JP4309836B2 - 光減衰器デバイス、放射システム、及び、それらの付属するリソグラフィ装置、及び、デバイス製造方法 - Google Patents

光減衰器デバイス、放射システム、及び、それらの付属するリソグラフィ装置、及び、デバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は一般に放射のビームの均一性を改善するための光減衰器デバイスに関し、さらに詳細にはリソグラフィ装置におけるそのようなデバイスの使用に関する。
本発明の実施例の1つの態様はリソグラフィ装置における使用のための放射のビームの均一性を改善するための光減衰器デバイスを含み、上記光減衰器デバイスは上記放射のビームから上記放射の一部を取り除く少なくとも1つの光減衰器要素を含む。放射のビーム、特に放射のビームの平均強度より強い局所強度を有するビーム部分から放射の一部を取り除くことにより、放射のビーム全体の均一性が改善され、露光、表面構造物(線の太さなど)に有益な効果がある。ここで、本出願の以下残り部分にあるように、用語「光学的な(放射)」は、極紫外線及び遠赤外線並びに可視放射を含む電磁波放射など、使用されるいかなる放射の波長の範囲にも関する。用語「一様性」及び「均一性」は本明細書において相互交換可能に使用されている。
特定の実施例において、少なくとも1つの光減衰器要素は、ビームに提供されている断面積が修正可能であり、同時に、上記光減衰器要素の三次元形状が放射のビームの伝播方向に平行な線に対して鏡像対象のままであるように可動となっている。特に、上記伝播方向は放射のビームの対称の光軸として取られる一方、上記線は放射のビームの中心における共通のエッジを横断する。しかし、上記線は共通のエッジの異なった点において光減衰器要素を横断することもできる。本明細書において、光減衰器デバイスが走査型リソグラフィ装置において使用されるときは、少なくとも1つの光減衰器要素が走査方向に垂直な方向に延長することができる。
この実施例は、ビームから、例えば放射のビームによって見られる光減衰器要素の断面積を増加することにより、取り出される放射の量を変更する可能性を提供する一方、同時に、放射のビームの角度依存減衰が回避される。
米国特許出願第2003/0063266 A1号は、回転可能なブレードを含む強度調整デバイスを記載していると見られる。しかし、このようなブレードが全てが厳密に平行となっているわけではない光線からなるビーム内で回転されるとき、現実の投影ビームの場合のように、回転はブレードの両面上に異なった角度に関する強度分布を導入する。多くの現実の状況において、リソグラフィ装置におけるパターン形成デバイスなどのビームにより照射される目標物は、ビームの焦点面(像面)内に設置することができる。このことは、像面に向かうビーム方向において進行するときに角度に関する強度分布が変化することを意味する。従って、回転可能なブレードはブレードの1つの面上でビームの特定の第1の部分を、及び、ブレードの他の面上で特定の第2の部分を遮断することができる。第1及び第2の部分は、像面から異なった距離に定置されており、そのため、異なって減衰することができる。これは回避されるべきものであり、本実施例は、それを、対称的に可動な減衰器要素を設けることにより行なっている。
このような光減衰器要素はビームの中心部分に設けることができる。本明細書においては、この状況が、特にリソグラフィ投影装置における放射のビームにおける、放射のビームにおける光減衰器デバイスの使用に関係することが理解されよう。用語「中心部分」は、角度に関する実質的に対称的な強度分布のあるビームに垂直な平面内に見られるようなビームの部分を指し示すことが意味されている。つまり、放射のビームにより照射されている平面、特に照射されている物体における像面内の点を取ったとき、その点に向かって進行している光線の集光結果が、全体としてビームの方向に対して点対称となっている分布を形成する。そのため、ある平面における角度に関する光の分布は対称となる。すなわち、各方向及びそれの鏡像関係にある対応部分が同量の放射を供給する。像面から離れると、放射を供給できない特定の方向が放射のビームのエッジに向かって存在し、その極端な例はエッジ自体であることに留意されたい。これは、ビーム側からの寄与のみしかないという事実によるものである。中心部分では、角度に関する分布がどの点においても実質的に同じとなるように、全ての方向からの円錐の重なりが存在する。光減衰器がビームの幾何学的中心に存在する必要がないことも当然推定される。なぜなら、ビームの(中心)部分では円錐が一般に実質的に最大値にまで満たされ、これが光学系の開口数に一部依存しているためである。厳密には必要でなくとも、光減衰器により減衰することができるのはこの部分である。
光減衰器要素が上記ビームの中心部分の放射の一部を取り除くように光減衰器要素を設けることにより、ビームの品質は遠隔中心性及び楕円率などの側面に関して深刻には劣化しない。これは、上記ビームの中心部分、又は、放射の角度に関する分布が十分には展開されていないビームの「翼部分」又は「勾配部分」では少なくともない部分における光減衰器要素の位置に基づくものである。この状況は、照射される表面の目標部分の照射が、中心線とある角度、好ましくは直角を形成する走査方向において行なわれる走査型リソグラフィ装置の場合に特に当てはまることに留意されたい。この場合、放射のビームは照射される表面を横切って掃引する。照射される表面の特定の点を照射するビームの全ての積分強度が完全かつ通常の角度に関する分布を有する限り、例えば比較的小さな遠隔中心性の広がりはほとんど発生しない。この分布は、それ自体が、照射に参加しているビームの各部分から生じる分布の組み合わせとなっている。今、光減衰器要素が強度分布のエッジにおけるビーム部分から幾分かの放射を取り去ると、正しい積分強度分布は存在する可能性がさほど高くない一方、放射を中心部分から取り去ると、光減衰器要素は、積分された角度に関する分布全体が変化しないように、第1の角度に関する分布並びにその鏡像関係にある対応部分から第1の部分を自動的に取り去る。放射のビームの中心部分における光減衰器要素の存在が走査型リソグラフィ装置に対して有利であるという考察は、そのような光減衰器要素とのそのような走査型リソグラフィ装置の各組み合わせに対して、原則として当てはまる。
しばしば、中心部分は対称の線、特にビームの最大断面寸法の方向における対称軸、又は、ビーム、特にビームの断面を同一の形状を有する2つの部分に分割する線の周辺に位置している。対称性は、可能な不均一性を防止するうえで有利ではあるが、原則として、光減衰器要素が中心部分に存在するためには十分である。以下、用語「中心線」がどこで使用されようとも、「中心部分」が含まれていることを理解されたい。同様に、用語「中心線に対して対称である」、及び、これの同等表現は、上述のように「中心部分における線に対して対称である」を含む。この線は、特にビームが非矩形の形状を有する場合に、直線である必要はないことに留意されたい。例えば、特定のリソグラフィ装置において、放射のビームの断面は多かれ少なかれ弧の形状となっており、中心線は、その長さに沿って弧を2つの半体に分割する曲線である。
中心線に対して対称であり、中心部分に存在する1つ又は複数の光減衰器要素の考察は、本出願全体を通じて当てはまる。
有利な実施例において、少なくとも1つの光減衰器要素はエッジを有する少なくとも2つのシートを含み、上記シートは共通のエッジにおいて互いに接続され、光減衰器デバイスは、上記シートの少なくとも1つを上記シートの他方に対して、上記共通エッジにより形成された軸の周りで動かすためのシート・アクチュエータを含む。
限定はしないが、好ましくは、このようなシートは実質的に平たい。光減衰器要素が平たい要素を含む必要はないが、平たい要素は一般に、これが放射のビームに平行な平面内に延長して配列されたときに、小さな断面積のみを与えるという特性を有する。ビームの均一性が光減衰器要素によっては改善できない、又は、そうする必要がないとき、平たい要素は、放射のほとんどが妨害されずに通過することを可能にするため、ビームから取り除く必要はない。
1つの実施例において、シートを回転させるための軸は、シートの断面積を効率的に変化させるために放射のビームの方向に垂直に延長する。好ましくは、軸は上記放射のビームの中心線に平行又は垂直にも延長する。これは、シートが、対称的な形で放射のビームから放射の一部を取り除くことを可能にする。シートは矩形の形状を有することができる。このようなシートをビームに対して対称的な形で配列することにより、放射のビームの強度及び均一性に対して非常に対称的な影響を及ぼすことができる。
この実施例は、上記放射のビームの上記放射の一部の除去を、特に上記シートが上記軸の周囲を鏡像関係の形で動かされ、かつ、有利に回転されたときに高度に対称的に行なうことができるという特性を一般に有する。すなわち、シートの1つが回転される一方、他方は逆回転されるということである。
共通のエッジにおいて接続された3つ以上のシートを有することは考慮可能であるが、2つのシートを有することは十分である。なぜなら、これは対称性を達成するための最も単純な方法であるからである。さらに、多くの場合、いかなる第3、第4などのシートは、全体としてビームには多くの影響を加えずに、第1又は第2のシートからの放射を選抜するのみである。
共通のエッジにおいて接続された2つのシートの上記配列は、大きなシートの2つの半体が互いに重なるように、1つの大きなシートを2つに折ることにより得ることができる。しかし、このような配列を提供するいずれの他の方法、例えば糊付け、溶接、又は、さもなくば、2つのシートを一体に接合することも可能である。
シートのアクチュエータは、例えば電気モータの動きをシートに伝達するための伝達機構とともに電気モータなどの単純なモータを含むことができる。伝達機構は、例えばシート・アクチュエータとシートの両方に接続されたシャフトとすることができる。
上記シートの少なくとも1つを「動かす」の用語「動かす」は、単純な回転などの上記1つ又は複数のシートの形状が変化しない動きのみを含むわけではないことに特に留意されたい。上記シートを例えば曲げることなどにより、上記シートの形状を変化させることにより、少なくとも1つのシートを動かすことも可能である。この状況において、句「上記共通のエッジにより形成された軸の周囲」は、上記軸に垂直な平面上の上記シートの投影が、実質的にゼロの面積を有する曲線に実質的に留まることを示す。すなわち、上記シートへの各正接平面が上記軸に実質的に平行に留まる。
有利に、少なくとも2つのシートは電気的に伝導性の材料を含み、アクチュエータは電気的に伝導性の材料を充電するための電気的に伝導性の材料に接続された電流源を含む。この実施例は、いかなる機械的な可動部分も実質的に使用せずにシートを動かすための方法を提供する。アクチュエータは等しく充電された部分の電気的反発に基づく。本明細書において、材料は、0.01%より大きく、好ましくは銅の伝導率の1%より大きな固有伝導率を有すると電気的に導電性を持つと考えられる。ほとんどの金属及び合金はこの要件を満たしている。上記シートは、電気的に伝導性の材料で被覆された金属若しくは金属合金の箔又は他の材料、例えばプラスチックの箔を含むことができる。シートは、電気的に伝導性の材料で全体的に構成されるか、又は、それにより完全に被覆されることが、シートのより精密に制御可能な動きという利点を有することができても、そうする必要はない。
本発明による光減衰器デバイスの他の実施例において、少なくとも1つの光減衰器要素は、その長さにわたって変化する幅のプロフィルを有するリボン又はワイヤを含む。上記リボンは、例えば、放射のビームの方向及び上記ビームの断面の中心線により形成されている平面内でこれが延長するように配列されている。すなわち、リボンの側面がビームに臨まされるということであり、これは、リボンの最小断面積が放射のビームに影響を及ぼすために提供されることを意味する。このことは、小さな断面積ながら材料の比較的大きな量を有するという利点を有し、それは光減衰器要素に堅牢性を与える。ワイヤである光減衰器要素の場合において、ワイヤが回転対称であると有利であり、このことは、ワイヤの回転又は回転変形が異なった断面積を与えないことを意味する。これは、実質的に常に同じ量の放射が上記放射のビームから取り除かれることを意味する。
米国特許出願第2003/0063266 A1号は、走査方向に平行に延長し、かつ、走査方向に垂直な方向に可動である多くのワイヤを含む走査型リソグラフィ装置のための強度補正デバイスを開示していると見られる。走査方向に平行に延長するワイヤは縦列になった平面内又はその近くでは使用することは、これがそれらのワイヤの位置における放射の全面的な遮断につながるために、一般にはできない。なぜなら、ビームのいずれの部分もいかなる放射にも寄与しないからである。焦点を合わせずに、すなわち、像面外にワイヤを設置することにより、暗点は防止される。しかし、これは、均一性補正のより精度の低い局所制御を可能にする。ワイヤ、リボン、又は、一般に中心部分において延長する光減衰器要素を使用することにより、要素を像面に位置させることが可能となる。なぜなら、要素の「左」及び/又は「右」からの放射の寄与があるためである。これは、均一性補正のより精度の高い局所制御を可能にする。なぜなら、考慮すべき光減衰器要素の半影がないからである。この後者の考慮は、ビームの中心部分に位置するどの光減衰器要素に対しても、及び、多くの他の実施例に対しても一般に当てはまる。
他の実施例において、リボンは放射のビームに垂直な平面内に実質的に延長する。このことは、非常に平たい光減衰器要素を使用する可能性を提供し、それは、もし利用可能な空間がほとんどなければ、又は、もし寸法の限界値がリボンの物理的強度をやはり厳しく制限していれば、好ましいことがある。例えば、実際には、多くのリソグラフィ装置において、10×30mmのビーム寸法で約0.75mmの利用可能な空間しかない。最大10%の減衰を有するために、リボン又はワイヤは、最大1mmの幅であるべきとなる。この寸法が垂直方向における利用可能な空間より大きいため、リボンは放射のビームに垂直な平面内で延長し、利用可能な0.75mmよりはるかに小さな厚さを可能にする。
特定の実施例において、リボン又はワイヤは放射のビーム内に存在するリボン又はワイヤの部分の少なくとも2倍である長さを有し、リボン又はワイヤは、それぞれリボン・アクチュエータ又はワイヤ・アクチュエータの手段によりビームに対して可動である。これは、一般に、上記リボン又はワイヤをその長さに沿って動かすことにより、異なった厚さのプロフィルを有するそれの異なった部分が放射のビーム内に配列できるという特性を有する。このようにして、放射の異なった部分、例えば、異なった量は、放射のビームから取り除かれる。このことは、放射のビームの様々な強度のプロフィルを修正することが可能であることにより、システムのより大きな柔軟性を可能にする。
他の実施例において、リボン又はワイヤは2つのリールに巻かれ、光減衰器デバイスはビームに対してリボン又はワイヤを動かすためのリール駆動器をさらに含む。2つのリール及びリールに対してリボン又はワイヤを動かすためのリール駆動器を設けることにより、臨まされた幅のプロフィル、すなわち、放射のビームの均一性に対する影響を変化させるための方法が提供される。特に、リボン及び/又はワイヤは、リールに巻けるように柔軟であるように選択される。2つのリール及びリール駆動器はテープ録音機の対応する部分のように構成することができるが、これの他の実施例を除かない。
リール駆動器は1つ又は2つのモータを含むことができるが、いかなる他の個数も同様に可能である。1つ又は2つのモータを備える実施例の1つの態様は、それでも多くの異なった補正用プロフィルの容易な提供を可能にする比較的単純な構成である。
リボン又はワイヤを備えた実施例は、そのコンパクトさのために様々な種類の光減衰器デバイスにおいて有用である。より詳細には、この実施例がリボン又はワイヤ自体のために非常に小さな空間しか必要としない一方、リール、リールのためのモータなどがその位置から離れて位置することができ、より多くの空間が利用可能となる。特に、光源が遠紫外線及び紫外線のシステムにおける石英棒などのような透過性材料の基板を含む放射システムの場合、1つ又は複数のリボン及び/又はワイヤは、透過性材料の基板の出射面とそれの後に存在するいかなる部分の間のしばしば狭い空間に位置することができる。他の可能な位置は、例えば、機能が本実施例の存在により増強又は交換することができる従来の一様性補正モジュールの高さにおけるビーム内の中間平面、又は、例えば、バターン形成デバイスの近く、すなわち、パターン形成された強度分布を投影放射のビームに与える手段の例えば1cm以内を含む。
強度を最大10%、特に実際の場合では、最大1.5%補正することは有用となることがある。これは、リボン又はワイヤの延長に垂直な方向におけるビーム寸法の10%又はより詳細には最大1.5%の、放射のビームの方向に見られる最大厚さ/幅を有するリボン又はワイヤを使用することにより達成することができる。リボン/ワイヤが寸法10×31mmの石英棒(インテグレータ)のすぐ下方に位置していて、走査方向がこれらの2つの寸法の長い方に垂直であると、ビームから見た0.15mmの有効厚さは、必要な1.5%の減衰を提供するために十分である。リボン又はワイヤの延長の方向が、走査型リソグラフィ装置において適用されているように一般に走査方向に垂直となることに留意されたい。これは以下にさらに解説する。
前段落にて述べた有効厚さ/幅は、円対称な断面を持つワイヤにより、又は、所望のプロフィルに等しい幅又は断面を持つリボンを使用して得ることができる。この後者の場合、リボンは、放射のビームに平行な平面内に延長するように設けることができ、この場合、このリボンはいかなる所望の幅も有することができる。しかし、ビームに垂直な平面内に延長するリボンを使用することも可能であり、かつ、コンパクトさのために好ましい。この場合、非常に狭いリボンを使用することもやはり可能であって、幅は局所的なプロフィルにより決定されるか、又は、透過性担体材料及び非透過性部分を含むリボンを使用することが可能であり、非透過性部分の幅は所望の補正用プロフィルに対応する。
リボン又はワイヤに対する可能な材料は金属である。これは、強度の高い材料であるだけでなく、必要であれば適切な処理の後に、放射の大きな吸収を示すが、高温にも耐えることができる。これは有用な特性である。なぜなら、しばしば大きな強度の放射の吸収はリボン又はワイヤの温度をかなり高い値にまで引き上げるからである。にもかかわらず、セラミック、プラスチック、及び、誘電体を含む同等の特性を持つ他の材料も同様に考えられる。さらに、大きな熱負荷を回避するために、ビームがより大きな寸法、すなわち、より小さな強度に拡大された位置にリボン/ワイヤを配列することは有利である。
リボン又はワイヤはいかなる長さのものでもよく、ビームがNmmの長さを有する場合、リボン又はワイヤの長さは少なくとも2Nmmとなるが、少なくとも5Nmm、及び、特定の実施例においては少なくとも10Nmmとすることができる。リール駆動器にとっては放射のビーム内に所望の厚さのプロフィルを配列するのにより長く時間がかかるが、より長い長さはより多くの厚さのプロフィルの存在を可能にする。
1つの実施例において、光減衰器要素の少なくとも2つは放射のビーム内に横並びで、又は、放射のビームの方向から見て平行な平面内に配列されている。このようにして、限定された数の部分、すなわち、リボン又はワイヤ及びリール駆動器を使用して、放射のビームの非常に大きな数の強度プロフィルを補正するために、対応する数の強度プロフィルの異なった組み合わせを提供することが可能となる。リボン又はワイヤの1つは、それの長さの少なくとも1つの部分にわたり対称的に変化する厚さ/幅のプロフィルを有する上記長さの上記部分を有する一方、少なくとも1つの他のリボン又はワイヤは、それの長さの少なくとも1つの部分にわたり線形的に増加する厚さ/幅のプロフィルを有する上記長さの上記部分を有する。同時に、厚さ/幅のプロフィルのこの組み合わせは、放射システムの勾配によりしばしば引き起こされる線形的に増加する強度とともに、ビームの対称だが非均一な強度のプロフィルの補正も可能にする。好ましくは、リボン又はワイヤの各々は、それぞれこのような対称な厚さ/幅のプロフィル、線形的に増加する厚さ/幅のプロフィルを持つ多くの部分を含む。
本発明の他の実施例において、光減衰器デバイスは第1のミラー及び第2のミラー並びにスリット・ミラー・アクチュエータを含み、スリットは第1と第2のミラーの間に存在し、第1及び第2のミラーの少なくとも1つは、スリットが放射のビームから見て可変の幅を有するために、スリット・ミラー・アクチュエータの手段により放射のビームに対して可動である。この実施例は、放射のビームの放射の部分が、放射の上記部分を反射することによってではなく取り除かれることを可能にする。この実施例は、放射を取り除かずに、取り除かれた放射の量に影響を及ぼすための制御を提供することが可能になることにおいて特定の長所を有する。なぜなら、それらを例えばミラーの後ろに配列することができるからである。このミラーからの余分な反射は、この光減衰器デバイスが使用されることになる装置全体の設計において考慮されるべきであることに留意されたい。
このような光減衰器要素は極紫外線放射システムにおいて適用することができる。なぜなら、放射のビームを誘導するためにほとんど常に少なくとも1つのミラーが存在するからである。しかし、遠紫外線放射システムなどの他のシステムにおいて、ミラーを備えたこのような光減衰器要素も設けることができる。原則として、放射の(しばしば非常に小さな)量を吸収することを別にすれば、ミラー自体はビームの特性には影響を及ぼさない。ミラーが局面とされることが可能であり、この場合、ミラーは放射を収束させることが可能であることに留意されたい。このことは、例えば極紫外線システムにおいて有用である可能性がある。なぜなら、極紫外線放射の場合、ミラーは各反射において最大30%の損失を示すからである。放射を集中させることにより、この損失は補償することができる。局面になったミラーの場合、上記に使用されている如くの用語「平面」は局面になった表面も同じく含むように拡大されるべきである。局面の移動も、特にミラー表面が一部を形成する局面における曲線状の移動を含む。
第1と第2のミラーの間に存在するスリットは、いかなる幅も、ゼロの幅も有することができる。これは、第1及び第2のミラーが隣接し、かつ、同じ平面内にあるとき、例えば強度補正が必要ないときである。
特定の実施例において、ミラーは、アクチュエータの手段によりスリットに対して可動である複数の部分ミラーから作成することができる。第1及び/又は第2のミラーの双方は複合ミラーとすることもでき、各々は複数の好ましくは隣接した部分ミラーを含む。放射のビームの中心部分の反対側の各個々の部分ミラーとミラー又は部分ミラーの間にスリットが存在することができる。複数のスリットは1つの大きなスリットを形成することができるが、ビームの異なった部分の強度を修正することを可能にするために互い違いに置くこともできる。各部分ミラーは別個に作動可能とすることができる。スリットにより達成される補正は、部分ミラー・アクチュエータの手段により、例えば、部分ミラーを互いの方に向けて移動させるか、又は、その逆によりスリットの幅を適合することにより変化させることができる。
露光が時間平均化照射の手段により得られる応用例において、光減衰器要素及び/又は走査方向との非ゼロ鋭角を含む方向におけるそれらの動きを配列することは可能である。この応用例は、個々の光減衰器要素の境界線の影響をぼかし消す可能性を提供する。例えば、走査型リソグラフィ装置において、その方向に物体がビームに対して動かされ、ビームの中心線にしばしば実質的に垂直である走査方向がある。光減衰器要素及び/又はそれらの動きは、好ましくは上記走査方向と10と45度の間の角度を形成する。この方法の態様は光減衰器要素間のいかなる線、境界線などもぼかされることである。なぜなら、近隣の要素が積分された照射において重なるようになるからである。このことは、走査方向において延長し、かつ、像面において存在する減衰器要素に関する考察と比較することができる。
第1のミラーはミラー・アクチュエータの手段により第2のミラーに対して可動とすることができる。この実施例において、第1及び第2のミラーの双方は、互いに対して可動であり、スリット及び/又は上記放射のビームの中心線に対して対称的な形で可動とすることができる。対称な配列は、放射のビームの均一性の対称な補正を導入し、楕円性及び遠隔中心性の問題は最小である。より一般的には、「対称な」は上述のように「ビームの中心部分に位置する」を含むべきであることに再び留意されたい。
2つのミラー(部分)及びスリットを備えた実施例が、強度の正確な局所制御、並びに、遠隔中心性のような問題を防止する中心部分における配列を備えた像面における配列を可能にすることに留意されたい。
本発明による光減衰器デバイスの他の実施例において、光減衰器デバイスは、内部に少なくとも1つのチャネルを有し、上記放射に対して透明である材料から作られたボディ部を含む少なくとも1つの光減衰器要素を含み、チャネルは媒体で充填可能である。原則として、空の、すなわち、チャネル内に媒体のない減衰器要素と充填された、すなわち、チャネル内に媒体のある減衰器要素の間の透過性の変化を使用する可能性を提供することは十分とすることができ、この変化は媒体と減衰器ボディ部の間の透過率の差によるものであることがある。100%透明な媒体でさえ、媒体と減衰器要素自体の材料の間の界面における異なった正味の反射損失を与えるであろう。本明細書において、用語「媒体」は液体材料、又は、混合物、気体、並びに、例えば10−1Torrなどの圧力における分子流を含むことが意図されている。
光減衰器デバイスは、制御可能な量の媒体でチャネルの少なくとも1つを充填するための注入器を含むことができる。ここで、媒体で一定に充填されたチャネルの使用が行われ、上記媒体、及び、従って、減衰器要素の光学密度は上記光学密度を変化させるいかなる物質、例えばインク状のカーボン・ブラックなどの媒体中への注入により修正される。この実施例は、放射のビームにおいて、いかなる機械的可動部分なしに動的にその光学密度を変化させることができる光学フィルタを提供する可能性を提供する。
この物質を供給するための1つの、又は、各チャネルにおける密閉可能な開口部又は注入器を有することは十分である。光減衰器デバイスは、放射に対して媒体より大きな固有吸収を有する物質を含む容器をさらに含み、上記注入器は制御可能な量の上記物質で上記チャネルの少なくとも1つを充填するために構成かつ設計される。物質のこの「その場での」供給は、照射中であっても強度の真に独立かつ動的な適合を可能にする。
媒体の供給は、上記物質のない新鮮な媒体がチャネルに注入可能となるように、チャネルに対して提供することができる。これは、吸収を低減するために、チャネルの奔流を可能にする。好ましい注入器はインクジェット・プリンタのヘッドにおいて通常使用されている注入器を含むことができ、この注入器は成熟した技術及び良好な信頼性という長所を有する。しかし、他のタイプの注入器は除外されていない。
チャネルを備えた減衰器要素には他の技術的特長を与えることができることに留意されたい。特に、減衰器要素には部分的に反射性又は吸収性のコーティングを施すことができ、3つ以上の減衰器要素は、これらがビームの少なくとも一部において互いに重なることができるように設けることができる。対応する長所は、本発明による他の好ましい実施例に関して以下に考察する。
本発明の他の実施例において、光減衰器要素は光ファイバ要素の長さに沿った位置の関数として変化する光学密度を有する光学フィルタ要素を含み、光学フィルタ要素はフィルタ要素回転器の手段により放射のビームに対して回転可能である。この実施例は多くの異なった強度補正を可能にする。フィルタが長さに沿った位置の関数としてのみ変化する光学密度を有する場合、強度は、フィルタ要素をビームの中又は外にずらすことにより、及び、フィルタ要素を回転させることにより修正することができ、例えばビーム又はビーム光源の所望の位置に関するこれらの位置の変位による強度における勾配補正が提供できる。これは図面の説明においてさらに説明する。多くの異なった強度補正が比較的小さなフィルタ要素を使用して可能であることに留意されたい。
光減衰器要素は少なくとも2つの光学フィルタ要素を含むことができ、その各々は光学フィルタ要素の長さに沿った位置の関数として変化する光学密度を有し、上記少なくとも2つの光学フィルタ要素の少なくとも1つは上記少なくとも2つのフィルタ要素の他方に対して回転可能である。この実施例は、2つの異なったフィルタ光学密度の組み合わせも可能にすることにより、1つ又は複数のフィルタ要素をそれら自体に平行にずらすが、同じく、例えば、1つのフィルタ要素を他方に対して回転することによる勾配補正により、又は、双方のフィルタ要素を同じ角度にわたり逆方向に、すなわち、互いに対して対称となる形で回転することにより、強度分布を補正するためのより多くさえある可能性を提供する。このタイプの光学フィルタ要素の態様は、それらの要素が光学フィルタ要素上の上記放射のビームの投影より大きいとすれば、それらの要素は上記フィルタ要素を上記放射のビームに対して移動することにより多くの異なった透過のプロフィルを提供することができるものである。2つのそのような光学フィルタ要素を鏡像対称の形で使用することにより、遠隔中心性の問題を防止するために対称強度プロフィル補正を得ることができる。
全ての場合において、回転の好ましい軸は放射のビームの方向に平行に延長する。
ことに留意されたい。
実施例は、第1の光学フィルタ要素の長さに沿った位置の第1の関数として変化する光学密度を有する第1の光学フィルタ要素、及び、第2の光学フィルタ要素の長さに沿った位置の第2の関数として変化する光学密度を有する第2の光学フィルタ要素を含み、第1の関数は実質的に第2の関数の逆数である。これは、例えばビームの長さに沿った線に対してそれ自体が対称である強度補正を可能にする。このような対称な補正は、例えば遠隔中心性の導入を防止するために有利である。表現「逆数」は「逆方向において等価」に関連することに留意されたい。すなわち、第2の光学フィルタ要素は第1の光学フィルタ要素と同じ光学密度を有するが、第1の光学フィルタ要素に対して180度回転されている。
本発明による他の実施例において、上記光減衰器デバイスは、放射のビーム内へ可動であり、かつ、上記放射に対して10%と100%の間の透明性を持ち、好ましくは、上記放射に対して約80%と約100%の間の透明性を持つ材料から作られた相互に平行な複数の帯状片を含む。
光減衰器デバイスは、上記ビームに対して上記帯状片を動かすための平衡帯状片アクチュエータをさらに含むことができる。このような平行帯状片アクチュエータを設けることにより、ビームにおいて多かれ少なかれ放射を遮断することが可能となり、このことはビームにおいて強度を修正する可能性を提供する。
光減衰器デバイスは、放射のビームの第1の側面から放射のビーム内に可動である第1の複数の相互に平行な帯状片、及び、第1の側面の反対側の第2の側面から放射のビーム内に可動である第2の複数の相互に平行な帯状片を含むことができる。このデバイスは、例えば遠隔中心性を回避する視点から有用である対称強度補正の可能性を提供する。
上記帯状片を1つの平面内に位置させることは厳密には必要ない。帯状片は、ビーム方向に垂直な平面内に配列することができる。なぜなら、これは最もコンパクトな配列を提供するからである。さらに、これは不要な方向における光の反射を防止する。
2つの帯状片は上記ビームの中心線に対して互いに反対側に、可能には上記中心線に対して対称に位置させることができる。この実施例は、より優れてさえいる対称補正が可能であるという特徴を有する。さらに、帯状片の2倍になった断面のために、すなわち、同じ量の吸収されたエネルギーを運び去るためにより多くの材料があるために、放射の吸収からの熱を運び去ることが改善される。
第1の複数の帯状片の帯状片は第1の平面において可動とすることができ、第2の複数の帯状片の帯状片は第1の平面に平行かつこれと非同一平面である第2の平面において可動とすることができる。このようにして、帯状片の動きはいずれの他の帯状片の動きにも影響を及ぼさない。少なくとも1つの帯状片は、上記少なくとも1つの帯状片が部分的に少なくとも1つの他の帯状片と重なる位置へ可動とすることができる。このことは、重なり合った帯状片がより多くさえある放射を放射のビームから取り除かせるため、より広い範囲の強度補正を可能にするだけでなく、帯状片のエッジから離れて散乱された放射を効果的に取り除きもし、かつ、同様に、その放射が隣接する帯状片間のスリットを介してすり抜けることを防止する。
上記第1の複数の帯状片の少なくとも1つの帯状片の対称の軸は、例えば第1の複数の帯状片の上記少なくとも1つの帯状片の幅の半分だけ、上記第2の複数の帯状片の少なくとも1つの帯状片の対称の対応する軸に対して移動することができる。
このことはより精密でさえある強度補正を可能にできる。なぜなら、ビームの1つの側の1組の帯状片からの2つの隣接する帯状片による補正が、中間の位置におけるビームの反対側の帯状片の他の組からの補正により補われるからである。さらに、重なり合った帯状片の場合、隣接する帯状片間の光の漏れは非常に信頼性高く防止されている。
1つの実施例において、第1の複数の帯状片の帯状片は第1の方向に延長し、第2の複数の帯状片の帯状片は第1の方向と非平行な第2の方向に延長する。第1の方向は、例えば走査方向に垂直かつしばしば長手方向である、放射のビームの対称の軸に対して第2の方向の鏡像とすることができる。
この実施例において、隣接する帯状片間のスリットを介して漏れているいかなる放射の影響も、少なくとも走査型リソグラフィ装置においては、より多くにさえ低減される。なぜなら、このようなスリットは操作方向に垂直な方向に沿った多くの異なった位置にわたりぼかし消されるからである。
本発明の他の実施例において、光減衰器デバイスは1つのミラー、及び、放射遮断要素アクチュエータの手段により上記ミラーにある開口部を介して可動である少なくとも1つの放射遮断要素を含む。ここで、放射のビームは非直角で上記ミラーに入射する。放射のビームと非ゼロ鋭角で、例えばミラーに対して垂直に延長する放射遮断要素は、放射のビームに影を投げかける。この影は放射の一部を取り除くことに、従って、強度分布を修正する可能性に対応する。開口部を介してミラー表面から突出する部分のみが放射を遮断するために機能する一方、残りの放射遮断要素並びにそのアクチュエータはミラーの背後に隠れたままである。
いずれのアクチュエータもミラーの背後に隠すことができ、従って、放射へのいかなる追加の影響も防止できる一方、それでも、開口部がビームの中心部分に存在するときに、ビームの中心部分から放射を取り除くことができる。このことは、上記アクチュエータがさほどコンパクトではないことも可能にする。
開口部及び放射遮断要素を備えたミラーはしばしば激しく脱焦した位置に設置され、このことは個々の放射遮断要素の形状のぼかし消しをもたらす。
複数の放射遮断要素はビームの中心部分において、かつ、走査型リソグラフィ装置において使用されるときは走査方向に垂直な方向に延長する列に設けることができる。このことは、局所的補正の可能性を提供する。それらの要素は1つ又は数個の開口部において隣接して位置させることができるか、又は、それらの要素は独立した開口部に各々を位置させることもできる。上述の実施例の1つによれば、開口部をスリット、好ましくは可変幅を有するスリットとして設計することも可能である。このことは、強度補正に対する制御を可能にする。
本発明の他の態様において、少なくとも1つの光減衰器要素は、上記放射に対して透明である材料の基板、及び、上記基板上のコーティングを含むフィルタを含み、上記コーティングは反射防止コーティングと吸収性コーティングの少なくとも1つを含み、上記基板の一部上のみに上記コーティングは存在し、上記部分は長手方向に長さを、及び、長さに対して変化する幅を有する。このようなフィルタは、コーティングされた部分とコーティングされていない部分とにおいて異なった透過を有する。そのため、フィルタを適切な方法で位置決めすることにより、ビームの強度の補正を行なうことができる。
特に、コーティングは反射防止コーティングであり、コーティングが存在する部分は、放射のビームがコーティングされた部分を介してフィルタを通過するように、フィルタの中央に位置する。コーティングされた部分がビーム幅より狭いときは、ビームのエッジのみがコーティングされた部分のエッジにより影響を受ける可能性がある。事実、ビーム内に突出するコーティングされていない部分のエッジは強度補正を提供し、その中で、それらのエッジはより少ない放射を透過し、エッジのビーム内に突出する部分の幅は補正の量に対応する。全ての減衰が、原則として、焦点面から同じ距離において行なわれるため、このような光減衰器要素は強度分布における角度に関するいかなる依存性も導入しないことに留意されたい。事実、このようなフィルタは像面内に位置させることができ、従って、強度補正の非常に精密な局所制御を提供する。このような位置は遠隔中心性の問題の導入も防止する。なぜなら、像面においては、像面の点の照射に寄与する各方向の放射の一部のみを取り除くことは可能ではないからである。言い換えれば、像面内の点が光減衰器要素により放射から遮断されると、放射の完全な円錐が直ちに遮断される。さらに言い換えれば、像面には半影がない。もしフィルタが像面から離れて位置していれば、通常は、コーティングされた部分とコーティングされていない部分の間の透過の小さな差のみが、部分的に透過性を持つ帯状片要素に関連して考察した理由と同じ理由のために、ビームのエッジにおいて変化する幅でさえ大きな遠隔中心性を導入しないことを確実にする。所望であれば、コーティングがビームの中心部分から取り除かれているか、又は、そこには少なくとも存在しないフィルタを設計することも可能である。このことは、遠隔中心性の問題をより良好にさえ防止する。
コーティングされた部分は長手方向に対称の軸を有することができる。コーティングされた部分の幅は上記長手方向における位置の関数として変化させることができ、この関数は、走査方向、好ましくは上記長手方向に垂直な方向において積分された放射のビームの積分強度の逆数に対応する。このことは、像面内に位置することができ、従って、遠隔中心性の問題を導入せず、かつ、散乱光又はスリットの問題もない特定の放射のビームに対する強度補正のためのフィルタを提供する方法を提供する。さらに、このようなフィルタは非常に高い品質を備えて、かつ、非常に低い費用で作成することができ、かつ、高い温度安定性を有する。
本発明の他の態様において、表面及び反射防止コーティングを持つ基板を含むフィルタが提供され、上記反射防止コーティングはフィルタの中心部分に存在し、かつ、上記反射防止コーティングは上記表面の残りの部分にはなく、フィルタの上記中心部分は長手方向においてフィルタの1つのエッジからフィルタの反対側のエッジに延長し、かつ、上記長手方向における長さ及び長手方向に垂直な方向における幅を有し、上記幅は上記長さに対して変化し、フィルタの上記中心部分は所定のタイプの放射に対して少なくとも90%の均一な透過を有し、上記残りの部分はフィルタの上記中心部分の透過より低い透過を有する。
このフィルタは、放射のビームの外にフィルタを取り除かずに、さらに、ビームに影響を及ぼさずに、ビームのプロフィルを測定する可能性を可能にする。ビームプロフィルを測定するとき、小さな測定プローブは走査方向と垂直な方向においてビームを通過させる。各位置において、強度が測定される。この測定された強度は、フィルタによる非常に小さいが均一な吸収を別にすれば、フィルタの不在の際の真のビームプロフィルを正確に表している。
残りの部分の透過は実質的に均一とすることができる。このことは、特にフィルタが像面内又はその近くにある場合に、局所強度に対する制御を提供する。
少なくとも90%の均一な透過は、使用されている放射に依存する。多くのタイプ、特により長い波長の放射の場合、多層コーティングされた石英フィルタに対する透過ははるかに大きく、例えば99%を超えるものとすることができる。いずれの場合でも、透過は大きく、かつ、均一である一方、コーティングされていない部分では、透過はより小さい。
フィルタの中心部分は、所定のタイプの放射に対して少なくとも98%の均一な透過を有することができ、上記残りの部分は、フィルタの上記中心部分の透過より小さい実質的に均一な透過を有し、従って、上述の長所の好ましい組み合わせを提供する。
フィルタの実施例において、フィルタの中心部分は上記長手方向に平行な対称の軸を持つ形状を有する。これは、例えば遠隔中心性の問題を防止するために望ましい、対称な強度補正を提供する。
本発明の1つの態様において、本発明によるフィルタを製作するための方法が提供され、この方法は以下のステップを含む:
・表面を有し、かつ、所定のタイプの放射に対して少なくとも90%の透過を有する基板を設けるステップと、
・除去可能な材料を表面上に、フィルタの中心部分が上記除去可能な材料がないように保たれる一方、残りの部分が除去可能な材料で覆われるように塗布するステップであって、フィルタの上記中心部分は長手方向において基板の1つのエッジから基板の反対側のエッジに延長し、上記長手方向における長さ及び長手方向に垂直な方向における幅を有し、上記幅は上記長さに沿った位置の所定の関数として上記長さに対して変化するステップと、
・除去可能な材料と表面の残りの部分の双方を覆って反射防止コーティングを塗布するステップと、
・上記除去可能な材料を覆って塗布されている反射防止コーティングの全てとともに、除去可能な材料を除去するステップ。
除去可能な材料は、例えば所望の形状に切り出されたシート又は箔とすることができる。この形状は、ビームプロフィルの測定値に基づいて決定することができる。所望の強度からの逸脱は、コーティングされていない表面の対応部分をビーム内に延長させることにより、フィルタにより補正することができる。これは、もしフィルタが像面に設置されていれば、一対一対応とすることができる。もしフィルタが像面の外に設置されていれば、フィルタの形状は、像面又は一般に照射される表面の高さにおけるその形状の投影の効果に基づいて算出することができる。この算出は、フィルタの高さに対する像面の高さにおける所望の強度補正の畳み込みを行なうことにより行なうことができる。
フィルタは両面をコーティングすることができる。なぜなら、このことがコーティングされた部分の透過を最大化する傾向にあるからである。そのため、2つのコーティングされた部分の各々の幅はそれに従って適合することができる。ほとんどの場合、幅の変化の平均値に対して幅の変化を半分にすることは役に立つ。
本発明の態様は、均一の強度分布を持つ放射のビームを提供するように構成され、放射光源、上記放射を放射のビームに集光するように構成された集光器、及び、本発明による光減衰器デバイスを含む放射システムを提供する。従って、ビームを供給する光源又は放射と本発明による光減衰器デバイスの組み合わせを提供することにより、光減衰器デバイスは光源により供給されるビームの特定の特性に対して最適に調整することができる。にもかかわらず、本発明による光減衰器デバイスのみを備えた装置を提供することも可能であり、ビームは外部光源から、例えばミラーなどの手段により供給される。本発明によるいかなる、及び、全ての光減衰器デバイスも、このようなデバイスにおいて使用することができる一方、3つ以上の光減衰器デバイスのいかなる組み合わせも可能であることに留意されたい。
上記において、光源は所望の放射を供給するいかなる種類の光源、例えば、水銀ランプ、エキシマ・ランプなどとすることができる。集光器は1つ又は複数の適するレンズ、ミラーなどを含むことができる。特に、レーザも光源/集光器の組み合わせに含まれると考えることができる。ここで、レーザ光を発する媒体は放射光源と考えられ、レーザ・ミラーは集光器と考えられる。なぜなら、これらはビームを供給するからである。
本発明の態様において、放射システムは、放射のビーム内に配列された複数のファセットを含む視野ファセット・ミラーをさらに含み、各ファセットは、反射部分ビームの少なくとも2つが視野ファセット・ミラーから所定の距離において重なり合うように、上記反射部分ビームとして放射のビームの一部を反射するように構成され、光減衰器要素は集光器と視野ファセット・ミラーの間に少なくとも1つのロッドを含み、ロッドは放射のビームに対して非平行な方向に延長する。
この配列は所謂極紫外線装置において有用であり、光源は非常に短い波長、例えば15nmを供給する光源、例えばプラズマ光源である。これらの波長の場合、レンズを提供できる知られている透明材料はない。そのため、放射をビームに整形することは、意図されたビーム方向の反対側に位置された放物面鏡又はビームの横に位置された多くの同心円曲面鏡などの反射器の手段により行なわれる。
このような光源/集光器の組み合わせのビームは、本来的に、非常に均一というわけではない。さらに、熱負荷、機械的応力などのために、ミラーは僅かに非同心円になるか、脱焦などすることがある。しばしば、反射された部分ビームの2つ又は好ましくは3つ以上が所定の距離において重なり合うように進行するように配列された多くの視野ファセットにより入射放射のビームが反射されるように配列された視野ファセット・ミラーが使用されている。元のビームの、及び、従って、部分ビームのいかなる不均一性も、個々の強度が合算されるためにぼかし消される。
ロッドは、必ずしも真っ直ぐではないいずれの延長構造とすることもできるが、しばしば、かつ、好ましくは真っ直ぐな棒状構造である。ロッドの影は、集光器と視野ファセット・ミラーの間にロッドを設置することにより、及び、ロッドのサイズ、向きなどに依存して1つ又は複数の視野ファセット上に投げかけられ、従って、放射の一部を取り除く。影の正確な位置はファセットごとに変化し、いくつかのファセット上には影が全くなくなる。個々の影は合算され、ぼかし消されるが、正味の強度補正は存在する。
ロッドの数は特に限定されていず、ただの1つでも、2つ又は3つ以上のロッドとすることもできる。
少なくとも1つのロッドは、放射のビームの方向に実質的に平行に延長し、ロッドを横切る軸の周りで第1のロッド回転器の手段により回転可能とすることができる。回転可能なロッドは、ファセット上の影の位置、従って、全体的強度補正の特定の形状を変化できるという長所を提供する。
少なくとも1つのロッドはロッドの長さにわたって変化する断面のプロフィルとすることができる。ロッドの変化する断面プロフィルは、影の幅、及び、そのため、ビームから取り出される放射の量がロッドを、例えば、平行な形で移動することにより、又は、回転することにより、動かすことにより変化させることができるという可能性を提供する。
本発明による放射システムの特定の実施例において、ロッドの長さにわたって変化する断面プロフィルを有する少なくとも1つのロッドは、長さの方向に平行なロッドを介して延長する軸の周りで第2のロッド回転器の手段により回転可能である。ロッドが回転されたときに断面プロフィルが異なった有効断面積をビームに対して与え、かつ、従って、放射のビームから異なった量の放射を取り除くように、特に、断面プロフィルは回転対称ではない。
少なくとも1つのロッドは、放射のビームに対してロッドの有効断面積を局所的に変化させるために設計され、かつ、構成された拡張手段を含むことができる。このような拡張手段は、1つ又は複数の回転可能又は延長可能な複数の羽根及びそれらを駆動するためのモータなどの可動部分を含むことができる。他の可能な拡張手段は、膨張可能な空気袋、又は、特定の方向に収縮されたときに少なくとも1つの垂直方向に拡張する部分とすることである。他の拡張手段は除外されず、当業者には考えられる。
特定の実施例において、放射システムは、各々の間の角度を包含する少なくとも2つのロッドを含む。異なった直径を好ましくは有する少なくとも2つのロッドを設けることは、少なくとも2つの異なった方法で強度を修正する可能性を提供する。例えば、比較的大きな補正はビームの大きな部分にわたり必要である一方、ビームのより小さな、より局所的な部分においては追加の補正が所望される。そこで、上記第1の方向において比較的大きな直径を有する第1のロッド及び第2の方向において比較的小さな直径を有する第2のロッドを配列することにより、結果として得られる強度プロフィルは、ただ1つのロッドの場合よりも均一にすることができる。少なくとも1つのロッドを備える実施例の説明において述べた他の特徴、例えば、ロッドの回転可能性、ロッド上又はロッド内に設けられた拡張手段などは、2つ又は3つ以上のロッドに対しても適用することができる。
本発明による光減衰器デバイスは、原則として特定の応用例には限定されない。しかし、応用例の好ましい分野はリソグラフィの分野である。なぜなら、この分野では投影ビームの均一性に関する要求がかなり厳しいからである。しばしば、同様に、遠隔中心性及び楕円性のような特性がこの分野ではある役割を演じている。本発明による光減衰器デバイスは、リソグラフィ装置のための投影ビームの十分に改善された均一性を提供することが可能である。そのため、本発明の他の態様において、リソグラフィ装置が提供され、この装置は以下を含む:
・放射のビームを受光するために配列され、かつ、構成されたビーム受光器と、
・均一な放射のビームを供給するための放射のビーム内に位置された本発明による光減衰器デバイスと、
・パターン形成デバイスを支持するための支持構造であって、パターン形成デバイスは断面にパターンを持つ均一な投影ビームを与えるために機能し、従って、パターン形成されたビームを供給する支持構造と、
基板を保持するための基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分上に投影するための投影システム。
このようなリソグラフィ装置は基板の非常に均一な照射を供給することができる。用語「ビーム受光器」は、外部放射のビームが装置に進入する装置の一部に関連することに留意されたい。このことは、例えばレーザ・ビームを受光するための単純な開口部又はレンズなどに関連することがある。すなわち、この実施例は、放射の内部光源は持たないが、使用される可能な光源に関する大きな柔軟性を持つ装置に関連する。
しかし、本発明は、リソグラフィ装置にも関連し、装置は以下を含む。
・放射の投影ビームを供給するための本発明による放射システムと、
パターン形成デバイスを支持するための支持構造であって、パター形成デバイスは断面にパターンを持つ均一な投影ビームを与えるために機能し、従って、パターン形成されたビームを供給する支持構造と、
基板を保持するための基板テーブルと、
パターン形成されたビームを基板の目標部分上に投影するための投影システム。
この実施例は、内蔵放射光源を備える装置に関し、この実施例において、放射システム及び特に光減衰器デバイスは、放射の光源に対して最適に適合することができる。
上述した装置はステッパなどの全てのリソグラフィ装置を全体的に含む。しかし、有利なリソグラフィ装置において、パターン形成デバイス及び基板テーブルは走査方向において放射のビームに対して可動であり、放射のビームはパターン形成デバイス上に入射領域上に入射し、少なくとも1つの光減衰器要素は入射領域の一部に存在する。この実施例は走査型リソグラフィ装置に関する。このタイプの装置の長所は、1つの点における総強度が積分強度であるということである。なぜなら、ビームは、しばしばパターン形成デバイスである照射される表面を覆うしばしば比較的狭い光束として掃引するからである。このことは、総積分強度が所望の強度となるように、ビームの一部のみにおける強度の補正の可能性を提供する。補正は、例えば掃引の小さな部分における放射のビームの一部の全体的な遮断として構築できる一方、掃引の他の部分は影響を受けない。これらの後者の部分は照射全体に寄与するため、暗点はなくなる。ビームのいかなる掃引もせずに全面照射が1回の「フラッシュ」で行なわれるステッパの場合、放射を全面的に遮断することによる局所補正はこのような暗点を生じさせ、これは望ましくない。
上記の原理は、放射の内部光源は持たないが内部の、すなわち、内蔵の放射光源を持つ(走査型)リソグラフィ装置に当てはまる。
さらなる態様において、本発明はデバイス製造方法を提供し、方法は以下を含む:
・基板を設けるステップと、
・本発明による放射システムを使用した放射の投影ビームを供給するステップと、
・投影ビームにその断面においてパターンを与えるためにパターン形成デバイスを使用するステップと、
・基板の目標部分上に放射の投影ビームを投影するステップ。
本発明による放射システム又はリソグラフィ装置を使用することにより、基板の非常に均一な照射を確実にすることができ、これは、基板に与えられた表面構造物の非常に高い品質をもたらす。このような照射があれば、放射と基板などの照射された物体の間の非常に均一な相互作用を提供することが可能となる。このことは、現在までに可能であった基板の目標部分上に投影された表面構造物より小さな表面構造物を可能にすることができる。加えて、このような照射は、例えば単一の構造物の長さに対する線幅に関してだけでなく、照射された表面の全てにわたる線幅などの構造物の一様性の双方に関して、基板上に作成された表面構造物の均一性を改善する。このことは、「限界寸法」均一性又はCD均一性と呼ばれることがある。
本発明は上記に説明された。以下、当業者が本発明をより良く理解するために役立つ背景情報を与える。しかし、上記情報は本発明を限定するとは理解されるものではない。
リソグラフィ装置は基板の目標部分上に所望のパターンを施す装置である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その状況において、マスクなどのパターン形成デバイスは、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成するために使用することができ、このパターンは、感放射線性材料(レジスト)の層を有する基板(例えば、シリコン・ウェハ)上の目標部分(例えば、ダイの一部又は1つ若しくは数個のダイ)上に画像形成することができる。一般に、単一の基板は連続的に露光される隣接する目標部分のネットワークを含む。知られているリソグラフィ装置は、各目標部分が、その目標部分上に1回の露光操作でパターン全体を露光することにより照射を受ける所謂ステッパ、及び、各目標部分が、特定の方向(「走査方向」と称する)において投影ビームを介してパターンを走査することにより照射を受ける一方、これと同期して、この方向と平行又は逆平行に基板を走査する所謂スキャナを含む。
本明細書において、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を具体的に参照することがあるが、本明細書において説明されているリソグラフィ装置は、集積光学系、磁区メモリのための誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの他の応用例も有することができることを理解されたい。当業者は、このような代案応用例の状況において、本明細書における用語「ウェハ」又は「ダイ」のいかなる使用も、より一般的な用語「基板」又は「目標部分」とそれぞれと同義語として考えてよいことを理解されたい。さらに、本明細書において言及している基板は、露光の前又は後に、例えばトラック(典型的に、基板にレジストを塗布し、露光されたレジストを現像する手段)、又は、度量衡若しくは検査の手段において処理することができる。適用される場合は、本明細書の開示内容がそのような、及び、他の基板処理手段に適用することができる。
本明細書において使用されている用語「放射」及び「ビーム」は、(例えば、365、248、193、157、又は、126nmの波長を有する)紫外線(UV)放射及び(例えば、5から20nmの範囲の波長を有する)極紫外線(EUV)放射、並びに、イオン・ビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを含む全てのタイプの電磁放射を包含する。
本明細書において使用されている用語「パターン形成デバイス」は、基板の目標部分にパターンを作成するために、投影ビームに、その断面においてパターンを与えるために使用することができる構造を指すとして広く解釈されるべきである。投影ビームに与えられたパターンは、基板の目標部分における所望のパターンに正確に対応することはできないことに留意されたい。一般に、投影ビームに与えられたパターンは、集積回路などの目標部分に作成されているデバイスにおける特定の機能層に対応する。
パターン形成デバイスは透過性又は反射性とすることができる。パターン形成デバイスの例は、マスク、プログラム可能なミラー・アレイ、及び、プログラム可能なLCDパネルを含む。マスクはリソグラフィではよく知られており、バイナリ、レベンソン型位相シフト、及び、ハーフトーン型位相シフトなどのマスク・タイプ、並びに、様々なハイブリッドマスク・タイプを含む。プログラム可能なミラー・アレイの例は、小さなミラーのマトリクス配列を採用し、その各々は、反射されたビームがパターン形成される方法で、入来放射のビームを異なった方向に反射するために個別に傾斜させることができる。パターン形成デバイスの各実施例において、支持構造は、例えばフレーム又はテーブルとすることができ、これは、必要に応じて固定又は可動とすることができ、パターン形成デバイスが、例えば投影システムに対して、所望の位置にあることを確実することができる。本明細書における用語「レチクル」又は「マスク」のいかなる使用も、より一般的な用語「パターン形成デバイス」と同義語と考えることができる。
本明細書おいて使用されている用語「投影システム」は、例えば使用されている露光放射に対して、又は、液浸媒体の使用又は真空の使用などの他の要因に対して適切である屈折光学系、反射光学系、及び、反射屈折光学系を含む様々なタイプの投影システムを包含するとして広く解釈されるべきである。本明細書における用語「レンズ」のいかなる使用も、より一般的な用語「投影システム」と同義語として考えることができる。
光減衰器デバイスは、放射の投影ビームを差し向け、整形、又は、制御するための屈折性、反射性、及び、屈折反射性の光学的構成部分を含む様々なタイプの光学的構成部分も包含することができ、そのような構成部分はまとめて、又は、単独で以下に「レンズ」とも呼ぶことができる。
リソグラフィ装置は、2つ(二連ステージ)又は3つ以上の基板テーブル(及び/又は、2つ以上のマスク・テーブル)を有するタイプのものとすることができる。このような「多ステージ」装置において、追加のステージが平行して使用できるか、又は、準備ステップを1つ又は複数のテーブル上で行なうことができる一方で、1つ又は複数の他のテーブルが露光のために使用されている。
リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するために比較的高い屈折率を有する液体、例えば水に基板が浸されているタイプのものとすることもできる。浸漬液体は、リソグラフィ装置における他の、例えばマスクと投影システムの最初の要素の間の空間に対して適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増大するために当技術分野ではよく知られている。
対応する参照記号が対応する部分を示す添付の模式的図面を参照して、例としてのみにより、本発明の実施例を説明する。
ここで与えられる一般的な注意事項は、図面が光減衰器デバイス又は照射システムを図示していると言われるとき、図面は、時々、本発明による光減衰器デバイス又は照射システムにおいて使用される光減衰器要素に限定されるということである。しかし、そのとき、光減衰器デバイス又は照射システムは放射光源及びビーム整形手段などの部分で補われることを理解されたい。
図1a及びbは、それぞれ反射性光学機器と透過性光学機器を備えた本発明の実施例によるリソグラフィ装置を模式的に示す。
図1aは本発明の特定の実施例によるリソグラフィ装置を模式的に示す。装置は以下を含む。
・放射(例えば、UV又はEUV放射)ビーム4を供給するための放射光源1及び光減衰器要素3を備えた照射システム(照射器)2と、
パターン形成デバイス(例えば、マスク)5を支持するため、かつ、物品10に対してパターン形成デバイスを正確に位置決めするための第1の位置決め手段8に接続された第1の支持構造(例えば、マスク・テーブル)7と、
基板(例えば、レジストがコーティングされたウェハ)11を保持するため、かつ、物品10に対して基板を正確に位置決めするための第2の位置決め手段13に接続された基板テーブル(例えば、ウェハ・テーブル)12と、
基板11の目標部分(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上にパターン形成デバイス5により投影ビーム4に与えられたパターンを画像形成するための投影システム(例えば、反射性投影レンズ)10。
ここに示すように、装置は(例えば、反射性マスク又は上記に言及したタイプのプログラム可能なミラー・アレイを採用した)反射性タイプのものである。代案として、装置は(例えば、透過性マスクを採用した)透過性タイプのものとすることもできる。図1bを参照されたい。
照射器2は放射光源1から放射のビームを受光する。例えば光源がプラズマ放電光源であるとき、光源及びリソグラフィ装置は別個のものとすることができる。このような場合、光源はリソグラフィ装置の一部を形成するとは考えられず、放射のビームは、例えば適する集光ミラー及び/又はスペクトル純化フィルタなどを含む放射集光器の支援を得て光源1から照射器2に全体として通過される。他の場合、光源は、例えばこれが水銀ランプであるとき、装置の一体化された部分とすることができる。光源1及び照射器2は「放射システム」と呼ぶことができる。
照射器2はビームの角度に関する強度分布を調整するための調整可能な光学要素を含むことができる。一般に、照射器のひとみ面における強度分布の少なくとも外部及び/又は内部径方向範囲(それぞれ、一般に外部σと内部σと呼ばれる)は調整できる。照射器は、光減衰器要素3の手段により修正かつ改善することができる断面における特定の均一性及び強度分布を有する、投影ビーム4と呼ばれる調整された放射のビームを供給する。光減衰器要素3は照射システム2に一体化することができるが、例えば現在の照射システムに組み込むための独立した部分とすることもできることに留意されたい。これが図1a及び1bにおいて独立した部分として示されているのは明確さのためのみである。
投影ビーム4は、マスク・テーブル7上に保持されたマスク5上に入射する。マスク5により反射されることにより、投影ビーム4はパターン形成された投影ビーム6となり、レンズ10を通過し、レンズ10は基板11の目標部分上にビームを合焦させる。第2の位置決め手段13及び位置センサ14(例えば、干渉分析デバイス)の支援を得て、例えば異なった目標部分をビーム4の経路中に位置決めするために、基板テーブル12は正確に移動することができる。同様に、第1の位置決め手段8及び位置センサ9は、例えばマスク・ライブラリからの機械的な取り出しの後又は走査中に、ビーム4の経路に対してマスク5を正確に位置決めするために使用することができる。一般に、物体テーブル7及び12の移動は、位置決め手段8及び13の一部を形成する長ストローク・モジュール(粗動位置決め)及び短ストローク・モジュール(微動位置決め)の支援を得て実現される。しかし、(スキャナに対立するものとして)ステッパの場合、マスク・テーブル7は短ストローク・アクチュエータのみに接続することができるか、又は、固定することができる。マスク5及び基板11は、マスク位置合わせマーク及び基板位置合わせマークを使用して位置合わせすることができる。
示す装置は以下の好ましいモードにおいて使用することができる。
1.ステップ・モードにおいて、マスク・テーブル7及び基板テーブル12は基本的に静止に保たれる一方、投影ビームに与えられたパターン全体は1回の露光操作で目標部分上に投影される(すなわち、単一の静止露光)。続いて、基板テーブル12はX及び/又はYの方向に移動され、異なった目標部分を露光することができる。ステップ・モードにおいて、露光視野の最大サイズは、単一の静止露光において画像形成された目標部分のサイズを制限する。
2.走査モードにおいて、マスク・テーブル7及び基板テーブル12は同期されて走査される一方、投影ビームに与えられたパターンは目標部分上に投影される(すなわち、単一の動的露光)。マスク・テーブル7を基準とした基板テーブル12の速度及び方向は投影システム10の拡大(縮小)及び画像反転の機能により決定される。走査モードにおいて、露光視野の最大サイズは、単一の動的露光における目標部分の(非走査方向における)幅を制限するのに対し、走査の動きの長さは目標部分の(走査方向における)高さを決定する。
3.他のモードにおいて、マスク・テーブル7は基本的に静止に保たれ、プログラム可能なパターン形成デバイスを保持し、基板テーブル12は移動又は走査される一方、投影ビームに与えられたパターンは目標部分に投影される。このモードにおいては、一般に、パルスになった放射光源が採用され、プログラム可能なパターン形成デバイスは基板テーブル12の各移動の後に、又は、走査中の連続放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上記に言及したタイプのプログラム可能なミラー・アレイなどのプログラム可能なパターン形成デバイスを利用するマスクレス・リソグラフィにそのまま適用することができる。
上述の使用モードに対する組み合わせ及び/又は改変、又は、完全に異なった使用モードも採用することができる。
図1bにおいて、残りの応用例にあるように、同じ部分は同じ参照番号により示されている。
特に、ここに示すように、装置は(例えば、透過性マスクを採用する)透過性タイプのものである。
照射器2は放射光源1から放射のビームを受光する。光源及びリソグラフィ装置は、例えば光源がエキシマ・レーザであるとき、独立したものとすることができる。このような場合、光源はリソグラフィ装置の一部を形成するとは考えられず、放射のビームは、適する差し向けミラー及び/又はビーム拡張器を例えば含むビーム送達システム15の支援を得て光源1から照射器2に通過される。他の場合において、光源は、例えば光源が水銀ランプであるとき、装置の一体化された部分とすることができる。光源1及び照射器2は、必要であればビーム送達システム15とともに、放射システムと呼ぶことができる。
照射器2はビームの角度に関する強度分布を調整するための調整可能な光学要素16を含むことができる。一般に、照射器のひとみ面における強度分布の少なくとも外部及び/又は内部径方向範囲(それぞれ、一般に外部σと内部σと呼ばれる)は調整できる。加えて、照射器2は、インテグレータ17及びコンデンサ18などの様々な他の構成部分を一般に含む。照射器は断面において所望の一様性及び強度分布を有する投影ビーム4と呼ばれる調整された放射のビームを供給する。
図1a及び1bは全体図であり、本発明による照射システムの可能な応用例のいつくかを示すためにのみ使用される。例えばパターン形成デバイス5の後に、すなわち、パターン形成されたビーム6内に、各光減衰器要素3を異なった位置に収容することは可能であることに留意されたい。この場合、パターン形成されたビームの強度分布に対する各影響がパターン形成されたビームにおけるパターンに対して対応する影響を有するが、これが除外されないことは考慮しなければならない。
図2は本発明による照射システムのための光減衰器要素の第1の実施例を模式的に示す。同図において、20は光減衰器要素の番号を示し、その各々は共通のエッジ23において互いに接続された2つのシート21及び22からなる。各光減衰器要素は2つのワイヤ24a及び24bの手段により吊り下げられている。
光減衰器要素20は、矢印により示された方向に沿って進行する放射のビーム25内に配列されている。
光減衰器要素は共通エッジ23と一致する軸の周りで可動となるように構成されている。この動きを達成するための手段は、図3a及び3bに関して考察する。吊り下げの手段は堅固なシャフトなどにすることもできる。強度分布に影響を及ぼさないために、ビーム25に対して小さな断面積のみを与える吊り下げ具を使用することが好ましい。他の実施例において、吊り下げ手段はビーム25の方向に延長する。このことは、シート21及び22を駆動するための(図示しない)モータなどに今度は接続することができる、2つのシート21及び22間のワイヤ、軸などの手段により達成することができる。もし可能に大きな断面積を備えたそれらのモータ手段及び他の部分が合焦位置から大幅に外れて位置することが保証されるなら、この配列は強度分布に対する問題を提起する必要がない。同図において、要素20が実質的にビームの局所的焦点に位置するか、又は、モータ手段よりもその焦点に少なくとも近く位置することが想定される。
光減衰器要素20はビーム25に平行に配列されて示されている。このことは、強度の補正が必要ない場合に、要素20のシート21及び22がビームに単純に平行に配列されているという長所を提供する。要素20は他の方法、例えばビームとの角度を持って配列することも可能であり、その角度は各要素20に対して異なってよい。このことは、もし特定のオフセット又は標準補正が必要であれば有用となることがあり、この標準補正に対しては、軸の周りで要素を動かすことにより、又は、さもなくば、ビーム25に要素20が与える有効断面積を変化させるように要素20を変形させることにより変更を加えることができる。
要素20は実質的にV字型の配列で示す。いかなる他の有用な配列も同様に可能であり、その場合、全ての要素20がビーム25の中心部分に存在する配列が有利である。特に、全ての要素が例えばビーム25の中心線に沿って整列されている線形配列が多くの場合で有用である。他の場合、多くのEUVリソグラフィ・システムにおける場合のように、ビーム自体は矩形ではない。それらの場合、要素がビームの中心線内に、又は、より詳細には中心曲線内にあるように、要素を配列することが有利である。
図3a及びbは、図2の光減衰器要素を作動する方法を示す。光減衰器要素20は共通のエッジ23において接続されている2つのシート21及び22から構成されている。要素20は2つの電気ワイヤ24a及び24bから吊り下げられている。放射のビーム25が存在する。電源は26により示されている。
要素20のシート21及び22は電気的に伝導性の材料を含む柔軟な材料から作られている。シートは、例えば金属箔から、又は、電気的に伝導性の箔又は塗料などでコーティングされたプラスチック材料で作ることができる。コーティングはシートの表面の一部上に、及び、シートの1つ又は両方の側面上に存在することができる。
電源26は電荷を供給することが可能であり、しばしば電流源又は電圧源のいずれかを含む。有利に、調整可能な電荷が電気ワイヤ24a及び/又は24bを介してシート21及び22に供給できるように、電源26は調整可能である。同じ又は追加のワイヤの手段により電荷がシートから排出されることが可能であることに留意されたい。
図3aにおいて、電源26は、シート21及び22上に電荷が存在しないように調整されている。このことは、(図示しない)スイッチを開放すること、及び、いかなる可能に存在する電荷も排出すること、又は、単に電源26を低い又はゼロの電圧に設定することにより達成することができる。シート21及び22上にいかなる電荷も存在しなければ、相互に反発する力はなくなり、双方のシートは互いに隣接し、矢印により示されるように、ビーム25に最小の断面積を与える。
図3bにおいて、電源は何らかのゼロではない、高い値に設定されており、その結果、ゼロではない電荷がシート21及び22上に存在する。この電荷はシート21及び22を互いに反発させ、これが、シートの曲がり若しくは他の変形、又は、共通の側面23の周りでの両シートの回転をもたらす。いずれの場合でも、ビーム25に与えられる要素20の断面積は現在増加しており、要素はより多くの放射を吸収又は散乱する。電源26の手段により電荷を選択的に調整することにより、ビーム25から取り除かれる放射の量を変化させることが可能である。
図4a及び4bは、本発明の第2の実施例による照射システムのそれぞれ側面断面図及び前面図を模式的に示す。
同図において、28は基板5に当たる投影ビーム4を供給する照射レンズを示す。リボンは30により示され、31及び32は2つのリールを示す。
リボン30は投影ビーム4内に設けられ、ビームの寸法に関したリボンの相対寸法によっては、ビーム4から放射の一部を取り去る。ほとんどの場合でビーム4の寸法が固定されているため、各々が異なる寸法、すなわち、幅を有する異なった部分をリボンが有することは可能である。より一般的に、リボンは異なった幅プロフィルを有する複数の区間を有する。なぜなら、幅はリボンの長さにわたって一定である必要がないからである。
リボンの異なった区間は、リボン30が巻かれている2つのリール31及び32の手段により選択し、ビーム内に置くことができる。続いて、(図示しない)リール駆動器は、リボンの所望の区間がビーム内に位置するように、リールを回転させるために使用することができる。当技術分野で知られているいかなる種類のリール駆動器も使用することができるが、しばしば、リールの軸に結合されているモータが使用される。
ビームに関したリボン全体の位置も調整可能である。これに対して、リボン30に垂直な方向において、ビームに対して1つのリール又は両方のリールの位置を移動させるために、第2のリール駆動手段を採用することができる。もし両方のリールが移動させられたなら、これは、リボンが、それ自体に対して平行に移動させられるように等しい距離にわたって行なうことができる。両方のリールが異なった距離にわたって若しくは逆方向に移動された場合、又は、もし1つのリールのみが移動されたなら、リボンの向きも変化する可能性がある。静止照射の場合、このことはビームの異なった部分を減衰させる可能性を提供する。
リボンを配列する位置は様々な可能な場所から選択することができる。このことは、リボンを使用して可能である小さな寸法に関する。すなわち、原則として、空間の要件を決定するのはリボンの厚さであるということである。もしビームの隣にさほど大きくない空間があれば、リボンをビームの寸法だけより大きな距離にわたらせること、及び、リールのために十分な空間がある位置においてより大きな距離にリールを位置させることは可能である。例えばリソグラフィ装置において、図4a、bに示すように照射レンズ28の真下にではないが、例えばいずれの他の像面にも近づけて、リボンを位置させることは可能である。
リボンの厚さはリボンの材料の機械的特性から独立して選択することができる。例えば、もしコーティングされているか、若しくは、されていない適するプラスチック、又は、金属がリボン材料のために選択されたなら、0.02と1mmの間の厚さが適する。リボンの厚さはビーム4の幅及び遮断されるべき放射の量に依存する。例えば、もし最大値10%が遮断されることになり、かつ、ビーム4の幅が10mmであれば、リボン30の最大幅は1mmとすべきである。リボン30の長さは所望の幅プロフィルの数に依存し、かつ、リボンが延長する方向におけるビーム30の寸法と少なくとも同じ長さとなる。例えば、もしビームが30×10mmの断面寸法を有し、リボンは長い方の寸法に延長し、かつ、10の異なったリボンプロフィルを有することが所望されるなら、リボンは少なくとも300mmの長さとすべきである。
放射を遮断する方法は、リボン自体の材料の方法により放射を遮断することによるか、又は、リボン上に存在するコーティングの方法によるとすることができる。第1の可能性は最も単純であり、かつ、吸収性コーティングを備えた透明プラスチックのリボンが耐えられるよりも短い波長の放射に耐えることができる総金属製リボンの使用を可能にする。しかし、コーティング、例えば金属コーティング若しくは塗料を備えた、又は、リボンの材料中に局所的に施された吸収体を備えた透明プラスチックのリボンは、完全に透過性であるリボンの区間を有することが可能であるという長所を提供する。このことは補正が必要ない場合に有用である。
上記の場合、リボンの向きはビームに実質的に垂直な平面内にある。しかし、ビームに平行かつビームの中心線に平行な平面内にリボンを配向することも可能である。図4bにおいて、これは紙の平面となる。勿論、従って、リールの位置はこれに従って適合される。この場合、遮断される放射の量を決定するのはリボンの幅ではなく、厚さである。放射の比較的小さな量のみが遮断される必要のある場合、この可能性はその量に対する非常に良好な制御を可能にし、リボンの比較的精密かつ頑健な構成の可能性も提供する。なぜなら、リボンの強度及び他の機械的特性は、リボンの吸収特性には影響を及ぼさずに自由に選択することができるリボンの幅により有益に影響を受けるからである。
代案として、例えば非常に厳密な空間要件がある場合、リボン30の代わりにワイヤを使用することが可能である。ここで、ワイヤの厚さは吸収される放射の量を決定する。ワイヤはリール又はスプール上に巻くことができる。
図5a及び5bは、本発明による照射システム2つの修正された第2の実施例を模式的に示す。
図5aにおいて、30は2つのリール31及び32上に巻かれたリボンを再び示す。インテグレータロッドは33により示されている。この図5aは透過性照射システムの場合におけるリボン30に対する代案となる位置を示す。それでも他の位置、例えばEUVリソグラフィ装置における、例えば反射光学系におけるミラーの前などが可能であることに留意されたい。
図5bはダブル・リボン・システムを示し、このシステムにおいて、34は2つのリール35及び36上に巻かれた第2のリボンを示す。
2つのリボンの存在は少ない量(長さ)のリボンを使用したより多くの異なった補正を可能にする。なぜなら、総補正を決定するのは2つの補正の組み合わせであるからである。総補正は、照射システムのビーム強度における勾配の補正のための2つのリボンの1つを使用することにより得ることができ、これは、線形的に増加する幅(又は、厚さ)を示すビーム30により示されている。他方のリボン34はリボン34の不規則な幅/厚さにより示されるようなランダムな変化を補正するために使用することができる。
2つのリボン30及び34は、両者が放射のビームの中心部分において延長し、かつ、好ましくは横並びの形で配列することができる。
図6は本発明による照射システムの第2の実施例における使用のためのリボンの3つの幅/厚さのプロフィルを示す。
最も右にあるプロフィルは線形的に増加する寸法を示し、これは、例えばビームの勾配を補正するために使用することができる。他の2つのプロフィルは不規則であり、ビームの強度プロフィルのランダムな変化の補正のために使用することができる。
図7は本発明による照射システムの第3の実施例の側面図を示す。図19aからcはこの実施例がどのようにして機能するかを示す模式的前面図である。
同図において、40は放射光源を示し、41は多くの同心反射器42を含む集光器である。光減衰器要素は43により示されている。
視野ファセット・ミラーは44により示され、この場合、表面45上に4つの部分ビームを投げかける4つのファセット44aから44dを有する。
図7において、本発明による照射システムにおける光減衰器要素のための可能な位置が示されている。この特定の放射システムは、例えば約13.5nmの波長を有するEUV放射の光源40を含むEUVリソグラフィ・システムにおいて採用することができる。この波長に対して、透過性光学機器を作成するために十分な透過を有する知られている材料は存在しない。従って、いかなる必要なレンズ作用も、模式的に示されている配列の手段、すなわち、多くの同心ミラー42を含む集光器41が使用されている手段により得られる。ミラー42は、ビーム4の光線が収束するようにそれらの光線を反射できる形状を有する。例えば多かれ少なかれ狭い放射のビームを得るために、1つの方向においてのみレンズ作用を、又は、2つの方向において異なったレンズ作用を提供することが可能であることに留意されたい。
ビーム4は4つの視野ファセットを有する視野ファセット・ミラー44に入射する。実際には、この数は(はるかに)より多くなる。あらゆるファセットは部分ビームを反射する。必ずしも全てではないが、多くのこれらの部分ビームは、例えばパターン形成デバイス又は他のミラーなどとすることができる表面45の位置において、視野ファセット・ミラー44の特定の距離において重なり合わされる。
本発明によるいずれの適切な実施例の光減衰器要素43も、集光器41の出口端の近くに位置される。このことは、減衰器要素43の位置及び遮断作用に対して精密な制御を可能にし、かつ、放射強度が比較的小さいというさらなる長所を有する。そのため、減衰器要素43にかかる放射負荷も比較的小さく、かつ、加熱などを介した減衰器要素の材料に対する劣化効果も十分制御可能である。
光減衰器要素の効果に対して、我々は、今、この実施例の前面図を示す図19aからcを参照する。図19aはロッド43の後で集光器41を出射する際の強度分布を示し、図19bは視野ファセット・ミラーの前面図を示す一方、図19cは視野ファセット・ミラー上の強度分布を示す。
図19aにおいて、同心ミラー42のための吊り下げシステムの影、並びに、集光器の形状及び構成を反映する同心のより明るい、及び、より暗い領域を識別することができる。さらに、2つのロッド43a及び43bの影が示されている。
図19bは、例えば所望の放射のビームのアスペクト比を有する多数のファセット44aからなる視野ファセット・ミラー44を示す。水平軸はファセットにより覆われてはいないことに留意されたい。なぜなら、集光器ミラー吊り下げ具からの陰のみがあるからである。多数の視野ファセットは、それらのファセットから反射された部分ビームが、例えばパターン形成デバイスの高さにおいて、重なり合うように届くように差し向けられる。
図19cは、縦列になったファセット・ミラー44上へロッド43を通過したビーム4の実際の強度分布を示す。
ロッド43の影はある数のファセット上にのみ投げかけられる。この数の半分はfを介して44aにより示される。影は各ファセットの最も右の部分においてのみ投げかけられていることに留意されたい。ミラーの左側で、これは最も左の部分に対応する。全部で、全てのファセットが重なり合わされたとき、正味の結果は、結果として得られる放射のビームの最も外側の部分においてのみ、影があるというものになる。すなわち、ビームの最も外側の部分において、放射の一部が取り除かれるということである。従って、ロッド43を適切に配列することにより、放射の所望の部分を、ビームの中心部分にあっても他の部分にあっても、ビームから取り除くことができる。
図8は図7による実施例の前面図を示す。同図において、41は多くの同心反射器42を有する集光器を再び示す。限定しない数の3つの光減衰器要素ロッドは46、47、及び、48により示されている。局所的拡張手段は49により示されている。ロッドは軸50の周りで回転可能である。
ロッド46から48は、この場合、例えば、紙の平面の外へ、集光器41を介して通過する放射の一部を遮断する。ロッドの寸法、特にロッドが放射のビームに対して与える断面積、及び、ビームに関する向きは、強度分布に対する所望の影響に従って選択することができる。ロッドの断面積寸法は等しい必要はなく、それらの長さにわたって一定である必要もない。例えば、ロッドはビームのエッジの近くよりもビームの中心の近くにおいて細くすることができる。
向きは、例えば矢印により示されているように軸50の周りで1つ又は複数のロッドを回転させることにより、及び、(図示しない)ロッド回転手段により修正することができる。必要であれば、ロッドをビームの中心から移動させることも可能であることがある。
1つ又は複数のロッドには、明確さのために1つのみが示されている1つ又は複数の拡張区間49を設けることができる。このような拡張区間は、遮断される放射の量を増加させるために、ロッドの断面積(又は、厚さ若しくは幅)を局所的に変化させることができる。拡張区間は、膨張可能な部分、延長する又は外に折り曲げることができる部分、ロッドの長手軸に沿ってロッドの圧縮又は収縮のもとで拡張できる部分などの上記寸法を増加させるためのいずれの知られている機構も含むことができる。1つ又は複数のロッドにわたって分布している個々の拡張区間を制御することにより、微細に制御された形で放射のビームの強度分布を修正することが可能となる。
3つのロッドが示されているが、1つ若しくは2つ、又は、10などの大きな数などのいずれの数も満足できる結果を与えることができる。いくつかのロッドは平行に延長できる一方、他のロッドは放射状に配列され、軸50を通過している。
図9は図8の第3の実施例のためのロッドの断面図である。
ロッド51は矢印Bにより示されるように長手軸52の周りで回転可能である。放射のビーム4は紙の平面内を進行する。
示すように、ロッド51は、例えば強度分布がロッド51の方向において補正をほとんど必要としないか、又は、補正を全く必要としない場合に、ビーム4に対して最小の断面積を与える。より多くの放射が遮断されるべきであるとき、ロッド51が異なった断面積を与えるように、いずれかの適する回転アクチュエータの手段により軸52の周りでロッド51を回転させることが可能である。例えば、90度を超えて回転させることにより、断面積はより大きくされる。ビームの均一性に対するより良好でさえある制御を与えるために、図8に関して説明されたように、長手軸52の周りでの回転の組み合わせは垂直な軸の周囲の回転と組み合わせることができることに留意されたい。
図10は図8の第3の実施例の代案ロッドの斜視図を与えている。
ロッド53は軸52の周りで回転可能であり、端面54を有し、かつ、腹区間56及び節55を有する。放射のビーム4は示す矢印に沿って紙の平面内を進行する。
ロッド53は強度分布に柔軟に影響を及ぼす他の可能性を示している。示すように、ロッドは、ロッドの長さに沿った局所的変化を示すビーム4に対する断面プロフィルを与える。規則的に交番するように示されてはいるが、腹区間56及び節55はロッド53に沿って不規則に分布することができる。
ロッド53の断面に対する表示である端面54から見られるように、軸52の周りで90度を超えてロッド53を回転させることにより与えることができる、ビーム4に対して垂直な方向から観察されるロッドの寸法は完全に異なるものとすることができる。原則として、このことは図9に関して説明した状況に相当する。しかし、加えて、ロッド53を、垂直な方向と比較したときに節及び腹区間が異なった位置に位置するように整形することは可能である。このことは、ビーム4の均一性に影響を及ぼす、より多くの可能性さえも提供する。
図11は本発明による照射システムの第4の実施例を模式的に示す。
図11において、60は、帯状片駆動手段62に結合されている複数の可動帯状片61を含む光減衰器要素を示し、63は帯状片駆動制御手段を示す。
焦点の合っていない位置における放射のビームの断面は64に、例示的放射円錐65及び66とともに示す。これらはビームの像面67内のそれぞれスポット68及び69に対応する。
照射される表面を横切ってビームが走査する走査型のリソグラフィ装置において、ビームのエッジにおける放射が遮断されるかどうか、又は、ビームの中心部分においてのみ放射が遮断されるかどうかが差をもたらす。ここで、「エッジ」とは、1つの部分は視野の外の複数の点からの、又は、焦点面67からの円錐により寄与されなければならないが、寄与されることができないために円錐が完全ではないビームの部分を意味する。エッジは実際の像面においてはゼロの幅を、かつ、像面67からの距離が増加するとともに増加する幅を有する。
「中心部分」とは、円錐が十分かつ完全な強度分布の他の円錐により周囲全面を取り囲まれているビームの部分を意味する。もし光減衰器要素がエッジの部分においてのみビーム内に延長していれば、ビーム内への位置の移動は特定の方向からの寄与を他の方向に対するよりも大きく変化させる。逆に、光減衰器要素がビームの中心部分にのみ延長していれば、移動は全ての方向の寄与を等しい量で変化させる。
極端な場合、光減衰器要素がビームの極端なエッジ内にのみ移動されたとき、極端なエッジのみの円錐の小さな部分における光線のみが遮断され、そのため、それらの寄与のみが削除される。光減衰器要素をビーム内に少し深く移動させることはそれらの円錐の遮断された部分を増加させる一方、近隣の円錐の小さな部分を削除する。光減衰器要素が円錐の幅の距離にわたってビームのエッジ内に移動された状況になるまで、エッジにおける円錐の対応する半体における光線の寄与は低減され、これはその瞬間まで変化していく。その後、すなわち、中心部分においては、いかなる移動もいずれの方向においても等しい量を取り去る。
様々な方向の相対寄与の変化は、鏡像関係になった影響を得るために、ビームの逆側からビーム内に同様の光減衰器要素を移動することにより補正することができる。今は、ビームの2つの部分、すなわち、2つのエッジが不完全に非対称に放射の円錐を満たしているが、走査方向における積分後に寄与する総放射は対称を示すことに留意されたい。
放射を遮断する、より好ましい方法は、ビームの中心部分からの放射のみを取り除くことである。なぜなら、その際、遮断された点を通過する全ての光線のみがビームから取り除かれ、原則として全てのそれらの光線は1つ又は複数の完全に満たされた円錐と等価となるからである。少なくともいくつかの光線、すなわち、視野64の外にある点から入来する光線が失われるために、エッジにおいては、これらの等価な円錐が完全には満たされないことに留意されたい。
上述したように、1組が放射のビームの各々の側に設置された2組の帯状片を結合することは可能であり、かつ、好ましくさえあることに留意されたい。このことは、ビームが対称な形で調整され、このことが遠隔中心性及び楕円性の問題をより良好にさえ防止するという長所を提供する。
図12a及びbは図11の詳細の代案実施例を示す。
同図において、80は、線83により分割された第1の部分81及び第2の部分82を含む第1の帯状片を示す。第2の帯状片84は帯状片80に隣接して位置し、段状部分85において重なり合っている
帯状片80は、例えば90%の透過を有する第1の部分81を含む一方、第2の部分82は実質的に100%の透過を有することができる。より一般的には、いかなる大きな量の放射も遮断しない、非常に高く実質的に100%の透過を有する1つの部分を有することは有利であるのに対して、他方の部分は、例えば50%と95%の間のいずれかの値のかなり低い透過を有することができる。この他方の部分は放射を遮断するために能動的に機能する。比較的高い透過は、特に金属帯状片などの非透過性帯状片と比較して、強度を十分に低減するために必要な帯状片の面積が大きいことを可能にする。このことは、放射を局所的に遮断するいかなる効果も比較的大きな面積にわたりぼかし消されるために、ビーム内に位置する帯状片の長さが分布においていかなる対称性の問題も引き起こさないために十分大きいことを、今度は確実にする。さらに、もし像面上の1つかつ同じスポットに進行するビームの全ての光線を網羅するために帯状片が十分に幅広いなら、有利となることがある。幅は照射システムの開口数、脱焦の大きさなどに依存する。このことの全ては、楕円性又は遠隔中心性の問題を引き起こさずに、ビームの1つの側の1組の帯状片のみの使用を可能にする。
多くの実際のシステムにおいて、ビームの寸法と比較したとき、上記の理由に対して好ましい帯状片の幅はむしろ大きいために、再びビームなどの実際の寸法などにもよるが、12個などの限られた数の帯状片が使用できる。可能な補正の数を増加させるために、特に1組内の帯状片が他の組内の帯状片に対して互い違いに位置するように、ビームに対して反対側に位置する2組の帯状片を使用することが有利である。このことは、第2の組の帯状片の中間位置の1組の帯状片による補正を可能にする。
段状部分85は隣接する帯状片間のスリットを介した放射の漏れを防止するために設けられている。近隣のスリットの段状部分85が重なり合うように設計されているため、放射は漏出せず、強度に影響を及ぼさない。勿論、相互浸透溝などの放射の漏れを防止する他の方法も可能である。
図13は本発明による照射システムの第5の実施例による光減衰器要素を模式的に示す。
光減衰器要素は第1のミラー90を含み、かつ、いくつかの部分ミラー92、93、及び、94を含む混成第2のミラー91を含む。第2の部分ミラーと第1のミラーの間にはスリット95がある。
部分ミラー92などは、矢印により示すように、第1のミラーと第2のミラーの間に存在するスリット95に垂直な方向において、(図示しない)ミラー・アクチュエータにより第1のミラー90に対して移動することができる。このスリットは、部分ミラーの位置に依存して、1つの第2の部分ミラーから別の部分ミラーに変化する幅を有することができる。スリット95の局所幅は、局所強度分布の所望の補正を可能にするように選択することができる。これは、ミラーにより反射された放射の部分が所望の表面に向けて差し向けられた如くにビーム内に留まる一方、スリットにより透過された部分はビームから取り出されるように、ミラー90及び91を含む光減衰器要素をビーム内に配列することにより達成される。この取り出された放射は、強度分布に対する影響を構成する。スリット95がビームの中心部分に、すなわち、対称の軸に位置するとき、ビームの中心から放射を取り去ることは可能であり、このことが遠隔中心性の問題を防止するために好ましいことに留意されたい。
示す実施例は1片となった第1のミラー90を含むが、混成の第1のミラーを使用することも可能である。このことは、より優れてさえいる対称スリット95を可能にする。第1及び第2のミラー90及び91のための部分ミラーの数は、1(1片となったミラー)と、8と最大40の間の大きな数との間のいずれとすることもできる。システムの複雑さは部分ミラーの数とともに増大し、システムの柔軟性も同様である。
図14は本発明による照射システムの第6の実施例を模式的に示す。
同図において、ビーム4はスリット101を有するミラー100により反射され、端面103を有する可動帯状片102はスリット101を介して投影する。
ミラー100は装置内に既に存在するいずれのミラーとすることもでき、これは余分な反射損失を最小に保つことからEUVシステムの場合に好ましく、又は、追加のミラーとすることもでき、これはビーム4の再差し向けを必要とする可能性がある。ミラーは中心に、又は、ビーム4の少なくとも中心部分にスリット101を有する。2つ以上のスリットが存在することもできることに留意されたい。
いくつかの放射遮断帯状片102はスリット101内に存在する。1つ又は複数のスリットの代わりに、個々の帯状片に対して独立した穴又は開口を使用することも可能である。帯状片の数は示されている数に限定されないが、1つ又は2つなどの小さな数と最大で例えば50のいずれの大きな数の間で変化することができる。10と35の間の数は好ましい。なぜなら、これは、ビーム4の放射を修正するうえでの柔軟性と光減衰器要素の限られた複雑性との良好な混合を与えるためである。
帯状片102は(図示しない)帯状片作動手段によりスリット101を介して1つの方向に可動である。帯状片作動手段は圧電モータなどのいかなる適する手段とすることもできる。好ましくは、帯状片は独立に可動であり、動きの好ましい方向は、矢印Cにより示されるように、ミラーの平面に対して垂直であるが、いずれの他の非平行な方向も同様に可能である。この実施例の大きな長所は、帯状片作動手段がビーム4から離れて対面するミラー100の側に存在することができるということである。このことは、これらの帯状片作動手段が放射のビームに影響を及ぼさないことを確実にする。さらに、これらの手段は空間が利用可能である場所、すなわち、装置の混雑した部分から離れた位置に配列することができる。
帯状片が、ビーム4がミラー100の表面に当たる側でミラー100の平面から突出するとき、帯状片は放射の一部を遮断する。帯状片が平面を介してさらに突出するに従って、より多くの放射が遮断される。スリット及び/又は開口の面積を可能な限り小さく保つことは有利である。このことは、放射の遮断が所望されない場合に、残りのスリット101(又は開口)が可能な限り少ない放射を取り去ることを確実にする。有利には、各帯状片は、放射を反射することが可能な端面103を有する。また、遮断作用が必要ない場合、帯状片の端面103はミラー100の表面と同一平面に、好ましくは端面103とミラー表面が連続した面を形成するように配列することができる。このことは、原則として、放射の100%の反射を可能にする。
用語「帯状片」は、真の、すなわち、小さな厚さ/幅の比を有する帯状片を含むことができるが、反射性端面がより容易に設けられる棒、ロッドなどのいかなる比較的狭い形状でも包含するように意味することに留意されたい。
図15は本発明による照射システムの第7の実施例の光減衰器要素を示す。
同図において、石英板は110により示されるのに対し、111が放射のビームにより照らされる領域を示す一方、112はコーティングを示す。
石英板は遮断コーティングなどのコーティングで覆われている。このコーティングの一部は、部分112を除き取り除かれ、使用される放射に対する大きな透過を有する。取り除かれるコーティングの部分は、光減衰器要素の存在しない強度分布を測定することにより決定することができる。続いて、所望の強度からの逸脱を、取り除かれるコーティングの幅として減衰器要素に、合焦したときには一対一で、又は、減衰器要素の位置に畳み込まれた投影から計算されて、転送することができる。残りの部分112が、石英板上の放射のビームの投影に対応して領域111に位置合わせされることを確実にするために注意を要する。残りの部分112のエッジは放射の所望の部分を遮断するように構成されている。これに対して、残りの部分112は粗いエッジを有し、コーティングが取り除かれた場所では、取り除かれた部分の幅は遮断される(又は、吸収される)放射の量に対応する。好ましくは、上記に考察したように、遠隔中心性及び楕円性の問題を防止するために、コーティングはビームの中心線に対して対称な形で取り除かれる。
代案はビームの中心にのみ遮断コーティングを塗布することであり、このコーティングの幅は遮断される放射の量に再び対応する。
コーティングを取り除く代わりに、所望のプロフィル又は形状を持つ箔を切り出し、その箔で石英板を覆うこと、又は、所望のパターンのいずれかの他の材料を石英板にあてがうことも可能である。次に、コーティングが表面の全てに塗布される。それに続き、箔又は他の元々あてがわれていた材料を取り除くことにより、石英板の一部はコーティングがないままとなる。より良い結果のために、板の両面に箔及びコーティングを施すことが可能である。
板は石英で作成する必要のないことに留意されたい。可視放射に対する通常のガラス、及び、遠UV用応用例のための石英に対する代案としてのいくつかの蛍石など、使用される放射に対して透過性であるいずれの材料も可能である。
このように設けられたフィルタは、原則として、ビーム内のいかなる位置にも、好ましくは像面に近く位置することができる。長所は、フィルタが薄い光減衰器要素となることである。いくつかの同等又は異なったフィルタを組に組み合わせることは可能であり、従って、ビームの強度分布が単純かつ経済的な方法で変更されることを可能にする。
図16は本発明による照射システムの第8の実施例の光減衰器要素の模式的平面図である。
減衰器要素は、それぞれ矢印I及びIIにより示されているように、第1の軸123と第2の軸124の周りで可動であり、かつ、矢印IIIの方向に沿って互いに対して可動でもある第1のプレート120及び第2のプレート121を含む。窓122は放射のビームの意図された投影を示す。
プレート120及び121は透過性フィルタであり、例えばプレートの長さ及び/又は幅に従って変化する透過率を有する。有利に、プレート120の透過率は、プレート121の透過率の変化に対して相補的な意味において変化する。例えば、図中で左から右に進むとき、プレート120の透過率は(線形的、又は、その他で)上昇し、プレート121の透過率は同じ方向において(再び、線形的、又は、その他で)低下する。図中で窓122により示されるように、放射のビームがプレート120及び121の双方を通過するように、2つのプレートを重なり合う形で設けることにより、双方のプレートが放射を減衰させる。このことは、対称な強度分布変化を、しかし、同様に、例えば「勾配」を有する、すなわち、ある方向に線形的に増加している分布も補正するために使用することができる。
例えば、2つのプレート120及び121に互いに相補的に上昇する透過係数を与えることができる(図17を参照)。プレート120及び121をy方向に移動すること、又は、プレート120及び121をビーム(又は、窓122)に対して移動することにより、総透過係数は影響を受けることがあり、このことは、例えばx方向において対称的に変化する強度分布を補正するために機能することもできる。少なくとも相補的な変化を使用することができても、双方のプレートが、線形的に変化する透過係数を有することは必要ないことに留意されたい。さらに、対応する軸123及び124の周りで、1つのプレート又は双方のプレートを回転することにより、例えばx方向において変化する強度分布を補正することができる総透過係数を作成することは可能である。
図17は、1つのフィルタの他のフィルタに関する位置又は変位の関数としての図16の光減衰器要素の結合透過を示す。上記に考察したように、透過係数は、x方向において対称である偏差を示す強度分布を補正する可能性を示す。強度分布における「勾配」は、2つのフィルタの長さに沿った結合透過が図17の線125により表されるように、プレートを回転及び移動することにより補正することができる。
図18は本発明による照射システムの第9の実施例による光減衰器要素の模式的斜視図である。
同図において、130は内部にいくつかのチャネル131を有し、前面132から背面133に流れる透明体である。ダクト134は、媒体供給部制御手段136に接続されている媒体供給部135にチャネルを接続する。
明確さのために2つのダクト134のみを示すが、現実には、各チャネル131にダクト134を設けることができる。
透明体130は使用される放射に対して十分透明である材料から作られている。ほとんどの場合、例えば石英は十分な透過を有するが、他の場合、特定のタイプのガラス又はプラスチックがこの要件を満たす。
透明体130におけるチャネル131は前面132から背面133に流れるように示す。チャネルは開放型チャネルとすることができるが、同様に封止可能なチャネルとすることもでき、後者の場合、チャネルは透明体130内の「空洞」と呼ぶこともできる。チャネル131の形状は特に限定されず、例えば円形の断面を有することもできる。しかし、多くの場合、多かれ少なかれ矩形のチャネル131も満足できる。可能な限り大きな領域に影響を及ぼすことを可能にするために、隣接するチャネル131間に透明体130の可能な限り少ない材料を有することが有利である。チャネル131は、透明体130の全体を覆って存在することができるが、同様に、透明体を通過する放射のビームに関した中心部分などの透明体の所望の部分においてのみ存在することもできる。チャネルの幅は影響を受けるビームの寸法に依存することができる。10mmと200mmの間のビーム幅がしばしば使用されるが、他の幅も除外されない。それらの場合、0.5mmと10mmの間のチャネル幅は5と150の間のチャネルの合理的な数を確実にするのに対して、約8と約50の間の数は、それでも、ビームに影響を及ぼす非常に優れた可能性を提供する一方、複雑さを制限する。チャネルの高さは使用される媒体に従って選択することができる。10分の数ミリの高さが通常十分である。
よく知られているタイプの供給部及び供給部制御器は、プリンタ、特にインク・ジェット・プリンタのためのプリンタ・ヘッド及びインク・カートリッジである。これらは、ノズル及びこれを介したインク流を制御するための技術を含む。このようなプリンタ・ヘッド及びカートリッジ、及び、これらが基づく技術は有利に使用することができる。
チャネルの1つ又は複数は媒体、すなわち、低い又は高い圧力の液体、気体で充填することができる。媒体は、減衰器要素の透過を全体として修正することを可能にするために存在する。なぜなら、媒体は透明体130の材料よりも吸収性を高く、又は、いくつかの場合では吸収性を低くすることができるためである。例はインク又は何らかの着色剤を備えた水、又は、放射の少なくとも幾分かを吸収する気体である。水は超短波放射にまで透明であり、かつ、例えば190nmまで合理的に透明である媒体である。他の液体及び気体、例えば様々な油類も使用することができる。
媒体は恒久的又は一時的に存在することができる。ダクト134及び媒体供給部135の手段によりチャネル131に媒体を供給することが可能であり、この供給は、例えばマイクロ・コンピュータなどの媒体供給制御手段136により制御されている。この供給は、チャネル又は空洞が1つかつ同じタイプの媒体で一定に満たされる1回動作として行なうことができる。例えば強度分布が時間の経過で変化する場合に、要件とは独立に、媒体の供給量及び/又はその透過特性を変化させることも可能である。従って、チャネル131を介して媒体の流量を供給することが可能となり、媒体は前面132若しくは端面133における開口部において、又は、ダクト134を介して、又は、代案として(図示しない)追加の排水ダクトを介してのいずれかで排水することができる。このことは、その量の媒体の、及び、例えば中の吸収性成分の濃度の継続的な更新又は変更を可能にし、透過特性に対する動的な制御を確実にする。これは、各個々のチャネル又は空洞に対して独立して行なうことができる。特定の媒体がその機能を果たした後、その媒体は、チャネル又は空洞131を激しく流し、かつ、新しい媒体を供給することにより新しい媒体により置き換えることができる。
図20aからcは図12に対する代案実施例を示す。
図20aは矢印の方向に可動である5つの要素140を有する光減衰器デバイスの平面図及び側面図を示す。各要素140は実質的に100%の透過を備えた部分141及び例えば90%の透過を備えた部分142を有する。放射のビームの断面はダッシュ線で示す。
大きな透過のため、要素140の寸法は、それでも強度の約1.5%まで及び時々最大10%まで補正できるために十分大きくするべきである。しかし、照射されるべき表面、例えばパターン形成デバイスの高さにおける単一の点に向かって進行する全ての光線を網羅するために要素が十分大きいために、楕円性はない。さらに、ビームのエッジに対する小さな影響(10%の吸収のみ)のために、遠隔中心性の問題は小さい。
側面図は要素間のスリットがそれらの間で光を漏らすことがある場合の5つの要素140を示す。
図20bは図20aの実施例の両面型を示し、(3つのみが示されている)要素140は、示す矢印の方向に同じく可動である要素143の第2の組により重なられている。第2の組の要素143及び第1の組の要素140は反対側に、より透過の小さな部分を有する。このことは対称な減衰器デバイスが得られ、従って、遠隔中心性のリスクをさらに取り除くことを確実にする。さらに、要素は重なり合っているように示されており、従って、要素間での光の漏れを低減する。さらに、複雑さを高めないために、同じ数の要素までで終わるために、要素はより大きな幅とともに示されている。従って、要素の(図示しない)アクチュエータのために利用可能な空間も増大する。代案として、要素の幅は図20aの実施例におけるものと同じになるように選択することができ、強度のより精密な補正を可能にする。
図20cは要素間のスリットによる光の漏れの可能な影響を低減するための他の実施例を示す。同図において、要素140は、この実施例を使用することができるリソグラフィ装置の走査方向Sに対して傾けられている。走査方向は図面に垂直である。要素、及び、従って、スリットが傾けられているため、スリットを介した光のいかなる漏れも非走査方向に広がっていく。
示していないが、同じく傾けられているが、走査方向に対して鏡像関係となる方向に傾けられた第2の組の要素を設けることも可能である。このことは、要素の重なり合いと遠隔中心性を防止する対称な減衰器デバイスの双方を提供し、かつ、要素間のスリットを介した光のいかなる漏れもさらにぼかし消される。このように、この実施例は最適な結果を提供する。
本発明の特定の実施例が上記に説明された一方、本発明が説明されたものの他に実施することができることは理解されよう。特に、透明体が互いに対して回転可能である媒体で満たされたチャネルを持つ2つの透明体などの照射システム及び/又はこれのための光減衰器要素の技術的に可能ないずれの組み合わせも使用することは可能である。このような組み合わせは図16に関して考察した実施例、及び、図18に関して考察した実施例の双方の可能性を提供する。説明は本発明を限定することは意図されていない。
反射性光学機器を備えた本発明の実施例によるリソグラフィ装置を模式的に示す図である。 透過性光学機器を備えた本発明の実施例によるリソグラフィ装置を模式的に示す図である。 本発明による光減衰器デバイスのための光減衰器要素の第1の実施例を模式的に示す図である。 図2の光減衰器要素を作動する手段を示す図である。 図2の光減衰器要素を作動する手段を示す図である。 本発明の第2の実施例による光減衰器要素を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施例による光減衰器要素を模式的に示す図である。 本発明による光減衰器デバイスの修正された第2の実施例を模式的に示す図である。 本発明による光減衰器デバイスの他の修正された第2の実施例を模式的に示す図である。 本発明による光減衰器デバイスの第2の実施例における使用のためのリボンの3つの幅/厚さのプロフィルを示す図である。 本発明による光減衰器デバイスの第3の実施例の側面図である。 図7による実施例の前面図である。 図8の第3の実施例のためのロッドの断面図である。 図8の第3の実施例の代案となるロッドの斜視図である。 本発明による照射システムの第4の実施例を模式的に示す図である。 図11の詳細の代案となる実施例を示す図である。 本発明による照射システムの第5の実施例による光減衰器要素を模式的に示す図である。 本発明による照射システムの第6の実施例を模式的に示す図である。 本発明による照射システムの第7の実施例の光減衰器要素を示す図である。 本発明による照射システムの第8の実施例の光減衰器要素の模式的平面図である。 図16の光減衰器要素の結合透過プロフィルを示す図である。 本発明による照射システムの第9の実施例による光減衰器要素の斜視図である。 図7による実施例の働きの模式的概略図である。 図12の代案実施例を示す図である。 図12の他の代案実施例を示す図である。 図12のさらに他の代案実施例を示す図である。
符号の説明
1 放射光源
2 照射システム
3、20、43、60 光減衰器要素
4 放射のビーム
5 パターン形成デバイス
7 第1の支持構造
8 第1の位置決め手段
10 物品、投影システム
11 基板
12 基板テーブル
13 第2の位置決め手段
14 位置センサ
15 ビーム送達システム
21、22 シート
23 エッジ
24a、24b ワイヤ
25 放射のビーム
26 電源
28 照射レンズ
30、34 リボン
31、32、35、36 リール
33 インテグレータロッド
40 放射
41 集光器
42 反射器
44 視野ファセット・ミラー
45 表面
46、47、48 ロッド
49 拡張区間
50、52、123、124 軸
51、53 ロッド
54、103 端面
55 節
56、腹区間
61、80、84、102 帯状片
62 帯状片駆動手段
63 帯状片駆動制御手段
64 ビーム断面
65、66 放射円錐
67 像面
68、69 スポット
81、82、85、141、142 部分
83 線
90 第1のミラー
91 混成第2のミラー
92、93、94 部分ミラー
95、101 スリット
100 ミラー
110 石英板
111 領域
112 コーティング
120、121 プレート
122 窓
130 透明体
131 チャネル
132 前面
133 背面
134 ダクト
135 媒体供給部
136 媒体供給部制御手段
140、143 要素

Claims (1)

  1. リソグラフィ装置における使用のための放射のビームの均一性を改善するための光減衰器デバイスであって、
    前記放射のビームから前記放射の少なくとも一部を取り除く少なくとも1つの光減衰器要素を含み、
    前記少なくとも1つの光減衰器要素は、前記ビームに対して与えられる断面積が修正可能である一方、前記光減衰器要素の三次元形状が前記放射のビームの伝播方向に平行な線に対して鏡像対称のままであるように可動であり、
    前記少なくとも1つの光減衰器要素は、エッジを有する少なくとも2つのシートと、アクチュエータと、を含み、
    前記少なくとも二つのシートは、共通のエッジにおいて互いに接続され、
    前記アクチュエータは、前記共通のエッジにより形成された軸の周りで、前記シートの少なくとも1つを前記シートの他方に対して動かすように構成され、
    前記少なくとも2つのシートは、電気的に伝導性の材料を含み、
    前記アクチュエータは、前記電気的に伝導性の材料に接続され、前記電気的に伝導性の材料を荷電するように構成された電源を含み、
    前記少なくとも2つのシートは、前記電気的に伝導性の材料を前記電源に接続する電気的に伝導性のワイヤにより吊り下げられている、光減衰器デバイス。
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