JP4313249B2 - 感熱記録媒体の製造方法 - Google Patents

感熱記録媒体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4313249B2
JP4313249B2 JP2004143883A JP2004143883A JP4313249B2 JP 4313249 B2 JP4313249 B2 JP 4313249B2 JP 2004143883 A JP2004143883 A JP 2004143883A JP 2004143883 A JP2004143883 A JP 2004143883A JP 4313249 B2 JP4313249 B2 JP 4313249B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
ink
water
color
dispersed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004143883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005324413A (ja
Inventor
隆之 日吉
敏行 田村
千秋 田沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
Priority to JP2004143883A priority Critical patent/JP4313249B2/ja
Priority to EP05009093A priority patent/EP1595715A3/en
Priority to US11/123,143 priority patent/US20050255235A1/en
Priority to CNA2005100702594A priority patent/CN1715071A/zh
Publication of JP2005324413A publication Critical patent/JP2005324413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4313249B2 publication Critical patent/JP4313249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/30Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used using chemical colour formers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

本発明は、感熱記録媒体の製造方法に関する。
従来、1枚の感熱記録媒体で複数のフォームを実現する多色感熱記録媒体が知られている。この多色感熱記録媒体は、異なる発色温度で異なる色調を発色させる少なくとも2つの感熱発色層を紙等の基材上に積層して形成した記録媒体であり(例えば、特許文献1参照)、通常、高温での加熱により所定の色に発色する高温発色層を下層とし、低温での加熱により所定の色に発色する低温発色層を上層としている。
このような多色感熱記録媒体をサーマルヘッドで加熱して印字を行なった場合、加熱温度を変えることにより異なった色調の画像が得られる。例えば、低温で加熱した場合には青色に発色し、高温で加熱した場合には黒色に発色するという具合である。
このような多色感熱記録媒体における問題点としては、混色の問題と、高温で発色する感熱発色材料の感度を上げることができないという問題とがある。“混色”とは、高温加熱時においてもサーマルヘッドの加熱ドットの周辺は温度が低下するので、印字範囲の輪郭部分の周辺が低温で加熱したときの色に発色し、輪郭部分の周辺において低温で発色する色と高温で発色する色との2色に発色することである。複数のフォームを1つの多色感熱記録媒体で実現するには、この混色が避けられない。また、“高温で発色する感熱発色材料の感度を上げることができない”とは、高温で発色する感熱発色材料と低温で発色する感熱発色材料とに差をつける必要が生じるので、高温側の感熱発色材料の発色温度を上げなければならず、つまり、発色感度を低下させなければならない。
このような問題を解決するために、異なった色相に発色する2色以上の感熱発色層を基材上に部分的に形成し、これを発色させる画素のみ選択的に加熱して多色画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
基材上に感熱発色層を部分的に形成する場合において、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて感熱インキを塗工すれば、複数色の感熱発色層をストライプ状に形成することは可能である。
一方、ストライプ状以外のパターン、文字、記号等の特殊な形状の感熱発色層は、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法により形成することができる。
また、他の方法としてインクジェット方式を用いた場合は、感熱発色層の発色濃度が十分に得られる塗工厚に形成するには、一回の塗工では所定の発色濃度を得ることが困難であり、所定の塗工厚を得るためには複数回の塗工が必要となり、工程が複雑になって感熱記録媒体が高価になる。これに対し、凸版、凹版等の版を用いた印刷法によれば、一回の塗布量で所定の膜厚を得ることができる。
通常、感熱記録媒体の作製に用いられる感熱インキとしては、水に、電子受容性化合物として、例えば、顕色剤、電子供与性化合物として、例えば、ロイコ染料、増感剤等の顔料成分を界面活性剤等の分散剤を用いて分散させた水分散感熱インキが広く使用されている。
この水分散感熱インキを、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて塗工した場合には、基材上に均等な膜厚に塗工できる。
しかし、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法で水分散感熱インキを基材上に印刷して感熱発色層を形成した場合において、印刷インキを用いて通常の印刷物を形成する印刷法に比べて、所定濃度を得るためには印刷膜厚を大幅に厚く形成する必要があるため、水分散感熱インキが塗布された感熱記録媒体をオーブンなどに入れて加熱して乾燥させた場合には、縞模様が発生することが本発明者によって確認された。この縞模様は、印刷時に版と基材とが離反したとき、水分散感熱インキが滑らかに広がらずに波打ち状態になる「泳ぎ」と呼ばれる現象である。この現象は、顔料を含有する水分散感熱インキが有する性質のために生じやすいと考えられる。
このような現象が発生した感熱発色層が形成された感熱記録媒体を用い、サーマルヘッドなどで熱エネルギーを印加して画像を形成した場合、その画像には縞模様に対応する部分が濃度ムラとなって現れ、画像品質が低下する。
一方、水分散感熱インキに代えて、有機溶媒中に、顕色剤、ロイコ染料等を分散させた有機溶媒系感熱インキを用いた場合には、印刷された有機溶媒系感熱インキは水分散感熱インキに比べてレベリング性が良く、縞模様の発生は生じにくい。しかし、有機溶媒は、感熱インキの構成成分として用いられる顕色剤、ロイコ染料等の物質を溶解しやすく、地肌かぶりを起こし易いという問題や、地肌かぶりを少なくしようとすれば使用できる顕色剤やロイコ染料等の種類が限定されるので、種々の色を発色させる材料の選択範囲が制限され、カラー化が困難になることやコスト高になるという問題がある。
そこで、本出願人は、基材上に水分散感熱インキを含浸させ、所定濃度を確保するための膜厚を保持するためのインキ受理層を設け、「泳ぎ」の現象を問題ないレベルに低減する発明を特願2004−72635号で提案した。
一方、感熱発色層は、サーマルヘッド等からの熱エネルギーを表面側から供給を受けて発色するので、水分散感熱インキはインキ受理層の内部に浸透するのではなく、できるだけ表面側に存在することが望ましい。すなわち、インキ受理層内部の奥深く浸透した水分散感熱インキは、インキ受理層の比較的表面側に存在する水分散感熱インキに比べて表面側からの熱エネルギーが届かないので、発色にあまり寄与しない。したがって、水分散感熱インキを印刷法でインキ受理層に印刷して形成した感熱発色層は、期待するほどの発色濃度を得られない場合がある。また、期待する濃度を得ようとする場合、印加する熱エネルギーを増やす必要がある。感度が悪いとインキ受理層の表面の凸凹によるサーマルヘッドからの熱エネルギーの伝達量変化を受けやすく、印字結果としてボイドが発生しやすい問題があった。
この問題を解決するため、本出願人は印刷法で形成した感熱発色層上に、発色補助層を形成し、十分な発色濃度、発色感度が得られる発明を特願2004−72636号で提案した。
特開昭57−178791号公報 特開昭60−208283号公報 特開2000−301835号公報
本出願人による上記発明の感熱記録媒体の製造方法は、基材上にブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いてインキ受理層を形成した後、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法で、感熱発色層をインキ受理層と一体的に形成し、更にブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて、発色補助層を形成している。この製造方法は、塗工装置→印刷装置→塗工装置と3度製造装置を使用する複雑な工程となるという問題点があった。また、工程が複雑なために、感熱記録媒体の製造コストが高いという問題点があった。
本発明の目的は、版を用いた印刷法でインキ受理層に少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた前記第1の水分散インキを印刷する工程と、この工程の後に少なくとも電子受容性化合物もしくは感熱感度を向上させる増感剤の一方または両方を含む第2の水分散インキを前記印刷法により印刷し感熱記録媒体を形成することで、感熱記録媒体を作製した場合に、製造方法を簡素化し、感熱記録媒体の製造コストを安価にすることである。
本発明の感熱記録媒体の製造方法は、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた第1の水分散インキを含浸させるインキ受理層を表面に設けた基材に、版を用いた印刷法により前記第1の水分散インキを印刷する工程と、この工程の後に少なくとも電子受容性化合物もしくは感熱感度を向上させる増感剤の一方または両方を含む第2の水分散インキを前記印刷法により印刷し感熱記録媒体を形成する工程を設けるようにした。
本発明によれば、インキ受理層に印刷法で感熱発色層を形成後、感熱発色層上に同印刷法で連続的に発色補助層を印刷する工程を有する。つまり感熱発色層と発色補助層を同一の印刷装置で形成できる。このことから感熱記録媒体の製造工程を簡素化でき、感熱記録媒体の製造コストを安価にすることができる。
本発明の一実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。図1は感熱記録媒体の製造方法の流れ図、図2は製造工程図、図3は本発明の製造方法により製造された感熱記録媒体を示す平面図、図4は図3におけるA−A線断面図、図5は印字状態を示す平面図である。
本発明の感熱記録媒体の製造方法は、まず基材表面にインキ受理層3を塗工装置により、乾燥後の重量として1〜50g/m、好ましくは3〜10g/m塗布し形成する。塗工装置としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等を用いることができる。
次に第1の水分散インキを凸版、凹版、孔版等の版を用いたフレキソ印刷法、グラビア印刷法等の印刷法により、乾燥後の重量として1〜50g/m、好ましくは3〜10g/mをインキ受理層3上に部分的に印刷し、インキ受理層3中に感熱発色層4a、4b、4cを形成する。
さらに第2の水分散インキを第1の水分散インキの印刷法と同一の印刷方法、つまり同一の印刷装置により、感熱発色層4a、4b、4c上に、乾燥後の重量として0.5〜10g/m、好ましくは1〜5g/m塗布し、発色補助層5を形成する。なお、必要に応じて、発色補助層5の上に保護層を形成してもよい。また、キャレンダー等により平滑化処理を行っても良い。
このように感熱発色層4a、4b、4cと発色補助層5を同一の印刷方法により形成することで、図2に示すような複数色印刷可能な同一の印刷装置(ここではグラビア印刷装置)により形成することが可能となり、製造工程を簡略化でき、異なる色に発色する感熱記録媒体1を安価に製造できる。
このような製造方法により製造された感熱記録媒体1は、基材2と、基材2の表面に形成されたインキ受理層3と、インキ受理層3中に形成された発色色相がそれぞれ異なる感熱発色層4a、4b、4cと、発色補助層5とにより形成されている。この感熱記録媒体1を用いることにより、図5に示すように、各感熱発色層4a、4b、4cに、広告の品、バーコード、値段等を異なる色で印字することが可能である。
基材2としては、例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム、金属箔等が挙げられるが、本発明の目的を妨げないものであれば、これらに限定されるものではない。
インキ受理層3は、顔料を主成分として、顔料とバインダー樹脂とから構成されている。顔料としては、例えば、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ等の無機顔料や、スチレン系、スチレン・アクリル系、アクリル系等の樹脂のビーズ状、中空樹脂等の有機顔料が使用可能である。さらに、1次粒子が凝集した凝集体である多孔性顔料が好ましく、例えば、炭酸カルシウムや合成シリカ等が使用可能である。また、親水基である水酸基(−OH)を顔料に表面処理した親水性顔料がさらに効果があり、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等が挙げられる。親水性顔料においても、1次粒子の凝集した凝集体からなる多孔性顔料となっているものが望ましく、例えば、親水性シリカ等が使用可能である。但し、本発明に使用される親水性顔料の材質は、これらに限定されるものではなく、親水基である水酸基(−OH)が顔料に表面処理されたもので、さらに好ましくは1次粒子の凝集した凝集体である多孔性顔料となっていれば本発明の目的を達成できる。
インキ受理層3に用いられるバインダー樹脂としては、水溶性高分子、水溶性高分子エマルジョンが利用可能である。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。水溶性高分子エマルジョンとしては、スチレン・ブタジエン共重合体等のラテックスや、酢酸ビニル樹脂、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
また必要に応じて、インキ受理層3に、ステアリン酸亜鉛、ワックス等の滑剤や、ヒンダードフェノール類、また発色濃度が不足する場合に顕色剤等の添加剤を添加しても良い。
インキ受理層3のインキ作製は、まず、親水性顔料とバインダー樹脂、必要に応じて添加剤を水に分散混合して塗工液を作製する。この時、必要に応じて、ポリアクリル酸ソーダ、ヘキサメタクリル酸ソーダ、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の顔料分散剤や消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の各種添加剤を併用しても良い。
第1の水分散インキは少なくとも電子供与性化合物、バインダー樹脂を含有している。この第1の水分散インキを版を用いた印刷法により、インキ受理層3上に部分的に印刷し、感熱発色層4a、4b、4cを形成する。感熱発色層4a、4b、4cは、それぞれ発色色相が異なり、インキ受理層3中にインキ受理層3と一体的に形成されている。
電子供与性化合物としては、例えばロイコ染料が挙げられ、具体的には、<黒系>PSD−150、PSD−184、PSD−300、PSD−802、PSD−290(以上、日本曹達社製)、CP−101、BLACK−15、ODB、ODB2(以上、山本化成社製)、BLACK−100、S−205、BLACK−305、BLACK−500(以上、山田化学社製)、TH−107(以上、保土ヶ谷化学社製)、<青系>CVL、BLUE−63、BLUE−502(以上、山本化成社製)、BLUE−220(以上、山田化学社製)、BLUE−3(以上、保土ヶ谷化学社製)、<赤系>PSD−HR、PSD−P、PSD−O(以上、日本曹達社製)、Red−3、Red−40(以上、山本化成社製)、Red−500、Red−520(以上、山田化学社製)、Vermilion−DCF、Red−DCF(以上、保土ヶ谷化学社製)等の材料を使用可能である。また、一種類の材料ではなく混合して用いても良い。もちろん、これらの色以外の染料も使用可能である。
バインダー樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル等の樹脂ラテックス等の樹脂が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
その他必要に応じて、ワックス類、ナフトール誘導体、ビフェニル誘導体、ポリエーテル誘導体、炭酸ジエステル誘導体等の増感剤や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、炭酸カルシウム等のヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤、また発色濃度が不足する場合に顕色剤等を使用することが可能である。
第1の水分散インキは、まず、ロイコ染料(電子供与性化合物)、バインダー樹脂、必要に応じて増感剤やヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤、顕色剤(電子受容性化合物)、等の顔料を水に分散混合して、粘度、表面張力等の物性値を、使用する印刷装置に適合させてインキを作製する。この時、必要に応じて、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の変性樹脂や界面活性剤等の分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の各種添加剤を併用しても良い。
第2の水分散インキは、電子受容性化合物、発色感度を向上させる増感剤の一方または両方と、バインダー樹脂を含有している。この第2の水分散インキを第1の水分散インキの印刷法と同一の印刷方法、つまり同一の印刷装置により、感熱発色層4a、4b、4c上に印刷し、発色補助層5を形成する。
電子受容性化合物としては、例えば顕色剤が挙げられ、具体的には、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸化物等が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
増感剤は、使用する電子受容性化合物や使用する電子供与性化合物により、理想的な材料が異なるが、電子受容性化合物および電子供与性化合物の結合による発色する感度を向上させる材料である。例えば、大日本インキ化学社製のHS−3520などを使用することができる。
バインダー樹脂としては、第1の水分散インキに関する説明部分で説明したバインダー樹脂と同じものを使用することができる。例えば、デンプン類、セルロース類、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル等の樹脂ラテックス等の樹脂が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
その他必要に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、炭酸カルシウム等のヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等を使用することが可能である。
第2の水分散インキは、まず、電子受容性化合物(例えば、顕色剤)、増感剤の一方または両方と、バインダー樹脂を水に分散混合して、粘度、表面張力等の物性値を、使用する印刷装置に適合させてインキ作製する。このとき、必要に応じて、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の変性樹脂、界面活性剤等の分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤、ヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等の各種添加剤を併用しても良い。
以下に実施例を挙げて本発明の感熱記録媒体1の具体的な構成を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、重量部を表わす。
<実施例1>
◎インキ受理層の形成
・焼成カオリン(インキ受理層3の顔料) 100部
(白石カルシウム社製、商品名:カオカル)
・親水性シリカ(インキ受理層3の顔料) 11部
(東ソー・シリカ社製、商品名:Nipsil E−220A )
・分散剤:ポリアクリル酸ソーダ 1部
・水 280部
上記組成物をホモジナイザーで分散し、親水性シリカの顔料分散液を作製した。そしてこの顔料分散液に、
・スチレン・ブタジエン共重合ラテックス 55部
(JSR社製、48%SBR 分散液)
・リン酸エステル化デンプン 37部
(日本食品化工社製、商品名:MS−4600、20%水溶液)
を加え、ホモジナイザーで分散混合し、インキ受理層3の塗工液を作製した。
この塗工液を重量65g/mの基材(上質紙)2に、バーコーターで乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布することにより、インキ受理層3を基材2上に形成した。
◎第1の水分散インキの印刷
・ロイコ染料分散液(固形分30%) 50部
青(CVL、山本化成社製)
黒(ODB−2、山本化成社製)
赤(Vermilion−DCF、保土谷化学社製)
ロイコ染料分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、ロイコ染料をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・顕色剤分散液(固形分40%) 75部
(D−8、中京油脂社製、商品名:F−647)
・増感剤分散液(固形分30%) 100部
(HS−3520、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・滑剤分散液(固形分30%) 32部
(ステアリン酸亜鉛、中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30)
・再結晶防止剤分散液(固形分35%) 20部
(DH43、中京油脂社製、商品名:ハイドリンF−165)
・炭酸カルシウム分散液(固形分30%) 50部
(カルライトーKT:白石カルシウム社製)
炭酸カルシウム分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、炭酸カルシウムをサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・PVA10%溶液 53部
(クラレ社製PVA110)
・界面活性剤(固形分10%) 33部
(アデカコールEC4500 、旭電化社製)
・水 25部
上述した青、黒、赤の各ロイコ染料分散液に対し、上述した顕色剤分散液、増感剤分散液、滑剤分散液、再結晶防止剤分散液、炭酸カルシウム分散剤、PVA10%溶液、界面活性剤、水を混合することにより、発色色相が青、黒、赤と異なる第1の水分散感熱インキを作製する。
各第1の水分散感熱インキの粘度は、30〜40cps(東京計器社製、E型粘度計で測定)、表面張力は約30mN/m(クルス社製、K12−Mk5表面張力計で測定)以下に調整した。特に凹版による印刷は、インキの表面張力が大きいと印刷版にインキが入らないため、界面活性剤等でインキの表面張力を小さくする必要がある。
この第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版150線、セル深さ40μmの腐食版によりインキ受理層3上に印刷し、図3に示すような感熱記録媒体1(但し、この時点では、発色補助層5を設ける前)を作製した。この感熱記録媒体1において、4aが青色に発色する感熱発色層、4bが黒色に発色する感熱発色層、4cが赤色に発色する感熱発色層である。
◎第2の水分散インキの印刷
・顕色剤分散液(固形分40%) 37.5部
(D−8、中京油脂社製、商品名:F−647)
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 2.5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI−103)
・水 117.5部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した第2の水分散インキを、感熱発色層4(4a、4b、4c)の上に、第1の水分散感熱インキを印刷した簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成した。
ここで、印刷状態の確認のため、作製した感熱記録媒体1を130℃のオーブン内に5分間放置し、感熱発色層4a、4b、4cを発色させたところ、印刷時の泳ぎは若干発生したが、泳ぎによる縞模様は発生せず、ほぼ均一な印刷面となった。
さらに、発色補助層5の上に保護層(OCA−5:日本化薬社製)をバーコーターにより乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布してサンプル(実施例1の感熱記録媒体)を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
さらに、このサンプルを京セラ社製サーマルヘッドKBE−56−8MGK1、印字周期5msec/line、印字duty70%、印加電圧10〜16V(1V単位)で変化させたときの発色感度、OD値(発色濃度)を測定した。その測定結果を図6に示す。
印刷の「泳ぎ」はインキ受理層3を設けているので、感熱発色層4a、4b、4cは問題にならない程度である。感度は、後述する比較例1とほぼ同じであるが、発色補助層5に顕色剤を添加しているので発色濃度がアップし、ボイドが減少した。なお、評価は黒色に発色する感熱発色層4bの部分で行った。比較例1(後述)は発色補助層5が無い点が実施例1と異なり、他の点は実施例1と同じである。実施例1は、比較例1に比べて発色感度はあまり変わらないが、飽和濃度が向上(飽和濃度が約0.2程度向上)した。これは、発色補助層5に含まれる顕色剤が、感熱発色層4(4a、4b、4c)の発色に寄与しているためで、顕色剤を含む発色補助層5を設けることにより、発色補助層5に添加された顕色剤がインキ受理層3の内部奥深くまで浸透せずに感熱発色層4の表面側(加熱側)に多量に存在するので、発色に寄与すると考えられる。
<実施例2>
実施例1で説明した第2の水分散インキには顕色剤を添加し発色補助層5を形成したが、実施例2の第2の水分散インキでは顕色剤に代えて感熱発色層4の感熱感度を向上させる増感剤を添加した。他の構成は実施例1と同じである。即ち、基材2上に実施例1で説明したインキ受理層3を形成し、このインキ受理層3上に実施例1で説明した各第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に下記に示す第2の水分散インキにより発色補助層5を形成した。
◎第2の水分散インキの印刷
・増感剤分散液(固形分30%) 50部
(HS−3520 、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 2.5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI−103)
・水 105部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した第2の水分散インキを、感熱発色層4(4a、4b、4c)の上に、第1の水分散感熱インキを印刷した簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成した。
ここで、印刷状態の確認のため、作製した感熱記録媒体1を130℃のオーブン内に5分間放置し、感熱発色層4a、4b、4cを発色させたところ、印刷時の泳ぎは若干発生したが、泳ぎによる縞模様は発生せず、ほぼ均一な印刷面となった。
さらに、発色補助層5の上に保護層(OCA−5:日本化薬社製)をバーコーターにより乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布してサンプル(実施例1の感熱記録媒体)を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例2において作製した感熱記録媒体1を用いて、実施例1と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図6に示す。図6に示すように、後述する比較例1(発色補助層5なし)と比較して、飽和濃度の変化はないが、発色補助層5に添加した増感剤により感度が向上(サーマルヘッドの印加電圧を約1V下げても同程度の発色濃度が得られる)している。これは、発色補助層5に含有された増感剤がインキ受理層3の内部奥深くまで浸透することなく感熱発色層4の表面側に存在し、発色感度を向上させていると考えられる。
<実施例3>
実施例1では第2の水分散インキに顕色剤を添加し、実施例2では第2の水分散インキに増感剤を添加し発色補助層5を形成したが、この実施例3では、第2の水分散インキに顕色剤と増感剤との両方を添加した。他の構成は実施例1、実施例2と同じである。即ち、基材2上に実施例1で説明したインキ受理層3を形成し、このインキ受理層3上に実施例1で説明した各第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に下記に示す第2の水分散インキにより発色補助層5を形成した。
◎第2の水分散インキの印刷
・顕色剤分散液(固形分40%) 37.5部
(D−8、中京油脂社製、商品名:F−647)
・増感剤分散液(固形分30%) 50部
(HS−3520、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI−103)
・水 222.5部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した第2の水分散インキを、感熱発色層4(4a、4b、4c)の上に、第1の水分散感熱インキを印刷した簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成した。
ここで、印刷状態の確認のため、作製した感熱記録媒体1を130℃のオーブン内に5分間放置し、感熱発色層4a、4b、4cを発色させたところ、印刷時の泳ぎは若干発生したが、泳ぎによる縞模様は発生せず、ほぼ均一な印刷面となった。
さらに、発色補助層5の上に保護層(OCA−5:日本化薬社製)をバーコーターにより乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布してサンプル(実施例1の感熱記録媒体)を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例3において作製した感熱記録媒体1を用いて、実施例1、2と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図6に示す。図6に示すように、後述する比較例1(発色補助層5なし)と比較して、顕色剤の作用により飽和濃度が約0.2向上し、増感剤により感度が約2V程度向上している。これは、発色補助層5に添加された顕色剤および増感剤がインキ受理層3の内部奥深くまで浸透せずに感熱発色層4の表面側に存在し、発色濃度、発色感度を向上させていると考えられる。
<比較例1>
比較例1は、既に説明したように、実施例1(又は、実施例2、3)の感熱記録媒体1において、発色補助層5を設けない状態の感熱記録媒体である。つまり第2の水分散インキを印刷しない例である。この比較例1の感熱記録媒体を用いて、実施例1〜3と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図6に示す。この比較例1では、発色補助層5が無いので、飽和するのに必要な印加電圧は14〜15V、飽和濃度は1.08であった。実施例1〜3に比べ、飽和濃度が薄いか、又は、発色感度が低いことがわかる。これは、インキ受理層3に浸透した水分散感熱インキは、インキ受理層3の比較的表層側に位置している部分だけが発色に貢献しているためと考えられる。
<実施例4>
実施例4の感熱記録媒体1は、インキ受理層3の構成が実施例1と異なり、他の構成及び製造工程は実施例1と同じである。
◎インキ受理層の形成
・焼成カオリン(インキ受理層3の顔料) 100部
(白石カルシウム社製、商品名:カオカル)
・親水性シリカ(インキ受理層3の顔料) 11部
(東ソー・シリカ社製、商品名:NipsilE−220A)
・分散剤:ポリアクリル酸ソーダ 1部
・水 318部
上記組成物をホモジナイザーで分散し、親水性シリカの顔料分散液を作製した。そしてこの顔料分散液に、
・スチレン・ブタジエン共重合ラテックス 56部
(JSR社製、48%SBR 分散液)
・リン酸エステル化デンプン 37部
(日本食品化工社製、商品名:MS−4600、20%水溶液)
・顕色剤分散液(固形分40%) 97部
(D−8、中京油脂社製、商品名:F−647)
・滑剤分散液(固形分30%) 41部
(ステアリン酸亜鉛、中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30)
・再結晶防止剤分散液(固形分35%) 26部
(DH43、中京油脂社製、商品名:ハイドリンF−165)
を加え、ホモジナイザーで分散混合し、インキ受理層3の塗工液を作製した。
この塗工液を重量65g/mの基材(上質紙)2に、バーコーターで乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布することにより、インキ受理層3を基材2上に形成した。この実施例4の感熱記録媒体1における他の構成、即ち、感熱発色層4および発色補助層5の構成は実施例1と同じであり、インキ受理層3上に実施例1の第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例1と同じ第2の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して、発色補助層5(顕色剤を含有する発色補助層)を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例4において作製した感熱記録媒体1を用いて、上述した実施例1〜3と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図7に示す。比較例2(後述)は、発色補助層5が無い点が実施例4と異なり、他の点は実施例4と同じである。実施例4は、比較例2と比較して、発色感度はそれほど変化していないが、実施例1と同様に飽和濃度が約0.2程度向上した。これは、実施例1と同じ理由であると考えられる。なお、実施例1と比べ、インキ受理層3にも顕色剤が含まれているので、実施例1よりも濃度が濃くなる。
<実施例5>
実施例5は、実施例4で説明したインキ受理層3を用い、その他の構成は実施例2と同じである。即ち、実施例5では、実施例4で説明したインキ受理層3(顕色剤を含有するインキ受理層)に、実施例1〜3で使用した第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例2で説明した第2の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34 μmの腐食版により印刷して、発色補助層5(増感剤を含有する発色補助層)を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例5において作製した感熱記録媒体1を用いて、上述した実施例1〜4と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図7に示す。実施例5は、比較例2(後述)と比較して、飽和濃度はそれほど変化が無いが、実施例2と同様に発色感度が、サーマルヘッドの印加電圧を約1〜2V下げても同程度の発色濃度が得られる程度に向上した。これは、実施例2と同じ理由であると考えられる。
<実施例6>
実施例6は、実施例4で説明したインキ受理層3を用い、その他の構成は実施例3と同じである。即ち、実施例6では、実施例4で説明したインキ受理層3(顕色剤を含有するインキ受理層)に、実施例1〜3で使用した第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例3で説明した第2の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して、発色補助層5(顕色剤と増感剤とを含有する発色補助層)を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例6において作製した感熱記録媒体1を用いて、上述した実施例1〜5と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図7に示す。実施例6は、比較例2(後述)と比較して、発色濃度、発色感度とも向上していることがわかる。これは、実施例3と同じ理由であると考えられる。
<比較例2>
比較例2は、既に説明したように、実施例4(又は、実施例5、6)の感熱記録媒体1において、発色補助層5を設けない状態の感熱記録媒体である。つまり第2の水分散インキを印刷しない例である。この比較例2の感熱記録媒体を用いて、実施例4〜6と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を上述した比較例1とともに図7に示す。インキ受理層3に顕色剤を添加しても比較例1とほぼ同程度の感度および濃度しか得られないことがわかる。これは、インキ受理層3の奥深くに存在する顕色剤は、あまり発色に寄与していないと推定できる。
<実施例7>
実施例7の感熱記録媒体1は、感熱発色層4の構成、つまり第1の水分散インキの構成以外は、実施例4と同じである。なお、実施例4のインキ受理層3には、顕色剤が添加されている。
◎第1の水分散インキの印刷
・ロイコ染料分散液(固形分30%) 50部
青(CVL、山本化成社製)
黒(ODB−2、山本化成社製)
赤(Vermilion−DCF、保土谷化学社製)
ロイコ染料分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、ロイコ染料をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・BI−103(固形分30%) 3部
(ハイマ化成社製)
・界面活性剤(固形分10%) 1部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述した青、黒、赤の各ロイコ染料分散液に、BI−103樹脂溶液、界面活性剤を混合することにより、発色色相が青、黒、赤と異なる第1の水分散インキを作製する。
実施例7では、実施例4で示したインキ受理層3上に上記で示した各色の第1の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例4と同じ第2の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例7において作製した感熱記録媒体1を用いて、実施例1〜6と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。比較例3(後述)と比較して、発色開始電圧等はそれほど変化していないが、実施例1、4と同様に飽和濃度が0.4程度向上した。これは、実施例1、4と同じ理由であると考えられる。
<実施例8>
実施例8の感熱記録媒体1は、感熱発色層4の構成、つまり第1の水分散インキの構成以外は実施例5と同じであり、第1の水分散インキの印刷、つまり感熱発色層4は実施例7と同じである。
実施例8では、実施例5で示したインキ受理層3上に、実施例7で示した第1の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例5と同じ第2の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例8において作製した感熱記録媒体1を用いて、実施例1〜7と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。比較例3(後述)と比較して、発色感度がサーマルヘッドの印加電圧を約0.5〜1V下げても同程度の発色濃度が得られる程度向上した。これは、実施例2、5と同様の理由と考えられる。
<実施例9>
実施例9の感熱記録媒体1は、感熱発色層4の構成、つまり第1の水分散インキの構成以外は実施例6と同じであり、第1の水分散インキの印刷、つまり感熱発色層4は実施例7と同じである。
実施例9では、実施例6で示したインキ受理層3上に、実施例7で示した第1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例6と同じ第2の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。このサンプルを東芝テック社製バーコードプリンタ:KP−50で図5に示すように印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
実施例9において作製した感熱記録媒体1を用いて、実施例1〜8と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。比較例3(後述)と比較して、発色感度がサーマルヘッドの印可電圧を約2V下げても同程度の発色濃度が得られる程度向上し、飽和濃度が約0.4程度向上した。これは、実施例3、6と同様の理由と考えられる。
<比較例3>
比較例3は、実施例7(又は、実施例8、9)の感熱記録媒体1において、発色補助層5を設けない状態の感熱記録媒体である。つまり第2の水分散インキを印刷しない例である。この比較例3の感熱記録媒体を用いて、実施例7〜9と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。比較例3では、実施例7〜9と比較して、発色感度又は発色濃度が劣っていることがわかる。
なお、実施例7〜9のインキ受理層3には顕色剤が添加されているが、実施例7、9に関しては、インキ受理層3への顕色剤の添加を省略してもよい。実施例7、9でインキ受理層に添加されている顕色剤を省略しても、発色補助層5に添加されている顕色剤により、比較例3より発色特性(発色感度、発色濃度)が勝っていた。これは、インキ受理層3よりも発色補助層5に添加される顕色剤がより効果があることを示している。
<評価方法>
試作した実施例、比較例の発色感度、発色濃度の測定は、以下の方法で行った。
◎テストプリンタの仕様は以下の通りである。
・サーマルヘッド:京セラ社製KBE−56−8MGK1(200DPI)
・抵抗値: 1213Ω
・印字周期: 5msec/line
・通電時間: 3.5msec(印字duty70%)
・印加電圧: 10〜16V(0.288〜0.738mJ/dot)
通常のプリンタに比べ、押圧を弱く設定し、発色補助層5の効果が明確になるようにした。そのため、印加エネルギー的にはやや多目にして実験した。
◎測定内容: 印字されたサンプルをマクベス反射濃度計RD−19でOD値を測定し、図6〜図8のグラフで観察した。
例えば、実際に印字条件が15Vと同じ条件であった場合、比較例1のサンプルではボイドが多く見られるが、発色補助層5を設けることにより、ボイドがない実用レベルに達していることがわかる。このように、高感度化、高濃度化することにより、同一条件で印字してもボイド等の問題が緩和される。
感熱発色層4を基材2の表面のみに印刷法で形成すると、「泳ぎ」が発生しやすくなる。この「泳ぎ」を減じるためにインキ受理層3を設けると感度低下および濃度低下を生じるようになるが、発色補助層5を設けることによりそのような感度低下、濃度低下を改善できる。
ここで、本発明の感熱記録媒体の製造方法は、同一平面上に積層することなく2色以上の感熱発色層4a、4b、4cを形成することができ、第1の水分散インキと第2の水分散インキを同一の印刷方法により連続で印刷することで、感熱発色層4a、4b、4cと発色補助層5を形成することができる。このため、図2に示すような複数色印刷可能な同一の印刷装置(ここではグラビア印刷装置)により形成することが可能となる。つまり、複数色印刷可能な同一の印刷装置で、各第1の水分散インキを印刷し、感熱発色層4a、4b、4cを形成後、第2の水分散インキを連続して印刷することで、発色補助層5を形成することが可能となる。
また、感熱記録媒体の作製においては十分な発色濃度が必要なことから、インキを多く塗布できる印刷方法が望ましい。グラビア印刷法は印刷法の中でも、インキを多く塗布できる印刷法であり、ロール紙(連続紙)に対応した印刷法で、さらに印刷状態の品質が非常に高い印刷法であることから、感熱記録媒体の製造方法に非常に適した印刷法である。
このように本発明では、塗工装置→印刷装置と製造工程を簡素化でき、さらに製造工程を簡素化できることから、異なる色に発色する感熱記録媒体の製造コストを安価にすることができる。
本発明の一実施形態の製造を示す流れ図である。 本発明の一実施形態の製造工程図である。 本発明の一実施形態により製造された感熱記録媒体の平面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 感熱記録媒体への印字状態を示す平面図である。 実施例1〜3と比較例1との発色特性を示すグラフである。 実施例4〜6と比較例1、2との発色特性を示すグラフである。 実施例7〜9と比較例3との発色特性を示すグラフである。
符号の説明
1 感熱記録媒体
2 基材
3 受理層
4 感熱発色層
5 発色補助層

Claims (2)

  1. 少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた第1の水分散インキを含浸させるインキ受理層を表面に設けた基材に、版を用いた印刷法により前記第1の水分散インキを印刷する工程と、
    この工程の後に、少なくとも電子受容性化合物もしくは感熱感度を向上させる増感剤の一方または両方を含む第2の水分散インキを、前記印刷法により印刷する工程を有する感熱記録媒体の製造方法。
  2. 前記印刷法が、グラビア印刷法である請求項1記載の感熱記録媒体の製造方法。
JP2004143883A 2004-05-13 2004-05-13 感熱記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP4313249B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004143883A JP4313249B2 (ja) 2004-05-13 2004-05-13 感熱記録媒体の製造方法
EP05009093A EP1595715A3 (en) 2004-05-13 2005-04-26 Method of manufacturing thermosensitive recording medium
US11/123,143 US20050255235A1 (en) 2004-05-13 2005-05-06 Method of manufacturing thermosensitive recording medium
CNA2005100702594A CN1715071A (zh) 2004-05-13 2005-05-13 制造热敏记录介质的方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004143883A JP4313249B2 (ja) 2004-05-13 2004-05-13 感熱記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005324413A JP2005324413A (ja) 2005-11-24
JP4313249B2 true JP4313249B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=34935737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004143883A Expired - Fee Related JP4313249B2 (ja) 2004-05-13 2004-05-13 感熱記録媒体の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20050255235A1 (ja)
EP (1) EP1595715A3 (ja)
JP (1) JP4313249B2 (ja)
CN (1) CN1715071A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2879291T3 (es) 2015-10-16 2021-11-22 Opko Diagnostics Llc Artículos y procedimientos para preparar una superficie para obtener una muestra de un paciente

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3911171A (en) * 1973-09-14 1975-10-07 Agfa Gevaert A Naamloze Vennoo Thermographic recording process
JPS60208283A (ja) 1984-04-02 1985-10-19 Showa Joho Kiki Kk 感熱記録紙
US4630069A (en) * 1985-05-24 1986-12-16 Polaroid Corporation Color thermal transfer recording system and ribbon
US4829046A (en) * 1987-10-15 1989-05-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Positive-acting thermographic materials
JP2549146B2 (ja) * 1988-04-26 1996-10-30 花王株式会社 感熱記録材料
WO1993008031A1 (en) * 1991-10-22 1993-04-29 International Paper Company Abrasion resistant, thermosensitive recording element
US6013601A (en) * 1997-09-12 2000-01-11 Nocopi Technologies, Inc. Laser printing method and substrate
JP2000301835A (ja) 1999-04-19 2000-10-31 Tokyo Magnetic Printing Co Ltd 多色感熱記録媒体
US20010049340A1 (en) * 2000-03-17 2001-12-06 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Multicolor thermosensitive recording medium, method of manufacturing the same, and method of printing using the same
JP2004072636A (ja) 2002-08-08 2004-03-04 Fujitsu Ltd 画像転送方法、画像転送装置、コンピュータプログラム及び記録媒体
JP2004072635A (ja) 2002-08-08 2004-03-04 Nissan Motor Co Ltd 半導体素子のゲート駆動回路
US7405179B2 (en) * 2004-03-15 2008-07-29 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Thermosensitive recording medium and method of manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
EP1595715A3 (en) 2006-07-12
CN1715071A (zh) 2006-01-04
EP1595715A2 (en) 2005-11-16
US20050255235A1 (en) 2005-11-17
JP2005324413A (ja) 2005-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6742546B2 (ja) 圧力測定用材料、及び圧力測定用材料セット
CN102574409B (zh) 热敏记录材料
CN107107644B (zh) 涂布印刷介质
CN101676123B (zh) 记录介质
JP2009285833A (ja) 感熱記録体
CN106103122B (zh) 热敏记录体
JP4313249B2 (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP4408235B2 (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP4408234B2 (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP4516578B2 (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP3934638B2 (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP3954056B2 (ja) 感熱発色層の地肌色相の調整方法および感熱記録媒体
JP2009214552A (ja) 感熱記録媒体及びその製造方法
JP6068996B2 (ja) 顕色剤層にデキストリンを含有する感圧複写紙、および感圧複写紙の製造方法
US7405179B2 (en) Thermosensitive recording medium and method of manufacturing the same
JP4414273B2 (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP3592529B2 (ja) 感熱記録媒体
JP2007261175A (ja) 感熱記録媒体及びその製造方法
JP5188577B2 (ja) 感熱記録材料用粉末混合物、ならびに感熱記録材料用粉末混合物の製造方法
JP2007237418A (ja) 感熱記録媒体の製造方法
JP2007076371A (ja) 感熱記録媒体およびその感熱発色層の地肌色相の調節方法
JP6760745B2 (ja) 発色剤マイクロカプセル及びそれを用いた感圧複写紙
JP2010228367A (ja) 感熱記録シート
JP2011194771A (ja) 情報記録材料の製造方法
WO2020117255A1 (en) Imaging media

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090514

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees