JP2730745B2 - 耐食転動部品用鋼および転動部品 - Google Patents
耐食転動部品用鋼および転動部品Info
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- JP2730745B2 JP2730745B2 JP63311357A JP31135788A JP2730745B2 JP 2730745 B2 JP2730745 B2 JP 2730745B2 JP 63311357 A JP63311357 A JP 63311357A JP 31135788 A JP31135788 A JP 31135788A JP 2730745 B2 JP2730745 B2 JP 2730745B2
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- rolling parts
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/58—Raceways; Race rings
- F16C33/62—Selection of substances
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10S148/906—Roller bearing element
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主としてNC旋盤、半導体製造装置およびOA
機器等の油、グリースによる環境汚染を極度に嫌う産業
機械部品の直線運動軸受、ボールねじおよびころがり軸
受用等に使用する優れた耐食性と高い焼入焼戻硬さおよ
び良好な加工性を有する転動部品用鋼および転動部品に
関する。
機器等の油、グリースによる環境汚染を極度に嫌う産業
機械部品の直線運動軸受、ボールねじおよびころがり軸
受用等に使用する優れた耐食性と高い焼入焼戻硬さおよ
び良好な加工性を有する転動部品用鋼および転動部品に
関する。
[従来技術及び発明が解決しようとする課題] NC旋盤、半導体製造装置およびOA機器等に使用される
直線運動軸受およびボールねじないし医療機器および精
密計器等で使用されるころがり軸受においては耐食性に
優れた高硬度材料が要求され、従来からSUS440Cまたは
これに近い特性のマルテンサイト系ステンレス鋼が使用
されている。しかしこれらの鋼では粗大な炭化物が多数
発生し、転動疲労寿命および機械加工性に劣るという欠
点があった。
直線運動軸受およびボールねじないし医療機器および精
密計器等で使用されるころがり軸受においては耐食性に
優れた高硬度材料が要求され、従来からSUS440Cまたは
これに近い特性のマルテンサイト系ステンレス鋼が使用
されている。しかしこれらの鋼では粗大な炭化物が多数
発生し、転動疲労寿命および機械加工性に劣るという欠
点があった。
これに対し、高C低Cr軸受鋼(SUJ2系)では良好な転
動疲労寿命特性および機械加工性を示すものの、耐食性
が悪く、上記用途には用いることができなかった。
動疲労寿命特性および機械加工性を示すものの、耐食性
が悪く、上記用途には用いることができなかった。
それ故、耐食性、転動疲労寿命および機械加工性の全
てを満足する材料の開発が強く望まれていた。
てを満足する材料の開発が強く望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明は前述の従来技術の問題点を解決するためにな
されたものであって、優れた耐食性と高い焼入焼戻硬さ
を保持しつつ、粗大な炭化物の発生を抑えて転動疲労寿
命および機械加工性を向上させた、耐食転動部品用鋼を
提供することを目的とするものである。かかる目的の達
成のため、本発明者らは焼入焼戻しした高Cマルテンサ
イト系ステンレス鋼(SUS440C系)および高C低Cr軸受
鋼(SUJ2系)について多くの改良研究を重ねた。その結
果、特にCを0.5%以上0.7%以下、Crを3.0%超6.0%未
満と両者の中間値とし、これに必要に応じて2.0%以下
のMoおよび0.8%以下のCuを添加することにより、優れ
た耐食性と焼入焼戻硬さを保持しつつ、粗大な炭化物の
発生のない耐食転動部品用鋼を製造することができるこ
とを見出し、本発明をなしたものである。
されたものであって、優れた耐食性と高い焼入焼戻硬さ
を保持しつつ、粗大な炭化物の発生を抑えて転動疲労寿
命および機械加工性を向上させた、耐食転動部品用鋼を
提供することを目的とするものである。かかる目的の達
成のため、本発明者らは焼入焼戻しした高Cマルテンサ
イト系ステンレス鋼(SUS440C系)および高C低Cr軸受
鋼(SUJ2系)について多くの改良研究を重ねた。その結
果、特にCを0.5%以上0.7%以下、Crを3.0%超6.0%未
満と両者の中間値とし、これに必要に応じて2.0%以下
のMoおよび0.8%以下のCuを添加することにより、優れ
た耐食性と焼入焼戻硬さを保持しつつ、粗大な炭化物の
発生のない耐食転動部品用鋼を製造することができるこ
とを見出し、本発明をなしたものである。
すなわち本発明における第1の発明鋼は重量%でC:0.
5%以上0.7%以下、Si:0.1%以上1.5%以下、Mn:0.1%
以上2.0%以下、Cr:3.0%超6.0%未満、P:0.05%以下、
S:0.03%以下、O:0.0015%以下、残部Feおよび必然的に
含まれる不純物からなる耐食転動部品用鋼であり、本発
明における第2の発明鋼は重量%でC:0.5%以上0.7%以
下、Si:0.1%以上1.5%以下、Mn:0.1%以上2.0%以下、
Cr:3.0%超6.0%未満、P:0.05%以下、S:0.03%以下、
O:0.0015%以下、さらにMo:2.0%以下、Cu:0.8%以下の
内1種または2種を含有し、残部Feおよび必然的に含ま
れる不純物からなる耐食転動部品用鋼である。
5%以上0.7%以下、Si:0.1%以上1.5%以下、Mn:0.1%
以上2.0%以下、Cr:3.0%超6.0%未満、P:0.05%以下、
S:0.03%以下、O:0.0015%以下、残部Feおよび必然的に
含まれる不純物からなる耐食転動部品用鋼であり、本発
明における第2の発明鋼は重量%でC:0.5%以上0.7%以
下、Si:0.1%以上1.5%以下、Mn:0.1%以上2.0%以下、
Cr:3.0%超6.0%未満、P:0.05%以下、S:0.03%以下、
O:0.0015%以下、さらにMo:2.0%以下、Cu:0.8%以下の
内1種または2種を含有し、残部Feおよび必然的に含ま
れる不純物からなる耐食転動部品用鋼である。
次に本発明の成分範囲を前述の如く限定した理由を以
下に述べる。なお、特に断わりがない限り、本明細書に
おいて(%)は重量%である。
下に述べる。なお、特に断わりがない限り、本明細書に
おいて(%)は重量%である。
C(炭素) 転動部品用鋼では転動疲労寿命の確保が必要であり、
そのためにはHRC60程度の焼入焼戻硬さが得られること
が好ましい。本発明ではこのためCを含有させる。そし
て本発明鋼においてHRC60以上の焼入焼戻硬さを得るに
必量なC量は0.5%以上であるためC量の下限を0.5%と
した。
そのためにはHRC60程度の焼入焼戻硬さが得られること
が好ましい。本発明ではこのためCを含有させる。そし
て本発明鋼においてHRC60以上の焼入焼戻硬さを得るに
必量なC量は0.5%以上であるためC量の下限を0.5%と
した。
一方、C量は多い程高い硬さが得られるが、第1図に
示すようにC量が多くなり過ぎると粗大炭化物が生成
し、耐食性、寿命および加工性が低下する。Cr含有量が
6.0未満でかつMo含有量が2.0%以下の本発明鋼では、こ
の粗大炭化物が生成しない上限が0.7%なので、C量の
上限を0.7%とした。
示すようにC量が多くなり過ぎると粗大炭化物が生成
し、耐食性、寿命および加工性が低下する。Cr含有量が
6.0未満でかつMo含有量が2.0%以下の本発明鋼では、こ
の粗大炭化物が生成しない上限が0.7%なので、C量の
上限を0.7%とした。
Si(珪素) 鋼中のSiは固溶硬化および焼戻し軟化抵抗の向上に有
利であるが、本発明鋼においては0.1%以下ではその効
果は小さく、また、1.5%を越えると熱処理による脱炭
が著しくなるため、下限を0.1%、上限を1.5%とした。
利であるが、本発明鋼においては0.1%以下ではその効
果は小さく、また、1.5%を越えると熱処理による脱炭
が著しくなるため、下限を0.1%、上限を1.5%とした。
Mn(マンガン) 鋼中のMnは焼入性の調整に大きな役割を有し、本発明
鋼における添加効果は0.1%以上で顕著となり、また、
2.0%を越えると加工性が悪くなるので下限を0.1%と
し、上限を2.0%とした。
鋼における添加効果は0.1%以上で顕著となり、また、
2.0%を越えると加工性が悪くなるので下限を0.1%と
し、上限を2.0%とした。
Cr(クロム) Crは耐食性の向上には欠かせない元素であるが、表2
および第2図に示すように本発明鋼においては3.0%以
下の場合、その効果が不十分である。よって下限を3.0
%超とし、好ましくは4.0%以上である。
および第2図に示すように本発明鋼においては3.0%以
下の場合、その効果が不十分である。よって下限を3.0
%超とし、好ましくは4.0%以上である。
Crは多ければ多い程耐食性は向上するが、本発明鋼に
おいては6.0%以上になると第3図に示すように転動疲
労寿命が低下する。よって上限を6.0%とした。
おいては6.0%以上になると第3図に示すように転動疲
労寿命が低下する。よって上限を6.0%とした。
P(隣) 鋼中のPが0.05%を越えると本発明鋼においては転動
疲労寿命を劣化するので、上限を0.05%とした。
疲労寿命を劣化するので、上限を0.05%とした。
S(硫黄) Sは一般に、また本発明鋼においても鋼中では主とし
て硫化物の形で存在する。本発明においては硫化物の鋼
の被削性を向上させるミニチュアベアリングのような小
型部品では音響不良を生じやすく、また耐食性を著しく
損なうため上限0.03%としたが、好ましくは0.01%以下
である。
て硫化物の形で存在する。本発明においては硫化物の鋼
の被削性を向上させるミニチュアベアリングのような小
型部品では音響不良を生じやすく、また耐食性を著しく
損なうため上限0.03%としたが、好ましくは0.01%以下
である。
O(酸素) 本発明鋼においては酸素が0.0015%を越えると酸化物
の量が著しく増大し、転動疲労寿命を著しく低下させ
る。それゆえ上限を0.0015%とした。
の量が著しく増大し、転動疲労寿命を著しく低下させ
る。それゆえ上限を0.0015%とした。
Mo(モリブデン),Cu(銅) 本願請求項2または4記載の発明においては、請求項
1または3記載の発明の元素に加えMoおよびCuの内1種
または2種を含有せしめるものである。
1または3記載の発明の元素に加えMoおよびCuの内1種
または2種を含有せしめるものである。
Moは本発明において耐食性および焼入性をさらに向上
させる効果がある。しかし2.0%を越えると第1図に示
すように炭化物を粗大化させるので、上限を2.0%とし
た。好ましくは0.05%以上1.0%以下である。
させる効果がある。しかし2.0%を越えると第1図に示
すように炭化物を粗大化させるので、上限を2.0%とし
た。好ましくは0.05%以上1.0%以下である。
Cuは本発明において炭化物を粗大化させることなく耐
食性を改善させる効果がある。しかし0.8%超添加する
と鋼の熱間加工性が著しく低下するので、上限を0.8%
とした。好ましくは0.2%以上0.8%以下である。
食性を改善させる効果がある。しかし0.8%超添加する
と鋼の熱間加工性が著しく低下するので、上限を0.8%
とした。好ましくは0.2%以上0.8%以下である。
[実施例および作用] 次に実施例と比較例によって本発明をさらに説明す
る。
る。
試験した比較鋼と従来鋼(No.A1〜A18)および本発明
鋼(B1〜B6)、合計24ヒートの化学成分を表1に示す。
鋼(B1〜B6)、合計24ヒートの化学成分を表1に示す。
全ヒートとも100kg真空溶解炉で溶製したもので、得
られた鋼塊をソーキングした後、φ65およびφ32に鍛伸
した。各試験片を焼入焼戻する前に予め焼入焼戻特性を
調査し、160℃×90分の焼戻で最高硬さが得られる焼入
温度を求めた。各試験片の焼入巻戻はその調査結果にも
とづいて行った。
られた鋼塊をソーキングした後、φ65およびφ32に鍛伸
した。各試験片を焼入焼戻する前に予め焼入焼戻特性を
調査し、160℃×90分の焼戻で最高硬さが得られる焼入
温度を求めた。各試験片の焼入巻戻はその調査結果にも
とづいて行った。
表2に焼入焼戻後の硬さを示す。この値は試料の表面
より5mm内部側で測定した値であり、Si、Mnの低い焼入
性の悪いヒート(A2、A3)は内部まで硬化していないこ
とが分かる。
より5mm内部側で測定した値であり、Si、Mnの低い焼入
性の悪いヒート(A2、A3)は内部まで硬化していないこ
とが分かる。
耐食性試験は、相対温度を70%一定とし、温度を20℃
×1.5時間と50℃×4.5時間のサイクルを繰り返す湿潤試
験により行った。繰り返し回数は10回とし、実験後の試
料を画像解析装置を用いて被検面積に対する発銹部分の
面積の割合を測定した。この時わずかな変色は認められ
ても点食が発生していないものは発銹していないものと
した。その結果を表2および第2図に示す。Crが3%未
満のヒート(A10,A11,A12,A16)およびSが高いヒート
(A5)の耐食性が著しく悪い。また、Crが3.0%以上に
なれば発銹しない。
×1.5時間と50℃×4.5時間のサイクルを繰り返す湿潤試
験により行った。繰り返し回数は10回とし、実験後の試
料を画像解析装置を用いて被検面積に対する発銹部分の
面積の割合を測定した。この時わずかな変色は認められ
ても点食が発生していないものは発銹していないものと
した。その結果を表2および第2図に示す。Crが3%未
満のヒート(A10,A11,A12,A16)およびSが高いヒート
(A5)の耐食性が著しく悪い。また、Crが3.0%以上に
なれば発銹しない。
更に、本発明鋼だけについては、相対湿度を90%と、
より厳しい条件で同様湿潤試験を行った。結果は表2お
よび第2図に見るとおり、Mo,Cuを添加した本願請求項
2または4の発明の実施例の鋼(B4,B5,B6)は発銹が起
こらなかった。
より厳しい条件で同様湿潤試験を行った。結果は表2お
よび第2図に見るとおり、Mo,Cuを添加した本願請求項
2または4の発明の実施例の鋼(B4,B5,B6)は発銹が起
こらなかった。
粗大な炭化物は転動疲労寿命、耐食性および機械加工
性に悪影響を及ぼすので、炭化物を疑似楕円形とみた
て、その長径と短径の平均をもって直径として炭化物を
観察した。その結果、特に前記直径が5μm以上のもの
が多いと、前述したような悪影響が大きくなってくるこ
とが分かったので5μm以上の直径を有する炭化物に着
目し、その個数を測定した。測定総面積は1.125×106μ
m2(50視野)とした。その結果を表2および第1図に示
す。Crが3.0%以上、6.0%未満の範囲ではCが0.7%を
越えるヒート、およびまたはMoが2.0%を越えるヒート
に粗大炭化物が認められた。
性に悪影響を及ぼすので、炭化物を疑似楕円形とみた
て、その長径と短径の平均をもって直径として炭化物を
観察した。その結果、特に前記直径が5μm以上のもの
が多いと、前述したような悪影響が大きくなってくるこ
とが分かったので5μm以上の直径を有する炭化物に着
目し、その個数を測定した。測定総面積は1.125×106μ
m2(50視野)とした。その結果を表2および第1図に示
す。Crが3.0%以上、6.0%未満の範囲ではCが0.7%を
越えるヒート、およびまたはMoが2.0%を越えるヒート
に粗大炭化物が認められた。
転動疲労寿命試験はスラスト型転がり寿命試験機を用
い、ヘルツ最大接触応力Pmax=500kgf/mm2、応力繰り返
し数1800cpm、#68タービン油浴下の条件で実施した。
フレーキング発生までの応力繰り返し数を各ヒート20個
の試片について測定し、得られた10%寿命を比較した。
その結果を表2および第3図に示す。PまたはOの高い
ヒートおよびCr含有量が6.0%以上のヒートの寿命が著
しく低くなっていることが分る。これに対し、本発明鋼
は高い硬さを得ており、且つ粗大な炭化物もなく良好な
寿命を示している。
い、ヘルツ最大接触応力Pmax=500kgf/mm2、応力繰り返
し数1800cpm、#68タービン油浴下の条件で実施した。
フレーキング発生までの応力繰り返し数を各ヒート20個
の試片について測定し、得られた10%寿命を比較した。
その結果を表2および第3図に示す。PまたはOの高い
ヒートおよびCr含有量が6.0%以上のヒートの寿命が著
しく低くなっていることが分る。これに対し、本発明鋼
は高い硬さを得ており、且つ粗大な炭化物もなく良好な
寿命を示している。
研削表面粗度試験は、転動疲労寿命試験に用いる焼入
焼戻された試験片(外径φ60、厚さ7mm最終仕上転動表
面粗さ0.06Ramax)を製作する際、その前加工として立
型両頭平面研削盤により、酸化アルミ砥石(粒度#60、
φ300)を用いて、砥石主軸回転数1700rpm、水溶性研削
液100〜150/minの条件で研削した。その後試験片転動
面の表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。表2
において5μm以上の粗大炭化物数の多い比較鋼、従来
鋼のA6〜A19およびA15は、従来鋼の代表であるA16(SUJ
2)よりも表面粗さが悪くなっているが、本発明鋼のB1
〜B6のいずれもA16より良好な表面粗さが得られ、良好
な機械加工性を示すことが分った。なお、比較鋼、従来
鋼のA1〜A3の表面粗さが悪いのは試験片の焼入焼戻後の
硬さが低いためと思われる。これによりCrが3.0%以
上、6.0%未満の範囲ではC、Moの含有量の影響を受け
る5μm以上の粗大炭化物が多い程、研削後の表面粗さ
が悪くなり、機械加工性を低下させることを見出した。
焼戻された試験片(外径φ60、厚さ7mm最終仕上転動表
面粗さ0.06Ramax)を製作する際、その前加工として立
型両頭平面研削盤により、酸化アルミ砥石(粒度#60、
φ300)を用いて、砥石主軸回転数1700rpm、水溶性研削
液100〜150/minの条件で研削した。その後試験片転動
面の表面粗さを測定し、その結果を表2に示した。表2
において5μm以上の粗大炭化物数の多い比較鋼、従来
鋼のA6〜A19およびA15は、従来鋼の代表であるA16(SUJ
2)よりも表面粗さが悪くなっているが、本発明鋼のB1
〜B6のいずれもA16より良好な表面粗さが得られ、良好
な機械加工性を示すことが分った。なお、比較鋼、従来
鋼のA1〜A3の表面粗さが悪いのは試験片の焼入焼戻後の
硬さが低いためと思われる。これによりCrが3.0%以
上、6.0%未満の範囲ではC、Moの含有量の影響を受け
る5μm以上の粗大炭化物が多い程、研削後の表面粗さ
が悪くなり、機械加工性を低下させることを見出した。
[発明の効果] 本発明による転動部品は、NC旋盤、半導体製造装置お
よびOA機器等の油、グリースによる環境汚染を極度に嫌
う場、即ち保存のための防錆油も用いることができない
場でも発銹することなく長期の保管に耐えることができ
る。
よびOA機器等の油、グリースによる環境汚染を極度に嫌
う場、即ち保存のための防錆油も用いることができない
場でも発銹することなく長期の保管に耐えることができ
る。
以上に述べたように、本発明鋼は一定条件の耐食性を
確保しつつ、粗大な炭化物を減少させ、焼入焼戻硬さも
充分で、転動疲労寿命、機械加工性ともに従来鋼以上で
あり、直線運動軸受、ボールねじおよびころがり軸受用
材として適している。
確保しつつ、粗大な炭化物を減少させ、焼入焼戻硬さも
充分で、転動疲労寿命、機械加工性ともに従来鋼以上で
あり、直線運動軸受、ボールねじおよびころがり軸受用
材として適している。
第1図は粗大炭化物の発生に及ぼすCrが3.0%以上、6.0
%未満の範囲でのCとMoの影響を示すグラフ図、第2図
はCrは含有量と発銹面積率を示すグラフ図、第3図はO
が0.0015%以下、Pが0.05%以下の供試材についてのCr
含有量と転動疲労寿命の関係を示すグラフ図である。
%未満の範囲でのCとMoの影響を示すグラフ図、第2図
はCrは含有量と発銹面積率を示すグラフ図、第3図はO
が0.0015%以下、Pが0.05%以下の供試材についてのCr
含有量と転動疲労寿命の関係を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村岡 智機 神奈川県藤沢市本藤沢6―7―10 (56)参考文献 特開 平2−92444(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で C:0.5%以上0.7%以下 Si:0.1%以上1.5%以下 Mn:0.1%以上2.0%以下 Cr:3.0%超6.0%未満 P:0.05%以下 S:0.03%以下 O:0.0015%以下 残部は鉄および不可避不純物からなる耐食転動部品用
鋼。 - 【請求項2】重量%で C:0.5%以上0.7%以下 Si:0.1%以上1.5%以下 Mn:0.1%以上2.0%以下 Cr:3.0%超6.0%未満 P:0.05%以下 S:0.03%以下 O:0.0015%以下 さらに Mo:2.0%以下 Cu:0.8%以下 の内1種または2種を含有し、残部は鉄および不可避不
純物からなる耐食転動部品用鋼。 - 【請求項3】請求項1記載の鋼からなる転動部品。
- 【請求項4】請求項2記載の鋼からなる転動部品。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63311357A JP2730745B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 耐食転動部品用鋼および転動部品 |
US07/442,259 US5013525A (en) | 1988-12-09 | 1989-11-28 | Steel for corrosion-resistant rolling part and rolling part |
KR1019890018164A KR0123560B1 (ko) | 1988-12-09 | 1989-12-08 | 내식성 전동부품용 강과 전동부품 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63311357A JP2730745B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 耐食転動部品用鋼および転動部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02156045A JPH02156045A (ja) | 1990-06-15 |
JP2730745B2 true JP2730745B2 (ja) | 1998-03-25 |
Family
ID=18016187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63311357A Expired - Lifetime JP2730745B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 耐食転動部品用鋼および転動部品 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5013525A (ja) |
JP (1) | JP2730745B2 (ja) |
KR (1) | KR0123560B1 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP0593000B1 (de) * | 1992-10-15 | 1998-03-25 | NMH STAHLWERKE GmbH | Schienenstahl |
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