JP4311437B2 - D級増幅装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポップアップノイズなどのノイズを除去するためのデータ処理を行うD級増幅装置の技術に関する。
従来、A級増幅回路、B級増幅回路又はC級増幅回路等の各種のオーディオ製品用の増幅装置(以下、単に「増幅回路」ともいう。)が知られており、最近では、当該増幅回路の小型化および効率化の観点からデジタル増幅装置(以下、「D級増幅回路」ともいう。)が普及している。
このD級増幅回路は、デジタル信号である音信号に対してPWM(Pulse Width Modulation)変調を施し、当該変調により得られる変調信号を矩形波のまま増幅し、その後LPF(Low Pass Filter)を介してスピーカに出力するようになっている。
この種のD級増幅回路は、電源投入時や電源遮断時に、いわゆるポップアップノイズが発生することが知られている。このポップアップノイズは、D級増幅回路の入力部から出力部までの各種の回路の動作状態が不安定となることに起因しており、大きなノイズとして出力されると聴感上耳障りである他にスピーカなどの各種の装置に支障をきたすこともある。
従来、このようなポップアップノイズの発生を抑制するD級増幅装置としては、アナログのローパスフィルタの出力にポップアップノイズ抑制回路を設け、アナログ的に当該ローパスフィルタの出力電圧を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−204590号公報(要約書)
しかしながら、このようなD級増幅回路では、ポップアップノイズを抑制する回路がアナログ回路にて設けられているため、システムを構成する上において、当該増幅回路とは別途ポップアップノイズを抑制するための回路を用意する必要があり、コストが増加するとともに、小型化にも限界がある。
また、このD級増幅回路は、ポップアップノイズを抑制する回路がアナログ回路であり、増幅回路自体の起動及び停止に所定の時間(例えば、300ms)が必要なことから、電源投入時から正常に動作を開始するまでの起動開始期間及び動作終了時から電源が完全に遮断されるまで起動終了期間の時間の変更を容易に行うことができず、特に、短時間における起動及び停止を行うことができない。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、デジタル波形を用いることによって簡易な構成にてポップアップノイズを防止することができるとともに、小型化、部品点数の削減に基づく製造コストの低減、及び、波形の容易な設定又は調整に基づく操作性の向上やシステムを構築する際の柔軟性を実現することができるD級増幅装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係るD級増幅装置は第1レベルと第2レベルとの2値の出力電圧を出力するものであって、増幅動作の開始直前の開始期間又は増幅動作の終了直後の終了期間の少なくも一方を特定期間とし、前記第1レベルと前記第2レベルとの中心のレベルを中心レベルとしたとき、前記特定期間において前記第1レベルと前記中心レベルとの間でレベルが次第に変化する波形を示すn(nは自然数)ビットの波形データを所定のサンプリング周期で生成するデータ生成部と、前記波形データにノイズシェーピング処理を施してm(mはn>mの自然数)ビットの変換データを生成するノイズ除去部と、前記変換データをパルス幅変調してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調部と、前記パルス幅変調信号をシングルエンド形式で増幅して前記出力電圧を出力する出力部とを備え、前記データ生成部は、前記波形データを構成する波形の基本周波数が可聴帯域外となるように当該波形データを生成する構成を有している。
この発明によれば、起動時に出力電圧を「0」レベルから所定のレベルに立ち上げる場合、又は、停止時に出力電圧を所定のレベルから「0」レベルまで立ち下げる場合などの特定期間において、レベルが次第に変化する波形データに基づいてパルス幅変調信号を生成することができる。したがって、このD級増幅装置は、起動時又は停止時に出力回路における急激な出力電圧の変化に伴い発生するノイズを抑制することができるとともに、デジタル波形を用いることによって簡易な構成にてポップアップノイズの防止及び容易に波形の設定又は変更を行うことができるので、小型化や部品点数の削減に基づく製造コストを低減すること、及び、波形の容易な設定又は調整に基づく操作性の向上やシステムを構築する際の柔軟性を実現することができる。
さらに、波形データを構成する波形の基本周波数を可聴帯域外とするので、特定期間においてポップアップノイズを抑圧することが可能となる。ここで、可聴帯域とは、人の聴覚によって音を認識できる範囲であり、20Hz〜20KHzの周波数帯の意味である。また、波形データを構成する波形に歪みが存在する場合には、基本周波数の3倍の高調波成分が可聴帯域外となるように波形データの周波数を設定すればよい。
上述したD級増幅装置は、前記中心レベルを振幅中心とする音データと前記波形データとが供給され、前記特定期間において前記波形データを選択し、増幅動作を実行する動作期間において前記音データを選択して前記ノイズ除去部に出力する選択部を備えることが好ましい。この場合は、動作期間に用いられるノイズ除去部、パルス幅変調部、及び出力部を特定期間においても用いることができるので、D級増幅装置を簡易に構成することが可能となる。
また、上述したD級増幅装置において、前記波形データを構成する波形は余弦波形であり、前記データ生成部は、所定の漸化式に従って前記波形データを生成することが好ましい。この場合は、余弦波形を漸化式にて生成するので、メモリに波形データを記憶する必要がなく、容易にかつ低歪みの波形として当該波形データを生成すること可能となる。
また、上述したD級増幅装置において、前記ノイズ除去部は、前記ノイズシェーピング処理において不感帯で演算が行われないように前記波形データの値に応じて前記ノイズシェーピング処理の次数を変更することが好ましい。不感帯とは、ノイズシェーピング処理の演算で情報が失われる範囲の意味であり、典型的には演算によってアンダーフロー又はオーバーフローが発生する範囲を指す。情報が失われると、可聴帯域内にノイズが発生する。一方、ノイズシェーピング処理では次数が上がるほど、変換データに重畳する量子化誤差分の振幅が大きくなり、不感帯が広がるが、低域周波数における量子化ノイズは低減する。この発明によれば、不感帯で演算が行われないように前記波形データの値に応じて前記ノイズシェーピング処理の次数を変更するので、可聴帯域におけるノイズを抑圧することができる。
また、上述したD級増幅装置において、前記ノイズ除去部は、前記ノイズシェーピング処理において不感帯で演算が行われないように前記特定期間の開始からの時間に応じて前記ノイズシェーピング処理の次数を変更することが好ましい。不感帯は波形データの値に応じて定まるが、一定の波形データを生成する場合には、特定期間の開始からの時間に応じて不感帯を特定することができる。この発明によれば、波形データの値を検出しなくても、時間を管理することによってノイズシェーピング処理の次数を切り替えることができるので、構成を簡素化することが可能となる。
また、上述したD級増幅装置において、前記パルス幅変調部は、前記波形データの値が所定値未満の場合に、前記パルス幅変調信号のハイレベル期間とローレベル期間との比であるデューティー比を次第に変化させることが好ましい。この発明によれば開始期間の開始直前又は終了期間の終了直前などノイズシェーピング処理の次数を変化させたとしても不感帯での演算を実行せざるを得ない範囲において、変換データによらずパルス幅変調信号のデューティー比を変化させるので、不感帯に起因するノイズを防止することができる。
また、上述したD級増幅装置において、前記パルス幅変調部は、前記特定期間の予め定められた時刻間にて、前記パルス幅変調信号のハイレベル期間とローレベル期間との比であるデューティー比を次第に変化させることが好ましい。不感帯は波形データの値に応じて定まるが、一定の波形データを生成する場合には、特定期間の開始からの時間に応じて不感帯を特定することができる。この発明によれば、波形データの値を検出しなくても、パルス幅変調信号のデューティー比を次第に変化させるので、構成を簡素化することが可能となる。
また、上述したD級増幅装置において、前記パルス幅変調部は、前記波形データを1サンプリング周期毎に累算して累算データを生成し、前記累算データの値が所定の値を超えるとオーバーフローして前記累算データの値をゼロにリセットする累算部と、前記累算部のオーバーフローを検出して1サンプリング周期だけ前記PWM変調信号のレベルを前記第2レベルに設定する生成部とを備え、前記生成部からハイレベル期間とローレベル期間との比であるデューティー比を次第に変化させる前記パルス幅変調信号を取り出すことが好ましい。この場合、波形データの値が小さければ累算データがオーバーフローするまでの時間が長くなりデューティー比が小さくなる。一方、波形データの値が大きければ累算データがオーバーフローするまでの時間が短くなりデューティー比が大きくなる。したがって、累算データのオーバーフローを監視するだけで、波形データの値に応じたパルス幅変調信号を生成することが可能となる。
次に、本願に好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、デジタル信号である音信号をPWM方式により変調した後に増幅するD級増幅装置に対して本願のデータ処理装置を適用した場合の実施の形態である。また、チャンネル毎に設けられた部材に関し、部材名に(L)を付記してあるものは、Lチャンネル(以下、「Lch」ともいう。)の部材を示し、部材名に(R)を付記してあるものは、Rチャンネル(以下、「Rch」ともいう。)の部材を示す。
まず、図1を用いて本実施形態におけるD級増幅装置の構成について説明する。図1は、本実施形態のD級増幅装置の概要構成を示すブロック図である。
本実施形態のD級増幅装置100は、入力端子10を介して外部から供給されるPCM形式のオーディオデータ(以下、単に「PCMデータ」という。)をチャンネル毎にオーバーサンプリング処理を行うオーバーサンプリング部110と、D級増幅装置100の動作開始の指示がなされた時(以下、「起動時」という。)又は動作停止の指示がなされた時(以下、「停止時」という。)の所定のタイミングにポップアップノイズを防止するために用いられ、余弦波をデータとして生成する余弦波生成回路120と、チャンネル毎にノイズシェーピング処理を行うノイズシェーパ130と、を備えている。
また、このD級増幅装置100は、チャンネル毎にPCMデータと余弦波のデータ(以下、「余弦波データ」という。)のノイズシェーパ130への出力を切り換える第1スイッチング部140と、チャンネル毎にPCMデータをPWM信号に変換するPWM(Pulse Width Modulation)信号生成部150と、起動時又は停止時の所定のタイミングにノイズの発生を防止するために所定のPWM信号(以下、「専用PWM信号」という。)をチャンネル毎に生成する専用PWM信号生成部160と、を備えている。
さらに、このD級増幅装置100は、PWM信号又は専用PWM信号の信号レベルを各チャンネル毎に増幅するドライブ回路170と、チャンネル毎にPWM信号と専用PWM信号のドライブ回路170への出力を切り換える第2スイッチング部180と、PWM信号に対してローパスのフィルタ処理を行うことによって駆動信号を生成し、当該生成した駆動信号を出力端子20を介して出力するローパスフィルタ190と、を備えている。
オーバーサンプリング部110は、所定倍(例えば4倍)のオーバーサンプリングフィルタにて構成されており、ナイキスト周波数を上げ、入力されたPCMデータの量子化ノイズのレベルを低下させるために用いる。具体的には、オーバーサンプリング部110は、例えば、24ビットにて構成されるLch又はRchのPCMデータを入力端子10を介して外部からそれぞれ受信し、この受信されたPCMデータを所定倍(例えば、4倍)のサンプリング周波数にてオーバーサンプリング処理を行う。そして、このオーバーサンプリング部110は、オーバーサンプリング処理されたPCMデータ(音データ)を第1スイッチング部140にチャンネル毎にそれぞれ出力する。
余弦波生成回路120(データ生成部)は、図示しない制御部の制御の下、D級増幅装置100の起動時又は停止時の所定のタイミングにて、ローパスフィルタ190の出力電圧を制御し、ポップアップノイズを抑制するための抑制カーブを有する余弦波を余弦波データ(波形データ)として生成する。そして、この余弦波生成回路120は、この生成した余弦波データを第1スイッチング部140にLch及びRch用としてそれぞれ出力するようになっている。なお、本実施形態の余弦波生成回路120の構成及びその動作などの詳細については後述する。
ノイズシェーパ130には、第1スイッチング部140から出力されたデータ(Lch若しくはRchのPCMデータ又は余弦波データ)が入力される。このノイズシェーパ130は、ナイキスト周波数帯域全体で一様に分布している量子化ノイズを可聴周波数帯域内において低減させるノイズシェーピング処理を実行し、24ビットのデータを6ビットのデータに変換する。そして、このノイズシェーパ130は、変換された6ビットのデータをチャンネル毎にPWM信号生成部150にそれぞれ出力する。特に、本実施形態のノイズシェーパ130は、余弦波データに対してノイズシェーピング処理を行う際に、余弦波データの可聴帯域に発生する量子化ノイズを抑圧するため、起動時又は停止時の所定のタイミングにおいて、当該余弦波データに対してノイズシェーパ130の次数を適宜切り換えるようになっている。本実施形態のノイズシェーパ130の構成及びその動作の詳細については後述するが、ノイズシェーピング処理では、24ビットを6ビットに圧縮するため、量子化誤差が発生する。誤差分は現在のサンプルに対して未来のサンプルに分配される。例えば、2次のノイズシェーピング処理では次のサンプルとその次のサンプルといったように未来の2つのサンプルに誤差分を分配する。このように次数は、量子化誤差を拡散する上で用いられる未来のサンプルの個数を意味する。
第1スイッチング部140には、オーバーサンプリング部110からそれぞれ出力されたLch又はRchのPCMデータと、余弦波生成回路120にて生成された余弦波データと、がチャンネル毎にそれぞれ入力される。この第1スイッチング部140は、図示しない制御部の制御の下、起動時又は停止時の所定のタイミングにてチャンネル毎にPCMデータ又は余弦波データのノイズシェーパ130への出力を切り換える。特に、本実施形態の第1スイッチング部140は、通常、チャンネル毎にそれぞれのPCMデータを出力するようになっているが、図示しない制御部の制御の下、D級増幅装置100が起動されてからローパスフィルタ190の出力電圧が所定値(VDD/2)になるまでの期間(以下、「開始期間」という。)、又は、当該D級増幅装置100の動作の停止が指示されてからローパスフィルタ190の出力電圧が「0」になるまでの期間(以下、「終了期間」という。)の所定のタイミング(以下、「特定期間」という。)にて余弦波データを選択出力する。なお、D級増幅装置100においてPCMデータに対して増幅動作を実行する期間を動作期間としたとき、開始期間は動作期間の直前にあり、終了期間は動作期間の直後にある。
PWM信号生成部150は、例えば、コンパレータやデコーダ及びパラレル/シリアル変換回路を有するデジタル回路などによって構成され、所定の搬送波に基づいて各チャンネル毎にそれぞれ入力されたデータを2値化された信号(以下、「PWM信号」という。)に変調するPWM変調を実行する。そして、このPWM信号生成部150は、PWM変調されたデータをそれぞれ各チャンネルのドライブ回路170に出力する。
一方、専用PWM信号生成部160は、上述のノイズシェーピング処理を実行した場合であっても、発生する可能性のあるノイズを除去するために、開始期間等のタイミングにおいて、余弦波生成回路120にて生成された余弦波データに基づいてローパスフィルタ190を駆動させるためのPWM信号(以下、「専用PWM信号」という。)を生成する。そして、この専用PWM信号生成部160は、第2スイッチング部180を介して各チャンネル毎にドライブ回路170に出力する。なお、本実施形態のPWM信号生成部150の構成及びその動作の詳細については後述する。
第2スイッチング部180には、PWM信号生成部150から出力されたPWM信号と、専用PWM信号生成部160によって生成された専用PWM信号と、がチャンネル毎にそれぞれ入力される。この第2スイッチング部180は、図示しない制御部の制御の下、チャンネル毎にPWM信号又は専用PWM信号のドライブ回路170への出力を切り換える。特に、本実施形態の第2スイッチング部180は、通常、それぞれのチャンネル毎にPWM信号を出力するようになっているが、図示しない制御部の制御の下、特定期間においては、専用PWM信号をドライブ回路170に出力する。
ドライブ回路170には、第2スイッチング部180にて選択されたPWM信号又は専用PWM信号が入力される。このドライブ回路170は、入力されたPWM信号を所定のレベルに増幅し、当該増幅されたPWM信号をローパスフィルタ190に出力する。
ローパスフィルタ190には、ドライブ回路170にて増幅されたPWM信号が入力されるようになっている。そして、このローパスフィルタ190は、入力された駆動信号に対して高域遮断処理(ローパスフィルタ190処理)を実行してヘッドホン又はスピーカなどの図示しない外部に接続された機器を駆動するための駆動信号を生成し、当該駆動信号を出力端子20を介して外部に出力する。なお、ヘッドホン又はスピーカなどの外部機器は、出力端子20を介してローパスフィルタ190から出力された駆動信号が入力されると、当該入力された駆動信号に基づいて放音する。
次に、図2から図5を用いて本実施形態の余弦波生成回路120及びその生成原理について説明する。なお、図2は、本実施形態の余弦波生成回路120における生成原理について説明するための図であり、図4は、本実施形態の余弦波生成回路120におけるブロック図の一例である。また、図3は、生成される余弦波データの波形について説明するための図であり、図5は、本実施形態の余弦波生成回路120におけるブロック図のその他の例である。
通常、シングルエンド方式のD級増幅回路は、ローパスフィルタにおける出力電圧(駆動電圧)VDDの値を中心振幅電位(VDD/2)にする必要があるため、当該D級増幅回路が動作停止している状態(以下、「停止状態」という。)から起動している状態(以下、「起動状態」という。)に又は起動状態から停止状態にその状態を遷移させる場合に、入力されるPWM信号を操作して当該ローパスフィルタ190の出力電圧を0[V]から(VDD/2)[V]に又は(VDD/2)[V]から0[V]に変化させる必要がある。
しかしながら、このようなシングルエンド方式のD級増幅回路は、例えば、停止状態から起動状態にその状態を変化させる際に、PWM信号をデューティー比50%の矩形波パルスに切り換えるなど矩形波のデューティー(Duty)比を調整し、ローパスフィルタ190へのPWM信号の入力を制御した場合には、ローパスフィルタ190の出力電圧が0[V]から(VDD/2)[V]に急激に変化してノイズ(いわゆるポップアップアップノイズ)が発生することになる。これは、出力電圧の波形が可聴帯域の周波数成分を有するからである。
そこで、本実施形態の余弦波生成回路120は、D級増幅装置100の停止状態から起動状態にその状態が変化するタイミング(開始期間)又は停止状態から起動状態にその状態が変化するタイミング(終了期間)にて、余弦波データを生成する。この余弦波データは、図2に示すように0Vから余弦波の波形に沿って立ち上がり、時刻tにおいてそのレベルがVDD/2に達すると、立ち下がることなくそのレベルを維持する。一般に、可聴帯域の下限周波数は20Hzである。このため、余弦波の周波数を20Hz以上に設定すると、ポップアップノイズとして聴こえてしまう。
また、生成された余弦波データの波形の精度が低いと、余弦波データの波形には種々の高調波成分が含まれる。さらに、余弦波の波形は本来時刻tより立ち下がるが、余弦波データの波形はVDD/2を維持する。このため、その差分が歪みとなる。これらの歪みが可聴帯域に発生し、そのレベルが大きいと、可聴されるノイズとして出力されてしまう。一般に、歪みの高周波数成分は基本波の整数倍で発生するが、その倍数が大きくなるほど、レベルは低下する。したがって、余弦波の周波数を低く設定するほど、ポップアップノイズを抑圧することができる。一方、0VからVDD/2に達するまでの時間は余弦波の周波数が低くなるほど長くなる。すなわち、ポップアップノイズの抑圧の程度と、特定期間の長さはトレードオフの関係にある。このため、本実施形態では、余弦波の周波数を3Hz、4Hz、6Hz及び12Hzの中からユーザーが設定できるようになっており、余弦波生成回路120は指定された周波数で余弦波データを生成する。特に、3Hz〜6Hzの範囲で余弦波の周波数を設定すれば、基本波に対して3倍の高調波成分が可聴帯域外になるので、ポップアップノイズを有効に抑圧することが可能となる。
具体的には、本実施形態の余弦波生成回路120は、ノイズシェーパ用の演算器にて構成され、(式1)にて示される漸化式にて得られる余弦波を余弦波データとして生成するようになっている。ただし、「T」は、サンプリング周期を示すとともに、「ω」は、角周波数を示し、「n」は、余弦波データのn(nは0以上の整数)番目のサンプルを示す。
Figure 0004311437

ここで、(式1)に示される漸化式について説明する。
通常、上述のように、サンプリング周期を「T」、角周波数を「ω」とすると、余弦波の「n」番目のサンプルy[n]は(式2)となり、余弦波の「n+1」及び「n−1」番目のサンプルy[n+1]及びy「n−1」は、(式3)によって表すことができるようなっている。
Figure 0004311437

Figure 0004311437
また、この(式3)を三角関数の加法定理を用いて展開すると(式4)となり、(式4)の各式(「n+1」及び「n−1」の番目のサンプルyの式の和を算出すると、(式5)が得られるようになっている。
Figure 0004311437

Figure 0004311437
この(式5)では、右辺第1項における2cos(ωT)が定数であることから、当該(式5)における「n+1」番目のサンプルy「n+1」及び「n−1」番目のサンプルy[n−1]に基づいて積和演算を行うことにより(式1)余弦波を生成することができる。一方、(式5)に示される漸化式は、図3(a)に示す波形(以下、「基本波形」という。)となるため、ポップアップノイズを除去するための波形として適用することができない。そこで、本実施形態の余弦波生成回路120は、図3(b)に示すように、基本波形を変換するため、(式5)を変形して(式1)に示す波形(以下、「改良波形」という。)を生成するようになっている。
図4に示す余弦波生成回路120は、(式5)の演算を実行する。この余弦波生成回路120は遅延回路121-1及び121-2、加算器122及び125、並びに係数器123-1,123-2,及び124を備える。遅延回路121-1及び121-2は1サンプリング周期ωTの遅延時間を有する。このため、加算器122の出力データがn+1番目のサンプルであり、式(5)に示す左辺cos(ω(n+1)T)であるとしたとき、遅延回路121-1の出力データは、n+1番目のサンプルに対して1サンプリング周期ωTだけ過去のn番目のサンプルとなり、COS(ωnT)となる。係数器123-1は遅延回路121-1の出力データに定数2COS(ωT)を乗算するので、その出力データは2COS(ωT)COS(ωnT)となり、(式5)の右辺第1項となる。
また、遅延回路121-2の出力データは遅延回路121-1の出力データを1サンプリング周期ωTだけ遅延させたものとなるので、COS(ω(n−1)T)となる。係数器123-2は、これに係数「−1」を乗算するので、その出力データは−COS(ω(n−1)T)となり、(式5)の右辺第2項と一致する。よって、加算器122の出力データは、上述したように(式5)の左辺と一致する。さらに、係数器124は係数−0.5を乗算するので、その出力データは−COS(ω(n+1)T)/2となる。加算器125は、当該出力データに−0.5を加算するので、加算器125の出力データは、(式1)の左辺と一致する。
なお、本実施形態の余弦波生成回路120は、図4にて示されるブロックにてその構成を実現しているが、図5に示すように、α点ではなく、β点から信号波形を出力するようにしてもよい。この場合、余弦波生成回路120は、(式6)の漸化式を満たす演算を実行する。漸化式に従った演算では、初期値を設定する必要がある。図5に示す余弦波生成回路120では、第1番目のデータと第2番目のデータとを初期値を記憶したメモリから読み出し、これを遅延回路121-1及び121-2の出力データとして用いることによって、第3番目のデータを生成する。このため、実際の回路では、出力段に加算器122と係数器124との間に、加算器122の出力データとメモリからデータを選択主力する選択部を設ける必要がある。これに対して図5に示す余弦波生成回路120は、メモリから第1番目のデータと第2番目のデータを遅延回路121-1及び121-2の出力データとして用いればよく、選択部を省略できる利点がある。
Figure 0004311437
次に、図6から図9を用いて本実施形態のノイズシェーパ130及びその動作原理について説明する。図6及び図7は、本実施形態のノイズシェーピング処理における動作原理について説明するための図であり、図8は、本実施形態のノイズシェーパ130(L)におけるブロック図である。また、図9は、本実施形態におノイズシェーパ130(L)にて用いる各増幅器の係数を示す表である。
通常、ノイズシェーピング処理は、ナイキスト周波数帯域全体で一様に分布している量子化ノイズを可聴周波数帯域内において低減させるため、m(mは自然数)ビットのデータをn(nはm>nの自然数)ビットのデータに変換する。例えば、PWM信号(64レベルのPWM信号)が6ビットにて構成される場合、図6(a)に示すように、0[V]から(VDD/2)[V]までのローパスフィルタにおける出力電圧が32段階のみにて規定されることとから、量子化する際に可聴帯域内に量子化ノイズとしてノイズが発生する。このため、PCMデータ等の入力されるデータに対して当該量子化ノイズを低減するためのノイズシェーピング処理を実行する必要がある。これにより、量子化ノイズの分布を可聴帯域外にシフトすることができる。
その一方、ノイズシェーピング処理の演算において、アンダーフローやオーバーフローが発生すると、波形情報が失われるため、可聴帯域内にノイズ成分が発生してしまう。このように演算処理によって波形情報が失われる信号レベルの範囲を不感帯という。図6(b)に示すように、PCMデータ等の入力されるデータに対してノイズシェーピング処理を実行すると、ローパスフィルタの出力電圧が0[V]付近となる不感帯の領域においては、アンダーフローが発生し、ノイズシェーピング処理の効果を発揮させることができずに可聴帯域内においてノイズが生成されてしまう。
図7(a)の1次から4次までのノイズシェーピング処理における特性(以下、「ノイズシェーピング特性」ともいう。)を示す。同図に示されるように、当該シェーピング処理の次数を上げることにより、量子化ノイズが拡散され、信号成分における低域のノイズレベルについては低減される。しかしながら、不感帯はノイズシェーピング処理の次数が上がるほど拡大する。これは、後述するように次数を上げるほど量子化誤差に掛け合わせる係数が大きくなるからである。
そこで、本実施形態のノイズシェーパ130は、特定期間において、余弦波の0[V]付近においてノイズシェーピング処理を行う際の次数を順次切り換えて、不感帯の領域の範囲を最小限に抑えてノイズの発生を防止するようになっている。より具体的には、本実施形態のノイズシェーパ130は、開始期間において、図7(b)に示すように、余弦波データの波形の立ち上がりから、2次、3次及び4次とノイズシェーピング処理の次数を切り換え、高周波成分を抑制して不感帯の発生期間を無くすようになっている。
本実施形態のノイズシェーパ130は、図8に示すように、24ビットのデータを6ビットのデータに量子化する量子化器131と、量子化器131に入力される24ビットの入力データから6ビットの出力データを減算し、量子化誤差を示す誤差データを生成する減算器132とを備える。
また、このノイズシェーパ130は、誤差データに対して1サンプリング周期毎の遅延時間を与える複数の遅延回路133(133-1〜133-4)と、所定の係数を有し、各遅延回路133から出力されたデータに対して当該係数を乗算する複数の係数器134(134-1〜134-4)と、一サンプル周期毎に遅延された誤差データを入力されたデータに順次加算する複数の加算器135(135-1〜135-4)とを備え、所定のタイミングにおいて又は入力された波形データの値に基づいて、各係数器134の係数を切り換えるようになっている。
例えば、本実施形態のノイズシェーパ130は、開始期間においては、図9に示すように、2次、3次及び4次において、各増幅器の係数C0、C1、C2及びC3の次数を、所定のタイミング又は入力された波形データの値に基づいて切り換えるようになっている。係数C1に着目すると、次数が2次ではC1=−1、3次ではC1=−3、4次ではC1=−6といったように次数が上がる程、係数C1の絶対値は大きくなる。このため、図7(b)に示すように次数が上がるほど、本来の余弦波データに重畳する誤差データの振幅が大きくなる。同図において、4次から3次へ切り替わる境界は4次の不感帯の上限であり、3次から2次に切り替わる境界は3次の不感帯の上限であり、2次から専用PWM信号に切り替わる境界は、2次の不感帯の上限である。このように不感帯の上限でノイズシェーピング処理の次数を切り替えるようにしたので、波形情報が失われることによって可聴帯域に発生するノイズと量子化に伴うノイズとを同時に抑圧することが可能となる。
なお、本実施形態のノイズシェーパ130は、終了期間においては、余弦波データの立ち下がりから4次のノイズシェーピング処理を行うとともに、適宜、3次、2次及び1次に次数を切り換えて当該ノイズシェーピング処理を行うようになっている。また、図8及び図9に示すノイズシェーパ130は、片側の一のチャンネルのみ、すなわち、Lchのノイズシェーパ130(L)のみの構成であり、他方のチャンネル(Rch)のノイズシェーパ130Rについても同様の構成を有している。
次に、図10及び図11を用いて本実施形態の専用PWM信号生成部160及びその動作原理について説明する。なお、図10は、本実施形態の専用PWM信号生成部160における動作原理について説明するための図であり、図11は、本実施形態の専用PWM信号生成部160(L)におけるブロック図の一例である。
通常、ローパスフィルタ190の出力電圧は、当該ローパスフィルタ190の駆動電圧をVDD、PWM信号におけるハイレベル期間をton、及び当該PWM信号におけるローレベル期間をtoffとすると、ローパスフィルタ190の出力電圧(Vout)は、(式7)に示すように、期間(ton)と期間(toff)の比によって定まる。
Figure 0004311437
したがって、ローレベル期間(toff)が、ハイレベル期間(ton)に比べて非常に大きい場合には、ローパスフィルタ190の出力電圧(Vout)は、微少な電圧レベルとなる。そして、ローレベル期間(toff)を徐々に短くすると、デューティー比が次第に大きくなる。例えば、ハイレベル期間(ton)を一定にして、図10(a)に示すローレベル期間(toff)から、図10(b)に示すローレベル期間(toff)に変化させると、ローパスフィルタ190の出力電圧(Vout)を徐々に上昇させること、すなわち、搬送波周波数を変化させることと同等の処理を行うことができる。
そこで、本実施形態の専用PWM信号生成部160は、開始期間において起動開始から所定の時刻(2次のノイズシェーピング処理においてもアンダーフローとなる時刻)が経過するまで又は終了期間において所定の時刻(2次のノイズシェーピング処理においてもアンダーフローとなる時刻)から起動が停止するまで、余弦波データに連動させてデューティー比を可変した専用PWM信号を発生させる。第2スイッチング部180は当該期間においてノイズシェーパ130の出力に基づくPWM信号に代えて専用PWM信号をドライブ回路170及びローパスフィルタ190に出力する。
具体的には、本実施形態の専用PWM信号生成部160は、図11(a)に示すように、余弦波データ(例えば、値が正となる際の上位13ビット)を、サンプリング周期を基準に加算し、当該加算された値がオーバーフローした場合に、所定の幅(最小幅)を有する専用PWM信号を生成し、PWM信号生成部150に代えて、生成したPWM信号を専用PWM信号として第2スイッチング部180を介してドライブ回路170及びローパスフィルタ190に出力するようになっている。
例えば、本実施形態の専用PWM信号生成部160は、図11(b)に示すように、入力された余弦波データを所定のビット数に整形するための入力処理を実行する入力処理部と161、1サンプリング周期の遅延時間を有する複数の遅延回路162と、値が正となる余弦波データの上位13ビットのデータ(以下、単に「ビットデータ」という。)を出力するために基準値Drefと比較する比較器163と、ビットデータをサンプリング周期毎に加算する加算器164と、オーバーフローの判定を行う判定部165と、判定部165の判定結果に基づいて専用PWM信号を生成する生成部166と、から構成される。なお、複数の遅延回路162は、例えば、サンプリングクロック信号でラッチ動作を行うDフリップフロップ回路で構成すればよい。
入力処理部161には、余弦波生成回路120から24ビットの余弦波データが入力されるようになっており、この入力処理部161は、入力された24ビットのデータの下位11ビットを切り捨てて、正負を示す符号ビットと上位12ビットから構成される13ビットのビットデータを出力する。
比較器163は、入力処理部161にて整形された13ビットのビットデータと基準値Drefとを比較し、ビットデータが基準値Dref以下のときは、「0」を出力し、ビットデータが基準値Drefを上回るときは、当該ビットデータを出力する。
加算器164は、比較器163の出力データを1サンプリング周期毎に積算するようになっており、積算した値を判定部165に出力するようになっている。また、この加算器164は、オーバーフローした場合に、値をリセットして再度「0」から比較器163から出力された値の積算を行う。判定部165は、1サンプリング周期毎に加算されたビットデータがオーバーフローしたか否か、すなわち、13ビットの場合に、14ビットに桁上がりが生じたか否か(14ビット目が「1」になったか否か)を判定し、オーバーフローになった場合に、生成部166に専用PWM信号の生成を指示する。生成部166は、判定部165から専用PWM信号の生成指示が入力された場合に、所定の幅のPWM信号、例えば、最小の幅を有する専用PWM信号を生成し、第2スイッチング部180に出力する。
以上の構成において、ビットデータが基準値Drefを上回ると専用PWM信号の生成を開始し、ビットデータが基準値Dref以下である場合は専用PWM信号を生成しない。これは、専用PWM信号のデューティー比が極端に短いと、ノイズとして聴こえてしまう場合があるからである。そこで、余弦波データの生成を開始した直後において、ビットデータの値が極端に小さい場合には、専用PWM信号の生成を停止してノイズの発生を防止している。ここで、基準値Drefは専用PWM信号として出力した場合にノイズとして聴こえない値に設定する。
また、上述した専用PWM信号生成部160において、加算器164及び遅延回路162-3は、波形データを1サンプリング周期毎に累算して累算データを生成し、累算データの値が所定の値を超えるとオーバーフローして累算データの値をゼロにリセットする手段として機能し、判定部165及び生成部166はオーバーフローを検出して1サンプリング周期だけPWM変調信号のレベルをハイレベルに設定する手段として機能する。
なお、本実施形態のD級増幅装置100は、終了期間においては、専用PWM信号生成部160に入力される余弦波データがそのビットデータにおいて徐々に小さくなるので、所定の幅を有するハイレベル期間(ton)におけるピッチが長くなり、出力電圧(Vout)を徐々に下降させることができるようになっている。また、図11に示す専用PWM信号生成部160は、片側の一のチャンネルのみ、例えば、Lchの専用PWM信号生成部160(L)のみの構成であり、他方のチャンネルの専用PWM信号生成部160(R)についても同様の構成を有している。
以上本実施形態のD級増幅装置100は、起動時に出力電圧を「0」レベルから出力電圧の中心電圧(VDD/2)に立ち上げる場合、又は、停止時に出力電圧を中心電圧(VDD/2)から「0」レベルまで立ち下げる場合に、レベルが変化する余弦波データに基づいてPWM信号を生成することができる。この結果、D級増幅装置100は、ローパスフィルタ190の出力電圧を制御する際に、可聴帯域外の周波数成分を有するnビットの波形のデータ、すなわち、デジタル波形の波形データを用いることによって、ローパスフィルタ190の出力電圧を制御することが可能で、かつ、波形データ自体も可聴帯域外の周波数成分にて構成させることができる。
この結果、本実施形態のD級増幅装置100は、起動時又は停止時に出力回路における急激な出力電圧の変化に伴い発生するノイズを抑制することができるとともに、デジタル波形を用いることによって簡易な構成にてポップアップノイズの防止及び容易に波形の設定又は変更を行うことができるので、小型化や部品点数の削減に基づく製造コストを低減すること、及び、波形の容易な設定又は調整に基づく操作性の向上やシステムを構築する際の柔軟性を実現することができる。
また、D級増幅装置100は、余弦波形を漸化式にて生成することにより、容易にかつ低歪みの波形として当該波形データを生成することができるので、当該波形データの波形自体においてもノイズの要因も排除することができる。さらに、D級増幅装置100は、ノイズシェーピング処理の次数を波形データのデータ値又は特定期間の開始からの時間に基づいて切り換えることによって、当該波形データがローパスフィルタ190に出力された場合に、不感帯に起因して当該ローパスフィルタ190の出力電圧がマイナスとなる0[V]付近に出現するノイズを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るD級増幅装置の概要構成を示すブロック図である。 同装置の余弦波生成回路における生成原理について説明するための図である。 同装置の余弦波生成回路の構成例を示すブロック図である。 同装置において生成される余弦波データの波形について説明するための図である。 同装置の余弦波生成回路の他の構成例を示すブロック図である。 同装置のノイズシェーピング処理における動作原理について説明するための図である。 同装置のノイズシェーピング処理における動作原理について説明するための図である。 同装置のLchのノイズシェーパにおけるブロック図である。 同装置におけるLchのノイズシェーパにて用いる各増幅器の係数を示す表である。 同装置の専用PWM信号生成部における動作原理について説明するための図である。 同装置のLchの専用PWM信号生成部の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
10……入力端子、20……出力端子、100……D級増幅装置、110……オーバーサンプリング部、120……余弦波生成回路、130……ノイズシェーパ、140……第1スイッチング部、150……PWM信号生成部、160……専用PWM信号生成部、170……ドライブ回路、180……第2スイッチング部、190……ローパスフィルタ。

Claims (5)

  1. 第1レベルと第2レベルとの2値の出力電圧を出力するD級増幅装置であって、
    増幅動作の開始直前の開始期間又は増幅動作の終了直後の終了期間の少なくも一方を特定期間とし、前記第1レベルと前記第2レベルとの中心のレベルを中心レベルとしたとき、前記特定期間において前記第1レベルと前記中心レベルとの間でレベルが次第に変化する波形を示すn(nは自然数)ビットの波形データを所定のサンプリング周期で生成するデータ生成部と、
    前記波形データにノイズシェーピング処理を施してm(mはn>mの自然数)ビットの変換データを生成するノイズ除去部と、
    前記変換データをパルス幅変調してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調部と、
    前記パルス幅変調信号をシングルエンド形式で増幅して前記出力電圧を出力する出力部とを備え、
    前記ノイズ除去部は、前記ノイズシェーピング処理において不感帯で演算が行われないように前記波形データの値に応じて前記ノイズシェーピング処理の次数を変更する、
    D級増幅装置。
  2. 第1レベルと第2レベルとの2値の出力電圧を出力するD級増幅装置であって、
    増幅動作の開始直前の開始期間又は増幅動作の終了直後の終了期間の少なくも一方を特定期間とし、前記第1レベルと前記第2レベルとの中心のレベルを中心レベルとしたとき、前記特定期間において前記第1レベルと前記中心レベルとの間でレベルが次第に変化する波形を示すn(nは自然数)ビットの波形データを所定のサンプリング周期で生成するデータ生成部と、
    前記波形データにノイズシェーピング処理を施してm(mはn>mの自然数)ビットの変換データを生成するノイズ除去部と、
    前記変換データをパルス幅変調してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調部と、
    前記パルス幅変調信号をシングルエンド形式で増幅して前記出力電圧を出力する出力部とを備え、
    前記ノイズ除去部は、前記ノイズシェーピング処理において不感帯で演算が行われないように前記特定期間の開始からの時間に応じて前記ノイズシェーピング処理の次数を変更する、
    D級増幅装置。
  3. 前記パルス幅変調部は、前記波形データの値が所定値未満の場合に、前記パルス幅変調信号のハイレベル期間とローレベル期間との比であるデューティー比を次第に変化させることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のD級増幅装置。
  4. 前記パルス幅変調部は、前記特定期間の予め定められた時刻間にて、前記パルス幅変調信号のハイレベル期間とローレベル期間との比であるデューティー比を次第に変化させることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のD級増幅装置。
  5. 前記パルス幅変調部は、
    前記波形データを1サンプリング周期毎に累算して累算データを生成し、前記累算データの値が所定の値を超えるとオーバーフローして前記累算データの値をゼロにリセットする累算部と、
    前記累算部のオーバーフローを検出して1サンプリング周期だけ前記PWM変調信号のレベルを前記第2レベルに設定する生成部とを備え、
    前記生成部からハイレベル期間とローレベル期間との比であるデューティー比を次第に変化させる前記パルス幅変調信号を取り出す、
    請求項3又は4に記載のD級増幅装置。
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