JPH086041B2 - 撥水性組成物 - Google Patents

撥水性組成物

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JPH086041B2
JPH086041B2 JP2213925A JP21392590A JPH086041B2 JP H086041 B2 JPH086041 B2 JP H086041B2 JP 2213925 A JP2213925 A JP 2213925A JP 21392590 A JP21392590 A JP 21392590A JP H086041 B2 JPH086041 B2 JP H086041B2
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    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes
    • C09D183/08Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen, and oxygen

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は撥水性組成物に関し、詳しくは金属,プラス
チック等硬い表面を有する各種材料に対して優れた撥水
性を付与することができる撥水性組成物に関する。
[従来の技術] オルガノポリシロキサンレジンを主剤としてなる撥水
性組成物については数多くの組成物が知られている。例
えば特公平2−9066号公報には、分子鎖両末端がジメチ
ルクロルシロキシ基で封鎖された直鎖状のジメチルポリ
シロキサンとテトラエチルシリケートとトリメチルクロ
ルシランとの縮合生成物であり、 (CH32SiO単位とSiO4/2単位と (CH33SiO1/2単位からなるメチルポリシロキサンレジ
ンを主剤とする撥水性組成物が開示されている。また、
特開昭59−140280号公報には、パーフルオロアルキル基
を含有するアルコキシシランとアミノアルキル基を含有
するアルコキシシラン等との共加水分解縮合物であるオ
ルガノポリシロキサンレジンを主成分とする撥水性組成
物が開示されている。
しかし、これらの撥水性組成物は、形成される皮膜物
性に劣り、これで処理された材料を長期間過酷な環境下
に晒すとその撥水性能が低下する等の欠点があった。ま
た、形成された皮膜は汚れが付着し易く、一旦付着した
汚れは水洗等による洗浄では落ちにくいという欠点があ
った。
本発明者は、上記問題点を解消するために鋭意検討し
た結果、特定のオルガノポリシロキサンレジンを撥水性
組成物の主剤として使用すれば、上記問題点は一挙に解
消されることを見出し本発明に到達した。
本発明の目的は、撥水性に優れ、特に長期間過酷な環
境下に晒されてもその撥水性能を保持し得る撥水性組成
物を提供することにある。
[課題の解決手段とその作用] 上記目的は、 (A)CnF2n+1−R−SiO3/2単位 (式中、nは1〜10,Rはアルキレン基である)、 (B)R1 3SiO1/2単位(式中、R1はアルキル基であ
る)、 および (C)SiO4/2単位 からなり、[(A)単位+(B)単位]/(C)単位の
モル比が0.60〜2.10である有機溶剤可溶性オルガノポリ
シロキサンレジンを主剤としてなる撥水性組成物によっ
て達成される。
これを説明すると、本発明に使用されるオルガノポリ
シロキサンレジンは本発明組成物の主剤であり、 (A)CnF2n+1−R−SiO3/2単位と (B)R1 3SiO1/2単位と(C)SiO4/2単位からなるパー
フルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサン
レジンである。かかるオルガノポリシロキサンレジンを
構成する(A)単位は、本発明を特徴づける単位であ
り、本発明組成物に撥水性を付与する働きをする。かか
る(A)単位はパーフルオロアルキル基を含有する3官
能性単位(T単位)であり、上式中Rは、メチレン基,
エチレン基,プロピレン基,ブチレン基等で例示される
アルキレン基であり、R1はメチル基,エチル基,プロピ
ル基,ブチル基等で例示されるアルキル基である。nは
1〜10である。かかる(A)単位としては CF3−CH2CH2−SiO3/2単位, C2F5−CH2CH2−SiO3/2単位, C3F7−CH2CH2−SiO3/2単位, C4F3−CH2CH2CH2−SiO3/2単位が例示される。
(B)単位はメチルを有する1官能性単位(M単位)で
あり、オルガノポリシロキサンレジンの分子末端に存在
する封止単位であり、本発明組成物に撥水性を付与する
働きをする。
(C)単位は4官能性単位(Q単位)であり、本発明組
成物の皮膜強度を高め、撥水持続性を向上させる働きを
する。
本発明組成物においては、(A)単位〜(C)単位は
上記のような働きをするので、これらのモル比は適度に
バランスがとれていることが必要であり、少なくとも
[(A)単位+(B)単位]/(C)単位のモル比が0.
60〜2.10の範囲内にあることが必要である。これは、こ
のモル比が0.60未満になると撥水性能が低下し、逆に、
2.10を越えると本発明組成物によって形成される撥水性
皮膜の強度が低下し、撥水持続性を低下させるからであ
る。さらに本発明においては、(A)単位〜(C)単位
のモル比は、(A)単位が(C)単位1モルに対して0.
01モル〜1.40モルの範囲内にあり、かつ、(B)単位が
(C)単位1モルに対して0.40モル〜2.00モルの範囲内
にあることが好ましい。
本発明に使用されるオルガノポリシロキサンレジン
は、上記のような(A)単位〜(C)単位からなるもの
であるが、本発明の目的を損わない限り、これらの
(A)単位〜(C)単位を加えて、少量の2官能性単位
(D単位)、すなわちR2 2SiO単位(式中、R2は上記R1
同様なアルキル基である)および/またはメトキシ基,
エトキシ基等のアルコキシ基が存在してもよい。
本発明に使用されるオルガノポリシロキサンレジン
は、例えば、R1 3SiO1/2単位とSiO4/2単位からなる公知
のオルガノポリシロキサンレジン(MQレジン)と CnF2n+1−R−Si(OR1で示されるパーフルオロアル
キル基含有オルガノアルコキシシランの所定量を縮合反
応触媒の存在下に有機溶剤中で縮合反応させることによ
って容易に製造することができる。
本発明の撥水性組成物は、上記したオルガノポリシロ
キサンレジンを各種有機溶剤に溶解した形態で使用され
ることが好ましい。かかる有機溶剤としてはベンゼン,
トルエン,キシレン,イソパラフィン,ミネラルスピリ
ット,ケロシン等が挙げられる。
本発明の撥水性組成物は、これに着色剤,紫外線吸収
剤等を配合することは、本発明の目的を損わない限り差
し支えない。
本発明の撥水性組成物は、これを金属,プラスチッ
ク,木材等硬い表面を有する各種材料の表面にスプレ
ー,刷毛塗り,ディッピング,塗擦などの手段により付
着させれば、その表面にオルガノポリシロキサンレジン
の撥水性皮膜を形成する。そして、このオルガノポリシ
ロキサンレジンの撥水性皮膜は、水に対して接触角が大
であり、撥水性に優れ、またカーボン系の微細な粉体が
付着し難く、汚れ防止性に優れるので、かかる特性が要
求される撥水性組成物として有用である。
[実施例] 次に実施例にて本発明を説明する。実施例中、部とあ
るのは重量部のことであり、Meはメチル基である。また
撥水持続性試験および汚れ落ち試験は次の方法にしたが
って行った。
○撥水持続性試験 オルガノポリシロキサンレジンを主剤とする撥水性組
成物をアルキニウム板(7.4cm×15.0cm)に均一に塗布
し皮膜を形成させ撥水性試験体を得た。次いで、この皮
膜の表面に蒸留水5μを滴下し、その接触角を測定し
た。
次に、この撥水性試験体を、水を放出しているシャワ
ー(水の放出量は30/分である)の下に晒した後、こ
れを1重量%のドデシルベンゼン水溶液が満たされてい
る超音波洗浄器に入れ10分間洗浄作業を行った。その
後、これを取り出しさらに水で1度洗浄後乾燥させた。
次いでこの試験体上に上記と同様にして蒸留水5μを
滴下し、その接触角を測定した。
○汚れ落ち試験 燃料スス[日本焼煙株式会社製,商品名ニッショウブラ
ック]3部とポリオキシエチレンラウリルエーテル(HL
B:13)1部を蒸留水46部に分散させた。この燃料ススの
水分散液1ccを上記した撥水持続性試験で得た撥水性試
験体の表面に滴下し、バーコーターNo.10で押し広げ、
これを約50℃のオーブン中で1時間乾燥させた後、水中
で5分間反復塗擦することにより洗浄した。洗浄後乾燥
して5人のパネラーにより汚れ度合を判定した。汚れ度
合の判定は次の評点に従った。
5:汚染前の状態である。
4:僅かに縞模様がる。
3:縞模様がある。
2:部分的に黒化した汚れ表面が発生した。
1:全面的に黒化した汚れ表面が発生した。
実施例1 撹拌機,温度計,冷却機を備えた容器中に、 Me3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、そのモル比
が1.0:1.0であるメチルポリシロキサンレジン(水酸基
含有量2.0重量%)25.6部、初期沸点175℃のイソパラフ
ィン[日本石油株式会社製、商品名アイソゾール300]7
0部、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン4.
4部、ジブチル錫ジラウレート0.15部を仕込み、100℃で
9時間縮合反応させて均一な透明液体を得た。この透明
液体をガスクロマトグラフにより分析したところ3,3,3
−トリフロロトリメトキシシランのピークが完全に消失
していた。
次いで、この透明溶液から揮発性成分を除去して得ら
れた反応生成物を、赤外吸収スペクトル分析(IR)と核
磁気共鳴スペクトル分析(NMR)により分析したとこ
ろ、得られた反応生成物であるオルガノポリシロキサン
レジンはCF3CH2CH2SiO3/2単位,Me3SiO1/2単位およびSiO
4/2単位からなり、そのモル比が0.13:1.0:1.0であるポ
リシロキサンレジン、すなわち (CF3CH2CH2SiO3/20.19(Me3SiO1/21.0(SiO4/2
1.0で示される化学構造を有するオルガノポリシロキサ
ンレジンであることが判明した。
次いで、この透明溶液をアルミニウム板(7.4cm×15c
m)に塗布し、50℃に設定された熱風循環式オーブン中
で10分間乾燥させたところ透明な皮膜が形成した。
次いで、この透明な被覆で被覆されたアルミニウム板
を試験体として撥水持続性試験および汚れ落ち試験を行
った。これらの測定結果は後記する第1表に示す通りで
あった。
実施例2 撹拌機,温度計,冷却機を備えた容器中に、 Me3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、そのモル比
が1.0:1.0であるメチルポリシロキサンレジン(水酸基
含有量2.0重量%)22.3部、初期沸点175℃のイソパラフ
ィン[日本石油株式会社製、商品名アイソゾール300]7
0部、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン7.
7部、ジブチル錫ジオクトエート0.20部を仕込み、100℃
で9時間縮合反応させて均一な透明液体を得た。この透
明液体がガスクロマトグラフにより分析したところ3,3,
3−トリフロロトリメトキシシランのピークが完全に消
失していた。
次いで、この透明溶液から揮発性成分を除去して得ら
れた反応生成物を、赤外吸収スペクトル分析(IR)と核
磁気共鳴スペクトル分析(NMR)により分析したとこ
ろ、得られた反応生成物であるオルガノポリシロキサン
ジンは(CF3CH2CH2SiO3/20.27(Me3SiO1/21.0(SiO
4/21.0で示される化学構造を有するトリフロロプロピ
ル基含有ポリシロキサンレジンであることが判明した。
次いで、この透明溶液をアルミニウム板(7.4cm×15c
m)に塗布し、50℃に設定された熱風循環式オーブン中
で10分間乾燥させたところ透明な皮膜が形成した。
次いで、この透明な皮膜で被覆されたアルミニウム板
を試験体として撥水持続性試験および汚れ落ち試験を行
った。これらの測定結果は後記する第1表に示す通りで
あった。
実施例3 撹拌機,温度計,冷却機を備えた容器中に、Me3SiO
1/2単位とSiO4/2単位とからなり、そのモル比が1.0:1.0
であるメチルポリシロキサンレジン(水酸基含有量2.0
重量%)27.6部、キシレン70部、3,3,3−トリフロロト
リメトキシシラン2.4部、ジブチル錫ジオクトエート0.2
0部を仕込み、100℃で9時間縮合反応させて均一な透明
液体を得た。この透明液体をガスクロマトグラフにより
分析したところ3,3,3−トリフロロトリメトキシシラン
のピークが完全に消失していた。
次いで、この透明溶液をIRおよびNMRにより分析した
ところ、得られた反応生成物であるオルガノポリシロキ
サンレジンは (CF3CH2CH2SiO3/20.06(Me3SiO1/21.0(SiO4/2
1.0で示される化学構造を有するポリシロキサンレジン
であることが判明した。
次いで、この透明溶液をアルミニウム板(7.4cm×15c
m)に塗布し、50℃に設定された熱風循環式オーブン中
で10分間乾燥させたところ透明な皮膜が形成した。
次いで、この透明な皮膜で被覆されたアルミニウム板
を試験体として撥水持続性試験および汚れ落ち試験を行
った。これらの測定結果は後記する第1表に示す通りで
あった。
比較例1 撹拌機,温度計,冷却機を備えた容器中に、Me3SiO
1/2単位とSiO4/2単位とからなり、そのモル比が1.0:1.0
であるメチルポリシロキサンレジン30部、キシレン70部
およびメチルトリメトキシシラン2.8部、ジブチル錫ジ
オクエート0.20部を仕込み、100℃で9時間縮合反応さ
せて均一な透明液体を得た。次いで、この透明溶液をNM
Rにより分析したところ、(CH3SiO3/20.13(Me3SiO
1/21.0(SiO4/21.0で示される化学構造を有するメ
チルポリシロキサンレジンであることが判明した。次い
で、この透明溶液をアルミニウム板(7.4cm×15cm)に
塗布し、50℃に設定された熱風循環式オーブン中で10分
間乾燥させたところ透明な皮膜が形成した。
次いで、この透明な皮膜で被覆されたアルミニウム板
を試験体として撥水持続性試験および汚れ落ち試験を行
った。これらの測定結果は第1表に示す通りであった。
[発明の効果] 本発明の撥水性組成物は、(A)単位〜(C)単位か
らなるオルガノポリシロキサンレジンを主剤としている
ので、撥水性に優れ、特に長期間苛酷な環境下に晒され
ても、その撥水性能を維持し得るという特徴を有する。
また、汚れが付着し難く、一旦付着した汚れは水洗等に
よる洗浄で容易に落とすことができるという特徴を有す
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)CnF2n+1−R−SiO3/2単位 (式中、nは1〜10,Rはアルキレン基である)、 (B)R1 3SiO1/2単位(式中、R1はアルキル基であ
    る)、 および (C)SiO4/2単位 からなり、[(A)単位+(B)単位]/(C)単位の
    モル比が0.60〜2.10である有機溶剤可溶性オルガノポリ
    シロキサンレジンを主剤としてなる撥水性組成物。
  2. 【請求項2】(A)単位がCF3CH2CH2SiO3/2単位であ
    り、(B)単位が(CH33SiO1/2単位であり、CF3CH2CH
    2SiO3/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位の合計
    量が70モル%以上である有機溶剤可溶性オルガノポリシ
    ロキサンレジンを主剤としてなる特許請求の範囲第1項
    記載の撥水性組成物。
  3. 【請求項3】SiO4/2単位1モルに対して CF3CH2CH2SiO3/2単位が0.01〜1.40モルであり、(CH3
    3SiO1/2単位が0.40〜2.00モルである有機溶剤可溶性オ
    ルガノポリシロキサンレジンを主剤としてなる特許請求
    の範囲第2項記載の撥水性組成物。
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