JP4319260B2 - エステラーゼ遺伝子及びその利用 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エステラーゼ遺伝子及びその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式 化4
【0003】
【化4】
Figure 0004319260
【0004】
(式中、R1は炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子2〜10個のアルキニル基又は炭素原子1〜4個のハロアルキル基を表す。)
で示されるシクロペンテノロン類は、優れた殺虫活性を有するいわゆる合成ピレスロイドと呼ばれる一群のエステル系化合物の重要なアルコール成分として有用である。
例えば、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンの2、2、3、3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸とのエステルである下記式 化5で示される化合物は極めて強いノックダウン効力及び致死効力を有する優れた殺虫剤である(例えば、特公昭50−15843)。
【0005】
【化5】
Figure 0004319260
【0006】
一般式 化4で示されるシクロペンテノロン類は、その4位に不斉炭素を有するために2種の光学異性体が存在する。該光学異性体をアルコール成分として有する合成ピレスロイドにおいては、そのアルコール成分における光学異性の差によって殺虫効果に大きな差を生じることが知られており、例えば、上記一般式 化5で示される化合物において、(S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンからなるエステルは、対応する(R)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンからなるエステルに比し、その殺虫効力が数倍優れていることが明らかになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このため、合成ピレスロイドのアルコール中間体として重要である一般式 化4で示されるシクロペンテノロン類の光学異性体を工業的にも有利に分離取得する方法の開発が望まれており、また、そのために、例えば、該シクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用して、これを不斉加水分解する能力を有する優れたエステラーゼを産生する微生物を遺伝子工学的手法により作製するために、上記のようなエステラーゼをコードする遺伝子の探索も強く望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、シクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用して、これを不斉加水分解し、高い光学純度の(S)−体のシクロペンテノロン類を産生する能力を有するエステラーゼ遺伝子を見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1)一般式 化6
【0009】
【化6】
Figure 0004319260
【0010】
(式中、R1は炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子2〜10個のアルキニル基又は炭素原子1〜4個のハロアルキル基を表す。)
で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体のシクロペンテノロン類を産生する能力を有するエステラーゼをコードし、かつ、配列番号1で示される塩基配列にハイブリダイズすることを特徴とするエステラーゼ遺伝子(以下、本発明遺伝子と記す。)、
2)配列番号1で示される塩基配列とのホモロジーが90%以上であることを特徴とする前項1記載のエステラーゼ遺伝子。
3)配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有することを特徴とする前項1記載のエステラーゼ遺伝子、
4)配列番号1で示される塩基配列を有することを特徴とする前項1記載のエステラーゼ遺伝子、
5)前項1、2、3又は4記載のエステラーゼ遺伝子を含有することを特徴とするプラスミド(以下、本発明プラスミドと記す。)、
6)前項5記載のプラスミドにより形質転換されたことを特徴とする形質転換体(以下、本発明形質転換体と記す。)、
7)形質転換体が微生物であることを特徴とする前項6記載の形質転換体、
8)前項1、2、3又は4記載のエステラーゼ遺伝子を有する微生物が産生することを特徴とするエステラーゼ(以下、本発明エステラーゼと記す。)、
9)前項1、2、3又は4記載のエステラーゼ遺伝子を有する微生物が前項6記載の形質転換体であることを特徴とする前項8記載のエステラーゼ、
10)前項6記載の形質転換体を培養することにより、一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力を有するエステラーゼを産生することを特徴とするエステラーゼの製造方法(以下、本発明製造方法と記す。)、
11)前項8記載のエステラーゼを一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用させて、該エステルを不斉加水分解して、(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類とその対掌体のエステルに分割することを特徴とする一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の光学分割方法(以下、本発明光学分割方法と記す。)、
12)一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類が4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンである前項11記載の光学分割方法、
13)一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類が4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンである前項11記載の光学分割方法、
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明遺伝子は、一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力を有するエステラーゼをコードし、かつ、配列番号1で示される塩基配列にハイブリダイズするエステラーゼ遺伝子である。尚、本発明でいうエステラーゼとは、リパーゼを含む広義のエステラーゼを意味している。
ここで一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力とは、例えば、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−メチルシクロペントー2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−エチル−2−シクロペント−2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)−2−シクロペント−2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2、4−ペンタジエニル)−2−シクロペント−2−エン−1−オン、(±)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(1−メチル−2−プロピニル)−2−シクロペント−2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(1−メチル−2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)シクロペント−2−エン−1−オン等のシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、対応する(S)−体のシクロペンテノロン類を産生する能力を意味する。
一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類において、R1で示される炭素原子1〜10個のアルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、ペンチル基、デシル基等をあげることができ、炭素原子2〜10個のアルケニル基としては、例えば、2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2,4−ペンタジエニル基、2−ヘプテニル基、2−デセニル基等をあげることができ、炭素原子2〜10個のアルキニル基としては、例えば、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2ーヘプチニル基、2−デシニル基等をあげることができ、炭素原子1〜4個のハロアルキル基としては、例えば、2,2,2,−トリフルオロエチル、4,4,4−トリフルオロブチル基等をあげることができる。
尚、前記有機カルボン酸エステルに於いて、有機カルボン酸としては、例えば、炭素原子1〜10個の飽和又は不飽和の脂肪酸、ピレスロイド酸等をあげることができる。
また、「配列番号1で示される塩基配列にハイブリダイズする」遺伝子とは、配列番号1で示される塩基配列を有するDNAをプローブとして、例えば、「クローニングとシークエンス」(渡辺格監修、杉浦昌弘編集、1989、農村文化社発行)等に記載されるサザンハイブリダイゼーション方法によって視覚的に検出可能であるような遺伝子を意味し、配列番号1で示される塩基配列を有するDNA又はそのDNAにおける1若しくは複数の塩基が付加、欠失又は置換された塩基配列からなるDNA等である。例えば、95℃、1分という条件の熱処理や、0.5M NaOH、1.5M NaClという条件のアルカリ処理により、二本鎖からなるDNAを相補的な一本鎖DNAに解離させた後、例えば、氷上に1分放置するという条件の放熱や0.5M Tris・HCl(pH7.0)、3.0M NaClという条件の中和処理により前記一本鎖DNAに対して相補性を有する一本鎖DNAや一本鎖RNAを会合させ、再び二本鎖状態(ハイブリダイズした状態)になり、このようなDNAは、通常、配列番号1で示される塩基配列と高いホモロジー(活性部位や構造等に強く関与する領域か否かによっても異なるが、例えば、全体として90%程度以上のホモロジー)を有するような塩基配列を有する遺伝子である。
ホモロジーは、PearsonとLipmanが開発したホモロジー検索プログラムを用いて計算することができる(Pearson and Lipman, (1988), Proc.Natl.Academic.Sci USA, 85, 2444)。また、Genetyx-Mac(ソフトウエア開発(株)製)に含まれているこのプログラムを用いても計算することができる。また、日本DNAデータバンク(DDBJ)のWorldWideWebサービスにあるホモロジーサーチ・プログラム(fasta)を用いることもできる。
このような本発明遺伝子のより具体的な例としては、例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するエステラーゼ遺伝子をあげることができる。もちろん、配列番号1で示される塩基配列を有するエステラーゼ遺伝子も本発明遺伝子としてあげることができる。
【0012】
本発明遺伝子は、例えば、バークホルデリア(Burkholderia)属に属する微生物から通常の方法(例えば、「新 細胞工学実験プロトコール」(東京大学医科学研究所制癌研究部編、秀潤社、1993年)等に記載される方法)によって調製された染色体DNAを鋳型とし、かつ配列番号1で示される塩基配列を有するDNAの一部(例えば、配列番号1で示される塩基配列の5'末端側配列に相補する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドと配列番号1で示される塩基配列の3'末端側塩基配列に相当する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドの組み合わせ、または、配列番号1で示される塩基配列の5'末端側配列に相当する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドと配列番号1で示される塩基配列の3 ' 末端側配列に相補する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドの組み合わせ)をプライマーとして用いるPCR法により取得することができる。
また、例えば、バークホルデリア(Burkholderia)属に属する微生物から通常の方法(例えば、「新 細胞工学実験プロトコール」(東京大学医科学研究所制癌研究部編、秀潤社、1993年)等に記載される方法)によって調製された染色体DNAをラムダファージやプラスミドなどに挿入して作成された遺伝子ライブラリーを、配列番号2で示されたアミノ酸配列をコードする塩基配列、望ましくは配列番号1に示される塩基配列に含まれる15塩基以上のDNA断片をプローブとして、コロニーハイブリダーゼーションや、プラークハイブリダイゼーションなどの方法によっても取得することができる。
本発明遺伝子が調製される微生物としては、上記の微生物の中でもバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)を特に好ましくあげることができ、さらに具体的にはBurkholderia cepacia SC-20株があげられる。
尚、上記にあるBurkholderia cepacia SC-20株は、本発明者が自然界から見出した微生物であり、下記の菌学的性質を有する(表1及び2)。
【0013】
【表1】
Figure 0004319260
【0014】
【表2】
Figure 0004319260
【0015】
以上の菌学的性質を、バージェイズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー第1巻(Bergey's Manual of Systematic Bacteriology Vol.1(1984))、バージェイズ・マニュアル・オブ・デタミネティブ・バクテリオロジー第9版(Bergey's Manual of Determinative Bacteriology,Ninth edition(1994))、ZhaoらのInt. J. Syst. Bacteriol. 45,p.600,(1995)及びYabuuchiらのMicrobiol. Immunol.,36,p.1251,(1992)の記載と対比すると、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)と一致している。
【0016】
また、鋳型としてE.coli JM109/pAL108株の菌体から調製したDNAを用い、かつプライマーとして配列番号1で示される塩基配列を有するDNAの一部(例えば、配列番号1で示される塩基配列の5'末端側配列に相補する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドと配列番号1で示される塩基配列の3'末端側塩基配列に相当する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドの組み合わせ、または、配列番号1で示される塩基配列の5'末端側配列に相当する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドと配列番号1で示される塩基配列の3 ' 末端側配列に相補する約14塩基程度以上のオリゴヌクレオチドの組み合わせ)を用いるPCR法により取得することができる。
尚、上記にあるE.coli JM109/pAL108株は、本発明遺伝子を含有するプラスミドpAL108(本発明プラスミド)をエシェリヒア・コリ(Escherchia coli)JM109株に導入した形質転換体微生物(本発明形質転換体)は、FERM-BP 5739として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託(受理日:平成8年11月7日)されている。
【0017】
取得された本発明遺伝子を、例えば、形質転換させる宿主細胞において通常用いられるベクタ−に通常の遺伝子工学的手法を用いて組み込むことにより本発明プラスミドを容易に構築できる。具体的には、例えば、微生物である大腸菌を宿主細胞とする場合、用いるベクターとしては、pUC119(宝酒造(株)製)、pBluescriptII (ストラタジーン クローニング システム製)等をあげることができる。
構築された本発明プラスミドにより宿主細胞を形質転換させる方法は、形質転換させる宿主細胞に応じて通常用いられる方法であればよく、例えば、微生物である大腸菌を宿主細胞とする場合、「モレキュラー・クローニング」(J.Sambrookら、コールド・スプリング・ハーバー、1989年)等に記載される通常の方法をあげることができる。
尚、形質転換体を選抜するには、例えば、まず本発明プラスミドにより形質転換させた宿主細胞をトリブチリン含有LBプレートで培養し、クリアゾーンを形成するものを選択する。次に選択された形質転換体を培養して得られた培養物を、一般式 化6に示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用させ、反応生成物を分析することにより、(S)−体の一般式 化6に示されるシクロペンテノロン類を高い光学純度で生成する形質転換体を選抜すればよい。
より具体的には、例えば、(RS)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンの酢酸エステル0.5gと50mMリン酸緩衝液(pH7.0)8.0mlを100mlのサンプル瓶に入れ、撹拌子で撹拌させながら40℃、10分間予熱する。これに1.0mlの上記培養物を加え、撹拌子で撹拌させながら40℃で反応を行う。30分間後、該反応液を50μlを回収し、1mlのエタノールを添加することにより反応を停止する。ブランクは、培養物の代わりに精製水を用いて同様な方法で試験する。分解率は、ガスクロマトグラフィーで計測する。分析用のカラムは、10% シリコン DC-QF-1 2.6m長を用い、カラム温度150℃、インジェクション温度170℃、ディテクション温度170℃、検出器はFIDの条件で、GC-14A((株)島津製作所製)を用いて分析する。酵素力価は、1分間に、1μmolの(S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンを遊離する酵素量を1unitとする。さらに反応液をメチルイソブチルケトンで抽出した後、該抽出物についてHPLC分析により、(S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンの光学純度を測定する。分析には、(株)住化分析センター製OA-4100 (4.0mmI.D. x 25cm)光学異性体分析カラムを使用する。溶出液は、Hexane と1,2-dichloroethane とethanol を100:20:1の割合で混合したものを用いることができる。流速は1.0ml/minで、230nmの吸光度を指標にして光学異性体比を分析すればよい。
さらに詳細に、選抜された形質転換体から該形質転換体が保有するプラスミドを調製した後、調製されたプラスミドについて、例えば「モレキュラー・クローニング」(J.Sambrookら、コールド・スプリング・ハーバー、1989年)等に記載される通常の方法によリ制限酵素地図を作製し、目的とする本発明遺伝子が含まれているか否かを、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、ウエスタンハイブリダイゼーション等の方法で確認することもできる。
【0018】
このようにして本発明形質転換体を得て、該形質転換体を培養することにより本発明エステラーゼを産生させることができる(本発明製造方法)。
形質転換体が微生物である場合、該形質転換体は、一般微生物における通常の培養に使用される炭素源や窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地を用いて培養される。炭素源としては、グルコース、グリセロール、デキストリン、シュークロース、有機酸、動植物油、糖蜜等が挙げられる。窒素源としては、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーン・スティープ・リカー(Corn Steep Liquor )、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸、硝酸ナトリウム、尿素などの有機または無機窒素源等が挙げられる。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸物、酢酸塩、炭酸塩類およびリン酸塩類、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素一カリウム、リン酸水素二カリウム等を挙げることができる。
培養は、一般微生物における通常の方法に準じて行い、固体培養、液体培養(試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメンター(Jar Fermenter )培養、培養タンク等)いずれも可能である。特に、ジャーファーメンターを用いる場合、無菌空気を導入する必要があり、通常、培養液量の約0.1 〜約2 倍/ 分の通気条件を用いる。培養温度は、微生物が生育する範囲で適宜変更できるが、例えば、約15℃〜約40℃の範囲の培養温度、約6.0〜約8.0の培地pHで培養することが好ましい。培養時間は、種々の培養条件によって異なるが、通常約1〜約5日間が望ましい。
【0019】
本発明エステラーゼは、
1)分子量(SDSポリアクリルアミド電気泳動)約4万ダルトンであり、
2)少なくとも約15℃〜約60℃程度、好ましくは約25℃〜約40℃程度の範囲において反応可能であり、
3)pH約4〜約9程度、好ましくはpH約6〜約8程度の範囲において反応可能であり、
4)一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力を有し、
5)例えば、バークホルデリア(Burkholderia)属に属する微生物(特に好ましい微生物としては、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、さらに具体的にはBurkholderia cepacia SC-20株等の非形質転換体を培養することにより得ることもできる。もちろん、前記の如く本発明遺伝子を含有するプラスミドにより形質転換された形質転換体を培養することによっても得ることができる。
本発明エステラーゼは、それ自体を含有する培養物の形で酵素反応に利用してもよいが、該培養物から分離して粗酵素や精製酵素等の形で酵素反応に利用してもよい。このような分離の方法としては、例えば、超音波処理、ガラスビーズやアルミナを用いる磨砕処理、フレンチプレス処理、リゾチーム等の酵素処理等により菌体を破砕し、得られた破砕物から硫安などを用いる塩析、有機溶媒やポリエチレングリコール等の有機ポリマーによる沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィー、電気泳動等により分画する通常の方法をあげることができる。必要に応じて、これらの方法を組み合わせて用いることができる。
さらにまた、本発明エステラーゼを共有結合、イオン結合、吸着などにより担体に結合させる担体結合法、高分子の網目構造のなかに閉じ込める包括法等の固定化の方法によって不溶化し、容易に分離可能な状態に加工した固定化物の形で酵素反応に利用することもできる。
【0020】
本発明エステラーゼは、例えば、一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の光学分割方法に利用できる。即ち、本発明エステラーゼを、一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用させて、該エステルを不斉加水分解して、(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類とその対掌体のエステルとに分割する方法に利用でき、かかる分割方法に於いて、通常は、ラセミのエステルが原料として用いられる。
具体的には、例えば、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンをあげることができる。
反応温度は、例えば、約15℃〜約60℃、好ましくは、約25℃〜約40℃を、反応pHは、例えば約4〜約9、好ましくは、約6〜約8を、反応時間は、例えば、約5分間〜約96時間を挙げることができる。
反応液からの(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類とその対掌体のエステルの回収は、一般に知られている任意の方法で行うことができる。例えば、溶媒抽出、分別蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの操作を、適宜採用することができる。具体的には、反応液をエーテル、酢酸エチル、ベンゼンなどの有機溶媒で抽出し、この抽出物を分別蒸留し、(S)−体のシクロペンテノロン類とその対掌体のエステルを分離取得するか、抽出物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、分離し、抽出することによっても得ることができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はそれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0022】
実施例1 (染色体DNA の調製)
バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia) SC-20株 を、LB培地(Bacto tryptone(Difco Laboratories Incorporated製) 10g、Bacto yeast extract(Difco Laboratories Incorporated 製) 5g、NaCl 5g/ L)で、30℃、12時間培養した後、遠心分離(6000rpm 、10min )により集菌し、菌体を回収した。
回収された菌体を1mg/mlの塩化リゾチーム(生化学工業(株)製)、25μg/mlのRNaseA(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)を含むTEN バッファー(10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA-NaOH(pH8.0) 、10mM NaCl 、以下TENと略)に懸濁し、37℃、20分間インキュベートした。その後、終濃度が1%(w/v)になるようにドデシル硫酸ナトリウム を加え、55℃、10分間インキュベートした。次に、等量のTE飽和フェノールを加え、ゆっくりとかき混ぜた後、遠心分離(10,000rpm 、10min )し、上層を回収した。回収された上層に、等量のTE(
10mM Tris-HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0)、以下TEと略)飽和フェノール・クロロホルム溶液を加え、ゆっくりかき混ぜた後、遠心分離(10,000rpm 、10min )し、上層を回収した。回収された上層に、1/10倍容量の3M酢酸アンモニウム溶液を加えた後、2 倍容量のエタノールを加え、析出してくるDNAをガラス棒で巻き取った。このDNA を70% (v/v)エタノールでリンスし、次に80% (v/v)エタノール、100%エタノールで再度リンスした後、風乾した。得られたDNA を、25μg/mlのRNaseA(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)、20μg/mlのPrteinase K (ベーリンガー・マンハイム製)を含むTEN バッファーに懸濁し、37℃、12時間インキュベートした。これに、等量のTE飽和フェノール・クロロホルム溶液を加え、ゆっくりかき混ぜた後、遠心分離(10,000rpm 、10min )し、上層を回収した。1/10倍容量の3M酢酸アンモニウム液を加えた後、2 倍容量のエタノールを加え、析出してくるDNAをガラス棒で巻き取った。このDNAを70% (v/v)エタノールでリンスし、次に80% (v/v)エタノール、100%エタノールで再度リンスした後、風乾した。得られたDNA を、25μg/mlのRNaseAを加えた10mlTEバッファーに溶解した後、2LのTEバッファーに対して2回透析を行った。このようにして100ml の培養液から約1.6mg の染色体DNA を得た。
【0023】
実施例2 (染色体DNA ライブラリの作製)
得られた染色体DNA 50μg を制限酵素EcoRIで37℃、1 時間分解した。一方、発現ベクターであるpUC19(宝酒造(株)製)を制限酵素EcoRIで37℃、1 時間分解した後、アルカリンフォスファターゼ処理を行った。これらを、ライゲーションキット(宝酒造(株)製)を用いてライゲーションを行った。ライゲーションは、16℃で終夜かけて行った。ライゲーション終了後、ライゲーション溶液を大腸菌JM109株コンピタント・セル(東洋紡績(株)製)を形質転換した。形質転換された大腸菌を、37℃、2時間、SOC培地(Bacto tryptone(Difco Laboratories Incorporated 社製) 20g、Bacto yeast extract(Difco Laboratories Incorporated製)10g、 1M NaCl 10ml, 1M KCl 2.5ml, 1M MgSO4 10ml, 1M MgCl2 10ml, 2M Glucose 10ml /L (pH=7.4))で培養した後、20mlの50mg/Lのアンピシリンを含むLB培地で37℃、終夜培養した。得られた培養液を、isopropyl thio-β-D-galactoside(以下IPTGと略) 1mMとトリブチリン1.0%とアンピシリン50mg/Lを含有するLB培地に塗布して、37℃で培養した。2〜3日培養した後、クリアゾーンを形成する29株を選抜した。選抜された形質転換体からプラスミドを調製し、制限酵素で挿入断片を調べたところ、3.5kbのEcoRI断片が挿入された形質転換体を得ることができた。この得られたプラスミドをpAL101と命名した。
【0024】
実施例3 (制限酵素解析と塩基配列の解析)
実施例2により得られたプラスミドpAL101を制限酵素で解析を行い、制限酵素地図を作製した(図1参照)。さらにpAL101に含有される本発明遺伝子についてPRISM kit ((株)パーキンエルマージャパン製)と自動塩基配列解析装置373A((株)パーキンエルマージャパン製)を用いてその塩基配列を解析した。尚、得られた塩基配列はGenetyx-Mac/ATSQ(ソフトウエア開発(株)製)と、Genetyx-Mac (ソフトウエア開発(株)製)で解析した。解析して得られたエステラーゼの塩基配列は、配列番号1に示す通りであった。
【0025】
実施例4 (サブクローニング)
実施例2により得られたプラスミドpAL101に存在する3.5kbのEcoRI断片を短縮した各種のプラスミドを構築した。これらのプラスミドを実施例2に準じた方法により大腸菌JM109株コンピタント・セル(東洋紡績(株)製)に導入し形質転換を行なった後、形質転換された大腸菌をトリブチリン含有LB培地で培養した。クリアゾーンの生成を検出することにより、本発明エステラーゼの生産に関らない遺伝子部分を削減したプラスミドpAL108を構築した。尚、pAL108には1.7kbのSphI断片が挿入されていた。
【0026】
実施例5 (エステラーゼの光学選択性1)
実施例3及び4により得られた形質転換体を、各々50mg/Lのアンピシリンと1mMのIPTGを含む100mlのLB培地で、37℃、16時間培養した後、遠心分離(6000rpm 、10min )により集菌し、菌体を回収した。
得られた菌体を20mlの200mMリン酸緩衝液に懸濁し、該懸濁液を1gの(RS)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロぺニル)シクロペント−2−エン−1−オンの酢酸エステルに作用させ、生成した(S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロぺニル)シクロペント−2−エン−1−オンを分析した。尚、(S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロぺニル)シクロペント−2−エン−1−オンの分析は、下記のように行なった。
(RS)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンのメチルエステル0.5gと50mMリン酸緩衝液(pH7.0)8.0mlを100mlのサンプル瓶に入れ、撹拌子で撹拌させながら40℃、10分間予熱した。これに1.0mlの上記培養物を加え、撹拌子で撹拌させながら40℃で反応を行った。30分間後、該反応液を50μlを回収し、1mlのエタノールを添加することにより反応を停止させた。ブランクは、培養物の代わりに精製水を用いて同様な方法で試験した。分解率は、ガスクロマトグラフィーで計測した。分析用のカラムは、10% シリコン DC-QF-1 2.6m長を用い、カラム温度150℃、インジェクション温度170℃、ディテクション温度170℃、検出器はFIDの条件で、GC-14A((株)島津製作所製)を用いて分析した。酵素力価は、1分間に、1μmolの(RS)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンを遊離する酵素量を1unitとする。さらに反応液をメチルイソブチルケトンで抽出した後、該抽出物についてHPLC分析により光学純度を測定した。分析には、(株)住化分析センター製OA-4100 (4.0mmI.D. x 25cm)光学異性体分析カラムを使用した。溶出液は、ヘキサンと1,2-ジクロロエタンとエタノールを100:20:1の割合で混合したものを用いることができる。流速は1.0ml/minで、230nmの吸光度を指標にして光学異性体比を分析した。
上記の分析結果に基づき、加水分解率、光学選択性を算出し、表3に示した。表3から明らかなように、1.7kb SphI断片が挿入された形質転換体である大腸菌JM109/pAL108株が(RS)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロぺニル)シクロペント−2−エン−1−オンの酢酸エステルを不斉加水分解し、(S)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロぺニル)シクロペント−2−エン−1−オンを産生する能力を有するエステラーゼを産生することを確認できた。
【0027】
実施例6 (エステラーゼの光学選択性2)
(RS)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンの酢酸エステルを基質として、実施例4と同様な検討を行った結果を、表4に示す。
【0028】
【表3】
Figure 0004319260
【0029】
【表4】
Figure 0004319260
【0030】
【発明の効果】
本発明により、一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用して、これを不斉加水分解し、高い光学純度の(S)−体の一般式 化6で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力をするエステラーゼをコードする遺伝子を提供することが可能になった。
【0031】
【配列表】
Figure 0004319260
Figure 0004319260
【0032】
Figure 0004319260
Figure 0004319260
Figure 0004319260

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明プラスミドであるpAL101,pAL108の制限酵素地図を表す図である。

Claims (12)

  1. 一般式 化1
    Figure 0004319260
    (式中、R1は炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子2〜10個のアルキニル基又は炭素原子1〜4個のハロアルキル基を表す。)
    で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体の一般式 化1で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力を有するエステラーゼをコードし、かつ、配列番号1で示される塩基配列もしくは配列番号1で示される塩基配列とのホモロジーが90%以上である塩基配列もしくは配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むことを特徴とするエステラーゼ遺伝子
  2. 配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むことを特徴とする請求項1記載のエステラーゼ遺伝子。
  3. 配列番号1で示される塩基配列を含むことを特徴とする請求項1記載のエステラーゼ遺伝子。
  4. 請求項1、2又は3記載のエステラーゼ遺伝子を含有することを特徴とするプラスミド。
  5. 請求項記載のプラスミドにより形質転換されたことを特徴とする形質転換体。
  6. 形質転換体が微生物であることを特徴とする請求項記載の形質転換体。
  7. 請求項1、2又は3記載のエステラーゼ遺伝子の塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を含むことを特徴とするエステラーゼ。
  8. 配列番号2で示されるアミノ酸配列を含むことを特徴とするエステラーゼ。
  9. 請求項記載の形質転換体を培養することにより、一般式 化2
    Figure 0004319260
    (式中、R1は炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子2〜10個のアルキニル基又は炭素原子1〜4個のハロアルキル基を表す。)
    で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルを不斉加水分解し、(S)−体の一般式 化2で示されるシクロペンテノロン類を産生する能力を有するエステラーゼを産生することを特徴とするエステラーゼの製造方法。
  10. 請求項記載のエステラーゼを一般式 化3
    Figure 0004319260
    (式中、R1は炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子2〜10個のアルケニル基、炭素原子2〜10個のアルキニル基又は炭素原子1〜4個のハロアルキル基を表す。)
    で示されるシクロペンテノロン類の有機カルボン酸エステルに作用させて、該エステルを不斉加水分解して、(S)−体の一般式 化3で示されるシクロペンテノロン類とその対掌体のエステルに分割することを特徴とする一般式 化3で示されるシクロペンテノロン類の光学分割方法。
  11. 一般式 化3で示されるシクロペンテノロン類が4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロペニル)シクロペント−2−エン−1−オンである請求項10記載のシクロペンテノロン類光学分割方法。
  12. 一般式 化3で示されるシクロペンテノロン類が4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニル)シクロペント−2−エン−1−オンである請求項10記載のシクロペンテノロン類光学分割方法。
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