JPH02156045A - 耐食転動部品用鋼および転動部品 - Google Patents

耐食転動部品用鋼および転動部品

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JPH02156045A
JPH02156045A JP63311357A JP31135788A JPH02156045A JP H02156045 A JPH02156045 A JP H02156045A JP 63311357 A JP63311357 A JP 63311357A JP 31135788 A JP31135788 A JP 31135788A JP H02156045 A JPH02156045 A JP H02156045A
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坪田 一一
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [a業上の利用分野] 本発明は、主としてNC旋盤、半導体製造装置およびO
A種機器の油、グリースによる環境汚染を極度に嫌う産
業機械部品の直線運動軸受、ボールねじおよびころがり
軸受用等に使用する優れた耐食性と高い焼入焼戻硬さお
よび良好な加工性を存する転動部品用鋼および転動部品
に関する。
[従来技術及び発明が解決しようとする課II]NC旋
盤、半導体製造装置およびOA種機器に使用される直線
運動軸受およびボールねじないし医療機器および精密計
器等で・使用されるころがり軸受においては耐食性に優
れた高硬度材料が要求され、従来から5U5440Gま
たはこれに近い特性のマルテンサイト系ステンレス鋼が
使用されている。しかしこれらの鋼では粗大な炭化物が
多数発生し、転動疲労寿命および機械加工性に劣るとい
う欠点があった。
これに対し、高C低Cr軸受鋼(5tlJ2系)では良
好な転動疲労寿命特性および機械加工性を示すものの、
耐食性が悪く、上記用途には用いることができなかフな
それ故、耐食性、転動疲労寿命および機械加工性の全て
を満足する材料の開発が強く望まれていた。
[課題を解決するための手段] 本発明は前述の従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであって、優れた耐食性と高い焼入焼戻硬さを
保持しつつ、粗大な炭化物の発生を抑えて転動疲労寿命
および機械加工性を向上させた、耐食転動部品用鋼を提
供することを目的とするものである。かかる目的の達成
のため、本発明者らは焼入焼戻しした高Cマルテンサイ
ト系ステンレスti4(SO5440C系)および高C
低Cr軸受鋼(5tlJ2系)について多くの改良研究
を重ねた。その結果、特にCを0.5%以上0.7%以
下、Crを3.0%以上6.0%未満と両者の中間値と
し、これに必要に応じて2.0%以下のMoおよび0.
8%以下のCuを添加することにより、優れた耐食性と
焼入焼戻硬さを保持しつつ、粗大な炭化物の発生のない
耐食転動部品用鋼を製造することができることを見出し
、本発明をなしたものである。
すなわち本発明における第1の発明鋼は重量%でC: 
O,S%以上0.7%以下、Si : 0.1%以上1
.5%以下、Mrzo、1%以上2.0%以下、Cr:
3.0以上6.0%未満、P二0.05%以下1、S 
: 0.03%以下、O: 0.0015%以下、残部
Feおよび必然的に含まれる不純物からなる耐食転動部
品用鋼であり、本発明における第2の発明鋼は重量%で
C: 0.5%以上0.7%以下、Sl:0.1%以上
1.5%以下、Mn:O,1%以上2.0%以下、Cr
:3.0%以上6.0%未満、P : 0.05%以下
、S : 0.03%以下、O: 0.0015%以下
、さらにMo:2.0%以下、Cu:0.8%以下の内
1種または2種を含有し、残部Feおよび必然的に含ま
れる不純物からなる耐食転動部品用鋼である。
次に本発明の成分範囲を前述の如く限定した理由を以下
に述べる。なお、特に断わりがない限り、本明細書にお
いて(%)は重量%である。
C(炭素) 転動部品用鋼では転動疲労寿命の確保が必要であり、そ
のためには!(R(:80程度の焼入焼戻硬さが得られ
ることが好ましい0本発明ではこのためCを含有させる
。そして本発明鋼においてHRC60以上の焼入焼戻硬
さを得るに必要なC量は0.5%以上であるためC量の
下限を0.5%とした。
一方、C量は多い程高い硬さが得られるが、第1図に示
すようにC量が多くなり過ぎると粗大炭化物が生成し、
耐食性、寿命および加工性が低下する。 Cr含有量が
6.0未満でかつMO含有量が2,0%以下の本発明鋼
では、この粗大炭化物が生成しない上限が0,7%なの
で、C量の上限を0.7%とした。
Si(珪素) 鋼中のSiは固溶硬化および焼戻し軟化抵抗の向上に有
利であるが、本発明鋼においては0,1%以下ではその
効果は小さく、また、1.5%を越えると熱処理による
脱炭が著しくなるため、下限を0゜1%、上限を1,5
%とした。
Mn(マンガン) 鋼中のMnは焼入性の調整に大きな役割を有し、本発明
鋼における添加効果は0.1%以上で顕著となり、また
、2.0%を越えると加工性が悪くなるので下限を07
1%とし、上限を2.0%とした。
Cr(クロム) C「は耐食性の向上には欠かせない元素であるが、表2
および第2図に示すように本発明鋼においては3.0%
以下の場合、その効果が不十分である。よって下限を3
.0%とし、好ましくは4.0%以上である。
C「は多ければ多い程耐食性は向上するが、本発明鋼に
おいては6.0%以上になると第3図に示すように転動
疲労寿命が低下する。よって上限を6.0%とした。
P(燐) 鋼中のPが0.05%を越えると本発明鋼においては転
動疲労寿命が劣化するので、上限を0.05%とした。
S(硫黄) Sは一般に、また本発明鋼においても鋼中では主として
硫化物の形で存在する0本発明においては硫化物は鋼の
被剛性を向上させるがミニチュアベアリングのような小
型部品では音響不良を生じやすく、また耐食性を著しく
損なうため上限0.03%としたが、好ましくは0.0
1%以下である。
0(酸素) 本発明鋼においては酸素が0.0015%を越えると酸
化物の量が著しく増大し、転動疲労寿命を著しく低下さ
せる。それゆえ上限を0.0015%とした。
Mo(モリブデン)、Cu(銅) 本願請求項2または4記載の発明においては、請求項1
または3記載の発明の元素に加えMoおよびCuの内1
種または2fIを含有せしめるものである。
MOは本発明において耐食性および焼入性をさらに向上
させる効果がある。しかし2.0%を越えると第1図に
示すように炭化物を粗大化させるので、上限を2.0%
とした。好ましくは0.05%以上1.0%以下である
Cuは本発明において炭化物を粗大化させることなく耐
食性を改善させる効果がある。しかし0.8%超添加す
ると鋼の熱間加工性が著しく低下するので、上限を0.
8%とした。好ましくは0.2%以上0.8%以下であ
る。
[実施例および作用] 次に実施例と比較例によフて本発明をさらに説明する。
試験した比較鋼と従来鋼(No、^1−A18)および
本発明鋼(Bl〜B6)、合計24ヒートの化学成分を
表1に示す。
全ヒートとも100kg真空溶解炉で溶製したもので、
得られた鋼塊をソーキングした後、φ65およびφ3z
に鍛伸した。各試験片を焼入焼戻する前に予め焼入焼戻
特性を調査し、160℃×90分の焼戻で最高硬さが得
られる焼入温度を求めた。各試験片の焼入焼戻はその調
査結果にもとづいて行った。
表2に焼入焼戻後の硬さを示す。この値は試料の表面よ
り5+am内部側で測定した値であり、Si、 Mnの
低い焼入性の悪いヒート(A2、A3)は内部まで硬化
していないことが分かる。
耐食性試験は、相対湿度を70%一定とし、温度を20
℃×1.5時間と50℃×4.5時間のサイクルを繰り
返す湿潤試験により行った。繰り返し回数は10回とし
、実験後の試料を画像解析装置を用いて被検面積に対す
る発話部分の面積の割合を測定した。この時わずかな変
色は認められても点食が発生していないものは発話して
いないものとした。その結果を表2および第2図に示す
。Crが3%未満のヒート(^io、^11.^12゜
A16)およびSが高いヒート(A5)の耐食性が著し
く悪い。また、Crが3.0%以上になれば発話しない
更に、本発明鋼だけについては、相対湿度を90%と、
より厳しい条件で同様湿潤試験を行った。結果は表2お
よび第2図に見るとおり、Mo、 Cuを添加した本願
請求項2または4の発明の実施例の鋼(84,85,B
B)は発話が起こらなかった。
粗大な炭化物は転動疲労寿命、耐食性および機城加工性
に悪叱りを及ぼすので、炭化物を疑似楕円形とみたて、
その長径と短径の平均をもって直径として炭化物を観察
した。その結果、特に、前記直径が5μm以上のものが
多いと、前述したような悪影響が大きくなってくること
が分かったので5μ1以上の直径を有する炭化物に着目
し、その個数を測定した。測定総面積は1.125 x
 10’μm’(50視野)とした。その結果を表2お
よび第1図に示す、 Crが3.0%以上、8.0%未
満の範囲ではCが0.7%を越えるヒート、およびまた
は肋が2゜0%を越えるヒートに粗大炭化物が認められ
た。
転動疲労寿命試験はスラスト型転がり寿命試験機を用い
、ヘルツ最大接触応力P1,8・sookgf/lll
m2、 応力繰り返し数1800cpm、#68タービ
ン油浴下の条件で実施した。フレーキング発生までの応
力繰り返し数を各ヒート20個の試片について測定し、
得られた10%寿命を比較した。その結果を表2および
第3図に示す、PまたはOの高いヒートおよびC「含有
量が6.0%以上のヒートの寿命が著しく低くなってい
ることが分る。これに対し、本発明鋼は高い硬さを得て
おり、且つ粗大な炭化物もなく良好な寿命を示している
研削表面粗度試験は、転動疲労寿命試験に用いる焼入焼
戻された試験片(外径φ60、厚さ’7mm最終仕上転
動表面粗さ(1,06Ramax)を製作する際、その
前加工として立型両頭平面研削盤により、酸化アルミ砥
石(粒度#60、φ300)を用いて、砥石主軸回転数
1700rpm、水溶性研削液10(1〜15(IQ/
minの条件で研削した。その後試験片転動面の表面粗
さを測定し、その結果を表2に示した。表2において5
μm以上の粗大炭化物数の多い比較鋼、従来鋼の^6〜
AI9および肩5は、従来鋼の代表であるA16 (S
UJ2)よりも表面粗さが悪くなっているが、本発明鋼
の81〜B6はいずれもA16より良好な表面粗さが得
られ、良好なm械加工性を示すことが分った。なお、比
較鋼、従来鋼のA1〜A3の表面粗さが悪いのは試験片
の焼入焼戻後の硬さが低いためと思われる。これにより
Crが3.0%以上、6.0%未満の範囲ではC,Mo
の含有量の影響を受ける5μm以上の粗大炭化物が多い
程、研削後の表面粗さが悪くなり、I!lyi加工性を
低下させることを見出した。
[発明の効果コ 本発明による転動部品は、NC旋盤、半導体製造装置お
よびOA機器等の油、グリースによる環境汚染を極度に
嫌う場、即ち保存のための防錆油も用いることができな
い場でも発話することなく長期の保管に耐えることがで
きる。
以上に述べたように、本発明鋼は一定条件の耐食性を確
保しつつ、粗大な炭化物を減少させ、焼入焼戻硬さも充
分で、転動疲労寿命、機械加工性ともに従来鋼以上であ
り、直線運動軸受、ボールねじおよびころがり軸受用材
として適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は粗大炭化物の発生に及ぼすCrが3.0%以上
、6.0%未満の範囲でのCとMoの影響を示すグラフ
図、第2図はCrは含有量と発話面積率を示すグラフ図
、第3図は0が0.0015%以下、Pが0.05%以
下の供試材についてのC「含有量と転動疲労寿命の関係
を示すグラフ図である。 第1図 他4名 C(%) 第2図 C「 (%) B1゜寿命Xl0−’

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で C:0.5%以上0.7%以下 Si:0.1%以上1.5%以下 Mn:0.1%以上2.0%以下 Cr:3.0%以上6.0%未満 P:0.05%以下 S:0.03%以下 O:0.0015%以下 残部は鉄および不可避不純物からなる耐食転動部品用鋼
    。 2 重量%で C:0.5%以上0.7%以下 Si:0.1%以上1.5%以下 Mn:0.1%以上2.0%以下 Cr:3.0%以上6.0%未満 P:0.05%以下 S:0.03%以下 O:0.0015%以下 さらに Mo:2.0%以下 Cu:0.8%以下 の内1種または2種を含有し、残部は鉄および不可避不
    純物からなる耐食転動部品用鋼。 3 請求項1記載の鋼からなる転動部品。 4 請求項2記載の鋼からなる転動部品。
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