JP4308475B2 - 照射系および当該照射系を備えた露光系、ならびにこのような露光系を用いた露光方法 - Google Patents
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Description
本発明は、放射光回折格子構造を提供する回折光学コンポーネント関する。上記格子構造は、入射する光ビームを回折、偏向させるため、表面波によって基板の表面に形成され得る。上記格子構造によって回折させる光は、はじめはどのような光学スペクトルの波長を有していてもよい。しかしながら、より詳細には、本発明は、紫外線領域、波長約0.1nm〜100nmの超紫外線領域(EUV)、およびX線領域における光を回折する格子構造を提供する回折光学コンポーネントに関する。さらに本発明は、特に紫外線、超紫外線、およびX線領域に属する光ビームを回折、制御することが可能な照射系に関する。さらに本発明は、マスクに形成されたパターンを基板上に結像する露光系に関する。結像に使用する光ビームは、上記回折光学コンポーネントによって制御可能であり、また、上記パターンは、特に、小型装置のコンポーネントを構成するものである。さらに本発明は、フォトリソグラフィー処理によって小型装置を製造する露光方法に関する。
【0002】
小型装置の製造、特に半導体装置の製造においては、通常、フォトリソグラフィー処理を行い、マスク上に形成された構造体を感光層(radiation sensitive layer)を有する基板上に結像し、この感光層を露光している。結像する構造体の大きさの下限(CD=限界寸法(critical dimension))は、上記結像に使用する光の波長によって決定される。製造する小型装置の構成の小型化が絶えず進んでおり、よって結像に使用する光の波長をますます短くする必要がある。しかしながら、紫外線領域の波長よりも短い波長に関しては、光学結像コンポーネントや、ビーム誘導または偏向コンポーネントの取扱いが困難であるため、現状では、このようなコンポーネントに関する十分な技術は開発されていない。EUV領域における光学照射系の例は、米国特許第5,973,826号、第6,033,079号、および第6,142,641号により公知である。
【0003】
http://www.esrf.fr/info/science/annrep/95-96/report/exp/id32/id32.htm (2001年1月29日現在)に公開されているESRFの「年次報告、1995/1996:ID32(Annual Report, 1995/1996:ID32)」により、表面波(SAW=表面弾性波(SURFACE ACOUSTIC WAVES))によって形成される切り替え可能な光学格子によってX線放射を切り替えるX線チョッパーが公知なものとなっている。しかしながら、かかる公知の仕組みにおいては、SAW格子の回折強度が弱く、よって上記切り替え可能なビームの強度も弱いため、上記年次報告に記載の表面波装置をリソグラフィープロセスにおいて経済的に使用することは不可能である。
【0004】
本発明の目的は、効率的なビーム制御およびビーム回折を、特に短波長において可能にする放射光回折格子構造を提供する回折光学コンポーネントを提案することである。本発明の目的はさらに、短い光波長に対して高い回折効率を発揮する放射光回折格子構造を提供する回折光学コンポーネントを提案することである。
【0005】
本発明の目的はさらに、複数の空間方向へのビーム偏向を可能にする回折光学コンポーネントを提案することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、比較的小さいパターンの結像に適した露光系を提案することである。より詳細には、本発明の目的は、比較的高開口数の露光系を提案することである。
【0007】
また、本発明のさらなる目的は、小型の構成を有する装置の製造に特に適した装置の製造方法を提案することである。
【0008】
本発明は、放射光回折格子構造を提供する回折光学コンポーネントであって、基板と、上記基板表面に表面波を発生させる表面波源と、発生した上記表面波によって形成された格子構造を放射光に干渉させるために設けられた、上記基板表面における干渉領域とを備えた表面波装置を有する回折光学コンポーネントによって得られる。
【0009】
第1の態様においては、本発明は、SAW格子構造が、干渉領域全域にわたり、好ましくは実質的に正弦波形である同一のプロファイルを有する表面波の波連によって理想的に形成される高品質な回折格子を生成するならば、上記SAW格子構造によって高回折効率を得ることができるという知見に基づいている。これに関しては、従来の回折光学コンポーネントにおける表面波源は、干渉領域へ向かう表面波に加え、上記干渉領域以外に向かう表面波を放出することがわかっている。これらの表面波は、実際には上記干渉領域以外に向けて放出されているのだが、上記基板の端部で反射され、おそらくは迂回路を経由して、最終的には上記干渉領域へと到達し、上記表面波源によって直接上記干渉領域に向けて放出された表面波のプロファイルを妨害して光学格子の品質を低下させる。
【0010】
迂回路を経由して上記干渉領域に到達するこのような表面波を低減するため、弾性材料で構成された表面波ダンパを、直接上記干渉領域へ向けて放出されていない表面波の伝播路上に位置するように上記基板上に設けることが既に提案されている。しかしながら、かかる公知のダンパによる上記表面波の減衰効率は必ずしも十分ではない。
【0011】
上記第1の態様においては、本発明は、干渉領域に向けて放出されたのではない表面波は、そもそも基板上に発生させるべきではないという考えに基づいている。
【0012】
このため本発明は、表面波源として、単方向性の表面波源、すなわち、表面波を、所望方向に対して、それ以外の方向よりも強力に放出するという方向特性を有する表面波源を提供すること、ならびに上記所望方向に放出された表面波が、おそらくは、表面波鏡等によって偏向された後に干渉領域を通過するように、上記干渉領域と相対的に上記表面波源を配置することを提案している。
【0013】
このような単方向性の表面波源を使用することにより、上記干渉領域以外に向けて放出され、反射によって間接的に上記干渉領域に入射する可能性がある望ましくない表面波の発生が防止される。
【0014】
別の態様においては、本発明は、ビームの入射と出射によって形成される偏向角または回折角を制御および変更するためには、上記格子構造の格子定数が変更可能でなくてはならないという考察に基づいている。このような構成は、従来の回折光学コンポーネントにおいては、極めて限られた範囲でしか実現できない。よって、本発明は、上記表面波装置において、複数の異なる波長を有する表面波を発する表面波源を使用するという発案に基づいている。
【0015】
この態様においては、本発明は、上記表面波源が、隣り合う副電極から離間して配置された複数の副電極を含む電極構造を有する電気音響変換器を備えていることを特徴としている。ここで、上記電極構造は、表面波の放出方向に互いに隣り合うように離間して配置された複数のセクションを備えており、上記副電極は各セクションにおいて一定間隔(periodically)を空けて配置されている。異なるセクションは、上記副電極を配置する間隔がそれぞれ相違する。
【0016】
セクション内における副電極の配置間隔により、そのセクションが高効率で表面波を放出する波長が決定される。上記複数のセクションを全体的に見た場合、上記副電極は異なる配置間隔で配置されているため、比較的広い波長範囲にわたり、比較的高効率で表面波を放出することが可能な表面波源が得られる。
【0017】
さらに別の態様においては、本発明は、高回折効率を達成するためには、表面波振幅の大きい表面波格子を設ける必要があるという考察に基づいてなされている。電気音響変換器を備えた表面波源においては、さらに大きい電圧振幅を有する交流(a−c)電圧を上記電気音響変換器の電極に印加することにより、放出される表面波の振幅を大きくすることが可能である。しかしながら、実用に際しては、上記変換器の電極と副電極との間における電気的なフラッシュオーバーのため、上記電気音響変換器に印加し得る最大電圧振幅は限られている。
【0018】
この態様においては、本発明は、比較的低い電圧を印加する場合には、振幅の大きい表面波を発生させる電気音響変換器を使用するという発案に基づいている。
【0019】
この態様においては、本発明は、上記電気音響変換器が指電極群を2個備え、各群における指電極同士は電気的に導通し、異なる群の指電極同士は電気的に絶縁されていることを特徴としている。上記電気音響変換器を作動させるには、上記電気音響変換器におけるこれら指電極群にa−c駆動電圧を印加する。異なる群の指電極の間には、これら2群の指電極とは電気的に絶縁された中間電極が少なくとも1つ設けられている。この中間電極の電位は、調整自在であるか、または一定していないことが好ましく、一方の群の指電極、中間電極、もう一方の群の指電極というコンポーネントによりいわゆる分圧器を提供し、隣り合う2つの指電極間の電圧を、複数の指電極群全体に印加される電圧よりも低くすることが好ましい。このようにすれば、上記電気音響変換器の電極間におけるフラッシュオーバーの傾向が効果的に低減されるが、にもかかわらず、上記電気音響変換器は振幅の大きい表面波を発することができる。
【0020】
上記指電極と同様に、上記中間電極もまた、周期的構造を有し、複数の枝電極が上記中間電極から隣り合う指電極間に延びていることが好ましい。
【0021】
上記電極構造全体を分圧器として機能させるためには、指電極と枝電極が上述のように交差している構造において、異なる群の指電極を、平行に、ずらして、ただし好ましくは、これら指電極が同一直線上に存在しないように配置することが有利である。また、指電極と枝電極とを対をなすように配置し、さらにこれら枝電極と指電極とが、ほぼ同一の直線上に存在するように交互に配置しても同様に有利である。
【0022】
さらに別の態様においても、本発明は、高回折効率を達成するには、放射光回折格子構造を提供する表面波が大きな振幅を有する必要があるという知見に基づいている。このため、本発明は、表面波源の励起に用いる周波数を、上記表面波源から放出された表面波の振幅が実質的に最大となるように調整するという発案に基づいている。
【0023】
この態様においては、本発明は、上記表面波源より放出された表面波を受信し、到達した上記表面波の振幅を表す計測信号を供給する表面波受信器を上記基板上に備えていることを特徴とする。さらに、上記表面波受信器の上記測定信号に応じ、上記表面波源を励起する周波数を調整する制御手段が設けられている。
【0024】
この結果、上記表面波源を励起する周波数を、受信した表面波の振幅が実質的に最大となるまで、おそらくは繰り返して、変更することが可能な構成が得られる。このような変更を行った後は、上記表面波源から放出される表面波の振幅も最大であり、さらに、最大振幅の表面波によって上記干渉領域に格子構造が設けられたと仮定してよい。
【0025】
極力大きい振幅を有する表面波を発するように設計された表面波源においては、通常、励起周波数に応じて発せられる表面波の振幅は、中心周波数(medium frequency)において最大であり、特性周波数帯域幅を有してこの中心周波数の両側に落ち込む。同様に、表面波受信器においては、表面波の周波数に応じた測定信号の波形は、通常、受信した表面波の一定振幅において、特性周波数帯域幅を有して中心周波数の両側に落ち込む。
【0026】
上記表面波源および表面波受信器は、上記表面波源の特性周波数帯域幅が、上記表面波受信器の代表的な周波数帯域幅(typical frequency width)よりも小さくなるように、相互に調整しあうことが好ましい。この結果、振幅の大きい表面波を発するという目的のために上記表面波源を最適化しながら、上記表面波源の異なる中心周波数においても高効率で表面波を受信する受信器を提供することができる。このような構成は、上記表面波源における中心周波数が、例えば、温度ドリフトの結果、時間的に一定である必要がない場合、あるいは、偏向角または回折角を変更するため、上記表面波源の周波数を意図的に変動させる場合に特に有利である。よって、表面波の振幅を実質的に最大にするため、上記表面波源を励起する周波数を、上記表面波受信器の測定信号のみを考慮して調整することが可能である。
【0027】
最大表面波振幅を発生させる周波数をより正確に調整するためには、上記周波数の制御を、上記測定信号だけでなく、上記周波数に応じた測定信号の波形も考慮して行う。この結果、上記測定信号の上記周波数への依存性も考慮されるため、さらに正確に周波数を調整することができる。
【0028】
さらに別の態様においても、本発明は、高回折効率を達成するためには、高品質な格子を有する格子構造が必要であるという考察に基づいている。この態様においては、本発明は、上記表面波源より放出された表面波は上記基板上を伝播し、上記干渉領域を通過した後、上記基板の端部に衝突して反射され、おそらくは迂回路を経由して上記干渉領域へと戻り、意図した格子構造のプロファイルを妨害するという知見に基づいている。
【0029】
この態様においては、本発明は、反射によって上記干渉領域へと戻る表面波の強度を極力小さくするため、表面波ダンパを用いて上記干渉領域を通過した表面波を減衰させることを提案している。
【0030】
このような表面波ダンパは、例えば、上記基板に塗布したエラストマー材料で形成してもよい。エラストマー材料中においては、表面波の力学的エネルギー(mechanical energy)が熱エネルギーとして消散される。このような表面波ダンパの欠点は、上記表面波ダンパによって上記基板上に熱が発生し、このため上記基板上における表面波の伝播特性が変化することである。
【0031】
したがって、本発明の好ましい実施形態においては、上記表面波ダンパを、上記表面波ダンパが設けられている場所において表面波の力学的エネルギーを電気エネルギーへと変換する音響電気変換器として提供している。電気エネルギーは、上記基板に熱的ストレスを与えることなく、上記基板から除去することができ、さらに上記基板から離れた位置において好適な方法により消散させることができるため、上記表面波ダンパが上記基板に与える熱的ストレスが比較的小さくて済む。
【0032】
このため、上記音響電気変換器は、発生した電気エネルギーを放出するための端子を2個以上備え、これら端子を抵抗回路に接続し、放出した上記電気エネルギーを上記抵抗回路内で消散させることが好ましい。
【0033】
表面波の力学的エネルギーを極力効率的に電気エネルギーへと変換し、この電気エネルギーを放出し、かつできる限り完全にこれを消散させるためには、上記電気音響変換器の電気インピーダンスと上記抵抗回路の電気インピーダンスとが、共役複素値(conjugated-complex value)を有するように、これらの電気インピーダンスを互いに整合させることが好ましい。
【0034】
上記表面波源の上記電気音響変換器の構造と、上記表面波ダンパの上記電気音響変換器の構造とは、対称的であることが好ましい。具体的には、これらの副電極が対称的に構成されていることが好ましい。
【0035】
しかしながら、上記表面波源より放出された表面波は、上記表面波ダンパに到達するまでにその振幅とエネルギーを損失し、さらに、上記表面波源は、供給される電気エネルギーを全て表面波へと変換するわけではないため、上記表面波源と表面波ダンパの対称性が理想的な場合においても、上記基板は、上記表面波ダンパの領域よりも上記表面波源の領域において高い動作温度(operating temperature)を有すると想定すべきである。表面波の伝播速度、ならびに上記電気音響変換器または上記電気音響変換器の副電極間の距離は、温度に依存しているため、表面波源と表面波受信器の対称性をはじめに調整していたとしても、温度変化が生じれば、その理想的な対称性は維持されない。また、上記表面波源(surface source wave)および表面波受信器を異なる構成とすることや、上記基板の特定領域の冷却といった温度調整(thermal intervention)を行うことにより、表面波源と表面波受信器との間に温度差を生じさせることも可能である。このため、上記表面波受信器の温度を、上記表面波源の温度よりも高くすることも可能である。この場合にも、はじめに表面波源および表面波受信器を理想的に、すなわち、両コンポーネントが同じ温度を有するように構成、調整しても、この理想的な状態は妨害される。
【0036】
したがって、本発明においては、上記表面波源と上記表面波受信器との温度差を考慮に入れ、上記表面波源の電気音響変換器の副電極と上記表面波ダンパの音響電気変換器の副電極とが異なる配置間隔を有するように構成し、この配置間隔の差を、両コンポーネントの予測操作温度差に基づいて調整する。
【0037】
上記電気音響変換器および音響電気変換器における副電極の配置間隔は、約0.01%〜約0.5%、好ましくは約0.01%〜約0.05%、特に好ましくは約0.05%〜0.15%異なっていることが好ましく、約0.15%〜約0.5%異なっていることも同様に好ましい。
【0038】
上記表面波ダンパは、好ましい方向から上記表面波ダンパに到達する表面波の減衰が、上記方向と反対方向から上記表面波ダンパに到達する表面波の減衰に比べて大きくなるような方向特性を有することが好ましい。上記表面波ダンパにおけるこのような単方向性の利点は、音響電気変換器および電気音響変換器が、基本的に同一または類似の電極構造を有することを考えれば理解できる。単方向性の電気音響変換器は、好ましい方向に対し、より高い効率で表面波を放出できる。したがって、一方向から音響電気変換器に到達する表面波は、上記音響電気変換器が、単方向性の電気音響変換器に対応する電極構造を有していれば特に高い効率で吸収される。
【0039】
上記表面波ダンパの配置位置は、上記干渉領域を通過し、上記干渉領域において光学格子として機能した表面波が上記表面波ダンパによって減衰し、上記基板への熱的ストレスを低減すると共に、このような表面波が、例えば、上記基板の端部で反射されて上記干渉領域へと戻ることを防止するような位置であることが好ましい。
【0040】
しかしながら、上記表面波ダンパは、上記表面波源から上記干渉領域以外へ向けて放出された表面波の吸収にも使用されることが好ましい。
【0041】
さらに別の態様においても、本発明は、できるだけ高い回折効率を得るためには、表面波の振幅が大きいことが必要であるという考察に基づいてなされている。この態様においては、本発明は、上記干渉領域を通過した表面波を、表面波ダンパによって損なうことなく上記干渉領域へ戻すという発案に基づいている。
【0042】
この態様においては、本発明は、上記基板に複数の表面波用鏡を配置し、これら鏡により上記表面波の閉伝播路を形成すること、ならびに上記干渉領域をこの閉伝播路内に配置することを特徴としている。この結果、上記干渉領域を通過した表面波のエネルギーが、上記閉伝播路を通って上記干渉領域へと戻り、表面波振幅の増大に寄与する。
【0043】
上記表面波源もまた、上記閉伝播路内に配置することが好ましい。上記表面波源は方向特性を示し、表面波を好ましい方向に対して、その反対方向よりも強力に放出する。このため、上記表面波源の好ましい方向により、上記閉伝播路内での表面波の伝播方向が決定する。
【0044】
あるいは、上記閉伝播路の外側に上記表面波源を配置し、上記表面波源より放出された表面波を上記閉伝播路へと送ることが好ましい。このような構成は、上記表面波源自体が表面波の最大振幅の影響を受けることがないため好ましい。これにより、上記表面波源の構成材料における物質移動等の影響が低減され、上記表面波源の実用寿命が長くなる。
【0045】
上記表面波源より放出された表面波は、上記閉伝播路内に鏡によって送られることが好ましい。上記鏡は、上記表面波を反射して上記閉伝播路へ供給するが、上記閉伝播路を伝播している表面波を透過する。
【0046】
さらに、上記干渉領域をある方向に通過する表面波が、上記干渉領域を異なる方向に再度通過するように、上記基板上に鏡を配置すれば有利である。この結果、入射する放射光を、一空間方向のみならず、複数の空間方向に回折または偏向できる光学格子が得られる。
【0047】
さらに別の態様においても、本発明は、極力高い回折効率を得るためには、格子振幅の大きい格子を使用することが有利であるという考察に基づいている。
【0048】
この態様においては、本発明は、上記放射光回折格子構造を、定在表面波(standing surface waves)によって上記基板上の上記干渉領域内に形成することを特徴としている。このことは、例えば、表面波鏡またはその他の表面波偏向素子によって上記基板上に表面波共振器を形成することにより、すなわち、複数の表面波を共振するように組み合わせ、上記共振器内を循環するこれら表面波の振幅を増大させることが可能な構造を設けることによって達成できる。
【0049】
有利な実施形態においては、上記干渉領域を通過した表面波を1以上の鏡によって反射し、実質的に適切な位相で上記干渉領域に戻す。上記干渉領域を通過した直後の表面波の伝播路と、反射によって上記干渉領域に戻った後の表面波の伝播路とは、同一であってもよいし、方向のみが異なっていてもよい。
【0050】
上記表面波源から放出された表面波を、上記共振器へと簡便な構成によって簡便に供給するには、上記表面波源自体を上記共振器内に配置することが好ましい。
【0051】
しかしながら、上記表面波源を、上記共振器の外側、すなわち上記共振器内の表面波の伝播路の外側に配置し、上記共振器の外側に配置された表面波源から放出された表面波を上記共振器内に供給することもまた好ましい。このような構成は、上記表面波源が、上記共振器内において振幅の大きい表面波の影響を受けることがなく、上記表面波源の実用寿命が長くなるという点において有利である。
【0052】
上記表面波源を上記共振器の外側に配置した場合には、表面波鏡によって上記表面波を上記共振器に送ることが好ましい。
【0053】
表面波によって形成された格子構造を有する上述の回折光学コンポーネントは、上記回折光学コンポーネントと、上記表面波装置の干渉領域に向かって放射光を発する放射光源とを備えた照射系において使用することが好ましい。上記干渉領域に入射した上記放射光源からの放射光は、上記格子構造によって回折または偏向されるが、ここで上記格子構造は、上記表面波装置の動作モードを変更することによって変更可能であり、よって上記回折または偏向角を意図的に変更することも可能である。
【0054】
本明細書で使用する放射光源(radiation source)という用語は、放射光を、直接的に、あるいは、1回以上反射させるか、または結像光学素子を介在させることによって、間接的に上記干渉領域へと向かわせるあらゆる放射光源を指す。同様に、上記干渉領域から見ることができ、そこからの光が上記干渉領域に到達するいわゆる仮想放射光源も、この用語に含まれる。
【0055】
上記放射光源は、直接上記干渉領域へ向けて、放射光を連続的に放出することが好ましい。このような構成は、一定の強度を有する偏向ビームを得るため、上記干渉領域内で連続的に表面波を伝播させる実施形態において、特に有用である。
【0056】
また、これに関し、特に、偏向ビームの切り替えを容易に行うため、上記干渉領域内を移動する表面波を、伝播方向が空間的に限られたパルスまたは波列としている。
【0057】
上記干渉領域内で定在波が発生すると、連続的に上記干渉領域に到達するビームは、一定周期で格子振幅の大小が入れ替わる格子の影響を受ける。したがって、上記格子振幅が実質的にゼロである時点も存在する。このため、偏向または回折ビームの強度もまた、時間の経過と共に変調し、ゼロと最大強度との間の値を有する。
【0058】
定在波によって最大回折強度を主として得るためには、上記照射系の放射光源として、パルス放射光源(pulsed radiation source)、すなわち、時間の経過と共に強度が変動しない放射光を発しない光源を使用することが好ましい。さらに、これに関し、上記放射光源から発せられた放射光の強度が比較的大きい値を有している時点または期間において、上記定在表面波も同様に比較的大きい振幅を有するように、上記放射光源を、上記定在表面波を発する上記表面波装置と同期させる。このことは、上記放射パルスが、実質的に最大の格子振幅を有する時に上記格子構造と接触することを意味している。
【0059】
パルス放射光源としては、例えばチョッパーのような時間変動シャッターと組み合わせた連続式放射光源、ならびに、パルス列発光レーザ、または帯電粒子が貯蔵リング内で粒子束(particle packages)として循環するシンクロトロンのような本質パルス放射光源(intrinsically pulsed radiation source)を使用することが好ましい。
【0060】
上記放射光源を上記表面波装置と同期させるため、発生した表面波の周波数と位相位置(phase position)とを、上記放射光源のパルス列またはサブパルス列を表す信号に応じて調整する制御手段を設けることが好ましい。上記制御手段は、得られた格子構造が大きい格子振幅を有する時点を、上記放射光源より発せられた放射光が同様に高い強度を有する時点と整合させる。
【0061】
上記構成の代わりとして、あるいは上記構成に加えて、上記放射光源より発せられた上記パルスの周波数と位相位置を、上記格子構造の振幅と整合させる制御手段を設けることが好ましい。この場合、上記放射光源を、上記表面波装置と相関的に同期させる。
【0062】
上記照射系の有利な使用は、パターンまたは画像を、位置に依存して決定される放射強度で上記基板に露光することである。このため、上記基板に露光するパターンを、好ましくはマスクによって提供し、上記基板上に上記マスクを結像する結像系によって上記照射系の機能を補足する。
【0063】
これによって提供される露光系は、基板支持体と、マスク支持体とを備え、上記マスク支持体上には、露光される基板および結像するパターンが形成されたマスクが、これらの有効領域が上記照射系の所定の基板面およびマスク面に収まるように取り付け可能であることが好ましい。さらに、上記放射光源から発せられ、上記格子構造により上記マスク上で複数の空間方向に回折された光線を集光するための集光器が設けられている。上記格子構造により異なる方向に回折された上記放射光は、ある時点において、例えば、異なる回折次数、すなわち異なる回折角で回折させた放射光であってもよいし、また、時間の経過と共に連続的に異なる偏向角または回折角で偏向させた放射光であってもよい。このような放射光は、例えば、上記格子構造を時間によって変化させ、上記表面波装置が、時間に依存して異なる周波数で励起されるようにすることによって得ることができる。
【0064】
したがって、放射光源、回折光学コンポーネント、集光器、マスク支持体、および対応するマスク表面を上述のように配置することにより、異なる入射角度で上記マスク表面に到達する放射光によって、上記マスク表面を同時に、あるいは時間の経過と共に連続的に照射することが可能になる。この結果、上記マスク表面の露光を行う、比較的高開口数の照射系が提供される。
【0065】
上記マスク表面を上記基板表面上に結像させるため、対物鏡(objective)をさらに設けることが有利である。上記対物鏡は、異なる入射角度で上記マスク表面に入射した上記放射光が、上記マスク表面によって同様に異なる角度で反射されて上記基板表面へと集光されるように、上記マスク支持体と上記基板支持体とに関連して配置される。この結果、上記基板表面も高い開口数で露光され、全体的に見れば、マスクと基板との間に、高開口数での結像を可能にし、よって上記結像構造の大きさの低減に特に適した結像系が提供される。
【0066】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【0067】
図1は、本発明の露光系の一実施形態を示している。
【0068】
図2は、本発明の回折光学コンポーネントの一実施形態を示している。
【0069】
図3は、図2に示す回折光学コンポーネントに使用する表面波源の概略図である。
【0070】
図4は、図3に示す表面波源の詳細図である。
【0071】
図5は、図2に示す回折光学コンポーネントのサブコンポーネントの周波数依存性を概略的に示したグラフである。
【0072】
図6,7,8,9,10,11,および12は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【0073】
図13は、本発明の照射系の別の実施形態を示している。
【0074】
図1は、照射系2と結像系4とを有する本発明の露光系1の一実施形態を概略的に示している。照射系2は、放射光源3としてシンクロトロンを備えている。同図においては、この放射光源3を、円環5として表している。放射光源3内において、電子は矢印7方向に循環してシンクロトロン放射光を発する。放射位置11から放出されたシンクロトロン放射光は、ビーム13として回折光学コンポーネント15に供給される。上記ビームは、直接供給してもよいし、あるいは偏向鏡、集束コンポーネント、波長選択コンポーネント等を用いて間接的に供給してもよい。回折光学コンポーネント15は干渉領域17を備えており、ビーム13の少なくとも一部は、干渉領域17に入射する放射光が、この干渉領域17から見た場合に光源または対応する仮想光源から直接発せられたように見えるように干渉領域17に供給される。
【0075】
放射位置11と干渉領域17との間のビーム経路上にブラッグモノクロメーター(Bragg monochromators)等の波長選択コンポーネントを設ければ、これらコンポーネントによって上記シンクロトロン放射光の任意の波長スペクトルを取り出して干渉領域17へと供給することができる。具体的には、0.1nm〜100nm、好ましくは1nm〜50nmの波長を有する放射光、この実施形態においては、特に13nm付近の波長を有する放射光が取り出される。
【0076】
干渉領域17は、入射する放射光13を反射するための反射格子を構成する格子構造を有している。干渉領域17に入射する放射光13は、上記格子構造において反射され、この格子回折の結果、3つのパーシャルビーム19,21,23、より詳細には、0次のビーム21、+1次のビーム23、および−1次のビーム19に分割される。回折されたビーム19、23の発散角(divergence)は、入射したビーム13の周波数スペクトルによって決定される。これは、所定の格子間隔(grating period)において得られる回折角は、回折された光線の波長に依存するためである。
【0077】
パーシャルビーム19,21,23は、集光鏡25に到達する。集束効果を有する集光鏡25は、上記パーシャルビームを反射し、マスク27の表面へと向かわせる。集光鏡25によってマスク27へと誘導されたパーシャルビーム19,21,23は、一体となって上記マスク上の平面状の照射スポット29を照射する。マスク27は同図において直線28として示す構造体を支持する反射マスクであり、入射した放射光19,21,23はこの構造体によって反射される。
【0078】
マスク27は、マスク27から見た場合に、3つの異なる空間方向から上記マスクに到達するビーム19,21,23によって照射される。したがって、ビーム19,21,23は、マスク27上に設けられた上記構造体28により、やはり3つの異なった空間方向へ反射されてビーム31,33,35となる。反射されたこれらビームは、結像系4に捕捉され、基板39上に結像される。結像系4は、対物鏡37を備えており、ビーム31,33,35は、この対物鏡37に到達し、マスク27における上記構造体が基板39上に結像されるように、基板39へと誘導される。図1において、マスク27上の線形構造体28は、このように基板39上に結像され、基板39上においては、線形部分41の領域のみに放射光が当たっている。
【0079】
まとめると、照射系2によれば、光源11から出射されるビーム13が高度に視準されているにも関わらず、異なる複数の空間方向からマスク27を照射し、マスク27を基板39上に結像させる結像系が提供される。所定の共直線性(colinearity)を有して入射するビーム13を使用しているため、開口数の比較的大きい照射系が提供される。言い換えれば、回折光学コンポーネント15は、上記照射系の光透過性能(light-transmitting capability)の向上に寄与している。
【0080】
回折光学コンポーネント15によって提供される格子構造は、格子間隔を変更することによって調節可能であり、これにより−1次のビーム19および+1次のビーム23の回折角を変更することができる。よって、ビーム19,23がマスク27に当たる角度を時間によって変更し、マスク27を照射する立体角部分が、ある一定期間にわたり、実質的に完全に照射されるようにすることが可能である。
【0081】
上記入射ビームの上述した第1の回折次数(+1、−1)に加え、より高い回折次数(+2、−2、…)を用いてマスク27を露光することも可能である。
【0082】
照射系2は、例えば、小型装置の製造方法、特に、上記方法におけるフォトリソグラフィー処理工程に使用することができる。この工程においては、まず、上記装置を形成する基板を感光層でコーティングし、次に、マスク27のパターンを、図1の照射系2によって上記感光層上に投射する。次に、上記感光層を現像し、続いて1つ以上の処理工程により、上記基板を、上記感光層(photo-sensitive layer)の現像部に対応する部分か、非現像部に対応する部分かに従って部分的に加工する。このような処理工程として、例えば、エッチング工程またはドーピング工程等を行ってもよい。
【0083】
図1において、照射系2を簡略化した系として図示し、その機能を説明している。例えば、上記集光鏡および上記対物鏡は、それぞれ1個の鏡25および37で構成されている。しかしながら、これらコンポーネントをより複雑な構成とすることや、ビームの経路上にビーム成形コンポーネントやビーム偏向コンポーネントを配置することも可能である。このようなコンポーネント、ならびにリソグラフィーシステムにおけるこれらの使用は、例えば、米国特許第5,973,826号、第6,033,079号、および第6,142,641号により公知である。これら特許の開示全体が、参照をもって本願に組み込まれている。
【0084】
図1に示される照射系2に不可欠なコンポーネントは、回折光学コンポーネント15であり、入射ビーム13は、回折光学コンポーネント15の干渉領域17に到達して偏向される。図2において、上記回折光学コンポーネントを、さらに詳細に図示している。回折光学コンポーネント15は、基板43を備え、その基板表面45において、振幅の大きい表面波を効果的に励起することができる。本明細書で使用する表面波という用語は、基板表面45の光学特性を周期的に変化させる、基板材料におけるあらゆる波動現象(wave phenomena)を指す。表面波とは、表面弾性波(SAW)、より詳細には、レイリー波、ラブ波、レック波(Leck waves)、密度波、横方向または縦方向のせん断波(shear respectively transverse waves or longitudinal waves)等であってもよく、Bleustein−Gulyaev波のような上記基板の表面に平行に偏光した表面波はもちろん、上記基板の表面に垂直に偏光した表面波も、横波として利用できる。さらに、これらの波を組み合わせて使用することも可能である。以下の記載においては、所望の光学効果を得るために表面弾性波(SAW)を利用している。しかしながら、他の波動現象を利用して所望の光学効果を得てもよいことは理解されるべきである。
【0085】
基板43は、基板表面45が128°回転Y面を形成するように、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)の単結晶によって構成されている。基板材料としてニオブ酸リチウムを選択したのは、ニオブ酸リチウムが圧電材料であり、圧電材料は、表面波源47における電圧または電界による表面波の励起に特に適しているためである。しかしながら、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、水晶(SiO2)、リチウムホウ素酸化物(lithium boron oxide)(例えば、Li2B4O7)、リン酸アルミニウム(AlPO4)、砒化ガリウム(GaAs)、ポリビスマサイト(polybismuthite)、特にビスマスゲルマニウム酸化物(例えば、Bi12GeO20またはBi12SiO20)等といったその他の圧電材料も基板43として適している。
【0086】
表面波源47は、電気音響変換器51を備えている。表面波の発生に必要なエネルギーは、電気エネルギーの形で端子49および50から電気音響変換器51に供給される。
【0087】
電気音響変換器51は、単方向性の変換器である。すなわち、矢印53の方向に伝播する表面波が、矢印53とは逆方向の矢印54の方向に伝播する表面波に比べ、実質的に高い強度で発生する。
【0088】
図3および4における詳細な図示より明らかなように、電気音響変換器51は、30μmの波長Λ1を有する表面波を発生するように最適化された副変換器55と、20μmの波長Λ2を有する表面波を発生するように最適化された副変換器57とを有している。しかしながら、指電極間の距離を変更することにより、上記以外の波長Λを有する表面波を発する変換器とすることも可能である。より詳細には、本願の場合、50MHz〜2GHzの励起周波数において、波長Λを約2μm〜100μmの範囲、特に4μm〜50μmの範囲としている。
【0089】
図5に示す曲線52および52′は、電気音響変換器51の周波数特性を示している。曲線52は、電気音響変換器51の電気励起周波数に応じて副変換器55から発せられる表面波の強度を表し、一方、曲線52′は、副変換器57における上述の強度を表している。上記2つの副変換器55および57は、それぞれ異なる周波数f1およびf2において、最も高い強度で表面波を発生する。高周波f2は、副変換器57がΛ2=20μmの表面波を最大振幅で発生し、矢印53の方向へ放出するように調整される。一方、低周波f1によって励起されると、副変換器55はΛ1=30μmの表面波を最大振幅で発生し、同様に矢印53の方向へと放出する。放出された表面波は、副変換器57を通過する。
【0090】
図4より明らかなように、変換器51は、複数の指電極セット、いわゆる交差指型電極(interdigital electrodes)、を有している。図4は、図3に示した副変換器55と57とが互いに隣接している領域を拡大した図である。
【0091】
変換器51は、端子49が設けられた、表面波の放出方向53に延びる集電極59を有している。さらに、集電極60が、上記集電極59に対して平行に、約1mmの距離aだけ離間して延伸している。この第2の集電極60には、端子50が設けられている。
【0092】
各副変換器55,57は、集電極59,60間の領域の中央部に延びる中間電極61を有している。副変換器55における中間電極61の幅は50μmであり、副変換器57における中間電極61の幅は20μmである。
【0093】
指電極62,63,64,65,66,67は、副変換器55,57のそれぞれにおいて、集電極59と中間電極61との間、および中間電極61と集電極60との間に、表面波の放出方向53に対して垂直に延びている。ここで、指電極62は集電極59から延び、指電極62同士は、中心間距離ラムダだけ離間している。各指電極62の幅は、副変換器55,57において、それぞれΛ1/8,Λ2/8であり、中間電極61から5μm離れた位置まで延びている。隣接する指電極62間には、2個の指電極63,64が配置されている。上記指電極63,64は中間電極61から、集電極59から同じく5μm離れた位置まで延びている。指電極64は、副変換器55,57において、Λ1/4,Λ2/4の幅をそれぞれ有し、指電極63から見て表面波の進行方向53側に、指電極63のすぐ隣に配置されている。指電極63の幅は、副変換器55,57において、それぞれΛ1/8,Λ2/8である。
【0094】
中間電極61と集電極60との間に延びる指電極65,66,67の構造は、集電極59と中間電極61との間に延びる指電極62,63,64の構造に対応している。指電極67は、指電極62と同一直線上にあり、その幅は、副変換器55,57において、それぞれΛ1/8,Λ2/8であり、中間電極61から延びている。指電極65は、その幅が、副変換器55,57において、それぞれ幅Λ1/8,Λ2/8であり、集電極60から延び、指電極63と同一直線上にある。指電極66は、その幅が、副変換器55,57において、それぞれΛ1/4,Λ2/4であり、集電極60から延び、指電極64と同一直線上にある。
【0095】
したがって、集電極59から延びる各指電極62は、中間電極61から延びる各指電極67と同一直線上にあり、また、集電極60から延びる各指電極65,66は、中間電極61から延びる各指電極63、64とそれぞれ同一直線上にある。しかしながら、集電極59から延びる指電極62は、集電極60から延びる指電極65,66とは、同一直線上に配置されていない。
【0096】
各指電極をこのように配置することにより、集電極59と中間電極61との間に配置された変換器部分が、中間電極61と集電極60との間に配置された変換器部分と電気的に直列に接続される、直列接続が得られる。これにより電圧が分割され、作動時に端子49および50に印加される電圧の半分のみが、隣接する副電極(62−63,64−62,67−65,66−67)に印加されるようになる。
【0097】
副変換器55と57とは、53.7μmの距離bだけ離間している。すなわち、副変換器55,57間の、電極が設けられていない領域の幅がbである。
【0098】
表面波の放出方向53における副変換器55の長さは60Λ1(Λ1=30μm)であり、副変換器57の長さは50Λ2(Λ1=20μm)である。
【0099】
上述のような電極構造は、アルミニウム膜を上記基板上に配置し、次に個々の電極間のスペースをマイクロリソグラフィー法によりエッチングすることによって上記基板表面上に形成される。上記電極構造をアルミニウムで形成する代わりに、その他の元素、特に、銅のような金属を使用することも可能である。
【0100】
表面波源47には、端子49および50により増幅器71が接続されている。表面波源47から矢印53の方向に放出された表面波は、干渉領域17を通過し、入射ビーム13の偏向に必要な放射光回折格子構造を干渉領域17内に発生させる。極力高い回折効率を得るためには、増幅器71によって表面波源47に供給される電気エネルギーおよび表面波の発生に用いる周波数fを、所与の波長Λにおいて、格子振幅が、すなわち干渉領域17における上記表面波の振幅が、極力大きくなるように調整すべきである。
【0101】
このため、回折光学コンポーネント15は、表面波受信器73をさらに備えている。この表面波受信器73もまた、表面波源47から放出される表面波の伝播路上に配置されており、干渉領域17通過後に表面波が表面波受信器73に到達する。表面波受信器73は、表面波の力学的エネルギーを電気エネルギーへと変換し、上記電気エネルギーを端子75および76に供給する音響電気変換器を備えている。
【0102】
端子75,76間の電圧は、したがって受信器73が配置されている位置における表面波の強度を表す信号であり、制御手段77によって検知される。制御手段77は、次に、図2の矢印78で示されるように、増幅器71に作用し、表面波源47に供給する電力(power)と周波数とを決定する。制御手段77は、端子75,76から取り出される信号が最大となるように、電力Pと周波数fの大きさを変化させる。受信器73が最大表面波振幅を検出したとき、表面波の振幅は干渉領域17においても最大であると仮定してよいため、上記制御手段は、表面波振幅が干渉領域17においても最大となるように表面波源47を駆動している。
【0103】
受信器73の音響電気変換器の構成は、表面波源47の電気音響変換器51の構成と同様である。すなわち、上記音響電気変換器も同様に、端子75,76に接続された複数の指電極、すなわち交差指型電極を有している。図2の実施形態においては、受信器73の音響電気変換器の電極構造は、電気音響変換器51の電極構造と実質的に同様である。しかしながら、上記音響電気変換器の電極構造は、表面波源47と受信器73との間の中心平面を介し、電気音響変換器51の電極構造と対称的に構成されているという点で、電気音響変換器51の電極構造とは異なっている。表面波源47の幅広の指電極64,66に対応する受信器73の電極は、電極63,65に対応する細幅の電極から見て表面波の進行方向53側の隣に配置されている。このため、受信器73にも単方向特性が付与されている。すなわち、受信器73は、53の方向に伝播する表面波を、反対方向に伝播する表面波より高い効率で受信する。
【0104】
表面波受信器73は、表面波源47に供給される電力Pと周波数fを制御するだけでなく、表面波ダンパとしても機能する。これは、干渉領域17を通過した後さらに上記基板へと伝播する表面波は、基板43の端部79において少なくとも部分的に反射されて干渉領域17へと戻り、表面波によって得られた上記格子構造に干渉して達成されるビーム偏向の質を低下させる可能性があるためである。したがって、受信器73において表面波を完全に吸収し、可能であれば、基板43の端部79に到達して反射される表面波強度を実質的に皆無とすることを目的としている。
【0105】
このため、受信器73は、極力多量の表面波の力学的エネルギーを電気エネルギーに変換し、上記電気エネルギーを端子75,76に接続された送電線(line)を通して放出し、抵抗81で消散させるように最適化されている。抵抗81は、抵抗81から発生する熱によって基板43や、特に干渉領域17が加熱され、表面波の光学効果が温度の影響により低下するのを防止するため、上記基板から離れた位置で接続されている。受信器73の端子75、76に供給された電気エネルギーを、極力効率的に抵抗81で消散させるため、上記抵抗は単なるオーム抵抗器としてではなく、複素インピーダンスとして設けられており、抵抗81のインピーダンス値と受信器73のインピーダンス値とが実質的に共役複素インピーダンス値となるように、抵抗81のインピーダンス値を、受信器73のインピーダンス値と整合させている。
【0106】
図2に示す実施形態においては、受信器73の機能、すなわち、表面波源47を制御するための測定信号を提供する機能と、干渉領域17を通過した表面波を減衰させる機能とを、一つの装置に備えている。しかしながら、これらの機能を別個の装置に備えることも可能であり、表面波ダンパとしてのみ機能するコンポーネントをさらに設け、表面波の伝播方向53を基準にしたこのコンポーネントの手前に、表面波源47を制御する測定信号を提供する受信器を配置してもよい。
【0107】
図5より明らかなように、表面波源47は、狭帯域周波数特性52、52′を有している。すなわち、周波数fにおいて、放出された表面波の強度は、励起周波数に応じ、特性周波数帯域幅δfにおける最大強度の両側に落ち込む。
【0108】
図5においては、さらに表面波受信器73の周波数特性を、受信された表面波の周波数に応じて端子75,76に供給される測定信号の大きさを表す線84および84′によって表している。線84,84′も同様に、特性周波数帯域幅Δfにおける中心周波数の両側に落ち込む。図5から明らかなように、受信器73の特性周波数帯域幅Δfは、表面波源47の周波数帯域幅δfよりも大きい。この結果、受信器73は、表面波源47の周波数がわずかに変化してもその影響を受けることがないため、一定の周波数範囲内においては、制御手段77は、表面波源47を端子75,76における測定信号のみによって制御し、干渉領域17において表面波の最大振幅を得ることができる。
【0109】
しかしながら、本実施形態においては、制御手段77は、受信器73の周波数依存感度、すなわち、図5に示す曲線84の形状、を記憶するメモリ86をさらに備えている。これにより、図5に励起周波数f3として示す線84の中心周波数から離れた周波数においても、表面波源47を確実に制御できる。
【0110】
表面波受信器73の周波数帯域幅Δfを、表面波源47の周波数帯域幅δfよりも大きくするには、基本的には、表面波源47の電気音響変換器と同一の電極構造を、受信器73の音響電気変換器の電極構造として選択すればよい。本実施形態においては、受信器73の音響電気変換器は、図4に示す表面波源の音響電気変換器51と同一の電極構造を有している。しかしながら、受信器73(source 73)の変換器は、表面波源47の変換器に比べ、矢印53の方向における長さが短い。このことは、受信器73の変換器は、表面波源47の変換器に比べて指電極の数が少ないことを意味している。本実施形態においては、受信器73の音響電気変換器における一方の副変換器の長さが40Λ1、もう一方の副変換器の長さが35Λ2である。
【0111】
表面波源47の変換器の電極構造と、受信器73の変換器における電極構造とは、さらに指電極間の距離が相違する。作動時において、上記基板の温度は、受信器73周辺よりも、表面波源47周辺において高い。このことは、表面波源47が設けられている場所と、受信器73が設けられている場所とにおいて、表面波の波長に差が生じる原因となる。受信器73が設けられている場所における表面波の波長は、表面波源47が設けられている場所における表面波の波長に比べ、約0.5%短くなる。したがって、受信器73の変換器を、表面波源47の変換器に比べて、幾何学的に0.5%縮小して構成している。受信器73の変換器のサイズを決定する際には、パラメータΛ1を29.85μm、パラメータΛ2を19.9μmとする。したがって、周波数特性84,84′の中心周波数は、周波数f1およびf2と比べ、やや高周波よりである。このことを考慮し、図5においては、上記周波数特性における上記中心周波数の違いを明らかにするため、表面波源47と受信器73とを同一温度にして測定した周波数特性52,52′と84,84′を示している。連続作動時には、表面波源47と受信器73との間に約70Kの温度差が存在し、このため、上記特性52と84の中心周波数、および52′と84′の中心周波数が、それぞれほぼ一致する。
【0112】
表面波源47は完全な単方向特性を発揮せず、ある程度の強度を有する表面波が矢印54の方向にも発せられるため、54の方向に発せられたこの表面波を吸収し、かつ上記表面波が基板43の端部88において反射して干渉領域17へと戻るのを防止するため、表面波源47から見て表面波の進行方向54側の隣に表面波ダンパ87をさらに設けている。表面波ダンパ87は、表面波の力学的エネルギーを電気エネルギーへと変換する音響電気変換器としての機能も有する。上記電気エネルギーは、適切に調整した抵抗89内で消散させる。
【0113】
図3および4を参照して説明した電気音響変換器に加え、単方向特性を有するその他のタイプの変換器を使用することも可能である。いわゆる単位相表面波発生器や、多位相表面波発生器の使用を考慮してもよい。これに関する例は、例えば、米国特許第4,521,711号、第4,736,172号、第4,910,839号、第5,073,763号、第5,162,689号、第5,264,751号、第5,365,206号、および第6,147,574号から推測可能である。これら特許の開示全体が、参照をもって本願に組み込まれている。
【0114】
図1〜5を参照して説明した上記実施形態の変更例について詳しく説明する。構成および機能が同一のコンポーネントに関しては、図1〜5で使用した参照符号と同一の符号を使用するが、区別のため、上記参照符号に文字を付与している。また、上述のあらゆる記述を、説明のために参照する。
【0115】
図6は、基板表面45aを有する、圧電材料からなる基板43aを備えた回折光学コンポーネント15aの別の実施形態を示している。基板表面45a上には、端子49aおよび50aを有する電気音響変換器を備えた表面波源47aが配置されている。上記電気音響変換器の交差指型電極は、図6においては概略的に示されている。
【0116】
電気音響変換器51aもまた、単方向特性を有しており、好ましくは矢印53aが示す方向に表面波を放出する。
【0117】
表面波源47aより放出された表面波は、まず、図6に線格子(line grating)として示す表面波鏡91に到達し、この表面波鏡91により、放出時における伝播方向53aから90°偏向され、表面波鏡92,93,94へと順次到達する。表面波鏡92,93,94は、表面波を90°偏向させるものであり、最終の表面波鏡94によって反射された表面波が、再度、放出時の伝播方向53aに沿って進行して表面波源47aへと向かうように基板45a上に配置されている。このように、表面波鏡91〜94によって表面波の環状閉伝播路95aが形成されており、表面波源47aは、閉伝播路95a内に配置されて、上記伝播路に表面波を送る。
【0118】
表面波鏡92と93との間の伝播路には、干渉領域17aが設けられ、表面波によってこの領域に形成される格子構造を入射する放射光に干渉させ、これを偏向または回折させている。
【0119】
図2に示す回折光学コンポーネントの実施形態と比べ、図6に示す実施形態は、干渉領域17aを通過した表面波が吸収されず、よってそのエネルギーが破壊されないという点で有利である。それどころか、表面波は環状閉伝播路95a内に保存されるため、干渉領域17aにおける格子構造の形成に再度寄与することができる。ここで、図6に図示していない制御手段により、表面波源47aを、表面波鏡94によって表面波源47aに供給された表面波と、表面波源74aによって新たに放出された表面波とを組み合わせるような構成とし、有利に駆動することが可能である。
【0120】
図2に示す実施形態と同様に、表面波源47aを最適に駆動するため、表面波の閉伝播路95a内に表面波受信器を設けてもよい。
【0121】
表面波鏡91,92,93,94は、線格子を有するブラッグ鏡(Bragg mirrors)であり、上記線は、基板表面45aに溝をエッチングすることによって形成されている。しかしながら、上記基板表面上に配置した膜を金属化することによって上記線格子を設けることも可能である。
【0122】
図7は、回折光学コンポーネント15bの基板表面45bを示している。表面波源47bは、好ましい方向である53bの方向に周波数f1の表面波を放出する。鏡91b,92b,93b,94bは周波数f0の表面波のための閉伝播路95bを形成している。この閉伝播路95bを通過した表面波は、図6の実施形態に関して既に述べたのと同様の要領により、表面波源47bを再度通過して増幅される。鏡92bと93bとの間には、放射光の偏向または回折を行う干渉領域が設けられている。
【0123】
上記表面波源47bに加え、さらに2つの表面波源47b′および47b″が上記基板上に設けられている。これら2つの表面波源47b′,47b″は、周波数f′,f″の表面波をそれぞれ発する。周波数f′とf″とは互いに相違しており、さらに表面波源47bの周波数fとも異なっている。表面波源47b′および47b″に対しても、表面波の閉伝播路95b′および95b″が、鏡91b′,92b′,93b′,94b′および91b″,92b″,93b″,94b″によって、それぞれ上記基板上に設けられている。
【0124】
周波数f,f′,f″をそれぞれ有する表面波の閉伝播路95b,95b′,95b″は、一体となって干渉領域17bを通過し、鏡93b″,93b′,93bによって分離されて、再度、周波数f,f′,f″の表面波をそれぞれ発する表面波源47b,47b′,47b″へとそれぞれ供給される。ここで、鏡93b″は、周波数f′,fの表面波を透過するが、周波数f″の表面波は反射する。同様に、上記鏡93b′は、周波数fの表面波を同様に透過するが、周波数f′の表面波は反射する。表面波源47b,47b′,47b″をそれぞれ通過した後、分離していたこれら伝播路は、鏡92b,92b′,92b″によって一体化される。ここで、鏡92b′および92b″は周波数fの表面波を透過し、鏡92b″は周波数fおよびf′の表面波を透過する。
【0125】
表面波源47b,47b′,47b″は、それぞれに対する駆動周波数に応じ、一定範囲内で変動する周波数スぺクトルで表面波を発する。しかしながら、各表面波源が最も高い効率で表面波を放出する周波数f,f′,f″は互いに相違している(f″<f′<f)ため、これら3つの異なる表面波源を選択的に駆動することによって、干渉領域17bにおいて、比較的広範囲の表面波の周波数スぺクトルを得ることができる。したがって、表面波によって形成された格子構造により入射する放射光に生じる偏向角を、特に広範囲にわたって変動させることができる。
【0126】
表面波源47b,47b′,47b″は、特定の時間的順序で駆動することが可能であり、これにより異なる偏向角を連続的に得ることができる。同様に、表面波源47b,47b′,47b″を同時に駆動し、各表面波源に対応する異なる波長の表面波を組み合わせ、異なる偏向角を同時に形成する多重格子(multiple grating)を形成することも可能である。周波数f,f′,f″を有する表面波を適切な位相関係を有するように組み合わせ、好適な周波数を選択すれば、これら表面波の組み合わせにより、正弦波格子構造が相違する周期格子構造を得ることができる。より詳細には、ある特定の回折次数を、意図的にその他の回折次数よりも高い回折強度で得ることができる、いわゆるブレーズド格子(blazed grating)を提供することができる。
【0127】
図7に示す3つの表面波源47b,47b′,47b″の代わりに、別個の閉伝播路をそれぞれ有する表面波源を2つ、あるいは4つ以上設けてもよい。ただし、これら別個の閉伝播路は、一体となって上記干渉領域を通過するように配置されている。
【0128】
あるいは、数個の表面波源をそれぞれ隣り合うように設け、図7に示すように鏡92b,92b′、92b″によって各伝播路を干渉領域で一体化させるものの、上記干渉領域通過後に、表面波がこれら表面波源に戻らないような構成とすることも可能である。
【0129】
図6および7の実施形態においては、表面波の閉伝播路が複数設けられ、上記表面波源は上記閉伝播路内に設けられている。これに対し、図8に示す実施形態においては、閉伝播路95cが鏡91c,92c,93c,94cによって基板43cの表面45c上に形成され、鏡94cと91cとの間に放射光が入射する干渉領域17cが設けられ、閉伝播路95cが上記干渉領域を通っている。
【0130】
表面波源47cは、閉伝播路95cの外側に配置されており、好ましい方向である矢印53cの方向に表面波を放出する。表面波源47cは、放出された表面波が、伝播路95c内において鏡93c,94c間に配置された鏡97に当たるように、基板表面45c上に配置されている。鏡97は、表面波源47cから53c方向に放出された表面波を鏡94cへと向かわせ、この表面波を、既に閉伝播路95c内を移動している表面波に重畳するような向きで置かれている。鏡97は、鏡93cから誘導される表面波を実質的に透過する。
【0131】
鏡91c〜94cにより、環状の表面波共振器が提供されている。上記環状表面波共振器には、表面波源47cから放出された表面波が、鏡97cによって供給される。
【0132】
図9は、表面波によって放射光を偏向させるため、干渉領域17dを設けた基板表面45dを備えた回折光学コンポーネント15dを示している。表面波は、表面波源47dから、好ましい方向である矢印53dの方向に放出される。表面波源47dによって放出された表面波は、鏡91d,101,102,103,104,92d,93d、94dへと順次到達する。上記干渉領域は、鏡102および103と鏡101および104との間に存在しているため、表面波は上記干渉領域を2回通過する。すなわち、鏡101から鏡102へと向かう矢印105の方向と、その反対方向である鏡103から鏡104へと向かう矢印106の方向に通過する。
【0133】
図10は、表面波源47eから矢印53eの方向に放出された表面波が、同様に閉伝播路95eを通って基板表面内を伝播する、さらに別の回折光学コンポーネント15eを示している。図9の実施形態と同様に、この回折光学コンポーネント15eにおいても、表面波は、矢印105eおよび106eで表される2つの異なる方向に干渉領域17eを通過する。ただし、図9の実施形態とは対照的に、これら2つの方向は互いに逆向きではなく、直交している。このような構成とするため、図10より明らかなように、表面波源47eから放出された表面波を、鏡91e,101e,102e,103e,104e,94eによって順次反射させてから表面波源47eへと戻している。
【0134】
表面波は互いに直交する、異なる2つの方向105e,106eに干渉領域17eを通過するため、表面波によって二次元格子構造が形成される。この結果、干渉領域17eに入射する放射光は、2つの空間方向に偏向される。
【0135】
図11は、基板43fと、基板表面45f上に形成された干渉領域17fを有する回折光学コンポーネント15fを示している。上記干渉領域においては、表面波のビームが、異なる方向に複数回通過する。このような構成とするため、表面波源47fは、直接干渉領域17fに向けて、好ましい方向である矢印53fの方向に表面波を放出する。放出された表面波ビームは、干渉領域17fを通過した後、鏡91fによって90°偏向されて鏡92に到達し、鏡92によって135°偏向され、1回目の干渉領域通過時の方向である53fを135°回転させた方向に干渉領域17fを再度通過する。干渉領域17fを再度通過した後、上記ビームは鏡93fに到達して135°偏向され、次に鏡94fに到達してここでもまた135°偏向され、2回目の干渉領域通過時の方向を90°回転させた方向に干渉領域17fを再度通過する。干渉領域17fを3回横断した後、上記ビームは、表面波受信器73fを通過し、表面波受信器73fは、干渉領域17fを3回通過した後の表面波の強度を表す信号を発する。上記ビームは、受信器73fを通過した後、別個に設けられた表面波ダンパ111に吸収される。
【0136】
表面波源47fと隣り合うように、さらに表面波ダンパ73f′が設けられている。表面波ダンパ73f′は、表面波源47fから、好ましい方向である53f方向とは反対方向に放出された表面波を受信する。このような表面波は、受信器73f′を通過した後、同様に表面波ダンパ111′によって吸収される。
【0137】
鏡93f,94f間における表面波の伝播路にも、さらに表面波源113が設けられている。干渉領域17fを2回通過した後の表面波が表面波源113を通過するが、この表面波源113によって上記表面波の強度を増大させることができるため、干渉領域17fの3回目の通過時において、調整可能な高い強度を得ることができる。
【0138】
この回折光学コンポーネント15fに用いる制御手段は、上記2つの表面波源47f,113の電力、すなわち表面波源としての強度を、別個に、あるいは表面波によって干渉領域17fに形成される所望の格子構造に応じて相関的に調整するため、表面波受信器73f,73f′の出力信号を読み出すことができる。この回折光学コンポーネント15fにおいては、異なる空間方向への回折効率に影響を与えるために、2つの表面波源47f,113の強度を相関的に変動させることが可能である。
【0139】
図12に示す回折光学コンポーネント15gは、干渉領域17gを基板表面45g上に有する基板43gを備えており、上記干渉領域は、定在表面波を発生し得る表面波共振器内に配置されている。このような構成とするため、2つの表面波鏡117,119を上記基板表面上に対向させて配置しているが、これにより所定の周波数帯の表面波がこれら表面波鏡間を往復し、定在表面波の領域(standing surface wave field)を形成することが可能になる。上記2つの共振器鏡117,119間には、上記共振器に表面波を供給する表面波源47gと、干渉領域17gとが配置されている。
【0140】
干渉領域17gは、連続的な光ビームの照射を受ける。上記光ビームは、上記干渉領域の格子構造の影響を受けるが、上記格子構造の格子振幅は、時間の経過と共に、表面波の周波数の2倍の大きさで増減する。したがって、この格子によって提供される回折効率も、表面波の周波数の2倍変動する。
【0141】
図13は、さらに別の回折光学コンポーネント15hを示している。この回折光学コンポーネント15hにおいては、対向する2つの鏡117h,119hによって、基板表面45h上の干渉領域17h内に定在表面波が発生する。図12に示す実施形態とは対照的に、ここでは、表面波源47hは、共振器内ではなく、その外側に設けられており、表面波源47hから好ましい方向である矢印53hの方向に放出された表面波は、上記共振器内、すなわち上記2つの鏡117h,119h間に配置された供給鏡(feed-in mirror)97hに到達する。供給鏡(feed-in mirror)97hは表面波源47hによって放出された表面波を上記共振器に送り、これにより上記共振器内で定在表面波の領域が形成される。
【0142】
図13に示す回折光学コンポーネント15hは、図13に概略的に示すシンクロトロン放射源5hを光源として有する照射系1hの一部である。シンクロトロン5hにおいては、帯電した粒子束が矢印7hの方向に移動し、図示していない放射位置から干渉領域17hに向けて時刻パルスシンクロトロン放射(time-pulsed synchrotron radiation)を放出する。ここでは、最も強度の高いシンクロトロン放射を最大の回折効率で回折させるため、シンクロトロン5hによって放出された放射パルスが、表面波格子の振幅が実質的に最大となったときに上記干渉領域17hに到達するように、表面波源47hとシンクロトロン5hとを同期させる制御手段が設けられている。この制御手段については後で述べる。
【0143】
このため、シンクロトロン5hには、シンクロトロン5h内を伝播する粒子束(particle packages)の時間系列を表し、ゆえに放射パルスの時間系列を表す測定信号を発するセンサー121が設けられている。センサー121は、例えば、ビームピックアップコイル等であってもよい。
【0144】
センサー121によって提供された測定信号は、表面波源47hから放出される表面波の周波数を決定する周波数制御手段77hに供給される。表面波の周波数fは、放射パルスの周波数の半分になるように調整される。周波数制御手段77hによって発せられた周波数信号は、位相ずれ制御手段(phase shift control means)123に供給される。位相ずれ制御手段123は、表面波源47hから放出された表面波の位相Δψを調整した後、増幅器71aを駆動させる。次に、この増幅器71aからの出力が表面波源47hに供給される。位相ずれ制御手段123は、放射光センサー125に記録された信号に応じて位相Δψを調整する。放射光センサー125は、干渉領域17hに入射する放射光の、所定の回折次数の強度を測定する。この放射光の強度は、表面波によって干渉領域17hに形成された回折格子の回折効率に依存するため、放射光センサー125より発せられた測定信号は、上記格子の回折効率を表している。次に、位相ずれ制御手段123は、上記回折効率が最大となるように、位相Δψを調整する。
【0145】
位相ずれ制御手段123を使用し、回折されたビームをオフ状態にする、すなわち、回折効率が最小になるように位相Δψを調整することも可能である。これは、例えば、定在波の振幅値が実質的にゼロのときに放射パルスが干渉領域へ到達するように位相Δψを調整することによって達成される。
【0146】
これに関し、表面波の周波数として上述した周波数fの倍数、すなわち、放射パルスの基本周波数または高調波(harmonics)を使用することも可能である。
【0147】
上述の実施形態においては、表面波源47hから放出された表面波が、鏡117h,119hによって形成された表面波共振器に適切な位相関係で送られるように、位相ずれ制御手段123を駆動している。位相ずれ制御手段123は、放射光強度センサー125に応じて位相角Δψを調整する。放射光センサー125は、1次、2次、またはそれ以上の次数で回折された放射光の強度を検出することができる。
【0148】
しかしながら、位相ずれ制御手段123により、放射光センサー125の測定信号に応じてではなく、上記表面波共振器内に発生する表面波の振幅を検出する表面波受信器によって提供される測定信号に応じ、位相角Δψを調整することも可能である。
【0149】
位相ずれ制御により、放射光センサーまたは表面波受信器の測定信号に応じて表面波源の位相位置をこのように調整することは、閉伝播路内を循環する定在表面波または表面波のいずれかを発生させる上述のあらゆる実施形態に適用できる。
【0150】
図13に示す共振器、すなわち表面波源が外部に設けられた共振器における干渉領域に対し、図12に示す実施形態に関して述べたように、連続的な放射源を用いて照射することも可能である。さらに、図12の実施形態の干渉領域を、図13に示す実施形態に関して述べたように、定在波と同期したパルス照射源で照射することも可能である。
【0151】
上述の実施形態においては、表面波の伝播方向は、ほとんどの場合、放出時の表面波の伝播方向に対して45°の角度で配置された鏡によって、90°偏向されている。理解を容易にするためにこれらの数値を選択したが、表面波の伝播は、基板の材料における異方性効果(anisotropic effects)の影響を受けて決定される場合も多々あることに留意すべきである。したがって、鏡へ入射し、反射されて出射するビームに関して光学の分野で公知である角度の関係は、本願における表面波には当てはまらない。したがって、表面波の鏡への入射角は、その出射角と必ずしも一致しない。表面波が比較的少ない減衰で第1の方向に伝播する基板上において、上記第1の方向に直交する方向にわずかに表面波を伝播させ、鏡によって放出時の伝播方向に直交しない方向への回折を有利に達成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の露光系の一実施形態を示している。
【図2】図2は、本発明の回折光学コンポーネントの一実施形態を示している。
【図3】図3は、図2に示す回折光学コンポーネントに使用する表面波源の概略図である。
【図4】図4は、図3に示す表面波源の詳細図である。
【図5】図5は、図2に示す回折光学コンポーネントのサブコンポーネントの周波数依存性を概略的に示したグラフである。
【図6】図6は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図7】図7は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図8】図8は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図9】図9は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図10】図10は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図11】図11は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図12】図12は、本発明の回折光学コンポーネントの別の実施形態を示している。
【図13】図13は、本発明の照射系の別の実施形態を示している。
Claims (28)
- 短波長を有する放射ビームを生成する照射系であって、
0.1nmから100nmの範囲の波長を有する放射光源(5、11)と、上記放射光源からの放射光を受光し、生成される上記放射ビームを反射する干渉領域を有する回折光学コンポーネントとを備え、
上記回折光学コンポーネントは、干渉領域を提供する表面(45)を有する基板(43)と、調整可能な周波数によって励起でき、上記表面上の上記干渉領域内の表面波によって格子構造が形成されるように、上記基板(43)の上記表面(45)に表面波を発生させる表面波源(47)とを含む表面波装置を備え、
上記回折光学コンポーネントは、上記表面波源(47)によって発せられた表面波を受信し、表面波受信器(73)が設けられている場所における上記表面波の振幅を表す測定信号を供給する上記表面波受信器(73)と、上記測定信号に応じて、上記表面波源(47)を励起するための周波数(f)を調整する制御手段(77)とをさらに備えた照射系。 - 上記制御手段(77)は、受信された上記表面波の上記振幅が実質的に最大となるように上記周波数(f)を調整する請求項1に記載の照射系。
- 上記表面波源(47)によって発せられた上記表面波の振幅が、上記表面波源(47)を励起するための上記周波数(f)に依存した第1の波形を有し、
上記測定信号の大きさが、上記周波数(f)に依存した第2の波形(84)を有し、
上記第1の波形および上記第2の波形(84)が、周波数帯域幅(δf,Δf)をそれぞれ有して中心周波数の両側に落ち込むという特性を有し、
上記第2の波形(84)の上記周波数帯域幅(Δf)が、上記第1の波形の上記周波数帯域幅(δf)よりも大きい請求項1または2に記載の照射系。 - 上記制御手段(77)が、上記第2の波形(84)に依存して上記周波数(f)をさらに制御する請求項3に記載の照射系。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の照射系であって、
上記干渉領域(17)の外側に設けられた、表面波を減衰させるための表面波ダンパ(73,87;111,111′)をさらに備え、
上記表面波ダンパ(73,87;111,111′)が、上記表面波ダンパが設けられている場所における上記表面波の力学的エネルギーを電気エネルギーへと変換する音響電気変換器を備えている照射系。 - 上記音響電気変換器(73)が、上記電気エネルギーを供給するための少なくとも2個の端子(75,76)と、上記2個の端子(75,76)に接続された、上記電気エネルギーを消散させるための抵抗回路(81)とを有する請求項5に記載の照射系。
- 上記抵抗回路(81)は、上記抵抗回路(81)において消散されるエネルギーが最大となるように、上記2個の端子(75,76)間の上記音響電気変換器(73)のインピーダンスに対して調整された電気インピーダンスを有する請求項6に記載の照射系。
- 上記抵抗回路(81)の電気インピーダンスと、上記音響電気変換器(73)の電気インピーダンスとが、共役複素インピーダンス値を有する請求項7に記載の照射系。
- 上記表面波源(47)が電気音響変換器を有し、上記表面波源(47)の上記電気音響変換器と、上記表面波ダンパ(73)の上記音響電気変換器のそれぞれが、隣り合う副電極と離間するように一定間隔で配置された複数の副電極(62,63,64,65,66,67)を有する複数のセクションを有し、上記電気音響変換器の電極構造における一セクションが、上記音響電気変換器の電極構造における一セクションと対応し、上記対応セクション内における上記副電極(62,63,64,65,66,67)の配置間隔(Δ1,Δ2)がそれぞれ相違する請求項5から8のいずれか1項に記載の照射系。
- 上記電気音響変換器および上記音響電気変換器の上記対応セクション内における上記副電極の配置間隔(Δ1,Δ2)が、0.01%〜0.5%、特に、0.01%〜0.05%、0.05%〜0.15%、または0.15%〜0.5%異なっている請求項9に記載の照射系。
- 上記表面波ダンパ(73)における上記音響電気変換器が方向特性を有し、好ましい方向(53)から上記表面波ダンパ(73)に到達する表面波を、上記方向と反対方向から上記表面波ダンパ(73)に到達する表面波の減衰に比べて大きく減衰させる請求項5から10のいずれか1項に記載の記載の照射系。
- 上記干渉領域(17)が、上記表面波源(47)と上記表面波ダンパ(73)との間の接続線上に配置されている請求項5から11のいずれか1項に記載の照射系。
- 上記表面波源(74)が、上記干渉領域(17)と上記表面波ダンパ(87)との間の接続線上に配置されている請求項5から12のいずれか1項に記載の照射系。
- 請求項1から13のいずれか1項に記載の照射系であって、
表面波の閉伝播路を形成するように上記基板(43a;43c)上に配置された複数の表面波鏡(91,92,93,94;91c,92c,93c,94c)をさらに備え、
上記干渉領域(17a;17c)が上記閉伝播路内に配置されている照射系。 - 上記表面波源(47a)が方向特性を有し、表面波を好ましい方向(53a)に対して、その反対方向よりも強力に放出し、さらに上記表面波源(45a)が上記閉伝播路内に設けられている請求項14に記載の照射系。
- 上記表面波源(47c)が上記閉伝播路の外側に設けられ、上記表面波源(47c)によって発せられた表面波を上記閉伝播路へと供給する請求項14に記載の照射系。
- 上記表面波源(47c)によって発せられた表面波を上記閉伝播路へと供給するため、表面波鏡(87)がさらに設けられている請求項16に記載の照射系。
- 上記表面波鏡(91d,92d,93d,94d,101,102,103,104)が、上記伝播路が上記干渉領域(17d)を異なる方向(105,106)に複数回通過するように配置されている請求項14から17のいずれか1項に記載の照射系。
- 請求項1から18のいずれか1項に記載の照射系であって、
上記格子構造が定在表面波によって形成される照射系。 - 上記干渉領域(17g)が、上記表面波源(47g)と、上記表面波源(47g)によって放出された表面波を反射して上記干渉領域(17g)へと戻す表面波鏡(119)との間における接続線上に配置された請求項19に記載の照射系。
- 上記干渉領域(17h)が、上記表面波源(47h)から放出された表面波が供給される表面波共振器(117,119)内に配置されている請求項19または20に記載の照射系。
- 上記表面波共振器が上記表面波鏡(117,119)によって形成されている請求項21に記載の照射系。
- 上記表面波源(47h)から放出された上記表面波を上記表面波共振器(117,119)へと送るための表面波鏡(97h)をさらに備えた請求項21または22に記載の照射系。
- 請求項19から23のいずれか1項に記載の照射系であって、
上記放射光源がパルス放射光源(5h)であり、上記定在表面波の振幅が一定期間所定のしきい値を超過した場合に、パルス放射光源(5h)からの放射パルスが上記干渉領域(17h)に入射するように、上記パルスと上記表面波装置を同期させている照射系。 - 上記表面波源(47)が、発生した表面波の周波数(f)と位相位置(Δψ)とを調整する駆動手段(77h,123)を備え、
上記駆動手段(77h,123)は、上記周波数(f)および上記位相位置(Δψ)を、上記格子構造により所定の回折次数で回折された放射光の強度が、所定の値、特に実質的に最大値となるように、上記放射光源(5h)のパルスシーケンスに応じて調整する請求項24に記載の照射系。 - 上記放射光源がシンクロトロン放射光源(5h)である請求項1から25のいずれか1項に記載の照射系。
- 請求項1から26のいずれか1項に記載の照射系と、少なくとも1つの集光系(25)と、結像させるパターンが形成されたマスク(27)と、結像系(37)と、基板支持体(39)とを備えた露光系であって、
上記集光系(25)および上記マスク(27)が、上記放射光源(5,11)からの放射光が上記干渉領域(17)において異なる空間方向(+1,0,−1)に偏向されて上記マスク(27)へと向かうように配置され、
上記結像系(37)および上記基板支持体(39)が、上記マスク(27)によって反射された放射光が上記基板支持体に取り付け可能な基板(39)に結像するように配置されている露光系。 - 少なくとも1つのフォトリソグラフィー工程を有する装置の製造方法であって、上記フォトリソグラフィー工程が、
請求項27に記載の露光系を設けることと、
感光層(radiation sensitive layer)を備えた基板(39)を上記基板支持体上に設けることと、
異なる空間方向に偏向された上記放射光源(5,11)からの放射光により、上記感光層を露光することとを含む装置の製造方法。
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