JP4728943B2 - オーディオ処理回路、その起動方法ならびにそれらを利用した電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、オーディオ信号処理に関し、特に1ビットデジタルアナログ(D/A)変換器に関する。
近年の半導体集積技術の発展に伴い、シリコンオーディオプレイヤやCD(Compact Disc)プレイヤ、携帯電話端末などのオーディオ再生機能を有する電子機器において、高速なデジタル信号処理を利用した1ビットD/A変換が利用される。1ビットD/A変換は、まずオーディオ信号を、デジタルフィルタを利用してオーバーサンプリングし、不要な帯域を除去する。続いて、フィルタリングされたオーディオ信号を、ΔΣ変調器などを用いてパルス変調された1ビットのパルス信号に変換する。続いて、このパルス信号をD級アンプを利用して増幅し、アナログフィルタによって高周波成分を除去する。その結果得られるアナログフィルタの出力信号は、再生すべきオーディオ信号となる。
機器の起動時において、スピーカやヘッドホンなどに印加される電圧が急激に変化するとポップアップノイズと呼ばれる雑音が発生する。ポップアップノイズを抑制するためには、スピーカに印加される電圧を緩やかに上昇させる必要がある。
特開2003−318674号公報
ΔΣ変調器は、所定の周波数を有するクロック信号を利用して変調処理を行う。したがって、ΔΣ変調器から出力されるパルス信号のデューティ比(たとえばパルス幅)の最小値は、そのクロック信号によって制限を受けることになる。したがって、ΔΣ変調器に対する入力信号を緩やかに変化させたとしても、生成されるパルス信号を平滑化して得られるアナログオーディオ信号の連続性が損なわれ、ポップアップノイズが発生するという問題がある。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その包括的な目的は、ポップアップノイズを低減したオーディオ処理技術の提供にある。
本発明のある態様のオーディオ処理回路は、本回路の起動時に遷移信号を生成する遷移信号生成部と、遷移信号をΔΣ変調するΔΣ変調器と、ΔΣ変調器から出力されるビットストリームのデューティ比を調節し、後段のD級アンプへと出力するデューティ比調節部と、を備える。
この態様によると、デューティ比調節部を設け、ΔΣ変調器により生成されるビットストリームよりもデューティ比が低いパルス信号を生成することにより、スピーカやヘッドホンなどの音声出力部(電気音響変換素子)に供給される駆動電圧を、0V付近から連続的に増加させることができるため、電圧に不連続に変化するのを防止し、ポップアップノイズを抑制することができる。
なお、「デューティ比」とは、ビットストリームの周期時間に対するハイレベルの期間の比率を意味し、本明細書では、単独のパルスに対するデューティ比(オン時間/周期時間)のみでなく、複数のパルスのデューティ比の平均値を意味する場合もある。したがって、「デューティ比を調節する」ことには、パルス幅を変化させること、パルスの出現頻度を変化させることが含まれる。
デューティ比調節部は、ビットストリームのパルス幅を変化させることにより、デューティ比を調節してもよい。
デューティ比調節部は、本回路の起動時において時間の経過とともに、ビットストリームのパルス幅を、所定の最小値から、入力されたビットストリームのパルス幅まで漸増させてもよい。
この場合、電気音響変換素子に対する駆動電圧を緩やかに変化させることができるため、ポップアップノイズをさらに抑制することができる。
デューティ比調節部は、ΔΣ変調器に供給される第1クロック信号より高い周波数を有する第2クロック信号を受け、当該第2クロック信号を利用して、ビットストリームのパルス幅を調節してもよい。
第2クロック信号のパルス幅は、第1クロック信号のパルス幅よりも狭くなるため、第2クロック信号を利用することにより、ΔΣ変調器により生成されるビットストリームよりもパルス幅の細いビットストリームを生成することができる。
第1クロック信号の周波数は、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数のm倍(mは自然数)であり、第2クロック信号の周波数は、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数のn倍(nは、n>mを満たす自然数)であってもよい。
この場合、第1、第2クロックを、同一のマスタークロック信号を逓倍して生成することができるため、回路の構成を簡略化できる。
デューティ比調節部は、ビットストリームから所定の割合でパルスを間引くことにより、粗密を変化させてもよい。
パルス幅の調節に加えて、パルスを間引くことにより、パルスストリームのデューティ比をさらに低く設定することができる。また、パルスを間引く処理を単独で行うことによって、デューティ比を低く設定できる。
オーディオ処理回路は、再生すべきオーディオ信号と、遷移信号生成部により生成された遷移信号と、を受け、一方を選択してΔΣ変調に出力するセレクタ回路をさらに備えてもよい。
遷移信号生成部は、起動から所定期間、遷移信号を所定レベルに固定し、その後、時間とともに中点レベルまで増大させ、デューティ比調節部は、遷移信号が所定レベルの期間、ビットストリームのパルス幅を変化させるアクティブ状態に設定され、遷移信号のレベルが増大する期間、ビットストリームをそのまま出力させる非アクティブ状態に設定されてもよい。
この構成によれば、所定期間の間、デューティ比調節部によってデューティ比を増大させ、その後、遷移信号が上昇することによりデューティ比を増大させることができる。
所定レベルは、後段のΔΣ変調器によって生成されるビットストリームのパルス幅が最小となるレベル以下であってもよい。
オーディオ信号処理回路は、一つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのICとして集積化することにより、その面積を削減することができる。
本発明の別の態様は、電子機器である。この電子機器は、デジタルのオーディオ信号を生成する信号生成部と、オーディオ信号を入力として受ける上述のオーディオ処理回路と、オーディオ処理回路のデューティ比調節部からのビットストリームを増幅するD級アンプと、D級アンプの出力信号をフィルタリングするフィルタと、フィルタの後段に設けられた音声出力部と、を備える。
この態様によると、音声出力部から発生するポップアップノイズを抑制することができ、電子機器の付加価値を高めることができる。
本発明のさらに別の態様は、ΔΣ変調器を有するデジタルオーディオ処理回路の起動方法に関する。この方法は、本回路の起動時に遷移信号を生成するステップと、遷移信号をΔΣ変調するステップと、ΔΣ変調により生成されるビットストリームのデューティ比を調節し、時間とともに増大せしめるステップと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、ポップアップノイズを低減できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタルオーディオ処理回路100を搭載した電子機器200の構成を示すブロック図である。電子機器200は、たとえば携帯電話端末、シリコンオーディオプレイヤ、CDプレイヤなどのスピーカやヘッドホン、イヤホンなどから音声を出力可能な機器である。電子機器200は、デジタルオーディオ処理回路100、ローパスフィルタ110、音声出力部120、オーディオ信号生成部130を備える。
デジタルオーディオ処理回路100、オーディオ信号生成部130には電源電圧Vccとして、電池電圧、もしくは電池電圧をスイッチングレギュレータなどにより安定化して得られる電圧が供給される。音声出力部120は、スピーカ、ヘッドホンあるいはイヤホンなど、電気信号を音響波に変換するデバイスであり、電子機器200に内蔵され、もしくは外付けされる。
オーディオ信号生成部130は、デジタルのオーディオ信号S1を生成する。オーディオ信号S1は、通話相手の発話した声、着信音、あるいは図示しないメモリ等にエンコードして記録されたオーディオ信号をデコードした信号である。
図1のデジタルオーディオ処理回路100、ローパスフィルタ110は、1ビットD/A変換器として機能する。
オーディオ信号生成部130とデジタルオーディオ処理回路100は、信号線132を介して接続される。たとえば信号線132はI2S規格のバスであり、オーディオ信号S1は、シリアルデータとしてデジタルオーディオ処理回路100に伝送される。なお、I2Sはあくまで一例であり、その他のシリアルバス、あるいはパラレルバスであってもよく、本発明は特定のバスを使用した状況に限定されるものではない。
デジタルオーディオ処理回路100は、オーディオ信号S1を受け、パルス変調された1ビットのパルス信号に変換して増幅し、後段のローパスフィルタ110へと出力する。ローパスフィルタ110は、デジタルオーディオ処理回路100の出力パルス(以下、出力オーディオ信号S2という)の高周波成分を除去し、アナログオーディオ信号S3に変換する。音声出力部120は、ローパスフィルタ110からのアナログオーディオ信号S3によって駆動される。
デジタルオーディオ処理回路100は、入力端子102、出力端子104を備える。入力端子102には、オーディオ信号生成部130からのオーディオ信号S1が入力され、出力端子104はローパスフィルタ110と接続される。
デジタルオーディオ処理回路100は、入力インタフェース部10、デジタル補間フィルタ(以下、単に補間フィルタという)20、遷移信号生成部22、セレクタ24、制御部30、ΔΣ変調器40、D級アンプ50、デューティ比調節部60を含み、ひとつの半導体基板上に一体集積化されている。
制御部30は、デジタルオーディオ処理回路100を統括的に制御するブロックであり、具体的には、遷移信号生成部22、セレクタ24、ΔΣ変調器40、デューティ比調節部60の動作を制御する。制御部30には、外部からパワーオン信号PWR_ONが入力される。制御部30は、パワーオン信号PWR_ONのレベルが遷移すると、予め定められた起動シーケンスに従い、各回路ブロックそれぞれに対する第1制御信号Sc1〜第4制御信号Sc4を制御する。
入力インタフェース部10は、信号線132を介して入力されたオーディオ信号S1を受け、これをシリアルパラレル変換してオーディオ信号S4を生成する。オーディオ信号S4は、後段の補間フィルタ20に入力される。
補間フィルタ20は、サンプリング周波数fsのオーディオ信号S4を8倍にオーバーサンプリングして補間するFIR(Finite Impulse Response)フィルタである。
遷移信号生成部22は、デジタルオーディオ処理回路100の起動時に利用される遷移信号S7を生成する。遷移信号S7は、時間とともに信号レベルが緩やかに変化する信号であり、ミュート状態から音声再生状態(鳴動状態)への遷移(またはその逆の遷移)に利用される。遷移信号生成部22は、制御部30からの第1制御信号Sc1によって指示を受けると、遷移信号S7の生成を開始する。
遷移信号S7は、ミュート状態から音声再生状態への遷移の場合、接地レベル(0Vに対応するデジタル値)からオーディオ信号の中点レベル(Vcc/2に対応するデジタル値)まで緩やかに上昇する波形を有するのが好ましい。逆に、音声再生状態からミュート状態への遷移の場合、オーディオ信号の中点レベルから接地レベルに緩やかに低下する波形を有することが好ましい。
セレクタ24は、補間フィルタ20によりフィルタリングされたオーディオ信号(以下、補間オーディオ信号S5という)と、遷移信号生成部22により生成された遷移信号S7と、を受ける。遷移信号生成部22は、第1制御信号Sc1の信号レベルにもとづき、補間オーディオ信号S5または遷移信号S7のいずれか一方を選択して出力する。本実施の形態では、第1制御信号Sc1がローレベルのとき遷移信号S7が選択され、第1制御信号Sc1がハイレベルのとき補間オーディオ信号S5が選択される。
セレクタ24の出力信号S8は、後段のΔΣ変調器40に入力される。ΔΣ変調器40は、第1クロック信号CK1にもとづき信号S8にΔΣ変調を施し、パルス変調されたビットストリーム(以下、パルスオーディオ信号S6という)を出力する。パルスオーディオ信号S6に含まれるパルス列の粗密、もしくは各パルスの幅(デューティ比)が、再生すべきオーディオ信号の振幅に対応する。ΔΣ変調器40は、一般的に使用される高次のΔΣ変調器を利用すればよい。
本実施の形態ではさらに、ΔΣ変調器40の次数は切り替え可能に構成されてもよい。ΔΣ変調器40は、次数の異なる2つのΔΣ変調器を含み、これらを切り替えて使用してもよいし、単一のΔΣ変調器の次数が切り替えられる構成であってもよい。ΔΣ変調器40は、第3制御信号Sc3にもとづいて次数を切り替える。
デューティ比調節部60には、パルスオーディオ信号S6と第2クロック信号CK2とが入力される。第2クロック信号CK2の周波数は、第1クロック信号CK1の周波数よりも高く設定される。デューティ比調節部60は、ミュート状態から音声再生状態の遷移する際に、第2クロック信号CK2を利用してパルスオーディオ信号S6のデューティ比を調節し、後段のD級アンプへと出力する。デューティ比調節部60は、デューティ比の調節を、パルス幅およびパルスの密度のいずれか一方、または両方を強制的に変化させることにより実行する。デューティ比調節部60の処理については後述する。
D級アンプ50は、デューティ比調節部60から出力されるパルス信号S9を増幅する。このD級アンプ50は、電源電圧Vccと接地電位の間に設けられたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータ型のスイッチングアンプである。D級アンプ50により増幅された1ビットの出力オーディオ信号S2は、振幅がVccに増幅されて、出力端子104を介して出力される。
次にデューティ比調節部60によるパルスオーディオ信号S6の調節、およびデジタルオーディオ処理回路100の全体動作について説明する。
図2は、図1のデジタルオーディオ処理回路100の起動時の動作状態を示すタイムチャートである。
時刻t0以前、デジタルオーディオ処理回路100はミュート状態である。時刻t0に、パワーオン信号PWR_ONがローレベルからハイレベルに遷移し、デジタルオーディオ処理回路100の起動が指示される。制御部30は、パワーオン信号PWR_ONがハイレベルになると、所定の起動シーケンスに従い、第1制御信号Sc1〜第4制御信号Sc4を制御する。
制御部30は、時刻t0において、第2制御信号Sc2はローレベルであり、セレクタ24は遷移信号S7を選択している。
制御部30は、パワーオン信号PWR_ONがハイレベルになると、それと同時に、もしくは所定の時間の経過後に、遷移信号生成部22に対して第1制御信号Sc1(不図示)を出力し、遷移信号S7の生成開始を指示する。遷移信号生成部22は、時刻t0以降、遷移信号S7を所定レベルL1もしくはそれ以下に固定する。所定レベルは、後段のΔΣ変調器40によって変調されたパルスオーディオ信号S6のパルス幅が最小となるレベルとしてもよい。時刻t0以降、ΔΣ変調器40には信号S8として、遷移信号S7が入力される。また、パワーオン信号PWR_ONがハイレベルとなると、入力されるオーディオ信号はミュートされた状態となり、補間オーディオ信号S5は中点レベルに固定される。
時刻t1に、制御部30はΔΣ変調器40に対してΔΣ変調の開始を指示する。このとき、第3制御信号Sc3はローレベルとなっており、ΔΣ変調の次数は2次に設定される。時刻t1以降、遷移信号S7が所定レベルの間、パルスオーディオ信号S6(不図示)のデューティ比(パルス幅)は最小値となる。パルスオーディオ信号S6の周波数は、第1クロック信号CK1によって規定され、たとえば、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数fsのm倍(mは自然数)に設定される。たとえばm=128〜32に設定してもよい。
デューティ比調節部60は、デューティ比が最小値に設定されたパルスオーディオ信号S6を受ける。制御部30は、時刻t1にデューティ比調節部60に対して、パルスオーディオ信号S6のデューティ比の調節処理の開始を指示する。
図3は、デューティ比調節部60によるパルスオーディオ信号S6のデューティ比の調節処理を示すタイムチャートである。
デューティ比調節部60は、以下の2つの処理の少なくとも一方、あるいは両方を実行してデューティ比を調節する。
1.第1処理
デューティ比調節部60は、ビットストリームのパルス幅を変化させることにより、デューティ比を調節する。具体的には、本回路の起動時において、ビットストリームのパルス幅を、時間の経過とともに、所定の最小値から、入力されたビットストリームのパルス幅まで漸増させてもよい。
図1の回路において、デューティ比調節部60は、ΔΣ変調器40に供給される第1クロック信号CK1より高い周波数を有する第2クロック信号CK2を受ける。デューティ比調節部60は、第2クロック信号CK2を利用して、ビットストリームのパルス幅を調節する。第1クロック信号CK1の周波数は、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数のm倍であり、第2クロック信号CK2の周波数は、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数のn倍(nは、n>mを満たす自然数)である。m=128〜32に対して、n=256に設定してもよい。
第2クロック信号CK2は、パルスオーディオ信号S6よりも周波数が高い。そこでデューティ比調節部60は、カウンタやフリップフロップを利用して第2クロック信号CK2のパルス数に比例したパルス幅を有するパルス信号S9を生成する。
2.第2処理
デューティ比調節部60は、ビットストリームから所定の割合でパルスを間引くことにより、粗密を変化させる。
第1、第2の処理の任意の組み合わせによって、デューティ比調節部60は、パルス信号S9のデューティ比を、0に近い状態から、パルスオーディオ信号S6の有するデューティ比に近づくように徐々に変化させる。
デューティ比調節部60は、遷移信号S7が所定レベルの期間(図2の時刻t2以前)、ビットストリームのパルス幅を変化させるアクティブ状態に設定され、遷移信号S7のレベルが増大する期間(図2の時刻t2以降)、ビットストリームをそのまま出力させる非アクティブ状態に設定される。
図3は、上から順に、第2クロック信号CK2、パルスオーディオ信号S6、パルス信号S9を示す。パルス信号S9は、S9aからS9gに示されるように、時間の経過にともないデューティ比が徐々に増加するように生成される。S9aは、図2の時刻t1における波形であり、S9gは、図2の時刻t2における波形に相当する。
デューティ比調節部60は、パルスオーディオ信号S6のポジティブエッジを基準として、第2クロック信号CK2のカウントを開始する。パルス信号S9a〜S9cのパルス幅は、第2クロック信号CK2の1クロック分となっている。
パルスオーディオ信号S6のポジティブエッジごとに第2クロック信号CK2を1パルス分カウントすることにより、パルス信号S9cの波形が生成される。
デューティ比調節部60は、パルス信号S9cを所定の比率(図3では1/2、1/4)で間引くことにより、パルス信号S9b、パルス信号S9aを生成する。
同様に、パルス信号S9d〜S9gのパルス幅は、第2クロック信号CK2の2〜5パルス分に対応する。制御部30は、第4制御信号Sc4によって、パルスの間引き率、パルス幅を指示する。
当業者であれば、カウンタ、フリップフロップ、ラッチ回路、あるいはプログラム機能を有するデジタル回路を利用することにより、第2クロック信号CK2およびパルスオーディオ信号S6にもとづいて、図3に示されるパルス信号S9を生成することができ、デューティ比調節部60の内部の構成については特に限定されるものではない。
図2に戻る。時刻t1〜t2の期間にわたり、デューティ比調節部60によってパルス信号S9の波形が、図3のS9a〜S9gへと変化していく。その結果、アナログオーディオ信号S3は、接地レベルから所定レベルL1に相当する電圧にまで緩やかに増加していく。
時刻t2に制御部30は、第4制御信号Sc4を利用し、デューティ比調節部60に対してパルスオーディオ信号S6のパルス幅の調節制御の停止を指示する。したがって、時刻t2以降にデューティ比調節部60は、パルスオーディオ信号S6をそのままパルス信号S9として出力する。
時刻t2に制御部30は、第1制御信号Sc1によって遷移信号生成部22に対して、遷移信号S7のレベルを増加させるように指示する。これを受けて遷移信号生成部22は、遷移信号S7のレベルを、中点レベルに向かって緩やかに増加させる。時刻t2以降、遷移信号S7のレベルの上昇にともなって、パルス信号S9(S6)のパルス幅が大きくなっていく。
時刻t3に制御部30は、第3制御信号Sc3によってΔΣ変調器40の次数を2次から5次に切り替える。時刻t4に遷移信号S7が中点レベルに達すると、一連の起動シーケンスが完了し、制御部30は第2制御信号Sc2をハイレベルに切り替える。第2制御信号Sc2がハイレベルとなると、セレクタ24の出力信号S8は、オーディオ信号生成部130からのオーディオ信号S1にもとづく補間オーディオ信号S5となる。その後、オーディオ信号生成部130のミュート状態が解除されて鳴動状態となり、オーディオ信号の再生が開始される。
このように、本実施の形態に係るデジタルオーディオ処理回路100によれば、アナログオーディオ信号S3のレベルを0V付近から中間レベルVcc/2まで緩やかに変化させることができ、ポップアップノイズの発生を抑制することができる。
ΔΣ変調器40により生成されるパルスオーディオ信号S6のパルス幅は、第1クロック信号CK1の周波数で規定されるパルス幅より短くならない。したがって、デューティ比調節部60を設けない構成とした場合、音声出力部120に印加されるアナログオーディオ信号S3の電圧レベルを0Vから緩やかに変化させることができなかった。
これに対して、本実施の形態に係るデジタルオーディオ処理回路100によれば、デューティ比調節部60を設けて、パルスオーディオ信号S6のデューティ比を、さらに小さなデューティ比に調節するため、アナログオーディオ信号S3の電圧レベルを、0V付近で変化させることが可能となり、ポップアップノイズを抑制することができる。
さらに、実施の形態において、デューティ比調節部60は、パルスオーディオ信号S6から所定の割合でパルスを間引くことにより、デューティ比を変化させる。その結果、パルス幅のみを変化させた場合に比べて、デューティ比をより細かく変化させることができる。
実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
本発明の実施の形態に係るデジタルオーディオ処理回路を搭載した電子機器の構成を示すブロック図である。 図1のデジタルオーディオ処理回路の起動時の動作状態を示すタイムチャートである。 デューティ比調節部によるパルスオーディオ信号のデューティ比の調節処理を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 入力インタフェース部、 20 補間フィルタ、 22 遷移信号生成部、 24 セレクタ、 30 制御部、 40 ΔΣ変調器、 50 D級アンプ、 60 デューティ比調節部、 100 デジタルオーディオ処理回路、 102 入力端子、 104 出力端子、 110 ローパスフィルタ、 120 音声出力部、 130 オーディオ信号生成部、 200 電子機器、 Sc1 第1制御信号、 Sc2 第2制御信号、 Sc3 第3制御信号、 Sc4 第4制御信号、 S1 入力オーディオ信号、 S2 出力オーディオ信号、 S3 アナログオーディオ信号、 S4 オーディオ信号、 S5 補間オーディオ信号、 S6 パルスオーディオ信号、 S7 遷移信号、 S8 信号、 S9 パルス信号、 CK1 第1クロック信号、 CK2 第2クロック信号。

Claims (12)

  1. 起動から所定期間、所定レベルに固定され、その後時間とともに増大する遷移信号を生成する遷移信号生成部と、
    前記遷移信号をΔΣ変調するΔΣ変調器と、
    前記ΔΣ変調器から出力されるビットストリームを受け、前記遷移信号が前記所定レベルに固定される期間、前記ビットストリームのデューティ比を時間とともに増大するように調節して後段のD級アンプへと出力し、前記遷移信号のレベルが増大する期間、前記ビットストリームをそのまま前記D級アンプへと出力するデューティ比調節部と、
    を備えることを特徴とするオーディオ処理回路。
  2. 前記デューティ比調節部は、前記ビットストリームのパルス幅を変化させることにより、前記デューティ比を調節することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ処理回路。
  3. 前記デューティ比調節部は、本回路の起動時において時間の経過とともに、前記ビットストリームのパルス幅を、所定の最小値から入力されたビットストリームのパルス幅まで漸増させることを特徴とする請求項2に記載のオーディオ処理回路。
  4. 前記デューティ比調節部は、前記ΔΣ変調器に供給される第1クロック信号より高い周波数を有する第2クロック信号を受け、当該第2クロック信号を利用して、前記ビットストリームのパルス幅を調節することを特徴とする請求項2または3に記載のオーディオ処理回路。
  5. 前記第1クロック信号の周波数は、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数のm倍(mは自然数)であり、前記第2クロック信号の周波数は、入力されるオーディオ信号のサンプリング周波数のn倍(nは、n>mを満たす自然数)であることを特徴とする請求項4に記載のオーディオ処理回路。
  6. 前記デューティ比調節部は、前記ビットストリームから所定の割合でパルスを間引くことにより、粗密を変化させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ処理回路。
  7. 再生すべきオーディオ信号と、前記遷移信号生成部により生成された遷移信号と、を受け、一方を選択して前記ΔΣ変調に出力するセレクタ回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ処理回路。
  8. 前記遷移信号生成部は、起動から所定期間、前記遷移信号を所定レベルに固定し、その後時間とともに中点レベルまで増大させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ処理回路。
  9. 前記所定レベルは、後段のΔΣ変調器によって生成されるビットストリームのパルス幅が最小となるレベル以下であることを特徴とする請求項8に記載のオーディオ処理回路。
  10. 一つの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ処理回路。
  11. デジタルのオーディオ信号を生成する信号生成部と、
    前記オーディオ信号を入力として受ける請求項1から3のいずれかに記載のオーディオ処理回路と、
    前記オーディオ処理回路の前記デューティ比調節部からのビットストリームを増幅するD級アンプと、
    前記D級アンプの出力信号をフィルタリングするフィルタと、
    前記フィルタの後段に設けられた音声出力部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  12. ΔΣ変調器を有するオーディオ処理回路の起動方法であって、
    起動から所定期間、所定レベルに固定され、その後時間とともに増大する遷移信号を生成するステップと、
    前記遷移信号をΔΣ変調し、ビットストリームを生成するステップと、
    前記遷移信号が前記所定レベルの期間、前記ビットストリームのデューティ比を調節することにより、当該ビットストリームのデューティ比を時間とともに増大せしめ、前記遷移信号のレベルが増大する期間、前記ビットストリームのデューティ比の調節を無効化するステップと、
    を備えることを特徴とする起動方法。
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