JP4408235B2 - 感熱記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録媒体の製造方法に関する。
従来、1枚の感熱記録媒体で複数のフォームを実現する多色感熱記録媒体が知られている。この多色感熱記録媒体は、異なる発色温度で異なる色調を発色させる少なくとも2つの感熱発色層を紙等の基材上に積層して形成した記録媒体であり(例えば、特許文献1参照)、通常、高温での加熱により所定の色に発色する高温発色層を下層とし、低温での加熱により所定の色に発色する低温発色層を上層としている。
このような多色感熱記録媒体をサーマルヘッドで加熱して印字を行なった場合、加熱温度を変えることにより異なった色調の画像が得られる。例えば、低温で加熱した場合には青色に発色し、高温で加熱した場合には黒色に発色するという具合である。
このような多色感熱記録媒体における問題点としては、混色の問題と、高温で発色する感熱発色材料の感度を上げることができないという問題とがある。“混色”とは、高温加熱時においてもサーマルヘッドの加熱ドットの周辺は温度が低下するので、印字範囲の輪郭部分の周辺が低温で加熱したときの色に発色し、輪郭部分の周辺において低温で発色する色と高温で発色する色との2色に発色することである。複数のフォームを1つの多色感熱記録媒体で実現するには、この混色が避けられない。また、“高温で発色する感熱発色材料の感度を上げることができない”とは、高温で発色する感熱発色材料と低温で発色する感熱発色材料とに差をつける必要が生じるので、高温側の感熱発色材料の発色温度を上げなければならず、つまり、発色感度を低下させなければならない。
このような問題を解決するために、異なった色相に発色する2色以上の感熱発色層を基材上に部分的に形成し、これを発色させる画素のみ選択的に加熱して多色画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開昭57−178791号公報 特開昭60−208283号公報 特開2000−301835公報
基材上に感熱発色層を部分的に形成する場合において、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて感熱インキを塗工すれば、複数色の感熱発色層をストライプ状に形成することは可能である。
一方、ストライプ状以外のパターン、文字、記号等の特殊な形状の感熱発色層は、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法により形成することができる。
また、他の方法としてインクジェット方式を用いた場合は、感熱発色層の発色濃度が十分に得られる塗工厚に形成するには、一回の塗工では所定の発色濃度を得ることが困難であり、所定の塗工厚を得るためには複数回の塗工が必要となり、工程が複雑になって感熱記録媒体が高価になる。これに対し、凸版、凹版等の版を用いた印刷法によれば、一回の塗布量で所定の膜厚を得ることができる。
通常、感熱記録媒体の作製に用いられる感熱インキとしては、水に、電子受容性化合物として、例えば、顕色剤、電子供与性化合物として、例えば、ロイコ染料、増感剤等の顔料成分を界面活性剤等の分散剤を用いて分散させた水分散感熱インキが広く使用されている。
この水分散感熱インキを、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて塗工した場合には、基材上に均等な膜厚に塗工できる。
しかし、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法で水分散感熱インキを基材上に印刷して感熱発色層を形成した場合において、印刷インキを用いて通常の印刷物を形成する印刷法に比べて、所定濃度を得るためには印刷膜厚を大幅に厚く形成する必要があるため、水分散感熱インキが塗布された感熱記録媒体をオーブンなどに入れて加熱して発色させた場合には、図12に示すような縞模様Aが発生することが本発明者によって確認された。この縞模様Aは、印刷時に版と基材とが離反したとき、水分散感熱インキが滑らかに広がらずに波打ち状態になる「泳ぎ」と呼ばれる現象である。この現象は、顔料を含有する水分散感熱インキが有する性質のために生じやすいと考えられる。
このような現象が発生した感熱発色層が形成された感熱記録媒体を用い、サーマルヘッドなどで熱エネルギーを印加して画像を形成した場合、その画像には縞模様Aに対応する部分が濃度ムラとなって現れ、画像品質が低下する。
一方、水分散感熱インキに代えて、有機溶媒中に、顕色剤、ロイコ染料等を分散させた有機溶媒系感熱インキを用いた場合には、印刷された有機溶媒系感熱インキは水分散感熱インキに比べてレベリング性が良く、図12に示したような縞模様の発生は生じにくい。しかし、有機溶媒は、感熱インキの構成成分として用いられる顕色剤、ロイコ染料等の物質を溶解しやすく、地肌かぶりを起こし易いという問題や、地肌かぶりを少なくしようとすれば使用できる顕色剤やロイコ染料等の種類が限定されるので、種々の色を発色させる材料の選択範囲が制限され、カラー化が困難になることやコスト高になるという問題がある。
そこで、本出願人は、基材上に水分散感熱インキを含浸させ、所定濃度を確保するための膜厚を保持するためのインキ受理層を設け、「泳ぎ」の現象を問題ないレベルに低減する発明を特願2003−99356で提案した。
一方、感熱発色層は、サーマルヘッド等からの熱エネルギーを表面側から供給を受けて発色するので、水分散感熱インキはインキ受理層の内部に浸透するのではなく、できるだけ表面側に存在することが望ましい。すなわち、インキ受理層内部の奥深く浸透した水分散感熱インキは、インキ受理層の比較的表面側に存在する水分散感熱インキに比べて表面側からの熱エネルギーが届かないので、発色にあまり寄与しない。したがって、水分散感熱インキを印刷法でインキ受理層に印刷して形成した感熱発色層は、期待するほどの発色濃度を得られない場合がある。また、期待する濃度を得ようとする場合、印加する熱エネルギーを増やす必要がある。感度が悪いとインキ受理層の表面の凸凹によるサーマルヘッドからの熱エネルギーの伝達量変化を受けやすく、印字結果としてボイドが発生しやすい問題があった。
本発明の目的は、版を用いた印刷法でインキ受理層に水分散感熱インキ又は水分散インキを印刷した感熱発色層を有する感熱記録媒体を作製した場合に、十分な発色濃度、十分な発色感度が得られるようにすることである。
本発明の感熱記録媒体の製造方法は、基材上に電子受容性化合物を含んでいるインキ受理層を形成する工程と、少なくとも電子受容性化合物と電子供与性化合物とを含む顔料成分を水に分散させた水分散感熱インキを版を用いた印刷法により前記インキ受理層に含浸させ、前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、少なくとも電子受容性化合物と前記感熱発色層の感熱感度を向上させる増感剤との一方を含発色補助層を前記感熱発色層上に形成する工程と、を有する。
本発明の感熱記録媒体の製造方法は、基材上に電子受容性化合物を含んでいるインキ受理層を形成する工程と、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを版を用いた印刷法により前記インキ受理層に含浸させ、前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、少なくとも電子受容性化合物を含む発色補助層を前記感熱発色層上に形成する工程と、を有する。
本発明の感熱記録媒体の製造方法は、基材上に少なくとも電子受容性化合物を含むインキ受理層を形成する工程と、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを版を用いた印刷法により前記インキ受理層に含浸させ、前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、少なくとも前記感熱発色層の感熱感度を向上させる増感剤を含む発色補助層を前記感熱発色層上に形成する工程と、を有する。
本発明によれば、インキ受理層に印刷法で形成した感熱発色層のみでは発色濃度不足、発色感度不足となる場合でも、感熱発色層上に設けられた発色補助層に含まれる電子受容性化合物、増感剤の作用により、感熱発色層の発色濃度、発色感度が向上する。
本発明の一実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図1は感熱記録媒体を示す平面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は印字状態を示す平面図である。
この感熱記録媒体1は、基材2と、基材2の表面に形成されたインキ受理層3と、インキ受理層3中に形成された発色色相がそれぞれ異なる感熱発色層4a、4b、4cと、発色補助層5とにより形成されている。なお、必要に応じて、発色補助層5の上に保護層を形成してもよい。この感熱記録媒体1を用いることにより、図3に示すように、各感熱発色層4a、4b、4cに、広告の品、バーコード、値段等を異なる色で印字することが可能である。
基材2としては、例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム、金属箔等が挙げられるが、本発明の目的を妨げないものであれば、これらに限定されるものではない。
インキ受理層3は、顔料を主成分として、顔料とバインダー樹脂とから構成されている。顔料としては、例えば、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ等の無機顔料や、スチレン系、スチレン・アクリル系、アクリル系等の樹脂のビーズ状、中空樹脂等の有機顔料が使用可能である。さらに、1次粒子が凝集した凝集体である多孔性顔料が好ましく、例えば、炭酸カルシウムや合成シリカ等が使用可能である。また、親水基である水酸基(−OH)を顔料に表面処理した親水性顔料がさらに効果があり、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等が挙げられる。親水性顔料においても、1次粒子の凝集した凝集体からなる多孔性顔料となっているものが望ましく、例えば、親水性シリカ等が使用可能である。但し、本発明に使用される親水性顔料の材質は、これらに限定されるものではなく、親水基である水酸基(−OH)が顔料に表面処理されたもので、さらに好ましくは1次粒子の凝集した凝集体である多孔性顔料となっていれば本発明の目的を達成できる。
インキ受理層3に用いられるバインダー樹脂としては、水溶性高分子、水溶性高分子エマルジョンが利用可能である。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。水溶性高分子エマルジョンとしては、スチレン・ブタジエン共重合体等のラテックスや、酢酸ビニル樹脂、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
また必要に応じて、インキ受理層3に、ステアリン酸亜鉛、ワックス等の滑剤や、ヒンダードフェノール類等の添加剤を添加しても良い。
インキ受理層3の形成方法としては、まず、親水性顔料とバインダー樹脂、必要に応じて添加剤を水に分散混合して塗工液を作製する。この時、必要に応じて、ポリアクリル酸ソーダ、ヘキサメタクリル酸ソーダ、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の顔料分散剤や消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の各種添加剤を併用しても良い。
作製した塗工液を塗工機により、乾燥後の重量として1〜50g/m、好ましくは3〜10g/m塗布し、インキ受理層3を形成する。塗工機としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の塗工装置を用いることができる。また、必要に応じ、キャレンダー等により平滑化処理を行っても良い。
感熱発色層4a、4b、4cは、それぞれ発色色相が異なり、インキ受理層3中にインキ受理層3と一体的に形成されている。感熱発色層4a、4b、4cは電子受容性化合物、電子供与性化合物、バインダー樹脂を含有している。
電子受容性化合物としては、例えば顕色剤が挙げられ、具体的には、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸化物等が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
電子供与性化合物としては、例えばロイコ染料が挙げられ、具体的には、<黒系>PSD−150、PSD−184、PSD−300、PSD−802、PSD−290(以上、日本曹達社製)、CP−101、BLACK−15、ODB、ODB2(以上、山本化成社製)、BLACK−100、S−205、BLACK−305、BLACK−500(以上、山田化学社製)、TH−107(以上、保土ヶ谷化学社製)、<青系>CVL、BLUE−63、BLUE−502(以上、山本化成社製)、BLUE−220(以上、山田化学社製)、BLUE−3(以上、保土ヶ谷化学社製)、<赤系>PSD−HR、PSD−P、PSD−O(以上、日本曹達社製)、Red−3、Red−40(以上、山本化成社製)、Red−500、Red−520(以上、山田化学社製)、Vermilion−DCF、Red−DCF(以上、保土ヶ谷化学社製)等の材料を使用可能である。また、一種類の材料ではなく混合して用いても良い。もちろん、これらの色以外の染料も使用可能である。
バインダー樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル等の樹脂ラテックス等の樹脂が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
その他必要に応じて、ワックス類、ナフトール誘導体、ビフェニル誘導体、ポリエーテル誘導体、炭酸ジエステル誘導体等の増感剤や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、炭酸カルシウム等のヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等を使用することが可能である。
感熱発色層4a、4b、4cの形成方法としては、まず、顕色剤(電子受容性化合物)、ロイコ染料(電子供与性化合物)、バインダー樹脂、必要に応じて増感剤やヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等の顔料を水に分散混合して水分散感熱インキを作製する。この時、必要に応じて、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の変性樹脂や界面活性剤等の分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の各種添加剤を併用しても良い。
この水分散感熱インキを、凸版、凹版、孔版等の版を用いたフレキソ印刷法、グラビア印刷法等の印刷法により、乾燥後の重量として1〜50g/m、好ましくは3〜10g/mをインキ受理層3上に部分的に印刷し、インキ受理層3中に感熱発色層4a、4b、4cを形成する。
発色補助層5は、電子受容性化合物、感熱発色層4の発色感度を向上させる増感剤、バインダー樹脂を含有する。電子受容性化合物(例えば顕色剤)は、感熱発色層4で説明した材料が使用可能で、それらの材料の1種類又は2種類以上を混合して用いることができる。
増感剤は、使用する電子受容性化合物や感熱発色層4で使用する電子供与性化合物により、理想的な材料が異なるが、電子受容性化合物および電子供与性化合物の結合による発色する感度を向上させる材料である。例えば、大日本インキ化学社製のHS−3520などを使用することができる。
バインダー樹脂としては、感熱発色層4a、4b、4cに関する説明部分で説明したバインダー樹脂と同じものを使用することができる。例えば、デンプン類、セルロース類、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル等の樹脂ラテックス等の樹脂が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
その他必要に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、炭酸カルシウム等のヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等を使用することが可能である。
発色補助層5の形成方法としては、まず、電子受容性化合物(例えば、顕色剤)、増感剤、バインダー樹脂を水に分散混合して水分散インキを作製する。このとき、必要に応じて、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の変性樹脂、界面活性剤等の分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤、ヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等の各種添加剤を併用しても良い。
この水分散インキを塗工機により、乾燥後の重量として0.5〜10g/m、好ましくは1〜5g/m塗布し、発色補助層5を形成する。塗工機としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の塗工装置を用いることができる。また、必要に応じ、キャレンダー等により平滑化処理を行っても良い。なお、発色補助層5の塗工量が少ない場合、塗工機ではなくグラビア印刷機等を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、インキ受理層3と感熱発色層4a、4b、4cとの厚さを一致させた場合を例に挙げて説明したが、各感熱発色層4a、4b、4cが必要な発色濃度を得られるのであれば、図4に示すように感熱発色層4a、4b、4cをインキ受理層3より薄く形成し、その上に発色補助層5を設けても良い。
また、発色濃度が特に必要となる場合には、図5に示すように感熱発色層4a、4b、4cの厚さをインキ受理層3より厚く形成し、その上に発色補助層5を設けても良い。ただし、図5に示すように感熱発色層4a、4b、4cがインキ受理層3より上にでる構成の場合、感熱発色層4a、4b、4cの形成時、つまり、水分散感熱インキを印刷する際に、感熱発色層4a、4b、4cが厚くなることに伴って図12に示すような縞模様Aが発生しやすくなるので、できる限りインキ受理層3と感熱発色層4a、4b、4cとの厚さを同じにすること、即ち、水分散感熱インキがインキ受理層3にはみ出さない程度に含浸されていることが好ましい。
また、発色補助層5は、感熱発色層4上に存在する場合ばかりでなく、図6に示すように、インキ受理層3に一部が浸透してもよいし、図7の示すようにインキ受理層3に感熱発色層4と同様に多くが浸透しても効果がある。
以下に実施例を挙げて本発明の感熱記録媒体1の具体的な構成を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、重量部を表わす。
参考例1>
◎インキ受理層の形成
・焼成カオリン(インキ受理層3の顔料) 100部
(白石カルシウム社製、商品名:カオカル)
・親水性シリカ(インキ受理層3の顔料) 11部
(東ソー・シリカ工業製、商品名:Nipsil E-220A )
・分散剤:ポリアクリル酸ソーダ 1部
・水 280部
上記組成物をホモジナイザーで分散し、親水性シリカの顔料分散液を作製した。そしてこの顔料分散液に、
・スチレン・ブタジエン共重合ラテックス 55部
(JSR製、48%SBR分散液)
・リン酸エステル化デンプン 37部
(日本食品化工製、商品名:MS-4600、20%水溶液)
を加え、ホモジナイザーで分散混合し、インキ受理層3の塗工液を作製した。
この塗工液を坪量65g/mの基材(上質紙)2に、バーコーターで乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布することにより、インキ受理層3を基材2上に形成した。
◎感熱発色層の形成
・ロイコ染料分散液(固形分30%) 50部
青(CVL、山本化成社製)
黒(ODB-2、山本化成社製)
赤(Vermilion-DCF、保土谷化学社製)
ロイコ染料分散液は、水に分散剤としてゴーセランL-3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、ロイコ染料をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・顕色剤分散液(固形分40%) 75部
(D-8、中京油脂社製、商品名:F-647)
・増感剤分散液(固形分30%) 100部
(HS-3520、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL-3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・滑剤分散液(固形分30%) 32部
(ステアリン酸亜鉛、中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ-7-30 )
・再結晶防止剤分散液(固形分35%) 20部
(DH43、中京油脂社製、商品名:ハイドリンF-165)
・炭酸カルシウム分散液(固形分30%) 50部
(カルライトーKT:白石カルシウム社製)
炭酸カルシウム分散液は、水に分散剤としてゴーセランL-3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、炭酸カルシウムをサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・PVA10%溶液 53部
(クラレ社製PVA110 )
・界面活性剤(固形分10%) 33部
(アデカコールEC4500 、旭電化社製)
・水 25部
上述した青、黒、赤の各ロイコ染料分散液に対し、上述した顕色剤分散液、増感剤分散液、滑剤分散液、再結晶防止剤分散液、炭酸カルシウム分散剤、PVA10%溶液、界面活性剤、水を混合することにより、発色色相が青、黒、赤と異なる水分散感熱インキを作製する。
各水分散感熱インキの粘度は、30〜40cps(東京計器社製、E型粘度計で測定)、表面張力は約30mN/m(クルス社製、K12−Mk5表面張力計で測定)以下に調整した。特に凹版による印刷は、インキの表面張力が大きいと印刷版にインキが入らないため、界面活性剤等でインキの表面張力を小さくする必要がある。
これらの水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版150線、セル深さ40μmの腐食版によりインキ受理層3上に印刷し、図1に示すような感熱記録媒体1(但し、この時点では、発色補助層5を設ける前)を作製した。この感熱記録媒体1において、4aが青色に発色する感熱発色層、4bが黒色に発色する感熱発色層、4cが赤色に発色する感熱発色層である。
ここで、印刷状態の確認のため、作製した感熱記録媒体1を130℃のオーブン内に5分間放置し、感熱発色層4a、4b、4cを発色させたところ、印刷時の泳ぎは若干発生したが、図12に示したような泳ぎによる縞模様Aは発生せず、ほぼ均一な印刷面となった。インキ受理層3は水分散感熱インキの吸収性が良いので、水分散感熱インキが乾燥する前にインキ受理層3に水分散感熱インキが吸収され、インキ受理層3と感熱発色層4a、4b、4cが一体的に形成されることにより、ほぼ均一な印刷面が得られるものと考えられる。
◎発色補助層の形成
・顕色剤分散液(固形分40%) 37.5部
(D-8、中京油脂社製、商品名:F-647)
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 2.5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI-103)
・水 38.5部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した水分散インキを、感熱発色層4(4a、4b、4c)の上にバーコーターで乾燥後の重量が1.5g/mとなるように塗布し、発色補助層5を形成した。
さらに、発色補助層5の上に保護層(OCA−5:日本化薬社製)をバーコーターにより乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布してサンプル(参考例1の感熱記録媒体)を得た。このサンプルを京セラ社製サーマルヘッドKBE−56−8MGK1、印字周期5msec/line、印字duty70%、印加電圧10〜16V(1V単位)で変化させたときの発色感度、OD値(発色濃度)を測定した。その測定結果を図8に示す。
印刷の「泳ぎ」はインキ受理層3を設けているので、感熱発色層4a、4b、4cは問題にならない程度である。感度は、後述する比較例1とほぼ同じであるが、発色補助層5に顕色剤を添加しているので発色濃度がアップし、ボイドが減少した。なお、評価は黒色に発色する感熱発色層4bの部分で行った。比較例1(後述)は発色補助層5が無い点が参考例1と異なり、他の点は参考例1と同じである。参考例1は、比較例1に比べて発色感度はあまり変わらないが、飽和濃度が向上(飽和濃度が約0.2程度向上)した。これは、発色補助層5に含まれる顕色剤が、感熱発色層4(4a、4b、4c)の発色に寄与しているためで、顕色剤を含む発色補助層5を設けることにより、発色補助層5に添加された顕色剤がインキ受理層3の内部奥深くまで浸透せずに感熱発色層4の表面側(加熱側)に多量に存在するので、発色に寄与すると考えられる。
参考例2>
参考例1で説明した発色補助層5には顕色剤を添加したが、参考例2の発色補助層5では顕色剤に代えて感熱発色層4の感熱感度を向上させる増感剤を添加した。他の構成は参考例1と同じである。即ち、基材2上に参考例1で説明したインキ受理層3を形成し、このインキ受理層3上に参考例1で説明した各水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に下記に示す発色補助層5を形成した。
◎発色補助層の形成
・増感剤分散液(固形分30%) 50部
(HS-3520 、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL-3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 2.5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI-103)
・水 26.25部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した水分散インキを、感熱発色層4の上にバーコーターで乾燥後の重量が1.5g/mとなるように塗布して発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
参考例2において作製した感熱記録媒体1を用いて、参考例1と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。図8に示すように、後述する比較例1(発色補助層5なし)と比較して、飽和濃度の変化はないが、発色補助層5に添加した増感剤により感度が向上(サーマルヘッドの印加電圧を約1V下げても同程度の発色濃度が得られる)している。これは、発色補助層5に含有された増感剤がインキ受理層3の内部奥深くまで浸透することなく感熱発色層4の表面側に存在し、発色感度を向上させていると考えられる。
参考例3>
参考例1では発色補助層5に顕色剤を添加し、参考例2では発色補助層5に増感剤を添加したが、この参考例3では、発色補助層5に顕色剤と増感剤との両方を添加した。他の構成は参考例1、参考例2と同じである。即ち、基材2上に参考例1で説明したインキ受理層3を形成し、このインキ受理層3上に参考例1で説明した各水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に下記に示す発色補助層5を形成した。
◎発色補助層の形成
・顕色剤分散液(固形分40%) 37.5部
(D-8、中京油脂社製、商品名:F-647)
・増感剤分散液(固形分30%) 50部
(HS-3520、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL-3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI-103)
・水 65部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した水分散インキを、感熱発色層4の上にバーコーターで乾燥後の重量が1.5g/mとなるように塗布して発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
参考例3において作製した感熱記録媒体1を用いて、参考例1、2と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。図8に示すように、後述する比較例1(発色補助層5なし)と比較して、顕色剤の作用により飽和濃度が約0.1〜0.15向上し、増感剤により感度が約2V程度向上している。これは、発色補助層5に添加された顕色剤および増感剤がインキ受理層3の内部奥深くまで浸透せずに感熱発色層4の表面側に存在し、発色濃度、発色感度を向上させていると考えられる。
<比較例1>
比較例1は、既に説明したように、参考例1(又は、参考例2、3)の感熱記録媒体1において、発色補助層5を設けない状態の感熱記録媒体である。この比較例1の感熱記録媒体を用いて、参考例1〜3と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図8に示す。この比較例1では、発色補助層5が無いので、飽和するのに必要な印加電圧は14〜15V、飽和濃度は1.08であった。参考例1〜3に比べ、飽和濃度が薄いか、又は、発色感度が低いことがわかる。これは、インキ受理層3に浸透した水分散感熱インキは、インキ受理層3の比較的表層側に位置している部分だけが発色に貢献しているためと考えられる。
<実施例4>
実施例4の感熱記録媒体1は、インキ受理層3の構成が参考例1と異なり、他の構成は参考例1と同じである。
◎インキ受理層の形成
・焼成カオリン(インキ受理層3の顔料) 100部
(白石カルシウム社製、商品名:カオカル)
・親水性シリカ(インキ受理層3の顔料) 11部
(東ソー・シリカ工業製、商品名:NipsilE-220A)
・分散剤:ポリアクリル酸ソーダ 1部
・水 318部
上記組成物をホモジナイザーで分散し、親水性シリカの顔料分散液を作製した。そしてこの顔料分散液に、
・スチレン・ブタジエン共重合ラテックス 56部
(JSR 製、48 %SBR 分散液)
・リン酸エステル化デンプン 37部
(日本食品化工製、商品名:MS-4600、20%水溶液)
・顕色剤分散液(固形分40%) 97部
(D-8、中京油脂社製、商品名:F-647)
・滑剤分散液(固形分30%) 41部
(ステアリン酸亜鉛、中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ-7-30)
・再結晶防止剤分散液(固形分35%) 26部
(DH43、中京油脂社製、商品名:ハイドリンF-165)
を加え、ホモジナイザーで分散混合し、インキ受理層3の塗工液を作製した。
この塗工液を坪量65g/mの基材(上質紙)2に、バーコーターで乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布することにより、インキ受理層3を基材2上に形成した。この実施例4の感熱記録媒体1における他の構成、即ち、感熱発色層4および発色補助層5の構成は参考例1と同じであり、インキ受理層3上に参考例1の水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34 μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に参考例1と同じ発色補助層5(顕色剤を含有する発色補助層)を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
実施例4において作製した感熱記録媒体1を用いて、上述した参考例1〜3と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図9に示す。比較例2(後述)は、発色補助層5が無い点が実施例4と異なり、他の点は実施例4と同じである。実施例4は、比較例2と比較して、発色感度はそれほど変化していないが、参考例1と同様に飽和濃度が約0.2程度向上した。これは、参考例1と同じ理由であると考えられる。なお、参考例1と比べ、インキ受理層3にも顕色剤が含まれているので、参考例1よりも濃度が濃くなる。
<実施例5>
実施例5は、実施例4で説明したインキ受理層3を用い、その他の構成は参考例2と同じである。即ち、実施例5では、実施例4で説明したインキ受理層3(顕色剤を含有するインキ受理層)に、参考例1〜3で使用した水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に参考例2で説明した発色補助層5(増感剤を含有する発色補助層)を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
実施例5において作製した感熱記録媒体1を用いて、上述した参考例1〜3、実施例4と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図9に示す。実施例5は、比較例2(後述)と比較して、飽和濃度はそれほど変化が無いが、参考例2と同様に発色感度が、サーマルヘッドの印加電圧を約1〜2V下げても同程度の発色濃度が得られる程度に向上した。これは、参考例2と同じ理由であると考えられる。
<実施例6>
実施例6は、実施例4で説明したインキ受理層3を用い、その他の構成は参考例3と同じである。即ち、実施例6では、実施例4で説明したインキ受理層3(顕色剤を含有するインキ受理層)に、参考例1〜3で使用した水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に参考例3で説明した発色補助層5(顕色剤と増感剤とを含有する発色補助層)を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
実施例6において作製した感熱記録媒体1を用いて、上述した参考例1〜3、実施例4、5と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図9に示す。実施例6は、比較例2(後述)と比較して、発色濃度、発色感度とも向上していることがわかる。これは、参考例3と同じ理由であると考えられる。
<比較例2>
比較例2は、既に説明したように、実施例4(又は、実施例5、6)の感熱記録媒体1において、発色補助層5を設けない状態の感熱記録媒体である。この比較例2の感熱記録媒体を用いて、実施例4〜6と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を上述した比較例1とともに図9に示す。インキ受理層3に顕色剤を添加しても比較例1とほぼ同程度の感度および濃度しか得られないことがわかる。これは、インキ受理層3の奥深くに存在する顕色剤は、あまり発色に寄与していないと推定できる。
<実施例7>
実施例7の感熱記録媒体1は、感熱発色層4の構成以外は、実施例4と同じである。なお、実施例4のインキ受理層3には、顕色剤が添加されている。
◎感熱発色層の形成
・ロイコ染料分散液(固形分30%) 50部
青(CVL、山本化成社製)
黒(ODB-2、山本化成社製)
赤(Vermilion-DCF、保土谷化学社製)
ロイコ染料分散液は、水に分散剤としてゴーセランL-3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、ロイコ染料をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・BI−103(固形分30%) 3部
(ハイマ化成社製)
・界面活性剤(固形分10%) 1部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述した青、黒、赤の各ロイコ染料分散液に、BI-103樹脂溶液、界面活性剤を混合することにより、発色色相が青、黒、赤と異なる水分散インキを作製する。
実施例7では、実施例4で示したインキ受理層3上に上記で示した各色の水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例4と同じ発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
実施例7において作製した感熱記録媒体1を用いて、参考例1〜3、実施例4〜6と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図10に示す。比較例3(後述)と比較して、発色開始電圧等はそれほど変化していないが、参考例1、実施例4と同様に飽和濃度が0.2程度向上した。これは、参考例1、実施例4と同じ理由であると考えられる。
<実施例8>
実施例8の感熱記録媒体1は、感熱発色層4の構成以外は実施例5と同じであり、感熱発色層4は実施例7と同じである。
実施例8では、実施例5で示したインキ受理層3上に、実施例7で示した水分散インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例5と同じ発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
実施例8において作製した感熱記録媒体1を用いて、参考例1〜3、実施例4〜7と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図10に示す。比較例3(後述)と比較して、発色感度がサーマルヘッドの印加電圧を約0.5〜1V下げても同程度の発色濃度が得られる程度向上した。これは、参考例2、実施例5と同様の理由と考えられる。
<実施例9>
実施例9の感熱記録媒体1は、感熱発色層4の構成以外は実施例6と同じであり、感熱発色層4は実施例7と同じである。
実施例9では、実施例6で示したインキ受理層3上に、実施例7で示した水分散感熱インキを簡易グラビア印刷機(松尾産業製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷して感熱発色層4を形成し、その上に実施例6と同じ発色補助層5を形成し、その上にバーコーターにより保護層(OCA−5:日本化薬社製)を乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布し、感熱記録媒体1を得た。
実施例9において作製した感熱記録媒体1を用いて、参考例1〜3、実施例4〜8と同様に感熱発色層4bの発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図10に示す。比較例3(後述)と比較して、発色感度がサーマルヘッドの印可電圧を約1.5V下げても同程度の発色濃度が得られる程度向上し、飽和濃度が約0.3程度向上した。これは、参考例3、実施例6と同様の理由と考えられる。
<比較例3>
比較例3は、実施例7(又は、実施例8、9)の感熱記録媒体1において、発色補助層5を設けない状態の感熱記録媒体である。この比較例3の感熱記録媒体を用いて、実施例7〜9と同様に感熱発色層4b(黒色)の発色感度、発色濃度を測定した。その測定結果を図10に示す。比較例3では、実施例7〜9と比較して、発色感度又は発色濃度が劣っていることがわかる。
なお、実施例7〜9のインキ受理層3には顕色剤が添加されているが、実施例7、9に関しては、インキ受理層3への顕色剤の添加を省略してもよい。実施例7、9でインキ受理層に添加されている顕色剤を省略しても、発色補助層5に添加されている顕色剤により、比較例3より発色特性(発色感度、発色濃度)が勝っていた。これは、インキ受理層3よりも発色補助層5に添加される顕色剤がより効果があることを示している。
また、上述した各実施例では、発色補助層5をバーコーターにより形成しているが、塗布量が感熱発色層4より少ないので、印刷法(例えば、グラビア印刷法)で形成してもよい。
<評価方法>
試作した実施例、比較例の発色感度、発色濃度の測定は、以下の方法で行った。
◎テストプリンタの仕様は以下の通りである。
サーマルヘッド:京セラ社製KBE−56−8MGK1(200DPI)
抵抗値:1213Ω
印字周期:5msec/line
通電時間:3.5msec(印字duty70%)
印加電圧:10〜16V(0.288〜0.738mJ/dot)
通常のプリンタに比べ、押圧を弱く設定し、発色補助層5の効果が明確になるようにした。そのため、印加エネルギー的にはやや多目にして実験した。
◎測定内容:印字されたサンプルをマクベス反射濃度計RD−19でOD値を測定し、図8〜図10のグラフに示した。
また、図11に示すように、実際の印字内容を目視観察した。なお、図11は、参考例3と比較例1の印加電圧13〜16Vの印字例である。
図11で示すように、参考例3の方が同一の印加電圧では、発色濃度が濃いことがわかる。例えば、実際に印字条件が15Vと同じ条件であった場合、比較例1のサンプルではボイドが多く見られるが、発色補助層5を設けることにより、ボイドがない実用レベルに達していることがわかる。このように、高感度化、高濃度化することにより、同一条件で印字してもボイド等の問題が緩和される。
感熱発色層4を基材2の表面に直接印刷法で形成すると、「泳ぎ」が発生しやすくなる。この「泳ぎ」を減じるためにインキ受理層3を設けると感度低下および濃度低下が生じるが、発色補助層5を設けることにより感度低下、濃度低下を改善できる。
本発明の一実施の形態の感熱記録媒体を示す平面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 感熱記録媒体への印字状態を示す平面図である。 感熱記録媒体の変形例を示す断面図である。 感熱記録媒体の他の変形例を示す断面図である。 感熱記録媒体の他の変形例を示す断面図である。 感熱記録媒体の他の変形例を示す断面図である。 参考例1〜3と比較例1との発色特性を示すグラフである。 実施例4〜6と比較例1、2との発色特性を示すグラフである。 実施例7〜9と比較例3との発色特性を示すグラフである。 参考例3と比較例1との印字例を示す写真である。 基材上にグラビア印刷で水分散感熱インキを印刷した場合における縞模様の発生状態を示す写真である。
符号の説明
1 感熱記録媒体
2 基材
3 インキ受理層
4a、4b、4c 感熱発色層
5 発色補助層

Claims (3)

  1. 基材上に電子受容性化合物を含んでいるインキ受理層を形成する工程と、
    少なくとも電子受容性化合物と電子供与性化合物とを含む顔料成分を水に分散させた水分散感熱インキを版を用いた印刷法により前記インキ受理層に含浸させ、前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、
    少なくとも電子受容性化合物と前記感熱発色層の感熱感度を向上させる増感剤との一方を含む発色補助層を前記感熱発色層上に形成する工程と、
    を有する感熱記録媒体の製造方法。
  2. 基材上に電子受容性化合物を含んでいるインキ受理層を形成する工程と、
    少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを版を用いた印刷法により前記インキ受理層に含浸させ、前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、
    少なくとも電子受容性化合物を含む発色補助層を前記感熱発色層上に形成する工程と、を有する感熱記録媒体の製造方法。
  3. 基材上に少なくとも電子受容性化合物を含むインキ受理層を形成する工程と、
    少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを版を用いた印刷法により前記インキ受理層に含浸させ、前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、
    少なくとも前記感熱発色層の感熱感度を向上させる増感剤を含む発色補助層を前記感熱発色層上に形成する工程と、
    を有する感熱記録媒体の製造方法。
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