JP2008148260A - デジタルフィルタ、フィルタリング方法およびそれらを用いたデジタルオーディオ処理回路ならびに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電流を低減する。
【解決手段】補間フィルタ20は、サンプリング周波数fsの異なるデジタルのオーディオ信号S4をフィルタリングする。複数の遅延素子D1〜Dnは多段接続されており、オーディオ信号S4を所定時間τずつ遅延させる。乗算器22は、各遅延素子Dにより遅延されたオーディオ信号に、遅延素子Dごとに設定された所定の係数Cを乗算する。オーディオ信号S4のサンプリング周波数に応じて、乗算器22による乗算の対象となる遅延素子Dの出力の個数を増減させる。乗算器は、サンプリング周波数fsが所定のしきい値fthより低いとき、すべての遅延素子Dの出力を乗算の対象とし、しきい値fthより高いとき、一部の遅延素子Dの出力を乗算の対象とする。
【選択図】図2
【解決手段】補間フィルタ20は、サンプリング周波数fsの異なるデジタルのオーディオ信号S4をフィルタリングする。複数の遅延素子D1〜Dnは多段接続されており、オーディオ信号S4を所定時間τずつ遅延させる。乗算器22は、各遅延素子Dにより遅延されたオーディオ信号に、遅延素子Dごとに設定された所定の係数Cを乗算する。オーディオ信号S4のサンプリング周波数に応じて、乗算器22による乗算の対象となる遅延素子Dの出力の個数を増減させる。乗算器は、サンプリング周波数fsが所定のしきい値fthより低いとき、すべての遅延素子Dの出力を乗算の対象とし、しきい値fthより高いとき、一部の遅延素子Dの出力を乗算の対象とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、オーディオ信号処理に関し、特にデジタルフィルタに関する。
近年の半導体集積技術の発展に伴い、シリコンオーディオプレイヤやCD(Compact Disc)プレイヤ、携帯電話端末などのオーディオ再生機能を有する電子機器において、高速なデジタル信号処理を利用した1ビットデジタルアナログ変換が利用される。1ビットデジタルアナログ変換は、まずオーディオ信号を、デジタルフィルタを利用してオーバーサンプリングし、不要な帯域を除去する。続いて、フィルタリングされたオーディオ信号を、ΔΣ変調器などを用いてパルス変調された1ビットのパルス信号に変換する。続いて、このパルス信号をD級アンプを利用して増幅し、アナログフィルタによって高周波成分を除去する。その結果得られるアナログフィルタの出力信号は、再生すべきオーディオ信号となる。
ハードディスクやフラッシュメモリを利用したシリコンオーディオプレイヤ、あるいは携帯電話端末では、再生すべきオーディオ信号のサンプリング周波数が変動する場合がある。たとえば、MP3(MPEG AUDIO LAYER-3)などに代表される圧縮されたデジタルオーディオ信号の場合、サンプリング周波数が圧縮率に応じて変化する。また、携帯電話端末などで通話音声を出力する場合、そのサンプリング周波数は音楽データと比較して低くなる。
従来のデジタルオーディオ信号処理は、再生すべきオーディオ信号のサンプリング周波数が変化しても同一の処理を行っていた。しかしながら、シリコンオーディオプレイヤや携帯電話端末などは電池駆動されるため、長時間動作のためには消費電力を低減することが望ましい。また、電池駆動型の機器に限らず、低消費電力化は追求すべき課題である。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その包括的な目的は、デジタルオーディオ信号処理の低消費電力化である。
本発明のある態様は、サンプリング周波数の異なるデジタルのオーディオ信号をフィルタリングするデジタルフィルタに関する。このデジタルフィルタは、オーディオ信号を所定時間ずつ遅延させる、多段接続された複数の遅延素子と、各遅延素子により遅延されたオーディオ信号に、遅延素子ごとに設定された所定の係数を乗算する乗算器と、を備える。デジタルフィルタは、オーディオ信号のサンプリング周波数に応じて、乗算器による乗算の対象となる遅延素子の出力の個数を増減させる。
この態様によると、サンプリング周波数に応じて、乗算器による演算回数を減らすことができるため、回路の消費電力を低減することができる。
乗算器は、サンプリング周波数が所定のしきい値より低いとき、すべての遅延素子の出力を乗算の対象とし、しきい値より高いとき、一部の遅延素子の出力を乗算の対象としてもよい。
デジタルフィルタは、有限インパルス応答フィルタであってもよい。複数(2m+1)個(mは自然数)の遅延素子それぞれに設定される係数は、(m+1)番目の遅延素子を対称に設定されており、サンプリング周波数がしきい値より高いとき、(m+1−k)番目〜(m+1+k)番目(k<m)の遅延素子を乗算の対象としてもよい。
サンプリング周波数が低い場合に、連続的に接続された遅延素子を使用するため、演算処理をある時間だけ集中して実行することになる。つまり、前後両端の遅延素子に対応する演算処理が実行されなくなるため、演算処理の制御が容易となる。
サンプリング周波数が低い場合に、連続的に接続された遅延素子を使用するため、演算処理をある時間だけ集中して実行することになる。つまり、前後両端の遅延素子に対応する演算処理が実行されなくなるため、演算処理の制御が容易となる。
乗算の対象ではない遅延素子を本来乗算すべき期間に、クロック信号を停止してもよい。「クロック信号の停止」とは、クロック信号を使用する回路に対するクロック信号の供給の停止、あるいはクロック信号の生成停止の両方が含まれる。この場合、さらに消費電力を低減することができる。
ある態様のデジタルフィルタは、乗算の対象となる遅延素子の個数に応じて、遅延素子ごとに設定された係数を再設定してもよい。サンプリング周波数ごとに係数を再設定することにより、フィルタの特性を最適化することができる。
ある態様のデジタルフィルタは、乗算の対象とならない遅延素子に設定される係数を0に設定してもよい。
本発明の別の態様は、デジタルオーディオ処理回路である。このデジタルオーディオ処理回路は、上述のデジタルフィルタと、デジタルフィルタの出力信号をΔΣ変調してパルス信号に変換するΔΣ変調器と、を備える。
デジタルオーディオ処理回路は、一つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのICとして集積化することにより、その面積を削減することができる。
本発明のさらに別の態様は、電子機器に関する。この電子機器は、電池と、デジタルのオーディオ信号を生成する信号生成部と、電池を電源として動作し、オーディオ信号を入力として受ける上述のデジタルオーディオ処理回路と、デジタルオーディオ処理回路のΔΣ変調器からのパルス信号を増幅するD級アンプと、D級アンプの出力信号をフィルタリングするフィルタと、フィルタの後段に設けられた音声出力部と、を備える。
この態様によると、オーディオ信号のサンプリング周波数に応じて、デジタルオーディオ処理回路の消費電力が低減されるため、電池の使用時間を延ばすことができる。
本発明のさらに別の態様は、デジタルのオーディオ信号のフィルタリング方法に関する。この方法は、オーディオ信号のサンプリング周波数を取得するステップと、オーディオ信号を順次遅延させる多段接続された複数の遅延素子のうち、取得したサンプリング周波数に応じた個数の遅延素子をアクティブとするステップと、アクティブとされた遅延素子ごとに係数を設定するステップと、アクティブとされた遅延素子の出力と、それに対応する係数を乗算するステップと、乗算により得られた値を加算するステップと、を備える。
この態様によると、サンプリング周波数に応じて演算回数を減らすことができるため、消費電力を低減できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係るデジタルフィルタによれば、消費電力を低減できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタルオーディオ処理回路100を搭載した電子機器200の構成を示すブロック図である。電子機器200は、たとえば携帯電話端末、シリコンオーディオプレイヤ、CDプレイヤなどのスピーカやヘッドホン、イヤホンなどから音声を出力可能な機器である。電子機器200は、デジタルオーディオ処理回路100、ローパスフィルタ110、音声出力部120、オーディオ信号生成部130、電池140を備える。
電池140は、電子機器200の主電源として利用され、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池などが用いられる。デジタルオーディオ処理回路100、オーディオ信号生成部130には、電池140から出力される電池電圧Vbat、もしくは、電池電圧Vbatをスイッチングレギュレータなどにより安定化して得られる電圧が、電源電圧として供給される。音声出力部120は、スピーカ、ヘッドホンあるいはイヤホンなど、電気信号を音響波に変換するデバイスであり、電子機器200に内蔵され、もしくは外付けされる。
オーディオ信号生成部130は、デジタルのオーディオ信号S1を生成する。オーディオ信号S1は、通話相手の発話した声、着信音、あるいは図示しないメモリ等にエンコードして記録されたオーディオ信号をデコードしたPCM(Pulse Code Modulation)形式の信号である。オーディオ信号S1は、その種類に応じて異なるサンプリング周波数でサンプリングされている。たとえば通話音声であれば、サンプリング周波数は8kHz程度であり、CD音源を圧縮したデータであれば44.1kHz程度となる。
オーディオ信号生成部130とデジタルオーディオ処理回路100は、信号線132を介して接続される。たとえば信号線132はI2S規格のバスであり、オーディオ信号S1は、シリアルデータとしてデジタルオーディオ処理回路100に伝送される。なお、I2Sはあくまで一例であり、その他のシリアルバス、あるいはパラレルバスであってもよく、本発明は特定のバスを使用した状況に限定されるものではない。
デジタルオーディオ処理回路100は、オーディオ信号S1を受け、パルス変調された1ビットのパルス信号に変換して増幅し、後段のローパスフィルタ110へと出力する。ローパスフィルタ110は、デジタルオーディオ処理回路100の出力パルス信号S2の高周波成分を除去し、アナログのオーディオ信号S3に変換する。音声出力部120は、ローパスフィルタ110の出力信号S3によって駆動される。
デジタルオーディオ処理回路100は、入力端子102、出力端子104、電源端子106を備える。入力端子102には、オーディオ信号生成部130からのオーディオ信号S1が入力され、出力端子104はローパスフィルタ110と接続される。電源端子106には電池電圧Vbatにもとづく電源電圧が供給される。デジタルオーディオ処理回路100の内部の各ブロックは、電源電圧を利用して動作する。
デジタルオーディオ処理回路100は、入力インタフェース部10、デジタル補間フィルタ(以下、単に補間フィルタという)20、制御部30、ΔΣ変調器40、D級アンプ50を含み、ひとつの半導体基板上に一体集積化されている。
入力インタフェース部10は、信号線132を介して入力されたオーディオ信号S1を受け、これをシリアルパラレル変換してオーディオ信号S4を生成する。オーディオ信号S4は、後段の補間フィルタ20に入力される。
入力インタフェース部10は、信号線132を介して入力されたオーディオ信号S1を受け、これをシリアルパラレル変換してオーディオ信号S4を生成する。オーディオ信号S4は、後段の補間フィルタ20に入力される。
補間フィルタ20は、サンプリング周波数fsのオーディオ信号S4を8倍にオーバーサンプリングして補間するFIRフィルタである。フィルタリングされたオーディオ信号S5は、後段のΔΣ変調器40に入力される。ΔΣ変調器40は、パルス変調されたパルス信号S6として出力する。パルス信号S6に含まれるパルス列の粗密、もしくは各パルスの幅(デューティ比)が、再生すべきオーディオ信号の振幅に対応する。ΔΣ変調器40は、一般的に使用される高次のΔΣ変調器を利用すればよい。
D級アンプ50は、ΔΣ変調器40から出力されるパルス変調されたパルス信号S6を増幅する。このD級アンプ50は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータ型のスイッチングアンプである。D級アンプ50により増幅された1ビットのオーディオ信号S2は、出力端子104を介して出力される。
制御部30は、補間フィルタ20、ΔΣ変調器40等を制御する。クロック制御部32には、外部からマスタークロック信号CKが入力される。クロック制御部32はマスタークロック信号CKを逓倍してΔΣ変調器40に供給する。たとえばクロック制御部32はPLL(Phase Locked Loop)回路を含んで構成される。サンプリング制御部34には、デジタルオーディオ処理回路100に対して現在入力されているオーディオ信号S1のサンプリング周波数fsがデータとして入力される。サンプリング制御部34は、サンプリング周波数fsにもとづいて、補間フィルタ20、ΔΣ変調器40の動作を制御する。
図2は、図1の補間フィルタ20の構成を示す回路図である。補間フィルタ20は、n(nは、2m+1を満たす整数、mは自然数)個の遅延素子D1〜Dnと、乗算器22と、加算器24と、を備える。以下、m=48の場合を例に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。遅延素子D1〜Dnはレジスタ(フリップフロップやラッチ回路)あるいはメモリで構成され、多段接続されている。各遅延素子D1〜Dnの出力端子には、信号が取り出せるように、タップT1〜Tnが設けられている。
各遅延素子D1〜Dnは、入力されたオーディオ信号S4を、所定時間τずつ遅延させる。所定時間τは、レジスタで構成される遅延素子D1〜Dnに供給されるクロック信号によって規定される。乗算器22は、各遅延素子D1〜Dnによって遅延されたオーディオ信号S4に、遅延素子ごとに設定された所定の係数Cを乗算する。
係数Cは、(m+1)番目の遅延素子DmのタップTm+1を対称に設定されている。すなわち、遅延素子Dmおよび遅延素子Dm+2に設定された係数はいずれもC1であり、遅延素子D1とDnに設定された係数はいずれもCmとなっている。
乗算器22は、各係数Cと遅延素子Dの出力の乗算を、ひとつの乗算器を利用して実行する。なお、遅延素子Dの出力の値はいずれも同一であるから、中央の遅延素子Dmを対象として同一の値を有する係数Cm+1−k、Cm+1+kに対する乗算結果は同一の値をとるため、一度の演算した結果をレジスタにストアすることにより、乗算の演算回数を1/2に減らすことができる。すなわち乗算器22は、オーディオ信号S4の1サンプル値ごとに、最大でm+1回の乗算を実行する。
加算器24は、乗算器22により得られた乗算結果を加算し、フィルタリングされたオーディオ信号S5を出力する。
乗算器22、加算器24は、それぞれ乗算、加算のみを実行するユニットとして構成されてもよいし、汎用ALU(Arithmetic logic unit)として構成してもよい。
本実施の形態に係る補間フィルタ20は、オーディオ信号S4のサンプリング周波数に応じて、乗算器22による乗算の対象となる遅延素子の出力の個数を増減させる。より具体的には、サンプリング周波数fsが低くなるに従い、有効となる遅延素子の個数を増加させ、サンプリング周波数fsが高くなるに従い、有効となる遅延素子の個数を減少させる。
一般に、S/N比やTHD(Total Harmonics Distortion)などのフィルタの能力はタップ数(遅延素子の個数)が多くなるほど高くなる。しかし、タップ数が増加すると乗算の回数が増加し、動作する遅延素子の数が増加するため、補間フィルタ20の消費電流は増加するという問題がある。一方で、本発明者はシミュレーションや実験にもとづき、サンプリング周波数fsが高くなるにしたがい、タップ数を減らしても、S/N比やTHDは悪化しないことを認識するに至った。
そこで、本実施の形態に係る補間フィルタ20は、サンプリング周波数fsが高い状態において、乗算器22により乗算の対象となる遅延素子の個数を減らすことにより、フィルタの特性を維持しつつ、乗算回数を減らして回路の消費電流を低減することができる。また、加算器24による加算回数も減るため、消費電流はさらに減少する。サンプリング周波数fsに応じて、タップ数をいくつに設定するかについては、シミュレーションや実験にもとづいて設定すればよい。
以下、本実施の形態に係る補間フィルタ20の、より具体的な処理について説明する。遅延素子の個数を2段階で切り替える。すなわち、乗算器22は、サンプリング周波数fsが所定のしきい値fthより低いとき、すべての遅延素子D1〜Dnの出力を乗算の対象とする。しきい値fthの値としては、20kHz〜30kHzに設定するのが好ましい。一例として、fs=8kHz〜22kHzに対しては、すべての遅延素子を使用する。
一方、サンプリング周波数fsがしきい値fthより高いとき、たとえばfs=24〜48kHzに対して、乗算器22は、一部の遅延素子の出力を乗算の対象とする。具体的には、遅延素子Dm+1を中心として、前後にk個の遅延素子の出力を乗算の対象とする。kはmの1/3〜2/3程度に設定してもよい。本実施の形態では、m=48、k=28に設定する。この場合、fs>fthの場合に、(m+1−k)番目〜(m+1+k)番目(k<m)の遅延素子D(m+1−k)〜D(m+1+k)の出力が乗算の対象となる。
一方、サンプリング周波数fsがしきい値fthより高いとき、たとえばfs=24〜48kHzに対して、乗算器22は、一部の遅延素子の出力を乗算の対象とする。具体的には、遅延素子Dm+1を中心として、前後にk個の遅延素子の出力を乗算の対象とする。kはmの1/3〜2/3程度に設定してもよい。本実施の形態では、m=48、k=28に設定する。この場合、fs>fthの場合に、(m+1−k)番目〜(m+1+k)番目(k<m)の遅延素子D(m+1−k)〜D(m+1+k)の出力が乗算の対象となる。
また、使用する遅延素子の個数(タップ数)を変更する際に、各遅延素子に設定される係数Cを再設定する。タップ数に応じて係数の値を設定することにより、良好なフィルタ特性を得ることができる。また、乗算の対象とならない遅延素子に設定される係数Cを0に設定することが望ましい。乗算は実行されないため、実際には係数の値はいくつに設定されていても構わないが、0にリセットすることにより、制御が容易となる。
また、サンプリング周波数fsがしきい値fthより高い状態では、遅延素子D1〜D(m−k)および遅延素子D(m+2+k)〜Dnは使用されないため、これらの遅延素子に対するクロック信号の供給は不要となる。そこで、補間フィルタ20は、乗算の対象ではない遅延素子を本来乗算すべき期間に、各回路素子に対するクロック信号の供給、あるいはクロック信号自体の生成を停止する。これによって、さらに消費電流を低減することができる。
サンプリング周波数fsに応じた補間フィルタ20の動作の切り替えは、図1の制御部30によって実行される。すなわち、サンプリング制御部34はサンプリング周波数fsの値にもとづき、補間フィルタ20の遅延素子のタップ数を決定する。それと同時に、使用される遅延素子の各タップに適切な係数を設定する。サンプリング周波数fsごとに設定される係数は、レジスタ、ROM、RAMなどの記憶手段にテーブルとして保持される。さらに、サンプリング制御部34は、サンプリング周波数fsの値にもとづいて、補間フィルタ20の乗算器22の演算を制御する。
本実施の形態に係る補間フィルタ20では、以上の制御を実行することにより、さらに以下の利点が得られる。
サンプリング周波数fsが高い状態において、両端(つまり前段および後段)の遅延素子を不使用状態とし、中央付近の遅延素子を使用することにより、補間フィルタ20全体として、動作期間、非動作期間を間欠的に繰り返すバースト動作を行うことになるため、クロック信号の制御や、補間フィルタ20の制御が容易となる。
サンプリング周波数fsが高い状態において、両端(つまり前段および後段)の遅延素子を不使用状態とし、中央付近の遅延素子を使用することにより、補間フィルタ20全体として、動作期間、非動作期間を間欠的に繰り返すバースト動作を行うことになるため、クロック信号の制御や、補間フィルタ20の制御が容易となる。
この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、有効に利用する遅延素子の個数(タップ数)を2段階で切り替える場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サンプリング周波数fsごとに、より細かく遅延素子の個数を切り替えてもよい。
また、実施の形態では、サンプリング周波数fsが高い状態において、タップ数を減らす際に、中央の遅延素子Dm+1から前後に連続的に遅延素子を利用する場合について説明したが、本発明はこれには限定されない。たとえば、遅延素子はすべてアクティブとしたまま、離散的な(たとえば2個ごとの)遅延素子の出力を乗算器22による乗算の対象としてもよい。この場合、遅延素子による消費電流は減少しないが、乗算器22による乗算回数は減らすことができるため、補間フィルタ20としての消費電流を低減することが可能である。
実施の形態では、補間フィルタ20がFIR型の場合について説明したが、本発明は、IIR(Infinite Impulse Response)型のフィルタにも適用可能である。
実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
10 入力インタフェース部、 20 補間フィルタ、 22 乗算器、 24 加算器、 D 遅延素子、 30 制御部、 32 クロック制御部、 34 サンプリング制御部、 40 ΔΣ変調器、 50 D級アンプ、 100 デジタルオーディオ処理回路、 102 入力端子、 104 出力端子、 106 電源端子、 110 ローパスフィルタ、 120 音声出力部、 130 オーディオ信号生成部、 140 電池、 200 電子機器。
Claims (10)
- サンプリング周波数の異なるデジタルのオーディオ信号をフィルタリングするデジタルフィルタであって、
前記オーディオ信号を所定時間ずつ遅延させる、多段接続された複数の遅延素子と、
各遅延素子により遅延されたオーディオ信号に、遅延素子ごとに設定された所定の係数を乗算する乗算器と、
を備え、
前記オーディオ信号のサンプリング周波数に応じて、前記乗算器による乗算の対象となる遅延素子の出力の個数を増減させることを特徴とするデジタルフィルタ。 - 前記乗算器は、前記サンプリング周波数が所定のしきい値より低いとき、すべての遅延素子の出力を乗算の対象とし、前記しきい値より高いとき、一部の遅延素子の出力を乗算の対象とすることを特徴とする請求項1に記載のデジタルフィルタ。
- 前記デジタルフィルタは、有限インパルス応答フィルタであって、
複数(2m+1)個(mは自然数)の遅延素子それぞれに設定される係数は、(m+1)番目の遅延素子を対称に設定されており、前記サンプリング周波数が前記しきい値より高いとき、(m+1−k)番目から(m+1+k)番目(k<m)の遅延素子を乗算の対象とすることを特徴とする請求項2に記載のデジタルフィルタ。 - 乗算の対象ではない遅延素子を本来乗算すべき期間に、クロック信号を停止することを特徴とする請求項1に記載のデジタルフィルタ。
- 乗算の対象となる遅延素子の個数に応じて、遅延素子ごとに設定された前記係数を再設定することを特徴とする請求項1に記載のデジタルフィルタ。
- 乗算の対象とならない遅延素子に設定される係数を0に設定することを特徴とする請求項4に記載のデジタルフィルタ。
- 請求項1に記載のデジタルフィルタと、
前記デジタルフィルタの出力信号をΔΣ変調してパルス信号に変換するΔΣ変調器と、
を備えることを特徴とするデジタルオーディオ処理回路。 - 一つの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項7に記載のデジタルオーディオ処理回路。
- 電池と、
デジタルのオーディオ信号を生成する信号生成部と、
前記電池を電源として動作し、前記オーディオ信号を入力として受ける請求項7に記載のデジタルオーディオ処理回路と、
前記デジタルオーディオ処理回路の前記ΔΣ変調器からのパルス信号を増幅するD級アンプと、
前記D級アンプの出力信号をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの後段に設けられた音声出力部と、
を備えることを特徴とする電子機器。 - デジタルのオーディオ信号のフィルタリング方法であって、
前記オーディオ信号のサンプリング周波数を取得するステップと、
前記オーディオ信号を順次遅延させる多段接続された複数の遅延素子のうち、前記取得したサンプリング周波数に応じた個数の遅延素子をアクティブとするステップと、
前記アクティブとされた遅延素子ごとに係数を設定するステップと、
前記アクティブとされた遅延素子の出力と、それに対応する係数を乗算するステップと、
前記乗算により得られた値を加算するステップと、
を備えることを特徴とするフィルタリング方法。
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