JPH11330592A - レーザ光源装置およびそれを備えた露光装置 - Google Patents

レーザ光源装置およびそれを備えた露光装置

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JPH11330592A
JPH11330592A JP10136819A JP13681998A JPH11330592A JP H11330592 A JPH11330592 A JP H11330592A JP 10136819 A JP10136819 A JP 10136819A JP 13681998 A JP13681998 A JP 13681998A JP H11330592 A JPH11330592 A JP H11330592A
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laser
mirror
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JP10136819A
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Kito O
季東 王
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、レーザ光を射出するレーザ光源装置
および、半導体装置、液晶表示装置、あるいは薄膜磁気
ヘッド等を製造する際のフォトリソグラフィ工程で用い
られる露光装置に関し、長時間使用することができるレ
ーザ光源装置および、スループットを向上させた露光装
置を提供することを目的とする。 【解決手段】励起部21と、励起部21をはさんで配置
され、励起部21からの光に対して所定の反射率を有す
る反射鏡25および出力鏡26を備えたレーザ光源装置
において、反射鏡25および出力鏡26を移動させて、
反射鏡25および出力鏡26の面に対する励起部21か
らの光の照射位置を調整する反射鏡ステージ27および
出力鏡ステージ28を備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を射出す
るレーザ光源装置および、半導体装置、液晶表示装置、
あるいは薄膜磁気ヘッド等を製造する際のフォトリソグ
ラフィ工程で用いられ、照明系にレーザ光源装置を備え
た露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特定の波長の光を発生させ、当該
光を共振させてレーザ光を射出するレーザ光源装置が知
られている。このような従来のレーザ光源装置の概略の
構成を図6に示す。このレーザ光源装置は、大別する
と、特定の波長の光を発生させる励起部61と、光を共
振させる共振器(62、63、64)とを有している。
励起部61には、励起して特定の波長の光を発生させる
ArFやKrF等のレーザ媒質が封入されている。共振
器は励起部61を収容するチャンバ63を有しており、
励起部61の周囲の空間は、真空、あるいはNガスで
充満されている。チャンバ63には、反射鏡62と出力
鏡64とが励起部61をはさんでほぼ平行に対向するよ
うに備えられている。反射鏡62には、レーザ光を透過
させない材料からなる基板上にレーザ光を全反射させる
反射膜(以下、全反射膜)が形成されている。また、出
力鏡64には、レーザ光を透過させる材料からなる基板
上にレーザ光の大部分を反射し一部を透過させる膜(以
下、部分透過膜という)が形成されている。
【0003】励起部61で発生した特定の波長のレーザ
光は、反射鏡62に入射して全反射し、出力鏡64に入
射して大部分が反射する。したがって、レーザ光の大部
分は反射鏡62と出力鏡64との間を往復して、反射鏡
62と出力鏡64との間に位置する励起部61を何回も
通過するようになり、励起部61を通過する度に、励起
部61によって光強度が増幅される。このような状態に
おいて、出力鏡64に入射するレーザ光の一部は、出力
鏡64を透過して外部に射出される。
【0004】上記のようなレーザ光源装置は、例えば、
半導体装置、液晶表示装置、あるいは薄膜磁気ヘッド等
を製造する際のフォトリソグラフィ工程で用いられる露
光装置において、マスクまたはレチクル(以下、レチク
ルという)に形成されたパターンの像をフォトレジスト
が塗布されたウェハまたはガラス基板(以下、ウェハと
いう)に転写露光する際の露光光の光源として使用され
る。近年、ウェハに転写するパターンの線幅はますます
微細化されてきており、パターンの転写には高い解像度
が必要とされてきている。したがって、露光光の光源に
は、高い解像度を得ることのできる短い波長の光を射出
することが要求されるようになってきた。そこで近年、
光源として、YAGレーザ光を波長変換用の結晶で波長
変換した倍波レーザ光、例えば、5倍波レーザ光(波長
213nm)を射出するYAG倍波レーザ光源装置や、
エキシマレーザ光源装置等のDUV(Deep Ultraviole
t)レーザ光源装置が用いられるようになってきてい
る。このDUVレーザ光源装置は、非常に高いパワーの
パルス光のレーザ光を射出することができるようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のレーザ光源
装置では、共振器内を往復するレーザ光によって、反射
鏡62および出力鏡64が分子構造の破壊または機械的
な構造の破壊等の損傷を受ける問題が生じている。特
に、高い強度のレーザ光を射出するレーザ光源装置は共
振器内のレーザ光も強く、反射鏡62および出力鏡64
に照射されるレーザ光の単位面積あたりの強度(パワー
密度)が高くなるので、反射鏡62および出力鏡64が
大きな損傷を受ける可能性がある。最も発生する頻度の
高い損傷としては、反射鏡62の表面に形成された反射
膜または出力鏡64の表面に形成された一部透過膜の光
学薄膜の損傷がある。他の損傷には、反射鏡62または
出力鏡64の基板表面の損傷あるいは基板内部の損傷等
がある。
【0006】レーザ光による反射鏡62または出力鏡6
4の破損のメカニズムとしては、電子雪崩、熱破碎、溶
解を起こす単純吸収等がある。例えば、電子雪崩は、反
射鏡62または出力鏡64を構成する分子の価電子帯の
電子がレーザ光のエネルギを吸収し、これによってバン
ドギャップを飛び越えて伝導帯へ移ることにより生じ、
臨界エネルギを越えると反射鏡62または出力鏡64に
損傷が生じる。
【0007】多光子吸収によって反射鏡62または出力
鏡64に損傷が生じる場合もある。この多光子吸収は、
反射鏡62または出力鏡64を構成する分子が2個以上
の多数の光子(Photon)を同時に吸収することにより、
価電子帯の電位がバンドギャップを越えて、反射鏡62
または出力鏡64を構成する分子がイオン化状態に達す
る。すなわち、分子の電子が単一の光子吸収エネルギに
相当する多数の中間エネルギ状態を通ってエネルギ準位
を上がっていくことによって分子がイオン化状態にな
る。このようなエネルギ状態は光子電場の影響下にある
ものの、非常に短い時間でしか存在できず、すぐに基底
状態へ緩和してしまう。照射レベルが比較的低いレーザ
光源装置では多光子吸収の発生確率はかなり低いが、照
射レベルが高い、例えば露光装置で使用されるような高
エネルギの短パルス光としてレーザ光を射出するレーザ
光源装置では多光子吸収の発生確率は高い。特に、露光
装置のレーザ光源装置では、パルス周波数を高める傾向
にあるが、周波数を高くすると多光子吸収の発生確率が
高くなる。
【0008】上述のように、反射鏡62または出力鏡6
4に損傷が生じると、反射鏡62や出力鏡64がレーザ
光を吸収してしまうため、射出するレーザ光の強度が低
下してしまう。また、反射鏡62または出力鏡64の反
射率が悪くなるために、共振器内におけるレーザ光の増
幅の効率が低下して射出されるレーザ光の強度が低下し
てしまう。また、反射鏡62または出力鏡64で反射さ
れた光の面に収差が生じてレーザ光の品質が低下してし
まう。従って、従来は一定の時期に達したレーザ光源装
置を停止させて反射鏡62または出力鏡64を交換しな
ければならなかった。この反射鏡62または出力鏡64
の交換には手間がかかると共に、作業が長時間にわたっ
てしまうという問題がある。特に、レーザ光源装置を備
えた露光装置においては、反射鏡62または出力鏡64
を交換する際には、露光処理を長時間停止しなければな
らないために、半導体装置等のスループットを低下させ
てしまうという問題が生じる。本発明の目的は、手間を
かけずに容易に長時間使用することができるレーザ光源
装置、および、スループットを向上することができる露
光装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の一実施の形態を
表す図1乃至図5に対応付けて説明すると上記目的は、
レーザ媒質(21)と、レーザ媒質(21)をはさんで
配置され、レーザ媒質(21)からの光に対して所定の
反射率を有する2枚のミラー(25、26)とを備えた
レーザ光源装置において、2枚のミラー(25、26)
の少なくとも一方に対するレーザ媒質(21)からの光
の照射位置を調整する調整手段(27、28)を備えた
ことを特徴とするレーザ光源装置によって達成される。
【0010】また、本発明のレーザ光源装置において、
調整手段(27、28)は、光の入射方向に垂直な面内
で、2枚のミラー(25、26)の少なくとも一方と、
照射位置とを相対移動させることを特徴とする。また、
本発明のレーザ光源装置において、レーザ媒質(21)
を密閉空間内に収容する収容部(23、24)を備え、
収容部(23、24)は、光の入射方向に垂直な面内で
2枚のミラー(25、26)の少なくとも一方を移動可
能に支持するべローズ部材(24)を有していることを
特徴とする。
【0011】また、上記目的は、レーザ媒質(21)
と、レーザ媒質(21)をはさんで配置され、レーザ媒
質(21)からの光に対して所定の反射率を有する2枚
のミラー(25、26)とを備えたレーザ光源装置にお
いて、2枚のミラー(25、26)の少なくとも一方に
対するレーザ媒質(21)からの光の照射面積を拡大さ
せる拡大手段(32、33、41、42、51、52)
を備えたことを特徴とするレーザ光源装置によって達成
される。また、本発明のレーザ光源装置において、拡大
手段(32、33、41、42、51、52)は、レー
ザ媒質(21)と、2枚のミラー(25、26)の少な
くとも一方との間に配置されていることを特徴とする。
【0012】また、上記目的は、感光基板(W)を保持
する基板ステージ(10X、10Y)と、感光基板
(W)に転写するパターンが形成されたレチクル(R)
を保持するレチクルステージ(RS)と、感光基板
(W)にレチクル(R)のパターンを転写するための照
明光を照射する照明光学系(1、4、5、6、7、8
等)とを備えた露光装置において、照明光学系(1、
4、5、6、7、8等)は、本発明のレーザ光源装置
(1)を有していることを特徴とする露光装置によって
達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
レーザ光源装置およびそれを備えた露光装置を図1およ
び図2を用いて説明する。まず、本実施の形態による露
光装置の概略の構成を図1を用いて説明する。図1にお
いて、投影光学系PLの光軸に平行にZ軸をとり、Z軸
に垂直な面内で互いに直交するX軸およびY軸をとるも
のとする。本露光装置は、露光用のKrFエキシマレー
ザまたはArFエキシマレーザ等のエキシマレーザ光を
射出するレーザ光源装置1を備えている。このレーザ光
源装置1の構成および動作については後述する。
【0014】レーザ光源装置1から射出されたレーザ光
は可動ミラーM1、固定ミラーM2を介してビーム成形
光学系4に入射して所定の断面形状、サイズに成形され
る。レーザ光源装置1とビーム成形光学系4との間に
は、レーザ光を遮断するシャッタSHが備えられてい
る。ビーム成形光学系4からのレーザ光は駆動部5によ
って所定角度内で揺動する揺動ミラーM3で反射された
後、オプティカルインテグレータとして機能するフライ
アイレンズFLに入射し、多数の2次光源(スポット
光)に変換される。フライアイレンズFLの各エレメン
トレンズの射出側にできた各スポット光は、コンデンサ
レンズ系6によって、レチクルブラインド(照明視野絞
り)RB上でほぼ一様な強度分布となるように重ね合わ
される。
【0015】レチクルブラインドRBを透過したレーザ
光はレンズ系7、固定ミラーM4、主コンデンサーレン
ズ8、及び固定ミラーM5を介してレチクルRの回路パ
ターン領域を照明する。レチクルブラインドRBとレチ
クルRとは、レンズ系7および主コンデンサーレンズ8
に関して共役になっている。レチクルRはレチクルステ
ージRSに載置され、専用のレチクルアライメント系9
X、9YによってX方向、Y方向、および、Z軸周りの
回転方向に位置決めされるようになっている。レチクル
Rの回路パターンの像は投影レンズPLを介してウェハ
W上に縮小投影される。ウェハWはXステージ10X上
に載置され、Xステージ10Xはベース上をY方向に移
動するYステージ10Y上をX方向に移動する。これに
よってウェハWは投影像面に沿って2次元移動し、ステ
ップ・アンド・リピート方式の露光が行なわれる。
【0016】上記の構成において、可動ミラーM1とレ
ーザ光源装置1との間には、露光本体部を収納するサー
マルチャンバの隔壁(図示せず)があり、レーザ光源装
置1はサーマルチャンバの外部に設置されている。本露
光装置における各種動作、例えば、X−Yステージ10
X、10Yの移動、レチクルアライメント系9X、9Y
によるレチクルRの位置決め、ウェハアライメント系
(図示を省略)によるウェハWの位置検出、動作、レチ
クルブラインドRBの設定、光電素子(図示せず)を用
いた露光量制御動作、あるいはレーザ光の可干渉性によ
って生じる干渉縞等を低減させるための振動ミラーM3
の振動によるスペックル低減動作は主制御装置11によ
って制御されている。
【0017】また、主制御装置11と制御装置2との間
には、インターフェース3が設けられており、インター
フェース3を介して、主制御装置11は制御装置2によ
りレーザ光源装置1の操作を全て制御できるようになっ
ている。レーザ光源装置1における各種制御は、制御装
置2によって行なわれるが、本実施の形態では、制御装
置2は露光本体部側の主制御装置11からの指令やリク
エスト信号に従ってレーザ光源装置1を制御するように
なっている。
【0018】次に、本実施の形態による露光装置に備え
られたレーザ光源装置1を図2を用いて説明する。図2
は、レーザ光源装置1の概略の構成を示しており、図1
と同様の座標系をとるものとする。本レーザ光源装置1
は、大別すると、特定の波長の光を発生させる励起部2
1と、光を共振させる共振器(23、24、25、2
6、27、28)とを有している。
【0019】励起部21には、特定の波長の光を励起さ
せるArFやKrF等のレーザ媒質が封入されている。
励起部21は、共振器のレーザチャンバ23の内部に収
容されている。レーザチャンバ23は、脚部23aを介
して設置面Gに設置されている。レーザチャンバ23の
−Y方向側および+Y方向側の側面のそれぞれに、ゴム
等の柔軟性が高い材質からなるベローズ(蛇腹)部材2
4が密着されている。−Y方向側のベローズ部材24の
−Y方向側には反射鏡25が密着されて支持されてい
る。+Y方向側のベローズ部材24の+Y方向側には出
力鏡26が密着されて支持されている。レーザチャンバ
23、ベローズ部材24、反射鏡25および出力鏡26
によって形成される共振器の内部空間は、外部と遮断さ
れており、例えば、Nガスが充填されている。
【0020】反射鏡25は、レーザ光を透過させない材
料からなる基板上に全反射膜が形成されたものであり、
出力鏡26は、レーザ光を透過させる材料からなる基板
上に部分透過膜が形成されたものである。反射鏡25お
よび出力鏡26は、励起部21をはさんでそれぞれの面
がほぼ平行に対向するように設けられている。反射鏡2
5は、反射鏡ステージ27を介して設置面Gに支持され
ており、反射鏡ステージ27の駆動により、X、Y、あ
るいはZ方向への移動、並びに、X、Y、あるいはZ軸
の各軸回りの回転移動ができるようになっている。出力
鏡26は、出力鏡ステージ28を介して設置面Gに支持
されており、出力鏡ステージ28の駆動により、X、
Y、あるいはZ方向への移動、並びに、X、Y、あるい
はZ軸の各軸回りの回転移動ができるようになってい
る。反射鏡ステージ27および出力鏡ステージ28は、
制御装置2に制御されて反射鏡25および出力鏡26を
移動させるようになっている。
【0021】次に、本露光装置に備えられた本レーザ光
源装置1のレーザ光の射出動作を説明する。本レーザ光
源装置では、励起部21より発生されたレーザ光は、反
射鏡25に入射して全反射し、出力鏡26に入射して大
部分が反射する。したがって、レーザ光の大部分は反射
鏡25と出力鏡26との間を往復して、反射鏡25と出
力鏡26との間の励起部21を何回も通過するようにな
り、励起部21を通過する度に、励起部21によって光
強度が増幅される。このような状態において、出力鏡2
6に入射するレーザ光の一部は、出力鏡26を透過して
可動ミラーM1へ向かって射出される。これによって当
該レーザ光を露光光として、露光装置において露光処理
を行うことができる。
【0022】次に、本レーザ光源装置1によるレーザ光
の出力低下あるいはレーザ光の品質低下に対する調整動
作を説明する。本調整動作は、図示しない入力装置から
露光装置のオペレータが主制御装置11に調整を指示し
た場合や、図示しないセンサによりレーザ光の出力の低
下を検出して調整が必要であると主制御装置11が判断
した場合等に行われる。
【0023】まず、主制御装置11からの指令により制
御装置2は、反射鏡ステージ27および出力鏡ステージ
28の駆動を以下に示すように制御する。反射鏡ステー
ジ27および出力鏡ステージ28を駆動して、反射鏡2
5および出力鏡26をそれぞれの面に照射されるレーザ
光に垂直な面内、すなわち、X−Z平面内で移動させ、
反射鏡25および出力鏡26でのレーザ光の照射位置
を、損傷を受けていない位置、あるいは損傷の度合いが
少ない位置に変更する。なお、反射鏡25および出力鏡
26でのレーザ光の照射位置がレーザ光によって損傷を
受けていない位置であるか、あるいは損傷の度合いが少
ない位置であるかは、例えば射出されるレーザ光の強度
を測定することで決定することができる。
【0024】次に、反射鏡25および出力鏡26がレー
ザ光によって、損傷を受けているか否かを検出する他の
例を以下に説明する。反射鏡25および出力鏡26のそ
れぞれに光音響センサを取り付ける。そして、音響セン
サの出力に基づいて、反射鏡25および出力鏡26の光
学特性変化を監視する。即ち、反射鏡25および出力鏡
26の光学特性は、レーザ光により受ける反射鏡25ま
たは出力鏡26の損傷に応じて変化する。従って、反射
鏡25および出力鏡26に音響センサを取り付け、その
出力を監視することにより、反射鏡25および出力鏡2
6がレーザ光により損傷を受けているか否か、またはそ
の度合いを検出することが可能になる。そして、光学特
性の変化が許容範囲を超えた場合、反射鏡ステージ27
および出力鏡ステージ28を駆動して、反射鏡25およ
び出力鏡26でのレーザ光の照射位置を変更すればよ
い。このように音響センサを用いた場合、反射鏡25お
よび出力鏡26の損傷を別々に監視することが可能とな
る。従って、反射鏡25および出力鏡26のうち、レー
ザ光による損傷がひどい鏡に対するレーザ光の照射位置
を変更することが可能となる。なお、レーザ光の照射位
置を変更し、変更したレーザ光の照射位置の光学特性変
化を監視する場合、照射位置を変更した時点の音響セン
サの出力を初期値として設定する必要がある。
【0025】この結果、反射鏡25および出力鏡26の
損傷を受けていない位置、あるいは損傷の度合いが少な
い位置にレーザ光が照射されるようになり、レーザ光源
装置から射出されるレーザ光の出力強度および品質を回
復あるいは改善することができる。このように、本実施
の形態によるレーザ光源装置によれば、従来のレーザ光
源装置のように反射鏡および出力鏡を交換することな
く、容易且つ迅速にレーザ光の出力強度および品質を回
復あるいは改善することができ、長時間使用できるよう
になる。また、本実施の形態による露光装置によれば、
露光処理を停止させなければならない時間を短縮するこ
とができるので、露光処理のスループットを向上させる
ことができる。
【0026】次に、本発明の第2の実施の形態によるレ
ーザ光源装置を図3を用いて説明する。本実施の形態に
よるレーザ光源装置は、第1の実施の形態で説明した露
光装置に用いることができる。従って、露光装置の説明
は省略し、本レーザ光源装置1の構成について説明する
こととする。図3は、本レーザ光源装置1の概略の構成
を示しており、図1と同様な座標系をとるものとする。
なお、上記の図2に示すレーザ光源装置と同様な機能を
有する構成要素には同一符号を付して重複する説明は省
略するものとする。
【0027】本レーザ光源装置1の励起部21は、共振
器のレーザチャンバ31の内部に収容されている。レー
ザチャンバ31は、脚部31aを介して設置面Gに設置
されている。レーザチャンバ23には、反射鏡25およ
び出力鏡26が励起部21をはさんでそれぞれの面がほ
ぼ平行に対向するように設けられている。レーザチャン
バ23、反射鏡25および出力鏡26によって形成され
る共振器の内部空間は、外部と遮断されており、例え
ば、Nガスが充填されている。
【0028】反射鏡25と励起部21との間のレーザ光
の光路中には、拡大光学系33が備えられている。拡大
光学系33は、凹レンズ32aと凸レンズ32bとを組
み合わせたガリレイ式望遠鏡の構成になっている。この
拡大光学系32において、凹レンズ32aおよび凸レン
ズ32bの光軸は励起部21で発生したレーザ光の進行
方向と平行であり、また凸レンズ32bに対して凹レン
ズ32aが励起部21側に位置し、且つ凸レンズ32b
の実焦点と凹レンズ32aの虚焦点とが一致するように
配置されている。図3中F1が凸レンズ32bの実焦点
であり、凹レンズ32aの虚焦点である。従って、拡大
光学系32の光軸に平行に入射する光束は、当該光軸に
平行に出射するようになっている。
【0029】また、出力鏡26と励起部21との間のレ
ーザ光の光路中には、拡大光学系33が備えられてい
る。拡大光学系33も、凹レンズ33aと凸レンズ33
bとを組み合わせたガリレイ式望遠鏡の構成になってい
る。この拡大光学系33において、凹レンズ33aおよ
び凸レンズ33bの光軸は励起部21で発生したレーザ
光の進行方向と平行であり、また凸レンズ33bに対し
凹レンズ33aが励起部21側に位置し、且つ凸レンズ
33bの実焦点と凹レンズ33aの虚焦点とが一致する
ように配置されている。図3中F2が凸レンズ33bの
実焦点であり、凹レンズ33aの虚焦点である。従っ
て、拡大光学系33の光軸に平行に入射する光束は、当
該光軸に平行に出射するようになっている。
【0030】次に、本レーザ光源装置1のレーザ光の射
出動作を説明する。本レーザ光源装置1では、励起部2
1により発生されたレーザ光は、反射鏡25に入射して
全反射し、出力鏡26に入射して大部分が反射する。し
たがって、レーザ光の大部分は反射鏡25と出力鏡26
との間を往復して、反射鏡25と出力鏡26との間の励
起部21を何回も通過するようになり、励起部21を通
過する度に、励起部21によって光強度が増幅される。
このような状態において、出力鏡26に入射するレーザ
光の一部は、出力鏡26を透過して可動ミラーM1へ向
かって射出される。これによって当該レーザ光を露光光
として、露光装置において露光処理を行うことができ
る。
【0031】次に、上記射出動作中のレーザ光について
詳細に説明する。励起部21から+Y方向側、すなわ
ち、反射鏡25側にレーザ光が進む場合には、レーザ光
は凹レンズ32aに入射し、凹レンズ32aの虚焦点F
1から発したように凹レンズ32aから出射する。この
凹レンズ32aから出射するレーザ光の光束の断面積
は、凹レンズ32aに入射したときより大きくなる。次
いで、凹レンズ32aを出射したレーザ光は、凸レンズ
32bに入射し、凸レンズ32bの光軸に平行な光束と
して凸レンズ32bから出射して、反射鏡25を照射す
る。従って、反射鏡25でのレーザ光の照射面積は、励
起部21でのレーザ光の光束の断面積より大きくなる。
なお、照射面積の拡大率は拡大光学系32の拡大率の2
乗となっている。
【0032】また、励起部21から−Y方向側、すなわ
ち、出力鏡26側にレーザ光が進む場合も、上記と同様
にして、凹レンズ33aおよび凸レンズ33bを通過し
て、出力鏡26を照射する。従って、出力鏡26でのレ
ーザ光の照射面積は、励起部21でのレーザ光の光束の
断面積より大きくなる。なお、照射面積の拡大率は拡大
光学系33の拡大率の2乗となっている。
【0033】このように、本実施の形態によれば、反射
鏡25および出力鏡26でのレーザ光の照射面積が励起
部21でのレーザ光の断面積より大きくなるので、反射
鏡25および出力鏡26に照射されるレーザ光のパワー
密度を低減させることができる。従って、反射鏡25お
よび出力鏡26に発生する損傷を低減でき、反射鏡25
および出力鏡26の寿命を長くすることができる。
【0034】なお拡大光学系32、33には、反射鏡2
5に形成された全反射膜や出力鏡26に形成された部分
透過膜とは異なる材料、層数、あるいは厚さを有し、全
反射膜や部分透過膜より損傷を受けにくい反射防止膜お
よび透過光量を向上させる薄膜が形成されているので、
拡大光学系32、33がレーザ光から受ける影響は無視
できるほど小さいものである。
【0035】従って、第2の実施の形態によるレーザ光
源装置によると、レーザ光源装置の寿命を長くすること
ができる。また、第2の実施の形態によるレーザ光源装
置を備えた露光装置によると、レーザ光源装置の寿命が
長くなるために、長時間露光処理を連続して行うことが
できるようになり、スループットを向上させることがで
きる。
【0036】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、上記の第2の実施の形態に
よるレーザ光源装置では、拡大光学系32、33をガリ
レイ式望遠鏡と同様な構成の拡大光学系を用いている
が、本発明はこれに限られず、励起部21から反射鏡2
5または励起部21から出力鏡26へのレーザ光の光束
の断面積を拡大することができる拡大光学系であればよ
く、例えば、図4および図5に示す拡大光学系を用いる
ことができる。また、本発明は、第1の実施の形態と、
第2の実施形態とを組み合わせたレーザ光源装置にもも
ちろん適用することができる。
【0037】図4は、第2の実施の形態によるレーザ光
源装置の変形例を示すと共に、第1の実施の形態による
レーザ光源装置を組み合わせたレーザ光源装置を示して
いる。ここで、上記の図2および図3に示すレーザ光源
装置と同様な機能を有する構成には、同一の符号を付し
ている。図4に示すように、拡大光学系41は、凸レン
ズ41a、41bを組み合わせたケプラー式望遠鏡と同
様の構成となっており、また、拡大光系42も、凸レン
ズ42a、42bを組み合わせたケプラー式望遠鏡と同
様な構成となっている。
【0038】このレーザ光源装置によると、拡大光学系
41、42の作用により、励起部21でのレーザ光の断
面積より反射鏡25および出力鏡26でのレーザ光の照
射面積を大きくすることができるので、反射鏡25およ
び出力鏡26の損傷を低減させることができ、レーザ光
源装置の寿命を長くすることができる。また、このレー
ザ光源装置によると、ステージ27、28によって反射
鏡25および出力鏡26でのレーザ光の照射位置を変え
ることができるので、反射鏡25および出力鏡26を交
換することなく、容易且つ迅速にレーザ光の出力強度お
よび品質を回復あるいは改善することができ、長時間使
用できるようになる。
【0039】次に、図5は、第2の実施の形態によるレ
ーザ光源装置の他の変形例を示すと共に、第1の実施の
形態によるレーザ光源装置を組み合わせたレーザ光源装
置を示している。ここで、上記の図2および図3に示す
レーザ光源装置と同様な機能を有する構成には、同一符
号を付している。図5に示すように、拡大光学系51
は、プリズム51a、51bを組み合わせて構成され、
拡大光学系52は、プリズム52a、52bを組み合わ
せて構成されている。
【0040】このレーザ光源装置によると、拡大光学系
51、52の作用により、励起部21でのレーザ光の断
面積より反射鏡25および出力鏡26でのレーザ光の照
射面積を大きくすることができるので、反射鏡25およ
び出力鏡26の損傷を低減させることができ、レーザ光
源装置の寿命を長くすることができる。また、このレー
ザ光源装置によると、ステージ27、28によって、反
射鏡25および出力鏡26でのレーザ光の照射位置を変
えることができるので、反射鏡25および出力鏡26を
交換することなく、容易且つ迅速にレーザ光の出力強度
および品質を回復あるいは改善することができ、長時間
使用できるようになる。
【0041】また、上記第1の実施の形態では、反射鏡
25および出力鏡26の両方を移動させるようにしてい
たが、本発明はこれに限られず、反射鏡25または出力
鏡26の一方を移動させるようにしてもよい。この場合
には、移動させた方のミラーは交換することなく長時間
使用できる。また、上記第2の実施の形態では、励起部
21と反射鏡25との間、および励起部21と出力鏡2
6との間の両方に拡大光学系を備えるようにしていた
が、本発明はこれに限られず、いずれか一方の間に拡大
光学系を備えるようにしてもよい。このようにすると、
励起部21との間に拡大光学系を備えた方のミラーの寿
命を長くすることができる。また、上記実施の形態のレ
ーザ光源装置では、全反射する反射鏡と一部反射・一部
透過する出力鏡との2つのミラーを備えるようにしてい
たが、本発明はこれに限られず、全反射鏡を一部反射・
一部透過するミラーに代えて一部反射・一部透過するミ
ラーを2つ備えるようにしてもよい。
【0042】本実施の形態では、ステップ・アンド・リ
ピート方式の露光装置を例に説明したが、マスクと基板
とを同期移動してマスクのパターンを露光する走査型の
露光装置や、投影光学系を用いることなく、マスクと基
板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシ
ミティ露光装置にも適用することができる。露光装置の
種類としては、半導体製造用の露光装置に限定されるこ
となく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子
パターンを露光する液晶用の露光装置や薄膜磁気ヘッド
を製造するための露光装置にも広く適用できる。また、
レーザ媒質としては、ArFやKrFの他に、F2レー
ザ(157nm)や、さらに波長の短い軟X線等のEU
VLを用いることも可能である。さらに、本発明におけ
るレーザ光源装置および露光装置は、既に各実施の形態
で説明した各構成要素から構成されており、これらの構
成要素を、前述した機能を達成するように、電気的、ま
たは機械的、光学的に連結することで、組み上げられ
る。
【0043】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、長時間使
用することができるレーザ光源装置を実現できる。ま
た、本発明によれば、スループットを向上させた露光装
置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるレーザ光源装置を
備えた露光装置の概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるレーザ光源装
置の概略の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるレーザ光源装
置の概略の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1および第2の実施の形態によるレ
ーザ光源装置の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第1および第2の実施の形態によるレ
ーザ光源装置の他の変形例を示す図である。
【図6】従来のレーザ光源装置の概略の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 レーザ光源装置 2 制御装置 3 インターフェース 4 ビーム成形光学系 5 駆動部 6 コンデンサレンズ系 7 レンズ系 8 主コンデンサレンズ 9X、9Y レチクルアライメント系 10X Xステージ 10Y Yステージ 11 主制御装置 21 励起部 23、31 レーザチャンバ 24 ベローズ部材 25 反射鏡 26 出力鏡 27 反射鏡ステージ 28 出力鏡ステージ 32、33、41、42、51、52 拡大光学系 SH シャッタ W ウェハ R レチクル RS レチクルステージ M1 可動ミラー M2、M4、M5 固定ミラー M3 揺動ミラー RB レチクルブラインド FL フライアイレンズ G 設置面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ媒質と、前記レーザ媒質をはさんで
    配置され、前記レーザ媒質からの光に対して所定の反射
    率を有する2枚のミラーとを備えたレーザ光源装置にお
    いて、 前記2枚のミラーの少なくとも一方に対する前記レーザ
    媒質からの光の照射位置を調整する調整手段を備えたこ
    とを特徴とするレーザ光源装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレーザ光源装置において、 前記調整手段は、前記光の入射方向に垂直な面内で、前
    記2枚のミラーの少なくとも一方と、前記照射位置とを
    相対移動させることを特徴とするレーザ光源装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のレーザ光源装置において、 前記レーザ媒質を密閉空間内に収容する収容部を備え、 前記収容部は、前記光の入射方向に垂直な面内で前記2
    枚のミラーの少なくとも一方を移動可能に支持するべロ
    ーズ部材を有していることを特徴とするレーザ光源装
    置。
  4. 【請求項4】レーザ媒質と、前記レーザ媒質をはさんで
    配置され、前記レーザ媒質からの光に対して所定の反射
    率を有する2枚のミラーとを備えたレーザ光源装置にお
    いて、 前記2枚のミラーの少なくとも一方に対する前記レーザ
    媒質からの光の照射面積を拡大させる拡大手段を備えた
    ことを特徴とするレーザ光源装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のレーザ光源装置において、 前記拡大手段は、前記レーザ媒質と、前記2枚のミラー
    の少なくとも一方との間に配置されていることを特徴と
    するレーザ光源装置。
  6. 【請求項6】感光基板を保持する基板ステージと、前記
    感光基板に転写するパターンが形成されたレチクルを保
    持するレチクルステージと、前記感光基板に前記レチク
    ルのパターンを転写するための照明光を照射する照明光
    学系とを備えた露光装置において、 前記照明光学系は、請求項1乃至5のいずれかに記載の
    レーザ光源装置を有していることを特徴とする露光装
    置。
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