部材30の形状を変更することにより例えば10°〜60°の範囲に設定が可能である。
次に、前記傾動機構27のピストンロッド29を図4において左方へ移動させ、水平支持板25及び下型把持体36を図5に示すように元の水平状態に復帰する。その後、ピストンロッド33をさらに左方へ移動させてロックレバー31を回動することにより水平支持板25の左端部を該ロックレバー31によりロックする。
次に、図6に示すように上型ユニット22を下方に移動して、上型54の下面が下型把持体36及び下型37の上面に接触する型閉め高さ位置に移動し、さらに、上型54によって下型把持体36を下方へ移動する。この下型把持体36の下降行程において押出ロッド40がライナー44内を上方に相対移動することになるので、貯留室47に貯留されていた溶湯YがキャビティK内に圧入される。このようにしてキャビティKの形状に倣った製品90が成型される。
図6においては、水平支持板25の上面に下型把持体36の下面に形成したストロークエンドを設定するストッパー(図示略)が接触して停止され、この状態で蓄勢された皿バネ50によって下型37が上型54に押圧される。下型37に対する上型54の型締め動作は、前記型締シリンダ18によって行われる。
前記キャビティK内に流入した溶湯Yのうちの余剰分は、加圧ロッド77を上方に移動させながら、ダンパー室R内に進入する。この過程では両シリンダ室91,92がともにドレンポート側の位置になっているが、加圧ロッド77を上方に押し上げるときに所定の抵抗が付与されるように、第1管路L1に接続された第1圧力調整弁95によりピストン側シリンダ室91内の圧力が予め設定された設定圧力となるように制御される。
加圧ロッド77が成型作業の最終段階で最上限位置に移動された後に、第1電磁切換弁89を制御装置94からの切換信号によりドレンポート89b側の位置から供給ポート89a側の位置に切り換えて、ピストン側シリンダ室91に圧油を供給し、シリンダ74の加圧ロッド77を下方に移動させてダンパー室R内の余剰溶湯Yを加圧する。このとき、前記第1圧力調整弁95によりピストン側シリンダ室91内の圧力が調整され、結果としてダンパー室Rの加圧力ひいてはキャビティK内の圧力が予め設定された設定圧力に制御される。
このようにして、製品90の成型が完了すると、型締シリンダ18が停止され状態において、昇降用シリンダ16が作動されて、上型ユニット22が上方に移動され、上型把持体51及び上型54が製品90とともに上昇し、型開き状態に保持される。図示しないシリンダにより第1及び第2昇降板57,58を下方に移動して押出ピン71を下方に移動させることによって製品90が第2成型面541から分離される。
上記実施形態の成型装置によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、下型ユニット21の下型把持体36及び下型37側の円筒体42内に溶湯Yの貯留室47を形成し、下型ユニット21と上型ユニット22の型閉め動作と同期して、貯留室47内の溶湯Yを押出ロッド40によってキャビティKに圧入するようにした。このため、従来のような外部装着タイプの射出機構が不要となり、構造を簡素化して成型装置を小型化することができるとともに、装置の製造を容易に行いコストの低減を図ることができる。又、下型ユニット21と上型ユニット22の型閉め動作と同期して貯留室47内の溶湯YをキャビティKに圧入する動作を行うことができるため、溶湯Yの注入と型閉めとの二工程だけとなり従来と比較して成型作業の行程を一程減らして作業能率を向上することができる。
(2)上記実施形態では、前記上型54にダンパー室Rを形成し、加圧ロッド77を作動するシリンダ74のピストン側シリンダ室91の圧力が第1圧力調整弁95によって予め設定された設定圧力になるようにした。そして、貯留室47からキャビティK内に供給された溶湯Yの1部が前記加圧ロッド77を上方に押動してダンパー室Rに流入するので、余剰溶湯YをキャビティKから外部に逃すことができる。従って、下型37と上型54の型合わせ面に溶湯が侵入して製品の外形形状が損なわれるのを防止することができる。
又、余剰の溶湯Yがダンパー室Rに収容されるため、製品90の成型に必要な溶湯Yの貯留量を厳密に管理しなくてもよいので、貯留室47への溶湯Yの注入作業を迅速に行い、成型作業の能率を向上することができる。
(3)前記実施形態では、押出ロッド40による溶湯Yの押し出し動作の開始時において、加圧ロッド77が前記ダンパー室Rの容積を最小にする位置に保持され、押し出し動作の最終段階で容積が最大となる位置に移動されるようにした。このため、貯留室47から押出ロッド40によってキャビティK内全域に溶湯Yが押し出された後に余剰の溶湯Yがダンパー室Rに進入するので、成型不良を未然に防止することができる。
(4)上記実施形態では、押出ロッド40による溶湯YのキャビティKへの押し出し動作の最終段階で、前記第1電磁切換弁89をドレンポート89b側の位置から供給ポート89a側の位置に切り換えて、シリンダ74のピストンロッド76を下方に移動させるようにした。このため、加圧ロッド77によって余剰の溶湯を収容したダンパー室Rを加圧して、巣の発生を防止することができ、製品の硬度(密度)及び品質を向上することができる。
(5)上記実施形態では、図3に示す型開き状態で下型ユニット21の下型把持体36を傾動機構27によって傾斜位置に保持するようにした。このため、貯留室47内に溶湯Yを容易に注入することができるとともに、溶湯Yが貯留室47の内周の傾斜面に沿って流れるため、真上から注入するのと比較して、溶湯Yが乱れ難くなり、溶湯Yの泡立ち状態を無くして気泡が混入するのを防止することができる。
(6)上記実施形態では、シリンダ74及び加圧ロッド77等により加圧手段を構成したので、既製のピントンタイプのシリンダを用いて、加圧手段を安価に製造することができる。
(7)上記実施形態では、押出手段が押出ロッド40によって構成されているので、既製のピントンタイプのシリンダを用いて、押出手段の製造を容易に行いコストを低減することができる。
なお、この発明は次のように変更して具体化することもできる
○ ヒンジ機構26及び傾動機構27を省略してもよい。
○ 前記各実施形態において前記下型ユニット21を、型閉め位置から前方又は後方に退避した位置に切り換えるようにしてもよい。
図1〜図7に示す実施形態において、前記加圧ロッド77を成型作業の開始前に上方に移動しておき、成型作業の途中でダンパー室Rに余剰溶湯を進入させ、成型作業の最終段階で加圧ロッド77を下方に移動して、ダンパー室Rの余剰溶湯を加圧するようにしてもよい。
図1〜図7に示す実施形態において、前記ダンパー室Rの形成位置を、下型37の第1成型面371又は上型54の第2成型面541の任意の位置に設定してもよい。
○ 図1〜図7に示す実施形態において、前記加圧ロッド77を成型作業の開始前に上方に移動してダンパー室Rを開放しておき、下型37と上型54の型合わせ後に押出ロッド40により溶湯YをキャビティK及びダンパー室Rに進入させる。その後、第1圧力調整弁95によりピストン側シリンダ室91の圧力を制御することにより、加圧ロッド77を低圧力で下方に移動しダンパー室Rの余剰溶湯を加圧し、所定時間経過後に高圧力で加圧ロッド77をさらに下方に移動するようにしてもよい。
このように構成すれば、ダンパー室Rの余剰溶湯をキャビティKへ流入させてキャビティ内の溶湯の充填状態のバラツキを無くすことができる。又、高圧力で余剰溶湯を加圧するので、成型された製品にヒケ巣(気泡)ができるのを防止することができる。
○ 図1〜図7に示す実施形態において、加圧手段の加圧部材(加圧ロッド77)が、押出手段(押出ロッド40)による溶湯の押し出し動作の開始時にダンパー室Rの容積を最大にする位置に保持され、貯留室47の溶湯のキャビティKへの押し出し動作が終了した後に加圧部材により低圧力でダンパー室Rの余剰溶湯を加圧し、次に、高圧力で余剰溶湯を加圧するように構成してもよい。
このように構成すれば、貯留室47の溶湯YのキャビティKへの押し出し動作が終了した後に加圧部材により低圧力で前記ダンパー室Rの余剰溶湯を加圧するので、ダンパー室Rの余剰溶湯をキャビティKへ流入させてキャビティ内の溶湯の充填状態のバラツキを無くすことができる。又、高圧力で余剰溶湯を加圧するので、成型された製品にヒケ巣ができるのを防止することができる。
図1に示す前記第1圧力調整弁95の設置位置を、第1電磁切換弁89のドレンポート89bと油タンク86の間の第2管路L2に変に更してもよい。
○ 前記増速シリンダ98を省略してもよい。
この発明の成型装置の要部を示す型合わせ状態の縦断面図。 成型装置の成型完了状態の縦断面図。 下型ユニットと上型ユニットの型開き状態を示す縦断面図。 下型ユニットと上型ユニットの型開き状態を示す縦断面図。 溶湯を貯留室に貯留した状態を示す型開き状態の縦断面図。 下型ユニットと上型ユニットによる成型完了状態を示す縦断面図。 成型装置全体を示す正断面図。 従来の成型装置を示す断面図
符号の説明
K…キャビティ、L…管路、R…ダンパー室、Y…余剰溶湯、L1…第1管路、L2…第2管路、L3…第3管路、L4…第4管路、17,19,29,33,76…ピストンロッド、21…下型ユニット、22…上型ユニット、40…押出ロッド、47…貯留室、89…第1電磁切換弁、89a,97a,100a…供給ポート、89b,97b,100b…ドレンポート、91,92…シリンダ室、91…ピストン側シリンダ室、92…ロッド側シリンダ室、94…制御装置、95…第1圧力調整弁。

Claims (1)

  1. 成型用のキャビティを形成可能な下型ユニットと上型ユニットを接近又は離間可能に対向して配置し、前記下型ユニットの内部に前記キャビティに連通する溶湯の貯留室を設け、前記下型ユニットに対し前記両型ユニットの型閉め動作の後に前記貯留室内の溶湯をキャビティ内に押し出す押出手段を設け、前記型ユニットに対し前記キャビティ内の余剰溶湯を収容するダンパー室を設けるとともに、該ダンパー室に対し、該ダンパー室に収容された余剰溶湯を加圧する加圧部材を往復動可能に収容し、該加圧部材に流体圧シリンダのピストンロッドを連結し、前記流体圧シリンダのピストン側シリンダ室は、圧力流体供給源から流体が第1管路及び第1電磁切換弁の供給ポートを介して供給可能に構成されるとともに、前記流体圧シリンダのロッド側シリンダ室は、第2管路及び前記第1電磁切換弁のドレンポートを介してタンクに接続可能に構成され、前記第1管路には第1圧力調整弁が設けられ、前記流体圧シリンダと連動する加圧部材が前記ダンパー室の容積を最小にする位置に保持された状態にあり、制御装置からの信号によって第1電磁切換弁が供給ポートからドレンポートに切り換えられ、前記押出手段により貯留室内の溶湯がキャビティへ押し出される工程において、前記制御装置からの制御信号によって前記第1圧力調整弁を制御して前記ピストン側シリンダ室からタンクに排出される流体の量を調整して、ピストン側シリンダ室内の圧力を設定圧力に制御するように構成されていることを特徴とする成型装置
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