JP4317521B2 - 転がり軸受、転がり軸受用材料およびその転がり軸受を用いた回転部を有する機器 - Google Patents

転がり軸受、転がり軸受用材料およびその転がり軸受を用いた回転部を有する機器 Download PDF

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Description

本発明は、転がり軸受、転がり軸受用材料およびその転がり軸受けを用いた回転部を有する機器に関するものであり、特に、VTR、コンピュータ周辺機器等の精密機器の回転部に好適な転がり軸受及び転がり軸受用材料およびその転がり軸受けを用いた回転部を有する機器に関するものである。
従来より使用されている軸受鋼としては、以下に説明するようなものが使用されている。
玉軸受、ころ軸受のような転がり軸受において接触面圧が1000〜1300MPa、場合によっては3000〜4000MPaにも達する軸受には、炭素含有量が多い高炭素クロム軸受鋼や表面を浸炭するはだ焼鋼が用いられている。高炭素クロム軸受鋼は、1.1%C−1〜1.5%Crを主成分とし、MnとMoの添加量によって焼入性に変化を持たせている。この鋼種は、1050〜1120Kの温度から焼入れした後、420〜470Kで焼もどし、7〜8%の球状セメンタイトがマルテンサイト中に分散した組織として使用されるもので、焼もどし後の硬さがHRC58〜64と高いため、地きず、非金属介在物の少ない清浄な鋼が望まれ、現在ではほとんど真空脱ガスによる炭素脱酸を利用して製造され、さらに、必要に応じてエレクトロスラグ再溶解や真空アーク再溶解などの特殊溶解法を組み合わせて非金属介在物の低減、微細化を図った材料が使われている。
また、浸炭軸受は、はだ焼鋼を浸炭して作られるので、高い表層硬さと柔軟な心部を有しており、特に衝撃荷重を受ける用途に適している。
また、390Kを超える環境下で用いられる軸受では、低温焼きもどしタイプの鋼は組織変化を起こし、軟化や寸法変化が生じるので使用できない。そこで、M50(0.8C−4Cr−4.3Mo−1V)やT1(0.7C−4Cr−18W−1V)などの高温焼きもどしタイプの高炭素高合金鋼が使われている。
ところが、従来の軸受鋼には、それぞれ次に説明するような欠点がある。
すなわち、はだ焼鋼は、高炭素クロム軸受鋼に比べて溶解精錬上、酸素含有量を下げにくく、酸化物系非金属介在物を生じやすく、転動寿命を低下させる要因となる。
また、高炭素高合金鋼も、転動寿命を低下させる巨大炭化物が生成しやすい。
この点で高炭素クロム軸受鋼にはこのような欠点がなく、また高い加工精度を得ることができるので、回転時の静粛性を特に要求される精密機器の回転部に使用するのに適している。ところが、高炭素クロム軸受鋼には錆がつきやすく、外表面に防錆油を塗布する必要があり、この防錆油がガス化することにより精密機器の作動障害を引き起こすことがある。
そこで、腐食性雰囲気で使用される軸受けには、耐食性と耐摩耗性に優れたSUS440C鋼相当のマルテンサイト系ステンレス鋼が使用されている。しかし、このステンレス鋼には、溶鋼が凝固する際に共晶反応により生じる共晶炭化物や溶鋼中の原材料の不純物が化学変化して発生するアルミナ等の非金属介在物が存在し、鋼材を切削加工する際、共晶炭化物や非金属介在物と鋼材の組織との間に被削性の差が生じて高精度の切削加工を施すことができず、特に転がり軸受においては、内外輪の転動溝を高精度に加工することができないので、回転時の振動により発生する騒音が大きく、精密機器の回転部に用いることができない。
そこで、静粛性に優れ、且つ耐摩耗性と耐食性に優れた転がり軸受が提案されている(例えば、特許文献1と特許文献2参照)。
上記特許文献1には、「内外輪間に高炭素クロム軸受鋼からなる複数個のボールを設け、内輪、外輪の少なくとも一方を、硬度がHRC58以上であり、かつ共晶炭化物の径が10μm以下のマルテンサイト系ステンレス鋼で構成してなる玉軸受」が提案されている。
また、特許文献2には、「アウターレースとインナーレースとの間に複数個の転動体を介装したステンレス鋼製の転がり軸受において、上記ステンレス鋼は、重量比でC:0.6〜0.75%、Si:0.1〜0.8%、Mn:0.3〜0.8%、Cr:10.5〜13.5%、残部Feおよび不可避的に混入する不純物からなり、その含有する共晶炭化物を長径で20μm以下、面積率10%以下としたことを特徴とする転がり軸受」が提案されている。
特開平6−117439号公報 特公平5−2734号公報
共晶炭化物が巨大化すると、巨大な炭化物が軸受の表面に現れた場合、上記したように、この炭化物と周囲の基地との被削性の差により、正しい仕上げ面形状にするのが困難で、回転時の静粛性に問題がある。また、巨大炭化物は、軸受として使用中に周囲の基地との間に耐摩耗性の差を生じ、割れて表面から脱落することにより表面形状を乱して静粛性を著しく低下させる。そこで、炭化物の大きさを極力小さくすることは、軸受表面に炭化物が現れにくくなるので好ましく、上記特許公報に記載されているように、炭化物の径を20μm以下または10μm以下にすることは、静粛性の改善に効果がある。ところが、炭化物のサイズを抑えるだけでは満足する静粛性のレベルを得ることはできない。一方、炭化物径をそのように小さくするためには製造技術上の付加工程が必要であり、大幅な製造コストの上昇を招くので、現実的な手段ではない。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、静粛性に優れていると共に耐食性と耐寿命性(耐摩耗性に相当するもの)を備えた低コストの転がり軸受、転がり軸受用材料およびその転がり軸受けを用いた回転部を有する機器を提供することにある。
本発明は、鋼中の化学成分、耐食軸受鋼中の共晶炭化物の円相当直径の平均値、共晶炭化物の平均面積および共晶炭化物の面積率ならびに耐食軸受鋼の硬度と、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量と、平均結晶粒径に着目し、それらの数値と被削性(加工性)、転がり軸受や回転部を有する機器としての静粛性、耐寿命性および製造コストなどとの関係について鋭意研究した結果成し得たものである。
すなわち、耐寿命性や耐食性を高めるために添加されるCやCrの含有量を比較的少なくすることにより、共晶炭化物の生成を抑えることができるのである。そして、CやCrの含有量を少なくすることによる不都合な点を回避するために、CuやMoを比較的多く添加するのである。
また、共晶炭化物の最大長径を小さくすることは転がり軸受の静粛性改善に効果があることは明らかであるが、現実的には、量産工程のための一般的な製造技術では困難で、余分な付加工程を必要とするために製造コストを大幅に上昇させる。この点で、製造コストを考慮した場合、共晶炭化物の円相当直径の平均値、共晶炭化物の平均面積および共晶炭化物の面積率を一定範囲におさめることで、被削性の改善に一定の効果が得られ、しかも、製造コストの上昇を招かないので、好ましい。
また、共晶炭化物の円相当直径の平均値は、一般的に約2.0〜2.8μmであるが、この円相当直径の平均値を小さくすることは、被削性の改善に効果があり、0.2〜1.6μmとすることが好ましい。なお、円相当直径の平均値とは、共晶炭化物各々の面積を画像解析装置で求め、その面積を円に換算したときの直径の平均値をいう。
さらに、共晶炭化物の平均面積は、一般的に約3.0〜6.0μmであるが、この平均面積を小さくすることは、被削性の改善に効果があり、0.03〜2.0μmとすることが好ましい。
また、被削性の改善のためには、共晶炭化物の絶対量を制限することが好ましく、そのため、共晶炭化物の面積率は、2〜7%とすることが好ましい。なお、面積率とは、視野の全測定面積に占める共晶炭化物の総面積の割合(百分率)をいう。
また、軌道面あるいは転動面の転がり寿命ならびに耐摩耗性と靭性を確保するために、耐食軸受鋼の硬度は、ロックウエル硬さCスケール(HRC)で、58〜62とすることが好ましい。
また、荷重や衝撃によって軌道面あるいは転動面に有害な永久変形を生じさせないようにするためには、残留オーステナイト量を少なく抑えることが必要で、6容量%以下とすることが好ましい。残留オーステナイト量を少なく抑えることで、軌道面あるいは転動面の耐圧痕性を向上させる効果のほか、この軌道面あるいは転動面の表面精度が経時的に劣化することを防止することもできる。
さらに、加工性や硬度を安定させるためには、平均結晶粒径は6〜9.5μmの範囲が好ましい。
すなわち、本発明は、内輪と外輪の間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受において、上記内輪および外輪の少なくとも一方を重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼とし、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であり、耐食軸受鋼の硬度はHRC58〜62であり、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量が6容量%以下であることを特徴とする転がり軸受を第一の発明とし、
内輪と外輪の間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受において、上記内輪、外輪および転動体のすべてを重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼とし、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であり、耐食軸受鋼の硬度はHRC58〜62であり、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量が6容量%以下であることを特徴とする転がり軸受を第二の発明とし、
軸の外周に転動溝を形成し、この転動溝と外輪内周の転動溝との間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受において、上記軸および外輪の少なくとも一方を重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼とし、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であり、耐食軸受鋼の硬度はHRC58〜62であり、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量が6容量%以下であることを特徴とする転がり軸受を第三の発明とし、
上記第一、第二または第三の発明において、平均結晶粒径が6〜9.5μmである転がり軸受を第四の発明とし、
重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼で、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であることを特徴とする転がり軸受用材料を第五の発明とし、
上記第一または第四の発明の転がり軸受を用いた回転部を有する機器を第六の発明とし、
上記第二または第四の発明の転がり軸受を用いた回転部を有する機器を第七の発明とし、
上記第三または第四の発明の転がり軸受を用いた回転部を有する機器を第八の発明とし、
上記第六ないし第八の発明の中のいずれかに記載の回転部を有する機器がハードディスクドライブである発明を第九の発明とし、
上記第六ないし第八の発明の中のいずれかに記載の回転部を有する機器が精密機器である発明を第十の発明とする。
本発明において、「静粛性」とは、「ある金属材料を転動体または内輪もしくは外輪に加工して転がり軸受に組み立て、その軸受をハードディスクドライブなどの精密機器に組み込んで運転したとき、その精密機器が発する騒音のうち、金属材料に起因する騒音の少なさ」をいう。その騒音は、転がり軸受が回転作動中に発生する振動によるものであり、この振動発生は上記したように転動体や内輪、外輪の形状精度に大きく依存する。ハードディスクドライブなどの精密機器分野で用いられている比較的小型の転がり軸受は、他の用途では問題とならないような静粛性が重要な問題である。
そこで、内輪と外輪の間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受の内輪および外輪の少なくとも一方を本発明の耐食軸受鋼とするか、外周に転動溝を形成した軸と外輪の間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受の上記軸および外輪の少なくとも一方を本発明の耐食軸受鋼とすることで、高炭素クロム軸受鋼に比べて錆が発生しにくく、耐食性の向上と耐寿命性の向上を図ることができる。
そして、耐食軸受鋼の含有するCを0.5〜0.56%、Siを1%以下、Mnを1%以下、Pを0.03%以下、Sを0.01%以下、Crを8.00〜9.50%、Moを0.15〜0.50%、Cuを0.30〜0.70%、Tiを15ppm以下、Vを0.15%以下、Oを15ppm以下で、残部をFeおよび不可避的に混入する不純物とし、共晶炭化物の占める部分(面積)を一定範囲におさめることにより、製造コストを上昇することなく被削性の改善を図ることができる。
すなわち、共晶炭化物の円相当直径の平均値を1.6μm以下とし、共晶炭化物の平均面積を2μm以下とし、共晶炭化物の面積率を7%以下とすることで、被削性を一層改善し、静粛性を大幅に向上することができる。
しかし、共晶炭化物の円相当直径の平均値、平均面積および面積率を過度に低下させるには、そのための特別の製造工程が必要で、製造コストの大幅な上昇を招くことにつながる。そこで、共晶炭化物の円相当直径の平均値が0.2μm以上で、共晶炭化物の平均面積が0.03μm以上で、共晶炭化物の面積率が2%以上の範囲であれば、ほぼ通常の製造工程に従って製造できるので、製造コストをほとんど上昇させることなく、経済的な製造システムを達成できる。
さらに、内輪と外輪と転動体のすべてに本発明の耐食軸受鋼を用いると、使用中に高温となったときでも、内輪、外輪および転動体のすべてが同一材料であるため、相互で熱膨張係数の差による歪みが全くなくなり、高温時でも静粛性と耐寿命性に優れた効果を発揮することができる。
また、耐食軸受鋼の硬度をHRC58〜62とすることにより、軌道面あるいは転動面の転がり寿命ならびに耐摩耗性および靱性を確保することができる。
そして、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量を6容量%以下とすることにより、耐圧痕性を向上させ、軌道面あるいは転動面の表面精度の経時的劣化を防止することができる。
さらに、平均結晶粒径を6〜9.5μmにすることにより、被削性、静粛性および耐寿命性などを改善することができる。
本発明の耐食軸受鋼を転がり軸受用材料として用いる場合、内輪、外輪および転動体のいずれか一つに用いても、もちろん上記した効果を発揮する。例えば、請求の範囲第5項記載の転がり軸受用材料の実施形態として転動体のみに本発明の耐食軸受鋼を用い、内輪と外輪は、後記する表3に示す従来の組成のステンレス鋼を用いることもできる。
本発明の耐食軸受鋼の成分(重量%)の限定理由は、以下の通りである。
Cは、高温強度と耐摩耗性を付与するために必須の構成元素であり、先に示した特許文献2では、Cは0.6〜0.75%添加されているが、本発明では、炭化物の生成を抑制するため、Cの含有量は0.5〜0.56%とした。所定の高温強度と耐摩耗性を確保するためには、0.5%以上のCは必要であるが、多すぎると大きな共晶炭化物が生成し、被削性を低下させ、耐食性も悪くなるので、0.56%以下とするのが好ましい。
Siを1%以下、Mnを1%以下、Pを0.03%以下、Sを0.01%以下、Vを0.15%以下、Tiを15ppm以下、Oを15ppm以下とするのは、これらの元素が多すぎると加工硬化を助長し被削性が低下するので、被削性を低下させず、また、非金属介在物の生成を抑制するためにそれらの元素を上記数値以下に抑えるのである。さらに、それらの元素が多すぎると、焼き入れ性を低下させ、マルテンサイト化率が低下するという不都合な点もある。
Cr、CuおよびMoの数値限定理由は、以下のとおりである。
CrはCと結合して炭化物を形成し、耐摩耗性を高めるとともに基地に固溶したCrは耐食性を増す。本発明は炭化物の生成を抑制するためにCを従来より少し低減したので、Crも特許文献2に記載された含有量(10.5〜13.5%)に比べて少なくなるように、8.00〜9.50%とした。CとCrの含有量を少なくすることによる不都合な点を回避するために、CuとMoの添加量を比較的多くしている。
すなわち、Cuは耐食性と耐候性を発揮するという効果がある。しかし、多すぎると、割れやすくなるため、0.30〜0.70%とするのが好ましい。
Moは焼き入れ性を向上させ、結晶粒の粗大化を防止し、さらに耐食性をも向上させるという効果がある。Moが0.15%より少ないと、これらの効果が少なく、0.50%より多くなると公知の焼き入れ条件で焼き入れできず、またMoは非常に高価な金属であるため、Mo量が多いとコストが増大するからである。
本発明は上記のとおり構成されており、静粛性に優れていると共に耐食性と耐寿命性を備えた低コストの転がり軸受、転がり軸受用材料及びその転がり軸受を用いた回転部を有する機器を提供することができる。特に、本発明は、VTR、コンピューター周辺機器等、中でもとりわけスイングアーム用軸受のコストダウンおよび静粛性向上に寄与する産業上の効果の大きな発明である。
第1図は、本発明の転がり軸受の実施例の縦断面図である。
第2図は、本発明の転がり軸受の別の実施例の縦断面図である。
第3図は、共晶炭化物の円相当直径の平均値(μm)とアンデロン値(M)の関係を示す図である。
第4図は、共晶炭化物の最大長径(μm)とコスト指数の関係を示す図である。
第5図は、耐食軸受鋼またはステンレス鋼に析出した炭化物のSEM像を示す図である。
第6図は、ハードディスクドライブの外観を示す斜視図である。
以下に本発明の実施例を図面を参照しながら説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
第1図において、1は外輪、2は内輪、3は転動体を示す。外輪1内周の転動溝4と内輪2外周の転動溝5との間には、複数個の転動体3が充填してある。
外輪1と内輪2の材料には下記の表1に示すような組成(重量%)の本発明の耐食軸受鋼を用い、転動体3の材料に高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)を用い、平均結晶粒径を本発明の範囲内に限定した場合(実施例1)と、外輪1のみに表1に示すような組成の耐食軸受鋼を用い、内輪2と転動体3の材料は高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)とし、平均結晶粒径を本発明の範囲内に限定した場合(実施例2)と、外輪1、内輪2および転動体3のすべてに表1に示すような組成の耐食軸受鋼を用いた場合(実施例3)の耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の面積率、最大長径、円相当直径の平均値、平均面積、耐食軸受鋼のロックウエル硬さCスケール(HRC)と耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量(容量%)および平均結晶粒径は下記の表4に示す通りである。
第2図において、軸6の外周に刻まれた転動溝7と外輪1内周の転動溝4との間には、複数個の転動体3が充填してある(実施例4)。本実施例4においては、外輪1および軸6の材料には表1に示すような組成の耐食軸受鋼を用い、転動体3には高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)を使用した。この場合の耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の面積率、最大長径、円相当直径の平均値、平均面積、耐食軸受鋼のロックウエル硬さCスケール(HRC)と耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量(容量%)および平均結晶粒径は表4に示す通りである。
本実施例4では、外輪1と軸6の両方を本発明の耐食軸受鋼としているが、使用条件によっては、耐食性と高温強度が必要な一方だけを耐食軸受鋼とすることもでき、さらに、外輪1と軸6と転動体3のすべてを耐食軸受鋼とすることもできる。
さらに、実施例5では、外輪1と内輪2の材料に、下記の表2に示すように、表1とは異なる組成(重量%)の本発明の耐食軸受鋼を用い、転動体3の材料には高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)を用い、平均結晶粒径を本発明の範囲内に限定した。
そして、実施例6では、外輪1、内輪2および転動体3のすべてに表2に示すような組成の耐食軸受鋼を用い、平均結晶粒径を本発明の範囲内に限定した。
これら実施例5と実施例6の場合の耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の面積率、最大長径、円相当直径の平均値、平均面積、耐食軸受鋼のロックウエル硬さCスケール(HRC)と耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量(容量%)および平均結晶粒径は表4に示す通りである。
上記耐食軸受鋼を得るに際して、1025℃から水焼き入れを行った後、サブゼロ処理(−80℃)を行い、170℃に焼き戻した。
Figure 0004317521
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耐食軸受鋼中の共晶炭化物の面積率、最大長径、円相当直径の平均値および平均面積は、不純物元素の管理、原料の調製や精錬、造塊などの製造工程での製造条件(例えば、精錬時間、脱ガス条件、拡散熱処理工程の挿入など)により制御することができる。しかし、特に表3にその組成(重量%)を示すような従来のステンレス鋼では、共晶炭化物の最大長径を20μm以下にするためには、特別の原料を用いて製造工程も増えるため、大幅な製造コストの上昇を招くことになる。
耐食軸受鋼の平均結晶粒径と硬度および耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量は、焼き入れに際しての加熱温度と加熱時間、冷却速度、冷却媒体、冷却温度と時間、焼き戻し温度と焼き戻し時間などにより制御することができる。
本実施例1〜6の転がり軸受に関する振動および騒音の評価
試験をAFBMA(The Anti−Friction Bearing Manufacturers Association,Inc.)の規格に準拠して行った成績(アンデロン値)と、それら転がり軸受の加工性(被削性)、耐寿命性およびコストを指数表示したものを表4に記載する。
表4には、比較例1〜3と従来例1、2の評価結果も同時に示されているが、これらに用いられるステンレス鋼は表3に示す従来の組成のものであり、本発明の耐食軸受鋼の表1と表2に示す組成とは大きく異なるものである。しかも、比較例1〜3は、転動体3が高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)であって、外輪1と内輪2の材料には表3に示す組成のステンレス鋼を用い、ステンレス鋼の含有する共晶炭化物の面積率、円相当直径の平均値、平均面積およびステンレス鋼中の残留オーステナイト量(容量%)の中の少なくとも1つの特性値が、本発明の範囲を外れるものである。
また、従来例1、2は、外輪1、内輪2および転動体3の材料すべてが表3に示す組成のステンレス鋼であり、ステンレス鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値、平均面積およびステンレス鋼中の残留オーステナイト量(容量%)の中の少なくとも1つの特性値が、本発明の範囲を外れるものである。
表4において、アンデロン値のM、Hは、それぞれ測定周波数帯域の区分で、Mは中周波数帯域(300−1800Hz)、Hは高周波数帯域(1800−10000Hz)を示している。同一周波数帯域では、アンデロン値が低いほど静粛性が優れていることを示す。
加工性、耐寿命性およびコストについては、従来例1を100とした指数で表示し、加工性と耐寿命性については数値の大きい方が優れていることを示し、コストについては数値の小さい方が優れていることを示す。なお、加工性の評価は、精密旋盤により外周切削、突切切削を行って付加電流増分の比較測定により行い、耐寿命性の評価は、使用箇所により決まる仕様に基づいて、20℃、80℃、100℃などの温度で一定時間加熱し、合計約1000時間回転させ、その後の回転調子(音響、振動など)やグリス状態を比較することにより行った。
表4より、以下のことが指摘できる。
(1)比較例2の炭化物の面積率、最大長径、円相当直径の平均値および平均面積が最も小さいので、アンデロン値は低い。しかし、外輪と内輪の材料に従来のステンレス鋼を用いた比較例2では、これらの数値を低くするために特別の製造工程が必要であり、そのための製造コストが極めて高くつき、経済的な材料とは言えない。
(2)比較例1と従来例1、2は、炭化物の最大長径は実施例1〜6と同等か又は短いが、円相当直径の平均値および平均面積が本発明の範囲を外れており、実施例1〜6よりアンデロン値が大きい。さらに、これら比較例1と従来例1、2は、炭化物の最大長径を小さくするために、実施例1〜6よりコストが高くなり、特に、従来例2と比較例1の炭化物の最大長径はそれぞれ8μm、12μmと小さく、これらは円相当直径の平均値も比較的小さいので、そのための製造コストが極めて高い。
(3)比較例3は、炭化物の面積率、円相当直径の平均値、平均面積および残留オーステナイト量のすべてが本発明の範囲を外れており、アンデロン値が極めて大きい。
(4)以上の比較例や従来例に比して、実施例1〜6は、炭化物に関して本発明の範囲内の適正な面積率、円相当直径の平均値および平均面積を有しており、その他性質の耐食軸受鋼の硬度や耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量(容量%)や平均結晶粒径に関しても、本発明の範囲内の適正な数値を有しているので、アンデロン値は比較例2と遜色ないレベルであり、加工性、耐寿命性およびコスト面のすべてが従来例より良好なレベルである。
これら円相当直径の平均値とアンデロン値(M)の関係を第3図に示し、最大長径とコスト指数の関係を第4図に示す。第3図および第4図において、「◎」は実施例、「▲」は比較例、「●」は従来例を示す。第3図と第4図は、アンデロン値が低く、低コストであるという本発明の特徴を如実に示していると言える。
第4図において、コストが最も低いのは比較例3であるが、この比較例3は、第3図に示すように、アンデロン値が極めて高い。また、第3図において、比較例2のアンデロン値は低いが、この比較例2は、第4図に示すように、コストが極めて高くなる。
表2の炭化物の面積率、最大長径、円相当直径の平均値、平均面積および平均結晶粒径は、耐食軸受鋼(またはステンレス鋼)の測定試片を樹脂に埋め込み、研磨仕上げし、金属顕微鏡で観察し、代表視野を400倍で写真にとり、画像解析装置により測定した結果である。
最大長径の共晶炭化物が研磨仕上げした面に出現することは稀にしか期待できないので、転がり軸受を酸の溶液中で定電流電解により溶解し、炭化物をフィルターにて濾過し、走査電子顕微鏡(SEM)で組織観察を行った結果(2000倍)を示すのが第5図である。第5図において、白色の塊部分が炭化物を示す。
耐食軸受鋼(またはステンレス鋼)中の残留オーステナイトの容量(%)の測定は、試料を電解抽出法で処理し、表面X線回折法により行った。分析条件は、ターゲットがCuで、加速電圧が40kVで、試料電流が180mAで、走査範囲は、41.2〜46.705°である。解析方法は、ミラー指数h、k、lの回折線の積分強度より結晶構造を同定し、残留オーステナイト量の相対的な容量比を決定する方法により行った。
なお、X線回折装置は、理学電機社製のRINT1500/2000型を用いた。
第6図は、本発明の転がり軸受を用いることができる回転部を有する機器の一例を示すものであり、ハードディスクドライブの外観を示す斜視図である。第6図において、11はディスク、12はスピンドルモーター、13はヘッド、14はサスペンション、15はスイングアーム、16はプリアンプ、17はフレクシャー、18はスイングアーム用軸受、19はボイスコイルモーター、20はフレーム、21は電気回路である。
このハードディスクドライブは、例えば、VTRやコンピュータ周辺機器等の精密機器に用いられる。また、この他、本発明の転がり軸受は、スピンドルモータやファンモータ等の回転部にも用いることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は以上説明したように構成されているので、特に、VTR、コンピュータ周辺機器等の精密機器の回転部に好適な転がり軸受及び転がり軸受用材料およびその転がり軸受けを用いた回転部を有する機器として適している。
1…外輪、2…内輪、3…転動体、4、5、7…転動溝、6…軸

Claims (10)

  1. 内輪と外輪の間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受において、上記内輪および外輪の少なくとも一方を重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼とし、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であり、耐食軸受鋼の硬度はHRC58〜62であり、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量が6容量%以下であることを特徴とする転がり軸受。
  2. 内輪と外輪の間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受において、上記内輪、外輪および転動体のすべてを重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼とし、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であり、耐食軸受鋼の硬度はHRC58〜62であり、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量が6容量%以下であることを特徴とする転がり軸受。
  3. 軸の外周に転動溝を形成し、この転動溝と外輪内周の転動溝との間に複数個の転動体を備えてなる転がり軸受において、上記軸および外輪の少なくとも一方を重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼とし、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であり、耐食軸受鋼の硬度はHRC58〜62であり、耐食軸受鋼中の残留オーステナイト量が6容量%以下であることを特徴とする転がり軸受。
  4. 平均結晶粒径が6〜9.5μmである請求の範囲第1項、第2項または第3項記載の転がり軸受。
  5. 重量比で、Cが0.5〜0.56%、Siが1%以下、Mnが1%以下、Pが0.03%以下、Sが0.01%以下、Crが8.00〜9.50%、Moが0.15〜0.50%、Cuが0.30〜0.70%、Tiが15ppm以下、Vが0.15%以下、Oが15ppm以下で、残部がFeおよび不可避的に混入する不純物からなる耐食軸受鋼で、この耐食軸受鋼の含有する共晶炭化物の円相当直径の平均値は0.2〜1.6μmであり、共晶炭化物の平均面積は0.03〜2μmであり、共晶炭化物の面積率は2〜7%であることを特徴とする転がり軸受用材料。
  6. 請求の範囲第1項または第4項記載の転がり軸受を用いた回転部を有する機器。
  7. 請求の範囲第2項または第4項記載の転がり軸受を用いた回転部を有する機器。
  8. 請求の範囲第3項または第4項記載の転がり軸受を用いた回転部を有する機器。
  9. 請求の範囲第6項ないし第8項のいずれか1項に記載の回転部を有する機器がハードディスクドライブである。
  10. 請求の範囲第6項ないし第8項のいずれか1項に記載の回転部を有する機器が精密機器である。
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