JP4308443B2 - シート状部材の位置決め装置及び画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸周りに所定の半径で形成された円筒状の回転体と、少なくとも何れか一方が、前記回転体の周面上において選択的に着脱可能に設けられ、前記シート状部材の巻き付け方向両端部をそれぞれ前記周面との間で挟持して保持する一対のチャックと、を備えたシート状部材の位置決め装置及び、この位置決め装置が適用された画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷版等のシート状部材には、アルミニウムの薄板などの支持体に感光層を形成した感光性印刷版(以下「印刷版」と言う)が用いられる。このような印刷版には、印刷物のサイズに応じて縦横の寸法の異なるものが用いられる。
【0003】
印刷版に画像露光を施す画像露光装置には、印刷版を回転体としての回転ドラムに巻き付け、回転ドラムと一体で印刷版を回転しながら画像データに応じた光ビームを印刷版に照射することにより、印刷版を走査露光するものがある。
【0004】
回転ドラムに印刷版を巻き付ける場合、回転ドラムの周方向に沿った印刷版の両端をクランプ(回転ドラムの周面との間で挟持)する保持装置(チャック)によって回転ドラムとの間で挟持して固定する。
【0005】
すなわち、印刷版におけるドラム周方向に沿う何れか一方の端部(例えば巻き付け方向先端側の端部)に対応する保持装置を回転ドラムの所定の位置に取り付けておき、印刷版の他方の端部(ここでは、巻き付け方向後端部の端部)に対応する保持装置を、回転ドラムに印刷版を巻き付けた後に、印刷版のサイズにあわせた位置に装着する。
【0006】
ここで、印刷版のサイズに合わせて、回転ドラムに取り付けるための保持装置として、回動ドラムの周面に周方向に亘って形成された装着溝の任意の位置に挿入可能な固定コマ(支柱)を備えたものがある。この保持装置に取り付けられた固定コマは、装着溝の何れにも移動可能であり、サイズの異なる印刷版に対応して適正位置で印刷版の端部を挟持することができる。
【0007】
固定コマは、装着溝への挿入方向先端部のX−Y方向(互いに略90°の関係の寸法)の一方が装着溝の開口幅よりも拡径しており、他方が装着溝の開口幅よりも縮径となっている。また、装着溝の底部は拡径した方向を収容可能な幅寸法となっている。
【0008】
すなわち、固定コマを装着溝へ挿入するときは、縮径部を装着溝の開口の幅方向に合わせることで挿入でき、挿入後には固定コマを略90°回転させることで、抜け止めが施される構造となっている。
【0009】
ここで、チャックが印刷版を挟持しているときには、固定コマ(支柱)が支点となって挟持するため、挟持力の反作用(装着溝から抜け出る方向の力)が働くが、この力を抜け止め構造によって阻止でき、印刷版を確実に挟持することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような装着溝を形成するには、回転ドラムの肉厚を大きくとり、この肉厚に達しない寸法の範囲で、細幅の開口と、この開口よりも大きい幅の底部と、を形成しなければならない。また、ある程度、抜け止め強度を維持しなければならないため、回転ドラムの肉厚寸法を大きく取らざるを得なかった。
【0011】
この回転ドラムの肉厚寸法の拡大は、回転ドラムの重量の増加につながり、回転慣性力に影響するため、高速回転化の妨げとなり、迅速な画像記録処理が行えないという問題点が生じる。
【0012】
また、全てのサイズの印刷版に対応可能なように、回転ドラムの周面に連続した装着溝を形成する必要があった。
【0013】
本発明は上記事実を考慮し、円筒状の回転体の肉厚寸法を小さくすることができると共に、シート状部材のほとんど全てのサイズに対して確実に位置決めすることができるシート状部材の位置決め装置を得ることが目的である。
【0014】
また、上記目的に加え、回転体に巻き付けた感光材料を確実に位置決めした状態で、さらなる高速回転を可能とし、画像記録時間を短縮することができる画像記録装置を得ることが目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、所定の半径で円筒状に形成され、周面にシート状部材が巻付けられて回転される回転体と、少なくとも一方が、前記回転体の周面上において選択的に着脱可能に設けられ、前記回転体に巻付けられた前記シート状部材の巻き付け方向両端部のそれぞれを前記回転体の周面との間で挟持して保持する一対のチャックと、を備え、前記回転体の周面に巻付けられた前記シート状部材の巻付け方向の両端部を、シート状部材の巻付け方向長さに応じて位置で保持するシート状部材の位置決め装置であって、前記チャックが、前記回転体の周面に回転体の周方向に沿って断続的に設けられた貫通孔へ挿入されることにより、回転体の周面との間で前記シート体の端部を挟持するときの支点となる軸部と、前記軸部の前記貫通孔への挿入方向の先端部に設けられ、軸部が貫通孔内に挿入されることにより、前記回転体の内周面の前記貫通孔周縁部に当接して、前記シート状部材の端部が前記回転体の周面との間で挟持されているときの反作用荷重を受ける基部と、を含む。
【0016】
請求項1記載の発明によれば、回転体の周面にシート状部材を巻き付ける際、例えば、一端部は予め定められた位置にチャックによって固定できるが、他方はシート状部材の巻き付け方向長さに応じて変化する。
【0017】
そこで、回転体の周面に、当該回転体の前記一対のチャック取り付け用の貫通孔を設ける。この貫通孔は前記回転体の周方向に沿って断続的に設けてあるため、シート状部材のサイズに応じた貫通孔を選択することで、チャックを取り付けることができる。
【0018】
ここで、前記貫通孔には、前記チャックによる前記シート状部材を挟持するときの支点となる軸部が回転体を貫通する。この軸部は、挿入方向先端部が回転体の内周面における貫通孔周縁部に当接し、軸部が受けるシート状部材の挟持中の反作用荷重を受ける。このため、軸部はチャックによるシート状部材の位置決め時は貫通孔から抜け落ちることはなく、安定した挟持を継続することができる。
これにより、貫通孔へチャックを取り付ける際、この貫通孔の内周面側周縁をチャックの脱落防止機能として適用できるため、あえて回転体の外周面と内周面との間の寸法(肉厚寸法)を大きくして、脱落防止構造をとる必要がなく、回転体の肉厚寸法を薄くすることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記貫通孔が、前記回転体の周方向に沿って長い長孔として形成され、前記支軸が前記貫通孔へ挿入されて回転されることにより前記基部が前記回転体の内周面の前記貫通孔周縁に当接される。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、貫通孔へ挿入された軸部を回転することにより先端の基部が、回転ドラムの内周面に当接するチャックの脱落防止構造としている。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記貫通孔が、予め既知であるシート状部材の巻き付け方向長さ寸法に基づいて設けられている。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、貫通孔は、回転体の周面に周方向に沿って断続的に設けており、この断続のピッチは、予め既知であるシート状部材の巻き付け方向長さ寸法に基づいて設けることで、連続に設ける必要がなく、貫通孔によって回転体が軸線方向で分断されるようなことはない。
【0023】
請求項4に記載の発明は、所定の半径で円筒状に形成されて周面に感光材料が巻き付けられる回転体と、少なくとも一方が、前記回転体の周面上において選択的に着脱可能に設けられ、前記回転体の周面に巻付けられた前記感光材料の巻き付け方向両端部のそれぞれを前記周面との間で挟持して保持する一対のチャックと、前記周面に前記感光材料が位置決めされて巻き付けられて前記一対のチャックによって巻き付け方向先端部及び後端部を保持した前記回転体を回転させることで主走査を行う主走査手段と、前記回転体の周面に対向して配設された画像記録ヘッドと、前記画像記録ヘッドと前記回転体とを当該回転体の軸線方向へ相対移動することで副走査を行う副走査手段と、を有し、前記感光材料へ画像を記録する画像記録装置であって、前記チャックが、前記回転体の周面に回転体の周方向に沿って断続的に形成された貫通孔へ挿入されることにより、前記回転体の周面との間で前記感光材料の断部を挟持するときの支点となる軸部と、前記軸部の前記貫通孔への挿入方向の先端部に設けられ、軸部が貫通孔へ挿入されることにより、前記回転体の内周面の貫通孔周縁部に当接して、前記感光材料の前記端部が前記回転体の周面との間で挟持されているときの反作用荷重を受ける基部と、を含む。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、回転体の周面に感光材料を巻き付ける際、例えば、一端部は予め定められた位置にチャックによって固定できるが、他方はシート状部材の巻き付け方向長さに応じて変化する。
【0025】
そこで、回転体の周面に、当該回転体の前記一対のチャック取り付け用の貫通孔を設ける。この貫通孔は前記回転体の周方向に沿って断続的に設けてあるため、感光材料のサイズに応じた貫通孔を選択することで、チャックを取り付けることができる。
【0026】
ここで、軸部を貫通孔へ挿入してチャックを取り付けるとき、軸部の先端の基部が回転体の内周面の貫通孔周縁をチャックの脱落防止機能として適用できるため、あえて回転体の外周面と内周面との間の寸法(肉厚寸法)を大きくして、脱落防止構造をとる必要がなく、回転体の肉厚寸法を薄くすることができる。
【0027】
肉厚寸法を薄くすることで、回転体の高速回転化を図ることができ、結果として、画像記録処理の迅速化を図ることができる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記貫通孔が、前記回転体の周方向に沿って長い長孔として形成され、前記支軸が前記貫通孔へ挿入されて回転されることにより前記基部が前記回転体の内周面の貫通孔周縁に当接される。
【0031】
請求項6に記載の発明は、前記請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記貫通孔が、予め既知である感光材料の巻き付け方向長さ寸法に基づいて設けられている。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、貫通孔は、回転体の周面に周方向に沿って断続的に設けており、この断続のピッチは、予め既知である感光材料の巻き付け方向長さ寸法に基づいて設けることで、連続に設ける必要がなく、貫通孔によって回転体が軸線方向で分断されるようなことはない。
【0033】
また、肉厚寸法を薄くすることで、回転体の高速回転化を図ることができ、結果として、画像記録処理の迅速化を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した画像露光装置10の概略構成を示している。この画像露光装置10は、シート状部材として、例えばアルミニウム等によって形成したの矩形薄板状の支持体に感光層を形成した感光性平版印刷版(以下「印刷版12」という)を用い、この印刷版12に画像データに基づいて変調した光ビームを照射して走査露光する。画像露光装置10で画像露光の終了した印刷版12は、図示しない自動現像装置等によって現像処理等が施される。
【0035】
この画像露光装置10には、機枠14内にカセット装填部18、給版搬送部20、記録部22及び排出バッファ部24等が設けられている。カセット装填部18は、機枠14内の図1紙面右下側に配置されており、それぞれに多数枚の印刷版12を収容している複数のカセット16が、所定角度で傾斜された状態で装填される。
【0036】
画像露光装置10では、縦横の寸法が異なる複数サイズの印刷版12の処理が可能となっており、カセット16には、何れかのサイズの印刷版12が、感光層を上側にし、一端が所定の位置となるように位置決めされて収容されている。また、カセット装填部18には、複数のカセット16が所定間隔で、かつそれぞれに収容している印刷版12の一端が略一定の高さとなるように装填される。
【0037】
給版搬送部20は、カセット装填部18の上方に配置され、記録部22は、カセット装填部18に隣接して、装置の中央下部に配置されている。給版搬送部20には、一対の側板26(図1では一方のみを図示)が設けられており、この側板26に反転ユニット28及び枚葉ユニット30が取付けられている。
【0038】
反転ユニット28は、所定の外径寸法の反転ローラ32を備え、この反転ローラ32の周囲に複数の小ローラ(本実施の形態では、一例として小ローラ34A、34B、34C、34Dの4個)が設けられている。小ローラ34A〜34Dは、カセット装填部18側から反転ローラ32の上方を経て記録部22側に亘って配置され、無端の搬送ベルト36が巻き掛けられている。これにより、搬送ベルト36は、小ローラ34Aと小ローラ34Dの間の約半周に亘って反転ローラ32に巻き掛けられている。
【0039】
一方、枚葉ユニット30は、カセット16内の印刷版12の上端部を吸着する複数の吸盤38を備えており、吸盤38を下方移動させてカセット装填部18に装填されているカセット16内の印刷版12の上端部に対向させて印刷版12を吸着する。また、枚葉ユニット30は、印刷版12を吸着した吸盤38を略上方へ移動させることにより、カセット16から印刷版12を引き出すと共に、引き出した印刷版12の先端を、反転ローラ32と搬送ベルト36の間へ挿入する。なお、図1では、吸盤38の移動位置の概略を二点鎖線で示している。
【0040】
反転ユニット28では、反転ローラ32と搬送ベルト36がカセット16からの印刷版12の引き出し方向(図1の矢印A方向)に回転する。これにより、印刷版12は、反転ローラ32と搬送ベルト36に挟持されてカセット16から引き出されると共に、反転ローラ32の周面に巻き掛けられることにより、湾曲されながら搬送されて反転される。なお、反転ローラ32の半径寸法は、印刷版12を湾曲させたときに、印刷版12に折れや曲がりを生じさせない寸法(例えば100mm以上)となっている。
【0041】
図1に実線及び二点鎖線で示すように、側板26は、印刷版12を取出すカセット16の位置に応じて水平移動する。これにより、枚葉ユニット30の吸盤38は、選択されたカセット16内の印刷版12に対向される。
【0042】
また、側板26には、小ローラ34Dの下方にガイド40が設けられており、反転ローラ32によって反転された印刷版12は、小ローラ34D側で反転ローラ32と搬送ベルト36の間から、このガイド40へ向けて送り出される。また、記録部22の上方には、搬送コンベア42が配置されており、反転ユニット28から送り出された印刷版12は、ガイド40によって搬送コンベア42へ案内される。
【0043】
なお、ガイド40は、常に印刷版12の案内方向を搬送コンベア42へ向けるように、側板26の移動に伴って揺動する。また、記録部22側の小ローラ34Dは、側板26の移動に伴って反転ユニット28からの印刷版12の送出し方向を換えるように移動し、小ローラ34Cは、小ローラ34Dが移動したときに搬送ベルト36に略一定の張力を付与するように移動する。これにより、反転ユニット28から送り出される印刷版12がガイド40によって緩やかに湾曲されるようにしている。
【0044】
搬送コンベア42は、給版搬送部20の下方に隣接したローラ44と、記録部22の上方に隣接したローラ46との間に搬送ベルト48が巻き掛けられ、ローラ46側が下方となるように傾斜されている。
【0045】
図1及び図2に示されるように、搬送コンベア42には、ローラ46に対向してローラ50が配置されており、搬送コンベア42上に送り込まれた印刷版12は、搬送ベルト48上を搬送されてローラ46、50に挟持される。また、記録部22には、架台52上に回転ドラム54及び記録ヘッド部56が取付けられている。また、回転ドラム54の上方には、パンチャー58が配置されている。
【0046】
図2に示されるように、パンチャー58には、銜え口60が形成されており、搬送コンベア42は、ローラ46、50によって印刷版12を挟持し、印刷版12の先端をパンチャー58の銜え口60に挿入して保持する。パンチャー58は、銜え口60に印刷版12の先端が挿入されると、印刷版12の先端の所定の位置に、位置決め用として例えば切り欠きを穿設する。
【0047】
搬送コンベア42は、印刷版12に切り欠きが穿設されると、搬送ベルト48と共にローラ46、50を逆転駆動して、印刷版12の先端をパンチャー58の銜え口60から引き出す。また、搬送コンベア42には、図示しない揺動手段が設けられており、この揺動手段によってローラ44側を軸にしてローラ46側が記録部22の回転ドラム54に接近するように下方移動される(図1及び図2に二点鎖線で示す)。これにより、搬送ベルト48上の印刷版12は、先端が回転ドラム54の外周面の所定位置に向けられて、搬送ベルト48上を回転ドラム54へ向けて搬送される。
【0048】
回転ドラム54は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1及び図2の矢印B方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1及び図2の矢印C方向)へ回転される。
【0049】
図2に示されるように、記録部22に設けられている回転ドラム54には、外周面の所定の位置に、先端保持装置(チャック)62が取付けられている。記録部22では、この回転ドラム54に印刷版12を装着するときに、先ず、先端保持装置62が、搬送コンベア42によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム54を停止させる。
【0050】
記録部22には、印刷版装着位置で先端保持装置62に対向して装着カム64が設けられている。先端保持装置62は、この装着カム64が回動して一端側が押圧されることにより、回転ドラム54の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。記録部22では、印刷版12の先端が先端保持装置62と回転ドラム54の間に挿入された状態で、装着カム64を戻して先端保持装置62への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端保持装置62と回転ドラム54の周面との間で挟持して保持する。なお、このときに、印刷版12は、パンチャー58によって穿設された切り欠きに、回転ドラム54の周面の所定の位置に突設されている図示しない位置決めピンが入り込むことにより、回転ドラム54に対して位置決めされる。
【0051】
記録部22では、回転ドラム54に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム54を装着露光方向へ回転する。これにより、搬送コンベア42から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム54の周面に巻き付けられる。
【0052】
ここで、本実施の形態に適用される印刷版12のサイズ(回転ドラム54の巻き付け方向長さ寸法)は、以下のに示すように、4種類に分類することができる。印刷版12のサイズは、この4種類に属さないイレギュラーなサイズ(範囲外)もあるが、大半はこの4種類に分類しても、実用上問題はない。
【0053】
【表1】
【0054】
回転ドラム54の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向の下流側にスクイズローラ66が配置されている。このスクイズローラ66は、回転ドラム54に向けて移動することにより回転ドラム54に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム54へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム54の周面に密着させる。
【0055】
また、記録部22には、スクイズローラ66よりも回転ドラム54の装着露光方向上流側近傍に後端保持装置着脱ユニット68が設けられ、装着露光方向の下流側近傍に取外しカム70が配置されている。後端保持装置着脱ユニット68には、回転ドラム54へ向けて突出されたシャフト72の先端に後端保持装置(チャック)74が装着されている。
【0056】
記録部22では、回転ドラム54に巻き付けた印刷版12の後端が、後端保持装置着脱ユニット68に対向すると、シャフト72を突出させて、後端保持装置74を回転ドラム54の所定の位置に装着する。これにより、後端保持装置74が、回転ドラム54との間で印刷版12の後端を挟持して保持する。
【0057】
記録部22では、印刷版12の先端及び後端を回転ドラム54に保持させるとスクイズローラ66を離間させる。この後、記録部22では、回転ドラム54を所定の回転速度で高速回転させながら、この回転ドラム54の回転に同期させて、記録ヘッド部56から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。これにより、印刷版12が画像データに基づいて走査露光される。
【0058】
記録部22では、印刷版12への走査露光が終了すると、印刷版12の後端を保持している後端保持装置74が後端保持装置着脱ユニット68に対向する位置で回転ドラム54を一時停止すると共に、スクイズローラ66によって回転ドラム54との間で印刷版12を挟持する。後端保持装置着脱ユニット68は、後端保持装置74が対向して回転ドラム54の回転が停止すると、回転ドラム54から後端保持装置74を取り外す。これにより、印刷版12の後端が開放される。
【0059】
記録部22では、回転ドラム54から後端保持装置74を取り外すと、回転ドラム54を印刷版12の取出し方向へ回転する。これにより、スクイズローラ66と回転ドラム54の間から印刷版12が送出される。
【0060】
図1に示されるように、排出バッファ部24は、スクイズローラ66の上方側に設けられており、回転ドラム54が印刷版12の取外し方向へ回転することにより、印刷版12は、後端側から排出バッファ部24へ向けて送り出される。また、回転ドラム54は、印刷版12の取出し方向に回転して、先端保持装置62が取外しカム70に対向する印刷版取外し位置で停止する。記録部22では、この位置で取外しカム70を回動することにより先端保持装置62を押圧して、先端保持装置62と回転ドラム54との間での印刷版12の先端の挟持を解除する。これにより、印刷版12が回転ドラム54から取り外される。
【0061】
一方、排出バッファ部24は、機枠14に形成されている排出口76の内方側に設けられており、排出ローラ78を備えている。この排出ローラ78の周囲には、複数の小ローラ(一例として小ローラ80A、80B、80C、80D、80E)が配置されており、これらの小ローラ80A〜80Eの間に無端の搬送ベルト82が巻き掛けられている。これにより、排出ローラ78には、小ローラ80Aと小ローラ80Eの間の1/2周から3/4周の範囲で搬送ベルト82が巻き掛けられている。
【0062】
小ローラ80Aは、記録部22のスクイズローラ66側へ向けて突設されており、ローラ84が対向して配置されている。記録部22から送出された印刷版12は、小ローラ80Aとローラ84の間へ向けて案内され、小ローラ80Aとローラ84とに挟持される。
【0063】
排出バッファ部24では、排出ローラ78を印刷版12の引き入れ方向(矢印D方向)に回転駆動することにより、小ローラ80Aとローラ84に挟持した印刷版12を記録部22から引き出しながら排出ローラ78と搬送ベルト82の間に案内し、排出ローラ78と搬送ベルト82で挟持して排出ローラ78に巻き掛ける。このとき、排出バッファ部24では、印刷版12の先端部(記録部22から送出されるときの後端側)を小ローラ80Aとローラ84に挟持することにより、排出ローラ78に巻き掛けた印刷版12を一次的に保持する。
【0064】
一方、図1に二点鎖線で示されるように、排出バッファ部24では、小ローラ80Aとローラ84が排出口76に対向する位置へ移動する。このとき、小ローラ80Aとアイドルローラ84が一体で回動することにより、印刷版12の先端が排出口76へ向けられる。なお、小ローラ80Aの上方の小ローラ80Bは、小ローラ80Aの移動に追従して移動し、搬送ベルト82に一定の張力を付与するようになっている。
【0065】
排出バッファ部24では、印刷版12の先端を排出口76へ向けると、排出ローラ78を、排出口76に隣接して配置している自動現像装置などの処理装置での印刷版12の搬送速度に応じた回転速度で、印刷版12の送出し方向(矢印D方向と反対方向)へ回転駆動する。これにより、印刷版12が排出口76から送り出される。
【0066】
前述したように、回転ドラム54には、印刷版12を回転ドラム54に巻き付けたときに、印刷版12の先端を回転ドラム54の周面の所定の位置に固定する先端保持装置62が取付けられており、また、この印刷版12の後端を固定する後端保持装置74が装着されるようになっている。
【0067】
図3に示されるように、先端保持装置62は、所定長さの帯板状に形成されたプレート150を備えており、このプレート150が所定間隔で回転ドラム54の軸線方向に沿って並べて配置されている。また、後端保持装置74は、所定長さの帯板状のプレート150を備えて、このプレート150が回転ドラム54の周面に所定間隔で並べられて装着されるようになっている。
【0068】
なお、先端保持装置62と、後端保持装置74の機能的な構造の違いはないが、プレート150の向きが異なるのと、この実施の形態においては、先端保持装置62が回転ドラム54に対して常に取り付け状態であること、後端保持装置74が回転ドラム54に対して着脱可能であること、が異なっている。
【0069】
以下、先端保持装置62及び後端保持装置74の構造を図4乃至図6に従い説明する。なお、回転ドラム54に対して着脱可能な機構が設けられた後端保持装置74を例にとり説明する。
【0070】
本実施の形態における先端保持装置62と後端保持装置74との構造上の違いは、先端保持装置62が回転ドラム54に固定状態とされているのに対し、後端保持装置74が回転ドラム54に対し、着脱可能とされている点のみである。
【0071】
後端保持装置74のプレート150は、その長手方向に沿う所定の2箇所における幅方向略中間部に、貫通孔152が形成され、支柱154が挿入されている。支柱154は、矩形ブロック状の基部154Aと、この基部154Aの上面に立設された円柱状の支持部154Bとで構成されている。
【0072】
一方、図3及び図8に示されるように、回転ドラム54の周面には、複数本の周方向にう沿った仮想ラインK(図8に示す想像線)上に、断続的に長孔状の貫通孔90が所定間隔で形成されており、後端保持装置74は、支柱154の基部154Aが貫通孔90に収容された状態で回転ドラム54に取付けられる。この収容状態では、支柱154が、貫通孔90と支柱154との接触点を中心に(支点として)、ドラム周方向に回転可能となっている。
【0073】
貫通孔90は、支柱154に対応して幅寸法、長手寸法が定められると共に、支柱154の長手方向の有効移動可能寸法(図9に示す寸法M)が50mmとなっている。
【0074】
図8(A)は、回転ドラム54の展開図であり、図8(B)は図8(A)を側面、から見たときの断面図である。
【0075】
図8(A)に示される如く、先端保持装置62が取り付けられる貫通孔90(図8(A)では、90(1)として図示)の長手方向中央部を基準として、各貫通孔90(図8(A)では、90(2)、90(3)、90(4)、90(5)として図示)の長手方向中央部までの寸法が、それぞれ以下の表2のように定められている。
【0076】
【表2】
【0077】
ここで、支柱154を貫通孔90に挿入する際には、細幅の辺を貫通孔90の幅方向に合わせておくことで挿入可能となり、挿入後に略90°回転させることで、基部154Aが回転ドラム54の内周面に当接(干渉)することで、抜け止めが施されることになる。
【0078】
なお、先端保持装置62の場合には、着脱が不要であるため、上記のような構造である必要はなく、例えば、ボルト締め等で固定してもよいが、同一の構造を適用し、常に固定状態としてもよい。
【0079】
このプレート150は、全ての部品が取り付いた状態で、その重心位置(図6に示す黒丸部155)が、支柱154の軸線よりも図6の右方向とされている。なお、図6には、後端保持装置74(先端保持装置62)の一例として各部寸法及び重量を記載した。
【0080】
また、後端保持装置74のプレート150には、幅方向の一端側(図6の左側端部)にクランプ部160が形成されている。クランプ部160は、プレート150に対して、回転ドラム54方向に略直角に屈曲されて形成され、その先端面には、ゴムシート161が貼り付けられている。このゴムシート161は、印刷版12に直接接触する部分であり、印刷版12をクランプ部160と、回転ドラム54の周面とによって挟持するときの摩擦係数を決める重要な要素となっている。
【0081】
また、プレート150の図6の右端部の下面側には、略くの字型に屈曲された板ばね180の一端部が固着されている。この板ばね180は、その屈曲方向が、回転ドラム54の外周に接近する方向であり、その他端部には錘182が取り付けられている。錘182の先端面は円弧面とされている。
【0082】
この板ばね180及び錘182は、回転ドラム54に取り付けられるときには、回転ドラム54の外周(貫通孔90の周縁)に接触することになる。すなわち、後端保持装置74が回転ドラム54に接近すると、まず、回転ドラム54の外周面に錘182が当接し、さらに接近すると、板ばね180が弾性変形しながら、支柱154が貫通孔90に挿入することになる。支柱154が貫通孔90を貫通すると、基部154Aが略90°回転することで、抜け止めが施される。この弾性変形により発生した付勢力は、プレート150を支柱154をに支点として回動させる力となり、これにより、クランプ部160による押圧力が形成される。
【0083】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0084】
画像露光装置10では、印刷版12に露光する画像データが入力され、画像露光を行う印刷版12のサイズ及び露光枚数が設定されて、画像露光の開始が指示されると、印刷版12への画像露光処理を開始する。なお、これらの処理は、画像露光装置10に操作パネルを設け、この操作パネルのスイッチ操作によって指示するものであっても良く、画像露光装置10に画像データを出力する画像処理装置等からの信号によって画像露光装置10の処理開始を指示するものであっても良い。
【0085】
画像露光装置10では、処理の開始が指示されると、指定されたサイズの印刷版12を収容しているカセット16に対応する位置へ反転ユニット28と共に枚葉ユニット30を移動させ、吸盤38によって該当するカセット16内の印刷版12を吸着して取出し、反転ユニット28の反転ローラ32と搬送ベルト36の間へ送り込む。これにより、印刷版12は、反転ローラ32と搬送ベルト36に挟持搬送され、搬送コンベア42へ送られる。
【0086】
搬送コンベア42は、まず、この印刷版12の先端をパンチャー58の銜え口60に挿入する。パンチャー58は、挿入された印刷版12の所定の位置に位置決め用の切り欠きを穿設する。搬送コンベア42は、印刷版12に切り欠きが穿設されると、この印刷版12をパンチャー58の銜え口60から引き出して、回転ドラム54の周面へ向けて送り出す。
【0087】
記録部22では、この印刷版12の先端を先端保持装置62によって回転ドラム54に保持させると、スクイズローラ66によってスクイズしながら印刷版12を回転ドラム54に巻き付け、印刷版12の後端を後端保持装置74によって回転ドラム54に保持させる。この保持の手順については、後述する。
【0088】
この後、記録部22では、回転ドラム54を高速回転しながら記録ヘッド部56から画像データに基づいた光ビームを印刷版12に照射して、印刷版12を走査露光する。この高速回転時、前記先端保持装置62及び後端保持装置74は、回転ドラム54の回転による遠心力の作用で、印刷版12を挟持する力、並びに印刷版12を緊張させる力(浮き防止)が働く。
【0089】
印刷版12の走査露光が終了すると、先端保持装置62を取外して、印刷版12を排出バッファ部24へ送り出す。
【0090】
排出バッファ部24では、印刷版12を小ローラ80Aとローラ84によって挟持搬送して排出ローラ78に巻き掛けた後、小ローラ80Aとローラ84を排出口76に対向させて、排出口76から所定の搬送速度で送り出す。
【0091】
次に、先端保持装置62と後端保持装置74とによる印刷版12の回転ドラム54への挟持並びに緊張の手順、並びに維持について説明する。なお、以下では、先端保持装置62と後端保持装置74とは、同じ作用であるため、後端保持装置74を例にとり説明する。
(後端保持装置74の着脱)
まず、後端保持装置74を回転ドラム54に装着する場合、支柱154の基部154Aが回転ドラム54の貫通孔90に収容するべく、貫通孔90の開口幅方向に対して、短辺側を対応させる。これにより、基部154Aは円滑に貫通孔90に挿入される。挿入後は、支柱154全体を略90°回転させることで、基部154Aの長辺側が貫通孔90の開口幅方向に沿うようになり、回転ドラム54の内周面に当接し(干渉し)、抜け止めが施される。
【0092】
なお、後端保持装置74を回転ドラム54から取外す場合には、基部154Aを略90°回転させ、ひき抜けばよい。
(印刷版12の挟持(クランプ))
印刷版12の端部が回転ドラム54とプレート150との間にくると、先端保持装置62では、カム64による回転阻止を解除することで、板ばね180の付勢力でプレート150が支柱を支点として回動する。この回動により、クランプ部160が回転ドラム54の周面方向へ移動するため、このクランプ部160と、回転ドラム54の周面とで印刷版12を挟持することができる。
【0093】
また、後端保持装置74では、印刷版12のサイズに応じて設けられた貫通孔90の何れかに対応する。このため、印刷版12が所定位置にきた時点で、回転ドラム54への装着がなされ、この装着移動に伴なって、板ばね180の付勢力が働き(板ばね180の先端の錘182が最先に貫通孔90の周縁に到達する)、徐々にプレート150を支柱154を支点として回動させ、位置決めされていた印刷版12を回転ドラム54の周面との間で挟持することができる。
【0094】
印刷版12の先端保持装置62及び後端保持装置74による保持が整うと、回転ドラム54は、画像記録のために高速で回転を開始する。
【0095】
この回転により、プレート150は、遠心力によって支柱を支点として回動する。このとき、プレート150の重心が支柱154を挟んでクランプ部160と相反する方向にあるため、遠心力による回動は、前記板ばね180の付勢力による回動と同一方向となる。このため、回転ドラム54の高速回転中、すなわち画像記録中は、印刷版12の先後端の挟持力を増大させることができる。
【0096】
この場合、図6に示される如く、回転ドラム54の高速回転による遠心力は、先端保持装置62及び後端保持装置74の支柱154の位置からクランプ部160までの距離L1と重心155までの距離、L2、重心155の位置が重要な要素となる。
【0097】
本実施の形態によれば、回転ドラム54に断続的な貫通孔90を形成することで、先端保持装置62及び後端保持装置74の回転ドラム54への装着時に、支柱154を回転ドラム54の内周面によって支持することができる。このため、あえて、抜け止め加工を施した略T字型の溝を形成する必要がない。
【0098】
貫通孔90の場合、周方向に連続的に設けることはできないが(回転ドラム54は、軸線方向に分離してしまう。)、予め使用頻度の高い印刷版12をサイズ毎に分類しておき(表1参照)、当該貫通孔90における周方向ピッチ寸法(90(1)を基準とする90(2)、90(3)、90(4)、90(5)までのそれぞれの寸法P、Q、R、S)を印刷版12のサイズに合わせて設けているので(表2参照)、ほとんど全ての印刷版12に適用することができる。
【0099】
また、上記のように、先端保持装置62と後端保持装置74の固定対象を貫通孔90とすることで、前記略T字型の溝を形成するよりも、回転ドラム54の肉厚寸法を小さくすることができ、軽量化を図ることができる。従って、回転ドラム54の回転時の回転負荷が低減し、回転ドラム54のさらなる安定した高速回転を実現することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明は、円筒状の回転体の肉厚寸法を小さくすることができると共に、シート状部材のほとんど全てのサイズに対して確実に位置決めすることができるという優れた効果を有する。
【0101】
また、上記効果に加え、回転体に巻き付けた感光材料を確実に位置決めした状態で、さらなる高速回転を可能とし、画像記録時間を短縮することができるという効果を有する。
【0102】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像露光装置を示す概略構成図である。
【0103】
【図2】画像露光装置の記録部を示す概略構成図である。
【0104】
【図3】回転ドラムへの先端保持装置と後端保持装置の配置を示す概略斜視図である。
【0105】
【図4】本実施の形態にかかる保持装置を表面から見た斜視図である。
【0106】
【図5】本実施の形態にかかる保持装置を裏面から見た斜視図である。
【0107】
【図6】本実施の形態にかかる保持装置の側面図である。
【0108】
【図7】回転ドラムの内部構造を示すために一部を破断した斜視図である。
【0109】
【図8】(A)は回転ドラムの展開図、(B)は図8(A)の側面断面図である。
【0110】
【図9】貫通孔の平面図である。
【0111】
【符号の説明】
10 画像露光装置
12 印刷版
20 給版搬送部
22 記録部
24 排出バッファ部
54 回転ドラム
56 記録ヘッド部
62 先端保持装置
68 後端保持装置着脱ユニット
74 後端保持装置
76 排出口
90 貫通孔
Claims (6)
- 所定の半径で円筒状に形成され、周面にシート状部材が巻付けられて回転される回転体と、
少なくとも一方が、前記回転体の周面上において選択的に着脱可能に設けられ、前記回転体に巻付けられた前記シート状部材の巻き付け方向両端部のそれぞれを前記回転体の周面との間で挟持して保持する一対のチャックと、を備え、
前記回転体の周面に巻付けられた前記シート状部材の巻付け方向の両端部を、シート状部材の巻付け方向長さに応じて位置で保持するシート状部材の位置決め装置であって、
前記チャックが、
前記回転体の周面に回転体の周方向に沿って断続的に設けられた貫通孔へ挿入されることにより、回転体の周面との間で前記シート体の端部を挟持するときの支点となる軸部と、
前記軸部の前記貫通孔への挿入方向の先端部に設けられ、軸部が貫通孔内に挿入されることにより、前記回転体の内周面の前記貫通孔周縁部に当接して、前記シート状部材の端部が前記回転体の周面との間で挟持されているときの反作用荷重を受ける基部と、
を含むシート状部材の位置決め装置。 - 前記貫通孔が、前記回転体の周方向に沿って長い長孔として形成され、前記支軸が前記貫通孔へ挿入されて回転されることにより前記基部が前記回転体の内周面の前記貫通孔周縁に当接される請求項1に記載のシート状部材の位置決め装置。
- 前記貫通孔が、予め既知であるシート状部材の巻き付け方向長さ寸法に基づいて設けられている請求項1又は請求項2記載のシート状部材の位置決め装置。
- 所定の半径で円筒状に形成されて周面に感光材料が巻き付けられる回転体と、
少なくとも一方が、前記回転体の周面上において選択的に着脱可能に設けられ、前記回転体の周面に巻付けられた前記感光材料の巻き付け方向両端部のそれぞれを前記周面との間で挟持して保持する一対のチャックと、
前記周面に前記感光材料が位置決めされて巻き付けられて前記一対のチャックによって巻き付け方向先端部及び後端部を保持した前記回転体を回転させることで主走査を行う主走査手段と、
前記回転体の周面に対向して配設された画像記録ヘッドと、
前記画像記録ヘッドと前記回転体とを当該回転体の軸線方向へ相対移動することで副走査を行う副走査手段と、を有し、
前記感光材料へ画像を記録する画像記録装置であって、
前記チャックが、
前記回転体の周面に回転体の周方向に沿って断続的に形成された貫通孔へ挿入されることにより、前記回転体の周面との間で前記感光材料の断部を挟持するときの支点となる軸部と、
前記軸部の前記貫通孔への挿入方向の先端部に設けられ、軸部が貫通孔へ挿入されることにより、前記回転体の内周面の貫通孔周縁部に当接して、前記感光材料の前記端部が前記回転体の周面との間で挟持されているときの反作用荷重を受ける基部と、
を含む画像記録装置。 - 前記貫通孔が、前記回転体の周方向に沿って長い長孔として形成され、前記支軸が前記貫通孔へ挿入されて回転されることにより前記基部が前記回転体の内周面の貫通孔周縁に当接される請求項4記載の画像記録装置。
- 前記貫通孔が、予め既知である感光材料の巻き付け方向長さ寸法に基づいて設けられている請求項4又は請求項5記載の画像記録装置。
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