JP4311117B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、共振形のスイッチングコンバータを備えるスイッチング電源装置に関する。
スイッチング電源装置として、各種共振形コンバータによるスイッチング電源装置が知られている。共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数により構成することができるというメリットも有している。
上記のような共振形コンバータの1つとして、電流共振形コンバータが知られている。電流共振形コンバータの代表的な構成としては、2組のスイッチング素子を直列接続したスイッチング回路を、直流入力電圧に対して並列に設けるようにした、ハーフブリッジ結合方式を採るものが知られている。ハーフブリッジ結合方式の電流共振形コンバータは、2組のスイッチング素子が交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行うようにされている。
また、このようなハーフブリッジ結合方式のスイッチングコンバータにおいて、2組のスイッチング素子のうち、1組のスイッチング素子についてのみ、部分電圧共振を得るための部分共振コンデンサ(補助コンデンサ)を並列に接続したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
電流共振形コンバータにおけるスイッチング駆動では、2組のスイッチング素子が交互にオン/オフするようにされるとともに、両者がオフ期間となる、いわゆるデッドタイムを形成するようにしている。上記のようにして、1組のスイッチング素子に対してのみ部分共振コンデンサを並列に接続すると、上記デッドタイムとしての期間において、部分共振コンデンサからの放電電流が直流入力電圧に流入しないようにされ、共振動作がより安定したものとなる。
図8は、上記したように、ハーフブリッジ結合方式の電流共振形コンバータにおいて、1組のスイッチング素子に対してのみ部分共振コンデンサを並列接続した形態を採る、スイッチング電源装置の構成例を示している。なお、この図に示す電源装置は、他励式によりスイッチング素子を駆動する構成を採っている。
この図に示す電流共振形コンバータにおいては、いわゆるハイサイドのスイッチング素子Q1と、ローサイドのスイッチング素子Q2とによる直列接続回路を形成している。つまり、2本のスイッチング素子をハーフブリッジ結合している。そして、このスイッチング素子Q1,Q2のハーフブリッジ回路を直流入力電圧Vinに対して図示するようにして並列に接続している。スイッチング素子Q1,Q2は、後述するようにしてスイッチング駆動されることで、直流入力電圧Vinを入力してスイッチングを行う。
また、スイッチング素子Q1に対しては、ボディダイオードD1がいわゆる逆並列に接続される。同様にして、スイッチング素子Q2に対しては、ボディダイオードD2が逆並列に接続される。
そして、ローサイド側のスイッチング素子Q2に対しては、さらに、部分電圧共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分電圧共振コンデンサCpが接続されることで、スイッチング素子Q1,Q2の各ターンオフ時において、部分電圧共振コンデンサCpに充放電が行われる、部分電圧共振動作が得られる。
なお、ハイサイド側のスイッチング素子Q1に対しては、部分共振コンデンサは接続されていないが、周知のように、スイッチング素子Q1,Q2の両者に対して部分電圧共振コンデンサを並列に接続したとしても、同様にして部分共振動作は得られるものである。
スイッチング駆動/制御回路1は、スイッチング素子Q1,Q2を他励式によりスイッチング駆動するために設けられ、例えば図示するようにして、発振器10及び駆動回路11を備える。
発振器10は、所要の周波数による発振信号を発生させ、駆動回路11に出力する。駆動回路11は、入力された発振信号を利用して、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する。このドライブ信号SG1,SG2の周波数は、入力された発振信号に対応したものとなる。また、ドライブ信号SG1,SG2は、互いに180°の位相差を有する。
これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、発振回路11にて生成される発振信号周波数に応じたスイッチング周波数により、交互にオン/オフするタイミングでスイッチング動作を行うことになる。
また、実際には、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン又はターンオフする短時間のタイミングで、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイム期間が形成されるように、ドライブ信号SG1,SG2の波形が形成されている。部分電圧共振動作としての部分電圧共振コンデンサCpに対する充放電は、このデッドタイム期間に行われる。
また、スイッチング駆動/制御回路1においては誤差増幅器12とフォトカプラ14が設けられているが、これについては後述する。
トランスT1は、先に説明したスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を、一次側から二次側に伝送するために設けられ、この場合には、コアに対して、一次巻線Npと、二次巻線Ns1,Ns2を巻装して形成される。
トランスT1の一次巻線Npの巻始め端部は、スイッチング素子Q1,Q2の接続点と接続され、巻終わり端部は、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して、直流入力電圧Vinの負極と接続される。また、この場合のトランスT1は、所定の結合係数による疎結合の状態が得られるようになっていることで、漏洩インダクタンスを生じるようにされている。そこで、この図では、トランスT1の一次側に得られる漏洩インダクタンスLrと、励磁インダクタンスLpを等価的に示している。漏洩インダクタンスLrは、一次巻線Npとスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間に直列に接続されるものとしてみることができる。また、励磁インダクタンスLpは、一次巻線Npと並列に接続されるものとしてみることができる。
ここで、漏洩インダクタンスLrは一次側直列共振コンデンサC1と直列接続されていることになるが、この直列接続により一次側直列共振回路を形成する。スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力は、一次側直列共振回路に供給されることになるが、これにより、スイッチング動作は電流共振形となる。即ち、一次側においては電流共振形コンバータが形成されることになる。
この場合のトランスPITの二次側においては、同等巻数の2組の二次巻線Ns1,Ns2の中点をセンタータップとして二次側アースに接地すると共に、整流ダイオードD3,D4、及び平滑コンデンサCoを図示するようにして接続することで、二次側両波整流回路を形成している。
この二次側両波整流回路によっては、二次巻線Ns1,Ns2に励起された交番電圧を整流平滑化して、平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次側直流電圧を生成する。この二次側直流電圧が、図示するようにして負荷に供給される。
上記二次側直流電圧は、分岐して、スイッチング駆動/制御回路1内の誤差増幅器12に対しても入力される。
誤差増幅器12では、上記二次側直流電圧のレベルと、所定レベルの基準電圧Vrefとを比較して、その誤差に応じてレベルが可変となる誤差増幅信号をフォトカプラ14を介して発振器10に出力する。フォトカプラ14は、一次側に在るとされる発振器10に対して、二次側から誤差増幅信号をフィードバックさせるのにあたって、一次側と二次側とを直流的に絶縁するために設けられる。また、抵抗R1は、誤差増幅信号に応じて、フォトカプラ14のフォトダイオードに流すべき電流を調整するために挿入される。
発振器10は、上記誤差増信号に応じて発振周波数を可変するが、これに応じてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数も変化する。スイッチング周波数が変化すれば、一次側から二次側に伝送されるエネルギー量も変化し、二次側直流電圧のレベルが可変制御されることになる。このような制御系により、二次側直流出力電圧についての安定化が図られる。
この場合の安定化制御としては、二次側直流電圧のレベルが低下したときには、スイッチング周波数を低くするように制御する。これにより、二次側へのエネルギー伝送量が増加して二次側直流電圧が上昇する。また、二次側直流電圧のレベルが上昇したときには、スイッチング周波数を高くするように制御して、これにより二次側へのエネルギー伝送量を減少させて、二次側直流電圧を低下させるようにしている。
図9の波形図は、上記図8に示した構成による電源装置における要部の動作として、定常動作時の動作を示している。
駆動回路11からスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して出力されるドライブ信号SG1,SG2により、スイッチング素子Q1,Q2の各ゲート−ソース間には、図9(a)(b)に示すゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)が生じる。ドライブ信号SG1,SG2の実際の波形は、これらゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)に対応する。
ゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)の各々について、正極性のパルスが立ち上がっている期間が、スイッチング素子をオンとするオン期間であり、0レベルとなる期間がスイッチング素子をオフとするオフ期間である。
これらゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)の波形から分かるように、スイッチング素子Q1,Q2は、交互にオン/オフするタイミングでスイッチングを行う。また、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン/ターンオフする際において、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイムといわれる短時間の期間が形成されていることも分かる。
また、図9(c)は、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧Vds(Q1)を示す。ここでは図示していないが、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間電圧とは、180°の位相差を有する。
図9(d)は、スイッチング素子Q1及びボディダイオードD1から成るハイサイド側のスイッチング回路部に流れるスイッチング電流Id1を示す。また、図9(e)は、スイッチング素子Q2及びボディダイオードD2から成るローアーサイドスイッチング回路部に流れるスイッチング電流Id2を示す。
ここで、図9(d)に示されるように、スイッチング素子Q1のターンオン時には、先ず、ボディダイオードD1(アノード→カソード)を介して、負極性によるスイッチング電流Id1が流れる。このボディダイオードD1を流れるスイッチング電流Id1は、スイッチング素子Q1のターンオン直前まで、部分電圧共振コンデンサCpに充電するようにして流れていた電流が転移して流れたものとしてみることができる。そこで本明細書では、ボディダイオードに流れる電流を転流電流ということにする。そして、この負極性のスイッチング電流Id1が反転して、正極性によりスイッチング素子Q1(ドレイン−ソース)に流れた後に、スイッチング素子Q1はターンオフする。
このターンオフ直後の期間(デッドタイム期間Td)においては、部分電圧共振コンデンサCpにおいて部分電圧共振動作が生じる期間が得られ、この期間において、部分電圧共振コンデンサCpに部分電圧共振電流が流れて放電が行われる。
そして、上記スイッチング素子Q1のターンオフ直後のデッドタイム期間Tdが経過した後に、スイッチング素子Q2がターンオンする。このスイッチング素子Q2のターンオン時には、図9(e)に示すようにして、ボディダイオードD2(アノード→カソード)を介してスイッチング電流Id2が負極性方向に流れる。このボディダイオードD2を流れる電流も、スイッチング素子Q2のターンオン直前まで、部分電圧共振コンデンサCpから放電されるようにして流れていた電流が転移して流れたものであり、転流電流である。
この転流電流は、反転して正極性によりスイッチング素子Q2(ドレイン→ソース)を流れた後にターンオフする。そして、このスイッチング素子Q2のターンオフ時(デッドタイム期間Td)においても、部分電圧共振コンデンサCpにおいて部分電圧共振動作が生じる期間が得られ、この期間においては、部分電圧共振コンデンサCpに部分電圧共振電流としての充電電流が流れる。
図9(f)には、励磁インダクタンスLpに流れる電流ILPと、一次巻線Npに流れる電流INPとを合成して得られる、一次側直列共振電流ILP+INPが示される。
この一次側直列共振電流ILP+INPは、図9(d)(e)に示すスイッチング電流Id1,Id2と、図9においては図示されていないが、上記のようにしてスイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時(デッドタイム期間Td)において部分電圧共振コンデンサCpに流れる充放電電流(部分共振電流)とが合成されたものとなる。
この場合、スイッチング素子Q1がオンとなる期間に対応しては、二次巻線Ns1に励起される順方向の電圧により、整流ダイオードD3が導通して、図9(g)に示す整流電流ID3により、平滑コンデンサCoへの充電が行われる。また、スイッチング素子Q2がオンとなる期間に対応しては、二次巻線Ns2に励起される順方向の電圧により、整流ダイオードD4が導通して、図9(h)に示す整流電流ID4により、平滑コンデンサCoへの充電が行われる。
図10は、図8に示した電源装置において、スイッチング駆動/制御回路1に備えられる、発振器10及び駆動回路11から成る回路の構成例を示している。また、図11の波形図は、図10に示す回路の動作を示している。
図10に示す発振器10においては、直流電圧Vccが動作電源として供給されており、この直流電圧Vccに対して、抵抗22、トランジスタ23、抵抗24、トランジスタ25を図示するようにして接続して形成される差動回路を備える。この差動回路によっては、時定数コンデンサ27を充電する動作が得られる。また、後述するようにして、トランジスタ29がオン/オフすることにより、時定数コンデンサ27を放電する動作がオン/オフ制御される。これにより、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、図11(a)に示すようにして、周期的に鋸歯状波が連続した波形となる。
この鋸歯状波形の両端電圧V1は、後述するようにして、レベルの上昇期間Tupが可変で、下降期間Tdnが固定となる。
この時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、コンパレータ34に入力される。コンパレータ34は、図11(b)に示すようにして、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が、上限閾値値に相当するレベルのときに、検出信号S1としてHレベルを出力するように動作する。検出信号S1は、RS(Reset-Set)フリップフロップ36のセット(S)入力となる。
また、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、コンパレータ35にも入力される。コンパレータ35は、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が、下限閾値のレベルとなるときに、図11(c)に示すようにして、検出信号S2を出力するように動作する。検出信号S2は、RSフリップフロップ36のリセット(R)入力となる。
上記のようにして検出信号S1,S2が入力されるRSフリップフロップ36では、図11(d)に示すように、検出信号S1が立ち上がるのに続いて検出信号S2が立ち上がるまでの期間において、Hレベルとなる非反転出力信号S3を出力する。この非反転出力信号S3は、トランジスタ29のベースに入力される。
トランジスタ29は、ベースに入力される非反転出力信号S3がHレベルの期間に対応してオンとなることで、抵抗28を介して、時定数コンデンサ27の充電電荷を放電させる放電モードに移行する。これにより、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、上限閾値レベルから下降していくことになる。つまり、下降期間Tdnを形成する。そして、非反転出力信号S3がHレベルからLレベルに変化すると、トランジスタ29はオフとなるので、前述した差動回路による時定数コンデンサ27に対する充電が有効となる、充電モードに移行する。
このような動作により、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、図11(a)に示すようにして、鋸歯状波となるものである。
また、RSフリップフロップ36の反転出力信号S4は、図11(e)に示すようにして、上記した非反転出力信号S3が反転された波形となる。つまり、上昇期間Tupに対応してはHレベルで、下降期間Tdnに対応してはLレベルとなる。
この反転出力信号S4は、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する源信号として、駆動回路11に入力される。
駆動回路11に入力された反転出力信号S4は、T(Toggle)フリップフロップ37の入力端子(T)に入力されると共に、分岐して、ANDゲート38及びANDゲート39の各一方の入力端子に入力される。Tフリップフロップ37の非反転出力はANDゲート38の他方の入力端子に入力され、反転出力は、ANDゲート39の他方の入力端子に入力される。
このような駆動回路11の回路構成では、ANDゲート38及びANDゲート39の出力であるドライブ信号SG1,SG2は、それぞれ、例えば図11(f)(g)に示すものとなる。ドライブ信号SG1は、[上昇期間Tup(Hレベル)−下降期間Tdn(Lレベル)−上昇期間Tup(Lレベル)−下降期間Tdn(Lレベル)]から成る周期の繰り返しによる波形となる。ドライブ信号SG2は、ドライブ信号SG1に対して、180°の位相差を有した波形となる。
このようにして生成されるドライブ信号SG1,SG2がスイッチング素子Q1,Q2に印加されることになるが、それぞれ、ドライブ信号SG1,SG2がHレベルとなる期間がスイッチング素子Q1,Q2がオンとなる期間となる。また、Lレベルとなる期間が、スイッチング素子Q1,Q2がオフとなる期間となる。このことから、スイッチング素子Q1,Q2は、交互にオン/オフするタイミングでスイッチングを行っていることがわかる。また、スイッチング素子Q1,Q2の各オン期間は、上昇期間Tupに相当する時間であることが分かる。また、スイッチング素子Q1,Q2のターンオン/ターンオフ時に対応して、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイム期間が形成されており、このデッドタイム期間は、下降期間Tdnに相当する時間であることが分かる。
また、発振器10において、トランジスタ23,25を備えて成る差動回路とアース間に対しては、フォトカプラ14のフォトトランジスタが介在するようにして備えられている。このため、差動回路が時定数コンデンサ27に流す充電電流は、フォトトランジスタのコレクタ電流に応じて可変されることになる。つまり、時定数コンデンサ27に流れる充電電流は、電源装置の二次側直流電圧(平滑コンデンサCoの両端電圧)のレベルに応じて変化することになる。時定数コンデンサ27に流れる充電電流が変化すれば、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が下限閾値レベルから上限閾値レベルに上昇するまでの上昇期間Tupの時間長が変化することになる。なお、これに対して、両端電圧V1が上限レベルから下限レベルまでに下降する下降期間Tdnは、時定数コンデンサと抵抗28の時定数によって決まるために固定となる。
このことから、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、下降期間Tdnについては固定とされたうえで、二次側直流出力電圧のレベルに応じて上昇期間Tupが変化することとなる。ここで、両端電圧V1の上昇期間Tupは、ドライブ信号SG1,SG2がHレベルとなる期間、つまり、スイッチング素子Q1,Q2のオン期間に対応するから、二次側直流電圧のレベルに応じては、デッドタイムは固定とされたうえで、スイッチング素子Q1,Q2のオン期間が可変されることになる。オン期間が変化すれば、1スイッチング周期の長さも変化することになる。つまり、スイッチング周波数が変化することになる。
このようにしてスイッチング周波数が可変制御されることで前述もしたように、二次側直流電圧が安定化されることになる。
また、発振器10においては、ソフトスタート回路40が備えられている。このソフトスタート回路40は、図示するようにして、コンデンサ42、増幅器43、ダイオード44とから成る。コンデンサ42は、直流電圧Vccとアース間に挿入される。増幅器43の非反転入力は、直流電圧Vccに対して接続されており、これにより、増幅器43の非反転入力には、電流源41が接続されていることと等価となる。増幅器43の出力は、反転入力に帰還されると共に、ダイオード44のカソード→アノードを介して、フォトカプラ14のフォトトランジスタのコレクタと接続されている。
ソフトスタート回路40の動作としては、次のようになる。
先ず、図8に示す電源装置が起動された直後においては、二次側直流電圧は規定レベルに上昇する過渡期にあるので、誤差増幅器12による二次側直流電圧の正常なレベル検出動作は得られず、このために、例えばフォトカプラ14のフォトトランジスタも導通していない状態にある。
また、電源装置の起動後においては、図10に示す直流電圧Vccのラインに電流源41が発生し、この電流源41の電流によりコンデンサ42への充電が開始されることになるが、起動直後においては、コンデンサ42における充電電荷はほぼ0であり、非反転入力はほぼアース電位となっているから、オペアンプ43からは負極性の出力が生じ、これに応じて、差動回路のトランジスタ23,25のベースから、ダイオード44を介して、オペアンプ43に電流が流れることになる。つまり、差動回路のトランジスタ23,25のベース電流が流れる。このようにしてベース電流が流れることで、差動回路による時定数コンデンサ27への充電も行われることになるが、このときのベース電流レベルに応じた充電電流量は、ほぼ最短の上昇期間Tupが得られる程度に増加されたものとなっている。つまり、電源起動直後においては、スイッチング周波数をほぼ上限にまで強制的に上昇させる動作が得られることになる。
前述したように、スイッチング周波数が高くなるのに応じて二次側直流出力電圧を低下させる傾向で制御することになる。従って、上記したように、起動時においてスイッチング周波数を強制的に高くすることによっては、二次側直流出力電圧レベルを強制的に低下させる動作が得られることになる。つまり、電源起動時における二次側直流電圧の急峻なレベル上昇を抑制する、いわゆるソフトスタート動作が得られるものである。
そして、上記のようにしてソフトスタート回路40が動作を開始して以降は、電流源41からの電流によってコンデンサ42への充電が行われて、コンデンサ42の両端電圧が徐々に上昇していくことなる。これに応じて、オペアンプ43の非反転入力の電位も上昇していくことになり、オペアンプ43に流入する電流、つまり、差動回路におけるトランジスタ23,25のベース電流も減少していき、時定数コンデンサ27への充電電流量も減少していくことになる。これにより、時定数コンデンサ27の両端電圧V1の上昇期間Tupも徐々に長くなっていき、スイッチング周波数も徐々に低下していくように制御される。スイッチング周波数が低下していくのに応じては、二次側直流出力電圧のレベルが徐々に定常レベルにまで引き上げられていくことになる。
そして、例えば、コンデンサ42の電位が所定以上となって、オペアンプ43に電流が流入しなくなると、スイッチング周波数の強制的な引き上げ制御は以降停止することになる。つまりソフトスタート動作が終了される。そして、ソフトスタート動作が終了した時点では、二次側直流出力電圧は、ほぼ定常に近いレベルにまで引き上げられており、以降においては、誤差増幅器12による通常の定電圧制御に移行することになる。
特開平8−66025号公報
図8に示した電源装置では、図9の定常動作時に対応する波形図により説明したように、スイッチング素子Q1(Q2)のターンオン時には、ボディダイオードD1(D2)を介して負極性方向のスイッチング電流Id1(Id2)である転流電流が流れる。そして、この転流電流が反転して正極性方向のスイッチング電流Id1(Id2)がスイッチング素子Q1(Q2)に流れることになる。そして、この後において、これまでオン状態にあったスイッチング素子Q1(Q2)がオフとなるようにされると、これまでオフ状態にあったスイッチング素子側のボディダイオードD2(D1)に電流の流れが移行する(転流する)ようになっている。
スイッチング動作に応じた電流の流れをこのようなものとしていることで、例えばスイッチング素子などについてストレスが生じないようにされている。
しかしながら、何らかの要因で一次側直列共振電流がアンバランスとなっているような状態では、スイッチング素子のボディダイオードに電流が流れている期間に、そのスイッチング素子をオフに駆動するようなドライブ信号が入力されるタイミングとなってしまうことがある。つまり、一方のサイドのスイッチング素子のボディダイオードに電流が流れている状態と、他方サイドのスイッチング素子がオンとなる状態とが重複する動作モードとなる場合がある。
このような動作モードは、定電圧制御のための応答が何らかの原因によって急激に変化して、スイッチング周波数も急激に変化したような場合に発生しやすい。また、図8に示した電源装置では、図10に示したように、ソフトスタート回路40を備えているが、電源起動時においてソフトスタート回路40が動作することで、スイッチング周波数を強制的に上昇させている状態のときにも発生しやすい。
このような動作モードとなった場合、ボディダイオードに流れる電流は停止することができない。そして、このボディダイオードには、ドライブ信号のデッドタイム期間後において、他方サイド側のスイッチング素子のボディダイオードに対してオン駆動のためのドライブ信号が入力されて、この他方サイド側のスイッチング素子がオンとなるまで、電流が流れることになる。
このような状態では、ボディダイオードには、逆方向電圧が印加されることになる。このため、ボディダイオードのカソードからアノードの方向に、直流入力電圧Vinから他方サイドのスイッチング素子(MOS−FET)を介して、内部の残留キャリアに起因した逆回復電流が流れる。このようにして流れる逆回復電流は、貫通電流ともいわれる。
図12は、このような貫通電流が流れる動作モード時の一次側直列共振電流(ILP+INP)、及びスイッチング素子Q1,Q2側の各スイッチング電流Id1,Id2を示している。
この図では、時点t1においてスイッチング素子Q2がターンオンしていることで、時点t1以降において、負極性のスイッチング電流Id2が流れている。つまり、ボディダイオードD2のアノード→カソードを介して一次側直列共振電流が流れている。そして、時点t1から或る時間を経過した時点t2において、ボディダイオードD2に一次側直列共振電流が流れている状態で、他方サイドのスイッチング素子Q1がオンとなっている。これにより、上記したようにして、スイッチング素子Q1に過大レベルの貫通電流が流れている。
貫通電流が流れる動作モードとなった場合において、ボディダイオードの逆回復電流のdi/dtが大きいと、スイッチング素子であるMOS−FETの内部構造上、寄生的に形成されるサイリスタがオン状態となって、上記図12の時点t2に示すようにして、貫通電流レベルは過大なものとなる。このようにして、貫通電流レベルが過大となった場合、許容以上の電流ストレスがかかることもあるので好ましくない。
そこで本発明は上記した課題を考慮してスイッチング電源装置として次のように構成する。
つまり、第1の転流用ダイオード素子を逆並列接続した第1のスイッチング素子と、第2の転流用ダイオード素子を逆並列接続した第2のスイッチング素子とを直列接続して形成されるスイッチング回路を少なくとも1組備えて形成され、直流入力電圧の両端間に対して接続されるスイッチング手段と、上記第1のスイッチング素子、及び上記第2のスイッチング素子をスイッチング駆動するための駆動信号についての源信号を生成して出力する発振器手段と、上記源信号を入力して上記駆動信号を生成する駆動回路手段と、一次巻線と二次巻線とを備え、上記一次巻線に得られる上記スイッチング回路のスイッチング出力により、二次巻線に交番電圧が励起されるトランスと、上記一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、自己のキャパシタンスとにより、共振形のスイッチング動作を得るための共振回路を形成する共振コンデンサと、上記二次巻線に励起された交番電圧を入力して整流平滑動作を行うことで二次側直流電圧を生成する二次側直流電圧生成手段と、上記スイッチング回路のスイッチング動作に応じて流れる電流と、上記駆動信号とを入力して、上記第1のスイッチング素子が上記駆動信号によりオンとされている状態で上記第1の転流用ダイオード素子に転流電流が流れていない期間と、上記第2のスイッチング素子が上記駆動信号によりオンとされている状態で上記第2の転流用ダイオード素子に転流電流が流れていない期間とにおいてHレベルとなる期間信号を出力する電流状態検出手段とを備え、上記発振器手段は、スイッチング周波数に応じて変化する期間により下限閾値から上限閾値まで増加し、固定とされる期間により上限閾値から下限閾値まで減少するレベル変化を繰り返す鋸歯状波を生成し、上記鋸歯状波が上記上限閾値のレベルのときにHレベルとなる上限閾値検出信号と、この鋸歯状波が上記下限閾値のレベルのときにHレベルとなる下限閾値検出信号とを生成し、ANDゲートにより、上記上限閾値検出信号と上記期間信号との論理積の信号を出力し、RSフリップフロップにより、上記論理積の信号をセット入力とし、上記下限閾値検出信号をリセット入力として、デットタイム期間においてHレベルとなる非反転信号と、その反転信号とを出力し、さらに、本電源装置が起動するときに応じて、上記鋸歯状波が増加する期間を短くさせるように動作するソフトスタート回路を備え、上記駆動回路手段は、上記RSフリップフロップの反転信号を上記源信号として入力して、デッドタイム期間以外の期間において上記第1のスイッチング素子、及び上記第2のスイッチング素子を交互にオン/オフさせる駆動信号を生成することとした。
上記構成によると、スイッチング電源装置としては、転流用ダイオード素子が逆並列接続される2つのスイッチング素子から成るスイッチング回路を、少なくとも1組備え、このスイッチング回路を直流入力電圧の両端間に接続して形成される。また、トランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と共振コンデンサとによりスイッチング回路のスイッチング動作を共振形とするための共振回路を形成している。つまり、少なくともハーフブリッジ結合方式を採る電流共振形のスイッチングコンバータとしての基本構成を有する。
そのうえで、転流用ダイオード素子にスイッチング電流が流れる状態にあることを検出したことに基づいて、スイッチング素子がターンオンする動作と、ターンオフする動作が生じないように制御される。
このような構成により、例えば第1のスイッチング素子側の転流用ダイオード素子に転流電流が流れている途中で、この第1のスイッチング素子がターンオフし、また、第2のスイッチング素子がターンオンするという状態には遷移することがないようにされる。
以上説明したように本発明は、第1及び第2のスイッチング素子と、これらのスイッチング素子に対して逆並列接続される第1及び第2の転流用ダイオード素子を備える、いわゆるハーフブリッジ結合方式によるスイッチング回路を少なくとも1組備え、さらに、トランスの一次巻線の漏洩インダクタンスと共振コンデンサとから成る、スイッチング回路のスイッチング動作を共振形とするための共振回路を備えた、共振形スイッチングコンバータとしての基本構成を採っている。そのうえで本発明では、スイッチングコンバータのスイッチング動作により生じる電流状態として、上記第1及び第2の転流用ダイオード素子に転流電流が流れているとされる期間を検出し、この転流電流が流れている期間においては、第1及び第2のスイッチング素子をターンオン又はターンオフさせないようにしている。
これにより、例えば、スイッチング周波数が急峻に変動したような状態になったとしても、転流用ダイオード素子に転流電流が流れている途中で、スイッチング素子がターンオン/ターンオフして貫通電流が流れてしまうことを回避することができる。つまり、スイッチング素子のスイッチング動作を適正に保って、回路を保護することが可能となり、電源装置としての信頼性が向上される。
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源装置の全体的な構成例を示している。
この図に示すスイッチング電源装置においては、一次側に2本のスイッチング素子Q1,Q2が備えられる。この場合には、スイッチング素子Q1,Q2にはMOS−FETが選定されている。
この場合には、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとを接続していることで、スイッチング素子Q1がハイサイドで、スイッチング素子Q2がローサイドとなる関係により、これらスイッチング素子を直列接続している。
また、スイッチング素子Q1のドレイン−ソースに対しては、ボディダイオードD1が並列に接続される。ボディダイオードD1のアノード、カソードは、それぞれ、スイッチング素子Q1のドレイン、ソースに対して接続される。ここで、スイッチング素子Q1のドレイン→ソースの順方向と、ボディダイオードD1のアノード→カソードの順方向は、相互に逆向きとなっている。つまり、ボディダイオードD1は、スイッチング素子Q1に対して逆並列接続されている。
どうようにして、スイッチング素子Q2に対しても、ボディダイオードD2が逆並列接続される。
このようにして、それぞれボディダイオードD1,D2が逆並列接続されたスイッチング素子Q1,Q2を直列接続して形成される回路が、ハーフブリッジ結合方式によるスイッチング回路となる。
また、このスイッチング回路において、スイッチング素子Q2に対しては、さらに、部分電圧共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分電圧共振コンデンサCpが接続されることで、スイッチング素子Q1,Q2の各ターンオフ時に対応し、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフ状態となる、いわゆるデッドタイム期間において、部分電圧共振コンデンサCpに対する充放電が行われる。つまり、部分電圧共振動作が得られる。
上記スイッチング回路は、直流入力電圧Vinに対して図示するようにして並列に接続される。なお、直流入力電圧Vinは、例えば実際には、ここでは図示していない、整流ダイオード及び平滑コンデンサから成る整流平滑回路が商用交流電源を入力して整流平滑動作を行うことで生成することができる。
スイッチング駆動/制御回路1は、スイッチング素子Q1,Q2を他励式によりスイッチング駆動するために設けられ、ここでは、発振器10、駆動回路11、誤差増幅器12、及びフォトカプラ14を備えて成るものとされている。
発振器10は、後述する構成により、所要の周波数による発振信号を発生させ、駆動回路11に出力する。駆動回路11は、入力された発振信号を利用して、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する。このため、ドライブ信号の周波数は、入力された発振信号に対応したものとなり、従って、ドライブ信号周波数が、スイッチング周波数に対応することにもなる。
また、ドライブ信号SG1,SG2は、互いに180°の位相差を有したうえで、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン又はターンオフする短時間のタイミングで、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイム期間を形成するような波形ともされている。
これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、発振回路11にて生成される発振信号周波数に応じたスイッチング周波数により、交互にオン/オフするタイミングでスイッチング動作を行うように駆動される。また、スイッチング動作として、スイッチング素子Q1,Q2のターンオン、ターンオフ時に対応してスイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイム期間が得られるようにも駆動される。前述した部分電圧共振動作である部分電圧共振コンデンサCpに対する充放電は、このデッドタイム期間に行われる。
なお、スイッチング駆動/制御回路1内の誤差増幅器12とフォトカプラ14については後述する。
トランスT1は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作により得られるスイッチング出力を、一次側から二次側に伝送するために設けられるもので、この場合には、コアに対して、一次巻線Npと、二次巻線Ns1,Ns2を巻装して形成される。
トランスT1の一次巻線Npの巻始め端部は、スイッチング素子Q1,Q2のソース,ドレインの接続点(スイッチング出力点)と接続され、巻終わり端部は、一次側直列共振コンデンサC1の直列接続を介して、直流入力電圧Vinの負極と接続される。また、この場合のトランスT1は、所定の結合係数による疎結合の状態が得られるようになっており、結合係数に応じた漏洩インダクタンスを生じる。
この図では、トランスT1の一次側に得られる漏洩インダクタンスLrと、励磁インダクタンスLpを等価的に示している。漏洩インダクタンスLrは、一次巻線Npとスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間に直列に接続されるものとして示される。また、励磁インダクタンスLpは、一次巻線Npと並列に接続されるものとして示される。
ここで、漏洩インダクタンスLrは一次側直列共振コンデンサC1と直列接続されていることになるが、この直列接続により一次側直列共振回路を形成する。そして、この一次側直列共振回路が、上記のようにしてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力点に対して接続されていることで、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作に応じたスイッチング出力電流が一次側直列共振回路に供給されることになる。これにより、スイッチング動作は電流共振形となる。即ち、電流共振形コンバータが形成されることになる。
なお、トランスT1については密結合で構成した上で、漏洩インダクタンスLrに相当するチョークコイルを挿入するようにして構成しても、上記と同様に電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成することができる。
また、図1に示す電源装置においては、上記一次側直列共振回路と、直流入力電圧Vinとの間に、電流/電圧変換回路(I/V変換回路)51が挿入される。このI/V変換回路51は、一次側直列共振回路に流れるとされる一次側直列共振電流(ILP+INP)を検出して電圧に変換して出力する。そして、このI/V変換回路51から出力される検出電圧は、電流状態検出回路52に対して入力される。
電流状態検出回路52は、例えば後述する構成を採ることで、スイッチング回路(Q1,D1,Q2,D2)に流れるとされるスイッチング電流(Id1,Id2)の電流方向として、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2のいずれかにおいて正方向(ドレイン→ソース)の方向に電流が流れている状態にあるか否かについて検出するように動作する。
また、この場合のトランスPITの二次側においては、同等巻数の2組の二次巻線Ns1,Ns2の中点をセンタータップとして二次側アースに接地すると共に、整流ダイオードD3,D4、及び平滑コンデンサCoを図示するようにして接続することで、二次側両波整流回路を形成している。
この二次側両波整流回路によっては、二次巻線Ns1,Ns2に励起された交番電圧を整流平滑化して、平滑コンデンサCoの両端電圧として、二次側直流電圧を生成する。この二次側直流電圧が、図示するようにして負荷に供給される。
上記二次側直流電圧は、分岐して、スイッチング駆動/制御回路1内の誤差増幅器12に対しても入力される。
誤差増幅器12では、上記二次側直流電圧のレベルと、所定レベルの基準電圧Vrefとを比較して、その誤差に応じてレベルが可変となる誤差増幅信号をフォトカプラ14を介して発振器10に出力する。フォトカプラ14は、一次側に在るとされる発振器10に対して、二次側から誤差増幅信号をフィードバックさせるのにあたって、一次側と二次側とを直流的に絶縁するために設けられる。また、抵抗R1は、誤差増幅信号に応じて、フォトカプラ14のフォトダイオードに流すべき電流を調整するために挿入される。
発振器10は、上記誤差増信号に応じて発振周波数を可変するが、これによりスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が変化することとなって、一次側から二次側に伝送されるエネルギー量も変化し、二次側直流電圧のレベルが可変制御されることになる。そして、この制御系では、誤差増幅器12にて比較される二次側直流電圧レベルと、基準電圧Vrefとに誤差が生じない状態に収束するように、スイッチング周波数を変化させることになる。
つまり、負荷電流が増加して二次側直流電圧のレベルが低下したときには、スイッチング周波数を低くするように制御する。これにより二次側へのエネルギー伝送量が増加して二次側直流電圧が上昇するようにして制御される。
逆に、負荷電流が減少して二次側直流電圧のレベルが上昇したときには、スイッチング周波数を高くするように制御して、これにより二次側へのエネルギー伝送量を減少させて、二次側直流電圧を低下させる。このようにして、スイッチング周波数の可変制御により二次側直流電圧の安定化が図られることとなる。
上記図1に示した電源装置の定常時における動作としては、先に示した図9の波形図に示されるものと同様となる。
つまり、スイッチング素子Q1,Q2の各ゲート−ソース間には、図9(a)(b)に示すゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)が生じており、これらの波形は、駆動回路11からスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加されるドライブ信号SG1,SG2の波形に対応する。つまり、ゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)の各々について、正極性のパルスが立ち上がっている期間が、スイッチング素子がオンとなるオン期間となり、0レベルの期間がスイッチング素子がオフとなるオフ期間となる。
これらゲートソース間電圧Vgs(Q1),Vgs(Q2)の波形から分かるように、スイッチング素子Q1,Q2は、交互にオン/オフするタイミングでスイッチングを行う。また、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン/ターンオフする際において、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイム期間(Td)といわれる短時間の期間を形成するようにしてスイッチング動作を行っていることも分かる。
また、このようにしてスイッチングを行うスイッチング素子Q1,Q2のうち、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧Vds(Q1)は、図9(c)に示すように、オンとなる期間においては0レベルで、オフとなる期間においては一定レベルでクランプされ、デッドタイムにおいてレベル遷移する波形となる。なお、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間電圧とは、180°の位相差を有する。
図9(d)は、スイッチング素子Q1及びボディダイオードD1から成るハイサイドのスイッチング回路部に流れるスイッチング電流Id1を示す。また、図9(e)は、スイッチング素子Q2及びボディダイオードD2から成るローアーサイドのスイッチング回路部に流れるスイッチング電流Id2を示す。
図9(d)に示されるように、スイッチング電流Id1は、先ず、スイッチング素子Q1のターンオン時において、一次側直列共振コンデンサCr→励磁インダクタンスLp→漏洩インダクタンスLrからボディダイオードD1を介して、負極性の方向で流れる。このボディダイオードD1の順方向(アノード→カソード)を流れる期間のスイッチング電流Id1は、MOS−FETのスイッチング素子のドレイン→ソース方向である正方向に対しては逆方向に流れる電流であり、波形的には負極性となる。そして、この負極性によりボディダイオードD1に流れるスイッチング電流は、スイッチング素子Q1がターンオンする直前まで、部分電圧共振コンデンサCpに充電するようにして流れていた電流が転移して流れたものとしてみることができる。つまり、スイッチング電流としては、転流電流である。
この転流電流としての期間が経過するとスイッチング電流Id1は反転して、スイッチング素子Q1(ドレイン→ソース)→漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→一次側直列共振コンデンサCrの経路で正極性により流れ、この後、スイッチング素子Q1がターンオフするタイミングで0レベルとなる。
このスイッチング素子Q1のターンオフ直後の期間(デッドタイム期間Td)においては、部分電圧共振コンデンサCpにおいて部分電圧共振動作が生じる期間が得られる。つまり、この期間において、漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→一次側直列共振コンデンサCr→部分電圧共振コンデンサCpの経路で部分電圧共振電流が流れて、部分電圧共振コンデンサCpに対する放電が行われる。
そして、上記スイッチング素子Q1のターンオフ直後のデッドタイム期間Tdが経過した後は、スイッチング素子Q2がターンオンすることになる。
このスイッチング素子Q2のターンオン時には、上記のようにして、部分電圧共振コンデンサCpからの放電電流が転流して、漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→一次側直列共振コンデンサCr→ボディダイオードD2の経路により電流が流れる。つまり、ボディダイオードD2に転流電流が流れる期間が生じる。これにより、スイッチング素子Q2のターンオン時のスイッチング電流Id2は、図9(e)に示すように負極性となる。スイッチング電流Id2は、この後に反転して、スイッチング素子Q2(ドレイン→ソース)→一次側直列共振コンデンサCr→励磁インダクタンスLp→漏洩インダクタンスLrの経路で流れ、続いて、スイッチング素子Q2がターンオフするタイミングで0レベルとなる。
そして、このスイッチング素子Q2のターンオフ時(デッドタイム期間Td)においても、部分電圧共振コンデンサCpにおいて部分電圧共振動作が生じる期間が得られることになるが、この期間においては、一次側直列共振コンデンサCr→励磁インダクタンスLp→漏洩インダクタンスLr→部分電圧共振コンデンサCpの経路で部分電圧共振電流が流れることで、部分電圧共振コンデンサCpに対する充電が行われることになる。
図9(f)には、励磁インダクタンスLpに流れる電流ILPと、一次巻線Npに流れる電流INPとを合成して得られる、一次側直列共振電流ILP+INPが示される。
この一次側直列共振電流ILP+INPは、図9(d)(e)に示すスイッチング電流Id1,Id2と、図9においては図示されていないが、上記のようにしてスイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時(デッドタイム期間Td)において部分電圧共振コンデンサCpに流れる充放電電流(部分電圧共振電流)とが合成されたものとなる。
図9(g)(h)は、二次側の動作を示す。つまり、スイッチング素子Q1がオンとなる期間に対応しては、二次巻線Ns1に励起される順方向の電圧により、整流ダイオードD3が導通して、図9(g)に示す整流電流ID3により、平滑コンデンサCoへの充電が行われる。また、スイッチング素子Q2がオンとなる期間に対応しては、二次巻線Ns2に励起される順方向の電圧により、整流ダイオードD4が導通して、図9(h)に示す整流電流ID4により、平滑コンデンサCoへの充電が行われる。このようにして両波整流動作が二次側で行われることで、平滑コンデンサCoの両端電圧として二次側直流電圧が生成されることになる。
図2は、上記図1に示した電源装置において、スイッチング駆動/制御回路1内の発振器10及び駆動回路11から成る回路部位と、I/V変換回路51及び電流状態検出回路52の具体的構成例を示している。なお、図2において、先に説明した図10と同一とされる部位、信号等には、同一符号を付している。
先ず、図2に示す発振器10には、抵抗22、トランジスタ23、抵抗24、トランジスタ25を下記のようにして形成される差動回路が設けられる。トランジスタ23,25にはPNPのバイポーラトランジスタが選定されている。
トランジスタ23のエミッタは、抵抗R22を介して直流電圧Vccと接続され、コレクタは、フォトカプラ14のフォトトランジスタ(コレクタ→エミッタ)と抵抗26の並列接続を介して一次側アースと接続される。また、トランジスタ23のエミッタは、発振器10内に備えられるとされる、ソフトスタート回路40の出力(ダイオード44のアノード)と接続される。
トランジスタ25のエミッタは、抵抗R22を介して直流電圧Vccと接続され、コレクタは、時定数コンデンサ27を介して一次側アースと接続される。また、トランジスタ25のコレクタと時定数コンデンサの接続点は、コンパレータ35の反転入力と接続される。
そして、トランジスタ23,25のベースは、共にフォトカプラ14のフォトトランジスタのエミッタと接続される。
また、発振器10においては、直流電圧Vccとアース間に対して、分圧抵抗31,32,33の直列回路が接続され、分圧抵抗31,32の接続点に対してコンパレータ34の反転入力が接続されている。コンパレータ34の非反転入力は、差動回路を形成するトランジスタ25のエミッタと時定数コンデンサ27の接続点に対して接続される。このトランジスタ25のエミッタと時定数コンデンサ27の接続点は、前述もしたように、コンパレータ35の反転入力と接続される。
さらに、トランジスタ25のエミッタと時定数コンデンサ27の接続点には、抵抗28の一端が接続され、その他端はNPNのトランジスタ29のコレクタと接続される。エミッタは、一次側アースに接続される。つまり、時定数コンデンサ27に対して、抵抗28−トランジスタ29の直列接続回路を並列に接続している。
また、コンパレータ34の出力は検出信号S1とされるが、この検出信号S1は、後述するようにして時定数コンデンサ27の両端電圧V1が上限閾値レベルであるときにHレベルとなる信号である。この検出信号S1は、ANDゲート59の一方の入力端子に入力される。ANDゲート59の他方の入力端子には、電流状態検出回路52から出力される検出信号S14が入力される。
ANDゲート59の出力であるAND出力信号S13は、RS(Reset-Set)フリップフロップ36のセット入力(S)に入力される。
また、コンパレータ35の出力は、RSフリップフロップ36のリセット入力(R)に入力される。
RSフリップフロップ36の反転出力(反転Q)から出力される反転出力信号S4は、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する源信号として、駆動回路11に入力される。
駆動回路11は、T(Toggle)フリップフロップ37、及び、ANDゲート38、39を備えて形成される。
上記のようにしてRSフリップフロップ36から出力された反転出力信号S4は、駆動回路11において、T(Toggle)フリップフロップ37の入力端子(T)に入力されると共に、分岐して、ANDゲート38及びANDゲート39の各一方の入力端子に入力される。Tフリップフロップ37の非反転出力(Q)はANDゲート38の他方の入力端子に入力され、反転出力(反転Q)は、ANDゲート39の他方の入力端子に入力される。
そして、ANDゲート38の出力がスイッチング素子Q1をスイッチング駆動するドライブ信号SG1となり、ANDゲート39の出力がスイッチング素子Q2をスイッチング駆動するドライブ信号SG2となる。
また、発振器10においては。電源起動時における二次側直流電圧レベルの急峻な上昇を抑制するソフトスタート動作を得るためのソフトスタート回路40が備えられる。
ソフトスタート回路40においては、増幅器としてのオペアンプ43が備えられ、オペアンプ43の非反転入力は、直流電圧Vccのラインと接続される。また、オペアンプ43の非反転入力は、所定の時定数を有するコンデンサ27を介して一次側アースと接続される。これにより、オペアンプ43の非反転入力からは、直流電圧Vccのラインが電流源としてみえることになる。
オペアンプ43の反転入力には、同じオペアンプ43の出力が帰還されている。また、オペアンプ43の出力は、ダイオード44のカソード→アノードを介して、フォトカプラ14のフォトトランジスタのエミッタと、差動回路を形成するトランジスタ23,25のベースとの接続点に対して接続される。なお、このソフトスタート回路の動作については後述する。
また、図2には、I/V変換回路51及び電流状態検出回路52の具体的構成例も示されている。
この場合のI/V変換回路51は、図示するようにして、直列共振コンデンサCrと一次側アース間に対して挿入した電流検出用抵抗RDを備えて構成される。この場合、電流検出用抵抗RDは、一次側直列共振回路(Cr−Lp//Np)の端部に接続されていることになるから、一次側直列共振電流(ILp+INp)の経路に挿入されていることになる。従って、電流検出用抵抗RDの両端電圧としては、一次側直列共振電流に応じたレベル変化が得られることになる。つまり、一次側直列共振電流を電流検出用抵抗RDの両端電圧に変換していることになる。
なお、I/V変換回路51としては、電流検出用抵抗としての抵抗素子を備える以外の構成を採っても構わない。
例えば、この場合において、一次側直列共振電流(ILp+INp)は交流であるから、図3に示すようにして、カレントトランスT2を備えた構成とすることも可能である。この場合には、直列共振コンデンサCrと一次側アース間に対してカレントトランスT2の一次巻線を直列に挿入する。これにより、カレントトランスT2の二次巻線には、一次巻線に流れる一次側直列共振電流(ILp+INp)に応じた交番電圧が励起されることになり、カレントトランスT2の二次側において、一次側直列共振電流(ILp+INp)が電圧として変換されたこととなる。そして、例えば、このカレントトランスT2の二次巻線と抵抗素子との並列接続回路の両端電圧を検出すれば、一次側直列共振電流(ILp+INp)のレベルを電圧として検出することができる。
電流状態検出回路52は、図示するようにして、コンパレータ53,54、ANDゲート56,57、及びORゲート58を備えて成る。
コンパレータ53の非反転入力は、直列共振コンデンサCrと電流検出用抵抗RDの接続点と接続され、反転入力は一次側アースと接続される。また、コンパレータ54の非反転入力は一次側アースと接続され、反転入力は直列共振コンデンサCrと電流検出用抵抗RDの接続点と接続される。
このようにして電流検出用抵抗RDとコンパレータ53、54が接続されることにより、コンパレータ53、54では相互に逆極性となる関係により、電流検出用抵抗RDの両端電圧を検出することになる。この場合、一次側直列共振電流ILp+INpが正極性(Cr→RDの方向)に流れるときには、コンパレータ53はHレベルを出力することになり、コンパレータ54はLレベル(0レベル)を出力することになる。また、一次側直列共振電流ILp+INpが負極性(RD→Crの方向)に流れるときには、コンパレータ54がHレベルを出力することになり、コンパレータ54がLレベル(0レベル)を出力する。
ANDゲート56は、コンパレータ53の出力と、スイッチング素子Q1をドライブするためのドライブ信号SG1を入力して、これらの入力の論理積をとる。ANDゲート56では、一次側直列共振電流ILp+INpが正極性方向に流れ、かつ、ドライブ信号SG1がHレベルとなってスイッチング素子Q1がオン状態とされている状態のときにHレベルを出力し、これ以外の状態ではLレベルを出力することになる。
また、ANDゲート57は、コンパレータ54の出力と、スイッチング素子Q2をドライブするためのドライブ信号SG2が入力され、これらの入力の論理積をとる。従って、ANDゲート57では、一次側直列共振電流ILp+INpが負極性方向に流れ、かつ、ドライブ信号SG2がHレベルとなってスイッチング素子Q2がオン状態とされている状態のときにHレベルを出力し、これ以外の状態ではLレベルを出力することになる。
上記ANDゲート56,57の出力は、ORゲート58に対して入力される。ORゲート58では、ANDゲート56,57の出力についての論理和をとって出力する。
ORゲート58の出力がANDゲート56,57の出力の論理和であるということは、ORゲート58では、先ず、一次側直列共振電流ILp+INpが正極性で、かつ、スイッチング素子Q1がオン状態となっているときと、一次側直列共振電流ILp+INPが負極性で、かつ、スイッチング素子Q2がオン状態となっているときとでHレベルとなる信号を出力するということになる。これは、即ち、スイッチング素子Q1,Q2のそれぞれにおいて、ドレイン→ソースの順方向により電流が流れている期間に対応してのみHレベルとなるものである。
逆に言えば、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるべきデッドタイム期間Tdとされて、一次側直列共振電流ILp+INpとして、部分電圧共振コンデンサCpに部分電圧共振電流が流れる状態のときにはLレベルとなる。また、スイッチング素子Q1,Q2の各ターンオン時で、ボディダイオードD1,D2に、転流電流(スイッチング電流Id1,Id2として負極性に流れる電流)が、一次側直列共振電流ILp+INpとして流れる状態のときにもLレベルとなる。そして、このORゲート58の出力が、電流状態検出回路52における検出出力として、発振器10のANDゲート59に入力される。
上記図2に示した回路部位の基本動作として定常時の動作について説明する。
電流状態検出回路52からの出力は、上記もしているように、スイッチング素子Q1,Q2において順方向(ドレイン→ソース方向)によりスイッチング電流が流れているときにHレベルとなる
また、発振器10内のANDゲート59においては、コンパレータ34から出力される検出信号S1と、電流状態検出回路52の検出出力である検出信号S14との論理積を、RSフリップフロップ36のセット入力(S)に出力することとしている。後述するようにして、コンパレータ34から出力される検出信号S1は、時定数コンデンサ27の両端電圧V1の上限閾値レベルに対応してHレベルとなり、その立ち上がりタイミングは、スイッチング素子Q1,Q2に正極性(順)方向(ドレイン→ソース)に電流が流れている状態から、デッドタイム期間Tdに移行するタイミングに対応する。
従って、定常動作時においては、スイッチング素子Q1,Q2に正極性(順)方向(ドレイン→ソース)に電流が流れている状態からデッドタイム期間Tdに移行する過程において、検出信号S1がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングに対応しては、検出信号S14がHレベルからLレベルに立ち下がるタイミングとがほぼ同時となって、検出信号S1と検出信号S14がHレベルとなる期間が得られる。
このため、定常動作時としては、検出信号S1がLレベルからHレベルに立ち上がれば、ほぼ確実にANDゲートからも、Hレベルが出力されてRSフリップフロップ36のセット入力(S)に入力されるといえる。
このことから、定常動作時の動作を考えるのにあたっては、発振器10の構成としては、ANDゲート59を省略して、コンパレータ34の検出信号S1を、そのままRSフリップフロップ36のセット入力(S)に入力させたものとしてみてよいことになる。これは、発振器10については、先に説明した図10と同一の構成であると捉えてよいということである。
そこで、図2に示した回路の基本的な動作については、説明を分かりやすいものとするために、先に述べた図11の波形図を参照することとする。この場合において、図11の波形図は、図2に示す回路部位における定常(正常)時の動作を示すものとなる。
先ず、発振器10において、トランジスタ23,25を備えて成る差動回路によっては、トランジスタ25のコレクタと一次側アース間に接続された時定数コンデンサ27を充電する動作が得られる。
例えばここで、差動回路による時定数コンデンサ27に対する充電が開始されたとすると、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、時定数コンデンサ27の時定数と、充電電流レベルに応じた増加率(傾き)でもって、波形的には直線的(比例的)に上昇していくことになる。
また、時定数コンデンサ27に対しては、前述もしたように、抵抗28とトランジスタ29とを直列接続した直列回路が並列に接続されている。トランジスタ29のベースには、図11(d)示されるRSフリップフロップ36から出力される非反転出力信号S3が入力される。トランジスタ29は、非反転出力信号S3がHレベルのときにオンで、Lレベルのときにオフとなる。
そして、トランジスタ29がオフとされるときには、抵抗28とトランジスタ29から成る直列回路はオープンとなるので、差動回路により時定数コンデンサ27に対する充電を行う充電モードとなる。これに対して、トランジスタ29がオンとなったときには、時定数コンデンサ27に対して抵抗28が並列接続されたものとみることができるが、これにより、時定数コンデンサ27に蓄積された充電電荷は、抵抗28からトランジスタを介して放電されることになる。つまり、トランジスタ29がオンとなったときには、時定数コンデンサ27が放電する放電モードとなる。このようにして、トランジスタ29がオン/オフコントロールされることで、時定数コンデンサ27に対する充電モードと放電モードとの間での切換が行われる。
この時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、コンパレータ34の非反転入力に入力される。コンパレータ34の反転入力には、分圧抵抗31,32−33により直流電圧Vccを分圧して得られる基準電圧が入力される。これにより、コンパレータ34は、図11(b)に示すようにして、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が、所定の上限閾値に相当するレベルのときに、検出信号S1としてHレベルを出力することになる。検出信号S1は、(ANDゲート59を介して)RS(Reset-Set)フリップフロップ36のセット(S)入力となる。
また、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、コンパレータ35の反転入力に対しても入力される。コンパレータ35の非反転入力には、分圧抵抗31−32、33により直流電圧Vccを分圧して得られる基準電圧が入力される。これにより、コンパレータ35は、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が、ほぼ下限閾値レベルとなるときに、図11(c)に示すようにして、検出信号S2を出力する。検出信号S2は、RSフリップフロップ36のリセット(R)入力となる。
RSフリップフロップ36では、検出信号S1(S13)がHレベルに立ち上がることでセットされ、検出信号S2がHレベルに立ち上がることでリセットされることになる。
従って、RSフリップフロップ36の非反転出力(Q)から出力される非反転出力信号S3は、図11(d)に示す波形が得られることになる。つまり、図11(a)に示す時定数コンデンサ27の両端電圧V1が上限閾値レベルとなって検出信号S1が立ち上がるタイミングでHレベルとなり、両端電圧V1が下限閾値レベルとなって、検出信号S2が立ち上がるタイミングでLレベルに立ち下がる波形が得られることになる。つまり、両端電圧V1が上限閾値レベルから下限閾値レベルに下降する下降期間Tdnに対応してHレベルとなる。
トランジスタ29は、先に述べたように、ベースに入力される非反転出力信号S3がHレベルの期間に対応してオンとなることで、抵抗28を介して、時定数コンデンサ27の充電電荷を放電させる放電モードに移行する。これにより、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、上限レベルから下降していくことになる。つまり、下降期間Tdnが開始される。そして、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が下限閾値レベルにまで至ることで非反転出力信号S3がHレベルからLレベルに変化すると、トランジスタ29はオフとなる。これにより、前述した差動回路による時定数コンデンサ27に対する充電動作が有効となって、充電モードに移行する。
このような動作により、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、図11(a)に示すようにして、鋸歯状波となるものである。
また、RSフリップフロップ36の反転出力信号S4は、図11(e)に示すようにして、上記した非反転出力信号S3が反転された波形となる。つまり、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が下限閾値レベルに至って検出信号S2が立ち上がるタイミングでHレベルとなり、両端電圧V1が上限閾値レベルとなって、検出信号S1が立ち上がるタイミングでLレベルに立ち下がる波形である。これは、両端電圧V1についての上昇期間Tupに対応してはHレベルで、下降期間Tdnに対応してはLレベルとなる波形であるということにもなる。
この反転出力信号S4は、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するためのドライブ信号SG1,SG2を生成する源信号として、駆動回路11に入力される。
駆動回路11に入力された反転出力信号S4は、T(Toggle)フリップフロップ37の入力端子(T)に入力されると共に、分岐して、ANDゲート38及びANDゲート39に各一方の入力端子に入力される。T(Toggle)フリップフロップ37の非反転出力はANDゲート38の他方の入力端子に入力され、反転出力は、ANDゲート39の他方の入力端子に入力される。
このような駆動回路11の回路構成では、ANDゲート38及びANDゲート39の出力であるドライブ信号SG1,SG2は、それぞれ、例えば図11(f)(g)に示すものとなる。ドライブ信号SG1は、[上昇期間Tup(Hレベル)−下降期間Tdn(Lレベル)−上昇期間Tup(Lレベル)−下降期間Tdn(Lレベル)]から成る周期の繰り返しによる波形となる。ドライブ信号SG2は、このドライブ信号SG1に対して、180°の位相差を有した波形となる。
このようにして生成されるドライブ信号SG1,SG2がスイッチング素子Q1,Q2に印加されることになる。スイッチング素子Q1,Q2は、それぞれ、ドライブ信号SG1,SG2がHレベルとなる期間においてオンとなるように駆動される。また、Lレベルとなる期間が、スイッチング素子Q1,Q2がオフとなる期間となる。
そこで、図11(f)(g)に示すドライブ信号SG1,SG2をみると、定常動作時においては、スイッチング素子Q1,Q2は、交互にオン/オフするタイミングでスイッチングを行っていることがわかる。また、スイッチング素子Q1,Q2の各オン期間は、時定数コンデンサ27の両端電圧V1上昇期間Tupに相当する時間であることが分かる。また、スイッチング素子Q1,Q2のターンオン/ターンオフ時に対応して、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデッドタイム期間が形成されており、このデッドタイム期間は、下降期間Tdnに相当する時間であることが分かる。
また、発振器10内の差動回路を形成するトランジスタ23,25のベースと一次側アースの間には、フォトカプラ14のフォトトランジスタのコレクタ−エミッタが挿入されている。また、フォトトランジスタのコレクタ−エミッタに対しては、抵抗26が並列に接続される。
ここで、フォトカプラ14のフォトトランジスタのコレクタには、誤差増幅器12からの出力に応じて可変されたレベルの電流が流れることになる。このフォトトランジスタのコレクタ電流が可変することによっては、差動回路を形成するトランジスタ23,25のベース電流量を変化さえることになるから、差動回路により流すべき時定数コンデンサ27への充電電流量が可変されることになる。
上記のようにして、時定数コンデンサ27への充電電流量が変化すれば、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が下限閾値レベルから上限閾値レベルに上昇するまでの上昇期間Tupとしての時間長が変化することになる。なお、これに対して、両端電圧V1が上限閾値レベルから下限閾値レベルまでに下降する下降期間Tdnは、時定数コンデンサ27と抵抗28の時定数によって決まるために固定となる。
このことから、時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、下降期間Tdnについては固定とされたうえで、上昇期間Tupが変化するということになる。ここで、両端電圧V1の上昇期間Tupは、ドライブ信号SG1,SG2がHレベルとなる期間、つまり、スイッチング素子Q1,Q2のオン期間に対応するから、二次側直流電圧のレベルに応じては、デッドタイムは固定とされたうえで、スイッチング素子Q1,Q2のオン期間が可変されることになる。オン期間が変化すれば、1スイッチング周期の長さも変化することになる。つまり、スイッチング周波数が可変制御されていることになる。そして、このようなスイッチング周波数の可変制御は、二次側直流電圧レベルに応じて可変となるフォトカプラ14のフォトトランジスタのコレクタ電流に応じたものとなる。つまり、二次側直流電圧レベルに応じてスイッチング周波数の可変制御するように構成されているものであり、これにより、先にも説明したようにして、二次側直流電圧が安定化される。
上記のようにしてスイッチング周波数制御により二次側直流電圧を安定化する構成である場合、例えば電源起動直後において二次側直流出力電圧が規定レベルに上昇するとされる過渡期においては、適正な二次側直流出力レベルが得られていない状態にある。この場合、そのままではスイッチング周波数がほぼ最低周波数で維持されることになるので、二次側直流出力電圧が急峻に上昇してしまい、回路に負担を与える。
発振器10内に備えられるソフトスタート回路40は、いわゆるソフトスタート動作として、上記のようにして電源起動直後において、二次側直流出力電圧の急峻な上昇を抑制するように動作する。
ここで、図1に示す電源装置が起動されたとする。電源装置が起動されてスイッチングコンバータが動作を開始したときにおいては、二次側直流電圧は規定レベルに上昇する過渡期にあるので、誤差増幅器12による二次側直流電圧の正常なレベル検出動作は得られず、このために、例えばフォトカプラ14のフォトトランジスタも導通していない状態にある。
また、電源装置の起動後においては、直流電圧Vccが生じるのに伴い、この直流電圧Vccのラインに電流源41が発生する。この電流源41の電流によりコンデンサ42への充電が開始されることになるが、起動直後においては、コンデンサ42における充電電荷はほぼ0であり、非反転入力はほぼアース電位となっているから、オペアンプ43からは負極性の出力が生じることになる。このオペアンプ43の出力に応じてダイオード44を介してオペアンプ43に負極性の電流が流れることとなって、これにより、差動回路のトランジスタ23,25のベースを強制的に流すことになる。このようにしてベース電流が流れることで、差動回路による時定数コンデンサ27への充電も強制的に行われることになるが、このときのベース電流レベルに応じた充電電流量は、ほぼ最短の上昇期間Tupが得られる程度に増加されたものとなっている。従って、このときに生成される時定数コンデンサ27の両端電圧V1の鋸歯状波の周期もほぼ最短であることになる。このことから、電源起動直後においては、スイッチング周波数をほぼ上限にまで強制的に上昇させる動作が得られることになる。
前述したように、図1に示す電源装置としては、スイッチング周波数が高くなるのに応じて二次側直流出力電圧を低下させる傾向で制御することになる。従って、上記したように、起動時においてスイッチング周波数を強制的に高くすることによっては、二次側直流出力電圧レベルを強制的に低下させる動作が得られることになる。つまり、電源起動時における二次側直流電圧の急峻なレベル上昇を抑制する、いわゆるソフトスタート動作が得られるものである。
上記のようにしてソフトスタート回路40が動作を開始して以降は、電流源41からの電流によってコンデンサ42への充電が行われて、コンデンサ42の両端電圧が徐々に上昇していくことなる。これに応じて、オペアンプ43の非反転入力の電位も上昇していくことになり、オペアンプ43に流入する電流が減少する。これに伴って、差動回路におけるトランジスタ23,25のベース電流も減少していき、時定数コンデンサ27への充電電流量も減少していくことになる。これにより、時定数コンデンサ27の両端電圧V1の上昇期間Tupも徐々に長くなっていき、スイッチング周波数も徐々に低下していくように制御される。スイッチング周波数が低下していくのに応じては、二次側直流出力電圧のレベルが徐々に定常レベルにまで引き上げられていくことになる。
そして、例えば、コンデンサ42の電位が所定以上となって、オペアンプ43に電流が流入しなくなると、スイッチング周波数の強制的な制御は以降停止することになる。つまりソフトスタート動作が終了する。ソフトスタート動作が終了した時点では、二次側直流出力電圧は、ほぼ定常に近いレベルにまで引き上げられている。そして、以降においては、誤差増幅器12による通常の定電圧制御に移行することになる。
続いては、上記した発振器10及び駆動回路11から成る回路部の基本動作を踏まえ、I/V変換回路51及び電流状態検出回路52による保護動作について、図4の波形図を参照して説明する。
図4においては、この図に示されるスイッチング周期の2周期目においてスイッチング周波数を急峻に上昇させようとスイッチング周波数制御系が動作し、これにより、スイッチング動作が不安定となった場合の動作例を示している。先に説明しているように、このような状態は、何らかの要因によって、定電圧制御のための応答が急激に変化したことで、スイッチング周波数が急激に変化したような場合に生じる場合がある。また、図2に示したソフトスタート回路40が電源起動時において動作することで、前述のようにして、スイッチング周波数が強制的に上昇されている状態のときにも生じやすい。
図4において、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作としては、図4(b)(c)に示されている。
つまり、スイッチング素子Q1,Q2は、それぞれ、図4(b)(c)のスイッチング電流Id1,Id2の波形に示されるようにして、オン/オフを行っている。ここで、スイッチング素子Q1がオン状態にある場合のスイッチング電流Id1の波形としては、先ず、負極性により電流が流れ、この後反転して正極性となっている。負極性による電流は、ボディダイオードD1のアノード→カソードを介して流れる転流電流であり、正極性による電流が、スイッチング素子Q1のドレイン→ソースを介して正方向に流れるとされる電流である。同様にしてスイッチング素子Q2がオン状態にある場合のスイッチング電流Id2としても、負極性の区間がボディダイオードD2のアノード→カソードを介して流れる転流電流であり、正極性の区間が、スイッチング素子Q2のドレイン→ソースを介して正方向に流れるとされる電流となる。
図4(a)に示す一次側直列共振電流ILp+INpは、上記図4(b)(c)に示されるスイッチング電流Id1,Id2と、スイッチング素子Q1,Q2の各ターンオフ時(デッドタイム期間Td)に対応して得られる部分電圧共振動作により、部分電圧共振コンデンサCpに流れる充放電電流とが合成されて得られるものとなる。
先に説明したように、電流状態検出回路52において、コンパレータ53から出力される検出信号S11は、図4(d)に示すように、一次側直列共振電流ILp+INpが正極性に流れているときに対応してHレベルとなる。また、コンパレータ54から出力される検出信号S12は、図4(e)に示すように、一次側直列共振電流ILp+INpが負極性に流れているときに対応してHレベルとなる。つまり、コンパレータ53,54の出力によって、一次側直列共振電流ILp+INpの極性(電流方向)を検出していることになる。
また、上記図4(a)(b)(c)に示すようにして、スイッチング素子Q1,Q2がスイッチングを行っているときに、発振器10の時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、図4(f)に示すようにして鋸歯状波となっている。そして、コンパレータ34から出力される検出信号S1は、両端電圧V1が上限閾値レベル以上となったときに対応して、図4(g)に示すようにしてHレベルとなる変化を示す。なお、ここでの図示は省略しているが、コンパレータ35からは、両端電圧V1が上限閾値レベル以下となったときに対応して、Hレベルの検出信号S2を出力している。
ここで、図4におけるスイッチング周期の1周期目内の時点t1においては、検出信号S1がHレベルに立ち上がっているが、このときには、図4(a)の一次側直列共振電流ILp+INpが正極性で流れていることから、コンパレータ53の検出信号S11は図4(d)に示すようにHレベルとなっている。また、スイッチング素子Q1のためのドライブ信号SG1もHレベルとなっているから、電流状態検出回路52のORゲート58から出力される検出信号S14もHレベルとされていることになる。従って、このときには、発振器10におけるANDゲート59の入力は共にHレベルとなって、ANDゲート59の出力であるAND出力信号S13は、図4(j)に示すようにしてHレベルとなる。つまり、図4(g)の検出信号S1とほぼ同様のタイミングでHレベルとなるものであり、この信号が、駆動回路11におけるRSフリップフロップ36のセット入力(S)に入力される。
これにより、時点t1にてHレベルに立ち上がった検出信号S1が立ち下がる時点t2に対応するタイミングで、スイッチング素子Q1のドライブ信号SG1はLレベルとなってスイッチング素子Q1をオフさせることになる。そして、期間t2〜t3に対応するデッドタイム期間を経て、ドライブ信号SG2がHレベルに立ち上がることで、スイッチング素子Q2をターンオンさせることになる。
上記した一周期目のタイミングでは、スイッチング素子Q1,Q2が適正にスイッチングを行っているのであるが、ここでは、2周期目に移行したときに、スイッチング周波数を急峻に上昇させるような動作が生じており、これにより、スイッチング動作が不安定な状態となっている。
スイッチング周波数を急峻に上昇させる動作は、図4(f)に示す時定数コンデンサ27の両端電圧V1として、これまでよりも大きな傾きで急峻に上昇する波形となっていることで示されている。このとき、発振回路10では、差動回路による時定数コンデンサ27への充電電流量を短時間のうちに大幅に増加させていることになる。このような状態では、実際のスイッチング素子Q1,Q2のオン/オフタイミングに対して、ドライブ信号SG1,SG2が不適正なタイミングとなる場合がある。このタイミングが、図4においては、時点t4となる。
時点t4における時定数コンデンサ27の両端電圧V1は、図4(f)から分かるように、上限閾値レベルに達しており、図4(g)に示す検出信号S1はHレベルに立ち上がることになる。
例えば先に図10に示した従来の構成では、検出信号S1がHレベルに立ち上がるのに応じて、ドライブ信号SG1がLレベルに立ち下がるようにされるので、スイッチング素子Q1はオフし、デッドタイム期間を経過して、ドライブ信号SG1がHレベルに立ち上がってスイッチング素子Q2をオンさせることになる。
仮に、図4の時点t4にて、上記のような従来の動作が行われたとする。時点t4においては、図4(b)に示すようにして、スイッチング素子Q1側のボディダイオードD1のアノード→カソードを介して転流電流が流れている状態にあるから、このときに、上記のようにしてスイッチング素子Q1がオフしてスイッチング素子Q2がオンしたとすると、スイッチング素子Q2がオンとなったときに、直流入力電圧Vinから、ボディダイオードD1のカソード→アノードの方向により逆回復電流が流れ、さらに、この逆方向電流がMOS−FETのスイッチング素子Q2を流れることになる。このような電流を貫通電流という。前述もしたように、ボディダイオードの逆回復電流のdi/dtが大きい場合には、上記貫通電流が過大となってMOS−FETであるスイッチング素子に許容以上の電流ストレスがかかる。
これに対して、本実施の形態としての図2に示す回路では、ANDゲート59により、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が上限閾値レベルに至ったことを示す検出信号S1と、電流状態検出回路52からの出力である検出信号S14とをANDゲート59に入力して論理積をとることとしており、このANDゲート59の出力をRSフリップフロップ36のセット入力(S)に入力することとしている。これにより、図4の時点t4以降においては次のような動作となる。
時点t4においては、図4(b)に示すように、スイッチング素子Q1側のボディダイオードD1にスイッチング電流Id1が流れているから、一次側直列共振電流ILp+INpは図4(a)に示すようにして負極性となっている。従って、コンパレータ53の出力である検出信号S11はLレベルであり、これに応じて、ANDゲート56の出力も、ドライブ信号SG1がHレベルであるのにかかわらず、Lレベルとなる。
また、時点t4では、ドライブ信号SG2はLレベルであるから、コンパレータ54の出力である検出信号S12がHレベルであるとしても、ANDゲート57の出力もLレベルとなる。このようにして、時点t4ではORゲート58には共にLレベルが入力されるので、Lレベルの検出信号S14を出力する。ここで、Lレベルの検出信号S14が出力されているということは、前述もしたように、一次側直列共振電流ILp+INpの状態として、スイッチング素子のボディダイオードにおいて転流電流が流れていることを示すものである。そして、この時点t4においてLレベルの検出信号S14が得られているということは、スイッチング素子Q1のボディダイオードD1において転流電流が流れている状態に対応していることになる。
これにより、時点t4においては、コンパレータ34の出力である検出信号S1がHレベルであるとしても、ANDゲート59からのANDゲート出力信号S13は時点t4以前からのLレベルを維持することになる。これにより、RSフリップフロップ36は、時点t4以前の信号出力状態を維持する。つまり、時点t4においては、検出信号S1がHレベルに立ち上がったのに応答して、ドライブ信号SG1がHレベルからLレベルに遷移しないようにされる。つまり、時点t4以前からのスイッチング素子Q1のオン状態を維持することになる。また、ドライブ信号SG2についても、LレベルからHレベルに立ち上がることはないようにされ、時点t4以前からのスイッチング素子Q2のオフ状態を維持する。
つまり、本実施の形態では、電流状態検出回路52により、少なくとも、スイッチング動作により生じる電流の状態として、ボディダイオードD1、D2に転流電流が流れているとされる状態を検出するようにされている。そして、この状態が続く期間においては、時定数コンデンサ27の両端電圧V1が上限閾値に至って検出信号S1がHレベルに立ち上がったとしても、この信号変化をキャンセルしている。
図11にて示しているように、検出信号S1は、Hレベルに立ち上がることで、これまでHレベルであったドライブ信号をLレベルとすることで、これまでオン状態にあったスイッチング素子をオフに変化させ、さらにデッドタイム期間を経過したら、これまでLレベルであったドライブ信号をHレベルにして、これまでオフ状態にあったスイッチング素子をオン状態にすることの開始タイミングを決める機能を有している。従って、この検出信号S1がHレベルに立ち上がることの信号変化がキャンセルされるということは、これより以前のスイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ状態を切り換えることなく、そのまま維持させることを意味する。
このようにして、図4の時点t4以降においては、この時点t4以前からの、スイッチング素子Q1がオンで、スイッチング素子Q2がオフとなっている状態が維持される。これにより、従来の場合のように、スイッチング素子Q1のボディダイオードD1に転流電流が流れているときに、スイッチング素子Q2がオン状態に遷移してしまい、上述した貫通電流が流れるような状態となることは無いようにされる。また、この図4では示されていないが、同様の動作により、スイッチング素子Q2のボディダイオードD2に転流電流が流れているときについても、スイッチング素子Q1がオンに遷移して貫通電流が流れる状態となることは無いようにされる。
この時点t4の後においては、スイッチング電流Idは、図4(b)に示すようにして、ボディダイオードD1に転流電流として流れる期間を経過して、時点t5に至ると、スイッチング素子Q1のドレイン−ソースに流れるようにされ、負極性から正極性に反転する。
そして、上記のようにして、時点t5において、スイッチング電流Id1が正極性に反転するのに応じて、一次側直列共振電流ILp+INpは、図4(a)に示すように正極性に反転する。これに応じて、電流状態検出回路52のコンパレータ53の出力である検出信号S11は、Hレベルに立ち上がることになるが、このとき、図4(h)に示すようにして、ドライブ信号SG1もHレベルとなっているので、ANDゲート56からはHレベルが出力され、ORゲート58の出力である検出信号S14もHレベルとなる。
時点t4以降においては、検出信号S1のHレベル変化がキャンセルされてRSフリップフロップ36が状態遷移しなかったことで、検出信号S2もHレベルに立ち上がらなかったために、時定数コンデンサ27への放電動作が開始されずに、充電されたままとなっている。このため、時点t5においては、図11(f)の時定数コンデンサ27の両端電圧V1は上限閾値を越えて上昇しており、従って、検出信号S1としてはHレベルの出力が継続されている。
このため、時点t5において、ORゲート58の出力である検出信号S14もHレベルとなったことで、図4(j)に示すようにして、ANDゲート59の出力であるAND出力信号S13がLレベルからHレベルに立ち上がることになる。
AND出力信号S13がHレベルに立ち上がることは、RSフリップフロップ36のセット入力(S)がHレベルに変化したことであり、これにより、AND出力信号S13がHレベルとなる期間t5〜t6が経過したタイミングで、スイッチング素子Q1側のドライブ信号SG1がLレベルに変化するようにされる。従って、時点t6以降は、スイッチング素子Q1がオフとなるようにされ、この時点t6からデッドタイム期間を経過するとドライブ信号SG2がHレベルに立ち上がって、スイッチング素子Q2をターンオンさせることになる。このときには、スイッチング素子Q1側のボディダイオードD1に転流電流が流れる期間が終了していることから、スイッチング素子Q2がターンオンしても、貫通電流が流れるモードにはならない。
上記図4による説明から理解されるように、第1の実施の形態における、I/V変換回路51及び電流状態検出回路52によっては、スイッチングコンバータのスイッチング動作に応じて流れる電流の状態として、スイッチング素子Q1,Q2の各々において、スイッチング電流が正方向(ドレイン→ソース)に流れているとされる期間であるか否かを検出しており、検出結果を検出信号S14として出力するようにされている。
ここで、スイッチング電流が正方向に流れている期間以外は、スイッチング素子Q1,Q2に寄生するボディダイオードD1,D2において、転流電流が流れている期間を有しているものであり、換言すれば、I/V変換回路51及び電流状態検出回路52は、ボディダイオードD1又はボディダイオードD2において転流電流が流れている期間を検出していることになる。
そして、発振器10及び駆動回路11から成るスイッチング素子の駆動回路系では、検出信号S14が示す検出結果として、ボディダイオード(D1,D2)において転流電流が流れている期間を検出してLレベルを出力しているときには、ドライブ信号SG1,SG2のH/Lのレベル状態について変化を与えずに、そのときの状態を維持させることとしている。
このことから、ボディダイオード(D1,D2)において転流電流が流れているとされる期間においては、図4により例説したようにして、スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ状態が切り換わらないようにされる。つまり、ボディダイオード(D1,D2)において転流電流が流れているとされる期間においてスイッチング素子(Q2,Q1)がオン状態に移行することがないようにされる。
これにより、スイッチング周波数が急峻に上昇/下降するように制御されたときや、また、ソフトスタート回路40が動作したときなどにおいて、スイッチング動作(スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ動作)が正常に保たれる。このようにして、貫通電流が流れることが避けられ、スイッチング素子Q1,Q2などをはじめスイッチングコンバータを形成する素子にかかる電流ストレスの問題も解消されることになって、回路の保護が図られることになる。
図5は、本発明の第2の実施の形態としてのスイッチング電源装置の構成例を示している。なお、図5において、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
この図に示す電源装置においては、一次側の電流共振形コンバータの構成として、2本の直列共振コンデンサCr1,Cr2を備える。直列共振コンデンサCr1は、トランスT1の一次巻線Npの巻終わり端部と、一次側アースとの間に挿入されることで、一次巻線Npと直列接続されることになる。直列共振コンデンサCr2は、トランスT1の一次巻線Npの巻終わり端部と、直流入力電圧Vinの正極端子との間に直列に挿入される。
また、この場合には、スイッチング動作に応じて流れる電流を電圧として検出するI/V変換回路51は、直流入力電圧Vinの負極端子と一次側アースとの間に挿入している。なお、この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様のI/V変換回路51の挿入形態としてもよい。つまり、I/V変換回路51を、直列共振コンデンサCr1と一次側アースとの間に直列に挿入するものである。
また、上記図5に示した電源装置における、発振器10、駆動回路11、及び電流変換回路51、電流状態検出回路52から成る回路部位の構成例を図6に示す。
なお、この図において、発振器10及び駆動回路11の内部構成は、図2と同様であり、同一符号を付している。従って、これら発振器10及び駆動回路11の動作としては、図4による説明と同様となる。
図6に示されるI/V変換回路51は、電流検出用抵抗RDにより構成されるものとしている。つまり、電流検出用抵抗RDを、一次側アースと直流入力電圧Vinの負極端子間に挿入することで構成している。なお、この場合にも、電流検出用抵抗RDに代えて、カレントトランスT2を採用することができる。
そして、この場合の電流状態検出回路52は、1つのコンパレータ53を備えて構成される。コンパレータ53の非反転入力端子は一次側アース側と接続されることで、アース電位としての電圧が入力される。反転入力端子は、直流入力電圧Vinの負極端子と接続されることで、電流検出用抵抗RDの両端電圧が入力される。コンパレータ53の出力は検出信号S14とされて、発振器10内のANDゲート59に入力される。
図7の波形図は、スイッチング素子Q1,Q2を備えるスイッチング回路のスイッチング動作と、これに応じたI/V変換回路51及び電流状態検出回路52から成る、スイッチング電流状態の検出動作を示している。なお、この図に示す動作は定常時に対応した動作を示している。
スイッチング素子Q1がターンオンすると、それまで、直列共振コンデンサCr1→励磁インダクタンスLp→漏洩インダクタンスLr→部分電圧共振コンデンサCpの経路で流れていた電流が、部分電圧共振コンデンサCpからボディダイオードD1(アノード→カソード)に転流するようにして流れる。つまり、ボディダイオードD1に転流電流が流れ、図7(a)に示すスイッチング電流Id1としては、負極性となる。
この後、スイッチング電流Id1は反転して正極性方向により流れる。このときには、スイッチング素子Q1(ドレイン→ソース)→漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→直列共振コンデンサCr1→(I/V変換回路51)→直流入力電圧Vinの経路で流れる。また、このときには、スイッチング電流Id1は、スイッチング素子Q1(ドレイン→ソース)→漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→直列共振コンデンサCr2の経路によっても同時に流れる。
そして、スイッチング素子Q1がターンオフするタイミングになると、上記のようにして正極性方向により流れていたスイッチング電流Id1は0レベルとなり、この後、部分電圧共振コンデンサCpに放電電流が流れるデッドタイム期間を経過してスイッチング素子Q2がターンオンすることになる。このターンオン時には、漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→直列共振コンデンサCr1→部分電圧共振コンデンサCpの経路で流れていた電流が、部分電圧共振コンデンサCpからボディダイオードD2に転流する。これにより、スイッチング素子Q2のターンオフ時に対応して、ボディダイオードD2に転流電流が流れる期間が形成され、図7(b)に示すスイッチング電流Id2は負極正の方向により流れはじめることになる。
この後、スイッチング電流Id2は反転して正極性方向となって、直流入力電圧Vin→直列共振コンデンサCr2→励磁インダクタンスLp→漏洩インダクタンスLr→スイッチング素子Q2(ドレイン→ソース)→(I/V変換回路51)の経路で流れる。また、スイッチング素子Q2(ドレイン→ソース)→直列共振コンデンサCr1→励磁インダクタンスLp→漏洩インダクタンスLrの経路でも同時に流れる。そして、スイッチング素子Q2がターンオフすると、部分電圧共振コンデンサCpに充電電流が流れるデッドタイム期間Tdの経過後に、スイッチング素子Q1がターンオンする。このようにして、スイッチング動作が繰り返される。
そして、上記のようにしてスイッチング回路にスイッチング電流が流れることで、I/V変換回路51に流れる電流I2は、図7(c)に示す波形となる。つまり、スイッチング電流Id1,Id2が正方向(正極性)で流れているときに対応しては、これに応じた正極性となり、スイッチング電流Id1,Id2が逆方向(負極性)で流れているときに対応しては、これに応じた負極性となる波形が得られる。
これに応じて、コンパレータ53の反転入力端子の接続位置に対応する、直流入力電圧Vinと電流検出用抵抗RDとの接続点に生じる電圧VDとしては、図7(d)に示すものとなる。つまり、スイッチング素子Q1,Q2に正極性の電流が流れている期間に対応しては負極性で、ボディダイオードD1,D2の何れか一方に転流電流が流れているときには正極性となる波形が得られることになる。
スイッチング動作に応じてこのような電圧VDの波形が得られるということは、電圧VD極性となっていることを検出すれば、ボディダイオードD1,D2に転流電流が流れている期間を検出できるということになる。
そして、コンパレータ53は、弁別動作として、図7(e)に示すようにして、電圧VDがグランド電位よりも高いとされるときにはLレベルとなり、低いときにはHレベルとなる検出信号S14を出力するように動作する。
検出信号S14としては、スイッチング素子のボディダイオードにおいて転流電流が流れている状態であることに対応して、Lレベルが出力される信号となるべきものであるが、上記図7(e)に示す検出信号S14としても、このような信号となっていることが理解される。
例えば先の第1の実施の形態では、I/V変換回路51は、直列共振コンデンサCrと直流入力電圧Vinの負極端子間に挿入されていたことから、一次側直列共振電流ILp+INpが流れていることになる。従って、I/V変換回路51に流れる電流は、スイッチング素子Q1に正方向の電流が流れるときと、スイッチング素子Q2側のボディダイオードD2に電流が流れるときには正極性、スイッチング素子Q2に正方向の電流が流れるときと、スイッチング素子Q1側のボディダイオードD1に電流が流れるときには負極性、というようにして極性が反転する。
そこで、ANDゲート56、57により、ドライブ信号SG1,SG2と、一次側直列共振電流ILp+INpがそれぞれ正/負となる期間との論理積をとることで、一次側直列共振電流ILp+INpが正極性により流れている期間において、スイッチング素子Q1に正方向の電流が流れる期間と、スイッチング素子Q2側のボディダイオードD2に電流が流れる期間とを弁別するようにしていた。また、一次側直列共振電流ILp+INpが負極性により流れている期間において、スイッチング素子Q2に正方向の電流が流れる期間と、スイッチング素子Q1側のボディダイオードD1に電流が流れる期間とを弁別するようにしていた。
これに対して、第2の実施の形態においては、I/V変換回路51の挿入位置を、図5に示したように変更していることで、このI/V変換回路51に流れる電流I2と、このI/V変換回路51により得られる電圧VDは、図7(c)(d)に示すようにして、スイッチング素子Q1,Q2に対して正方向にスイッチング電流が流れている期間と、ボディダイオードD1,D2に対して転流電流が流れているとされる期間とで、互いに反転する波形となる。従って、この場合において、ボディダイオードD1,D2に対して転流電流が流れている期間を弁別するためには、例えば、図7(e)に示す波形について、GNDレベルを基準として比較を行えばよいことになる。具体的には、図6に示したように、電流状態検出回路52としては、グランド電位と、電圧VDとを比較するコンパレータ33のみを備えればよいこととなる。
このようにして、第2の実施の形態では、電流状態検出回路52についての回路の簡略化が図られている。
なお、本発明としては、例えばI/V変換回路51及び電流状態検出回路52の構成は変更されて構わない。
つまり、I/V変換回路51及び電流状態検出回路52から成る回路の構成としては、例えば、スイッチング電流(一次側直列共振電流)の電流状態として、ボディダイオードD1,D2に対して転流電流が流れているとされる期間を検出できるように、論理回路等により構成すればよい。
また、発振器10及び駆動回路11の構成としても、安定化のためのスイッチング周波数制御を伴うスイッチング駆動が可能とされた上で、電流状態検出回路52から出力される検出信号に応じて、ボディダイオードD1,D2に対して転流電流が流れているとされる期間には、ターンオン/ターンオフを生じさせないように動作する構成とされればよいものである。
また、上記実施の形態では、電流共振形コンバータとして、2本のスイッチング素子Q1,Q2ハーフブリッジ結合方式の構成を採っている場合を例に挙げている。しかしながら、4本のスイッチング素子を備えたフルブリッジ結合方式よる電流共振形コンバータも知られている。本発明は、このようなフルブリッジ結合方式よる電流共振形コンバータにも適用することが容易にできる。
本発明の第1の実施の形態としての電源装置の構成例を示す回路図である。 第1の実施の形態の電源装置における発振器、駆動回路、I/V変換回路、電流状態検出回路の構成例を示す回路図である。 I/V変換回路の他の構成例を示す図である。 第1の実施の形態における発振器、駆動回路、I/V変換回路、電流状態検出回路の動作を示す波形図である。 第2の実施の形態としての電源装置の構成例を示す回路図である。 第2の実施の形態としての電源装置における発振器、駆動回路、I/V変換回路、電流状態検出回路の構成例を示す回路図である。 第2の実施の形態におけるI/V変換回路、電流状態検出回路の動作を示す波形図である。 従来例としての電源装置の構成例を示す回路図である。 図8に示す電源装置のスイッチング動作を示す波形図である 図8に示す電源装置における発振器、駆動回路の構成例を示す回路図である。 図8に示す電源装置における発振器、駆動回路の動作を示す波形図である。 図8に示す電源装置において、スイッチング素子に貫通電流が流れた動作状態を示す波形図である。
符号の説明
Q1,Q2 スイッチング素子、D1,D2 転流用ダイオード、Vin 直流入力電圧、Cp 部分電圧共振コンデンサ、Cr,Cr1,Cr2 直列共振コンデンサ、T1 トランス、Np 一次巻線、Ns1,Ns2 二次巻線、Lp 励磁インダクタンス、Lr リーケージインダクタンス、D3,D4、Co 平滑コンデンサ、1 スイッチング駆動制御回路、10 発振器、11 駆動回路、12 誤差増幅器、14 フォトカプラ、40 ソフトスタート回路

Claims (3)

  1. 第1の転流用ダイオード素子を逆並列接続した第1のスイッチング素子と、第2の転流用ダイオード素子を逆並列接続した第2のスイッチング素子とを直列接続して形成されるスイッチング回路を少なくとも1組備えて形成され、直流入力電圧の両端間に対して接続されるスイッチング手段と、
    上記第1のスイッチング素子、及び上記第2のスイッチング素子をスイッチング駆動するための駆動信号についての源信号を生成して出力する発振器手段と、
    上記源信号を入力して上記駆動信号を生成する駆動回路手段と、
    一次巻線と二次巻線とを備え、上記一次巻線に得られる上記スイッチング回路のスイッチング出力により、二次巻線に交番電圧が励起されるトランスと、
    上記一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、自己のキャパシタンスとにより、共振形のスイッチング動作を得るための共振回路を形成する共振コンデンサと、
    上記二次巻線に励起された交番電圧を入力して整流平滑動作を行うことで二次側直流電圧を生成する二次側直流電圧生成手段と、
    上記スイッチング回路のスイッチング動作に応じて流れる電流と、上記駆動信号とを入力して、上記第1のスイッチング素子が上記駆動信号によりオンとされている状態で上記第1の転流用ダイオード素子に転流電流が流れていない期間と、上記第2のスイッチング素子が上記駆動信号によりオンとされている状態で上記第2の転流用ダイオード素子に転流電流が流れていない期間とにおいてHレベルとなる期間信号を出力する電流状態検出手段とを備え、
    上記発振器手段は、
    スイッチング周波数に応じて変化する期間により下限閾値から上限閾値まで増加し、固定とされる期間により上限閾値から下限閾値まで減少するレベル変化を繰り返す鋸歯状波を生成し、
    上記鋸歯状波が上記上限閾値のレベルのときにHレベルとなる上限閾値検出信号と、この鋸歯状波が上記下限閾値のレベルのときにHレベルとなる下限閾値検出信号とを生成し、
    ANDゲートにより、上記上限閾値検出信号と上記期間信号との論理積の信号を出力し、
    RSフリップフロップにより、上記論理積の信号をセット入力とし、上記下限閾値検出信号をリセット入力として、デットタイム期間においてHレベルとなる非反転信号と、その反転信号とを出力し、
    さらに、本電源装置が起動するときに応じて、上記鋸歯状波が増加する期間を短くさせるように動作するソフトスタート回路を備え、
    上記駆動回路手段は、
    上記RSフリップフロップの反転信号を上記源信号として入力して、デッドタイム期間以外の期間において上記第1のスイッチング素子、及び上記第2のスイッチング素子を交互にオン/オフさせる駆動信号を生成する、
    スイッチング電源装置。
  2. 上記直列共振コンデンサと上記直流入力電圧の負極ラインとの間に挿入されて、この挿入位置に流れる一次側直列共振電流を電圧に変換して出力する電流/電圧変換手段をさらに備え、
    上記電流状態検出手段は、
    上記電流/電圧変換手段から出力される電圧と、上記駆動回路手段から出力される上記駆動信号に基づいて、上記一次側直列共振電流が正極性であり、かつ、上記第1のスイッチング素子をオンにする駆動信号波形が得られている期間と、上記一次側直列共振電流が負極性であり、かつ、上記第2のスイッチング素子をオンにする駆動信号波形が得られている期間とにおいてHレベルとなる信号を、上記期間信号として生成する、
    請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 上記電流状態検出手段は、
    上記直流入力電圧の負極ラインとグランドとの間に挿入されて、この挿入位置に流れる一次側直列共振電流を電圧に変換して出力する電流/電圧変換手段をさらに備え、
    上記電流状態検出手段は、
    上記電流/電圧変換手段から出力される電圧レベルがグランド電位よりも高いときにHレベルで、低いときにLレベルとなる信号を、上記期間信号として出力する、
    請求項1に記載のスイッチング電源装置。
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