JP5109923B2 - 光ネットワークにおける波長分散補償設計方法、および波長分散補償設計装置 - Google Patents

光ネットワークにおける波長分散補償設計方法、および波長分散補償設計装置 Download PDF

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Description

本発明は、光ネットワークにおける波長分散補償を設計する方法および装置に係わる。本発明は、例えば、光ネットワーク上に配置される複数の波長分散補償器の補償量の適正化を図るための設計方法および設計装置に適用可能である。
光ファイバを介して伝送される光信号の品質は、波長分散(Chromatic Dispersion)に依存する。このため、長距離光ファイバ伝送においては、波長分散の影響による光信号の波形劣化を抑圧するために、伝送路上に1または複数の波長分散補償器が設けられる。この場合、例えば、各波長の光信号が伝送されるパス(以下、「波長パス」)の残留波長分散が、受信端において分散トレランス内に収まるように、各波長分散補償器が調整される。したがって、これらの波長分散補償器の分散補償量の設計は、光信号の伝送品質を改善するために重要である。
光ネットワークの波長分散補償設計方法の1つとして、分散補償マップに従って補償量を決定する方法が提案されている。ここで通常、分散補償マップは任意の2点間に対して提供さる。本分散補償マップに従ってネットワーク中の波長分散補償器の分散補償量を設定することにより、上記任意の2点間を伝送する波長パスの波長分散の影響による波形劣化を抑えることが可能になる。しかし、この方法では、光伝送路に用いられる光ファイバの波長分散の設計値と実際の波長分散との誤差、あるいは波長分散補償器の補償量が離散的であることにより生じる誤差が存在し、その誤差の累積値は波長に依存する。また、近年の光波長分岐挿入ノード(OADM:Optical Add/Drop Multiplexer)や波長クロスコネクトノードが導入されたネットワークでは、そのネットワーク中の任意2点間に対して分散補償マップに従って波長分散補償器の補償量を設定したとしても、上記2点間中に含まれる別の任意2点間に設定された波長パスに対しては、最適な波長分散補償量に設定されない可能性がある。このため、光ネットワーク上で使用されるすべての波長に対して所望の分散マップに適合する波長分散補償を実現することは困難である。
図16は、従来技術における波長分散補償の設計方法を説明する図である。図16に示す光ネットワークは、光波長分岐挿入ノードA、D、G、Jを備える。光波長分岐挿入ノードA、D間には光中継ノードBおよびCが設けられ、光波長分岐挿入ノードD、G間には光中継ノードEおよびFが設けられ、光波長分岐挿入ノードG、J間には光中継ノードHおよびIが設けられている。そして、各ノードA〜Jは、それぞれ波長分散補償器を備えている。
上記光ネットワークにおいて、運用開始時に、光波長分岐挿入ノードA、J間に波長パス1を設定し、光波長分岐挿入ノードD、G間に波長パス2を設定するものとする。この場合、各光ノードの波長分散補償器の補償量は、波長パス1および波長パス2に対して最適化される。したがって、波長パス1を介して伝送される光信号は、光波長分岐挿入ノードAから光波長分岐挿入ノードJへ至る伝送路において波長分散の影響が抑圧される。波長パス2についても同様である。
特許文献1には、関連する技術が記載されている。すなわち、特許文献1に記載の波長分散補償設計方法においては、各ノードに到達した各パスの残留分散範囲が、すべてのパスに対して設定された許容残留分散範囲内となるように、各パスに設けられている波長分散補償器の補償量が決定される。この方法により、ポイント・ツー・ポイント伝送システ
ム或いはリング構成システムに対して、共通かつ定式化された、波長分散補償の最適化が実現される。
国際公開2005/006604
図16に示す設計方法では、波長パス1、2に対してだけ波長分散補償設計が実施される。換言すれば、他の区間についての波長分散は考慮されていない。具体的には、光波長分岐挿入ノードAと光波長分岐挿入ノードDとの間の区間(以下、「区間A−D」と呼ぶ)、区間A−G、区間D−J、区間G−Jについては、波長分散補償設計は実施されていない。このため、これらの区間に新たな波長パスを設定しようとした場合、その新たな波長パスの伝送特性が許容レベルを満たさないおそれがある。図16に示す例では、区間D−Jおよび区間G−Jの伝送特性が基準レベルよりも低くなっている。
なお、新たな波長パスの伝送特性が許容レベルを満たすようにするためには、各光ノードが備える波長分散補償器の補償量を再計算する必要がある。しかし、この場合、新たな波長パスだけでなく、先に設定されている波長パス1、2の伝送特性も考慮する必要があるので、波長分散補償器の補償量の再計算は複雑である。
この問題の解決策の1つとして、すべての区間の伝送特性がそれぞれ許容レベルを満たすように予め波長分散補償の設計をしておく方法も考えられる。しかし、複雑なトポロジの光ネットワークでは、すべての区間の伝送特性が同じ許容レベルを満たすように設計することは困難である。また、波長分散特性の優れた光ファイバ或いは性能の高い波長分散補償器を設ける構成は、ネットワークを構築するコストが上昇する。
本発明の課題は、既存の光パスおよび新たに設定すべき光パスの伝送品質が所定のレベルを満たすように、光ネットワーク上に設けられている複数の波長分散補償器の補償量を設計する方法を提供することである。
実施形態の波長分散補償設計方法は、光伝送路を介して接続された複数のノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する波長パスの波長分散補償を設計するために使用される。この方法は、前記光ネットワークの構成を表す光ネットワーク情報を入力する入力ステップと、1または複数の第1の波長パスに対して第1の優先度を与えると共に、1または複数の第2の波長パスに対して前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を与える付与ステップと、前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第1の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける残留波長分散目標値を設定する第1の設定ステップと、前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第2の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける許容残留波長分散範囲を設定する第2の設定ステップと、前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記光ネットワークが備える複数の波長分散補償器の補償量を決定する決定ステップ、を有する。
この方法によれば、優先度の高い第1の波長パスの残留波長分散は、目標値からの誤差が最小化されるように制御され、優先度の低い第2の波長パスの残留波長分散は、所定の範囲内に制御される。このとき、例えば、実際に光信号を伝送する経路に第1の波長を設定し、他の経路に第2の波長パスを設定しておけば、将来、新たな波長パスを設定する際に、その新たな波長パスの品質は大きく劣化することはない。
開示の方法によれば、既存の光パスおよび新たに設定すべき光パスの伝送品質が所定のレベルを満たすように、光ネットワーク上に設けられている複数の波長分散補償器の補償量を設計することができる。
図1は、実施形態の波長分残補償設計方法の概要を説明する図である。図1に示す光ネットワークは、光波長分岐挿入ノードA、D、G、Jを備える。各光波長分岐挿入ノードは、光波長分岐挿入器(OADM:Optical Add/Drop Multiplexer)を備え、波長ごとに光信号を分岐する機能および波長ごとに光信号を挿入する機能を提供する。光波長分岐挿入ノードA、D間には光中継ノードBおよびCが設けられ、光波長分岐挿入ノードD、G間には光中継ノードEおよびFが設けられ、光波長分岐挿入ノードG、J間には光中継ノードHおよびIが設けられている。各光中継ノードB、C、E、F、H、Iは、光信号を増幅する光増幅器を備えている。なお、光波長分岐挿入ノードA、D、G、Jも、光増幅器を備えるようにしてもよい。さらに、この実施例では、各ノードA〜Jは、それぞれ波長分散補償器を備えている。ただし、波長分散補償機は、必ずしもすべてのノードが備えている必要はない。
実施形態の設計方法では、各波長パス(または、区間)に対して優先度が付与される。「波長パス」は、光ネットワーク上の始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する。図1に示す光ネットワークでは、任意の1組の光波長分岐挿入ノード間に波長パスが設定され得る。そして、図1に示す例では、光波長分岐挿入ノードA、J間に波長パスH1が定義され、光波長分岐挿入ノードD、G間に波長パスH2が定義されている。波長パスH1、H2には高い優先度が付与されている。また、他の区間には、優先度の低い波長パスL1〜L4が定義されている。すなわち、光波長分岐挿入ノードA、G間に波長パスL1が定義され、光波長分岐挿入ノードA、D間に波長パスL2が定義され、光波長分岐挿入ノードD、J間に波長パスL3が定義され、光波長分岐挿入ノードG、J間に波長パスL4が定義されている。なお、波長パスL1〜L4は、光信号を伝送しない区間に対して仮想的に設定される波長パスを含むものとする。
各波長パスの優先度は、例えば、ユーザまたはシステム設計者により指定される。例えば、光ネットワークの運用開始時に実際に光信号を伝送する区間には、高優先度の波長パスが設定される。また、光信号を将来伝送する予定の区間には、低優先度の波長パスが設定される。あるいは、高優先度の波長パスが存在しないすべての区間に低優先度の波長パスを設定するようにしてもよい。このとき、高優先度の波長パスが複数のサブノード区間を含む場合は、各サブノード区間に対して低優先度の波長パスを設定するようにしてもよい。例えば、図1において、区間A−Gに高優先度波長パスが設定された場合、その区間A−G内には区間A−DおよびD−Gが存在する。この場合、区間A−Dに対して自動的に低優先度波長パスが設定される。なお、区間D−Gには、高優先度波長パスが設定されているものとする。
また、各波長パスの優先度は、例えば、予め決められた条件に従って自動的に決められるようにしてもよい。例えば、波長パスを介して伝送すべき光信号の速度が予め決められている閾値を越えている場合に、その波長パスに対して高い優先度を与えるようにしてもよい。この場合、伝送速度が閾値以下の波長パスに対して低い優先度が与えられる。
各ノードA〜Jに設けられている波長分散補償器の補償量は、以下の条件を満たすように決定される。
高優先度波長パス:各高優先度波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散目
標値を設定する。各高優先度波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散値と残留波長分散目標値との誤差を算出する。そして、すべての高優先度波長パスの誤差の和が最小化されるように、各波長分散補償器の補償量を決定する。図1に示す例では、波長パスH1、H2に対してそれぞれ残留波長分散目標値T1、T2が設定される。また、波長パスH1についてノードJにおける残留波長分散値D1が算出され、波長パスH2についてノードGにおける残留波長分散値D2が算出される。さらに、波長パスH1について誤差Δ1(=D1−T1)が算出され、波長パスH2について誤差Δ2(=D2−T2)が算出される。この場合、各波長分散補償器の補償量を決定するための条件として「誤差Δ1および誤差Δ2の和を最小化する」が生成される。
低優先度波長パス:各低優先度波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散トレランスを設定する。各高優先度波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散値が残留波長分散トレランス内に収まることが制約条件として定義される。図1に示す例では、波長パスL1〜L4に対してそれぞれ波長分散トレランスが設定される。また、波長パスL1についてのノードGにおける残留波長分散値、波長パスL2についてのノードDにおける残留波長分散値、波長パスL3についてのノードJにおける残留波長分散値、波長パスL4についてのノードJにおける残留波長分散値が算出される。この場合、各波長分散補償器の補償量を決定するための条件として「波長パスL1〜L4の残留波長分散値がそれぞれ対応する波長分散トレランス内である」が生成される。
このように、実施形態の設計方法では、高優先度波長パスに対しては、残留波長分散が最適化されるので、実際に光信号を伝送する波長パスの伝送品質は良好である。また、低優先度波長パスであっても、所定の残留波長分散トレランスを満たしている。よって、低優先度波長パスを利用して新たな波長パスを設定すれば、その新たな波長パスの伝送品質が著しく劣化することはない。
図2は、実施形態の波長分散補償設計方法が使用される光ネットワークの構成および分散マップの一例を示す図である。この光ネットワークは、ノードN1〜N7を備える。各ノードN1〜N7は、波長分散補償器(DCM:Dispersion Compensation Module)をそれぞれ備えている。そして、各波長分散補償器に対して、それぞれ、補償量の候補が設定されている。図2では、例えば、ノードN5の波長分散補償器に対して、補償量の候補「−1000、−900、−800」が設定され、ノードN6の波長分散補償器に対して、補償量の候補「−200、−150」が設定され、ノードN7の波長分散補償器に対して、補償量の候補「−800」が設定されている。なお、ノードN1〜N7の動作は、例えば、ネットワーク管理システムNMSによって一元的に管理されている。
上記光ネットワークにおいて、波長パスWP1〜WP4が設定されている。波長パスWP1〜WP4は、それぞれ高優先度波長パスである。波長分散マップは、波長パスWP4について波長分散の状態を示している。この例では、ノードN5において「補償量=−800ps/nm」が選択され、ノードN6において「補償量=−150ps/nm」が選択され、ノードN7において「補償量=−800ps/nm」が選択されている。これにより、残留波長分散値「RD(4)」が得られる。また、波長パスWP4に対して、終端ノードであるノードN7における残留波長分散の目標値「Rdtarget(4)」が設定されている。そして、下式により、波長パスWP4についての残留波長分散誤差「Rderror(4)」が得られる。
Rderror(4)=RD(4)−Rdtarget(4)
波長パスWP1〜WP3についても、残留波長分散誤差RDerror(1)〜RDerror(3)が計算される。このように、高優先度波長パスについては、それぞれ、残留波長分散誤差が計算される。そして、これらの誤差の和が最小化されるように、各ノードの波長分散補償器の補償量が適切に選択される。
上記光ネットワークにおいて、高優先度波長パスが設定されていない各区間に対して、それぞれ低優先度波長パスが設定される。たとえば、ノードN1からノードN5を経由してノードN4に至る区間に、低優先度波長パスである波長パスWP5が設定される。図3は、波長パスWP5の波長分散マップの例である。ここでは、ノードN4において「補償量=−600ps/nm」が選択されている。なお、ノードN5においては、上述したように「補償量=−800ps/nm」が選択されている。これにより、残留波長分散値「RD(5)」が得られる。また、波長パスWP5に対しては、終端ノードであるノードN4における残留波長分散トレランス「RDtolerance(5)」が設定される。残留波長分散トレランスは、許容可能な残留波長分散の上限値および下限値により表される。同様に、他の低優先度波長パスに対しても、それぞれ残留波長分散トレランスが設定される。そして、後で詳しく説明するように、各低優先度波長パスの終端における残留波長分散値が、それぞれ対応する残留波長分散トレランス内に収まるように、各ノードの波長分散補償器の補償量が適切に選択される。
図4は、実施形態の波長分散補償設計方法を示すフローチャートである。このフローチャートは、例えば光ネットワークの設計時に、波長分散補償設計装置により実行される。波長分散補償設計装置は、コンピュータが波長分散補償設計プログラムを実行することにより実現される。
ステップS1では、光ネットワーク情報が入力される。ステップS2では、各波長パスの優先度が設定される。ステップS3では、各波長パスに対して、波長分散補償設計に使用するパラメータが設定される。ステップS4では、各波長分散補償器について、それぞれ補償量の候補を選択する。ステップS5では、ステップS4で得られた補償量の候補を利用して、各波長分散補償器の補償量を決定する。このとき、所定の制約条件の下で所定の目標関数の解を見つけることにより、各波長分散補償器の補償量が決定される。ステップS6では、ステップS5により設計された光ネットワークの伝送特性を評価する。
すべての波長パスの伝送特性が良好であれば、波長分散補償の設計を終了する。一方、伝送が良好でない波長パスが検出された場合には、ステップS7において、その波長パス上に存在する波長分散補償器の補償量の組合せを除外するための制約条件を生成し、ステップS5に戻る。以降、ステップS6の伝送特性の評価が成功するまで、ステップS5〜S7が繰り返し実行される。以下、各ステップの処理を詳しく説明する。
<ステップS1>
ステップS1では、波長分散補償の設計のために必要な光ネットワーク情報が入力される。光ネットワーク情報は、例えば、光ネットワークの設計者により与えられ、波長分散補償設計装置を実現するコンピュータに入力される。光ネットワーク情報は、ネットワークトポロジ情報、ノード情報、スパン情報、波長パス情報を含む。
ネットワークトポロジ情報は、光ネットワーク上の各ノードの配置およびノード間の接続状態を表す情報を含む。ノード情報は、各ノードの種別または機能(例えば、OADMノード/光増幅中継ノード)を識別する情報を含む。なお、実施形態に係る光ネットワークにおいては、すべてのノードが波長分散補償器を備えていてもよいし、一部のノードのみが波長分散補償器を備えるようにしてもよい。後者の場合、ノード情報は、各ノードが波長分散補償器を備えているか否かを表す情報を含む。
スパン情報は、各スパンにおいて使用されている光ファイバに係わる情報(例えば、ファイバの種別、ファイバ長、波長分散値、伝送損失など)を含む。なお、この明細書においては、互いに隣接するノード間を接続する伝送路のことを「スパン」と呼ぶ。波長パス情報は、光ネットワーク上を伝送される各光信号の経路情報、伝送速度(例えば、2.4Gbps、10Gbps、40Gbps、100Gbps等)、波長情報、各ノードから出力される光信号の出力パワー情報を含む。なお、1本の波長パスを介してWDM信号が伝送される場合には、WDM光の標準波長に対応するパラメータが設定される。この標準波長は、例えば、WDM信号波長帯の中心波長である。
なお、実施形態の波長分散補償設計方法において入力される光ネットワーク情報は、上述の情報に限定されるものではなく、補償量の演算に用いるパラメータに関連する他の情報を含むようにしてもよい。
光ネットワーク情報は、例えば、グラフィカルユーザインタフェースGUIまたはキャラクタユーザインタフェースを利用して入力される。或いは、光ネットワーク情報および各種パラメータを格納しているファイルから一括して入力されるようにしてもよい。
<ステップS2>
ステップS2では、ステップS1において定義された各波長パスに対して、それぞれ優先度を設定する。この実施例では、「高優先度」または「低優先度」が設定されるが、3以上の優先度レベルが設定されるようにしてもよい。また、優先度情報は、設計者が個々の波長パスに対してGUIまたはCUIを利用して指定するようにしてもよいし、ファイルから一括して読み込むようにしてもよい。或いは、ステップS1で入力された光ネットワーク情報に基づいて、各波長パスに対して自動的に優先度が設定されるようにしてもよい。例えば、伝送速度が閾値(例えば、10Gbps)を越えている波長パスに対して高い優先度を付与し、伝送速度が閾値以下の波長パスに対して低い優先度を付与するようにしてもよい。
<ステップS3>
ステップS3では、各高優先度波長パスに対して、終端ノードにおける許容残留波長分散範囲(波長分散トレランス)および残留波長分散目標値が設定される。また、各低優先度波長パスに対して、終端ノードにおける許容残留波長分散範囲が設定される。
許容残留波長分散範囲は、各波長パスの経路情報、その経路上に存在するノードについてのノード情報、ファイバ情報、波長パスの信号種、光信号の各ノードからの出力パワー等に基づいて決定される。なお、許容残留波長分散範囲は、許容残留波長分散の上限値および下限値により定義される。残留波長分散目標値は、許容残留波長分散範囲の中央領域に設定されることが好ましく、例えば、下記(1)式に示すように、許容残留波長分散範囲の中間点に設定するようにしてもよい。
Figure 0005109923
RDtarget[i]は、波長パスiの残留波長分散目標値である。RDtolerance_upper[i]は、波長パスiの許容残留波長分散範囲の上限値である。また、RDtolerance_lower[i]は、波長パスiの許容残留波長分散範囲の下限値である。なお、残留波長分散目標値の決定方法は、(1)式に限定されるものではなく、他の方法で決定するようにしてもよい。
<ステップS4>
ステップS4では、ステップS1で入力された光ネットワーク情報およびステップS3で設定されたパラメータに基づいて、各ノードが備える波長分散補償器の分散補償量の候補(以下、「DCM候補」と呼ぶことがある。)が選択される。DCM候補は、例えば、下記の第1〜第3の手法により選択される。
第1の手法では、波長分散補償器が光増幅器の入力側に設けられているものとする。また、波長分散補償器として、例えば、分散補償量を離散的に変えることができる分散補償ファイバモジュールが使用されるものとする。この場合、波長分散補償器に設定される補償量に応じて、波長分散補償器の挿入損失が変化する。そこで、光伝送路を伝送された後に波長分散補償器を通過した光信号のパワーが、光増幅器の入力ダイナミックレンジ内に収まるように、波長分散補償器のDCM候補が設定される。
図5を参照しながら第1の手法について具体的に説明する。図5においては、光増幅器1から送信された光信号が光伝送路2を介して伝送され、光コネクタ3を通過した後に波長分散補償器(DCM)4に入力される。波長分散補償器4は、光増幅器5の入力側に設けられている。Poutは、光増幅器1の出力光パワーである。LOSfiberは、光伝送路2の光損失である。LOSconnectorは、光コネクタ3の光損失である。DRupperおよびDRlowerは、光増幅器5の入力ダイナミックレンジの上限値および下限値である。そうすると、図5に示すスパンにおいて許容される波長分散補償器4の挿入損失の範囲は、下記(2)式で表される。なお、LOSdcm_upperおよびLOSdcm_lowerは、波長分散補償器4の挿入損失の範囲の上限値および下限値である。
LOSdcm_upper≦Pout−(LOSfiber+LOSconnector)−DRlower
LOSdcm_lower≧Pout−(LOSfiber+LOSconnector)−DRupper (2)
図5に示す例では「LOSdcm_upper=5.7dB」「LOSdcm_lower=1.7dB」である。ここで、図6に示すような対応関係が予め求められているものとする。また、波長分散補償器4の補償量は、離散的に変化するものとする。そうすると、損失の許容値から補償量の範囲が得られる。図6に示す例では、損失の範囲が「1.7〜5.7dB」であるので、波長分散補償器4の補償量の候補として「−150〜−900ps/nm」が得られる。なお、図6に示す対応関係は、例えば、ステップS1の光ネットワーク情報として入力される。
第2の手法では、波長分散補償器が配置されている各スパン(各ノードの波長分散補償器が配置されている場合には、すべてのスパン)について、当該スパンを通過する各波長パスに対応した残留波長分散目標値を想定し、その残留波長分散目標値をすべて包含する範囲に対応した分散補償量が、当該スパンに対応したDCM候補として選択される。
図7は、第2の手法でDCM候補を設定する手順を説明する図である。ここでは、ノードA〜Jを備える光ネットワークにおいて、波長パスWP1〜WP4が設定されているものとする。
図7の<1−1>及び<1−2>に示すように、各波長パスWP1〜WP4について、ステップS3で設定された終端ノードにおける残留波長分散目標値に基づいて残留波長分散の傾きを求める。各波長パスについての残留波長分散の傾きRDtarget_slopeは、下記(3)式で得られる。なお、Lは、波長パスの距離である。RDtargetは、波長パスの終端ノードにおける残留波長分散目標値である。「i(=1,2,3,4)」は、各波長パスを識別する。
RDtarget_slope[i]=RDtarget[i]/L[i] (3)
なお、図7の<1−1>及び<1−2>に示す平行な2本の実線は、許容残留波長分散範囲の上限値および下限値を表す。また、点線は、許容残留波長分散範囲の中点を表している。
次に、図7の<2>に示すように、ノードA〜J間の各スパン(SP1〜SP9)において、当該スパンを通過するすべての波長パスWPiについて、そのスパンの受信側ノードにおける残留波長分散目標値(中間残留波長分散目標値)を決定する。具体的には、ス
パンsの受信側ノードにおける波長パスWPiの残留波長分散目標値RDtarget[i,s]は、下記(4)式で表される。
RDtarget[i,s]=RDtarget_slope[i]・Lspan[s] (4)
RDtarget_slope[i]は、波長パスWPiについての残留波長分散の傾きであり、上述した(3)式で得られる。Lspan[s]は、スパンsの距離である。
続いて、(4)式で求めた残留波長分散目標値を用いて、各スパンに対応するDCM候補を設定する。具体的には、n本の波長パスがスパンsを通過する場合、そのスパンsに対してn個の残留波長分散目標値が存在することになる。例えば、図7に示す例では、スパンSP1〜SP3、SP7〜SP9においては、それぞれ2個の残留波長分散目標値が存在し、スパンSP4〜SP6においては、それぞれ3個の残留波長分散目標値が存在する。
一例としてスパンSP4について説明する。スパンSP4には、波長パスWP2、WP3、WP4が設定されている。そして、図7の<3>に示すように、波長パスWP3に対応する残留波長分散目標値が最大である。また、波長パスWP2に対応する残留波長分散目標値が最小である。
RDtarget_max=RDtarget[3,4]
RDtarget_min=RDtarget[2,4]
なお、点Dspanは、スパンSP4の波長分散値を示している。
この場合、スパンsにおいて、残留波長分散目標値RDtarget[i,s]をすべて包含する波長分散補償量の範囲DCMrange[s]は、下記(5)式で表される。
RDtarget_min[i,s]−Dspan[s]≦DCMrange[s]≦RDtarget_max[i,s]−Dspan[s]
・・・(5)
第2の手法においては、(5)式を満足する波長分散補償器の補償量が、スパンsのDCM候補として選択される。例えば、スパンSP1に設けられる波長分散補償器の補償量が、50ps/nm単位で−50ps/nmから−1000ps/nmまで変動可能であり、(5)式で求まる範囲が−430ps/nm≦DCMrange[1]≦−280ps/nmである場合には、DCM候補として「−300」「−350」「−400」(ps/nm)が選択される。
なお、第2の手法で選択すべきDCM候補は、第1の手法で算出される範囲を満たしていることが好ましい。
第3の手法は、第2の手法を簡略化した手順である。第3の手法では、図8に示すように、各スパンの残留波長分散目標値がそのスパンの距離のみに依存するものと仮定する。すなわち、スパンsの残留波長分散目標値RDtarget[s]は、下記(6)式で表される。なお、Lspan[s]は、スパンsの距離である。
RDtarget[s]=a・Lspan[s]+b[s] (6)
aは、スパン距離に対する残留波長分散目標値の傾きを表す定数である。b[s]は、スパンsの送信側ノードにおける残留波長分散目標値のオフセットを表す定数である。なお、図8では「b=0」である。この場合、補償量の範囲は、「RDtarget[s]±ΔRD」により与えられる。ΔRDは、所定の許容誤差である。そして、この補償量の範囲内に含まれる補償量の離散値がDCM候補として選択される。
なお、第2の手法で選択すべきDCM候補も、第1の手法で算出される範囲を満たしていることが好ましい。さらに、DCM候補を決定する方法は、上述の第1〜第3の手法に限定されるものではない。
<ステップS5>
ステップS5では、ステップS1〜S4で設定した各種情報を用いて、光ネットワーク
が備える各波長分散補償器の補償量を設計する。ここでは、線形計画法の1つである混合整数計画法を波長分散補償設計方法に適用する場合を例に示す。すなわち、目的関数および制約条件を下記の通り設定し、下記の条件を満足するように各波長分散補償器の補償量が決定される。
目的関数:高優先度波長パスの終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との差(すなわち、各波長パスの累積波長分散補償誤差)の総和を最小化する
制約条件1:各波長分散補償器において設定可能な補償量は、ステップS4で得られるDCM候補の中から選択する
制約条件2:低優先度波長パスの終端ノードにおける累積波長分散値は、それぞれ対応する許容残留波長分散範囲内である
目標関数および制約条件は、下式で表される。
Figure 0005109923
Ghiは、高優先度波長パスを識別する
Gljは、低優先度波長パスを識別する
sは、スパンを識別する
cは、DCM候補(すなわち、波長分散補償器の補正量の候補)を識別する
negRdError[Ghi]は、高優先度波長パスiにおいて「残留波長分散値−残留波長分散目標値≦0」であるときの誤差(常に、正の値を取る変数)
posRdError[Ghi]は、高優先度波長パスiにおいて「残留波長分散値−残留波長分散目標値≧0」であるときの誤差(常に、正の値を取る変数)
dcmInfo[s,c]は、DCM候補cがスパンsの候補であれば「1」、そうでない場合は「0」である変数
dcmVar[c]は、DCM候補cが選択されたときは「1」、そうでない場合は「0」である変数
term[Ghi]は、高優先度波長パスiの終端ノードにおける残留波長分散値
rdTarget[Ghi]は、高優先度波長パスiの残留波長分散目標値
term[Glj]は、低優先度波長パスjの終端ノードにおける残留波長分散値
upperTolerance[Glj]は、低優先度波長パスjの許容残留波長分散の上限値
lowerTolerance[Glj]は、低優先度波長パスjの許容残留波長分散の下限値
term[g]は、波長パスg(高優先度波長パスiまたは低優先度波長パスj)の終端ノードにおける残留波長分散値
制約条件の第1式は、スパンsに対して設定されている1または複数のDCM候補cの中の1つが選択されることを表している。制約条件の第2式は、高優先度波長パスiの波長分散補償の補償量誤差を表している。制約条件の第3式および第4式は、低優先度波長パスjの終端ノードにおける残留波長分散値が、許容残留波長分散範囲内であることを表している。なお、波長パスg(高優先度波長パスiまたは低優先度波長パスj)の終端ノ
ードにおける残留波長分散値term[g]は、下式で表される。
Figure 0005109923
fiberDispersion[s]は、スパンsの波長分散値
route[g,s]は、波長パスg(高優先度波長パスiまたは低優先度波長パスj)がスパンcを通過するときは「1」、そうでない場合は「0」である変数
dcmDispersion[c]は、DCM候補cの波長分散量
このようにして線形計画法(あるいは、混合整数計画法)における目的関数および制約条件を設定すれば、一般的な数理計画ソフトウェアを利用して、各ノードが備える波長分散補償器の補償量の最適解を容易に導き出すことが可能である。すなわち、上記制約条件の下で上記目的関数を満たすように、各波長分散補償器に対して用意される1または複数の補償量の候補の中から、それぞれ、1つの補償量が選択される。これにより、各波長分散補償器の補償量が決定される。
<ステップS6>
ステップS5を実行することにより、各波長パスの終端ノードにおける残留波長分散は所定の条件を満たす。しかし、波長パスが複数のノードを経由する場合、ステップS5の計算のみでは、波長パスの途中のノードにおける特性は必ずしも保証されない。したがって、ステップS6では、ステップS5の計算結果を利用して、各波長パスの伝送特性を評価する。例えば、光ネットワーク上に設定されるすべての波長パス(高優先度波長パスおよび低優先度波長パスを含む)について、伝送途中の各スパンの残留波長分散値が所定の許容範囲内であるか否かがチェックされる。また、他の特性についてのチェックを行うようにしてもよい。
この結果、すべての波長パスについて伝送特性が所定の要件を満たしていれば、処理を終了する。この場合、ステップS5の補償設計において得られる結果は、例えば、ネットワーク管理システムを介して各ノードに通知される。そうすると、各ノードが備える波長分散補償器は、通知された補償量で波長分散補償を行う。一方、1以上の波長パスにおいて所望の特性を満たしていないときは、ステップS7へ進む。
<ステップS7>
ステップS6において設計失敗と判断された波長パス(以下、不適合波長パス)については、その不適合波長パス上に配置されている波長分散補償器の補償量を変更することが好ましい。このため、ステップS7では、不適合波長パス上に配置されている波長分散補償器の補償量の組合せを変更するための制約条件が生成される。
ステップS7では、まず、不適合と判定された波長パスgが抽出される。続いて、波長パスgが経由する各スパン(routeInfo[g,s]=1であるスパンs)において選択された補償量(dcmVar[c]・dcmInfo[s,c]=1である波長分散補償量c)を抽出する。そして、これらの各スパンにおいて選択されている波長分散補償量cの組合せを除外するための制約式を、ステップS5に示した制約条件に追加する。ステップS7において生成される制約式は、下記の通りである。
Figure 0005109923
gは、不適合波長パスを識別する
cは、「dcmVar[c]・dcmInfo[s,c]=1」となる補償量の組合せ(すなわち、不適合波長パス上の波長分散補償器の補償量の組合せ)
numOfDCM[g]は、波長パスgに含まれる波長分散補償器の個数
上記制約式が追加された後、ステップS5が再実行される。以降の手順は、上述した通りである。なお、ステップS5〜S7を繰り返し実行することにより、精度の高い波長分散補償設計が可能になる。ただし、ステップS5〜S7を繰返し回数については、上限値を設けるようにしてもよい。
具体的な実施例を説明する。ここでは、図9に示すようにノードAからノードB、Cを経由してノードDに至る波長パスを想定する。また、ノードBの波長分散補償器に対して3つのDCM候補(−450、−400、−350)が設定され、ノードCの波長分散補償器に対して2つのDCM候補(−200、−150)が設定され、ノードDの波長分散補償器に対して3つのDCM候補(−1000、−900、−800)が設定されているものとする。さらに、ステップS5の演算により、ノードB、C、Dの波長分散補償器の補償量として「−400ps/nm(s=1、c=2)」「−200ps/nm(s=2、c=4)」「−800ps/nm(s=3、c=8)」が選択されているものとする。
この場合、上述した制約式は、以下のように表される。
dcmVar(2)+dcmVar(4)+dcmVar(8)≦{NumOfDCM(g)−1}
ここで、NumOfDCM(g)は、波長パス上のスパンの数であり、図9に示す例では「3」である。したがって、上記制約式は、「ノードBにおいてc=2を選択し、且つ、ノードCにおいてc=4を選択し、且つ、ノードDにおいてc=8を選択する、という状態を除外する」を意味する。
これにより、以降、ステップS6で設計失敗と判定される組合せが最適解として選択されなくなる。したがって、ステップS5〜S7を繰り返し実行することにより、すべての波長パスが所定の要件を満たす最適解が得られる。すなわち、各波長分散補償器の補償量が適切に決定される。
<波長パスの優先度の設定>
波長パスの優先度は、上述したように、光ネットワークの設計者がCUIまたはGUI等を介して入力してもよいし、光ネットワーク情報または各種パラメータに基づいて自動的に設定されるようにしてもよい。以下、波長パスの優先度を自動的に設定する方法について説明する。
(1)光ネットワーク情報に基づく方法
上述した光ネットワーク情報において、設計者は、波長パスを指定することができる。この場合、指定された波長パスが「高優先度波長パス」として設定され、光ネットワーク上で「高優先度波長パス」が設定されていない他の区間が自動的に「低優先度波長パス」として設定される。
図10を参照しながら一実施例を説明する。ここでは、光ネットワークは、光ファイバを介して接続された4つのOADMノード(A、D、G、J)および6つの光増幅ノードを備えている。そして、光ネットワーク情報において、ノードA、J間、及びノードD、
G間に波長パスが設定されているものとする。
この場合、これらの2本の波長パスが、高優先度波長パス(#H1、#H2)に設定される。続いて、この光ネットワーク上で波長パスが存在していないノード区間が抽出される。このとき、「ノード区間」は、OADMノード同士の間の区間を意味する。そうすると、図10に示す例では、区間A−G、区間A−D、区間D−J、区間G−Jが抽出される。そして、これら4つの区間に設定すべき波長パスが、それぞれ低優先度波長パス(#L1〜#L4)に設定される。
(2)波長パスの伝送速度に基づく方法
光ネットワーク情報は、この実施例では、各波長パスを介して伝送される光信号の伝送速度を表す波長パス情報を含む。そして、各波長パスの優先度は、伝送速度に基づいて決定される。なお、伝送速度に基づいて優先度を決定するポリシは、例えば、ステップS1において入力すべき設計パラメータで指定できるものとする。
光信号の品質は、一般に、伝送速度が高いほど波長分散の影響を受けやすくなる。このため、所定の伝送品質を確保するためには、伝送速度が高い光信号を伝送する波長パスに対して、残留波長分散についてより厳しい条件を与えることが望ましい。そこで、実施形態の波長分散補償設計方法では、所定の閾値速度を越える伝送速度の波長パスは「高優先度波長パス」として設定され、閾値速度以下の伝送速度の波長パスは「低優先度波長パス」として設定される。
図11を参照しながら一実施例を説明する。ここでは、光ネットワークは、光ファイバを介して接続された4つのOADMノード(A、D、G、J)および6つの光増幅ノードを備えている。そして、区間A−Jおよび区間A−Dに、それぞれ40Gbpsの波長パスが設定されている。また、区間A−Dおよび区間D−Jに、それぞれ10Gbpsの波長パスが設定されている。
この場合、区間A−Jには40Gbpsの波長パスが存在するので「高優先度波長パス」が設定される。また、区間D−Jには10Gbpsの波長パスが存在するので「低優先度波長パス」が設定される。これに対して、区間A−Dには10Gbpsの波長パスおよび40Gbpsの波長パスが存在する。このとき、同一の区間に伝送速度の異なる複数の波長パスが存在するときには、最も高速の伝送速度に基づいて優先度が判断される。よって、区間A−Dには「高優先度波長パス」が設定される。
<他の実施形態>
波長分散特性は、よく知られているように、信号光の波長に依存する。このため、複数の波長を用いて複数の光信号を伝送するWDM伝送システムでは、波長分散補償の設計において、波長依存特性を考慮することが好ましい。そこで、他の実施形態の設計方法では、WDM波長帯において残留波長分散値が最大となる波長および最小となる波長を求め、これら2つの波長成分の残留波長分散値がいずれも許容残留波長分散範囲内に収まっているか否かをチェックする手順を備える。
図12は、他の実施形態の波長分散補償設計方法を示すフローチャートである。この実施形態の設計方法のステップS1〜S7は、上述した実施形態と同じである。すなわち、この実施形態では、ステップS11が追加されている。
ステップS11は、ステップS5において各波長分散補償器の補償量が決定された後に実行される。各波長分散補償器の補償量が決まると、各波長パスの終端ノードにおける補償後の残留波長分散が算出される。このとき、伝送路に使用される光ファイバの特性を表
す情報が与えられているので、図13に示すように、補償後の残留波長分散の波長依存特性が得られる。さらに、WDM信号帯において、補償後の残留波長分散の最大値および最小値を求める。
そして、補償後の残留波長分散の最大値および最小値が、予め決められている許容残留波長分散範囲内に収まっているか否をチェックする。この結果、最大値および最小値の双方が許容残留波長分散範囲内に収まっていれば、ステップS6に進む。そうでない場合には、ステップS7に進む。なお、図13に示すように、伝送速度が高い場合に許容残留波長分散範囲を狭くするようにしてもよい。
図14は、補償後の残留波長分散の最大値を検出する処理のフローチャートである。ここでは、波長パスの光伝送路において2以上の種類の光ファイバが使用される可能性があるものとする。
ステップS21では、伝送路に使用されている光ファイバの中で波長分散が最大の光ファイバを選択する。ステップS22では、選択した光ファイバの特性関数f(λ)を取得する。各光ファイバの特性関数は、例えば、予めデータベースに登録されている。また、特性関数f(λ)は、例えば、2次関数(aλ2+bλ+c)を用いて単位長さ当たりの分散を表す。
ステップS23では、波長パスの距離を利用して累積波長分散を計算する。また、波長パス上に配置されている各波長分散補償器の補償量から、総補償量を計算する。ステップS24では、ステップS23で得られる累積波長分散および総補償量から、補償後の残留波長分散が最大になる波長Lを特定する。ステップS25では、波長パスで使用する光ファイバが1種類だけか否かを調べる。もし、波長パスで使用される光ファイバが1種類だけであれば、ステップS24で得られた波長が、最大波長分散が発生する波長であると判定される。
波長パス上で2種類以上の光ファイバが使用されている場合には、ステップS26において、ステップS24で特定された波長Lを始点波長として設定する。ステップS27〜S29は、波長Lをシフトしながら、補償後の残留波長分散rdのピークを検出する。そして、補償後の残留波長分散rdのピークが発生する波長が、最大波長分散が発生する波長であると判定される。なお、補償後の残留波長分散の最小値を発生させる波長も、同様の手順で得ることができる。
このようにして、各波長パスについて、補償後の残留波長分散の最大値および最小値が算出される。そうすると、その最大値および最小値が許容残留波長分散範囲に収まっているか否かがチェックされる。そして、最大値または最小値が許容残留波長分散範囲に収まっていなければ、ステップS7を介してステップS5に戻ることにより、この波長パス上に配置されている波長分散補償器の補償量が変更される。これにより、WDM信号に含まれるすべての光信号について、波長分散が適切に補償され、良好な伝送特性が得られる。
<ハードウェア構成>
図15は、実施形態の波長分散補償設計装置10に係わるハードウェア構成を示す図である。波長分散補償設計装置10は、入力装置11、出力装置12、ドライブ装置13、補助記憶装置14、メモリ装置15、演算処理装置16、データベース17を備え、システムバス18を介して互いに接続されている。波長分散補償設計装置10は、一般的なコンピュータで実現されてもよいし、専用のハードウェアを備えるようにしてもよい。
演算処理装置16は、例えばCPUであり、メモリ装置15を利用して波長分散補償設
計プログラムを実行する。補助記憶装置14は、例えばハードディスク装置であり、波長分散補償設計プログラムを格納する。なお、補助記憶装置14は、外部記録装置であってもよい。メモリ装置15は、例えば半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んで構成される。ドライブ装置13は、演算処理装置16の指示に従って記録媒体19にアクセスする。記録媒体19は、例えば、半導体デバイス(PCカード等)、磁気的作用により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体などである。入力装置11は、設計者が操作するキーボードおよびマウスを供え、各種データを入力する。出力装置12は、例えば、CUIまたはGUIを提供する表示装置である。
実施形態に係わる波長分散補償設計プログラムは、図4、図12、図15に示すフローチャートの手順を記述したプログラムコードを含み、例えば、下記の形態で提供される。(1)補助記憶装置14に予めインストールされている。
(2)記録媒体19により提供される。
(3)プログラムサーバからダウンロードする。
そして、上記構成のコンピュータで波長分散補償設計プログラムを実行することにより、実施形態に係わる波長分散補償設計装置が実現される。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
光伝送路を介して接続された複数のノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する波長パスの波長分散補償を設計する方法であって、
前記光ネットワークの構成を表す光ネットワーク情報を入力する入力ステップと、
1または複数の第1の波長パスに対して第1の優先度を与えると共に、1または複数の第2の波長パスに対して前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を与える付与ステップと、
前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第1の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける残留波長分散目標値を設定する第1の設定ステップと、
前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第2の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける許容残留波長分散範囲を設定する第2の設定ステップと、
前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記光ネットワークが備える複数の波長分散補償器の補償量を決定する決定ステップと、
を有する波長分散補償設計方法。
(付記2)
付記1に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記各波長分散補償器についてそれぞれ補償量の候補を設定する第3の設定ステップをさらに備え、
前記決定ステップにおいて、前記各波長分散補償器の補償量は、前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、それぞれ対応する候補の中から選択される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記3)
付記1に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記第1および第2の優先度は、ユーザからの指定に応じて与えられる
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記4)
付記1に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記第1および第2の優先度は、各波長パスを介して伝送される信号の伝送速度に応じて設定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記5)
付記1に記載の波長分散補償設計方法であって、
ユーザによりまたは予め決められた基準に応じて指定された波長パスに対して前記第1の優先度が与えられ、
前記光ネットワーク情報に基づいて、他の波長パスに対して前記第2の優先度が与えられる
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記6)
付記5に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記第1の波長パスが存在しないノード区間に対して第2の波長パスが設定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記7)
付記5に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記第1の波長パスが複数のサブノード区間を含む場合、各サブノード区間に対してそれぞれ第2の波長パスが設定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記8)
付記1に記載の波長分散補償設計方法であって、
各波長パスの始端ノードおよび終端ノードは、それぞれ光波長分岐挿入機能を備えている
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記9)
付記1に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記決定ステップにおいて、互いに異なる2以上の波長について、各波長パスの終端ノードにおける残留分散値がそれぞれ対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記各波長分散補償器の補償量が決定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記10)
付記2に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記波長分散補償器が光増幅器の入力側に配置されているときは、前記波長分散補償器を通過した光信号のパワーが前記光増幅器の入力ダイナミックレンジ内に収まるように、前記補償量の候補が設定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記11)
付記2に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記各波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散目標値に基づいて、波長パス上に存在する波長分散補償器を備える各ノードにおける中間残留波長分散目標値がそれぞれ設定され、
前記波長分散補償器を備える各ノードについて、設定されたすべての中間残留波長分散目標値を包含する範囲に対応した補償量が、前記補償量の候補として設定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記12)
付記2に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記各波長分散補償器が配置されている各ノードにおける残留分散目標値が、対応するスパンの距離に応じて設定され、
設定された残留分散波長目標値およびその残留波長分散目標値に対して許容される誤差
に基づいて決まる補償量が、前記補償量の候補として設定される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記13)
付記2に記載の波長分散補償設計方法であって、
線形計画法において、
すべての前記第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となることが、目標関数として設定され、
すべての前記第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となること、および、前記各波長分散補償器の補償量を前記候補の中から選択することが、制約条件として設定され、
前記制約条件の下で前記目標関数を満たす解が算出される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記14)
付記13に記載の波長分散補償設計方法であって、
前記決定ステップにおいて決定された補償量を用いて各波長パスの伝送特性を評価し、各波長パスが所定の伝送特性条件を満たしているか判定するステップと、
前記伝送特性条件を満たしていない不適合波長パスが存在するときに、前記不適合波長パス上に設けられている各波長分散補償器について選択されている補償量の組合せ抽出するステップと、
前記抽出された補償量の組合せが以降の決定ステップにおいて選択されないようにするための制約条件を追加するステップと、
新たな制約条件の下で前記目標関数を満たす解を演算するステップ
をさらに備えることを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記15)
光伝送路を介して接続された複数のノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する波長パスの波長分散補償を設計する装置であって、
前記光ネットワークの構成を表す光ネットワーク情報を入力する入力部と、
1または複数の第1の波長パスに対して第1の優先度を与えると共に、1または複数の第2の波長パスに対して前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を与える付与部と、
前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第1の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける残留波長分散目標値を設定する第1の設定部と、
前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第2の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける許容残留波長分散範囲を設定する第2の設定部と、
前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記光ネットワークが備える複数の波長分散補償器の補償量を決定する決定部と、
を有する波長分散補償設計装置。
(付記16)
付記15に記載の波長分散補償設計装置であって、
前記各波長分散補償器についてそれぞれ補償量の候補を設定する第3の設定部をさらに備え、
前記各波長分散補償器の補償量は、前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、それぞれ対応する候補の中から選択される
ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
実施形態の波長分残補償設計方法の概要を説明する図である。 光ネットワークの構成および分散マップの一例である。 低優先度波長パスの分散マップの一例である。 実施形態の波長分散補償設計方法を示すフローチャートである。 DCM候補の設定方法の一例を説明する図である。 波長分散補償器の補償量と損失の対応関係を示す図である。 DCM候補の設定方法の他の例を説明する図である。 DCM候補の設定方法のさらに他の例を説明する図である。 不適切な候補を除外する処理の実施例である。 波長パスの優先度を決定する方法の実施例である。 波長パスの優先度を決定する方法の他の実施例である。 他の実施形態の波長分散補償設計方法を示すフローチャートである。 補償後の残留波長分散の波長依存を示す図である。 補償後の残留波長分散の最大値を検出する処理のフローチャートである。 実施形態の波長分散補償設計装置に係わるハードウェア構成を示す図である。 従来技術における波長分散補償の設計方法を説明する図である。
符号の説明
4 波長分散補償器
5 光増幅器
10 波長分散補償設計装置

Claims (9)

  1. 光伝送路を介して接続された複数のノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する波長パスの波長分散補償を設計する方法であって、
    前記光ネットワークの構成を表す光ネットワーク情報を入力する入力ステップと、
    1または複数の第1の波長パスに対して第1の優先度を与えると共に、1または複数の第2の波長パスに対して前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を与える付与ステップと、
    前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第1の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける残留波長分散目標値を設定する第1の設定ステップと、
    前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第2の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける許容残留波長分散範囲を設定する第2の設定ステップと、
    前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記光ネットワークが備える複数の波長分散補償器の補償量を決定する決定ステップと、
    を有する波長分散補償設計方法。
  2. 請求項1に記載の波長分散補償設計方法であって、
    前記各波長分散補償器についてそれぞれ補償量の候補を設定する第3の設定ステップをさらに備え、
    前記決定ステップにおいて、前記各波長分散補償器の補償量は、前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、それぞれ対応する候補の中から選択される
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
  3. 請求項1に記載の波長分散補償設計方法であって、
    前記第1および第2の優先度は、ユーザからの指定に応じて与えられる
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
  4. 請求項1に記載の波長分散補償設計方法であって、
    前記第1および第2の優先度は、各波長パスを介して伝送される信号の伝送速度に応じて設定される
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
  5. 請求項1に記載の波長分散補償設計方法であって、
    ユーザによりまたは予め決められた基準に応じて指定された波長パスに対して前記第1の優先度が与えられ、
    前記光ネットワーク情報に基づいて、他の波長パスに対して前記第2の優先度が与えられる
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
  6. 請求項1に記載の波長分散補償設計方法であって、
    前記決定ステップにおいて、互いに異なる2以上の波長について、各波長パスの終端ノードにおける残留分散値がそれぞれ対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記各波長分散補償器の補償量が決定される
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
  7. 請求項2に記載の波長分散補償設計方法であって、
    線形計画法において、
    すべての前記第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となることが、目標関数として設定され、
    すべての前記第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となること、および、前記各波長分散補償器の補償量を前記候補の中から選択することが、制約条件として設定され、
    前記制約条件の下で前記目標関数を満たす解が算出される
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
  8. 光伝送路を介して接続された複数のノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する波長パスの波長分散補償を設計する装置であって、
    前記光ネットワークの構成を表す光ネットワーク情報を入力する入力部と、
    1または複数の第1の波長パスに対して第1の優先度を与えると共に、1または複数の第2の波長パスに対して前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を与える付与部と、
    前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第1の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける残留波長分散目標値を設定する第1の設定部と、
    前記光ネットワーク情報に基づいて、前記各第2の波長パスに対して、それぞれ終端ノードにおける許容残留波長分散範囲を設定する第2の設定部と、
    前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、前記光ネットワークが備える複数の波長分散補償器の補償量を決定する決定部と、
    を有する波長分散補償設計装置。
  9. 請求項8に記載の波長分散補償設計装置であって、
    前記各波長分散補償器についてそれぞれ補償量の候補を設定する第3の設定部をさらに備え、
    前記各波長分散補償器の補償量は、前記各第1の波長パスについての終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となり、且つ、前記各第2の波長パスについての終端ノードにおける残留波分散値が対応する許容残留波長分散範囲内となるように、それぞれ対応する候補の中から選択される
    ことを特徴とする波長分散補償設計方法。
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