JPH11155570A - 酵素の基質特異性の改変法 - Google Patents

酵素の基質特異性の改変法

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JPH11155570A
JPH11155570A JP10280003A JP28000398A JPH11155570A JP H11155570 A JPH11155570 A JP H11155570A JP 10280003 A JP10280003 A JP 10280003A JP 28000398 A JP28000398 A JP 28000398A JP H11155570 A JPH11155570 A JP H11155570A
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enzyme
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microorganism
red
functional derivative
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JP10280003A
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Uwe Dr Bornscheuer
ボーンショイア ウヴェ
Hartmut Herrmann Meyer
ヘルマン マイヤー ハルトムート
Josef Dr Altenbuchner
アルテンブーフナー ヨーゼフ
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BASF SE
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    • C12P41/00Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture
    • C12P41/003Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions
    • C12P41/005Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by ester formation, lactone formation or the inverse reactions by esterification of carboxylic acid groups in the enantiomers or the inverse reaction
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酵素の基質特異性の改変法の提供。 【解決手段】 酵素の基質特異性を改変するために、次
の工程: a)大腸菌株XL1レッド中に又は機能誘導体中に、該
酵素をコードする遺伝子のコピーを有するDNAを導入
し、 b)形質転換した大腸菌株XL1レッド又はその機能誘
導体をインキュベートして酵素遺伝子中に突然変異を誘
発し、 c)菌株XL1レッド又はその機能誘導体から突然変異
したDNAを、阻害する酵素活性を有しない微生物に転
移し、 d)酵素活性を検出するために、該酵素の未改変の基質
特異性を認識することを可能とする、少なくとも1種の
酵素基質を含有し、かつその他の指示物質を含有するか
又は含有しない、少なくとも1つの選択培地上で、又は
培地中でこの微生物をインキュベートし、 e)基質特異性の改変を示す微生物を選択する、を実施
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酵素の基質特異性の
改変法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成化学は実地においてしばしば、化合
物を製造するための容易でかつ簡単な合成工程をたどる
ことができないという問題に直面する、それというのも
この工程が、例えば合成された分子が分解される可能性
があるために、必要とされる保護基の除去がもはや可能
でない化合物に導くことがあるためである。この問題を
解決するために、合成化学はしばしばより複雑でかつ時
間を消費する合成工程をたどらなければならない。
【0003】酵素は化学結合を、緩和な条件下に切断す
る。従って、酵素をしばしばこの種の合成問題を解決す
るために使用することができる。すなわち、保護基を、
例えば緩和な条件下に、他の結合を破壊することなく、
かつこうして分子を破壊することなく、酵素により除去
することができる。こうして酵素は所望の物質を実験室
で容易にかつ迅速に獲得することを可能にする。しかし
ながら、酵素活性及び/又は安定性はしばしば酵素の産
業上の使用のために不十分であり、こうして化学的合成
法は多数の合成工程を必要とするのではあるが、それに
もかかわらず化学的合成はより費用が安く、かつ従って
産業的に実施される。
【0004】これが、多くの研究が酵素活性及び/又は
安定性の改良を実施している理由である。種々の方法が
このために行なわれた。
【0005】酵素の安定性及び/又は酵素活性の非常に
特異的な改良を達成することは部位突然変異により可能
である。酵素の部位突然変異の欠点は、この方法が、X
−線構造解析から、モデリングから、及び同一又は類似
の特異性の他の酵素との比較からの酵素の構造及び機能
についての多くの知識の入手可能性を必要とすることで
ある。更に、酵素の目標のある改良を可能にするために
は、構造遺伝子の配列は知られていなければならない。
この情報は一般的に、獲得することができないか、又は
十分でないか、部分的にのみ獲得することができ、こう
してこの場合、酵素のどの領域を改変しなければならな
いのか明らかでないので、この方法は通常所望の結果を
もたらさない。もし酵素活性について僅かな情報のみ得
ることができるにすぎないのであれば、酵素を改良する
ために任意の戦術を包含する方法を実施することが有利
であるがそれにもかかわらず、この方法は可能な限り標
的を定めるべきである。
【0006】こうして、スピー等(Spee:Nucleic Acids
Research、Vol.21,No 3,1993:777-778)はラクトコッ
カス・ラクチス(Lactococcus lactis)のnisZ遺伝
子の任意突然変異のためにdITPを用いるPCR法を
記載している。
【0007】スピー等により記載された方法は更にレロ
等(Rellos:Protein Expr.purif.,5,1994:270-277)に
より改良された。レロ等は、ヌクレオチドの限定は突然
変異速度の上昇のために、こうして所望の結果のために
完全に十分であるので、dITPを用いずにPCR法
で、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)の
アルコールデヒドロゲナーゼ−2−遺伝子の突然変異を
記載している。
【0008】分子進化のための試験管内組換え技術の使
用はステンマー(Stemmer:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vo
l.91,1994:10747-10751)により記載されている。この
組換え技術により、2つの突然変異しかつ不活性化した
lacZ遺伝子から、lacZ遺伝子の酵素機能を回復
することが可能であった。
【0009】モア等(Moore:Nature Biotechnology Vo
l.14,1996:458-467)はPCRとp−ニトロベンジルエ
ステルに対するエステラーゼの酵素活性を上昇させる組
換え法との組合せを記載している。
【0010】この方法の欠点は、突然変異の誘発のため
に、このDNAを試験管中でTaqポリメラーゼ及び/
又は制限酵素及び/又はオリゴヌクレオチドのような酵
素で処理しなければならず、かつ種々の潜在的突然変異
体は個別の更なる処理及びテストを必要とするというこ
とである。これらの方法は比較的小さいDNA領域の突
然変異にのみ好適である。
【0011】酵素の突然変異の他の方法はグリーナー
(Greener)等により記載されている(Methods in Mole
cular Biology,Vol.57,1996:375-385)。グリーナー等
は特別な大腸菌株XL1−レッドを用いて、抗生物質耐
性の強化された大腸菌突然変異体を製造した。この強化
された抗生物質耐性はβ−ラクタマーゼをコードするプ
ラスミドpBR322の上昇するコピー数に起因する。
この大腸菌株は同様に栄養要求株の生成及び酵素活性の
上昇のために使用することもできる。
【0012】前記突然変異誘発法全ての欠点は、存在す
る酵素活性だけを最適化することが可能であるというこ
とである。もし新規の酵素反応、すなわち酵素の新規な
基質特異性、例えば新規基質の切断が必要とされるなら
ば、天然型の複雑なスクリーニングにおいてこの新規酵
素活性を探すことがまずは必要である。一般的には、更
にこの酵素を最適化する必要がある。
【0013】従って、新規酵素活性を製造することを可
能とする、すなわち酵素の基質特異性を改変することが
可能である方法を獲得することが望まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、前記欠点を有さず、かつ酵素の基質特異性を迅速か
つ簡単に改変することができる、広く適用可能な新規方
法を開発することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この課題は酵素の基質特
異性を改変する方法によって達成され、この方法は次の
工程: a)大腸菌株XL1レッド中に又は機能誘導体中に、該
酵素をコードする遺伝子のコピーを有するDNAを導入
し、 b)形質転換した大腸菌株XL1レッド又はその機能誘
導体をインキュベートして酵素遺伝子中に突然変異を誘
発し、 c)菌株XL1レッド又はその機能誘導体から突然変異
したDNAを、阻害する酵素活性を有しない微生物に転
移し、 d)酵素活性を検出するために、該酵素の未改変の基質
特異性を認識することを可能とする、少なくとも1種の
酵素基質を含有し、かつその他の指示物質を含有するか
又は含有しない、少なくとも1つの選択培地上で、又は
培地中でこの微生物をインキュベートし、 e)基質特異性の改変を示す微生物を選択する、を実施
することからなる。
【0016】新規方法において基質特異性の改変とは、
この酵素に該方法を実施した後にはこれらの酵素は、従
来基質への酵素の親和性が低すぎるために(=高いKM
−値)及び/又は酵素の触媒活性(=Kcat)が低すぎ
るために変換することができなかった基質を変換するこ
とができるようになる、ということを意味する。この改
変前の場合は、Kcat/KMの比はゼロ又はほとんどゼロ
である、すなわち触媒作用は生じない。基質における改
変はKMを減少させるか又はKcatを増大させるか、又は
両方を行なう、すなわち比Kcat/KMがゼロより大きく
なる。触媒反応は生じる。この酵素は突然変異の後には
新たな基質を変換する。
【0017】新規方法においては、原則的に全ての酵素
の基質特異性を改変することができる、有利にはヒドロ
ラーゼの基質特異性を改変することができる。ヒドロラ
ーゼはIUB命名法において酵素の第3群(=3..)を
形成する。ヒドロラーゼは、一般にその簡単な検出反応
が存在し、かつ多くの場合このヒドロラーゼは工業的な
合成に使用されるので、新規方法に有利である。特に、
プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラー
ゼ、ホスファターゼ、アミダーゼ、ニトリラーゼ(nitr
ilase)、エーテル・ヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ
及びグリコシダーゼの群から選択されたヒドロラーゼの
基質特異性、特に有利にはリパーゼ、エステラーゼ、ニ
トリラーゼ又はフィターゼ(phytase)の基質特異性を
改変するのが有利である。
【0018】基質の特異性を本発明による方法で改変し
た後、この酵素反応はキラル出発化合物の場合に選択性
なしに又は選択性を伴って行なわれる、すなわちこの反
応はラセミ体又は光学的活性生成物を生じる。有利な改
変は領域選択的、化学選択的又は立体選択的、又は領域
選択的のような基質特異性において、又は領域選択的、
化学選択的及び/又は立体選択的反応において選択的に
改変に導く。
【0019】DNAを微生物中に導入するための専門家
に公知の全ての方法が本発明による方法に好適である
(第1図、工程a)。この際、このDNAはファージに
より、形質転換により又は接合により大腸菌株XL1レ
ッド又はこの菌株の機能誘導体中に導入される。有利に
好適であり、かつ記載されているファージは全てラムダ
又はム(mu)のようなテンペレートファージである。こ
のファージDNAを好適な微生物中に導入するための方
法は専門家に公知である(Microbiology,第三改訂版,Da
vis,B.D.,Dulbecco,R.,Eisen,H.N.及びGinsberg,H.S.
著,Harper International Edition,1980参照)。接合の
場合、DNAを直接転移することができ、すなわちDN
AはF−ファクターのような接合媒介プラスミド上に位
置するか、又は共可動化ベクターにより接合で転移す
る。これらの方法は同様に専門家に公知である。有利で
あるとして記載されている方法は、形質転換によるDN
Aの導入である(Winnacker,E.L.,From Genes to Clone
s,VCH,1987:126-127,Williams等著,Ann.Rev.Gen.,Vol.1
4,1980:41-76)。微生物を形質転換するための多くの方
法は文献から専門家に公知であり、かつこれらの方法は
非常に広い範囲の試薬、例えばPEG(Chung等著,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.86,1989:2172-2175)、Ca
Cl2(Mandel等著,J.Mol.Biol.Vol.53,1970:159-16
2)、一価又は二価のカチオンの存在下でのジメチルス
ルホキシド、ヘキサアンミンコバルト及びジチオトレイ
トール(DNA Cloning 第1改訂版,Glover等著,IRL Pres
s,1995,Hanahan等著,Technics for Transformation of
E.coli,page 1-36,ISBN 0199634769参照)を使用する。
【0020】全ての従来のベクターを形質転換のために
使用することができる。これらの通常使用されるベクタ
ーは大腸菌中で複製されるベクターである。酵素活性の
検出を可能とする選択微生物として他の界の微生物、例
えば菌類、例えばアスペルギルス、アシュビヤ(Ashby
a)、又はベアウベリア(Beauveria)、又は酵母、例え
ばサッハロマイセス(Saccharomyces)、カンジダ又は
ピシア(Pichia)、他の科、例えばアクチノミセターレ
ス(Actinomycetales)、又は他の属例えばプソイドモ
ナス、ストレプトマイセス、ロドコッカス又はバシラス
を使用する場合、両方の微生物中で複製可能であるいわ
ゆるシャトルベクターを使用することが有利である、そ
れというのもこのシャトルベクターはDNAの再クロー
ニングを必要としないためである。
【0021】挙げることのできるベクターの例は、次の
プラスミドである:pLG338、pACYC184、
pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、
pRep4、pPLc236、pMBL24、pLG2
00、pUR290、pIN−III113−B1、λg
t11又はpBdCI。他のベクターは専門家には十分
に知られており、例えば文献クローニング・ベクターズ
(Cloning Vectors;Pouwels P.H.等,Elsevier,Amsterda
m-New York-Oxford,1985,ISBN 0444904018)中に見いだ
すことができる。
【0022】本発明による方法にとって突然変異株を製
造するために特に有利であるのは(工程b、図1)、大
腸菌株XL1レッド(=Epicurian coli XL-1 red)で
あり、これはStratagene La Jolla、
CA.により市販されている。これは次の遺伝子マーカ
ーを有する:Δ[mcrA]183、Δ[mcrCB−
hsdSMR−mrr]173、endA1、supE
44、thi−1、gyrA96、relA1、mut
S、mutT、mutD5、lac。mutSはミスマ
ッチ修復経路(mismatch repair pathway)における突
然変異であり、mutTはoxo−dGTP修復経路に
おける突然変異であり、かつmutD5はDNAポリメ
ラーゼIIIの3′−5′エキソヌクレアーゼサブユニ
ット中の突然変異である。この菌株のコンピテント細胞
は発注番号200129で、Stratageneから
購入可能である。この菌株の機能誘導体は有利に次の遺
伝マーカーを有する大腸菌株を表わす:relA1、m
utS、mutT及びmutD5。これらの遺伝子マー
カーは微生物中の突然変異速度をはっきりと増大させ
る。従って、これらを寒天培地上で又は培養培地中で、
長すぎる時間インキュベートしてはならない、そうでな
いとこれらはその活力を失う。
【0023】改変した基質特異性(使用した酵素中での
突然変異)の検出のためには、ベクターを使用した場
合、そのDNAを最初に大腸菌株XL1レッド又はその
機能誘導体から最初に単離すること、及び相応する酵素
活性を有しない微生物中に挿入することが可能でありか
つ有利である(工程C、図1)。もし、例えば、エステ
ラーゼをこれらの選択微生物中に導入するならば、これ
らの微生物はエステラーゼの基質特異性における改変に
関する選択に使用されるエステルを切断するエステラー
ゼ活性を有していてはならない。この微生物中の他のエ
ステラーゼ活性は選択を妨害しない。DNAの導入は前
記のように、ファージもしくはビールスを介して、接合
を介して又は形質転換を介して実施することができる。
ファージもしくはビールスを介して又は接合を介しての
導入の場合、DNAの特別な単離は必要ない。DNAは
接合を介して又はファージもしくはビールスを介して選
択のために使用する微生物中に直接導入することができ
る。こうして、これらの場合DNAの転移はDNAの単
離なしに行なわれ、ベクターを使用する場合、形質転換
を介して行なわれる。選択の後に改変した基質特異性を
有する微生物のDNAも、同様に単離することなく接合
を介して又はファージもしくはビールスを介して又は形
質転換を介して菌株大腸菌XL1レッド又は機能誘導体
中に更なる選択サイクルのために導入することが可能で
ある(図1、点線)。このようにして、本発明方法を1
回又は複数回連続して実施することができる。この際、
該DNAを大腸菌株XL1レッド又はその機能誘導体か
ら選択微生物に転移し、最後に新規選択サイクルのため
に大腸菌株中に再び戻す。
【0024】本発明方法における選択微生物としては原
則的に全ての原核又は真核微生物が好適であるが、この
際これらの微生物は選択を阻止する酵素活性を有してい
てはならない。このことは、微生物が求められている酵
素活性を全く有しないか、すなわち改変した基質特異性
の選択のために使用した基質がこの選択微生物中の酵素
により変換しないか、又はなお選択を可能にする程度に
僅かな相当する酵素活性のみが存在する、ことを意味す
る。微生物としては本発明のために有利にグラム陽性菌
又はグラム陰性菌、菌類又は酵母を挙げることができ
る。有利にはグラム陽性菌、例えばバシラス、ロドコッ
カス、ストレプトマイセス、又はノカルディア又はグラ
ム陰性菌、例えばサルモネラ、プソイドモナス又は大腸
菌を使用する。特に有利であるのは大腸菌株を使用す
る。この際、選択のために使用する微生物の、属及び
種、又科又は界への帰属は、その微生物が改変した基質
特異性の選択を可能とする限り、重要ではない。
【0025】改変した基質特異性の選択のためには、酵
素活性を検出するためにこの微生物を、酵素の改変した
基質特異性の認識を可能とする少なくとも1種の酵素基
質を含有する、少なくとも1種の選択培地上又は選択培
地中でインキュベートする(図1、工程d)。この選択
培地は場合により他の、所望の改変のより良好な認識を
可能とする、指示物質を含有していてもよい。このタイ
プの付加的な指示物質は例えばpH−指示物質であって
もよい。
【0026】図1は、例としてベクター(1)を使用す
る方法の個々の工程を示す。方法工程aはベクターを介
してDNA(2)を菌株大腸菌XL1レッド中に、又は
この菌株の機能誘導体(3)中に導入することを示す。
この酵素のDNAはこの有機体中で突然変異する[図1
中の星印はDNA(2)中の突然変異を例として概略的
に示す]。この突然変異したベクター(4)を引き続
き、菌株大腸菌XL1レッド又はその機能誘導体から再
び単離し、引き続き直接又は貯蔵の後に、選択微生物
(5)中に形質転換する(工程c)。引き続き、これら
の有機体を少なくとも1種の選択培地(6)上に塗布
し、かつ改変した酵素基質特異性を例えば生長アッセイ
及び/又は視覚アッセイにより同定する(工程d)。最
後に、改変した基質特異性を有する、プラスのクローン
を選択し、改変した酵素をコードする突然変異した遺伝
子を単離することができる(工程e)。この方法を、こ
の突然変異した遺伝子を使用して複数回繰り返す[図
1、点線(7)]。
【0027】本発明による方法においては、使用した微
生物、すなわち大腸菌XL1レッド菌株並びにその機能
誘導体並びに使用した選択有機体を、これらの有機体の
生長を可能とする培地中で培養する。この培地は合成又
は天然培地であってよい。それぞれの有機体により専門
家に公知の培地を使用する。微生物の生長のためには使
用した培地は、炭素源、窒素源、無機塩を含有し、かつ
場合により僅かな量のビタミン及び微量元素を含有す
る。
【0028】有利な炭素源の例は糖、例えば単糖類、二
糖類又は多糖類、例えばグルコース、フルクトース、マ
ンノース、キシロース、ガラクトース、リボース、ソル
ボース、リブロース、ラクトース、マルトース、ショ
糖、ラフィノース、デンプン又はセルロース、複合糖
源、例えば糖蜜、糖ホスフェート、例えばフルクトース
−1,6−ビスホスフェート、糖アルコール、例えばマ
ンニット、ポリオール例えばグリセリン、アルコール例
えばメタノール又はエタノール、カルボン酸例えばクエ
ン酸、乳酸又は酢酸、脂肪例えば大豆油又は菜種油、ア
ミノ酸例えばグルタミン酸又はアスパラギン酸又は同時
に窒素源としても使用することのできるアミノ糖であ
る。
【0029】有利な窒素源は、有機又は無機窒素化合物
又はそれらの化合物を含有する材料である。例えば、ア
ンモニウム塩例えばNH4Cl又は(NH42SO4、ニ
トレート、尿素、又は複合窒素源、例えばトウモロコシ
膨潤水、ビール酵母自家消化物、大豆粉、小麦グルテ
ン、酵母エキス、肉汁エキス、カゼイン加水分解物、酵
母又はジャガイモ蛋白質、これらはしばしば同時に炭素
源としても使用することができる。
【0030】無機塩の例はカルシウム、マグネシウム、
ナトリウム、マンガン、カリウム、亜鉛、銅及び鉄の塩
である。これらの塩のアニオンは特に塩素イオン、硫酸
イオン及びリン酸イオンを挙げることができる。
【0031】場合により、栄養培地にその他の生長ファ
クターを添加する、例えばビタミン又は生長促進物質、
例えばリボフラビン、チアミン、葉酸、ニコチン酸、パ
ントテネート又はピリドキシン、アミノ酸例えばアラニ
ン、システイン、アスパラギン、アスパラギン酸、グル
タミン、セリン、メチオニン又はリジン、カルボン酸例
えばクエン酸、ギ酸、ピメリン酸又は乳酸、又はジチオ
トライトールのような物質。
【0032】ベクター又はファージ中に存在するDNA
を細胞中で安定化するために、場合により培地に抗生物
質を添加することができる。
【0033】前記栄養物質の混合比は、インキュベーシ
ョン(=発酵)の種類に依存し、かつ個々の場合で確立
される。必要により、培地成分を分離して滅菌するか又
は一緒に滅菌した後で、培地成分全てを発酵の開始時
に、予め装入しておくこともできるし、又は必要に応じ
てインキュベーションの際に後添加することもできる。
【0034】プレート培地は基質特異性の所望の改変の
容易な検出を可能にするので、プレート培地が液状培地
より有利である。重要であるのは、変更した酵素活性の
検出を妨害することのある培地成分を使用しないことで
ある。
【0035】培養条件を、有機体(=大腸菌株XL1レ
ッド及び選択有機体)が最適に生長し、かつ可能な限り
の収率が得られるように確立することである。有利な培
養温度は15〜40℃であり、特に有利であるのは、2
5〜37℃の間の温度である。pH値を3〜9の範囲に
保持するのが有利である。特に有利であるのは5〜8の
pH値である。一般に、1〜240時間、有利に5〜1
70時間、特に有利に10〜120時間のインキュベー
ション時間が十分であるが、いくつかの場合には突然変
異又は検出のためにより長い時間が必要な場合もある。
【0036】改変した基質特異性は相応するクローンの
同定の後に、有利に試験管内アッセイにおいて再度、チ
ェックすることができる。
【0037】
【実施例】レトロ合成分析は、マクロライド系抗生物質
エポチロン(Epothilon)A(式I参照)の合成のため
に、3−ヒドロキシエステル[式II、(1)及び
(3)参照]が有用な出発化合物であることを示した。
【0038】
【化1】
【0039】化合物の光学的に活性の製造のためには、
エステラーゼもしくはリパーゼを用いる酵素法が行なわ
れた。意外にも、使用した18種のリパーゼ及び2種の
エステラーゼのいずれもが3−ヒドロキシエステルに対
する酵素活性を示した(表I参照)。リン酸塩緩衝液中
で実施した加水分解方向においても、トルエン中の酢酸
ビニルで実施した合成方向においても、酵素活性は全く
検出することができなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】これらの化合物(II)の変換を可能にす
るために、突然変異戦略は、大腸菌中にクローン化され
た、プソイドモナス・フルオレッセンスからのエステラ
ーゼからの出発を実施した。このエステラーゼのクロー
ン化及び配列決定は最初にチョイ等(Choi;Agric.Biol.
Chem.Vol.54,No.8,1990:2039-2045)により記載され
た。ペレティーヤ(Pelletier)及びアルテンブフナー
(Altenbuchner)(Microbiology,Vol.141,1995:459-46
8)はこのエステラーゼを再度配列決定し、チョイ等の
最初の配列中にいくつかの誤りを見いだした。
【0043】エステラーゼの突然変異に関しては、菌株
大腸菌XL−1レッド(=Epicurian coli XL-1 Red)
を使用した。
【0044】1.エステラーゼ及び突然変異したエステ
ラーゼの製造 ラムノースを生産可能なプラスミド2792.1(図2
参照)を有する、菌株大腸菌JM109又はDH5αを
37℃で、アンピシリン100μg/mlを補充したL
B(Luria-Bertani)−培地中で、早期対数期(OD600
0.5−0.6、約3時間)まで培養した。エステラー
ゼ遺伝子estFはプラスミド2792.1上に位置決
めされる。遺伝子発現は培地中にラムノースを添加する
際に誘発された[最終濃度 0.2%]。引き続き、この
細胞を更に3.5時間37℃でインキュベートし、遠心
分離により(5000rpm、5分間、4℃)収穫し、
かつリン酸カリウム緩衝液(50mM、pH7.5、4
℃)で2回洗浄した。引き続き、この細胞を同じ緩衝液
中に再懸濁させ、かつ超音波で砕壊した。細胞の破片を
遠心分離により(5000rpm、15分、4℃)除去
した。上澄み中の蛋白質濃度をビシンコニン酸−蛋白質
測定キット(Pierce,Rockford,Illinois,USA:発注ナン
バー 23223,US 4839295)を用いて測定した。PFEの
比活性を測光法により又はpHスタット(2.エステラ
ーゼ活性を参照)で測定した。このPFEを直接加水分
解実験に使用した。加水分解のためのPFEの更なる精
製は、このエステラーゼがすでに菌株から高い純度で生
産されるために、実施しなかった。亜鉛−親和性クロマ
トグラフィーを用いての簡単な精製が均質なエステラー
ゼ溶液に導いた。その際比活性は僅かに高まったに過ぎ
ない。
【0045】2.エステラーゼ活性の測定 エステラーゼ活性は蒸留水の他にアラビアゴム2%(w
/v)を含有するエマルション中の酢酸エチル5%(w
/v)を用いて、pHスタットアッセイで、37℃及び
pH7.5で測定した。このエマルション20mlに公
知量のエステラーゼを添加した。遊離した酢酸を自動的
にpHスタット(Metrohm:Herisau,witzerland)中で
0.1NNaOHで滴定し、pHを一定に保持した。エ
ステラーゼ活性を単位で記載した。1単位(=U)をア
ッセイ条件下に1分当たり酢酸1μmolを生産する酵
素の量と定義する。測定した単位値をこの条件下での酢
酸エチルの自己分解の値で補正した。この値は37℃で
1分当たり0.25μmolである。
【0046】3.生体内変化 3−ヒドロキシエステルの加水分解を丸底フラスコ中で
撹拌(700rpm)下に実施した。このためにエステ
ル1又は3の0.5mmolをトルエン1mlに37℃
で添加した。この反応を培養上澄み3mlの添加により
開始し、かつエーテルで抽出することにより停止した。
有機相をMgSO4上で乾燥した。基質及び生成物をシ
リカゲルカラムを用いて分離した(石油エーテル:エー
テル、2:1)。
【0047】反応生成物の分析のために、反応混合物1
00μlを遠心分離し、かつ上澄みを薄層クロマト(シ
リカゲルプレート、UVで又はCer−試薬を噴霧する
ことで可視とする)又はキラルカラム[=Heptakis,
(6−O−テキシルジメチルシリル−2,3−ジ−O−
メチル)−β−シクロデキストリン、25×0.25m
m、15m、Prof.W.Koenig,Institute of Organic Che
mistry,Hamburg University,Germany]を用いてGC(H
ewlett Packard,Model HP5890 series II)により、分
析した。GC−分析は125℃(恒温)でキャリヤーガ
スとしてヘリウムを用いて(80kPa)、火炎イオン
化検出器及びスプリット比1:100で実施した。
【0048】4.微生物の培養 使用した微生物(突然変異菌株:大腸菌XL−1レッ
ド、選択菌株:大腸菌DH5α)をLB−培地、LB/
Amp−培地[アンピシリン(1%w/v)を補充した
LB]、LB/TB/Amp−培地[トリブチリン(1
%v/v)及びアンピシリン(1%w/v)及び1%寒
天を補充したLB]及びMM/Amp/Ind/Rha
[アンピシリン(1%w/v)、指示物質としてのクリ
スタルバイオレット(1mg/l)及びニュートラルレ
ッド(30mg/L)及び誘発のためのラムノース
(0.2%w/v)並びに1%寒天を補充した最少培
地]中で培養した。LB−培地並びに最少培地(M9)
の組成はマニアティス等著、モレキュラール・クローニ
ング:ア ラボラトリー・マニュアル(Maniatis et a
l.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual)(Sec.Edi
tion,Vol.I,II,III,Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,1989,ISBN 0-87969-309-6)又はグリーナー等(Gree
ner et al.)(Methods in Molecular Biology,Vol.57,
1996:375-385)に記載されている。
【0049】5.突然変異 突然変異を図1に示すように実施した。プラスミドPF
E−WTをLB/Amp−培地中の一夜培養からクイア
ゲン(Quiagen)社(Hilden,Germany)からのキットを
用いて単離し、引き続き菌株大腸菌(Epicurian coli)
XL−1レッドのコンピテント細胞中に形質転換し、M
gCl220mM及びグルコース20mMで補充したL
B/Amp培地50ml中で、37℃で一夜培養した。
この培養物500μlを新鮮なLB/Amp−培地(5
0ml)中にインキュベートし、かつ更なる突然変異サ
イクルを実施した。残りの培養物から細胞2mlを取り
出し、遠心分離し(3000rpm、10分、4℃)か
つこのプラスミドをこれらの細胞から単離した(Maniat
is et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Se
c.Edition,Vol.I,II,III,Cold Spring Harbor Laborato
ry Press,1989,ISBN0-87969-309-6参照)。突然変異サイ
クルを7回まで連続して実施した。最初のサイクルで同
定されたプラスの突然変異体(例えば、PFE−U3)
に第2の突然変異サイクル(7サイクルまで)を実施し
た。
【0050】6.微生物の形質転換 微生物大腸菌XL1レッド又は大腸菌DH5αの形質転
換をチャン(Chung)等(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.
86,1989:2172-2175)により記載された方法に従って実
施した。形質転換体をLB/Amp−培地中で37℃で
約1時間培養した後、培養物の部分量(50〜100μ
l)をLB/Amp−寒天プレート上に塗抹し、37℃
で一夜インキュベートした。このプレートをレダーベル
グ(Laderberg)により記載されたように、引き続き行
なわれるレプリカ平板法のためのマスタープレートとし
て、スクリーニング実験に使用した(Manual of Method
sfor General Bacteriology,American Sociaty For Mic
robiology,Washington,DC20006,ISBN 0-914826-29-
8)。更に、活性エラスターゼを生産するコロニーを同
定するために、0.2%ラムノースを含有するLB/T
B/Amp−プレート上に培養物50μlを塗抹した。
【0051】7.スクリーニングシステム 突然変異した遺伝子を同定するためにコロニーをマスタ
ープレートから次の選択プレートにレプリカ平板法を実
施した(Manual of Methods for General Bacteriolog
y,American Sociaty For Microbiology,Washington,DC
20006,ISBN 0-914826-29-8):a)基質(化合物1)
0.1%(w/v)を含有するMM/Amp/Ind/
Rha、b)基質(化合物3)0.1%(w/v)を含
有するMM/Amp/Ind/Rha。このプレートを
37℃でインキュベートした。プラスのクローンをプレ
ートタイプ(a)及び(b)に関して、コロニーの周辺
及び中の赤色への着色−pH値の低下−及び(b)プレ
ート上でのより迅速な生長に基づき同定した。LB/A
mp/Ind−プレート上には、全てのコロニーにおい
て2日後赤色が観察された。このことは多分副反応に起
因する。従って、このアッセイのためには前記最少培地
が好適である。マスタープレートとの比較により、両方
の方法においてプラスの結果を示すコロニー、すなわち
完全なエステラーゼを生産し、かつ赤色への着色を示す
コロニーだけを選択した。最初の突然変異サイクルの約
750コロニーから2つのプラスのクローン(=PFE
−U1及びPFE−U3)が2〜6日間の37℃でのイ
ンキュベーションの後、同定された。PFE−U1の場
合弱い赤色への着色を形成するだけであり、一方PFE
−U3の場合深い赤色への着色が形成され、かつ化合物
3は良好な生長を示した。これらのクローンのベクター
(=プラスミド)を単離し、かつ新たに菌株大腸菌DH
5α中に形質転換した。これらの有機体をLB/Amp
−培地250ml中でラムノース誘発による突然変異エ
ステラーゼの生産のために使用した。このエステラーゼ
(前記)を単離し、かつ化合物1の調製反応に使用し
た。コントロールとしては突然変異を行なっていない野
生型−エステラーゼを使用した。
【0052】8.ヌクレオチド配列分析 エステラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列をフルオレッセ
ンス−ジデオキシ−DNA−配列決定法を使用して測定
した。DNA−配列決定をTaq Dye DeoxyTM
Cycle 配列決定キット(Biosystems,Weiterstadt,
Germany)を用いて、製造者の記載に従って核酸配列か
ら誘導されたプライマー(Interactiva,Ulm,Germany)
を使用して実施した。PFE−U1−遺伝子の配列決定
は構造遺伝子に全く突然変異を有さず、一方PFE−U
3−遺伝子は2個の点突然変異を示した。これにより、
209位(AがDにより)及び181位(LがVによ
り)にアミノ酸交換が行なわれた。モデル化分析は、ア
ミノ酸交換が活性中心から遠く離れたところにあること
を示した。
【0053】9.化合物1及び3の化学合成 a)5−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシ−4,4
−ジメチル−ペンタン酸エチルエステル(=化合物1) THF/ヘキサン中のリチウムジイソプロピルアミド1
70mlの溶液(110mmol、ジイソプロピルアミ
ン11.1g及びブチルリチウム、ヘキサン中1.6N
68.8mlから製造)に、−60℃で酢酸エチル溶液
(8.8g、THF10ml中100mmol)を滴加
した。30分後にTHF中の3−ベンジルオキシ−2,
2−ジメチルプロパナール30ml(19.2g、10
0mmol)を、迅速に添加し、この配合物を5分間撹
拌し、その後、硫酸水素カリウム水溶液を中和のために
添加した。この反応混合物をジエチルエーテルで抽出
し、複数回水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥さ
せ、かつ有機溶剤を減圧下に留去した。化合物26.1
g(93%)が僅かに黄色の油状物質として単離され
た。この化合物をシリカゲルカラムを介して精製した
(エーテル:石油エーテル、1:3〜1:1)。
【0054】
【数1】
【0055】b)5−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロ
キシ−4,4−ジメチル−ペンタン酸−2,3−ジヒドロ
キシプロピルエステル(=化合物3) aに記載した合成法に相応して、リチウムジイソプロピ
ルアミド35mmol、1−アセチル−2,3−イソプ
ロピリデングリセリン30mmol及び3−ベンジルオ
キシ−2,2−ジメチルプロパナール30mmolを使
用して、化合物5−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキ
シ−4,4−ジメチル−ペンタン酸−2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエステル(=
化合物2)を合成した。メトキシエタノール30ml中
のこの化合物2 3.66g(10mmol)から出発
し、化合物3を合成した。化合物2の溶液をホウ酸5.
0gと共に110℃に20分間加熱した。この溶剤を除
去した後、この残分に僅かな量の水を添加し、ジエチル
エーテルで抽出した。この抽出液を硫酸マグネシウム上
で乾燥させ、かつ溶剤を減圧下に留去し、かつ化合物3
をシリカゲルカラムを介して精製した(エーテル及びエ
ーテル:ジオキサン、9:1)。化合物3 2.3g
(70%)が1:1のジアステレオマー混合物の形で無
色油状物質として単離された。
【0056】
【数2】
【0057】10.PFE−U3での酵素による加水分
解 ラセミ化合物1を突然変異したエステラーゼPFE−U
3を用いて、酵素的加水分解を実施し、相応する酸にし
た[α]D 20=−11.01゜(c=0.965、CHC
3)、油状物質、収率11.6%及び残留出発物質(2
4.9%ee)[α]D 20=+0.97゜(c=3.07
1、CHCl3)、油状物質、収率61.4%。すなわち
この加水分解は1の立体選択的識別で行なわれた。コン
トロールとして使用した野生型ヒドロラーゼは突然変異
体PFE−U1と同様に化合物1を変換することはでき
ない。PFE−U3から出発した第二世代の突然変異体
は加水分解反応における立体選択性に関して全く改良を
示さなかった。第二世代の突然変異体はPFE−3−3
11〜PFE−3−713である(表II参照)。表I
Iは種々のエステラーゼの比活性を基質として酢酸エス
テルを用いて単位で示した(表II、U/mg蛋白
質)。種々異なるエステラーゼの光学活性は化合物1を
基礎とする(表II)。
【0058】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】例としてベクターを使用する方法の各工程を示
した図である。
【図2】ラムノース誘発性プラスミド2792.1の制
限地図を示した図である。
【符号の説明】 1 ベクター 2 DNA 3 機能誘導体 4 突然変異したベクター 5 選択有機体 6 選択培地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (C12N 9/16 C12R 1:19) (72)発明者 ヨーゼフ アルテンブーフナー ドイツ連邦共和国 ヌフリンゲン ヒンデ ンブルクシュトラーセ 6

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素の基質特異性を改変するために、次
    の工程: a)大腸菌株XL1レッド中に又は機能誘導体中に、該
    酵素をコードする遺伝子のコピーを有するDNAを導入
    し、 b)形質転換した大腸菌株XL1レッド又はその機能誘
    導体をインキュベートして酵素遺伝子中に突然変異を誘
    発し、 c)菌株XL1レッド又はその機能誘導体から突然変異
    したDNAを、阻害する酵素活性を有しない微生物に転
    移し、 d)酵素活性を検出するために、該酵素の未改変の基質
    特異性を認識することを可能とする、少なくとも1種の
    酵素基質を含有し、かつその他の指示物質を含有するか
    又は含有しない、少なくとも1つの選択培地上で、又は
    培地中でこの微生物をインキュベートし、 e)基質特異性の改変を示す微生物を選択する、を実施
    することからなる、酵素の基質特異性を改変する方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)〜(e)を連続して複数回実
    施し、その際工程(e)で選択された微生物からのDN
    Aを再び大腸菌株XL1−レッド又はその機能誘導体中
    に戻す、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 原核微生物又は真核微生物を微生物とし
    て使用する請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 グラム陽性又はグラム陰性菌、菌類又は
    酵母を微生物として使用する請求項1から3までのいず
    れか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 ヒドロラーゼを酵素として使用する請求
    項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパー
    ゼ、エステラーゼ、ホスファターゼ、アミダーゼ、ニト
    リラーゼ、エーテル・ヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ
    及びグリコシダーゼの群から選択されたヒドロラーゼを
    酵素として使用する請求項1から5までのいずれか1項
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 リパーゼ、エステラーゼ、ニトリラーゼ
    又はフィターゼを使用する請求項1から6までのいずれ
    か1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 基質特異性の改変が選択的酵素活性に導
    く請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 基質特異性の改変が領域選択的、化学選
    択的又は立体選択的、又は領域選択的、化学選択的及び
    /又は立体選択的の酵素活性に導く請求項8記載の方
    法。
JP10280003A 1997-10-02 1998-10-01 酵素の基質特異性の改変法 Pending JPH11155570A (ja)

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