JP4312698B2 - 波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワーク設計方法 - Google Patents

波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワーク設計方法 Download PDF

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Description

本発明は,波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの設計方法及び,この方法を用いた光伝送ネットワークに関する。
多様なマルチメディアサービスを時間や場所に制約されずに利用するためのブロードバンドインターネット時代のインフラとして,光を用いた大量の情報を高速かつ安価に伝送できるフォトニックネットワーク技術が必須である。
特に,1本の光ファイバで波長の異なる複数の光信号を多重化して通信するWDM (Wavelength Division Multiplexing)技術が急速に発展している。しかしながら,WDM伝送技術を用いた光伝送システムでは,光伝送装置の多段接続に伴う雑音光累積,光ファイバの波長分散・偏波分散・非線形効果など,複雑な物理現象によって信号到達性が支配される。
上記物理現象のうち,光雑音の累積と並んで光信号の品質を大きく左右するものは,波長毎に異なる伝送速度の相違に基づく波長分散である。光伝送路ファイバは,固有の波長分散特性を有しているが,波長分散が累積すると光信号波形に歪が生じ,ついには信号の識別に誤りが発生する。
かかる不都合を防ぐ目的で,光伝送路ファイバ中に波長分散補償器を置いて波長分散を補償することが行われる。一般的に最もよく用いられる波長分散補償器は,分散補償ファイバ(DCF: Dispersion Compensating Fiber)である。伝送路ファイバとは逆符号の波長分散特性を有している。
しかし,仮に分散補償器を用いたとしても,伝送距離が長いことにより累積分散に誤差が大きくなる場合や,非線形効果が大きく受信端局側における分散許容範囲(分散トレランス)が狭くなる場合には,波形歪が顕著となり信号品質が低下する恐れがある。これにより結局,設計自体が破綻してしまうという問題がある。
そこで有用と考えられるのが,波長多重可変分散補償器である。波長多重可変分散補償器としては,ファイバブラッググレーティングやエタロン,平面光波回路を用いたものなどが提案されている。なかでも特に有望なものとしてVIPA(Virtually Imaged Phased Array)技術を応用したバイパ型波長多重可変分散補償器が提案されている(非特許文献1)。
このような波長多重可変分散補償器を用い,光伝送ネットワークにおける信号到達性に関して高い信頼性を持たせつつ,設備導入費用を最小にするために光伝送装置の配置を最適化することが考えられる。しかし,その最適化のための設計作業には多くの時間と労力が必要である。
そして,かかる設計作業は,以下の課題を考慮して行われる。
網設計上の課題として,
1)全てのパスの残留分散を分散トレランス内に収める必要がある。
2)光伝送ネットワークのコスト及び,伝送帯域特性上の理由から波長多重可変分散補償器の個数を少なくする。
装置立ち上げ/運用上の課題として,
3)波長多重用伝送路中(in-line)における波長多重可変分散補償器の設定及び制御方法をどのようにすべきか,
4)特に,伝送路途中(in-line)に光分岐挿入装置(OADM)/波長クロスコネクト装置(WXC)がある場合の波長多重可変分散補償器の設定はどのようにするか,
5)伝送路がリング接続の時に波長多重可変分散補償器の設定手順をどうするか,
である。
ここで,全てのパスの残留分散を分散トレランス内に収めることに関して,関連技術として,光通信システムにおける分散補償方法が提案されている(特許文献1)。この方法は,ノード相互区間の残留分散目標値が,送信側及び受信側の終端ノード間の残留分散目標値を基準にして,ノード区間及び,ノード区間相互区間におけるスパン数と前記送信側及び受信側の終端ノード間の総スパン数の比率に比例するように設定ものである。
また,可変分散補償器を用いて波長分散を補償する方法が提案されている(特許文献2)。ここでは,複数の光信号の少なくとも一つに関連する波長分散を検出するステップと,検出された波長分散が小さくなるように波長分散スロープ量が制御される可変分散補償器を備えることを提示している。
しかし,いずれの特許文献にも可変波長分散器を配置する位置を効果的に求める方法については開示がない。
"Dispersion Compensation Using The Virtually Imaged Phased Array" by M. Shirasaki et al., APCC/OECC'99, pp.1367-1370 特開2003−318825号公報 特開2002−57622号公報
したがって,本発明の目的は,上記網設計上の課題に対する施策として,波長多重される全ての波長に対し一括して配置するための,波長多重可変分散補償器の最適化配置を支援するネットワーク設計方法を提供することにある。
また,本発明の目的は,前記ネットワーク設計方法により得られた波長多重可変分散補償器の最適化配置に対応する装置立ち上げ時の分散値設定方法及び,これに用いる送信端局側及び分散値設定の対象となる波長多重可変分散補償器の配置されるノードの好ましい構成を提供することにある。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第1の態様として波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの設計方法であって,光伝送ネットワークの設定条件を入力し,前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求め,前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合,それぞれの配置パターンにおいて,前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求め,隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求め,前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に配置パターンを優先順にソートし,前記ソートされた所定順位までの配置パターンを,配置される波長多重可変分散補償器に対する分散修正量を求める詳細設計の対象とすることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第2の態様として第1の態様において,前記配置パターンのソートされる優先順位が同じである場合は,前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値の大きい順とすることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第3の態様として第1の態様において,前記入力される光伝送ネットワークの設定条件は,端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって,サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと,各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値である伝送特性と,端局であるか,光分岐挿入装置(OADM)であるか,あるいは光増幅中継器(ILA)であるか等の情報である局舎条件を含む
ことを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第4の態様として第1又は第2の態様において,前記詳細設計における分散修正量として,全ての波長,全ての経路に関して,残留分散目標と累積分散値の二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を求めることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第5の態様として第1又は第2の態様において,前記詳細設計により,伝送可であれば,当該優先順の配置パターン以下の優先度の配置パターンについての詳細設計処理を省略することを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第6の態様として第5の態様において,前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンは,多重された複数の波長に対して共通であり,前記詳細設計により,前記多重された複数の波長の全てについて伝送可であるかが判断されることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第7の態様として第1又は第2の態様において,前記波長多重可変分散補償器は,前記光伝送ネットワークの伝送路において,波長信号を分岐するノードに置かれることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの設計方法は,第8の態様として前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める処理に先立って,波長多重可変分散補償器の配置を無しとする条件で,伝送可であるか否かを判定し,伝送可であれば,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める処理以降の処理を省略することを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークは,その第1の態様として,送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークであって,前記複数のノードのいずれかに配置される波長多重可変分散補償器に対し,光伝送ネットワークの設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求め, 前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合,それぞれの配置パターンにおいて,前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求め,隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求め,前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に配置パターンを優先順にソートし,前記ソートされた所定順位までの配置パターンを対象とする詳細設計により求めた分散修正量が設定されていることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークは,その第2の態様として,その第1の態様において,前記配置パターンのソートされる優先順位が同じである場合は,前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値の大きい順であることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークは,その第3の態様として,その第1の態様において,前記光伝送ネットワークの設定条件は,端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって,サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと,各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値である伝送特性と,端局であるか,光分岐挿入装置(OADM)であるか,あるいは光増幅中継器(ILA)であるか等の情報である局舎条件を含むことを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークは,その第4の態様として,その第1又は第2の態様において,前記詳細設計における分散修正量として,全ての波長,全ての経路に関して,残留分散目標と累積分散値の二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を求めることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する光伝送ネットワークの立ち上げ方法は,送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの立ち上げ方法であって,前記複数のノードの内,波長多重可変分散補償器が配置されるノードに,送信端局側から所定周波数の分散測定信号を送り,前記波長多重可変分散補償器の出力側で,前記分散測定信号の波長成分のみ選択してパワーを測定し,前記測定されるパワーが最小値となるように前記波長多重可変分散補償器の分散量を調整し,ついで,光伝送ネットワークの設計方法の前記第1乃至7の態様のいずれかの方法において求められる分散修正量を前記波長多重可変分散補償器に設定することを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムにおいて,前記送信端局は,2入力の1出力を切り替え制御される切り替えスイッチと,所定周波数のNRZ矩形波信号を生成し,前記所定周波数の2倍のクロックの1,0の交番信号を測定信号として出力する測定信号発生回路と,測定モードと通常モードを保持するモード保持回路と,前記測定信号発生回路により,前記切り替えスイッチを通常モードとする時は前記測定信号と同じ周波数の伝送信号を,測定モードとする時は前記測定信号を出力する様に制御し,前記切り替えスイッチから出力される前記測定信号を入力し,駆動信号を生成する駆動増幅器と,前記駆動増幅器の出力により,レーザの発光を光強度変調する変調器を有し,前記変調器の出力を測定信号として送出する回路を有し,前記複数のノードのうち波長多重可変分散補償器が配置されるノードは,
前記波長多重可変分散補償器に対し,予め所定の分散値を設定する制御回路と,前記送信端局側から送られる分散測定信号を,前記波長多重可変分散補償器を通して受信し,前記受信された分散測定信号のビットレート周波数成分のみを抽出するフィルタと,前記フィルタの出力のビットレート周波数におけるスペクトル強度をモニタするパワーモニタを有し,前記制御回路は,前記パワーモニタによりモニタされるスペクトル強度が最小値となるように前記波長多重可変分散補償器の分散量を調整することを特徴とする。
本発明の特徴は,更に以下に図面に従い説明される発明の実施の形態例から明らかになる。
本発明により,与えられたトポロジー・トラヒック要求に対して,全てのパスの信号品質到達性を保証しつつ,設備費用が最も少なくなるような最適な波長多重可変分散補償器の配置とその設定値を決定することができる。これにより設備コストの低い網設計を行うことが容易となる。また,設計結果を利用して,少ない手順で精度よく装置運用状態に立ち上げることが可能となる。
以下に,図面に従い,本発明の実施の形態例を説明する。なお,図に示される実施の形態例は,本発明の理解のためのものであり,本発明の技術的範囲が,これに限定されるものではない。
一般的に光伝送ネットワークシステムは,あらかじめ設置されている局舎に配置される線形中継装置(1R:Repeating),再生中継装置(3R:Regenerating,Retiming, Reshaping),光分岐挿入装置(OADM:Optical Add & Drop)等の装置と,それらを結ぶ光伝送路ファイバで構成される。
線形中継装置(1R)は,光伝送路ファイバによる信号の減衰を補償するため,受信した光信号の強度を増幅する装置である。線形中継装置(1R)の主信号に混入した雑音も信号増幅により繰り返し増幅・累積される。
そのため,主信号の信号対雑音比が劣化して受信側で再生不可能にならないように,適切な頻度で再生中継装置(3R)を備え,信号再生を施し,信号対雑音比の劣化を防止する必要がある。
再生中継装置(3R)は,受信した多重信号を再生器(Regenerating)によりチャネル毎に電気信号に変換し,クロック再生と再識別を行ったのち,再び電気信号から光信号へ変換して送出するものである。一般的には,再生中継装置(3R)は,波長多重した光信号を1波長チャネル毎に分離したのち各チャネルに対して行い,再び波長多重化することによって実現される。
図1は,本発明の光伝送ネットワークの設計方法の対象となる送信側端局(SEND TM)と受信側端局(REC TM)間を結ぶ光ネットワークシステムの一例を示す図であり,送受信端局間を複数の光伝送路区間A,B,C・・・で結び,ネットワーク伝送路途中に,光増幅中継器(ILA:In Line Amp)や光分岐挿入装置(OADM:Optical Add Drop Multiplexer)が配置されている。光増幅中継器(ILA)は,線形中継装置(1R)と固定分散補償器(DC:Dispersion Compensator)を有する装置である。
図2は,光分岐挿入装置(OADM)を説明する図である。光分岐挿入装置(OADM)は,波長多重化された光信号(WDM)に対して,クライアント信号として終端すべき波長チャネルを分離(Drop)したり,クライアント側から伝送要求があった波長チャネルを波長多重信号の一部として追加(Add)したりする。
この時,必要であれば同時に再生器による信号再生,再生信号増幅(3R)も行う。また,接続される波長多重伝送路ファイバ対の方路数が2を超える場合,光分岐挿入装置(OADM)はハブ(HUB),多方路光分岐挿入装置,波長クロスコネクト装置(WXC)などと呼ばれることもある。
なお,図1に示すネットワーク構成は,波長クロスコネクト装置(WXC)を経由したものであっても同様である。図3は,波長クロスコネクト装置(WXC)を説明する図であり,複数のWDM信号(WDM1〜WDMn)を入力し,WDM信号のまま所定のクロスコネクトパスを経由して出力する。したがって,かかる波長クロスコネクト装置(WXC)を経由する場合であっても図1と同様に,1対1端局間を結ぶ光伝送ネットワークとして扱うことができる。
本発明は,ネットワーク設計方法として,かかるあらかじめ設定される光伝送ネットワークに対し,最適に即ち,どのような位置(サイト)に,どのような補償値を設定するように波長多重可変分散補償器(VDC:Variable Dispersion Compensator)を設置すればよいかを効果的に求める方法を提供するものである。
ここで,波長多重可変分散補償器としてVIPA型波長分散補償器の構成を例にして補償量の可変の仕組みを簡単に説明する。但し,本発明は,かかるVIPA型波長分散補償器に適用が限定されるものでないことは言うまでもない。
図4は,VIPA型波長多重可変分散補償器の構成を示す図である。この構成は、光サーキュレータ40,光ファイバ41,コリメーティングレンズ42,セミシリンドリカルレンズ(ラインフォーカシングレンズ)43,VIPA(Virtually Imaged Phased Array)ガラスプレート44,フォーカシングレンズ45及び,3次元自由局面ミラー46とを光軸上にこれらの順に配置して構成される。
光サーキュレータ40はポート40A,40B及び40Cを有しており、ポート40Aに供給されたWDM光をポート40Bから出力し、ポート40Bに供給された光をポート78Cから出力するように機能する。したがって、ポート40A及び40Cをそれぞれ入力及び出力として用いることができる。
ガラスプレート44の入力側の面の上部44A,下部44B及び出力側の面44Cの反射率は、例えば、それぞれ100%,0%及び98%に設定されており、セミシリンドリカルレンズ43によるビームウエストが概ね面44Cに位置するように設定されている。
尚、VIPAの付加的な詳細については、M. Shirasaki etal., "Dispersion Compensation Using The Virtually Imaged Phased Array",APCC/OECC'99, pp.1367-1370に記載されている。
図4の構成においては、フォーカシングレンズ45と3次元自曲面ミラー46の間の距離を固定にし,フォーカシングレンズ45とガラスプレート44との間の距離を変化させることによって、波長分散量を可変にすることができる。
図5は,ネットワーク設計方法を実行するマネージメントシステムの例である。データベース2に本発明のネットワーク設計方法の実行に必要なデータが格納されている。
格納されたデータをコンピュータ1により以下の実施例フローに従う処理を実行し,本発明に従うネットワーク設計方法が実現される。ネットワーク設計方法の実行の結果は,コンピュータ1のモニターに表示され,また必要によりプリンタ3に出力される。
ここで,データベース2に格納されるデータについて説明すると,次のようなものである。
第1に,図6に示すような分散トレランスデータベースである。信号ビットレート(10Gb/s,40Gb/s)毎に,ファイバーの種類毎に用意され,サイト毎に上限許容分散値(Max)と下限許容分散値(Min)を結ぶ線で表される。
図6に示す例では,サイト5で波長λ1,λ2,λ3の光信号が分岐され,サイト10で波長λ4,λ5が分岐され,サイト15で波長λ6の光信号が分岐される条件を示している。
したがって,例えば,波長λ1,λ2,λ3についての分散値が,サイト5において上限許容分散値(Max)と下限許容分散値(Min)の範囲内にあることが要件であることが理解できる。
図7は,ファイバー分散値D(x)のデータベースである。ファイバー毎に伝送路特性として,図7に示すように,波長分散係数の波長依存性が,5次多項式で表されている。
図8は,固定波長分散補償器データベースである。波長分散の依存性が同様に5次多項式で表され,略50ps/nm毎に異なる分散補償量の複数の固定波長分散補償器のデータが用意される。
次にかかる種類のデータベースに基づき本発明に従うネットワーク設計方法の処理手順について説明する。
図9,図10は,本発明に従うネットワーク設計方法の処理フロー(その1,その2)である。設計が開始されると,前提として,設計者により光伝送ネットワークの設定条件として網トポロジー,伝送路特性,局舎条件をデータベース2に格納する(処理工程P1)。
網トポロジーは,端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって,サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す情報である。
伝送路特性は,本発明に関係するものとして,各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値である。既にファイバーが敷設されている場合,現地に行って測定する。あるいは,データベース2に会社製品毎のファイバ波長分散係数が登録されているので,サイト間の既知距離に単位長さあたりの波長分散係数を乗じて波長分散値を求める。その結果,先に図6に示した分散トレランスデータベースが得られる。
局舎条件は,端局であるか,OADMであるか,あるいはILAであるか等の情報である。たとえば,図6に示した分散トレランスデータベースにおいて,サイト5,10,15は,OADMが配置されるサイトであることを示す情報等である。
ついで,波長多重可変分散補償器(VDC)を挿入する最適位置を求める処理として,波長多重可変分散補償器(VDC)を追加する毎に得られる設置パターンとして,優先度の高い所定数の配置パターンについて伝送可となるまで繰り返し判定する(処理工程P2S〜P2E間の繰り返し)。
この場合,設置される波長多重可変分散補償器(VDC)の数が少ないほど,ネットワークにおいて好ましい。
したがって,初期値として波長多重可変分散補償器(VDC)の数を(=0)に設定して,評価する(処理工程P2S)。
処理工程P3は,波長多重可変分散補償器(VDC)配置パターンの抽出処理である。サイト数Nsiteのうち,Nvdc箇所に波長多重可変分散補償器(VDC)を配置するパターンを優先順位に列挙する(処理工程P3)。
この処理工程P3の詳細は,図11,図12の波長多重可変分散補償器(VDC)配置パターンの抽出詳細フロー(その1,その2)に示される。
図11において,初めは初期値=0とされているので(処理工程P30,Y),「どこにも波長多重可変分散補償器(VDC)が配置されていないという」波長多重可変分散補償器(VDC)配置パターンを抽出し(処理工程P31),直接VDC配置パターンのループ処理(処理工程P4S〜P4E間の繰り返し)に移行する。
図9に戻り,VDC配置パターンのループ処理において,先ず,先にデータベース2に格納されている網トポロジー,伝送路特性,局舎条件及び,図9,図10に示すフローで求めたVDC配置パターンを詳細設計処理(処理工程P6)に通知する(処理工程P5)。
詳細設計処理は,図13,図14に示すようである。図13は,波長多重可変分散補償器(VDC)の数Nvdcが“0”の時の詳細設計処理であり,図14は,波長多重可変分散補償器(VDC)の数Nvdcが1以上の時の詳細設計処理である。
初期値としてNvdc=0に設定した場合は,図13の処理が行われる。
ここで,図13において,Nvdc=0のときの制御は,設計シーケンス制御100に従って,ノード装置種選択アルゴリズム110,固定波長分散補償器選択アルゴリズム120,波長分散特性アルゴリズム140,光増幅器選択アルゴリズム150及び,Q値計算アルゴリズム160が関与する。可変分散補償量決定アルゴリズム130は,図14において,本発明の特徴として,Nvdcが1以上の時に関与する。これらのアルゴリズムは,マネージメントユニットに実装されたソフトウエアまたはファームウエアにより実行される。
図13において,網設計者により先に入力され保存されている網トポロジー,光伝送路特性及び局舎条件を基に,GUIによりVDCなしの条件が入力されると,設計シーケンス制御100により,ノード装置種選択をノード装置種選択アルゴリズム110に指示する(ステップS1)。
ノード装置種選択アルゴリズム110は,先の網トポロジー,光伝送路特性及び局舎条件を基に各ノードに必要な機器を選択する。
図15は,本発明方法の実行の過程で作成されるVDC配置のための表(テーブル)の例である。テーブルは,各波長λ1,λ2,・・・λnに対して作成される。
網トポロジーによって,(I)サイト名(Site name),A,B,C,D,E,F・・・が特定され,更にサイト毎に(II)装置の型(Site type)がテーブルに記載される。図15に示す例では,サイトAに端末(Term)が,サイトB,C,Dに中間増幅器(ILA)が,サイトD,Eに光分岐挿入装置(OADM)が配置される例を示している。図6に示したように,光信号が分岐されるサイトにおいては,光分岐挿入装置(OADM)の配置が必要である。
次いで,設計制御シーケンス100に従って固定波長分散補償器選択アルゴリズム120に波長分散補償器選択を指示する(ステップS2)。
ここで,各サイトに使用される伝送路ファイバーの波長分散値特性は,図7に示したように何れのファイバーメーカーによって製造されたファイバーであるかによりその特性が異なる。したがって,先に入力される図7のファイバー分散データベースから各サイトにおいて敷設されているファイバーがどのような分散特性かが判定される。このようなファイバー毎の伝送路特性に基づき求められたサイト毎の波長分散値(III)が図15に示すテーブルに設定される。
図15に示す例では,波長λ1に関して,サイトA,B,C,D,E,Fに対し,波長分散値(ps/nm)が,0,402,366,251,455,510に設定されている。例えば,サイトE欄に示される波長分散値“455”は,波長λ1に関してサイトD−E間のファイバーの分散値であって,顧客データから取得あるいは,ファイバーデータベース(図7参照)から得られた値である。
図15において,分散トレランスの(IV)上限値(upper)と下限値(lower)が各サイトについて示されている。これら上限値(upper)と下限値(lower)は,先に図6において示した分散トレランスデータベースから求められる値であり,上限値(upper)は,サイトAから伝送開始した該当波長λ1の信号の該当するサイトにおける分散トレランス上限値である。下限値(lower)は,サイトAから伝送開始した同様の該当波長λ1の信号の該当するサイトにおける分散トレランス下限値である。
さらに,ターゲット残留分散値(V)は,サイトAから伝送開始した信号の該当するサイトにおける最適残留分散量であり,これも分散トレランスデータベースから求められる値である。
図13に戻り,固定波長分散補償器選択アルゴリズム120により,設定されたサイト毎の波長分散値をキャンセルする値に近い固定波長分散補償器を選択する。図8において説明したように固定波長分散補償器は,100ps/nm単位で用意されるので,図15に示す例では,サイトB,C,D,Fに対し,−400,−400,−300,−500の波長分散補償量の固定波長分散補償器が選択されている(図15,VI参照)。
すなわち,波長分散補償量(IV)は,該当のサイトに配置された固定波長分散補償器の分散を示し,固定波長分散補償器選択により選択された補償器の該当波長における特性を図8に示したデータベースから取得されたものである。
なお,図15において,サイトEに関して,固定波長分散補償器が示されていないのは,後に説明するように波長多重可変分散補償器に対する補償量(図15,VII)により置き換えられているためである。
可変分散量(VII)は,可変分散補償量決定により決定され,波長λ1〜λNに亘り連動して変化する。
次いで,設計シーケンス制御100は,分散特性計算アルゴリズム140に対し,分散特性計算を指示する(ステップS3)。分散特性計算により累積分散値(VIII)が求められる。
累積分散値(VIII)は,波長分散量(III)と固定波長分散量(IV)と,前段サイトまでの累積分散値(VIII)を加算したものである。
さらに,この累積分散値(VIII)が分散トレランス(IV)の上限値と下限値の範囲にあるかを判断して,分散特性合否をGUIを介して網設計者に通知する(ステップS3A)。なお,累積分散値(VIII)は,実際の計算過程では,各種誤差が想定されるので,正負のマージンを加味して求められる。図15に示す表に示される累積分散値(VIII)は,典型例の値を示している。
また,設計シーケンス制御100に従い,光増幅器の選択指示が光増幅器選択アルゴリズム150に指示される(ステップS4)。さらに,Q値計算アルゴリズム160に対し,選択された増幅器により伝送可であるか否かの判断の指示が送られる(ステップS5)。
これに対応て計算された受信信号の品質を表すQ値を基に伝送可であるか否かがGUIを介して網設計者に通知される(ステップS5A)。
上記のような詳細設計処理(処理工程P6)において,分散特性合否の通知(ステップS3A)及び,伝送可否の判定結果の通知(ステップS5A)を受けると,図10の処理フローにおいて,伝送可の場合(処理工程P7,Y),その時点で設計を終了する(処理工程P8)。
伝送可でなく(処理工程P7,N),且つ分散特性が可である場合は(処理工程P9,Y),電気信号に変換して中継する機能(3R)が必要となる(処理工程P10)。
分散特性が否である場合(処理工程P9,N)は,波長多重可変分散補償器(VDC)を一つ加える処理を行い(処理工程P2E),処理工程P2SのVDC数Nvdcのループの始まりに戻る(図9)。
次に,VDC数Nvdc≧1である場合を考える。かかる場合,VDC配置パターンは複数のサイト数Nsiteに依存して複数存在することになる。したがって,図11に戻り,複数のサイト数Nsiteに対して,Nvdc個のVDCを配置する全パターンの組み合わせ(NsiteNvdc)を抽出する。
本発明の特徴は,処理を効率化するべく,これらの複数の波長多重可変分散補償器(VDC)の配置の全組み合わせパターンを優先度順に並べる。
すなわち,各VDCの配置パターンのVDCノードについて,次の処理を行う(処理工程P33S〜P33E)。
先に図13のフローにより説明した「Nvdc=0の設計で配置された固定波長分散補償器の補償量」の合計値Zを求める(処理工程P34)。
次いで,隣接するVDC配置ノード間の距離の分散σを計算する(処理工程P35)。
かかる処理工程P34及び35を繰り返して全てのVDC配置パターンについて行う(処理工程P33S−P33E)。
次に,VDCの配置パターンを|Z|を基準に降順にソートする。さらに, |Z|の大きさが同じ場合は,距離の分散σの照準でソートする(処理工程P36)。
このようにソートしたものに対し,予め設定したパターン数MでVDC配置パターンを打ち切る(処理工程P37)。
本発明では,優先度の大きいパターン数Mに対し,次の処理工程P4S−P4Eの詳細設計の対象が絞られるので,設計時間を短縮すること可能である。
処理工程P37に続き,処理工程P4S−P4E(図9,図10)に移行すると,Nvdc=0の場合の処理と基本的に同様であるが,詳細設計(処理工程P6)において,Nvdc≧1の処理(図14)が対象となる。
Nvdc≧1の処理(図14)において,ステップS1’〜S5A’までの処理は,Nvdc=0の処理(図13)におけるステップS1〜S5Aの処理と同様である。
異なる処理は,VDCの配置パターンに従い配置される波長多重可変分散補償器の分散補償量を決定するために,設定シーケンス制御100により可変分散補償量決定アルゴリズム130に対して,可変分散補償量決定の指示が送られる(ステップS6)。
これに対応して分散特性計算アルゴリズム140に対し,仮分散特性計算の指示が送られる(ステップS7)。分散特性計算アルゴリズム140は分散補償量を求め,可変分散補償量決定アルゴリズム130に対し,分散補償量を通知し,VDCの配置パターンに従い配置される波長多重可変分散補償器に分散補償量が設定される(ステップS7A)。
例えば,図15は,波長多重可変分散補償器をサイトEに設置する配置パターンを示す,このときの波長多重可変分散補償器に対する分散修正量として“−256”が設定されている(図15,VII参照)。
ここで,波長多重可変分散補償器における可変分散修正量決定のアルゴリズムを説明する。
図15の表について,次の条件で線形計画法を適用することにより,可変分散補償量を決定する。
目的関数として,全ての波長・全ての経路に関して残留分散目標(V)と累積分散値(VIII)の二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を求める。
但し,条件として,(a)Rx-y(λ)(分散判定結果:decision result)が,採りうる全てのx,y,λに対して伝送可(OK)となること(但し,x,yは,OADM,WXCあるいはTERMが置かれるサイトである),(b)波長多重可変分散補償器の分散補償量Vx(λ)が,全てのx,λについて許容トレランス範囲内にあることが必要である。
このようにして,図9,図10のフローにおいて,詳細設計(処理工程P6)について,Nvdc≧1の回数分の処理の過程で,伝送可か否か(処理工程P7),分散特性は可か否か(処理工程P9)の判断を行う。
上記可変分散補償量を決定する条件(a),(b)を満たす場合は,図10において,設計完了(処理工程P8)となる。
反対に,上記可変分散補償量を決定する条件(a),(b)を満たさない場合は,図10において,解なし(処理工程P10)となる。この場合は,電気信号に変換して再生中継をする3R構成の装置を備える必要がある。
以上説明したように,本発明のネットワーク設計方法により波長多重される,全ての波長に対し一括して配置するための,波長多重可変分散補償器の最適化配置を得ることができる。その際,固定波長分散補償器の補償量の合計値|Z|が大きい配置パターン及び,隣接する波長多重可変分散補償器が配置されるノード間の距離の分散σが大きい所定数の配置パターンに制限して,伝送可及び,分散特性を許容範囲内とする配置パターンを見出す処理を行うことにより設計処理時間を短縮することができる。
次に,上記のとおり,本発明に従う設計方法により,波長多重可変分散補償器が配置されるノード(以下VDCノードという)と,各VDCノード通過後の残留分散値を決定している。したがって,かかる設計に得られた条件値を実際にシステムに設定することが必要である。
図16は,かかる設計に得られた条件値を実際にシステムに設定する必要性を示す図である。
送信端局(SEND TM)と受信端局(REC TM)とを結ぶネットワークの伝送路上の3つの箇所に波長多重可変分散補償器(VDC)が設置される構成である(図16A)。これに対応してそれぞれの波長多重可変分散補償器(VDC)ノードを通過後の累積分散値が与えられている。
ここで,システム設計どおりでなく,累積分散値に誤差を含んでいることが想定される。あるいは,設置するべく用意した波長多重可変分散補償器(VDC)の設定量が設計値と異なっている場合が想定される。かかる場合,受信端局において,波長分散誤差が累積して許容トレランスから外れ,信号受信が困難となることも想定される。
したがって,本発明は,システム設定におけるかかる不都合を回避するための,波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散補償量の設定の方法において更に特徴を有するものである。
図17は,かかる本発明に従うシステム設定方法の手順を示すシーケンス図である。図17において,架前端末又はネットワークマネジメントシステム(NMS)200から事前設計により得られた設定情報(各VDC通過後の残留分散目標値)をフロー制御部210に送る。
フロー制御部210は,設置されたそれぞれの波長多重可変分散補償器(VDC)のVDC制御部(図17には,送信機230に近い側の第1の波長多重可変分散補償器(VDC)のVDC制御部260と,第2の波長多重可変分散補償器(VDC)の第2のVDC制御部290が図示されている)にVDC残留分散目標値設定を指示する(ステップS111,S112〜S11n)。
次いで,架前端末又はネットワークマネジメントシステム(NMS)200からVDC調整開始をフロー制御部210に指示する(ステップS12)。これに対応して,フロー制御部210は,送信機制御部220を通して送信端局(SEND TM)の送信機230を分散測定モードに設定する(ステップS13)。
同時に,フロー制御部210は,WXC/OADM制御部240を通して(ステップS14),WXC/OADMスイッチ250を送信機230から送出される測定信号のチャネルのみ通過するように切り替え設定する(ステップS15)。
これにより,送信機230から送出される測定信号は,設置された全ての波長多重可変分散補償器(VDC)を経由して受信端局(REC TM)まで通過することができる(ステップS16)。
かかる準備の後,フロー制御部210は,送信機210に近い波長多重可変分散補償器(VDC1)から順に設定開始を指示し(ステップS17),一の波長多重可変分散補償器(VDC)の通過後の分散値設定が完了する(ステップS21A)と,次の波長多重可変分散補償器(VDC)の設定に移行する。
そして,一の波長多重可変分散補償器(VDC)として,第1の波長多重可変分散補償器(VDC1)を例にすると,フロー制御部210からのVDC1設定開始指示(ステップS17)が,第1のVDC制御部260を通して第1のVDC270に通知される(ステップS18)。第1のVDC制御部260は,同時に第1の零分散モニタ280に対し,モニタ開始を指示する(ステップS19)。
第1の零分散モニタ280は,検知した零分散点を第1のVDC制御部260に通知する(ステップS20)。これにより,第1のVDC制御部260は,該当の波長多重可変分散補償器(VDC)に対して事前設計により求められた分散値を設定する(ステップS21)。かかる設定完了がフロー制御部210に通知される(ステップS21A)。
一の波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散値の設定が完了すると,送信機230に近い順に他の波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散値設定が同様に行われる。
全ての波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散値設定が完了すると,送信機220に対する分散測定モードを解除し(ステップS22),VDC調整が終了する(ステップS23)。
ここで,波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散値設定の方法として,種々提案されているが,いずれも特別な仕組みを要するものでありシステムとしてのコストアップを余儀なくするものである。たとえば,波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散値設定の方法に関する従来技術として,たとえば,次の様なものがある。
特開2000−321171号公報に記載の発明では,波長変調を用いて分散を測定するものであり,測定信号を送出する送信機は波長変調のために特別の仕組みが必要であり,構成が複雑となる。また,受信側には基準タイミング信号生成回路が特別に必要である。
特開2000−346748号公報に記載の発明では,分散測定装置を用意し,運用中のパイロットトーンを用いて分散測定をするものである。パイロットトーン用の変調回路と疑似ランダム信号発生器と相関器が必要であり,複雑となる。また精度よくするためには十分波長の離れた二つの送信光源が必要となるため,運用形態に著しい制限が課される。
特開2001−119344号公報に記載の発明では,交番位相反転パルスを信号光として用いつつ可変分散補償器を調整して特定のRF周波数成分を最小にするものである。
交番位相化のための光変調器が必要であり,送信機が複雑であり,また変調器の光挿入損失が増大するために送信光パワーも低下するというデメリットがある。
また,特開2001―211122号公報に記載の発明では,受信した信号波形のRF パワーとその一部の周波数成分のRFパワーとの比をとって運用中に分散測定するものである。高周波のパワー分割器,パワー測定器二台,比較器等が必要である。
特開2001−339345号公報に記載の発明では,光デュオバイナリ方式の光信号の伝送中に,受信RF信号の特定周波数成分が極値をとるように制御するものであるが,光デュオバイナリ方式の送信機が必要である。
さらに,特開11−068657号公報に記載の発明では,運用中にRF周波数のビットレート成分が極小となるように制御するものであり,低周波での可変分散補償器を変調する手段が必要である。
この様に,波長多重可変分散補償器(VDC)に対する分散値設定の方法として従来例では構成が複雑或いは特殊な手段が要求されるものである。よって,本発明は,かかる点に鑑みて,小型,簡易な構成で累積分散のゼロ点を発見する手段を提供する。
すなわち,図18は,上記の図17のシステム設定における送信機230の機能を実現する本発明に従う一構成例ブロック図である。
2入力1出力を有し,2:1に切替制御されるスイッチ30の一方の入力に10Gb/sの伝送信号が入力される。他方の入力には,測定用信号発生回路31から出力される5GHzのNRZ矩形波により10Gb/sの1,0の交番信号が,測定用信号として入力される。
制御回路32は測定モードと通常モードとを保持するフリップフロップ33を制御する。したがって,制御回路32によりフリップフロップ33が測定モードを保持するようにセットされると測定用信号発生回路31からの出力である測定用信号が2:1スイッチ30のA入力端子に入力する。反対に制御回路32によりフリップフロップ33が通常モードを保持するようにセットされると,伝送信号が2:1スイッチ30のD入力端子に入力される。
これにより,測定モード時は,2:1スイッチ30から10Gb/sの1,0の交番信号が出力され光変調器駆動増幅器34に入力される。光強度変調器35は,レーザ36の発光を光変調器駆動増幅器34の駆動信号に対応して光変調する。したがって,光強度変調器35から5GHzの光信号が分散測定信号として出力され,送信機230から受信端局(REC TM)に送信される。
図19は,送信機230から受信端局(REC TM)間の事前設計された位置に配置される波長多重可変分散補償器(VDC)の零分散モニタ280の構成例ブロック図である。
送信機230から送られる分散測定信号は,波長多重可変分散補償器(VDC)に入力され,波長多重可変分散補償器(VDC)の出力側に備えられる分波器50により分岐され,光電変換器51により電気信号に変換される。
帯域フィルタ52によりビットレート周波数を選択し,RFパワーモニタ53によりビットレート周波数におけるスペクトル強度をモニタする。制御回路54は,RFパワーモニタ53の出力を入力し,波長多重可変分散補償器(VDC)の分散補償量をスイープして,RFパワーモニタ53の出力が最小となる補償量を探索する。このときのRFパワーモニタ53の出力は,図20に示される如くになり,RFパワーモニタ53の出力が最小となる補償量で残留分散は零となる。
記憶回路55には,事前設計で求めた該当の波長多重可変分散補償器(VDC)に対して設定すべき残留分散値が保持されている。したがって,残留分散が零となった補償量に,当該チャネルの波長に対する記憶回路55に記憶されている設定すべき残留分散値を演算回路56で加算し,その結果を制御回路54により,波長多重可変分散補償器(VDC)に対し,最終的な補償量として設定する。
なお,図19において,光帯域フィルタ57は,適宜,分散測定信号波長のみを選択して測定ダイナミックレンジを改善するために備えられる。
上記の様に,本発明においては波長多重可変分散補償器の設定のために,送信端局における送信用変調器として,最も一般的なNRZ矩形波出力回路31に最小限の論理回路機能(モード保持フリップフロップ33,2:1スイッチ20等)を追加することにより,小型,簡易な構成で累積分散のゼロ点を発見する手段が提供される。特に,送信用変調器にNRZ矩形波出力回路31を内蔵することによりシステムのコストアップとなることはない。
(付記1)
波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの設計方法であって,
光伝送ネットワークの設定条件を入力し,
前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求め,
前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合,それぞれの配置パターンにおいて,前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求め,
前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に配置パターンを優先順にソートし,
前記ソートされた所定順位までの配置パターンを,配置される波長多重可変分散補償器に対する分散修正量を求める詳細設計の対象とする
ことを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記2)付記1において,
前記配置パターンのソートされる優先順位が同じである場合は,隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求め,
前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値の小さい順とすることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記3)付記1において,
前記入力される光伝送ネットワークの設定条件は,
端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって,サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと,
各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値と,
端局であるか,光分岐挿入装置(OADM)であるか,あるいは光増幅中継器(ILA)であるか等の情報である局舎条件を含む
ことを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記4)付記1又は2において,
前記詳細設計における分散修正量として,全ての波長,全ての経路に関して,残留分散目標と累積分散値の二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を求めることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記5)付記1又は2において,
前記詳細設計により,伝送可であれば,当該優先順の配置パターン以下の優先度の配置パターンについての詳細設計処理を省略することを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記6)付記5において,
前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンは,多重された複数の波長に対して共通であり,前記詳細設計により,前記多重された複数の波長の全てについて伝送可であるかが判断されることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記7)付記1又は2において,
前記波長多重可変分散補償器は,前記光伝送ネットワークの伝送路において,波長信号を分岐するノードに置かれることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記8)付記1において,
前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める処理に先立って,波長多重可変分散補償器の配置を無しとする条件で,伝送可であるか否かを判定し,
伝送可であれば,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める処理以降の処理を省略することを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
(付記9)
送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークであって,
前記複数のノードのいずれかに配置される波長多重可変分散補償器に対し,
光伝送ネットワークの設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求め,
前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合,それぞれの配置パターンにおいて,前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求め,
隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求め,
前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に配置パターンを優先順にソートし,
前記ソートされた所定順位までの配置パターンを対象とする詳細設計により求めた分散修正量が設定されている
ことを特徴とする光伝送ネットワーク。
(付記10)付記9において,
前記配置パターンのソートされる優先順位が同じである場合は,前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値の小さい順であることを特徴とする光伝送ネットワーク。
(付記11)付記9において,
前記光伝送ネットワークの設定条件は,
端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって,サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと,
各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値である伝送特性と,
端局であるか,光分岐挿入装置(OADM)であるか,あるいは光増幅中継器(ILA)であるか等の情報である局舎条件を含む
ことを特徴とする光伝送ネットワーク。
(付記12)付記9又は10において,
前記詳細設計における分散修正量として,全ての波長,全ての経路に関して,残留分散目標と累積分散値の二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を求めることを特徴とする光伝送ネットワーク。
(付記13)
波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの設計プログラムであって,
コンピュータに,
光伝送ネットワークの設定条件を入力する手順と,
前記設定条件に基づき,前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める手順と,
前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合,それぞれの配置パターンにおいて,前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求める手順と,
前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に配置パターンを優先順にソートする手順と,
前記ソートされた所定順位までの配置パターンを,配置される波長多重可変分散補償器に対する分散修正量を求める詳細設計の対象とする手順を
実行させるためのプログラム。
(付記14)付記13において,
前記配置パターンを優先順にソートする手順によりソートされた前記配置パターンの優先順位が同じである場合は,更にコンピュータに隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求める手順を実行させ,
前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値の小さい順とすることを特徴とする光伝送ネットワークの設計プログラム。
(付記15)付記13において,
前記入力される光伝送ネットワークの設定条件は,
端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって,サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと,
各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値と,
端局であるか,光分岐挿入装置(OADM)であるか,あるいは光増幅中継器(ILA)であるか等の情報である局舎条件を含む
ことを特徴とする光伝送ネットワークの設計プログラム。
(付記16)付記13又は14において,
前記分散修正量を求める詳細設計の対象とする手順における分散修正量として,全ての波長,全ての経路に関して,残留分散目標と累積分散値の二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を求めることを特徴とする光伝送ネットワークの設計プログラム。
(付記17)
送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの立ち上げ方法であって,
前記複数のノードの内,波長多重可変分散補償器が配置されるノードに,送信端局側から所定周波数の分散測定信号を送り,
前記波長多重可変分散補償器の出力側で,前記分散測定信号のビットレート周波数成分のみ選択してパワーを測定し,
前記測定されるパワーが最小値となるように前記波長多重可変分散補償器の分散量を調整し,
ついで,請求項1乃至7のいずれかの方法において求められる分散修正量を前記波長多重可変分散補償器に設定する
ことを特徴とする光伝送ネットワークの立ち上げ方法。
(付記18)
送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムにおける前記複数のノードのうち波長多重可変分散補償器が配置されるノードであって,
前記波長多重可変分散補償器に対し,予め所定の分散値を設定する制御回路と,
前記送信端局側から送られる分散測定信号を,前記波長多重可変分散補償器を通して受信し,前記受信された分散測定信号のビットレート周波数成分のみを抽出するフィルタと,
前記フィルタの出力のビットレート周波数におけるスペクトル強度をモニタするパワーモニタを有し,
前記制御回路は,前記パワーモニタによりモニタされるスペクトル強度が最小値となるように前記波長多重可変分散補償器の分散量を調整する
ことを特徴とする波長多重可変分散補償器が配置されるノード。
(付記19)
送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムにおいて,
前記送信端局は,2入力の1出力を切り替え制御される切り替えスイッチと,
所定周波数のNRZ矩形波信号を生成し,前記所定周波数の2倍のクロックの1,0の交番信号を測定信号として出力する測定信号発生回路と,
測定モードと通常モードを保持するモード保持回路と,
前記測定信号発生回路により,前記切り替えスイッチを通常モードとする時は前記測定信号と同じ周波数の伝送信号を,測定モードとする時は前記測定信号を出力する様に制御し,
前記切り替えスイッチから出力される前記測定信号を入力し,駆動信号を生成する駆動増幅器と,
前記駆動増幅器の出力により,レーザの発光を光強度変調する変調器を有し,
前記変調器の出力を測定信号として送出する回路を有し,
前記複数のノードのうち波長多重可変分散補償器が配置されるノードは,
前記波長多重可変分散補償器に対し,予め所定の分散値を設定する制御回路と,
前記送信端局側から送られる分散測定信号を,前記波長多重可変分散補償器を通して受信し,前記受信された分散測定信号のビットレート周波数成分のみを抽出するフィルタと,
前記フィルタの出力のビットレート周波数におけるスペクトル強度をモニタするパワーモニタを有し,
前記制御回路は,前記パワーモニタによりモニタされるスペクトル強度が最小値となるように前記波長多重可変分散補償器の分散量を調整する
ことを特徴とする波長多重伝送システム。
上記に図面に従い説明したように,本発明により全てのパスの信号品質到達性を保証しつつ,設備費用が最も少なくなるような最適な波長多重可変分散補償器の配置とその設定値を決定することができる。これにより設備コストの低い伝送システムを得ることができ,産業上寄与するところ大である。
本発明の光伝送ネットワークの設計方法の対象となる送信側端局と受信側端局間を結ぶ光ネットワークシステムの一例を示す図である。 光分岐挿入装置(OADM)を説明する図である。 波長クロスコネクト装置(WXC)を説明する図である。 VIPA型波長多重可変分散補償器の構成を示す図である。 ネットワーク設計方法を実行するマネージメントシステムの例を示す図である。 分散トレランスデータベースを説明する図である。 ファイバー分散値D(x)のデータベースをの例を説明する図である。 固定波長分散補償器データベースを示す図である。 本発明に従うネットワーク設計方法の処理フロー(その1)である。 本発明に従うネットワーク設計方法の処理フロー(その2)である。 波長多重可変分散補償器(VDC)配置パターンの抽出詳細フロー(その1)である。 波長多重可変分散補償器(VDC)配置パターンの抽出詳細フロー(その2)である。 波長多重可変分散補償器(VDC)の数Nvdcが“0”の時の詳細設計処理を示す図である。 波長多重可変分散補償器(VDC)の数Nvdcが1以上の時の詳細設計処理を示す図である。 本発明方法の実行の過程で作成されるVDC配置のための表(テーブル)の例を示す図である。 設計に得られた条件値を実際にシステムに設定する必要性を示す図である。 本発明に従うシステム設定方法の手順を示すシーケンス図である。 図17のシステム設定における送信機230の機能を実現する一構成例ブロック図である。 送信機230から受信端局(REC TM)間の事前設計された位置に配置される波長多重可変分散補償器(VDC)の零分散モニタ280の構成例ブロック図である。 RFパワーモニタの出力の例を示す図である。
符号の説明
1 コンピュータ
2 データベース
3 プリンタ
ILA 中間増幅器
OADM 光分岐挿入装置
VDC 波長多重可変分散補償器
SEND TM 送信端局
REC TM 受信端局

Claims (14)

  1. コンピュータを用いた、波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの設計方法であって、
    前記光伝送ネットワークは、複数のノードスパンを有し、前記複数のノードスパンについて波長分散が均一ではなく、前記コンピュータに入力される光伝送ネットワークの設定条件に基づき、
    前記コンピュータに、
    光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める工程と
    前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合、それぞれの配置パターンにおいて、前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求める工程と
    前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に前記複数の配置パターンを降順に優先順位付ける工程と
    前記優先順位付けされた所定順位までの配置パターンについて詳細設計の対象とし、前記詳細設計により求めた分散補償量を、配置される波長多重可変分散補償器に対して設定する工程を、
    実行させることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  2. 請求項1において、
    前記コンピュータに、前記優先順位付ける工程において、
    前記配置パターンのソートされる優先順位が同じである場合は、隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求
    前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散の大きさの小さい順に、前記優先順位が同じである配置パターンに対して順位付ける工程を実行させることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  3. 請求項1において、
    前記入力される光伝送ネットワークの設定条件は、
    端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって、サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと、
    各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値と、
    端局であるか、光分岐挿入装置(OADM)であるか、あるいは光増幅中継器(ILA)であるかの情報である局舎条件を含む
    ことを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  4. 請求項1又は2において、
    前記詳細設計における分散補償量として、全ての波長、全ての経路に関して、残留分散目標と累積分散値との二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を線形計画法の適用により求めることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  5. 請求項1又は2において、
    前記詳細設計により、受信信号品質を表すQ値に基き伝送可であれば、該当の優先順位の配置パターン以下の優先度の配置パターンについての詳細設計処理を省略することを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  6. 請求項5において、
    前記設定条件に基づき、前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンは、多重された複数の波長に対して共通であり、前記詳細設計により、前記多重された複数の波長の全ての波長及び全ての線路について前記伝送可であるかが判断されることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  7. 請求項1又は2において、
    前記波長多重可変分散補償器は、前記光伝送ネットワークの伝送路において、波長信号を分岐するノードに置かれることを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  8. 請求項1において、
    前記設定条件に基づき、前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める処理に先立って、波長多重可変分散補償器の配置を無しとする条件で、受信信号品質を表すQ値に基き伝送可であるか否かを判定し、
    伝送可であれば、前記光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める処理以降の処理を省略することを特徴とする光伝送ネットワークの設計方法。
  9. 波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの設計プログラムであって、
    前記光伝送ネットワークは、複数のノードスパンを有し、前記複数のノードスパンについて波長分散が均一ではなく、コンピュータに入力される光伝送ネットワークの設定条件に基づき、
    前記コンピュータに、
    光伝送ネットワークに波長多重可変分散補償器を設置する配置パターンを求める工程と、
    前記求められる波長多重可変分散補償器を配置する配置パターンが複数である場合、それぞれの配置パターンにおいて、前記波長多重可変分散補償器が置かれるノードに固定分散補償器を配置した時の固定分散値の合計を求める工程と、
    前記求めた固定分散値の合計の絶対値の大きさを基準に前記複数の配置パターンを降順に優先順位付ける工程と、
    前記優先順位付けされた所定順位までの配置パターンについて詳細設計の対象とし、前記詳細設計により求めた分散補償量を、配置される波長多重可変分散補償器に対して設定する工程を、
    実行させる光伝送ネットワークの設計プログラム。
  10. 請求項において、
    前記配置パターンを優先順位付ける手順により優先順位が同じである場合は、更に前記コンピュータに、隣接して置かれる波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散値を求める工程を実行させ、
    前記求めた波長多重可変分散補償器の配置間距離の分散の大きさの小さい順に、前記優先順位が同じである配置パターンに対して順位付ける工程を実行させることを特徴とする光伝送ネットワークの設計プログラム。
  11. 請求項において、
    前記入力される光伝送ネットワークの設定条件は、
    端局間を結ぶネットワーク上にどのようなサイトが幾つあって、サイトとサイトの区間(スパン)がどのように伝送路ファイバーにより繋がっているかを示す網トポロジーと、
    各サイト間を繋ぐ伝送路ファイバーの波長分散値と、
    端局であるか、光分岐挿入装置(OADM)であるか、あるいは光増幅中継器(ILA)であるかの情報である局舎条件を含む
    ことを特徴とする光伝送ネットワークの設計プログラム。
  12. 請求項9又は10において、
    前記分散補償量を求める詳細設計の対象とする工程における分散修正量として、全ての波長、全ての経路に関して、残留分散目標と累積分散値との二乗平均平方根(RMS)を最小とする値を線形計画法の適用により前記コンピュータに求めさせることを特徴とする光伝送ネットワークの設計プログラム。
  13. 送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続され、前記複数のノード間の波長分散が均一ではなく、波長多重伝送システムを適用した光伝送ネットワークの立ち上げ方法であって、
    前記複数のノードの内、波長多重可変分散補償器が配置されるノードに、送信端局側から所定周波数の分散測定信号を送る工程と
    前記分散測定信号が送られたノードにおいて、
    前記波長多重可変分散補償器の出力側で、前記分散測定信号のビットレート周波数成分のみ選択してパワーを測定する工程と
    前記測定されるパワーが最小値となる前記波長多重可変分散補償器の分散量を求める工程と
    ついで、前記求めた分散量と請求項1乃至7のいずれかの方法において求められる分散補償量を加算して前記波長多重可変分散補償器に設定する工程を
    有することを特徴とする光伝送ネットワークの立ち上げ方法。
  14. 送信端局と受信端局間が複数のノードを通して接続される波長多重伝送システムにおける前記ノードの波長多重可変分散補償器に分散補償量を設定する方法であって、
    前記ノードにおいて、
    請求項1乃至7のいずれかの方法において求められた分散補償量を記憶回路に記憶させる工程と
    前記波長多重可変分散補償器に対し、制御回路により予め所定の分散値を設定する工程と
    前記送信端局側から送られる分散測定信号を、前記波長多重可変分散補償器を通して受信し、前記受信された分散測定信号のビットレート周波数成分のみをフィルタにより抽出する工程と
    前記フィルタの出力のビットレート周波数におけるスペクトル強度をパワーモニタによりモニタする工程と
    前記制御回路により、前記パワーモニタによりモニタされるスペクトル強度が最小値となる前記波長多重可変分散補償器の設定分散量を求め、前記求めた分散量に、前記記憶回路に記憶されている分散補償量を加算して、前記波長多重可変分散補償器に設定する分散補償量を求める工程と、
    前記求められた分散補償量を前記多重可変分散補償器に設定する工程を
    有することを特徴とするノードにおける多重可変分散補償器の分散補償量を設定する方法
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