JP2526187B2 - フルオロシリコ―ンレジンおよびその製造方法 - Google Patents
フルオロシリコ―ンレジンおよびその製造方法Info
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Description
ンに関し、詳しくは新規な熱可塑性フルオロシリコ−ン
レジンに関するものである。
位)と2官能性単位(R2SiO2/2単位)から構成され
るシリコーンレジンおよびその製造方法は知られてい
る。例えば、特開昭49−93500号公報,特開昭5
0−77500号公報および特開昭53−10700号
公報には、オルガノトリクロロシランとジオルガノジク
ロロシランの混合物を水とアセトンの存在下に加水分解
してシリコーンレジンを製造する方法が記載されてい
る。しかし、これらの公報にはフルオロシリコーンレジ
ンについては記載されていない。
基を有する3官能性単位およびSiO4/2で表される4
官能性単位から構成される、新規な熱可塑性フルオロシ
リコーンレジンおよびその製造方法を提供することにあ
る。
(CF3CH2CH2SiO3/2)n(SiO4/2)m(式中、nは 0.6以上
1未満の数であり、mは0を越える数であり、n+m=
1である。)で表され、軟化点が50〜250℃であ
る、熱可塑性フルオロシリコ−ンレジンに関する。
コ−ンレジンは、上式中、nは 0.6以上1未満であ
り、mは0を越える数であり、またnとmの和は、n+
m=1である。nが 0.6未満の場合は、固体である
が、軟化点を示さない。mは0を越える数であるが好ま
しくは0.05〜0.4である。かかる本発明のフルオロ
シリコーンレジンは常温で固体であり熱可塑性である。
そして、その軟化点は50〜250℃の範囲内にある。
また、本発明のフルオロシリコーンレジンはジエチルエ
−テル,テトラヒドロフランから選ばれるエ−テル類お
よびアセトン,メチルイソブチルケトンから選ばれるケ
トン類に可溶であり、ベンゼン,トルエンから選ばれる
芳香族溶媒、または、ヘキサン,ヘプタンから選ばれる
アルカンには不溶である。
のような方法によって製造される。即ち、一般式 (b)C
F3CH2CH2SiX3(式中、Xは塩素,臭素で例示されるハロ
ゲン原子またはメトキシ基,エトキシ基,プロポキシ
基,ブトキシ基等で例示されるアルコキシ基である。)
で表される有機ケイ素化合物と一般式 (c) SiX4(式
中、Xは前記と同じである。)で表される有機ケイ素化
合物とを有機溶剤と酸性水溶液の存在下で共加水分解
し、次いで、得られたフルオロシリコーンレジンの溶液
を水洗,中和,脱水し、しかる後、アルカリ金属触媒存
在下で加熱脱水し、水洗,中和することによって製造さ
れる。ここで、一般式(b)で表される有機化合物と一般
式(c)で表される有機化合物とを共加水分解する方法と
しては、例えば、これらの混合物を有機溶剤の溶液とし
て、この溶液を酸性水溶液中に撹拌しながら滴下する方
法、または、その有機溶剤の溶液中に、撹拌しながら酸
性水溶液を滴下する方法がある。有機溶剤は、上記一般
式(b)で表される化合物、上記一般式(c)で表される化
合物、さらに、生成するフルオロシリコ−ンレジンを溶
解するものが好ましい。かかる有機溶剤を例示すると、
ジエチルエ−テル,テトラヒドロフラン等のエ−テル
類,アセトン,メチルイソブチルケトン等のケトン類が
好ましい。上記一般式(b)および一般式(c)で表される
化合物の有機溶剤中の濃度は、作業性によって任意に決
められるが、通常、得られるフルオロシリコーンレジン
の有機溶剤中の濃度が、10〜80重量%になるように
調製される。酸性水溶液は硫酸,硝酸,塩酸等の酸の水
溶液が用いられるが、塩酸の水溶液が好ましい。塩酸の
場合は、塩化水素の濃度は5重量%以上の濃度が必要で
ある。滴下時および滴下後の温度は、0〜120℃が適
当である。
との共加水分解により得られたフルオロシリコーンレジ
ン溶液は、必要に応じて、有機溶媒あるいは水を加え
て、静置し、水層は分離される。フルオロシリコ−ンレ
ジンを含む有機溶剤層は中性になるまで水洗される。さ
らに脱水するのが望ましい。脱水は、水の溶解性の少な
い有機溶剤であれは、水分分離管を用い有機溶剤の共沸
下でおこなえばよい。得られたフルオロシリコ−ンレジ
ンは、若干の残存シラノ−ル基を含んでいるので、さら
に、フルオロシリコ−ンレジンの有機溶剤に、アルカリ
金属触媒を添加して加熱することにより、残存シラノ−
ル基を縮合させ、脱水し、ならびに、フルオロシリコ−
ンレジンの分子量分布を、再平衡により調製し、軟化点
等の特性を調製することが可能である。アルカリ金属触
媒の例としては、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,
水酸化セリウム等のアルカリ金属水酸化物、あるいはそ
れらのシラノレ−トが挙げられる。フルオロシリコ−ン
レジンの特性の安定性という点では、残存シラノ−ル基
を縮合するこの操作が好ましい。次いで、アルカリ金属
触媒は、中和され、水洗し、再び脱水し、最後に有機溶
剤をストリッピングすることにより本発明のフルオロシ
リコ−ンレジンが得られる。別の方法としては、フルオ
ロシリコ−ンレジンの溶液を、一般式(d)(R3Si)aX(式
中、Rは炭素数1〜8の置換または非置換の1価炭化水
素基であり、aは1もしくは2であり、aが1の場合は
Xは水素原子,ハロゲン原子,水酸基,アルコキシ基,
−NR'2,−ONR'2または−OCOR' であり、aが
2の場合はXは−O−もしくは−NR'−であり、R'は
水素原子またはアルキル基である。)で表される有機ケ
イ素化合物処理剤を用いて、フルオロシリコーンレジン
中の残存シラノ−ル基をキャッピング(封鎖)してもよ
い。一般式(d)で示される有機ケイ素化合物は、シラノ
−ル基と反応しやすい化合物である。式中、Rは、炭素
数1〜8の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基,
エチル基,プロピル基,オクチル基のようなアルキル
基;ビニル基,アリル基,ヘキセニル基のようなアルケ
ニル基;フェニル基などのアリ−ル基等の非置換炭化水
素基や3,3,3−トリフルオロプロピル基のような置換
炭化水素基で例示される1価炭化水素基である。これら
の中でもRが、メチル基または3,3,3−トリフルオロ
プロピル基が好適である。1分子中のRは同種であって
よく、また異種であってもよい。aは1もしくは2であ
り、aが1の場合はXとしては水素原子,ハロゲン原
子,水酸基,アルコキシ基,−NR' 2 、−ONR' 2 また
は−OCOR' である。ハロゲン原子およびアルコキシ
基は前記一般式(b)で示される有機ケイ素化合物で例示
したものが挙げられる。aが2の場合は、Xは−O−も
しくは−NR'−であり、R'は水素原子もしくはアルキ
ル基であり、アルキル基としてはメチル基,エチル基,
プロピル基,ブチル基,ペンチル基が例示される。この
有機ケイ素化合物の使用量は、シラノ−ル基の残存量に
よるが、前記平均単位式(a)で示されるフルオロシリコ
−ンレジン100重量部に対し、10〜20重量部添加
すれば十分である。過剰な分は除去される。一般式(d)
で表される有機ケイ素化合物の添加はフルオロシリコ−
ンレジンの溶液にされ、必要により加熱される。その
後、フルオロシリコ−ンレジンの溶液は、中性になるま
で水洗され、同様に脱水し、最後に有機溶媒をストリッ
ピングすることにより本発明のフルオロシリコ−ンレジ
ンが得られる。尚、一般式(d)で示される有機ケイ素化
合物を使用した場合には、平均単位式(a)で示される以
外の構成成分が少量含有されることになるが、本発明に
含まれれる。また平均単位式(a)で示されるフルオロシ
リコ−ンレジンに、他の少量の構成成分が含まれた場合
でも、本発明の目的を損わない限り差し支えない。
温で固体であり、ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水
素系溶剤または、ヘキサン,ヘプタン等の脂肪族炭化水
素系溶剤に不溶であるという特性をもつ熱可塑性のシリ
コーンレジンであるため、かかる特性が要求される用途
に使用される。例えば、耐溶剤性が要求されるカプセル
皮膜形成材料,シリコーン樹脂保護皮膜形成材料等とし
て有用である。また、他の有機樹脂の物理特性改質用添
加剤として有用である。
ブチルケトン20.0gを混合し、室温で攪拌しなが
ら、式 CF3CH2CH2Si(OCH3)3で示されるア
ルコキシシラン37.12g(0.17モル)と式 Si
(OC2H5)4で示されるアルコキシシラン4.56g
(0.02モル)を有機溶剤としてのメチルイソブチル
ケトン20.0gに溶解した混合物を滴下した。滴下終
了後、さらに2時間撹拌を続けた。次いで、メチルイソ
ブチルケトン50gと水100gを加え、5分間攪拌し
静置した。反応混合物が2層に分離した後、上層の有機
溶剤層を採取して、さらに1回水洗した。有機溶剤層と
4重量%炭酸水素ナトリウム水溶液100gを合わせ
て、メチルイソブチルケトンの還流温度で2時間攪拌し
た。室温にもどし有機溶媒層を採取し、水洗を繰り返し
た。次いで、有機溶媒層を取り、水分分離管のついたフ
ラスコに移して、加熱し、メチルイソブチルケトンの還
流温度で脱水した。溶媒を除去すると、室温で固体のフ
ルオロシリコーンレジン(以下、サンプルAという)が
得られた。サンプルAを30重量%の濃度でメチルイソ
ブチルケトンに溶解させ、次いで水酸化カリウム 0.0
4gを加え、しかる後に水分分離管のついたフラスコ中
で6時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、酸を
加えて中和し、水洗し有機溶剤を除去し加熱乾固する
と、室温で固体のフルオロシリコーンレジン(以下、サ
ンプルBという)が得られた。サンプルAおよびBは、
テトラヒドロフラン,アセトン,メチルイソブチルケト
ンに可溶であり、ベンゼン,トルエン,ヘキサンおよび
ヘプタンに不溶であった。また、その軟化点はそれぞれ
90℃であることが認められた。サンプルAおよびBの
分析結果は以下の通りであった。 (サンプルA) 29SiNMR δ(ppm): −71(0.87Si,br,CF3CH2CH2SiO3/2) −100(0.04Si,br,ROSiO3/2) −110(0.09Si,br,SiO4/2) (RはCH3CH2−およびまたはH−である。) 13CNMR δ(ppm): 130(0.95C,q,CF3−) 59(0.05C,s,−OCH2CH3) 29(0.90C,s,CF3 CH2−) 18(0.04C,s,−OCH2 CH3) 5(1.00C,s,SiCH2−) GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー) Mw(重量平均分子量)=1.1×104 Mn(数平均分子量)=1.0×104 得られたサンプルAは、末端に残存水酸基,エトキシ基
を有し、平均単位式:(CF3CH2CH2SiO3/2)
0.87(SiO4/2)0.13 で示される化学構造を有する化
合物であることが判明した。 (サンプルB) 29SiNMR δ(ppm): −71(0.86Si,br,CF3CH2CH2SiO3/2) −100(0.02Si,br,ROSiO3/2) −110(0.12Si,br,SiO4/2) (RはCH3CH2−およびまたはH−である。) 13CNMR δ(ppm): 130(1.05C,q,CF3−) 29(1.00C,s,CF3 CH2−) 5(1.00C,s,SiCH2−) GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー) Mw(重量平均分子量)=9.6×103 Mn(数平均分子量)=8.4×103 得られたサンプルBは、末端に残存水酸基を有し、平均
単位式:(CF3CH2CH2SiO3/2)0.86(SiO
4/2)0.14 で示される化学構造を有する化合物であるこ
とが判明した。
i(OCH3)3で表されるアルコキシシランと式 Si
(OC2H5)4で表されるアルコキシシランの仕込み量
をそれぞれ26.2g(0.12モル),6.3g(0.0
3モル)とした以外は、実施例1と同様な方法によりフ
ルオロシリコーンレジンを製造した。このレジンは、1
40℃の軟化点をもつ白色固体であった。得られたフル
オロシリコーンレジンの分析結果は以下の通りであっ
た。29 SiNMR δ(ppm): −71(0.78Si,br,CF3CH2CH2SiO
3/2) −100(0.04Si,br,ROSiO3/2) −110(0.18Si,br,SiO4/2) (RはCH3CH2−およびまたはH−である。)13 CNMR δ(ppm): 130(1.00C,q,CF3−) 59(0.04C,s,−OCH2CH3) 29(0.95C,s,CF3 CH2−) 18(0.05C,s,−OCH2 CH3) 5(1.00C,s,SiCH2−) GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー) Mw(重量平均分子量)=1.3×104 Mn(数平均分子量)=1.1×104 得られたシリコーンレジンは、末端に残存水酸基,エト
キシ基を有し、平均単位式:(CF3CH2CH2SiO
3/2)0.78(SiO4/2)0.22 で示される化学構造を有
する化合物であることが判明した。
i(OCH 3 ) 3 で表されるアルコキシシランを除き、式
CF3CH2CH2SiCl3で表されたクロルシランの
仕込み量を55.5g(0.24モル)とした以外は、実
施例1と同様な方法によりフルオロシリコーンレジンを
製造した。このレジンは、120℃の軟化点をもつ白色
固体であった。得られたフルオロシリコーンレジンの分
析結果は以下の通りであった。 29SiNMR δ(ppm): −71(br,CF3CH2CH2SiO3/2) 13CNMR δ(ppm): 130(0.90C,q,CF3−) 29(0.85C,s,CF3 CH2−) 5(1.00C,s,−CH2Si) GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー) Mw(重量平均分子量)=6.2×103 Mn(数平均分子量)=6.1×103 得られたフルオロシリコーンレジンは、平均単位式:
(CF 3 CH 2 CH 2 SiO 3/2 ) 0.85 (SiO 4/2 ) 0.15
の化学構造を有する化合物であることが判明した。
%の濃度でメチルイソブチルケトンに溶解させ、ヘキサ
メチルジシラザンをサンプルAの重量に対し15重量%
の量を加え、フラスコ中で6時間加熱還流させた。冷却
した後、この反応混合物中に酸を加えて中和,水洗し、
溶媒を除去して加熱乾固すると、室温で固体のフルオロ
シリコーンレジンが得られた。このフルオロシリコーン
レジンは、90℃の軟化点をもつ白色固体であった。 GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー) Mw(重量平均分子量)=1.0×104 Mn(数平均分子量)=9.4×103
規な化合物であり、またその製造方法はかかる新規な化
合物を高収率で生産性よく製造することができるという
特徴を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】 平均単位式 (a)(CF3CH2CH2SiO3/2)n(Si
O4/2)m(式中、nは0.6以上1未満の数であり、mは
0を越える数であり、n+m=1である。)で表され、
軟化点が50〜250℃である、熱可塑性フルオロシリ
コ−ンレジン。 - 【請求項2】 一般式 (b) CF3CH2CH2SiX3(式中、X
はハロゲン原子またはアルコキシ基である。)で表され
る有機ケイ素化合物と、一般式 (c) SiX4(式中、Xは
ハロゲン原子またはアルコキシ基である。)で表わされ
る有機ケイ素化合物との共加水分解物縮合物である、請
求項1記載のフルオロシリコ−ンレジン。 - 【請求項3】 一般式 (b) CF3CH2CH2SiX3(式中、X
はハロゲン原子またはアルコキシ基である。)で表され
る有機ケイ素化合物と、一般式 (c) SiX4(式中、Xは
前記と同じである。)で表わされる有機ケイ素化合物を
有機溶剤と酸性水溶液の存在下で共加水分解し、次い
で、得られたフルオロシリコ−ンレジン溶液を水洗,中
和,脱水し、しかる後、アルカリ金属触媒存在下で加熱
脱水し、水洗、中和することを特徴とする請求項1記載
のフルオロシリコ−ンレジンの製造方法。 - 【請求項4】 一般式 (b) CF3CH2CH2SiX3(式中、X
はハロゲン原子またはアルコキシ基である。)で表され
る有機ケイ素化合物と一般式 (c) SiX4(式中、Xは前
記と同じである。)で表わされる有機ケイ素化合物を有
機溶剤と酸性水溶液の存在下で共加水分解し、次いで、
得られたフルオロシリコ−ンレジン溶液を水洗,中和,
脱水し、しかる後、一般式 (d) (R3Si)aX(式中、Rは
炭素数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であ
り、aは1もしくは2であり、aが1の場合はXは水素
原子,ハロゲン原子,水酸基,アルコキシ基,−N
R'2,−ONR'2または−OCOR'であり、aが2の
場合はXは−O−もしくは−NR'−であり、R' は水
素原子またはアルキル基である。)で表される有機ケイ
素化合物により前記フルオロシリコーンレジン中の残存
シラノ−ル基をキャッピングすることを特徴とする請求
項1記載のフルオロシリコ−ンレジンの製造方法。
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