JP4306169B2 - L−アミノ酸の製造法及び新規遺伝子 - Google Patents

L−アミノ酸の製造法及び新規遺伝子 Download PDF

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    • C12P13/14Glutamic acid; Glutamine

Description

技術分野
本発明は、発酵法によるL−アミノ酸の製造法、特にL−リジン及びL−グルタミン酸の製造法、及び同方法に用いる微生物及び新規遺伝子に関する。L−リジンは飼料添加物等として、L−グルタミン酸は調味料原料等として広く用いられている。
背景技術
従来、L−リジン及びL−グルタミン酸等のL−アミノ酸は、これらのL−アミノ酸生産能を有するブレビバクテリウム属やコリネバクテリウム属に属するコリネ型細菌を用いて発酵法により工業生産されている。これらのコリネ型細菌は、生産性を向上させるために、自然界から分離した菌株または該菌株の人工変異株が用いられている。
また、組換えDNA技術によりL−アミノ酸の生合成酵素を増強することによって、L−アミノ酸の生産能を増加させる種々の技術が開示されている。例えば、L−リジン生産能を有するコリネ型細菌において、L−リジン及びL−スレオニンによるフィードバック阻害が解除されたアスパルトキナーゼをコードする遺伝子(変異型lysC)、ジヒドロジピコリン酸レダクターゼ遺伝子(dapB)、ジヒドロジピコリン酸シンターゼ遺伝子(dapA)、ジアミノピメリン酸デカルボキシラーゼ遺伝子(lysA)、及びジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ddh)(WO96/40934)、lysA及びddh(特開平9−322774号)、lysC、lysA及びホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(ppc)(特開平10−165180号)、変異型lysC、dapB、dapA、lysA及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子(aspC)(特開平10−215883号)を導入することにより、同細菌のL−リジン生産能が向上することが知られている。
また、エシェリヒア属細菌においては、dapA、変異型lysC、dapB、ジアミノピメリン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ddh)(又はテトラヒドロジピコリン酸スクシニラーゼ遺伝子(dapD)及びスクシニルジアミノピメリン酸デアシラーゼ遺伝子(dapE))を順次増強するとL−リジン生産能が向上することが知られている(WO 95/16042)。尚、WO 95/16042ではテトラヒドロジピコリン酸スクシニラーゼがスクシニルジアミノピメリン酸トランスアミナーゼと誤記されている。
一方、コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウム属細菌において、エシェリヒア・コリ又はコリネバクテリウム・グルタミクム由来のクエン酸シンターゼをコードする遺伝子の導入が、L−グルタミン酸生産能の増強に効果的であったことが報告されている(特公平7−121228号)。また、特開昭61−268185号公報には、コリネバクテリウム属細菌由来のグルタミン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を含む組換え体DNAを保有した細胞が開示されている。さらに、特開昭63−214189号公報には、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、アコニット酸ヒドラターゼ遺伝子、及びクエン酸シンターゼ遺伝子を増強することによって、L−グルタミン酸の生産能を増加させる技術が開示されている。
しかし、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子の構造はコリネ型細菌では報告されておらず、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子をコリネ型細菌の育種に利用することも知られていない。
尚、ブレビバクテリウム属細菌等のコリネ型細菌のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子は知られていない。
発明の開示
本発明は、従来よりもさらに改良された発酵法によるL−リジン又はL−グルタミン酸等のL−アミノ酸の製造法、及びそれに用いる菌株を提供することを課題とする。また本発明の他の課題は、前記菌株の構築に好適に利用することができるコリネ型細菌のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子をコリネ型細菌に導入し、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を増幅することにより、L−リジン又はL−グルタミン酸の生産量を増大させることができることを見出した。また、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムのフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子を単離することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)細胞中のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増強され、かつL−アミノ酸生産能を有するコリネ型細菌。
(2)前記L−アミノ酸が、L−リジン、L−グルタミン酸、L−スレオニン、L−イソロイシン、L−セリンから選ばれる(1)のコリネ型細菌。
(3)前記フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性の増強が、前記細菌細胞内のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子のコピー数を高めることによるものである前記(1)のコリネ型細菌。
(4)前記フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子がエシェリヒア属細菌由来である(3)のコリネ型細菌。
(5)前記フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子がコリネ型細菌由来である(3)のコリネ型細菌。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかのコリネ型細菌を培地に培養し、該培養物中にL−アミノ酸を生成蓄積せしめ、該培養物からL−アミノ酸を採取することを特徴とするL−アミノ酸の製造法。
(7)前記L−アミノ酸が、L−リジン、L−グルタミン酸、L−スレオニン、L−イソロイシン、L−セリンから選ばれる(6)の方法。
(8)前記培地は炭素源としてフルクトースを含むことを特徴とする(6)又は(7)記載の方法。
(9)下記(A)又は(B)に示すタンパク質をコードするDNA。
(A)配列表の配列番号14に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質。
(B)配列表の配列番号14に記載のアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むアミノ酸配列からなり、かつ、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質。
(10)下記(a)又は(b)に示すDNAである(9)のDNA。
(a)配列表の配列番号13に記載の塩基配列のうち、塩基番号881〜2944からなる塩基配列を含むDNA。
(b)配列表の配列番号13に記載の塩基配列のうち、塩基番号881〜2944からなる塩基配列又は同塩基配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明のコリネ型細菌
本発明のコリネ型細菌は、L−アミノ酸生産能を有し、細胞中のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増強されたコリネ型細菌である。L−アミノ酸としては、L−リジン、L−グルタミン酸、L−スレオニン、L−イソロイシン、L−セリン等が挙げられる。これらの中では、L−リジン及びL−グルタミン酸が好ましい。以下、本発明の実施の形態を、主としてL−リジン生産能又はL−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌について説明するが、本発明は、目的とするL−アミノ酸固有の生合成系がフルクトースホスホトランスフェラーゼよりも下流に位置するものについては同様に適用され得る。
本発明でいうコリネ型細菌としては、バージーズ・マニュアル・オブ・デターミネイティブ・バクテリオロジー(Bergey’s Manual of Determinative Bacteriology)第8版599頁(1974)に定義されている一群の微生物であり、好気性,グラム陽性,非抗酸性,胞子形成能を有しない桿菌であり、従来ブレビバクテリウム属に分類されていたが現在コリネバクテリウム属細菌として統合された細菌を含み(Int.J.Syst.Bacteriol.,41,255(1981))、またコリネバクテリウム属と非常に近縁なブレビバクテリウム属細菌及びミクロバテリウム属細菌を含む。L−リジン又はL−グルタミン酸の製造に好適に用いられるコリネ型細菌の菌株としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム ATCC13870
コリネバクテリウム・アセトグルタミクム ATCC15806
コリネバクテリウム・カルナエ ATCC15991
コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC13032
(ブレビバクテリウム・ディバリカタム) ATCC14020
(ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム)ATCC13869
(コリネバクテリウム・リリウム) ATCC15990
(ブレビバクテリウム・フラバム) ATCC14067
コリネバクテリウム・メラセコーラ ATCC17965
ブレビバクテリウム・サッカロリティクム ATCC14066
ブレビバクテリウム・インマリオフィルム ATCC14068
ブレビバクテリウム・ロゼウム ATCC13825
ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ATCC19240
ミクロバクテリウム・アンモニアフィラム ATCC15354
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス AJ12340(FERM BP−1539)
これらを入手するには、例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection、住所12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,United States of America)より分譲を受けることができる。すなわち、各微生物ごとに対応する登録番号が付与されており、この登録番号を引用して分譲を受けることができる。各微生物に対応する登録番号はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載されている。また、AJ12340株は、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(郵便番号305−8566 日本国茨城県つくば市東一丁目1番3号)にブダペスト条約に基づいて寄託されている。
また、上記菌株以外にも、これらの菌株から誘導されたL−リジン又はL−グルタミン酸等のL−アミノ酸生産能を有する変異株等も、本発明に利用できる。この様な人工変異株としては次の様なものがある。S−(2−アミノエチル)−システイン(以下、「AEC」と略記する)耐性変異株(例えば、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ11082(NRRL B−11470)、特公昭56−1914号、特公昭56−1915号、特公昭57−14157号、特公昭57−14158号、特公昭57−30474号、特公昭58−10075号、特公昭59−4993号、特公昭61−35840号、特公昭62−24074号、特公昭62−36673号、特公平5−11958号、特公平7−112437号、特公平7−112438号参照)、その成長にL−ホモセリン等のアミノ酸を必要とする変異株(特公昭48−28078号、特公昭56−6499号)、AECに耐性を示し、更にL−ロイシン、L−ホモセリン、L−プロリン、L−セリン、L−アルギニン、L−アラニン、L−バリン等のアミノ酸を要求する変異株(米国特許第3708395号及び第3825472号)、DL−α−アミノ−ε−カプロラクタム、α−アミノ−ラウリルラクタム、アスパラギン酸−アナログ、スルファ剤、キノイド、N−ラウロイルロイシンに耐性を示すL−リジン生産変異株、オキザロ酢酸脱炭酸酵素(デカルボキシラーゼ)または呼吸系酵素阻害剤の耐性を示すL−リジン生産変異株(特開昭50−53588号、特開昭50−31093号、特開昭52−102498号、特開昭53−9394号、特開昭53−86089号、特開昭55−9783号、特開昭55−9759号、特開昭56−32995号、特開昭56−39778号、特公昭53−43591号、特公昭53−1833号)、イノシトールまたは酢酸を要求するL−リジン生産変異株(特開昭55−9784号、特開昭56−8692号)、フルオロピルビン酸または34℃以上の温度に対して感受性を示すL−リジン生産変異株(特開昭55−9783号、特開昭53−86090号)、エチレングリコールに耐性を示し、L−リジンを生産するブレビバクテリウム属またはコリネバクテリウム属の生産変異株(米国特許第4411997号)。
また、L−スレオニン生産能を有するコリネ型細菌としては、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム AJ12318(FERM BP−1172)(米国特許第5,188,949号参照)等が、L−イソロイシン生産能を有するコリネ型細菌としてはブレビバクテリウム・フラバム AJ12149(FERM BP−759)(米国特許第4,656,135号参照)等が挙げられる。
<2>フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性の増幅
コリネ型細菌細胞中のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を増幅するには、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子断片を、該細菌で機能するベクター、好ましくはマルチコピー型のベクターと連結して組み換えDNAを作製し、これをL−リジン又はL−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌に導入して形質転換すればよい。形質転換株の細胞内のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子のコピー数が上昇する結果、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅される。フルクトースホスホトランスフェラーゼは、エシェリヒア・コリではfruA遺伝子にコードされている。
フルクトースホスホトランスフェラーゼ遺伝子は、コリネ型細菌の遺伝子を用いることが好ましいが、エシェリヒア属細菌等の他の生物由来の遺伝子のいずれも使用することができる。
エシェリヒア・コリのfruA遺伝子の塩基配列は既に明らかにされている(Genbank/EMBL/DDBJ accetion No.M23196)ので、その塩基配列に基づいて作製したプライマー、例えば配列表配列番号1及び2に示すプライマーを用いて、エシェリヒア・コリ染色体DNAを鋳型とするPCR法(PCR:polymerase chain reaction;White,T.J.et al ;Trends Genet.5,185(1989)参照)によって、fruA遺伝子を取得することができる。
また、コリネ型細菌、例えばブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム由来のfruA遺伝子は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、キサントモナス・コンペストリス(Xanthomonas compestris)等の公知のfruA遺伝子から予想されるアミノ酸配列間で相同性の高い領域を選択し、その領域のアミノ酸配列に基づいてPCR用プライマーを合成し、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムを鋳型とするPCR反応を行うことによって、部分配列として取得することができる。前記プライマーとしては、配列番号3および配列番号4に示すオリゴヌクレオチドが挙げられる。
次に、前記のようにして取得されるfruA遺伝子の部分配列を利用して、inverse PCR(Genetics,120,621−623(1988))法、又はLA−PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)を用いる方法等によって、fruA遺伝子の5’未知領域及び3’未知領域を取得する。LA−PCR in vitro cloning kitを用いる場合、fruA遺伝子の3’未知領域は、例えば、一次PCRとして配列番号5、配列番号9に示すプライマーによるPCRを、二次PCRとして配列番号6、配列番号10に示すプライマーによるPCRを行うことにより取得できる。また、fruA遺伝子部分断片の5’未知領域は、例えば一次PCRとして配列番号7、配列番号9に示すプライマーによるPCRを、二次PCRとして配列番号8、配列番号10に示すプライマーによるPCRを行うことにより、取得することができる。このようにして得られるfruA遺伝子の全長を含むDNA断片の塩基配列を配列番号13に示す。また、この塩基配列から推定されるオープン・リーディング・フレームをアミノ酸配列に翻訳した配列を配列番号14に示す。
また、本発明によりブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムのfruA遺伝子及びその隣接領域の塩基配列が明らかとなったので、これらの隣接領域の塩基配列に基づいて設計したオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCRによって、fruA遺伝子全長を含むDNA断片を取得することができる。
他の細菌のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子も、同様にして取得され得る。
本発明のfruA遺伝子は、コードされるタンパク質のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が損なわれない限り、1若しくは複数の位置での1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードするものであってもよい。ここで、「数個」とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置や種類によっても異なるが、具体的には2から200個、好ましくは、2から50個、より好ましくは2から20個である。
上記のようなフルクトースホスホトランスフェラーゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAは、例えば部位特異的変異法によって、特定の部位のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含むように、fluAの塩基配列を改変することによって得られる。また、上記のような改変されたDNAは、従来知られている変異処理によっても取得され得る。変異処理としては、変異処理前のDNAをヒドロキシルアミン等でインビトロ処理する方法、及び変異処理前のDNAを保持する微生物、例えばエシェリヒア属細菌を、紫外線照射またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくは亜硝酸等の通常変異処理に用いられている変異剤によって処理する方法が挙げられる。
上記のような変異を有するDNAを、適当な細胞で発現させ、発現産物の活性を調べることにより、フルクトースホスホトランスフェラーゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAが得られる。また、変異を有するフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードするDNAまたはこれを保持する細胞から、例えば配列表の配列番号13に記載の塩基配列のうち塩基番号881〜2944からなる塩基配列又はその一部を有するプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを単離することによっても、フルクトースホスホトランスフェラーゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAが得られる。ここでいう「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。この条件を明確に数値化することは困難であるが、一例を示せば、相同性が高いDNA同士、例えば50%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズし、それより相同性が低いDNA同士がハイブリダイズしない条件、あるいは通常のサザンハイブリダイゼーションの洗いの条件である60℃、1×SSC,0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄を行う条件が挙げられる。
プローブとして、配列番号13の塩基配列の一部の配列を用いることもできる。そのようなプローブは、配列番号13の塩基配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし、配列番号13の塩基配列を含むDNA断片を鋳型とするPCRによって作製することができる。プローブとして、300bp程度の長さのDNA断片を用いる場合には、ハイブリダイゼーションの洗いの条件は、50℃、2×SSC、0.1%SDSが挙げられる。
上記のような条件でハイブリダイズする遺伝子の中には途中にストップコドンが発生したものや、活性中心の変異により活性を失ったものも含まれるが、それらについては、市販の活性発現ベクターにつなぎ、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を、Mori,M.& Shiio,I.,Agric.Biol.Chem.,51,129−138(1987)記載の方法で測定することによって、容易に選別することができる。
フルクトースホスホトランスフェラーゼと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAとして具体的には、配列番号14に示すアミノ酸配列と、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上の相同性を有し、かつフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAが挙げられる。
染色体DNAは、DNA供与体である細菌から、例えば、斎藤、三浦の方法(H.Saito and K.Miura Biochem.Biophys.Acta,72,619(1963)、生物工学実験書、日本生物工学会編、97〜98頁、培風館、1992年参照)等により調製することができる。
PCR法により増幅されたフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子は、エシェリヒア・コリ及び/又はコリネ型細菌の細胞内において自律複製可能なベクターDNAに接続して組換えDNAを調製し、これをエシェリヒア・コリ細胞に導入しておくと、後の操作がしやすくなる。エシェリヒア・コリ細胞内において自律複製可能なベクターとしては、プラスミドベクターが好ましく、宿主の細胞内で自立複製可能なものが好ましく、例えばpUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG399、pHSG398、RSF1010等が挙げられる。
コリネ型細菌の細胞内において自律複製可能なベクターとしては、pAM330(特開昭58−67699号公報参照)、pHM1519(特開昭58−77895号公報参照)等が挙げられる。また、これらのベクターからコリネ型細菌中でプラスミドを自律複製可能にする能力を持つDNA断片を取り出し、前記エシェリヒア・コリ用のベクターに挿入すると、エシェリヒア・コリ及びコリネ型細菌の両方で自律複製可能ないわゆるシャトルベクターとして使用することができる。このようなシャトルベクターとしては、以下のものが挙げられる。尚、それぞれのベクターを保持する微生物及び国際寄託機関の受託番号をかっこ内に示した。
pAJ655 エシェリヒア・コリAJ11882(FERM BP−13
6)
コリネバクテリウム・グルタミクムSR8201(ATCC
39135)
pAJ1844 エシェリヒア・コリAJ11883(FERM BP−13
7)
コリネバクテリウム・グルタミクムSR8202(ATCC
39136)
pAJ611 エシェリヒア・コリAJ11884(FERM BP−13
8)
pAJ3148 コリネバクテリウム・グルタミクムSR8203(ATCC
39137)
pAJ440 バチルス・ズブチリスAJ11901(FERM BP−1
40)
pHC4 エシェリヒア・コリAJ12617(FERM BP−35
32)
フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子とコリネ型細菌で機能するベクターを連結して組み換えDNAを調製するには、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子の末端に合うような制限酵素でベクターを切断する。連結は、T4DNAリガーゼ等のリガーゼを用いて行うのが普通である。
上記のように調製した組み換えDNAをコリネ型細菌に導入するには、これまでに報告されている形質転換法に従って行えばよい。例えば、エシェリヒア・コリ K−12について報告されているような、受容菌細胞を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法(Mandel,M.and Higa,A.,J.Mol.Biol.,53,159(1970))があり、バチルス・ズブチリスについて報告されているような、増殖段階の細胞からコンピテントセルを調製してDNAを導入する方法(Duncan,C.H.,Wilson,G.A.and Young,F.E.,Gene,1,153(1977))がある。あるいは、バチルス・ズブチリス、放線菌類及び酵母について知られているような、DNA受容菌の細胞を、組換えDNAを容易に取り込むプロトプラストまたはスフェロプラストの状態にして組換えDNAをDNA受容菌に導入する方法(Chang,S.and Choen,S.N.,Molec.Gen.Genet.,168,111(1979);Bibb,M.J.,Ward,J.M.and Hopwood,O.A.,Nature,274,398(1978);Hinnen,A.,Hicks,J.B.and Fink,G.R.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75 1929(1978))も応用できる。本発明の実施例で用いた形質転換の方法は、電気パルス法(特開平2−207791号公報参照)である。
フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする活性の増幅は、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子を上記宿主の染色体DNA上に多コピー存在させることによっても達成できる。コリネ型細菌に属する微生物の染色体DNA上にフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子を多コピーで導入するには、染色体DNA上に多コピー存在する配列を標的に利用して相同組換えにより行う。染色体DNA上に多コピー存在する配列としては、レペッティブDNA、転移因子の端部に存在するインバーティッド・リピートが利用できる。あるいは、特開平2−109985号公報に開示されているように、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子をトランスポゾンに搭載してこれを転移させて染色体DNA上に多コピー導入することも可能である。いずれの方法によっても形質転換株内のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子のコピー数が上昇する結果、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅される。
フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性の増幅は、上記の遺伝子増幅による以外に、染色体DNA上又はプラスミド上のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子のプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換することによっても達成される(特開平1−215280号公報参照)。たとえば、lacプロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、ラムダファージのPプロモーター、Pプロモーター等が強力なプロモーターとして知られている。これらのプロモーターへの置換により、フルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子の発現が強化されることによってフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅される。
また、本発明のコリネ型細菌は、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性に加えて、他のアミノ酸生合成経路又は解糖系等の酵素遺伝子を強化することによって、それらの酵素活性が増強されてもよい。例えば、L−リジンの製造に利用可能な遺伝子の例としては、L−リジン及びL−スレオニンによる相乗的なフィードバック阻害が実質的に解除されたアスパルトキナーゼαサブユニット蛋白質又はβサブユニット蛋白質をコードする遺伝子(WO94/25605国際公開パンフレット)、コリネホルム細菌由来の野生型ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子(特開昭60−87788号公報)、コリネホルム細菌由来の野生型ジヒドロジピコリン酸合成酵素をコードする遺伝子(特公平6−55149号公報)等が知られている。
また、L−グルタミン酸の製造に利用可能な遺伝子の例としては、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH、特開昭61−268185号)、グルタミンシンテターゼ、グルタミン酸シンターゼ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(特開昭62−166890号、特開昭63−214189号)、アコニット酸ヒドラターゼ(特開昭62−294086号)、クエン酸シンターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ(特開昭60−87788号、特開昭62−55089号)、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、ホスホエノールピルビン酸シンターゼ、フルクトースホスホトランスフェラーゼ、ホスホグリセロムターゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、フルクトースビスリン酸アルドラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ(特開昭63−102692号)、グルコースリン酸イソメラーゼ等がある。
さらに、目的とするL−アミノ酸の生合成経路から分岐して同L−アミノ酸以外の化合物を生成する反応を触媒する酵素の活性が低下または欠損していてもよい。例えば、L−リジンの生合成経路から分岐してL−リジン以外の化合物を生成する反応を触媒する酵素としては、ホモセリンデヒドロゲナーゼがある(WO 95/23864参照)。また、L−グルタミン酸の生合成経路から分岐してL−グルタミン酸以外の化合物を生成する反応を触媒する酵素としては、αケトグルタール酸デヒドロゲナーゼ、イソクエン酸リアーゼ、リン酸アセチルトランスフェラーゼ、酢酸キナーゼ、アセトヒドロキシ酸シンターゼ、アセト乳酸シンターゼ、ギ酸アセチルトランスフェラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、1−ピロリン酸デヒドロゲナーゼ、等がある。
さらに、L−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌に、界面活性剤等のビオチン作用抑制物質に対する温度感受性変異を付与することにより、過剰量のビオチンを含有する培地中にてビオチン作用抑制物質の非存在下でL−グルタミン酸を生産させることができる(WO96/06180号参照)。このようなコリネ型細菌としては、WO96/06180号に記載されているブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ13029が挙げられる。AJ13029株は、1994年9月2日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所(郵便番号305−8566 日本国茨城県つくば市東一丁目1番3号)に、受託番号FERM P−14501として寄託され、1995年8月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP−5189が付与されている。
また、L−リジン及びL−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌に、ビオチン作用抑制物質に対する温度感受性変異を付与することにより、過剰量のビオチンを含有する培地中にてビオチン作用抑制物質の非存在下でL−リジン及びL−グルタミン酸を同時生産させることができる(WO96/06180号参照)。このような菌株としては、WO96/06180号に記載されているブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ12993株が挙げられる。同株は1994年6月3日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所(郵便番号305−8566 日本国茨城県つくば市東一丁目1番3号)に、受託番号FERM P−14348で寄託され、1995年8月1日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP−5188が付与されている。
<3>L−アミノ酸の生産
フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅され、かつ、L−アミノ酸生産能を有するコリネ型細菌を好適な培地で培養すれば、同L−アミノ酸が培地に蓄積する。例えば、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅され、かつL−リジン酸生産能を有するコリネ型細菌を好適な培地で培養すれば、L−リジンが培地に蓄積する。また、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅され、かつL−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌を好適な培地で培養すれば、L−グルタミン酸が培地に蓄積する。
さらに、フルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増幅され、かつL−リジン及びL−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌を培地で培養すれば、L−リジン及びL−グルタミン酸が培地に蓄積する。L−リジンとL−グルタミン酸を同時に醗酵生産する場合には、L−リジン生産菌をL−グルタミン酸の生産条件下で培養してもよいし、あるいはL−リジン生産能を有するコリネ型細菌とL−グルタミン酸生産能を有するコリネ型細菌を混合培養してもよい(特開平5−3793号公報)。
本発明の微生物を用いてL−リジン又はL−グルタミン酸等のL−アミノ酸を製造するのに用いる培地は、炭素源、窒素源、無機イオン及び必要に応じその他の有機微量栄養素を含有する通常の培地である。炭素源としては、グルコース、ラクトース、ガラクトース、フルクトース、シュクロース、廃糖蜜、澱粉加水分解物などの炭水化物、エタノールやイノシトールなどのアルコール類、酢酸、フマール酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸類を用いることができる。本発明においては、これらの中ではフルクトースが特に好適である。通常、コリネ型細菌を用いた発酵法によるL−アミノ酸の生産においては、培地の炭素源としてフルクトースを用いると収率が低下する傾向にあるが、本発明に用いる微生物は、フルクトースを炭素源とする培地でL−アミノ酸を効率よく産生する。この効果は、特にL−リジン生産において顕著である。
窒素源としては、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機又は有機アンモニウム塩、アンモニア、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、酵母エキス、コーン・スティーブ・リカー、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水等を用いることができる。
無機イオンとしては、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、鉄イオン、マンガンイオン等が少量添加される。有機微量栄養素としては、ビタミンBなどの要求物質または酵母エキス等を必要に応じ適量含有させることが望ましい。
培養は、振とう培養、通気撹拌培養等による好気的条件下で16〜72時間実施するのがよく、培養温度は30℃〜45℃に、培養中pHは5〜9に制御する。尚、pH調整には無機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、更にアンモニアガス等を使用することができる。
発酵液からのL−アミノ酸の採取は、通常のL−アミノ酸の製造法と同様にして行うことができる。例えば、L−リジンの採取は、通常イオン交換樹脂法、沈澱法その他の公知の方法を組み合わせることにより実施できる。また、L−グルタミン酸を採取する方法も常法によって行えばよく、例えばイオン交換樹脂法、晶析法等によることができる。具体的には、L−グルタミン酸を陰イオン交換樹脂により吸着、分離させるか、または中和晶析させればよい。L−リジン及びL−グルタミン酸の両方を製造する場合、これらを混合物として用いる場合には、これらのアミノ酸を相互に分離することは不要である。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例1 fruA遺伝子導入コリネ型細菌の構築
<1>エシェリヒア・コリJM109株のfruA遺伝子のクローニング
エシェリヒア・コリのfruA遺伝子の塩基配列は既に明らかにされている(Genbank/EMBL/DDBJ accetion No.M23196)。報告されている塩基配列に基づいて配列表配列番号1及び2に示すプライマーを合成し、エシェリヒア・コリJM109株の染色体DNAを鋳型にしてPCR法によりフルクトースホスホトランスフェラーゼ遺伝子を増幅した。
合成したプライマーの内、配列番号1は、Genbank/EMBL/DDBJ accetion No.M23196に記載されているfruA遺伝子の塩基配列の1番目から24番目の塩基に至る配列に相当し、配列番号2は、2000番目から1977番目の塩基に至る配列に相当する。
エシェリヒア・コリJM109株の染色体DNAの調製は常法によった(生物工学実験書、日本生物工学会編、97〜98頁、培風館、1992年)。また、PCR反応は、PCR法最前線(関谷剛男ほか編、共立出版社、1989年)185頁に記載されている標準反応条件を用いた。
生成したPCR産物を常法により精製後、SmaIで切断したプラスミドpHC4と、ライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結した後、エシェリヒア・コリJM109のコンピテントセル(宝酒造社製)を用いて形質転換を行い、クロラムフェニコール30μg/mlを含むL培地(バクトトリプトン10g/L、バクトイーストエキストラクト 5g/L、NaCl 5g/L、寒天15g/L、pH7.2)に塗布し、一晩培養後、出現した白色のコロニーを釣り上げ、単コロニー分離し、形質転換株を得た。取得した形質転換体よりプラスミドを抽出し、ベクターにfruA遺伝子が結合したプラスミドpHC4fruを得た。
pHC4を保持するエシェリヒア・コリは、プライベートナンバーAJ12617と命名され、1991年4月24日に、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(郵便番号305−8566 日本国茨城県つくば市東一丁目1番3号)に受託番号FERM P−12215として寄託され、1991年8月26日に、ブタペスト条約に基く国際寄託に移管され、受託番号FERM BP−3532が付与されている。
次に、クローニングされたDNA断片がフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質をコードしていることを確認するため、JM109株及び、pHC4fruを保持するJM109株のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性をMori,M.& Shiio,I.,Agric.Biol.Chem.,51,129−138(1987)に記載の方法により測定した。その結果、pHC4fruを保持するJM109株は、pHC4fruを保持しないJM109株の約11倍のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性を示すことから、fruA遺伝子が発現していることを確認した。
<2>コリネ型細菌のL−グルタミン酸生産株へのpHC4fruの導入とL−グルタミン酸生産
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ13029を電気パルス法(特開平2−207791号公報参照)によりプラスミドpHC4fruで形質転換し、得られた形質転換株を得た。得られた形質転換株AJ13029/pHC4fruを用いてL−グルタミン酸生産のための培養を以下のように行った。5μg/mlのクロラムフェニコールを含むCM2Bプレート培地にて培養して得たAJ13029/pHC4fru株の菌体を、5μg/mlのクロラムフェニコールを含む下記組成を有するL−グルタミン酸生産培地に接種し、31.5℃にて振とう培養し、培地中の糖が消費されるまで振とう培養した。得られた培養物を、同じ組成の培地に5%量接種し、37℃にて培地中の糖が消費されるまで振とう培養した。コントロールとしてコリネバクテリウム属細菌AJ13029株に、既に取得されているコリネバクテリウム属細菌で自律複製可能なプラスミドpHC4を電気パルス法により形質転換した菌株を上記と同様にして培養した。
〔L−グルタミン酸生産培地〕
下記成分(1L中)を溶解し、KOHでpH8.0に調製し、115℃で15分殺菌する。
フルクトース 150g
KHPO 2g
MgSO・7HO 1.5g
FeSO・7HO 15mg
MnSO・4HO 15mg
大豆蛋白加水分解液 50ml
ビオチン 2mg
サイアミン塩酸塩 3mg
培養終了後、培養液中のL−グルタミン酸蓄積量を旭化成工業社製バイオテックアナライザーAS−210により測定した。このときの結果を表1に示した。
Figure 0004306169
<3>コリネ型細菌のL−リジン生産株へのpHC4fruの導入とL−リジン生産
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ11082を電気パルス法(特開平2−207791号公報参照)によりプラスミドpHC4fruで形質転換し、得られた形質転換株を得た。得られた形質転換株AJ11082/pHC4fruを用いてL−リジン生産のための培養を以下のように行った。5μg/mlのクロラムフェニコールを含むCM2Bプレート培地にて培養して得たAJ11082/pHC4fru株の菌体を、5μg/mlのクロラムフェニコールを含む下記組成のL−リジン生産培地に接種し、31.5℃にて培地中の糖が消費されるまで振とう培養した。コントロールとしてコリネバクテリウム属細菌AJ11082株に、既に取得されているコリネバクテリウム属細菌で自律複製可能なプラスミドpHC4を電気パルス法により形質転換した菌株を上記と同様にして培養した。
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ11082は、1981年1月31日にアグリカルチュラル・リサーチ・サービス・カルチャー・コレクション(Agricultural Research Service Culture Collection)(アメリカ合衆国 イリノイ州 661604 ピオリア ノースユニバーシティ通り1815(1815 N.University Street,Peoria,Illinois 61604 U.S.A.))に国際寄託され、受託番号NRRL B−11470が付与されている。
〔L−リジン生産培地〕
炭酸カルシウム以外の下記成分(1L中)を溶解し、KOHでpH8.0に調製し、115℃で15分殺菌した後、別に乾熱殺菌した炭酸カルシウムを50g加える。
フルクトース 100g
(NHSO 55g
KHPO 1g
MgSO・7HO 1g
ビオチン 500μg
チアミン 2000μg
FeSO・7HO 0.01g
MnSO・7HO 0.01g
ニコチンアミド 5mg
蛋白質加水分解物(豆濃) 30ml
炭酸カルシウム 50g
培養終了後、培養液中のL−リジン蓄積量を旭化成工業社製バイオテックアナライザーAS−210により測定した。このときの結果を表2に示した。
Figure 0004306169
<4>コリネ型細菌のL−リジン及びL−グルタミン酸生産株へのpHC4fruの導入とL−リジン及びL−グルタミン酸同時生産
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムAJ12993を電気パルス法(特開平2−207791号公報参照)によりプラスミドpHC4fruで形質転換し、得られた形質転換株を得た。得られた形質転換株AJ12993/pHC4fruを用いてL−リジン及びL−グルタミン酸生産のための培養を以下のように行った。5μg/mlのクロラムフェニコールを含むCM2Bプレート培地にて培養して得たAJ12993/pHC4fru株の菌体を、5μg/mlのクロラムフェニコールを含む前記L−リジン生産培地に接種して31.5℃にて培養した。培養を開始してから12時間後に培養温度を34℃にシフトし、培地中の糖が消費されるまで振とう培養した。コントロールとしてコリネバクテリウム属細菌AJ12993株に、既に取得されているコリネバクテリウム属細菌で自律複製可能なプラスミドpHC4を電気パルス法により形質転換した菌株を上記と同様にして培養した。
培養終了後、培養液中のL−リジン及びL−グルタミン酸蓄積量を旭化成工業社製バイオテックアナライザーAS−210により測定した。このときの結果を表3に示した。
Figure 0004306169
実施例2 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムのfruA遺伝子の単離
<1>ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869のfruA遺伝子の部分断片取得
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、キサントモナス・コンペストリス(Xanthomonas compestris)のFruA間でアミノ酸配列の相同性の高い領域を選択し、その領域のアミノ酸配列から塩基配列を推定し、配列番号3および配列番号4に示すオリゴヌクレオチドを合成した。一方、Bacterial Genome DNA Purification Kit(Advanced Genetic Technologies Corp.)を用いて、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869の染色体DNAを調製した。この染色体DNAを0.5μg、前記オリゴヌクレオチドをそれぞれ20pmol、dNTP mixture(dATP,dGTP,dCTP,dTTP、各2.5mM)4μl、10×ExTaq Buffer(宝酒造社製)5μl、ExTaq(宝酒造)1Uに滅菌水を加えて全量50μlのPCR反応液を調製した。この反応液をサーマルサイクラーTP240(宝酒造社製)を用いて、変性98℃ 10秒、会合45℃ 30秒、伸長反応72℃ 90秒の条件で25サイクルのPCRを行ない、PCR産物をアガロースゲル電気泳動したところ、反応液に約1.2kbのバンドが含まれることが判明した。
前記反応物をOriginal TA Cloning Kit(Invitrogen)を用いてpCR2.1(Invitrogen)に連結した。連結した後、エシェリヒア・コリJM109のコンピテントセル(宝酒造社製)を用いて形質転換を行い、IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)10μg/ml、X−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド)40μg/ml及びカナマイシン25μg/mlを含むL培地(バクトトリプトン10g/L、バクトイーストエキストラクト5g/L、NaCl 5g/L、寒天15g/L、pH7.2)に塗布し、一晩培養後、出現した白色のコロニーを釣り上げ、単コロニー分離し、形質転換株を得た。
形質転換株からアルカリ法(生物工学実験書、日本生物工学会編、105頁、培風館、1992年)を用いてプラスミドを調製し、配列番号5、配列番号6に示すオリゴヌクレオチドを用いて、挿入断片の両端の塩基配列をSangerの方法(J.Mol.Biol.,143,161(1980))で決定した。具体的には、塩基配列の決定にはBig dye terminator sequencing kit(Applied Biosystems)を用いてGenetic Analyzer ABI310(Applied Biosystems)で解析した。決定された塩基配列をアミノ酸に翻訳し、バチルス・サブチリス、エシェリヒア・コリ、マイコプラズマ・ゲニタリウム、キサントモナス・コンペストリスのfruA遺伝子から予測されるアミノ酸配列を比較したところ、高い相同性を示したことから、クローニングされた断片はブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム由来のfruA遺伝子であると判断した。
<2>ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869のfruA遺伝子の全塩基配列決定
上記<1>で調製したプラスミドに含まれる断片はfruA遺伝子の部分断片であり、さらにfruA遺伝子全長の塩基配列を決定する必要がある。既知の領域に隣接する未知の塩基配列を決定する方法として、inverse PCR(Genetics,120,621−623(1988))法や、LA−PCR in vitro cloning kit(宝酒造社製)を用いる方法などがあるが、ここではLA−PCR in vitro cloning kitにより未知配列の決定を行なった。具体的には<1>で決定した塩基配列をもとに配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10に示すオリゴヌクレオチドを合成し、LA−PCR in vitro cloning kitのプロトコールに従い行った。
fruA遺伝子部分断片の3’未知領域に関しては、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869の染色体DNAをHindIII処理後、Kit内のHindIII Adapterとライゲーション後、一次PCRとして配列番号7、配列番号11によるPCRを、二次PCRとして配列番号8、配列番号12によるPCRを行った。このPCR産物をアガロースゲル電気泳動したところ、約700bpのバンドが認められた。このバンドをSuprec ver.2(宝酒造社製)を用いて精製し、配列番号8、配列番号12のオリゴヌクレオチドを用いて、<1>記載の方法と同様にして700bpのPCR産物に含まれるfruA遺伝子の塩基配列を決定した。
fruA遺伝子部分断片の5’未知領域に関してはブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869の染色体DNAをBamHI処理後、Kit内のSau3AI Adapterとライゲーション後、一次PCRとして配列番号9、配列番号11によるPCRを、二次PCRとして配列10、配列12によるPCRを行った。このPCR産物をアガロースゲル電気泳動したところ、約1500bpのバンドが認められた。このバンドをSuprec ver.2(宝酒造社製)を用いて精製し、配列番号10、配列番号12のオリゴヌクレオチドを用いて、<1>記載の方法と同様にして1500bpのPCR産物に含まれるfruA遺伝子の塩基配列を決定した。
こうして決定された塩基配列のうち、fruA遺伝子を含む約3380bpのfruA遺伝子を含む塩基配列を配列表配列番号13に示す。この塩基配列から推定されるオープン・リーディング・フレームをアミノ酸配列に翻訳した配列を配列番号14に示した。すなわち、配列表配列番号14に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質がブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869のFruAである。なお、たんぱく質N末端側にあるメチオニン残基は開始コドンであるATGに由来するため、たんぱく質本来の機能とは無関係であることが多く、翻訳後ペプチダーゼの働きにより除去されることがよく知られており、上記たんぱく質の場合にもメチオニン残基の除去が生じている可能性がある。
塩基配列、アミノ酸配列おのおのについて既知の配列との相同性比較を行なった。用いたデータベースはGeneBankおよびSWISS−PROTである。その結果、配列表配列番号13に示されるDNAは、既に報告されているfruAと相同性を持つ、コリネバクテリウム属細菌では新規な遺伝子であることが判明した。
配列番号13に示されるDNAは、バチルス・ズブチリス、エシェリヒア・コリ、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycobacterium genetilium)、及びキサントモナス・コンペトリウス(Xanthomonas compestris)のfruAと、アミノ酸レベルで各々42.1%、51.0%、37.4%、及び45.5%の相同性を示した。尚、塩基配列及びアミノ酸配列は、Genetyx−Mac computer program(ソフトウェア開発、東京)により解析した。相同性解析は、LipmanとPeason(Science,227,1435−1441,1985)の方法にしたがって行った。
産業上の利用の可能性
本発明により、コリネ型細菌のL−リジン又はL−グルタミン酸等のL−アミノ酸の生産能を向上させることができる。また、本発明により、新規なブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム由来のフルクトースホスホトランスフェラーゼ遺伝子が提供される。同遺伝子は、本発明によるL−アミノ酸の製造に適したコリネ型細菌等の育種に好適に用いることができる。
【配列表】
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Claims (6)

  1. エシェリヒア属細菌由来又はコリネ型細菌由来のフルクトースホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子のコピー数を高めること、又は該遺伝子の発現調節配列を置換することによって、細胞中のフルクトースホスホトランスフェラーゼ活性が増強され、かつL−アミノ酸生産能を有するコリネ型細菌。
  2. 前記L−アミノ酸が、L−リジン、L−グルタミン酸、L−スレオニン、L−イソロイシン、L−セリンから選ばれる請求項1記載のコリネ型細菌。
  3. 前記L−アミノ酸生産能を有するコリネ型細菌が、コリネバクテリウム・グルタミクム又はブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムである、請求項1又は2記載のコリネ型細菌。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のコリネ型細菌を培地に培養し、該培養物中にL−アミノ酸を生成蓄積せしめ、該培養物からL−アミノ酸を採取することを特徴とするL−アミノ酸の製造法。
  5. 前記L−アミノ酸が、L−リジン、L−グルタミン酸、L−スレオニン、L−イソロイシン、L−セリンから選ばれる請求項記載の方法。
  6. 前記培地は炭素源としてフルクトースを含むことを特徴とする請求項又は記載の方法。
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