JP5614253B2 - 波長分散補償設計方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば光ネットワークにおける波長分散補償を設計する方法及び装置に関する。
光ファイバ等の光伝送路を介して伝送される光信号の品質は、波長分散(Chromatic Dispersion)に依存する。このため、長距離光伝送においては、波長分散の影響による光信号の波形劣化を抑圧するために、光伝送路上に一又は複数の波長分散補償器が設けられる。この場合、例えば、各波長の光信号が伝送されるパス(以下、「波長パス」)の残留波長分散が受信端において分散トレランス内に収まるように、各波長分散補償器の補償量が調整される。したがって、波長分散補償器の補償量の設計は、光信号の伝送品質を改善するために重要である。
光ネットワークの波長分散補償設計方法の1つとして、分散補償マップに従って補償量を決定する方法が提案されている。ここで通常、分散補償マップは任意の2点間(或いは、任意の2光ノード間)に対して提供されることが多い。分散補償マップに従って光ネットワーク中の波長分散補償器の補償量を設定することにより、上記任意の2点間を伝送する波長パスの波長分散の影響による波形劣化を抑えることが可能になる。
しかしながら、分散補償マップに従って補償量を決定する方法では、光伝送路の波長分散の設計値と実際の波長分散との誤差や波長分散補償器の補償量が離散的であることにより生じる誤差が存在し、当該誤差の累積値は波長に依存する。また、近年の光波長分岐挿入ノード(OADM:Optical Add Drop Multiplexer)や波長クロスコネクトノードが導入された光ネットワークでは、光ネットワーク中の任意の2点間に対して分散補償マップに従って波長分散補償器の補償量を設定したとしても、上記2点間中に含まれる別の任意の2点間に設定された波長パスに対しては、最適な補償量に設定されない可能性がある。このため、光ネットワーク上で使用されるすべての波長に対して所望の分散補償マップに適合する波長分散補償を実現することは困難である。
この問題を解決するため、例えば、複雑なトポロジを持つ光ネットワーク中から抽出した複数の波長パスの各終端点における残留波長分散の全てが、全ての波長パスに対して設定された許容残留波長分散範囲内となるように、各波長パスに備わった波長分散補償器の分散補償量を決定する設計方法が提案されている。この設計方法では、各波長パスの残留波長分散値と残留波長分散目標値との誤差の和が最小となるように補償量の候補値の最適な組み合わせが決定されることで、各波長分散補償器の補償量が設定される。
特開2009−212565号公報
上述した設計方法では、補償量の候補値が予め複数種類設定されている(ないしは、用意されている)環境化で、これら複数種類の候補値から構成される多数の組み合わせの中から、最適な一つの組み合わせを決定する必要がある。このため、上述した設計方法では、混合整数計画法を用いることで、最適な一つの組み合わせを決定している。しかしながら、補償量の候補値の数が多くなればなるほど、候補値の組み合わせの数が膨大に膨れ上がってしまう。このため、混合整数計画法を用いる上述した設計方法では、膨大な数の組み合わせの中から最適な一つの組み合わせを決定するための演算量が非常に膨大なものになってしまいかねない。例えば、23個のスパンを介して26個の光ノードが接続されている光ネットワークを例に考える。各光ノードに波長分散補償器が設置され且つ各波長分散補償器に設定可能な候補値が21種類ある(つまり、21種類の異なる補償量を有する波長分散補償器のいずれかが各光ノードに設置される)とする。この場合、補償量の候補値の組み合わせの数は、2126通りとなる。このような膨大の数の組み合わせの中から、最適な一つの組み合わせを決定することは、演算量の観点から見れば非常にハードルが高い。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、例えば波長分散補償の設計を行うための演算量を低減することが可能な波長分散補償設計方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題は、光伝送路を介して接続される複数の光ノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する複数の波長パスの波長分散補償を設計する波長分散補償設計方法によって解決される。波長分散補償設計方法は、算出工程と、決定工程とを備える。算出工程は、各波長パスの残留波長分散値が所定条件を満たすように、各波長パス上に配置される波長分散補償器の補償量の理想値を算出する。決定工程は、理想値に基づいて、波長分散補償器に適用される補償量の決定値を、波長分散補償器の補償量の候補として予め用意される複数の候補値から決定する。
上記課題は、光伝送路を介して接続される複数の光ノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する複数の波長パスの波長分散補償を設計する波長分散補償設計装置によって解決される。波長分散補償設計装置は、算出部と、決定部とを備える。算出部は、上述した算出工程において行われる動作と同様の動作を行う。決定部は、上述した決定部において行われる動作と同様の動作を行う。
以上説明した波長分散補償設計方法及び装置によれば、理想値を算出した後に、当該理想値に基づいて複数の候補値の中から決定値が決定される。このため、波長分散補償の設計を行うための演算量を低減することができる。
本実施形態の波長分散補償設計装置の構成を示すブロック図である。 第1動作例の概要を説明する図である。 本実施形態の波長分散補償設計方法が使用される光ネットワークの構成及び分散マップの一例を示す図である。 低優先度の波長パスの波長分散マップの例である。 第1動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第1例の流れ)を示すフローチャートである。 波長パスの優先度が設定される光ネットワークの構成の一例を示す図である。 波長パスの優先度が設定される光ネットワークの構成の一例を示す図である。 第2動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第2例の流れ)を示すフローチャートである。 第3動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第3例の流れ)を示すフローチャートである。 第4動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第4例の流れ)を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて説明する。
(1)波長分散補償設計システム
図1を参照して、本実施形態の波長分散補償設計装置1について説明する。図1は、本実施形態の波長分散補償設計装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の波長分散補償設計装置1は、入力装置11と、出力装置12と、ドライブ装置13と、補助記憶装置14と、メモリ装置15と、演算処理装置16と、データベース17とを備えている。入力装置11と、出力装置12と、ドライブ装置13と、補助記憶装置14と、メモリ装置15と、演算処理装置16と、データベース17とは、システムバス18を介して相互に接続されている。波長分散補償設計装置1は、専用の装置構成とすることもできるが、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等を適用してもよい。
入力装置11は、ユーザ又はシステム設計者が操作するキーボード及びマウス等を有しており、各種データを入力する。出力装置12は、波長分散補償設計装置1のプログラム(以降、“波長分散補償設計プログラム”と称する)を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有する。波長分散補償設計装置1にインストールされる波長分散補償設計プログラムは、例えば、CD−ROM等の記録媒体19により提供される。波長分散補償設計プログラムを記緑した記録媒体19はドライブ装置13に装着され、記憶媒体19に格納された波長分散補償設計プログラムが、記録媒体19からドライブ装置13を介して補助記憶装置14にインストールされる。但し、波長分散補償設計プログラムを補助記憶装置14に予めインストールしておいてもよいし、波長分散補償設計プログラムがネットワークを介したダウンロードによって提供されてもよい。
演算処理装置16は、例えばCPUであって、メモリ装置15により読み出され格納されている波長分散補償設計プログラムに基づいて、各種演算や後述する各処理を含む波長分散補償設計装置1全体の処理を制御する。また、波長分散補償設計プログラムの実行中に必要な各種情報は、データベース17から取得することができ、また格納することもできる。
(2)波長分散補償設計装置の第1動作例
図2から図5を参照して、波長分散補償設計装置1の第1動作例(つまり、波長分散補償設計方法の第1例)について説明する。
(2−1)第1動作例の概要
図2は、第1動作例の概要を説明する図である。図2に示す光ネットワークは、光波長分岐挿入ノードA、D、G及びJを備える。各光波長分岐挿入ノードは、光波長分岐挿入器(OADM:Optical Add Drop Multiplexer)を備え、波長毎に光信号を分岐する機能及び波長毎に光信号を挿入する機能を提供する。光波長分岐挿入ノードA及びD間には光中継ノードB及びCが設けられている。光波長分岐挿入ノードD及びG間には光中継ノードE及びFが設けられている。光波長分岐挿入ノードG及びJ間には光中継ノードH及びIが設けられている。各光中継ノードB、C、E、F、H及びIは、光信号を増幅する光増幅器を備えている。尚、光波長分岐挿入ノードA、D、G及びJも、光増幅器を備えていてもよい。本実施形態では、各ノードA〜Jは、波長分散補償器(DCM:Dispersion Compensation Module)を備えていることが好ましい。但し、波長分散補償器は、全てのノードA〜Jが備えていなくともよい。
第1動作例では、各波長パス(又は、区間)に対して優先度が付与される。「波長パス」は、光ネットワーク上の始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する。図2に示す光ネットワークでは、任意の1組の光波長分岐挿入ノード間に波長パスが設定され得る。例えば、図2に示す例では、光波長分岐挿入ノードA及びJ間に波長パスH1が設定され、光波長分岐挿入ノードD及びG間に波長パスH2が設定されている。波長パスH1及びH2には高い優先度が付与されている。他の区間には、優先度の低い波長パスL1〜L4が設定されていてもよい。例えば、図2に示す例では、光波長分岐挿入ノードA及びG間に波長パスL1が設定され、光波長分岐挿入ノードA及びD間に波長パスL2が設定され、光波長分岐挿入ノードD及びJ間に波長パスL3が設定され、光波長分岐挿入ノードG及びJ間に波長パスL4が定義されている。尚、波長パスL1〜L4は、光信号を伝送しない区間に対して仮想的に設定される波長パスを含んでいてもよい。
第1動作例では、各ノードA〜Jに設けられている波長分散補償器の補償量は、以下の条件を満たすように決定される。
具体的には、高優先度の波長パスについては、終端ノードにおける残留波長分散目標値が設定される。各高優先度の波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散値と残留波長分散目標値との誤差が算出される。そして、全ての高優先度の波長パスの誤差の和が最小化されるように、各波長分散補償器の補償量が決定される。図2に示す例では、波長パスH1及びH2に対してそれぞれ残留波長分散目標値T1及びT2が設定される。また、波長パスH1についてノードJにおける残留波長分散値D1が算出され、波長パスH2についてノードGにおける残留波長分散値D2が算出される。さらに、波長パスH1について誤差Δ1(=D1−T1)が算出され、波長パスH2について誤差Δ2(=D2−T2)が算出される。この場合、各波長分散補償器の補償量を決定するための条件として「誤差Δ1及び誤差Δ2の和を最小化する」が生成される。
一方で、低優先度の波長パスについては、終端ノードにおける残留波長分散トレランス(言い換えれば、許容残留波長分散範囲)が設定される。各低優先度の波長パスについて、終端ノードにおける残留波長分散値が残留波長分散トレランス内に収まることが制約条件として定義される。図2に示す例では、波長パスL1〜L4に対してそれぞれ残留波長分散トレランスが設定される。また、波長パスL1についてのノードGにおける残留波長分散値、波長パスL2についてのノードDにおける残留波長分散値、波長パスL3についてのノードJにおける残留波長分散値、及び波長パスL4についてのノードJにおける残留波長分散値が算出される。この場合、各波長分散補償器の補償量を決定するための条件として「波長パスL1〜L4の残留波長分散値がそれぞれ対応する残留波長分散トレランス内である」が生成される。
このように、第1動作例の設計方法では、高優先度の波長パスに対しては、残留波長分散値が最適化されるので、実際に光信号を伝送する波長パスの伝送品質は良好である。また、低優先度の波長パスであっても、所定の残留波長分散トレランスを満たしている。よって、低優先度の波長パスを利用して新たな波長パスを設定すれば、その新たな波長パスの伝送品質が著しく劣化することはない。
加えて、第1動作例では、波長分散補償器の補償量は、上述した条件を前提として、以下の順に決定される。具体的には、まず、波長分散補償器の補償量の候補として予め設定ないしは用意されている離散的な複数の値(DCM候補値ないしはDCMメニュー値)を考慮することなく、上述した条件を満たす各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される。言い換えれば、複数のDCMメニュー値とは無関係に、上述した条件を満たす各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される。つまり、複数のDCMメニュー値とは無関係に、高優先度の波長パスに対しては残留波長分散値が最適化され且つ低優先度の波長パスの残留波長分散値が残留波長分散トレランス内に収まるという条件を満たす各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される。尚、「DCMメニュー値を考慮することなく(無関係に)算出される理想値」とは、例えば「DCMメニュー値の値と同一にならなくともよい理想値」である。つまり、本実施形態の「理想値」とは、例えば、波長分散を補償するための理想的な(或いは、理論的には最適な又は好適な)補償量の値を示している。或いは、本実施形態の「理想値」とは、例えば、正常なないしは安定した光伝送を実現することができる程度に波長分散を補償することができる理想的な(或いは、理論的には最適な又は好適な)補償量の値を示している。従って、本実施形態の「理想値」は、離散的な値として予め用意されている複数のDCMメニュー値のいずれかと同一にならない場合もあるし、同一になる場合もある。
その後、波長分散補償器毎に、複数のDCMメニュー値の中から、算出された理想値に最も近い2つのDCMメニュー値が選択される。その後、波長分散補償器毎に選択された2つのDCMメニュー値の中から、上述した条件を満たす1つのDCMメニュー値(つまり、各波長分散補償器の補償量として実際に適用される決定値)が決定される。つまり、波長分散補償器毎に選択された2つのDCMメニュー値の中から、高優先度の波長パスに対しては残留波長分散値が最適化され且つ低優先度の波長パスの残留波長分散値が残留波長分散トレランス内に収まるという条件を満たす1つのDCMメニュー値(つまり、各波長分散補償器の補償量として実際に適用される決定値)が決定される。
このように、第1動作例の設計方法では、DCMメニュー値を考慮することなく各波長分散補償器の補償量の理想値を算出した後に、当該算出した理想値に基づいてDCMメニュー値の数を絞り込んでいる。その後、絞り込んだDCMメニュー値から、実際に波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値が決定される。このため、DCMメニュー値の数を絞り込むことなく実際に波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値を決定する設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減することができる。
図3は、本実施形態の波長分散補償設計方法が使用される光ネットワークの構成及び分散マップの一例を示す図である。この光ネットワークは、ノードN1〜N7を備える。各ノードN1〜N7は、波長分散補償器をそれぞれ備えている。各波長分散補償器に対して、それぞれ、DCMメニュー値が用意されている。図3では、例えば、ノードN5の波長分散補償器に対して、DCMメニュー値「−1000、−900、−800」が用意されている。例えば、ノードN6の波長分散補償器に対して、DCMメニュー値「−200、−150」が用意されている。例えば、ノードN7の波長分散補償器に対して、DCMメニュー値「−800」が用意されている。尚、ノードN1〜N7の動作は、例えば、ネットワーク管理システムNMSによって一元的に管理されている。
上記光ネットワークでは、波長パスWP1〜WP4が設定されている。波長パスWP1〜WP4は、それぞれ高優先度の波長パスである。波長分散マップは、波長パスWP4について波長分散の状態を示している。図3の例では、ノードN5において「補償量=−800[ps/nm]」が選択され、ノードN6において「補償量=−150[ps/nm]」が選択され、ノードN7において「補償量=−800[ps/nm]」が選択されている。これにより、残留波長分散値RD(4)が得られる。また、波長パスWP4に対して、終端ノードであるノードN7における残留波長分散の目標値RDtarget(4)が設定されている。従って、波長パスWP4についての残留波長分散誤差RDerror(4)=RD(4)−Rdtarget(4)が算出される。波長パスWP1〜WP3についても、残留波長分散誤差RDerror(1)〜RDerror(3)が算出される。このように、高優先度の波長パスについては、それぞれ、残留波長分散誤差が計算される。そして、これらの誤差の和が最小化されるように、各ノードの波長分散補償器の補償量が適切に選択される。
上記光ネットワークにおいて、高優先度の波長パスが設定されていない各区間に対して、それぞれ低優先度の波長パスが設定される。例えば、ノードN1からノードN5を経由してノードN4に至る区間に、低優先度の波長パスである波長パスWP5が設定される。図4は、波長パスWP5の波長分散マップの例である。ここでは、ノードN4において「補償量=−600[ps/nm]」が選択されている。尚、ノードN5においては、上述したように「補償量=−800[ps/nm]」が選択されている。これにより、残留波長分散値RD(5)が得られる。また、波長パスWP5に対しては、終端ノードであるノードN4における残留波長分散トレランスRDtolerance(5)が設定される。残留波長分散トレランスは、許容可能な残留波長分散の上限値及び下限値により表される。同様に、他の低優先度の波長パスに対しても、それぞれ残留波長分散トレランスが設定される。そして、後で詳しく説明するように、各低優先度波長パスの終端における残留波長分散値が、それぞれ対応する残留波長分散トレランス内に収まるように、各ノードの波長分散補償器の補償量が適切に選択される。
加えて、第1動作例では、例えば各ノードN1からN7の波長分散補償器の補償量は、以下のように決定される。以下、ノードN5の波長分散補償器に着目して説明を進める。まず、ノードN5の波長分散補償器のDCMメニュー値「−1000、−900、−800」を考慮することなく、ノードN5の波長分散補償器の理想値が算出される。尚、DCMメニュー値「−1000、−900、−800」を考慮しなくともよいため、算出される理想値は、DCMメニュー値「−1000、−900、−800」のいずれとも異なっていてもよい。もちろん、算出の結果によっては、算出される理想値が、DCMメニュー値「−1000、−900、−800」のいずれかと同一になってもよい。ここでは、例えば、理想値として「−950」が算出されたとする。その後、DCMメニュー値「−1000、−900、−800」の中から、算出された理想値「−950」に最も近い2つのDCMメニュー値(つまり、「−1000及び−900」)が選択される。その後、選択された2つのDCMメニュー値「−1000及び−900」の中から、上述した条件を満たす1つのDCMメニュー値(つまり、各波長分散補償器の補償量として実際に適用される決定値)が決定される。
(2−2)第1動作例の具体的な流れ
図5を参照しながら、第1動作例の具体的な流れについて説明する。図5は、第1動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第1例の流れ)を示すフローチャートである。尚、図5に示すフローチャートは、例えば光ネットワークの設計時に、波長分散補償設計装置1により実行される。波長分散補償設計装置1は、演算処理装置16が波長分散補償設計プログラムを実行することにより実現される。
図5に示すように、波長分散補償の設計のために必要な光ネットワーク情報が波長分散補償設計装置1に入力される(ステップS11)。光ネットワーク情報は、例えば、光ネットワークのシステム設計者によって入力装置11を介して波長分散補償設計装置1に入力される。入力された光ネットワーク情報は、例えばデータベース17に格納される。演算処理装置16は、後述する動作を行う都度、データベース17に格納された光ネットワーク情報を参照する。光ネットワーク情報は、例えば、ネットワークトポロジ情報、ノード情報、スパン情報、波長パス情報を含む。
ネットワークトポロジ情報は、光ネットワーク上の各ノードの配置及びノード間の接続状態を表す情報を含む。ノード情報は、各ノードの種別又は機能(例えば、光波長分岐挿入ノードや光中継ノード等)を識別する情報を含む。尚、本実施形態に係る光ネットワークにおいては、全てのノードが波長分散補償器を備えていてもよいし、一部のノードのみが波長分散補償器を備えるようにしてもよい。後者の場合、ノード情報は、各ノードが波長分散補償器を備えているか否かを表す情報を含んでいてもよい。
スパン情報は、各スパンにおいて使用されている光ファイバに係わる情報(例えば、ファイバの種別、ファイバ長、波長分散値、伝送損失等)を含む。尚、本実施形態では、互いに隣接するノード間を接続する光伝送路のことを「スパン」と称する。波長パス情報は、光ネットワーク上を伝送される各光信号の経路情報、伝送速度(例えば、2.4Gbps、10Gbps、40Gbps、100Gbps等)、波長情報、各ノードから出力される光信号の出力パワー情報を含む。尚、1本の波長パスを介してWDM信号が伝送される場合には、WDM光の標準波長に対応するパラメータが設定される。この標準波長は、例えば、WDM信号波長帯の中心波長である。
尚、本実施形態において波長分散補償設計装置1に入力される光ネットワーク情報は、上述の情報に限定されるものではなく、補償量の演算に用いるパラメータに関連する他の情報を含むようにしてもよい。
光ネットワーク情報は、例えば、グラフィカルユーザインタフェースGUI又はキャラクタユーザインタフェースを利用して入力される。或いは、光ネットワーク情報及び各種パラメータを格納しているファイルから一括して入力されるようにしてもよい。
続いて、演算処理装置16の動作により、ステップS11において入力された光ネットワーク情報より特定される各波長パスに対して優先度が設定される(ステップS12)。本実施形態では、各波長パスに対して「高優先度」又は「低優先度」が設定されるが、3以上の優先度レベルが設定されてもよい。
各波長パスの優先度は、例えば、入力装置11を介して波長分散補償設計装置1に入力されるユーザ又はシステム設計者の指示に基づいて設定されてもよい。例えば、光ネットワークの運用開始時に実際に光信号を伝送する区間には、高優先度の波長パスが設定されてもよい。一方で、光信号を将来伝送する予定の区間には、低優先度の波長パスが設定されてもよい。或いは、高優先度の波長パスが存在しない区間の全て又は一部に低優先度の波長パスが設定されてもよい。このとき、高優先度の波長パスが複数のサブノード区間を含む場合は、各サブノード区間に対して低優先度の波長パスが設定されてもよい。例えば、図2において、区間A−Gに高優先度の波長パスが設定された場合、当該区間A−G内には区間A−D及び区間D−Gが存在する。この場合、区間A−Dに対して自動的に低優先度の波長パスが設定されてもよい。尚、図2に示す例では、区間D−Gには既に高優先度の波長パスが設定されている。
或いは、各波長パスの優先度は、例えば、予め決められた条件に従って自動的に設定されてもよい。具体的には、例えば、各波長パスの優先度は、ステップS11で入力された光ネットワーク情報に基づいて自動的に設定されてもよい。より具体的には、例えば、伝送速度が閾値(例えば、10Gbps)を越えている波長パスに対して高い優先度が設定され、伝送速度が閾値以下の波長パスに対して低い優先度が設定されてもよい。
続いて、演算処理装置16の動作により、各高優先度の波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランス及び残留波長分散目標値が設定される(ステップS13)。一方で、演算処理装置16の動作により、各低優先度の波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランスが設定される(ステップS13)。
残留波長分散トレランスは、各波長パスの経路情報、その経路上に存在するノードについてのノード情報、ファイバ情報、波長パスの信号種、光信号の各ノードからの出力パワー等に基づいて決定される。尚、残留波長分散トレランスは、許容残留波長分散の上限値及び下限値により定義される。残留波長分散目標値は、残留波長分散トレランスの中央領域に設定されることが好ましい。例えば、波長パスiの残留波長分散トレランスの上限をRDtolerance_upper(i)とし且つ波長パスiの残留波長分散トレランスの下限をRDtolerance_lower(i)とすると、波長パスiの残留波長分散目標値RDtarget(i)は、(RDtolerance_upper(i)+RDtolerance_lower(i))/2であることが好ましい。尚、残留波長分散目標値の決定方法は、上述の例に限定されるものではなく、他の方法で決定するようにしてもよい。
続いて、演算処理装置16の動作により、ステップS11からS13で設定した各種情報を用いて、DCMメニュー値を考慮することなく、光ネットワークが備える各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される(ステップS14)。
ステップS14では、線形計画法を用いて、各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される。具体的には、目的関数及び制約条件を下記の通り設定し、下記の条件を満足するように各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される。目的関数には、「高優先度の波長パスの終端ノードにおける残留波長分散値と対応する残留波長分散目標値との差(すなわち、各波長パスの累積波長分散補償誤差)の総和を最小化する」ことが設定される。制約条件には、「低優先度波長パスの終端ノードにおける累積波長分散値は、それぞれ対応する許容残留波長分散範囲内である」ことが設定される。尚、本実施形態では、ステップS14の段階では、「各波長分散補償器において設定可能な補償量は、DCMメニュー値の中から選択される」という制約条件は設定されない。
目標関数は、数式1によって示される。制約条件は、数式2から数式4によって示される。但し、Ghは、高優先度の波長パスを識別する識別子(変数)であるものとする。Glは、低優先度の波長パスを識別する識別子(変数)であるものとする。sは、スパンを識別する識別子(変数)であるものとする。cは、DCMメニュー値を識別する識別子(変数)であるものとする。negRDerror[Gh]は、高優先度の波長パスiにおいて「残留波長分散値−残留波長分散目標値≦0」であるときの誤差を示す変数(常に、正の値を取る変数)であるものとする。posRDerror[Gh]は、高優先度の波長パスiにおいて「残留波長分散値−残留波長分散目標値≧0」であるときの誤差を示す変数(常に、正の値を取る変数)であるものとする。term[Gh]は、高優先度の波長パスiの終端ノードにおける残留波長分散値を示す変数であるものとする。RDtarget[Gh]は、高優先度の波長パスiの残留波長分散目標値を示す変数ないしは定数であるものとする。term[Gl]は、低優先度の波長パスjの終端ノードにおける残留波長分散値を示す変数であるものとする。RDtolerance_upper[Gl]は、低優先度の波長パスjの残留波長分散トレランスの上限値を示す変数ないしは定数であるものとする。RDtolerance_lower[Gl]は、低優先度の波長パスjの残留波長分散トレランスの下限値を示す変数ないしは定数であるものとする。term[g]は、波長パスg(高優先度の波長パスi又は低優先度の波長パスj)の終端ノードにおける残留波長分散値を示す変数であるものとする。
Figure 0005614253
Figure 0005614253
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制約条件の第1式は、高優先度の波長パスiの波長分散補償の補償量誤差を表している。制約条件の第2式及び第3式は、低優先度の波長パスjの終端ノードにおける残留波長分散値が、残留波長分散トレランス内であることを表している。
このようにして線形計画法における目的関数及び制約条件を設定すれば、一般的な数理計画ソフトウェアを利用して、各ノードが備える波長分散補償器の補償量の理想値を容易に導き出すことが可能である。すなわち、上記制約条件の下で上記目的関数を満たすように、各波長分散補償器に対して理想的な1つの補償量が算出される。
続いて、演算処理装置16の動作により、波長分散補償器毎に、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い2つのDCMメニュー値が選択される(ステップS15)。言い換えれば、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値との誤差が最も小さくなる2つのDCMメニュー値が選択される。例えば、ある波長分散補償器に対して「−1000、−950、−900、−850、−800、−700」という複数のDCMメニュー値が予め設定又は用意されている場合を想定する。この場合、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値が「−875」である場合には、理想値に最も近い2つのDCMメニュー値として、「−850」及び「−900」が選択される。
尚、DCMメニュー値は、光ネットワーク情報に含まれていてもよい。この場合、演算処理装置16は、データベース17に格納されている光ネットワーク情報からDCMメニュー値を取得してもよい。或いは、DCMメニュー値は、波長分散補償設計装置1によって適宜算出されてもよい。また、DCMメニュー値は、離散的な値でなくともよい。
続いて、演算処理装置16の動作により、ステップS15で選択された各波長分散補償器の2つのDCMメニュー値のうち実際に各波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値(つまり、補償量の決定値)が決定される(ステップS16)。
ステップS16では、各波長分散補償器の離散的な2つのDCMメニュー値から決定される1つのDCMメニュー値を含む組み合わせが選択されるため、混合整数計画法を用いて、各波長分散補償器の補償量の決定値が算出される。具体的には、目的関数及び制約条件は、ステップS14において用いられた目的関数及び制約条件(数式1から数式4参照)と同一である。加えて、ステップS16では、あるスパンs(つまり、あるスパンsに設置されている波長分散補償器)を対象として選択された2つのDCMメニュー値の中の一つが選択されるという新たな制約条件が追加される。つまり、「各波長分散補償器において設定可能な補償量は、選択された2つのDCMメニュー値の中から選択される」という制約条件が設定される。具体的には、数式5に示す制約条件が新たに追加される。但し、sは、スパンを識別する識別子(変数)であるものとする。cは、選択された2つのDCMメニュー値を識別する識別子(変数)であるものとする。dcmInfo[s,c]は、DCMメニュー値cがスパンsの候補であれば「1」となり且つスパンsの候補でない場合には「0」となる変数であるものとする。dcmVar[c]は、DCMメニュー値cが選択されたときは「1」となり且つ選択されていない場合には「0」となる変数であるものとする。
Figure 0005614253
このようにして混合整数計画法における目的関数及び制約条件を設定すれば、一般的な数理計画ソフトウェアを利用して、各ノードが備える波長分散補償器の補償量の決定値を容易に導き出すことが可能である。すなわち、上記制約条件の下で上記目的関数を満たすように、各波長分散補償器に対して実際に適用される1つの補償量が算出される。
ステップS16の結果得られる各波長分散補償器の決定値(1つのDCMメニュー値)は、例えば、ネットワーク管理システム(NMS)を介して各ノードに通知される。その結果、各ノードが備える波長分散補償器は、通知された決定値が示す補償量で波長分散補償を行う。
以上説明したように、第1動作例によれば、DCMメニュー値を考慮することなく算出される理想値に基づいてDCMメニュー値の数を絞り込んだ後に、波長分散補償器の補償量として実際に適用される1つのDCMメニュー値を決定することができる。言い換えれば、第1動作例によれば、混合整数計画法に比べて演算のための処理負荷が小さい数理計画法を用いて算出される理想値に基づいてDCMメニュー値の数を絞り込んだ後に、混合整数計画法を用いて波長分散補償器の補償量となる1つのDCMメニュー値を決定することができる。このため、DCMメニュー値の数を絞り込むことなく波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値を決定する比較例の設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減することができる。
具体的には、例えば、夫々が1190ps/nmの波長分散を有する23個のスパンを介して26個の光波長挿入分岐ノードが接続されている光ネットワークを例に考える。各光波長挿入分岐ノードに波長分散補償器が設置され且つ各波長分散補償器の補償量として0〜−2000ps/nmまで100ps/nm刻みの21種類のDCMメニュー値が予め設定又は用意されているとする。この場合、26個の波長分散補償器におけるDCMメニュー値の組み合わせの数は、2126通りとなる。従って、DCMメニュー値の数を絞り込むことなく波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値を決定する比較例の設計方法では、2126通りの組み合わせの夫々の目的関数を算出及び評価することで各波長分散補償器の補償量を決定する(つまり、最適な1通りの組み合わせを決定する)必要がある。本願発明者が行った実験によれば、補償量を決定するための動作を開始してから3時間経過後に、メモリ不足によって動作が終了してしまっている。尚、本願発明者が行った実験は、Intel Core2 Duo 2.00GHzのCPU、2.00GBのメモリ、並びにGLPK(Gnu Linear Programming Kit)V4.43を線形計画法及び混合整数計画法のソルバとして用いている。
一方で、第1動作例によれば、各波長分散補償器のDCMメニュー候補値が2種類に絞り込まれているため、226通りの組み合わせの夫々の目的関数を算出すれば各波長分散補償器の補償量を決定することができる。尚、比較例の設計方法と同様の環境下で第1動作例の流れに従って各波長分散補償器の補償量を決定すると、本願発明者が行った実験によれば、約85.4秒で各波長分散補償器の補償量を決定することができた。より具体的には、(i)図5のステップS14に示す各波長分散補償器の補償量の理想値を算出するために要した時間が約0.4秒であり、(ii)図5のステップS16に示す各波長分散補償器の補償量の決定値を決定するために要した時間が約85.0秒であった。このように、第1動作例によれば、比較例の設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減することができる。
加えて、第1動作例によれば、理想値に基づいて2つのDCMメニュー値を選択している。このため、光ネットワーク全体で(或いは、波長パス全体で)波長分散が過度に補償されてしまう又は補償の程度が不足してしまうことがなくなる。具体的には、全ての波長分散補償器について「−1000」及び「−1100」という2つのDCMメニュー値が選択される場合を想定する。この場合、2つのDCMメニュー値を選択しているため、1つのDCMメニュー値(補償量の決定値)を決定するときには、「−1000」が決定値として決定される波長分散補償器及び「−1100」が決定値として決定される波長分散補償器の双方が存在し得る。つまり、全ての波長分散補償器について「−1000」が決定値として決定されることは殆ど或いはあまりない。同様に、全ての波長分散補償器について「−1100」が決定値として決定されることは殆ど或いはあまりない。従って、光ネットワーク全体で(或いは、波長パス全体で)過補償及び補償不足を平均化することができる。従って、波長分散を高精度にないしは高品質に補償することができる。但し、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減するという観点から見れば、後の第2動作例で詳述するように、理想値に基づいてただ1つのDCMメニュー値が選択されてもよい。
尚、上述の第1動作例では、理想値に最も近い2つのDCMメニュー値を選択する例について説明している。しかしながら、理想値に最も近い3つ(或いは、それ以上の)DCMメニュー値を選択してもよい。但し、DCMメニュー値の絞り込みを行うという観点から見れば、理想値に基づいて選択されるDCMメニュー値の数は、DCMメニュー値の総数よりも少ないことが好ましい。このように構成しても、DCMメニュー値の絞り込みを多少なりとも行うことができるため、比較例の設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減することができる。
(2−3)波長パスの優先度の設定
波長パスの優先度は、上述したように、入力装置11を介して波長分散補償設計装置1に入力されるユーザ又はシステム設計者の指示に基づいて設定されてもよいし、光ネットワーク情報又は各種パラメータに基づいて自動的に設定されるようにしてもよい。以下、波長パスの優先度を自動的に設定する方法について説明する。
(2−3−1)光ネットワーク情報に基づく方法
上述した光ネットワーク情報を用いて、システム設計者は、波長パスを指定することができる。この場合、指定された波長パスが「高優先度の波長パス」として設定され、光ネットワーク上で「高優先度の波長パス」が設定されていない他の区間が自動的に「低優先度の波長パス」として設定される。
図6を参照しながら一例を説明する。ここでは、光ネットワークは、光ファイバを介して接続された4つの光波長分岐挿入ノードA、D、G及びJ並びに6つの光中継ノードB、C、E、F、H及びIを備えている。そして、光ネットワーク情報において、ノードA及びJ間、並びにノードD及びG間に波長パスが指定されているものとする。
この場合、光ネットワーク情報により指定されている2本の波長パスが、高優先度の波長パス(#H1、#H2)に設定される。続いて、この光ネットワーク上で波長パスが存在していないノード区間が抽出される。このとき、「ノード区間」は、光波長分岐挿入ノード同士の間の区間を意味する。図6に示す例では、区間A−G、区間A−D、区間D−J及び区間G−Jが抽出される。従って、区間A−G、区間A−D、区間D−J及び区間G−Jに設定すべき波長パスが、それぞれ低優先度波長パス(#L1〜#L4)に設定される。
(2−3−2)波長パスの伝送速度に基づく方法
光ネットワーク情報は、各波長パスを介して伝送される光信号の伝送速度を表す波長パス情報を含んでいてもよい。この場合、各波長パスの優先度は、伝送速度に基づいて設定されてもよい。尚、伝送速度に基づいて優先度を決定するポリシは、例えば、ステップS1において入力すべき設計パラメータで指定してもよい。
光信号の品質は、伝送速度が高いほど波長分散の影響を受けやすくなる。このため、所定の伝送品質を確保するためには、伝送速度が高い光信号を伝送する波長パスに対して、残留波長分散についてより厳しい条件を与えることが望ましい。そこで、所定の閾値速度を越える伝送速度の波長パスは「高優先度の波長パス」として設定され、閾値速度以下の伝送速度の波長パスは「低優先度の波長パス」として設定されてもよい。
図7を参照しながら一例を説明する。ここでは、光ネットワークは、光ファイバを介して接続された4つの光波長分岐挿入ノードA、D、G及びJ並びに6つの光中継ノードB、C、E、F、H及びIを備えている。そして、区間A−J及び区間A−Dに、それぞれ40Gbpsの波長パスが設定されている。また、区間A−D及び区間D−Jに、それぞれ10Gbpsの波長パスが設定されている。
この場合、区間A−Jには40Gbpsの波長パスが存在するので「高優先度の波長パス」が設定される。また、区間D−Jには10Gbpsの波長パスが存在するので「低優先度の波長パス」が設定される。対して、区間A−Dには10Gbpsの波長パス及び40Gbpsの波長パスが存在する。同一の区間に伝送速度の異なる複数の波長パスが存在するときには、最も高速の伝送速度に基づいて優先度が判断されてもよい。よって、区間A−Dには「高優先度の波長パス」が設定されてもよい。
(3)波長分散補償設計装置の第2動作例
図8を参照して、波長分散補償設計装置1の第2動作例(つまり、波長分散補償設計方法の第2例)について説明する。図8は、第2動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第2例の流れ)を示すフローチャートである。尚、上述した第1動作例と同一の動作については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明については省略する。
図8に示すように、第2動作例では、第1動作例と同様に、ステップS11からステップS14までの動作が行われる。つまり、波長分散補償の設計のために必要な光ネットワーク情報が波長分散補償設計装置1に入力される(ステップS11)。続いて、各波長パスに対して優先度が設定される(ステップS12)。続いて、各高優先度の波長パスに対して終端ノードにおける残留波長分散トレランス及び残留波長分散目標値が設定される(ステップS13)。同様に、各低優先度の波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランスが設定される(ステップS13)。続いて、DCMメニュー値を考慮することなく、各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される(ステップS14)。
第2動作例では、演算処理装置16の動作により、波長分散補償器毎に、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い1つのDCMメニュー値を選択する。言い換えれば、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値との誤差が最も小さくなる1つのDCMメニュー値が選択される。例えば、ある波長分散補償器に対して「−1000、−950、−900、−850、−800、−700」という複数のDCMメニュー値が予め設定又は用意されている場合を想定する。この場合、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値が「−880」である場合には、理想値に最も近い1つのDCMメニュー値として、「−900」が選択される。
更に、第2動作例では、演算処理装置16の動作により、選択した1つのDCMメニュー値(つまり、理想値に最も近い1つのDCMメニュー値)は、実際に各波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値(つまり、補償量の決定値)として決定される(ステップS21)。
ステップS21の結果得られる各波長分散補償器の決定値(1つのDCMメニュー値)は、例えば、ネットワーク管理システム(NMS)を介して各ノードに通知される。その結果、各ノードが備える波長分散補償器は、通知された決定値が示す補償量で波長分散補償を行う。
以上説明したように、第2動作例によれば、理想値に最も近い1つのDCMメニュー値そのものを、波長分散補償器の補償量となる1つのDCMメニュー値を決定することができる。従って、第2動作例によれば、第1動作例と比較して、演算のための処理負荷が相対的に大きい混合整数計画法を用いた動作が行われなくともよくなる。従って、比較例の設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷をより一層低減することができる。
(4)波長分散補償設計装置の第3動作例
図9を参照して、波長分散補償設計装置1の第3動作例(つまり、波長分散補償設計方法の第3例)について説明する。図9は、第3動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第3例の流れ)を示すフローチャートである。尚、上述した第1動作例又は第2動作例と同一の動作については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明については省略する。
図9に示すように、第3動作例では、第1動作例と同様に、ステップS11の動作が行われる。つまり、波長分散補償の設計のために必要な光ネットワーク情報が波長分散補償設計装置1に入力される(ステップS11)。
第3動作例では、第1動作例と異なり、図5のステップS12の動作が行われなくともよい。つまり、第3動作例では、各波長パスに対する優先度の設定が行われなくともよい。従って、第3動作例では、優先度の異なる波長パスの夫々に対して別個独立のパラメータが設定されなくともよい。つまり、第3動作例では、演算処理装置16の動作により、設定される波長パスを区別することなく、同一のパラメータが設定される(ステップS31)。例えば、全ての波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランス及び残留波長分散目標値の少なくとも一方が設定されてもよい。
その後は、第3動作例でも、第1動作例と同様に、ステップS14からステップS16の動作が行われる。つまり、DCMメニュー値を考慮することなく、光ネットワークが備える各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される(ステップS14)。続いて、波長分散補償器毎に、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い2つのDCMメニュー値が選択される(ステップS15)。続いて、ステップS15で選択された各波長分散補償器の2つのDCMメニュー値のうち実際に各波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値(つまり、補償量の決定値)が決定される(ステップS16)。
或いは、第3動作例でも、第2動作例と同様に、ステップS14及びステップS21の動作が行われてもよい。つまり、DCMメニュー値を考慮することなく、光ネットワークが備える各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される(ステップS14)。続いて、波長分散補償器毎に、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い1つのDCMメニュー値が選択されてもよい(ステップS21)。選択した1つのDCMメニュー値(つまり、理想値に最も近い1つのDCMメニュー値)は、実際に各波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値(つまり、補償量の決定値)として決定されてもよい(ステップS21)。
尚、第3動作例では、波長パスの優先度を設定しなくともよいため、ステップS14及びステップS16における制約条件が、第1動作例における制約条件とは異なっていてもよい。具体的には、全ての波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランス及び残留波長分散目標値の双方が設定される場合には、数式1に示す目的関数及び数式2から数式4に示す制約条件に代えて、数式6に示す目的関数及び数式7から数式9に示す制約条件が用いられることが好ましい。或いは、全ての波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランスが設定される(言い換えれば、残留波長分散目標値が設定されない)場合には、数式1に示す目的関数及び数式2から数式4に示す制約条件に代えて、数式6に示す目的関数及び数式8及び数式9に示す制約条件が用いられることが好ましい。或いは、全ての波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散目標値が設定される(言い換えれば、残留波長分散トレランスが設定されない)場合には、数式1に示す目的関数及び数式2から数式4に示す制約条件に代えて、数式6に示す目的関数及び数式7に示す制約条件が用いられることが好ましい。但し、Gは、波長パスを識別する識別子(変数)であるものとする。
Figure 0005614253
Figure 0005614253
Figure 0005614253
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以上説明したように、第3動作例によれば、波長パスの優先度を設定しない場合であっても、比較例の設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減することができる。つまり、第3動作例によれば、波長パスの優先度を設定しない場合であっても、第1動作例によって享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
(5)波長分散補償設計装置の第4動作例
図10を参照して、波長分散補償設計装置1の第4動作例(つまり、波長分散補償設計方法の第4例)について説明する。図10は、第4動作例の流れ(つまり、波長分散補償設計の第4例の流れ)を示すフローチャートである。尚、上述した第1動作例、第2動作例又は第3動作例と同一の動作については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明については省略する。
図10に示すように、第4動作例では、第1動作例と同様に、ステップS11の動作が行われる。つまり、波長分散補償の設計のために必要な光ネットワーク情報が波長分散補償設計装置1に入力される(ステップS11)。
第4動作例では、第1動作例と異なり、演算処理装置16の動作により、各波長分散補償器の補償量の上限及び下限の少なくとも一方が設定される(ステップS41)。尚、ステップS41で補償量の上限及び下限の少なくとも一方の設定は、光伝送路損失(スパン損失)と波長分散補償器による補償量が一致することに起因する相互位相変調(XPM:Cross Phase Modulation)劣化を防ぐために行われる。従って、ステップS41では、光伝送路損失を考慮した上で相互位相変調の劣化を防ぐことができるように、補償量の上限及び下限の少なくとも一方として適切な値が設定されることが好ましい。
その後は、第4動作例でも、第1動作例と同様に、ステップS12からステップS16の動作が行われる。つまり、各波長パスに対して優先度が設定される(ステップS12)。続いて、各高優先度の波長パスに対して終端ノードにおける残留波長分散トレランス及び残留波長分散目標値が設定される(ステップS13)。同様に、各低優先度の波長パスに対して、終端ノードにおける残留波長分散トレランスが設定される(ステップS13)。DCMメニュー値を考慮することなく、光ネットワークが備える各波長分散補償器の補償量の理想値が算出される(ステップS14)。続いて、波長分散補償器毎に、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い2つのDCMメニュー値が選択される(ステップS15)。続いて、ステップS15で選択された各波長分散補償器の2つのDCMメニュー値のうち実際に各波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値(つまり、補償量の決定値)が決定される(ステップS16)。
尚、補償量の上限及び下限の少なくとも一方が設定されるため、ステップS14で算出される理想値は、補償量の上限を超えない又は下限を下回らないことが好ましい。補償量の上限を超える理想値が算出された場合には、上限そのものが理想値として取り扱われてもよい。或いは、補償量の下限を下回る理想値が算出された場合には、下限そのものが理想値として取り扱われてもよい。或いは、その他の値が理想値として取り扱われてもよい。
同様に、ステップS15で選択される2つのDCMメニュー値は、補償量の上限を超えない又は下限を下回らないことが好ましい。つまり、ステップS15では、複数のDCMメニュー値のうち上限を超えない条件(或いは、下限を下回らない条件)を満たしながらも理想値に最も近い2つのDCMメニュー値が選択されることが好ましい。
或いは、第4動作例でも、第2動作例と同様に、ステップS12からステップS21の動作が行われてもよい。つまり、波長分散補償器毎に、各波長分散補償器に予め設定又は用意されている離散的な複数のDCMメニュー値の中から、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い2つのDCMメニュー値が選択される代わりに、ステップS14で算出された波長分散補償器の補償量の理想値に最も近い1つのDCMメニュー値が選択されてもよい(ステップS21)。選択した1つのDCMメニュー値(つまり、理想値に最も近い1つのDCMメニュー値)は、実際に各波長分散補償器の補償量として適用される1つのDCMメニュー値(つまり、補償量の決定値)として決定されてもよい(ステップS21)。
以上説明したように、第4動作例によれば、波長分散補償器の補償量の上限及び下限の少なくとも一方を設定する場合であっても、比較例の設計方法と比較して、各波長分散補償器の補償量を決定するための処理負荷を相対的に低減することができる。つまり、第4動作例によれば、波長分散補償器の補償量の上限及び下限の少なくとも一方を設定する場合であっても、第1動作例によって享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
尚、第4動作例においても、第3動作例と同様に、各波長パスに対する優先度の設定が行われなくともよい。
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
光伝送路を介して接続される複数の光ノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する複数の波長パスの波長分散補償を設計する波長分散補償設計方法であって、
各波長パスの残留波長分散値が所定条件を満たすように、各波長パス上に配置される波長分散補償器の補償量の理想値を算出する算出工程と、
前記理想値に基づいて、前記波長分散補償器の補償量として適用される決定値を、前記波長分散補償器の補償量の候補として予め用意される複数の候補値から決定する決定工程と
を備えることを特徴とする波長分散補償設計方法。
(付記2)
前記決定工程は、前記複数の候補値のうち前記理想値に最も近い1つの候補値を前記決定値として決定することを特徴とする請求項1に記載の波長分散補償設計方法。
(付記3)
前記理想値に基づいて、前記複数の候補値から少なくとも2つの候補値を選択する選択工程を更に備え、
前記決定工程は、前記決定値を、前記選択工程において選択された前記少なくとも2つの候補値から決定することを特徴とする付記1又は2に記載の波長分散補償設計方法。
(付記4)
前記選択工程は、前記複数の候補値のうち前記理想値に近い順に前記少なくとも2つの候補値を選択することを特徴とする付記3に記載の波長分散補償設計方法。
(付記5)
前記決定工程は、各波長パスの残留波長分散値が前記所定条件を満たすように、前記決定値を前記複数の候補値から決定することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
(付記6)
前記算出工程は、線形計画法を用いて前記理想値を算出することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
(付記7)
前記決定工程は、混合整数計画法を用いて前記決定値を決定することを特徴とする付記1から6のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
(付記8)
前記算出工程は、前記候補値とは無関係に、前記理想値を算出することを特徴とする付記1から7のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
(付記9)
前記所定条件は、各波長パスの残留波長分散値と当該各波長パスに対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小になるという条件であることを特徴とする付記1から8のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
(付記10)
前記所定条件は、(i)前記複数の波長パスのうちの第1の波長パスの残留波長分散値と当該第1の波長パスに対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小になり、且つ、(ii)前記複数の波長パスのうちの前記第1の波長パスよりも優先度が低い第2の波長パスの残留波長分散値が当該第2の波長パスに対応する残留波長分散許容範囲内に収まるという条件であることを特徴とする付記1から8のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
(付記11)
各波長パスの残留波長分散値と当該各波長パスに対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となることが、目標関数として設定され、
各波長パスにおける残留波長分散値が、当該各波長パスに対応する残留波長分散許容範囲内に収まることが、制約条件として設定されることを特徴とする付記6又は7に記載の波長分散補償設計方法。
(付記12)
前記複数の波長パスのうちの第1の波長パスの残留波長分散値と当該第1の波長パスに対応する残留波長分散目標値との誤差の和が最小となることが、目標関数として設定され、
前記複数の波長パスのうちの前記第1の波長パスよりも優先度が低い第2の波長パスの残留波長分散値が、当該第2の波長パスに対応する残留波長分散許容範囲内に収まることが、制約条件として設定されることを特徴とする付記6又は7に記載の波長分散補償設計方法。
(付記13)
光伝送路を介して接続される複数の光ノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する複数の波長パスの波長分散補償を設計する波長分散補償設計装置であって、
各波長パスの残留波長分散値が所定条件を満たすように、各波長パス上に配置される波長分散補償器の補償量の理想値を算出する算出部と、
前記理想値に基づいて、前記波長分散補償器の補償量として適用される決定値を、前記波長分散補償器の補償量の候補として予め用意される複数の候補値から決定する決定部と
を備えることを特徴とする波長分散補償設計装置。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう波長分散補償設計方法及び装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 波長分散補償設計装置
11 入力装置
12 出力装置
13 ドライブ装置
14 補助記憶装置
15 メモリ装置
16 演算処理装置
17 データベース
18 システムバス
19 記録媒体

Claims (8)

  1. 光伝送路を介して接続される複数の光ノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する複数の波長パスの波長分散補償を設計する波長分散補償設計方法であって、
    各波長パスの残留波長分散値が所定条件を満たすように、各波長パス上に配置される波長分散補償器の補償量の理想値を算出する算出工程と、
    前記理想値に基づいて、前記波長分散補償器の補償量として適用される決定値を、前記波長分散補償器の補償量の候補として予め用意される複数の候補値から決定する決定工程と
    を備え
    前記算出工程は、前記候補値とは無関係に前記理想値を算出することを特徴とする波長分散補償設計方法。
  2. 前記決定工程は、前記複数の候補値のうち前記理想値に最も近い1つの候補値を前記決定値として決定することを特徴とする請求項1に記載の波長分散補償設計方法。
  3. 前記理想値に基づいて、前記複数の候補値から少なくとも2つの候補値を選択する選択工程を更に備え、
    前記決定工程は、前記決定値を、前記選択工程において選択された前記少なくとも2つの候補値から決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の波長分散補償設計方法。
  4. 前記選択工程は、前記複数の候補値のうち前記理想値に近い順に前記少なくとも2つの候補値を選択することを特徴とする請求項3に記載の波長分散補償設計方法。
  5. 前記決定工程は、各波長パスの残留波長分散値が前記所定条件を満たすように、前記決定値を前記複数の候補値から決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
  6. 前記算出工程は、線形計画法を用いて前記理想値を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
  7. 前記決定工程は、混合整数計画法を用いて前記決定値を決定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の波長分散補償設計方法。
  8. 光伝送路を介して接続される複数の光ノードを有する光ネットワークにおいて、始端ノードと終端ノードとの間で光信号を伝送する複数の波長パスの波長分散補償を設計する波長分散補償設計装置であって、
    各波長パスの残留波長分散値が所定条件を満たすように、各波長パス上に配置される波長分散補償器の補償量の理想値を算出する算出部と、
    前記理想値に基づいて、前記波長分散補償器の補償量として適用される決定値を、前記波長分散補償器の補償量の候補として予め用意される複数の候補値から決定する決定部と
    を備え
    前記算出部は、前記候補値とは無関係に前記理想値を算出することを特徴とする波長分散補償設計装置。
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