JP4303412B2 - シート体の固定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平版印刷版等のシート体を回転ドラムに巻き付けて、回転ドラムを回転するときに、シート体を回転ドラムに固定するシート体の固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷には、アルミニウムの薄板などのシート状に形成した支持体に感光層を形成した感光性印刷版(以下「印刷版」と言う)が用いられる。この印刷版は、露光によって画像が記録された後に、現像処理等が施されて、印刷用の刷版として用いられる。また、この刷版は、印刷物の大きさに応じたサイズの印刷版を用いて作成される。
【0003】
このような印刷版に画像露光を施す画像露光装置には、印刷版を回転ドラムに巻き付けて保持し、回転ドラムを高速回転させながら、印刷版に記録する画像データに応じた光ビームを印刷版に照射することにより、印刷版を走査露光するものがある。
【0004】
ところで、回転ドラムを用いて印刷版を露光する画像露光装置では、印刷版を回転ドラムに巻き付けたときに、回転ドラムの周方向に沿った印刷版の両端の非非画像部分を回転ドラムとの間でクランプして固定する固定装置を用いたものがある。このような固定装置は、一般に付勢力によって、印刷版に対向するクランプ部を回転ドラムの周面へ向けて付勢して、クランプ部と回転ドラムとの間で印刷版を挟持するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回転ドラムに印刷版などのシート体を巻き付けた状態で回転ドラムを高速回転させると、クランプ部に遠心力が作用して、印刷版に対する挟持力が低下してしまう。このときに、回転ドラムに巻き付けた印刷版にも遠心力が作用するため、印刷版にずれが生じたり、回転ドラムの周面からの浮きが生じてしまうことがある。
【0006】
このために、例えば、印刷版に画像を記録するときに、画像の位置ずれ、光ビームのピントずれや印刷版に記録した画像にゆがみ等の画像記録不良が生じることがある。このような印刷版への画像記録不良は、印刷物に仕上がり不良を生じさせてしまう。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、回転ドラムに印刷版などのシート体を巻き付けたときに、このシート体を確実に回転ドラムへ固定することができるシート体の固定装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明は、シート体巻き付けられた状態で回転される回転ドラムに、回転ドラムの周面との間でシート体の周縁部を挟んで固定するシート体の固定装置であって、前記シート体の周縁部に対向される当接面が円弧状に形成された第1のクランプ部が前記回転ドラムの周面との間で前記シート体の周縁部を挟持する第1のクランプと、前記第1のクランプを、前記第1のクランプ部の前記当接面の円弧中心位置より前記回転ドラムの半径方向の内方側を軸に揺動可能に支持し、前記第1のクランプが前記回転ドラムと一体で回転されることにより生じる遠心力によって前記シート体をシート体の引張方向へ付勢可能とする第1の支持手段と、を含む。
【0009】
この発明によれば、回転ドラムに巻き付けたシート体の周縁部を、第1のクランプの第1のクランプ部と回転ドラムとの間で挟んで保持する。この第1のクランプは、回転ドラムと一体で回転することにより生じる遠心力によって第1のクランプ部が支軸を中心に回動されるように付勢する。
【0010】
これにより、回転ドラムが回転したときに、遠心力によって第1のクランプ部がシート体を引っ張り、シート体に撓みが生じるのを防止できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記シート体の周縁部に対向される第2のクランプ部が前記回転ドラムの周面との間で前記シート体の周縁部を挟持する第2のクランプと、前記第2のクランプの重心よりも前記第2のクランプ部側を軸に揺動可能に支持して回転ドラムに取り付け、前記第2のクランプが前記回転ドラムと一体で回転されることにより生じる遠心力によって前記第2のクランプ部を回転ドラムの周面へ付勢可能とする第2の支持手段と、を含み、前記シート体の前記回転ドラムの周方向の一端側を前記第2のクランプで保持し、他端側を前記第1のクランプによって保持する
【0012】
この発明によれば、第2の支持手段によって第2のクランプが重心よりも第2のクランプ部側で揺動可能に支持されている。この第2のクランプが回転ドラムと一体で回転することにより、第2のクランプの重心位置で、回転ドラムの半径方向の外方へ向けて遠心力が作用する。この遠心力によって第2のクランプが揺動すると、第2のクランプ部がこの遠心力に応じた押圧力でシート体を回転ドラムの周面へ向けて押圧する。
【0013】
これにより、シート体は、回転ドラムが回転することにより、回転ドラムが回転を停止しているときよりも強い押圧力で挟持されて回転ドラムに固定される。
【0014】
また、この第2のクランプで、回転ドラムの周方向に沿ったシート体の一端側を保持し、第1のクランプでシート体の他端側を保持する。
【0023】
この本発明では、シート体の一端に対向する第2のクランプの第2のクランプ部がシート体を回転ドラムへ押し付けて固定し、シート体の他端に対向する第1のクランプの第1のクランプ部によってシート体に撓みが生じないように引っ張る。
【0024】
このような本発明では、第1のクランプが、回転ドラムの周方向に沿った任意の位置でシート体の端部を挟持可能であることが好ましく、これにより、回転ドラムの周方向に沿った寸法にかかわらず、シート体を回転ドラムに密着させて固定することができる。この第1のクランプを回転ドラムの任意の位置に配置するときに、回転ドラムに対して着脱可能であっても良く、また、回転ドラムの周方向に沿って移動可能に取付けられているものであっても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した画像露光装置10の概略構成を示している。この画像露光装置10は、シート体として例えばアルミニウム等によって形成した矩形薄板状(例えば肉厚が0.3mm程度)の支持体に感光層を形成した感光性平版印刷版(以下「印刷版12」という)を用い、この印刷版12に画像データに基づいて変調した光ビームを照射して走査露光する。画像露光装置10で画像露光の終了した印刷版12は、図示しない自動現像装置等によって現像処理等が施される。
【0026】
この画像露光装置10には、機枠14内にカセット装填部18、給版搬送部20、記録部22及び排出バッファ部24等が配置されて構成されている。カセット装填部18は、機枠14内の図1紙面右下側に配置されており、それぞれに多数枚の印刷版12を収容している複数のカセット16が、所定角度で傾斜された状態で装填される。
【0027】
画像露光装置10では、縦横の寸法が異なる複数サイズの印刷版12の処理が可能となっており、カセット16には、何れかのサイズの印刷版12が、感光層を上側にし、一端が所定の位置となるように位置決めされて収容されている。また、カセット装填部18には、複数のカセット16が所定間隔で、かつそれぞれに収容している印刷版12の一端が略一定の高さとなるように装填される。
【0028】
給版搬送部20は、カセット装填部18の上方に配置され、記録部22は、カセット装填部に隣接して、装置の中央下部に配置されている。給版搬送部20には、一対の側板26(図1では一方のみを図示)が設けられており、この側板26に反転ユニット28及び枚葉ユニット30が取付けられている。
【0029】
反転ユニット28は、所定の外径寸法の反転ローラ32を備え、この反転ローラ32の周囲に複数の小ローラ(本実施の形態では、一例として小ローラ34A、34B、34C、34Dの4個)が設けられている。小ローラ34A〜34Dは、カセット装填部18側から反転ローラ32の上方を経て記録部22側に跨って配置され、無端の搬送ベルト36が巻き掛けられている。これにより、搬送ベルト36は、小ローラ34Aと小ローラ34Dの間の約半周に亘って反転ローラ32に巻き掛けられている。
【0030】
一方、枚葉ユニット30は、カセット16内の印刷版12の上端部を吸着する複数の吸盤38を備えており、吸盤38を下方移動させてカセット装填部18に装填されているカセット16内の印刷版12の上端部に対向させ、吸盤38によってこの印刷版12を吸着する。また、枚葉ユニット30は、印刷版12を吸着した吸盤38を略上方へ移動させることにより、カセット16から印刷版12を引き出すと共に、引き出した印刷版12の先端を、反転ローラ32と搬送ベルト36の間へ挿入する。なお、図1では、吸盤38の移動位置の概略を二点鎖線で示している。
【0031】
反転ユニット28は、反転ローラ32と搬送ベルト36をカセット16からの印刷版12の引き出し方向(図1の矢印A方向)に回転させる。これにより、印刷版12は、反転ローラ32と搬送ベルト36に挟持されてカセット16から引き出されると共に、反転ローラ32の周面に巻き掛けられることにより、湾曲されながら搬送されて反転される。なお、反転ローラ32の半径寸法は、印刷版12を湾曲させたときに、印刷版12に折れや曲がりを生じさせない寸法(例えば100mm以上)としている。
【0032】
図1に実線及び二点鎖線で示すように、側板26は、印刷版12を取出すカセット16の位置に応じて水平移動する。これにより、枚葉ユニット30の吸盤38は、選択されたカセット16内の印刷版12に対向される。
【0033】
また、側板26には、小ローラ34Dの下方にガイド40が設けられており、反転ローラ32によって反転された印刷版12は、小ローラ34D側で反転ドラム32と搬送ベルト36の間から、このガイド40へ向けて送り出される。また、記録部22の上方には、搬送コンベア42が配置されており、反転ユニット28から送り出された印刷版12は、ガイド40によって搬送コンベア42へ案内される。
【0034】
なお、ガイド40は、常に印刷版12の案内方向を搬送コンベア42へ向けるように、側板26の移動に伴って揺動する。また、記録部22側の小ローラ34Dは、側板26の移動に伴って反転ユニット28からの印刷版12の送出し方向を換えるように移動し、小ローラ34Cは、小ローラ34Dが移動したときに搬送ベルト36に略一定の張力を付与するように移動する。これにより、反転ユニット28から送り出される印刷版12がガイド40によって緩やかに湾曲されるようにしている。
【0035】
搬送コンベア42は、給版搬送部20の下方に隣接したローラ44と、記録部22の上方に隣接したローラ46との間に搬送ベルト48が巻き掛けられ、ローラ46側が下方となるように傾斜されている。搬送コンベア42には、ローラ46に対向してローラ50が配置されており、搬送コンベア42上に送り込まれた印刷版12は、搬送ベルト48上を搬送されてローラ46、50に挟持される。
【0036】
記録部22には、架台52上に回転ドラム54及び記録ヘッド部56が取付けられている。また、回転ドラム54の上方には、パンチャー58が配置されており、搬送コンベア42は、ローラ46、50によって印刷版12を挟持し、印刷版12の先端をパンチャー58の銜え口60に挿入して保持する。パンチャー58は、銜え口60に印刷版12の先端が挿入されると、印刷版12の先端の所定の位置に、位置決め用の切り欠きを穿設する。
【0037】
搬送コンベア42は、印刷版12に切り欠きが穿設されると、搬送ベルト48と共にローラ46、50を逆転駆動して、印刷版12の先端をパンチャー58の銜え口60から引き出す。また、搬送コンベア42には、図示しない揺動手段が設けられており、この揺動手段によってローラ44側を軸にしてローラ46側が記録部22の回転ドラム54に接近するように下方移動される。これにより、搬送ベルト48上の印刷版12は、先端が回転ドラム54の外周面の所定位置に向けられて、搬送ベルト48上を回転ドラム54へ向けて搬送される。
【0038】
回転ドラム54は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1の矢印B方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1の矢印C方向)へ回転される。
【0039】
図2に示されるように、記録部22に設けられている回転ドラム54には、外周面の所定の位置に、固定装置として先端チャック62が取付けられている。この回転ドラム54に印刷版12を装着するときに、先ず、先端チャック62が、搬送コンベア42によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム54を停止させる。
【0040】
記録部22には、印刷版装着位置で先端チャック62に対向する装着カム64が設けられている。先端チャック62は、この装着カム64が回動して一端側が押圧されることにより、回転ドラム54の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。記録部22では、印刷版12の先端が先端チャック62と回転ドラム54の間に挿入された状態で、装着カム64を回動して先端チャック62への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端チャック62と回転ドラム54の周面との間で挟持して保持する。なお、このときに、印刷版12は、パンチャー58によって穿設された切り欠きに、回転ドラム54の周面の所定の位置に突設されている図示しない位置決めピンが入り込むことにより、回転ドラム54に対して位置決めされる。
【0041】
記録部22では、回転ドラム54に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム54を装着露光方向へ回転する。これにより、搬送コンベア42から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム54の周面に巻き付けられる。
【0042】
回転ドラム54の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向の下流側にスクイズローラ66が配置されている。このスクイズローラ66は、回転ドラム54に向けて移動することにより回転ドラム54に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム54へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム54の周面に密着させる。
【0043】
また、記録部22には、スクイズローラ66よりも回転ドラム54の装着露光方向上流側近傍に後端チャック着脱ユニット68が設けられ、装着露光方向の下流側近傍に取外しカム70が配置されている。後端チャック着脱ユニット68には、回転ドラム54へ向けて突出されたシャフト72の先端に後端チャック74が装着されている。
【0044】
記録部22では、回転ドラム54に巻き付けた印刷版12の後端が、後端チャック着脱ユニット68に対向すると、シャフト72を突出させて、後端チャック74を回転ドラム54の所定の位置に装着する。これにより、後端チャック74が、回転ドラム54との間で印刷版12の後端を挟持して保持する。
【0045】
記録部22では、印刷版12の先端及び後端を回転ドラム54に保持させるとスクイズローラ66を離間させる。この後、記録部22では、回転ドラム54を所定の回転速度で高速回転させながら、この回転ドラム54の回転に同期させて、記録ヘッド部56から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。これにより、印刷版12が画像データに基づいて走査露光される。
【0046】
記録部22では、印刷版12への走査露光が終了すると、印刷版12の後端を保持している後端チャック74が後端チャック着脱ユニット68に対向する位置で回転ドラム54を一時停止すると共に、スクイズローラ66によって回転ドラム54との間で印刷版12を挟持する。後端チャック着脱ユニット68は、後端チャック74が対向して回転ドラム54の回転が停止すると、回転ドラム54から後端チャック74を取り外す。これにより、印刷版12の後端が開放される。
【0047】
記録部22では、回転ドラム54から後端チャック74を取り外すと、回転ドラム54を印刷版12の取外し方向へ回転する。これにより、スクイズローラ66と回転ドラム54の間から印刷版12が後端側から送出される。
【0048】
図1に示されるように、排出バッファ部24は、スクイズローラ66の上方側に設けられており、回転ドラム54が印刷版12の取外し方向へ回転することにより、印刷版12は、後端側から排出バッファ部24へ向けて送り出される。また、回転ドラム54は、印刷版12の取出し方向に回転して、先端チャック62が取外しカム70に対向する印刷版取外し位置で停止する。記録部22では、この取外しカム70を回動することにより先端チャック62を押圧して、先端チャック62と回転ドラム54との間での印刷版12の先端の挟持を解除する。これにより、印刷版12が回転ドラム54から取り外される。
【0049】
一方、排出バッファ部24は、機枠14に形成されている排出口76の内方側に設けられており、排出ローラ78を備えている。この排出ローラ78の周囲には、複数の小ローラ(一例として小ローラ80A、80B、80C、80D、80E)が配置されており、これらの小ローラ80A〜80Eの間に無端の搬送ベルト82が巻き掛けられている。これにより、排出ローラ78には、小ローラ80Aと小ローラ80Eの間の1/2周から3/4周の範囲で搬送ベルト82が巻き掛けられている。
【0050】
小ローラ80Aは、記録部22のスクイズローラ66側へ向けて突設されており、ローラ84が対向して配置されている。記録部22から送出された印刷版12は、小ローラ80Aとローラ84の間へ向けて案内され、小ローラ80Aとローラ84とに挟持される。
【0051】
排出バッファ部24では、排出ローラ78を印刷版12の引き入れ方向(矢印D方向)に回転駆動することにより、小ローラ80Aとローラ84に挟持した印刷版12を記録部22から引き出しながら排出ローラ78と搬送ベルト82の間に案内し、排出ローラ78と搬送ベルト82で挟持して排出ローラ78に巻き掛ける。このとき、排出バッファ部24では、印刷版12の先端部(記録部22で先端チャック62側)を小ローラ80Aとローラ54に挟持することにより、排出ローラ78に巻き掛けた印刷版12を一次的に保持する。
【0052】
一方、図1に二点鎖線で示されるように、排出バッファ部24では、小ローラ80Aとローラ84が排出口76に対向する位置へ移動する。このとき、小ローラ80Aとアイドルローラ84が一体で回動することにより、印刷版12の先端が排出口76へ向けられる。なお、小ローラ80Aの上方の小ローラ80Bは、小ローラ80Aの移動に追従して移動し、搬送ベルト82に一定の張力を付与するようになっている。
【0053】
排出バッファ部24では、印刷版12の先端を排出口76へ向けると、排出ローラ78を、排出口76に隣接して配置している自動現像装置などの処理装置での印刷版12の搬送速度に応じた回転速度で、印刷版12の送出し方向(矢印D方向と反対方向)へ回転駆動する。これにより、印刷版12が排出口76から送り出される。
【0054】
ところで、回転ドラム54には、印刷版12を固定する固定装置として、先端チャック62と後端チャック74が設けられている。先端チャック62は、印刷版12の先端を所定の位置に固定するように回転ドラム54に取り付けられており、後端チャック74は、回転ドラム54に巻き付けられた印刷版12の後端に対向するように回転ドラム54に装着されるようになっている。
【0055】
図3及び図4に示されるように、先端チャック62は、所定長さの帯板状に形成されたクランプ100が設けられており、このクランプ100が所定間隔で回転ドラム54の軸線方向に沿って配置されている。また、図3及び図8に示されるように、回転ドラム54の周囲には、所定長さの帯板状に形成されたクランプ140が備えられており、このクランプ140が、回転ドラム54の軸線方向に沿って所定間隔で並べられて回転ドラム54に装着される。
【0056】
図4乃至図6に示されるように、クランプ100には、幅方向の一端側に、回転ドラム54の周面に向けて突設されたクランプ部102が設けられている。クランプ100は、このクランプ部102が回転ドラム54の装着露光方向の上流側に向けられて配置されており、このクランプ部102と回転ドラム54の周面との間で印刷版12の先端を挟持して、印刷版12を回転ドラム54に固定するようになっている。
【0057】
クランプ100には、クランプ部102と反対側の面の複数箇所に、略矩形形状の凹部104が形成されており、それぞれの凹部104に、支持手段として脚106が取付けられている。
【0058】
図5及び図6に示されるように、脚106には、矩形ブロック形状の基部108が設けられている。この基部108からは、脚部110が立設され、脚部110からさらに小径の支軸112(図6参照)が突設されている。
【0059】
図6に示されるように、クランプ100には、凹部104に貫通孔114が穿設されており、脚106は、支軸112が貫通孔114に挿通されている。脚106は、クランプ100を支軸112の先端に螺合されたネジ116と脚部110とで挟むことにより連結されている。先端チャック62は、脚106の基部108が回転ドラム54の周面よりも内側に挿入され固定されることにより、回転ドラム54に取付けられる。なお、基部108の回転ドラム54への固定は、任意の方法を用いることができ、詳細な説明を省略する。
【0060】
図5及び図6に示されるように、先端チャック62には、脚106の脚部110とクランプ100との間に弾性体によって形成された座板118が挟持されており、ネジ116とクランプ100との間に、座板118と、可撓性部材によって略矩形形状に形成された抑え板120が挟持されている。また、貫通孔114の内径は、支軸112の外径よりも僅かに大きくなっている(図6参照)。
【0061】
これにより、先端チャック62は、クランプ100のクランプ部102と反対側の端部に上下方向(図5及び図6の紙面上下方向)へ向けて力を加えることにより、座板118が弾性変形すると共に、抑え板120に撓みが生じて支軸112の所定の位置を支点(図7に示す支点PA)にして揺動する。
【0062】
クランプ100は、支軸112を挟んでクランプ部102と反対側が押圧部122となっている。この押圧部122には、回転ドラム54側(図5及び図6の紙面下側)に、複数の付勢脚124が設けられている。付勢脚124のそれぞれは、たとえば、脚106のそれぞれに隣接して設けられている。
【0063】
付勢脚124は、回転ドラム54の周面に対向する略円板形状の当て板126を備えており、この当て板126から立設されているシャフト128が、クランプ100の押圧部122に形成されている貫通孔130(図6参照)に挿通されている。
【0064】
シャフト128には、軸線方向に沿った中間部にフランジ部132が形成されている。また、貫通孔130は、回転ドラム54と反対側に拡径部134が形成されており、この拡径部134内にフランジ部132が入りこんで、シャフト128が回転ドラム54側に抜けるのを防止している。
【0065】
図6に示されるように、付勢脚124には、当て板126とクランプ100の間にコイルばね136が配置されており、このコイルばね136の付勢力によって付勢脚124が回転ドラム54側へ突出されている。なお、図5では、コイルばね136の図示を省略している。また、当て板126とクランプ100のそれぞれには、ガイドリング138が形成され、コイルばね136のずれを防止している。
【0066】
先端チャック62は、脚106の基部108を回転ドラム54の外周部の所定の位置に固定したときに、当て板126が回転ドラム54の外周面に当設する。これにより、クランプ100は、コイルばね136の付勢力によって押圧部122側が回転ドラム54の周面から離間する方向へ付勢されると共に、クランプ部102が回転ドラム54の周面へ向けて付勢される。図7に示されるように、先端チャック62は、この付勢力によってクランプ部102と回転ドラム54の周面との間で印刷版12を挟持するようになっている。
【0067】
また、クランプ100の押圧部122は、回転ドラム54を印刷版装着位置及び印刷版取外し位置に停止させたときに、装着カム64及び取外しカム70に対向するようになっており、装着カム64または取外しカム70によって押圧部122が回転ドラム54の周面へ向けて押圧されることにより、クランプ100が、コイルばね136の付勢力に抗して揺動する。これにより、クランプ部102が回転ドラム54の周面から離間し、クランプ部102と回転ドラム54の周面との間への印刷版12の挿入及び印刷版12の抜き出しが可能となる。
【0068】
一方、図6及び図7に示されるように、脚106が連結されている貫通孔114の位置は、クランプ100の重心GAよりもクランプ部102側に偏寄されている。すなわち、クランプ100が揺動するときの支点PAが、重心GAよりもクランプ部102側となっている。
【0069】
これにより、回転ドラム54が回転したときに、クランプ100に作用する遠心力によってクランプ100は、クランプ部102を回転ドラム54の周面へ向けるように揺動する。
【0070】
すなわち、図7に示されるように、回転ドラム54が回転したときに、クランプ100に作用する遠心力FAによって、クランプ部102には、回転ドラム54の回転中心に向けられる押圧力F1が作用する。これにより、先端チャック62は、回転ドラム54が回転したときに、コイルばね136の付勢力と遠心力FAに応じた押圧力F1による挟持力によって、回転ドラム54とクランプ部102との間で印刷版12を挟持して、印刷版12を回転ドラム54の周面に固定する。
【0071】
一方、図8乃至図10には、後端チャック74の一例を示している。図8に示されるように、後端チャック74は、所定長さの帯板状に形成されたクランプ140を備えており、このクランプ140の長手方向が回転ドラム54の軸線方向に沿うように配置される。なお、回転ドラム54には、複数のクランプ140が所定の間隔で回転ドラム54の軸線方向に沿って配置される。
【0072】
図8乃至図10に示されるように、このクランプ140には、幅方向の一端側にクランプ部142が形成されている。クランプ部142は、クランプ140の幅方向と直行する方向に突設されている。また、図11(A)及び図11(B)に示されるように、クランプ部142は、先端部が所定位置の点P1を中心に円弧状に湾曲されて当接部144が形成されている。
【0073】
後端チャック74は、この当接部144を回転ドラム54の周面へ向けた状態で回転ドラム54に装着されることにより、回転ドラム54に巻き付けられた印刷版12の後端部周縁に当接部144が当接してクランプ部142と回転ドラム54との間で挟持して保持する。
【0074】
図8に示されるように、クランプ140には、回転ドラム54に対向する面と反対側の面(図8の紙面手前側の面)に複数の凹部146が形成されている。凹部146は、平面形状が略T字状となっており、クランプ部142側に偏寄して形成されている。図9及び図10に示されるように、後端チャック74には、凹部146のそれぞれに支持部材148が取り付けられている。
【0075】
図9に示されるように、支持部材148は、シャフト150の軸線方向に沿った中間部から基板152が延設されており、この基板152に脚154が取り付けられている。
【0076】
また、図3に示されるように、回転ドラム54の周面には、複数本の装着溝90が軸線方向に沿って所定間隔で形成されており、後端チャック74は、支持部材148が装着溝90に挿入されて回転ドラム54に取り付けられる(取付け状態の図示は省略)。なお、本実施の形態では、一例として、2本の装着溝90が一組で後端チャック74の一つのクランプ140に対応し、クランプ140には、2個ずつの支持部材148が設けられている。
【0077】
回転ドラム54では、装着溝90が略全周に渡って形成されていることにより、印刷版12のサイズにかかわらず、印刷版12の後端に対向する位置に後端チャック74を装着できるようになっている。
【0078】
クランプ140には、凹部146のクランプ部142側に、溝方向がクランプ140の長手方向に沿う溝156が形成されている。また、クランプ140には、溝156に隣接して凹部146内に矩形孔158が穿設されている。支持部材148は、シャフト150が溝156に嵌め込まれると共に、基板152が矩形孔158に嵌め込まれることにより、クランプ140にシャフト150を軸にして揺動可能に取り付けられている。
【0079】
すなわち、図11(A)及び図11(B)に示されるように、クランプ140は、シャフト150(図11(A)及び図11(B)では図示省略)の軸心をし支点PBとして、支持部材148に対して揺動可能となっている。
【0080】
図9及び図10に示されるように、脚154は、矩形ブロック形状に形成された基部160と、この基部160から立設された脚部162とによって形成されており、脚部162から突設されたシャフト164(図10参照)が支持部材148の基板152に形成された貫通孔(図示省略)に挿入されて連結されている。
【0081】
図10に示されるように、脚部162と基板152の間には、弾性体によってリング状に形成され座板166が介在されており、また、基板152の上側には、可撓性部材によって略矩形形状に形成された抑え板168が座板166に挟まれて配置されている。抑え板168及び抑え板168を挟持している座板166は、シャフト164に螺合されているネジ170によって取り付けられている。
【0082】
抑え板168は、基板152のシャフト150側と、クランプ140の凹部146との間に掛け渡されており、また、基板152には、シャフト150と反対側の端部に段差部172が形成されており、この段差部172と抑え板168の間で、クランプ140の矩形孔158の周縁部を挟んでいる。
【0083】
これにより、クランプ140は、座板166を弾性変形させながら抑え板168を撓ませることにより、支持部材148のシャフト150を軸(支点PB)にして、支持部材148に対して揺動する。
【0084】
また、支持部材148には、脚154の脚部162と支持部材148の基板152との間に、板ばね174の一端が挟持されて取付けられている。この板ばね174の他端側は、回転ドラム54側へ向けて屈曲されている。
【0085】
後端チャック74は、クランプ部142の当接部144を印刷版12の後端部に対向させた状態で、脚154の基部160を回転ドラム54の所定の位置に嵌め込むことにより、回転ドラム54に装着される。このとき、板ばね174が回転ドラム54の周面に当接して弾性変形する。
【0086】
後端チャック74は、この板ばね174が弾性変形することにより生じる付勢力によってクランプ部142の当接部144を回転ドラム54の周面へ向けるように付勢され、当接部144と回転ドラム54との間で印刷版12を挟持する。
【0087】
なお、後端チャック74の回転ドラム54への装着は、例えば、回転ドラム54の周面に内部が拡幅された装着溝を形成し、この装着溝へ脚154の基部160を挿入して、シャフト164と共に基部160を回転することにより、基部160の周面が溝の内面に当接して固定されるなどの任意の構成を用いることができる。
【0088】
一方、図10、図11(A)及び図11(B)に示されるように、クランプ140が支持部材148に対して揺動するときの支点PBは、クランプ140の重心GBよりもクランプ部142側となっている。また、支点PBは、当接部144の円弧の中心となる点P1よりも回転ドラム54側となっている。
【0089】
回転ドラム54が回転することにより、クランプ140には、遠心力が生じる。この遠心力FBは、支点PBを中心にしてクランプ140の重心GBを、回転ドラム54から離間する方向にクランプ140を回動させるように作用する。
【0090】
これにより、クランプ部142も支点PBを軸に回動されることになり、印刷版12への当接位置が、回動方向と反対方向にずれ、当接部144に当接している印刷版12の後端部が、印刷版12を伸長する方向に引っ張る。すなわち、印刷版12に当接する当接部144を円弧状に形成しているため、当接部144の印刷版12への当接位置Sで、遠心力FBによって印刷版12を引っ張る方向への引張力F2が生じる。
【0091】
また、印刷版12に当接する当接部144は、印刷版12に対向する円弧状の面の中心となる点P1が、支点PBよりも回転ドラム54の半径方向の外方側となっている。これにより、支点PBから回転ドラム54が停止しているときの当接部144の印刷版12への当接位置S1までの距離r1が、回転ドラム54を回転したときの当接部144の印刷版12の当接位置S2(図11(B)に二点鎖線で示す)までの距離r2よりも短くなっている(r1<r2)。
【0092】
したがって、クランプ140が遠心力FBによって回動すると、クランプ部142による印刷版12への押圧力F3が大きくなると共に、引張力F2が減少し、押圧力F3に対する抗力によって、クランプ140の遠心力FBによる回動が抑えられる。すなわち、クランプ140は、当接部140の湾曲の中心(点P1)をクランプ部142の支点PBよりも回転ドラム54側とすることにより、クランプ140による印刷版12の伸長を制限し、印刷版12が必要以上に伸ばされることがないようにしている。
【0093】
また、図11(A)に示されるように、クランプ140は、支持部材148に対して揺動する時の支点PBが、クランプ140の重心GBよりもクランプ部142側となっていることにより、回転ドラム54の一体で回転したときの遠心力FBによって生じる押圧力F3によって、回転ドラム54とクランプ部142との間で、印刷版12を確実に挟持するようになっている。
【0094】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0095】
画像露光装置10では、印刷版12に露光する画像データが入力され、画像露光を行う印刷版12のサイズ及び露光枚数が設定されて、画像露光の開始が指示されると、印刷版12への画像露光処理を開始する。なお、これらの処理は、画像露光装置10に操作パネルを設け、この操作パネルのスイッチ操作によって指示するものであっても良く、画像露光装置10に画像データを出力する画像処理装置等からの信号によって画像露光装置10の処理開始を指示するものであっても良い。
【0096】
画像露光装置10では、処理の開始が指示されると、指定されたサイズの印刷版12を収容しているカセット16に対応する位置へ反転ユニット28と共に枚葉ユニット30を移動させ、吸盤38によって該当するカセット16内の印刷版12を吸着して取出し、反転ユニット28の反転ローラ32と搬送ベルト36の間へ送り込む。これにより、印刷版12は、反転ローラ32と搬送ベルト36に挟持搬送され、搬送コンベア42へ送られる。
【0097】
搬送コンベア42は、この印刷版12の先端をパンチャー58の銜え口60に挿入し、パンチャー58は、この印刷版12の所定の位置に位置決め用の切り欠きを穿設する。搬送コンベア42は、印刷版12に切り欠きが穿設されると、この印刷版12をパンチャー58の銜え口60から引き出して、回転ドラム54の周面へ向けて送り出す。
【0098】
記録部22では、この印刷版12の先端を先端チャック62によって回転ドラム54に保持させると、スクイズローラ66によってスクイズしながら印刷版12を回転ドラム54に巻き付け、印刷版12の後端を後端チャック74によって回転ドラム54に保持させる。
【0099】
この後、記録部22では、回転ドラム54を高速回転しながら記録ヘッド部56から画像データに基づいた光ビームを印刷版12に照射して、印刷版12を走査露光する。印刷版12の走査露光が終了すると、後端チャック74を回転ドラム54から取外して、印刷版12を排出バッファ部24へ送り出す。
【0100】
排出バッファ部24では、印刷版12を小ローラ80Aとローラ84によって挟持搬送して排出ローラ78に巻き掛けた後、小ローラ80Aとローラ84を排出口76に対向させて、排出口76から所定の搬送速度で送り出す。
【0101】
ところで、回転ドラム54には、先端チャック62が設けられており、また、後端チャック74が装着されるようになっている。回転ドラム54に巻き付けられる印刷版12は、搬送コンベア42から記録部22に送り込まれる時に先端部が先端チャック62によって回転ドラム54に固定されて回転ドラム54に巻き付けられる。また、記録部22では、回転ドラム54に巻き付けられた印刷版12の後端位置に合わせて後端チャック74を回転ドラム54に装着することにより、印刷版12の後端部を回転ドラム54に固定する。
【0102】
先端チャック62は、装着カム64がコイルばね136の付勢力に抗して押圧部122を押下することにより、クランプ部102が回転ドラム54の周面から離間して、印刷版12の挿入が可能となる。また、先端チャック62は、装着カム64による押圧部122の押下が解除されると、コイルばね136の付勢力によってクランプ部102と回転ドラム54との間で印刷版12の先端を挟持する。これにより、印刷版12の先端が回転ドラム54に固定される。
【0103】
一方、後端チャック74は、印刷版12の後端がクランプ部142に対向する位置で回転ドラム54に装着される。後端チャック74は、回転ドラム54に装着されることにより、板ばね174が回転ドラム54の周面に当接して弾性変形する。この板ばね174が弾性変形することにより生じる付勢力によって、印刷版12の後端部がクランプ部142と回転ドラム54との間で挟持されて固定される。
【0104】
このとき、後端チャック74は、支持部材148が回転ドラム54の外周部に形成された装着溝90に挿入されて装着される。この装着溝90は、回転ドラム54の周方向に沿って形成されているため、後端チャック74を回転ドラム54の周方向に沿った任意の位置に装着することができ、これにより、印刷版12のサイズにかかわらず、先端チャック62と後端チャック74によって印刷版12の先端と後端を確実に回転ドラム54との間で挟持して、印刷版12を回転ドラム54に固定することができる。
【0105】
記録部22では、回転ドラム54に巻き付けた印刷版12の先端部及び後端部を先端チャック62及び後端チャック74によって固定すると、回転ドラム54を装着露光方向へ高速回転する。
【0106】
図8に示されるように、回転ドラム54が回転することにより先端チャック62のクランプ100には、遠心力FAが作用する。先端チャック62のクランプ100には、この遠心力FAによって支点PAを中心とした回転モーメントが生じ、この回転モーメントによって、クランプ部102に回転ドラム54の周面へ向けた押圧力F1が生じる。
【0107】
これにより、先端チャック62は、コイルばね136の付勢力に応じた押圧力に加えて、遠心力FAに応じた押圧力F1によって回転ドラム54との間で印刷版12を強固に固定する。
【0108】
したがって、先端チャック62は、回転ドラム54に巻き付けられた印刷版12に、回転ドラム54が回転することにより遠心力が生じても、印刷版12の先端を回転ドラム54の所定の位置に確実に固定しておくことができる。
【0109】
一方、図11(A)に示されるように、回転ドラム54が回転することにより、印刷版12の後端部を回転ドラム54に固定している後端チャック74のクランプ140には、遠心力FBが作用する。後端チャック74のクランプ140には、この遠心力FBによって、支持部材148のシャフト150を軸とした回転モーメントが作用する。
【0110】
クランプ140のクランプ部142は、印刷版12に当接する当接部144を円弧状に形成している。これにより、印刷版12に当接している当接位置Sでは、遠心力FBによる回転モーメントによって、接線方向に沿った引張力F2が生じる。この引張力F2は、印刷版12の外方へ向けられている。
【0111】
したがって、回転ドラム54が回転すると、印刷版12の後端部は、後端チャック74によって伸長方向へ引っ張られることになり、回転ドラム54が回転したときに、印刷版12に弛みが生じるのを防止することができる。すなわち、印刷版12が回転ドラム54と一体で回転したときに、印刷版12に生じる遠心力によって印刷版12に浮きが生じて回転ドラム54の周面から離間することがある。このとき、後端チャック74は、クランプ140に生じる遠心力FBによって、この印刷版12の後端部を引っ張るので、回転ドラム54に巻き付けた印刷版12が回転ドラム54の周面から離間する浮きや撓みが生じるのを確実に防止することができる。
【0112】
また、図11(B)に示されるように、後端チャック74は、支点PBが印刷版12に当接する当接部144の円弧の中心位置となる点P1よりも回転ドラム54の周面側となっている。このため、クランプ部142が回転モーメントによって回転することにより、印刷版12に当接する当接位置Sが、当接位置S1から当接位置S2へ移動し、支点PBと印刷版12との距離が長くなる。これにより、クランプ部142による印刷版12の押圧力が大きくなると共に引張力F2が小さくなる。
【0113】
すなわち、後端チャック74では、回転ドラム54の回転によってクランプ140に遠心力FBが作用し、クランプ部142が回動することにより、最初は、押圧力F3と共に引張力F2が生じるが、徐々に印刷版12を回転ドラム54の周面へ向けて押圧する押圧力F3が増加するとと共に引張力F2が減少する。
【0114】
これにより、遠心力FBによるクランプ部142の回動が抑えられ、クランプ140による印刷版12の引張が制限され、クランプ140が印刷版12を必要以上に引っ張ってしまうことがない。
【0115】
さらに、クランプ140は、遠心力FBによって生じる押圧力F3によってクランプ部142と回転ドラム54との間で印刷版12の確実に挟持する。
【0116】
したがって、印刷版12を走査露光するために回転ドラム54が高速回転しても、印刷版12に浮きや撓みは勿論、引っ張り過ぎによる位置ずれ等を生じさせることがなく確実に固定して、印刷版12上の適切な位置に画像を記録することができ、印刷版12の記録される画像が損なわれることがない。
【0117】
また、このようにして遠心力を用いて印刷版12を確実にかつ適切に固定可能とすることにより、クランプ部102、142を回転ドラム54へ向けて付勢しているコイルばね136や板ばね174の付勢力を小さくできるので、回転ドラム54への印刷版12の装着や、クランプ140の着脱を容易にすることが可能となる。
【0118】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、後端チャック74を回転ドラム54の装着溝90に挿入して装着することにより、回転ドラム54の周方向に沿った任意の位置で印刷版12の後端を保持するようにしたが、後端チャック74が装着溝90内を回転ドラム54の周方向に沿って移動可能となるようにしても良く、これにより、印刷版12のサイズにかかわらず、印刷版12の先端と後端を確実に回転ドラム54との間で挟持して保持することができる。
【0119】
また、本実施の形態では、先端チャック62を回転ドラム54の所定の位置に取り付けておき、後端チャック74を印刷版12のサイズに応じた位置に装着するようにしたが、印刷版12のサイズに応じた位置に先端チャック62及び後端チャック74を着脱可能としたものであっても良い。
【0120】
また、本実施の形態では、本発明を適用した先端チャック62及び後端チャック74を、回転ドラム54に印刷版12を巻き付け、回転ドラム54の回転に同期させて印刷版12を走査露光する画像露光装置10に適用して説明したが、画像露光装置10に限らず、回転ドラム54に印刷版12を巻き付けて走査露光する任意の構成の画像露光装置に用いることができる。
【0121】
また、本実施の形態では、シート体として印刷版12を用いたが、シート体としては、印刷版12に限らず印画紙や写真フィルムなどの種々の感光材料は勿論、感光材料に限らず種々のシート体を回転ドラムに巻き付けて回転させるときの、シート体の固定装置として適用することができる。
【0122】
さらに、本実施の形態では、遠心力によって印刷版12を回転ドラム54へ向けて押圧するクランプ100と、遠心力によって印刷版を回転ドラム54へ向けて押圧しながら引っ張るクランプ140を用いて説明したが、少なくと遠心力によって印刷版12を押圧するクランプ又は印刷版12を引っ張るクランプを備えたものであれば良い。
【0123】
また、本実施の形態では、固定装置として先端チャック62と後端チャック74を用いて説明したが、先端チャック62及び後端チャック74は、本発明の固定装置の構成を限定するものではない。本発明の固定装置は、クランプに作用する遠心力によって、シート体への押圧力ないし引張力を生じさせる任意の構成を用いることができる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、回転ドラムを回転したときに第1のクランプに生じる遠心力によってシート体を挟持しながら引っ張る引張力を生じさせる。これにより、回転ドラムを回転させたときに、シート体に撓みを生じさせることなく確実に回転ドラムに固定することができる。
【0125】
また、本発明では、第2のクランプでシート体の一端を確実に固定し、第1のクランプに生じる遠心力によって回転ドラムとの間でシート体を挟持する第2のクランプ部に引張力を生じさせるので、シート体に撓みなどが生じるのを確実に防止することができると言う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像露光装置を示す概略構成図である。
【図2】画像露光装置の記録部を示す概略構成図である。
【図3】回転ドラムに対する先端チャックと後端チャックの配置を示す概略斜視図である。
【図4】本発明を適用した先端チャックを示す概略斜視図である。
【図5】先端チャックの要部を示す概略斜視図である。
【図6】先端チャックの要部を示すクランプの幅方向に沿った概略断面図である。
【図7】回転ドラムを回転したときにクランプに生じる遠心力とクランプ部に生じる押圧力を示す先端チャックの概略図である。
【図8】本発明を適用した後端チャックを示す概略斜視図である。
【図9】後端チャックの要部を示す概略斜視図である。
【図10】後端チャックの要部を示すクランプの幅方向に沿った概略断面図である。
【図11】(A)は回転ドラムを回転したときにクランプに生じる遠心力とクランプ部に生じる押圧力を示す後端チャックの概略図、(B)は遠心力によるクランプの回動を示す概略図である。
【符号の説明】
10 画像露光装置
12 印刷版(シート体)
22 記録部
54 回転ドラム
62 先端チャック(シート体の固定装置)
74 後端チャック(シート体の固定装置)
90 装着溝
100 クランプ(第2のクランプ)
102 クランプ部(第2のクランプ部)
106 脚(第2の支持手段)
124 付勢脚
136 コイルばね
140 クランプ(第1のクランプ)
142 クランプ部(第1のクランプ部)
144 当接部
148 支持部材(第1の持手段)
150 シャフト(支軸)
174 板ばね

Claims (2)

  1. シート体巻き付けられた状態で回転される回転ドラムに、回転ドラムの周面との間でシート体の周縁部を挟んで固定するシート体の固定装置であって、
    前記シート体の周縁部に対向される当接面が円弧状に形成された第1のクランプ部が前記回転ドラムの周面との間で前記シート体の周縁部を挟持する第1のクランプと、
    前記第1のクランプを、前記第1のクランプ部の前記当接面の円弧中心位置より前記回転ドラムの半径方向の内方側を軸に揺動可能に支持し、前記第1のクランプが前記回転ドラムと一体で回転されることにより生じる遠心力によって前記シート体をシート体の引張方向へ付勢可能とする第1の支持手段と、
    を含むシート体の固定装置。
  2. 前記シート体の周縁部に対向される第2のクランプ部が前記回転ドラムの周面との間で前記シート体の周縁部を挟持する第2のクランプと、
    前記第2のクランプの重心よりも前記第2のクランプ部側を軸に揺動可能に支持して回転ドラムに取り付け、前記第2のクランプが前記回転ドラムと一体で回転されることにより生じる遠心力によって前記第2のクランプ部を回転ドラムの周面へ付勢可能とする第2の支持手段と、
    を含み、前記シート体の前記回転ドラムの周方向の一端側を前記第2のクランプで保持し、他端側を前記第1のクランプによって保持する請求項1に記載のシート体の固定装置。
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