JP4314465B2 - ビニル化合物の製造法 - Google Patents

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本発明は、2官能フェニレンエーテルオリゴマー体とビニルベンジルハライドを反応させることで得られるビニル化合物の製造方法に関するものであり、特にイオン性不純物の含有量が著しく少ないビニル化合物の製造方法に関するものである。
本発明者等は、ポリフェニレンエーテル樹脂の優れた誘電特性、耐熱性を引き継いだ2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の末端にビニル基を導入することで、硬化性が良好で、誘電特性、耐熱性に優れるビニル化合物が得られることを見出している(特許文献1,2参照)。 ビニル基を導入する方法としては、フェノール性水酸基とビニルベンジルハライドとを反応させる合成方法が知られおり、例えば相間移動触媒にテトラn-ブチルアンモニウムブロマイドのような4級アンモニウム塩を用いる方法(例えば特許文献1参照)、またはアルカリ金属水酸化物を用いる方法(例えば特許文献2参照)などが知られている。 しかしながら、これらの合成方法では、反応中に生成する副生塩および未反応のビニルベンジルハライドを除去する事は非常に困難であり、得られるビニル化合物はイオン性不純物の含有量が多いという問題があり、このため本来の誘電特性を発現できない場合もあった。このようなイオン性不純物を除去するためには、純水等で洗浄を繰り返す必要があるため、工程が煩雑となり、経済的に不利になるという問題もあった。
特許願 2002-216724号明細書 特許願 2002-224937号明細書 特開平6-116194号公報(第1-5頁) 特許 第2656956号公報(第1-4頁)
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、熱および光で硬化でき、硬化物が優れた誘電特性ならびに耐熱性を有するビニル化合物の製造法に関して、イオン性不純物の含有量が少ない、工程的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者等は、ビニル化合物の製造法について鋭意研究を重ねた結果、アルカリ金属のアルコキシドの存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させた溶液を水/アルコール混合溶媒に添加することで、イオン性不純物の少ないビニル化合物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち本発明は、一般式(2)で表される2官能フェニレンエーテルオリゴマー体とビニルベンジルハライドとを、アルカリ金属のアルコキシド存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させた後、反応溶液を水/アルコール混合溶液に添加して固形物を析出させることを特徴とする、一般式(1)で表されるビニル化合物の製造方法である。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、同一または異なってもよく、水素原子、アルキル基またはフェニル基である。-(O-X-O)-は一般式(3)で表され、R8、R9、R10、R14、R15は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11、R12、R13は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-(Y-O)-は一般式(4)で定義される1種類の構造、または一般式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R16、R17は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R18、R19は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含むこともある。a、bは、同時に0でない0〜30の整数を示す。)
本発明の製造方法を用いることで、イオン性不純物が著しく少ないビニル化合物を製造することができる。また本発明の製造法は、非常に煩雑な工程となる洗浄分液工程がないことから、経済的に有利なプロセスとなる。さらに該ビニル化合物を熱硬化させた硬化物は、極めて優れた誘電特性を有することから、電気・電子材料用途において高周波対応材料として有利に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の一般式(1)で表されるビニル化合物の製造方法は、一般式(2)で表される2官能フェニレンエーテルオリゴマー体とビニルベンジルハライドとを、アルカリ金属のアルコキシドの存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、反応溶液を水/アルコール混合溶媒に添加するものである。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、同一または異なってもよく、水素原子、アルキル基またはフェニル基である。-(O-X-O)-は一般式(3)で表され、R8、R9、R10、R14、R15は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11、R12、R13は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。-(Y-O)-は一般式(4)で定義される1種類の構造、または一般式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R16、R17は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R18、R19は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含むこともある。a、bは、同時に0でない0〜30の整数を示す。)
本発明で用いられる2官能フェニレンエーテルオリゴマー体とは、一般式(2)で表される構造のものであれば、特に限定されないが、好ましくは、一般式(3)の-(O-X-O)-において、R8、R9、R10、R14、R15は炭素数3以下のアルキル基、R11、R12、R13は水素原子または炭素数3以下のアルキル基、R16、R17は炭素数3以下のアルキル基、R18、R19は水素原子または炭素数3以下のアルキル基である2官能フェニレンエーテルオリゴマー体であり、特に好ましくは、一般式(3)の-(O-X-O)-において、R8、R9、R10、R14、R15がメチル基であり、一般式(4)の-(Y-O)-が一般式(5)あるいは、一般式(6)で示される2官能フェニレンエーテルオリゴマー体である。
一般式(2)で示される2官能フェニレンエーテルオリゴマー体は、例えば、特願2002-279389に記載の2価フェノールと1価フェノールとをアミンの存在下で共重合する方法などで製造される。
本発明で用いられるビニルベンジルハライドとしては特に限定されないが、好ましくは、m-ビニルベンジルクロライド、p-ビニルベンジルクロライドおよびこれらの混合体;m-ビニルベンジルブロマイド、p-ビニルベンジルブロマイドおよびこれらの混合体が挙げられ、単独あるいは2種以上を適宜混合して用いる事ができる。本発明で用いられるビニルベンジルハライドの使用量は、2官能フェニレンエーテルオリゴマー体のフェノール性水酸基1.0molに対して0.9〜4.0mol、より好ましくは1.0〜2.0molである。ビニルベンジルハライドの使用量が少ない場合は、未反応のフェノール性水酸基残基が多くなり、硬化物の誘電特性が低下してしまう。また使用量を多くしても、未反応のビニルベンジルハライドが増えるだけで反応率は変わらず、硬化物の誘電特性を低下させ、経済的にも不利になるだけである。
本発明で用いられるアルカリ金属のアルコキシドとしては特に限定されないが、好ましくは、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドが挙げられ、単独あるいは2種以上を適宜混合して用いる事ができる。本発明でのアルカリ金属のアルコキシドの使用量としては、2官能フェニレンエーテルオリゴマー体のフェノール性水酸基1.0molに対して0.9〜4.8molであり、より好ましくは1.0〜2.4molであり、かつビニルベンジルハライド1.0molに対して1.0〜1.2倍mol使用する。アルカリ金属のアルコキシドは、反応式(7)に示したようにビニルベンジルハライドと反応してエーテル体を生成するので、ビニルベンジルハライドに対して等mol量以上使用することで、イオン性不純物となる未反応のビニルベンジルハライドの残存量が極めて少ないビニル化合物を製造することができる。
本発明で反応溶媒に使用する非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたは1-メチル-2-ピロリドンが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を適宜混合して用いる事ができる。また非プロトン性極性溶媒に、非プロトン性無極性溶媒を混合して用いることも可能であり、これら非プロトン性無極性溶媒としては、好ましくは、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、1,4-ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンまたはメシチレンなどが挙げられる。これら反応溶媒は任意の量を用いることができるが、好ましくは、非プロトン性極性溶媒は、一般式(2)で表される2官能フェニレンエーテルオリゴマー体100重量部に対して100〜2,000重量部、非プロトン性無極性溶媒は0〜500重量部の範囲で使用される。
本発明における反応時間は任意であり、30分から30時間、好ましくは1時間から10時間の範囲で行うことができる。また、反応温度についても特に制限はなく、0〜100℃、好ましくは10〜60℃の範囲で行うことができる。
本発明の製造法では、反応終了後、有機層を純水等で洗浄する工程を行わず、反応溶液を水/アルコール混合溶液に直接添加することで固体を析出させる。一般にオリゴマー体を溶解させた有機溶液を水で洗浄する場合、液々分離が困難で分液洗浄工程で非常に時間がかかる。また、水で分液洗浄を行っても反応中に生成した副生塩を完全に除去することも非常に困難である。本発明の製造法では、かかる煩雑な分液洗浄工程を省略することができ、更には水/アルコール混合溶液で固形化を行うことで、反応中に生成した副生塩を溶解除去することができる。
本発明において、固形化に用いられる水/アルコール混合溶液で使用されるアルコールとしては、水と相溶するものであれば、特に限定されないが、好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノールまたはイソプロパノールが挙げられる。なかでもメタノールあるいはエタノールが特に好ましい。水に対するアルコールの混合割合は好ましくは40〜95wt%、更に好ましくは50〜90wt%である。アルコールが40wt%以下では、得られるビニル化合物が水あめ状となり、取り扱いが困難になる。またアルコールが95wt%以上では、水分量が少ないために、反応溶液中に含まれる反応中に生成した副生塩を十分に溶解除去することができない。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。なお、測定方法は以下による。
1)数平均分子量及び重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。試料のGPC曲線と分子量校正曲線よりデータ処理を行った。分子量校正曲線は、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間の関係を次の式に近似して得た。 LogM = A0X3+ A1X2 + A2X + A3 + A4/X2
(ここでM:分子量、X:溶出時間−19(分)、A:係数である。)
2)水酸基当量は、2,6-ジメチルフェノールを標準物質とし、溶媒に乾燥ジクロロメタンを使用してIR分析(液セル法;セル長=1mm)を行い、3,600cm-1の吸収強度より求めた(図2)。
3)ビニル化合物は、1H-NMR分析によりビニルベンジルエーテルのピークにて確認し(図1)、さらにIR分析により2官能フェニレンエーテルオリゴマー体のフェノール性水酸基のピーク(図2)が、ビニル化合物(図3)では消滅していることを確認した。
4)加水分解性ハロゲン量は、ビニル化合物をジオキサンに溶解し、3Nの水酸化カリウムのエタノール溶液を加え、還流状態で30分間加熱攪拌したときに脱離するハロゲン量を硝酸銀水溶液で滴定して定量し、重量分率で表した。
5)硬化物の誘電率、誘電正接は空洞共振摂動法により求めた。
参考例1
2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の合成(1)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr23.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)およびトルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)およびn-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g(52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の50wt%トルエン溶液835.20gを得た。このものの数平均分子量は940、重量平均分子量は1,490、水酸基当量は470であった。
参考例2
2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の合成(2)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr23.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン28.04g(277.6mmol)およびトルエン 2,600gを仕込み、反応温度40℃にて攪拌を行い、あらかじめ2,300gのメタノールに溶解させた2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジオール129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール292.19g(2.40mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン0.51g(2.9mmol)およびn-ブチルジメチルアミン10.90g(108.0mmol)の混合溶液を、窒素と空気とを混合して酸素濃度8%に調整した混合ガスを5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム19.89g (52.3mmol)を溶解した水1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を1.0Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、更に120℃で真空乾燥を行い、2官能フェニレンエーテルオリゴマー体418.30gを得た。このものの数平均分子量は970、重量平均分子量は1,520、水酸基当量は480であった。
実施例1
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に参考例1で得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の50wt%トルエン溶液200.0g(OH当量で0.21mol)、クロロメチルスチレン(商品名CMS-P、セイミケミカル(株)製)35.7g(0.23mol)およびN,N-ジメチルホルムアミド300gを仕込み、50℃に加熱攪拌した。反応温度を50℃に保ちながらナトリウムメトキシドのメタノール溶液(濃度:28.5wt%) 44.4g(0.23mol)を滴下し、2.5時間攪拌した。更にナトリウムメトキシドのメタノール溶液(同) 4.0g(0.02mol)を滴下し、2.5時間攪拌した。反応溶液を83wt%メタノール水に滴下することで固形化し、ろ別した固体を50wt%メタノール水、次いでメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して目的とするビニル化合物119gを得た。得られたビニル化合物の数平均分子量は1,200、重量平均分子量は1,740、加水分解性ハロゲン量は80ppmであった。尚、未反応のクロロメチルスチレンは検出されなかった。このものを150℃で溶融、脱気、成型し、200℃、3時間硬化を行い、硬化物を得た。硬化物の誘電特性の測定結果を表1に示した。
実施例2
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に参考例1で得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の50wt%トルエン溶液200.0g(OH当量で0.21mol)、クロロメチルスチレン(CMS-P)35.7g(0.23mol)およびN,N-ジメチルホルムアミド400gを仕込み、50℃に加熱攪拌した。反応温度を50℃に保ちながらナトリウムメトキシドのメタノール溶液(濃度:28.5wt%) 44.4g(0.23mol)を滴下し、2.5時間攪拌した。更にナトリウムメトキシドのメタノール溶液(同) 4.0g(0.02mol)を滴下し、2.5時間攪拌した。反応溶液を81wt%メタノール水に滴下することで固形化し、ろ別した固体を50wt%メタノール水、次いでメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して目的とするビニル化合物116gを得た。得られたビニル化合物の数平均分子量は1,220、重量平均分子量は1,770、加水分解性ハロゲン量は65ppmであった。尚、未反応のクロロメチルスチレンは検出されなかった。このものを150℃で溶融、脱気、成型し、200℃、3時間硬化を行い、硬化物を得た。硬化物の誘電特性の測定結果を表1に示した。
実施例3
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に参考例2で得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマー体100.0g(0.21mol)、クロロメチルスチレン(CMS-P)35.0g(0.23mol)およびN,N-ジメチルホルムアミド300gを仕込み、50℃に加熱攪拌した。反応温度を50℃に保ちながらナトリウムメトキシドのメタノール溶液(濃度:28.5wt%) 43.4g(0.23mol)を滴下し、2.5時間攪拌した。更にナトリウムメトキシドのメタノール溶液(同) 3.9g(0.02mol)を滴下し、2.5時間攪拌した。反応溶液を83wt%メタノール水に滴下することで固形化し、ろ別した固体を50wt%メタノール水、次いでメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して目的とするビニル化合物122gを得た。得られたビニル化合物の数平均分子量は1,180、重量平均分子量は1,710、加水分解性ハロゲン量は50ppmであった。尚、未反応のクロロメチルスチレンは検出されなかった。このものを150℃で溶融、脱気、成型し、200℃、3時間硬化を行い、硬化物を得た。硬化物の誘電特性の測定結果を表1に示した。
実施例4
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に参考例2で得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマー体100.0g(OH当量で0.21mol)、クロロメチルスチレン(CMS-P)35.0g(0.23mol)およびN,N-ジメチルアセトアミド300gを仕込み、50℃に加熱攪拌した。反応温度を50℃に保ちながらナトリウムエトキシドのエタノール溶液(濃度:20.3wt%) 87.1g(0.23mol)を滴下し、3時間攪拌した。更にナトリウムエトキシドのエタノール溶液(同) 7.9g(0.02mol)を滴下し、3時間攪拌した。反応溶液を75wt%エタノール水に滴下することで固形化し、ろ別した固体を50wt%エタノール水、次いで
エタノールで洗浄した後、減圧乾燥して目的とするビニル化合物115gを得た。得られたビニル化合物の数平均分子量は1,230、重量平均分子量は1,790、加水分解性ハロゲン量は90ppmであった。尚、未反応のクロロメチルスチレンは検出されなかった。このものを150℃で溶融、脱気、成型し、200℃、3時間硬化を行い、硬化物を得た。硬化物の誘電特性の測定結果を表1に示した。
比較例1
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に参考例1で得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマー体の50wt%トルエン溶液200.0g(0.21mol)、水酸化ナトリウム10.2g(0.26mol)およびN,N-ジメチルホルムアミド361gを仕込み、40℃にて4時間加熱攪拌した。これに反応温度を40℃に保ちながらクロロメチルスチレン(CMS-P)39.0g(0.26mol)とN,N-ジメチルホルムアミド39.0gの混合溶液を滴下し、更に20時間攪拌した。反応溶液を83wt%メタノール水に滴下することで固形化し、ろ別した固体を50wt%メタノール水、次いでメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して目的とするビニル化合物120gを得た。得られたビニル化合物の数平均分子量は1,250、重量平均分子量は1,830、加水分解性ハロゲン量は900ppmであった。尚、未反応のクロロメチルスチレンが0.4%残留していることが確認された。このものを150℃で溶融、脱気、成型し、200℃、3時間硬化を行い、硬化物を得た。硬化物の誘電特性の測定結果を表1に示した。
比較例2
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に参考例2で得られた2官能フェニレンエーテルオリゴマー体100.0g(0.21mol)、クロロメチルスチレン(CMS-P)35.0g(0.23mol)、30%水酸化ナトリウム水溶液38.9g(0.29mol)、テトラn-ブチルアンモニウムブロマイド6.5g(0.02mol)、ジクロロメタン400gおよび純水300gを仕込み、35℃で19時間加熱攪拌した。有機層と水層を分液し、有機層を1N塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をメタノール中に滴下することで固形化し、ろ別した固体をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して目的とするビニル化合物112gを得た。得られたビニル化合物の数平均分子量は1,310、重量平均分子量は1,980、加水分解性ハロゲン量は2,400ppmであった。尚、未反応のクロロメチルスチレンが0.8%残留していることが確認された。このものを150℃で溶融、脱気、成型し、200℃、3時間硬化を行い、硬化物を得た。硬化物の誘電特性の測定結果を表1に示した。
ビニル化合物の1H-NMRチャート
2官能フェニレンエーテルオリゴマー体のIRチャート
ビニル化合物のIRチャート

Claims (6)

  1. 一般式(2)で表される2官能フェニレンエーテルオリゴマー体とビニルベンジルハライドとを、アルカリ金属のアルコキシド存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させた後、反応溶液を水/アルコール混合溶液に添加して固形物を析出させることを特徴とする、一般式(1)で表されるビニル化合物の製造方法。
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7 は水素原子である。-(O-X-O)-は一般式(3)で表され、R8、R9、R10、R14、R15は、同一で、炭素数6以下のアルキル基である。R11、R12、R13は、同一または異なってもよく、水素原子、炭素数6以下のアルキル基である。-(Y-O)-は一般式(4)で定義される1種類の構造であるが、R 16、R17は、同一炭素数6以下のアルキル基、R 18、R19は、同一水素原子である。Zは、炭素数1のメチレン基である。a、bは、同時に0でない0〜30の整数を示す。)
  2. 一般式(3)の-(O-X-O)-において、R8、R9、R10、R14、R15がメチル基であり、一般式(4)の-(Y-O)-が一般式(5)配列した構造を有することを特徴とする請求項1記載のビニル化合物の製造方法。
  3. ビニルベンジルハライドが、m-ビニルベンジルクロライド、p-ビニルベンジルクロライドおよびこれらの混合体;m-ビニルベンジルブロマイド、p-ビニルベンジルブロマイドおよびこれらの混合体からなる群から選択された1種もしくは2種以上である請求項1記載のビニル化合物の製造方法。
  4. アルカリ金属のアルコキシドが、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドからなる群から選択された1種もしくは2種以上である請求項1記載のビニル化合物の製造方法。
  5. 非プロトン性極性溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたは1-メチル-2-ピロリドンからなる群から選択された1種もしくは2種以上である請求項1記載のビニル化合物の製造方法。
  6. 水/アルコール混合溶液のアルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールからなる群から選択された1種もしくは2種以上である請求項1記載のビニル化合物の製造方法。
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