JP4304873B2 - 換気システム、換気システムの制御方法及び建物 - Google Patents

換気システム、換気システムの制御方法及び建物 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は建物内部の換気システム、その換気システムの制御方法及びその換気システムを用いた建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物内部の換気システムとしては特開平9−4890号公報に記載されたものがある。ここでは、高気密住宅の複数の部屋を換気する多室換気システムとして、建物内の複数の部屋を空気の汚れにくい居室や寝室などのクリーンゾーンと、空気の汚れ易い台所やトイレや浴室などのダーティゾーンとに大別し、クリーンゾーンの各部屋には給気を強制的に行なう給気用換気扇を、ダーティゾーンの各部屋には排気を強制的に行なう風量可変の排気用換気扇を設けている。
【0003】
これにより、例えばダーティゾーンにおける台所の排気用換気扇が運転した時にはクリーンゾーンの給気用換気扇を停止させ、台所以外の特定の排気用換気扇を一定風量とし、これと連動して他の排気用換気扇も一定量となるよう制御していた。従って、一つの部屋における排気風量の制御により、住宅全体を一定風量でクリーンゾーンからダーティゾーンへ向って空気を流して、住宅全体を常時換気していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように排気用換気扇の風量だけを制御する方法では浴室、洗面所の排気風量を増大した場合に、住宅全体の排気風量の総量が給気風量の総量を上回って室内圧力が低下して排気風量が設定より減じて計画的な換気ができなかったり、隙間風が増大して、コールドドラフトによる肌寒さ感や部分的な室内結露が生じたりする点が問題であった。
【0005】
この発明は前述のような問題点を解消するためになされたもので、建物内部全体の給排気バランスを乱すことなく調和した換気を実現する簡易な換気システム、この換気システムの制御方法及びこの換気システムを備えた建物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る換気システムは、空気を換気する換気手段と、
換気手段の風量を設定する給排気量設定手段とを有する複数のエリア制御手段と、
複数のエリア制御手段と制御情報を送受信し、全エリアの給気量の総和と排気量の総和とを算出し排気量の総和と給気量の総和との差が一定範囲外であれば、給排気量設定手段で風量を設定されたエリアを除くエリアの給気量及び排気量の少なくとも一つを変更するシステム制御手段とを有し、
システム制御手段は、エリア制御手段に対応づけた優先度を有し、給気量の総和と排気量の総和との差が一定範囲に納めるように給気量または排気量を変更する指令をするエリア制御手段を優先度に基づき選択する。
【0007】
この発明に係る換気システムの制御方法は、空気を換気する換気手段と
換気手段の風量を設定する給排気量設定手段とを有する複数のエリア制御手段と、複数のエリア制御手段と制御情報を送受信するシステム制御手段とを有する換気システムの制御方法であって、
複数のエリア毎の給気量と排気量とを把握し、建物全体での総給気量と総排気量とを算出するステップと、
その差が一定範囲になければ、その差が一定範囲に納まるように指令するエリア制御手段をエリア制御手段に対応した優先度の順位に基き選択するステップと、
選択したエリア制御手段に対して給気量の総和と排気量の総和との差が一定範囲に納まるように給気量または排気量を変更する指令をするステップとを有する
【0008】
建物内部にこの発明の換気システムを有する。
【0009】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における高気密住宅の概略断面図、図2は実施の形態1における高気密住宅の一階部分の平面図、図3は実施の形態1における高気密住宅の二階部分の平面図である。
【0010】
図1〜図3に示すこの高気密住宅の二階は、子供部屋1と書斎2と寝室3とトイレ4aとを有し、これらの部屋は廊下10を介して空間的に連結されている。一階は、トイレ4bと浴室5と洗面所6とLDK(空間としてはリビング7と台所8とに区別する。)と和室9とを有し、これらの部屋は廊下10を介して空間的に連結されている。また、一階と二階とは階段11によって空間的に連結され、一階、二階の各部屋の壁は少なくとも一つが屋外に面している。
これら全ての換気対象となる部屋や廊下等をエリアと称する。
【0011】
このような各部屋を日常の生活活動における空気の汚染されやすさによって二種類に大別し、汚染されやすいトイレ4a、4bと浴室5と洗面所6とリビング7と台所8の各エリアはダーティゾーンと称し、汚染されにくい子供部屋1と書斎2と寝室3と和室9の各エリアはクリーンゾーンと称する。
【0012】
また、子供部屋1、書斎2、寝室3、洗面所6、リビング7、台所8、和室9は、部屋内の空気を換気するための換気手段12として、それぞれ外気を給気する給気手段13と室内空気を排気する排気手段14とを備えている。
一方、トイレ4a、4bと浴室5はその部屋の空気が建物内部の他の部屋へ漏れ出すと衛生上好ましくないので、換気手段12は排気手段14のみを備えている。
【0013】
さらに、廊下10、階段11といった共用部にも換気手段として給気手段13及び排気手段14を各階毎に備えられ、各部屋は廊下10、階段11又は隣室に通ずる個々の出入口のドア又はこれに類する部分に通気開口部がそれぞれ設けられ、通気開口部と廊下10及び階段11により全ての部屋は相互に空間的に連結している。
即ち、この建物の全てのエリアは給気手段13及び排気手段14の少なくとも一方により構成される換気手段12によって換気が可能となっており、これ以外の箇所からの住居に対する給排気は実質的には無いものとなっている。
なお、給気手段13や排気手段14の具体例としては換気扇がある。
【0014】
次に、このような構成の建物の各部屋に配置された給気手段13と排気手段14とを制御する制御手段の構成について説明する。
図4はこの実施の形態における換気システムのブロック構成図である。図中、換気システムは、主に各エリア毎に設けられた複数のエリア制御手段15と、エリア制御手段15からの情報に基いて運転状態を集中管理するシステム制御手段16とから構成されている。また、エリア制御手段15は、エリアの使用者がそのエリア内の換気手段12の風量を任意に設定できる給排気量設定手段17と、給排気量設定手段17を通して入力された情報をシステム制御手段16に送信し、システム制御手段16から給排気風量の制御情報を受信し給気手段13と排気手段14とを制御する換気制御手段18とを有している。
【0015】
図5はシステム制御手段16とエリア制御手段15との間での送受信を示すブロック構成図である。図中、システム制御手段16と各エリア制御手段17とは制御情報を伝達する伝達手段である通信線で結ばれ、この通信線を介してエリア制御手段15から制御情報として運転要求がシステム制御手段16に送られ、システム制御手段16から制御情報として運転指示がエリア制御手段15へ送られる。
【0016】
なお、図4中の各部屋は給気手段13と排気手段14とを両方とも有している構成だが、前述したように部屋によってはいずれか一方のみを備えるものもある。また、図5で説明した通信線が無線であっても構わない。
【0017】
このような換気システムを有する建物は、はじめ各部屋は少風量の必要換気量が確保されるように運転されて定常状態を保っている。しかし、喫煙や多人数集会などのため、もともとクリーンゾーンと設定されているエリアであっても、空気が汚染されることがあり、エリアの使用者がそのエリア(例えば子供部屋1)の運転状態を給気から排気に切り換えることがある。このような場合の換気システムでの動作について図6のフローチャートを用いて説明する。
【0018】
各エリア毎の給排気量設定手段17の設定が変更されると換気制御手段18からシステム制御手段16に通知される。システム制御手段16は全てのエリア制御手段15での風量設定について把握し(Step(以下、S)1)、各エリアでの設定から建物全体での総給気要求量(ΣNin)と総排気要求量(ΣNex)とを求める(S2)。次に、この総排気要求量(ΣNex)と総給気要求量(ΣNin)との差が予め設定された範囲内(ΔmaxとΔminの間)であるか否かを判定する(S3)。S3で、範囲内であると判定されれば処理は終了するが、範囲外であると判定されれば、範囲内に納まるように変更したエリア以外の全てのエリアの換気制御手段18に給気手段13、排気手段14を調整するための、運転指令を送り(S4)、処理を終了する。
【0019】
次に、各エリアでの給排気運転状態が図7に記載された状態であった場合の制御について具体的に説明する。
図7は各部屋毎の換気状態を給気運転と排気運転とに分け、各換気扇による風量をレベルで表示している。図中、給気運転による総風量が4で、排気運転による総風量が4であり釣り合っている状態を定常換気状態とする。
【0020】
今、子供部屋1の空気が汚れたため給排気量設定手段17から給気運転の停止、排気運転の開始指示が入力された場合、この部屋は給気運転による風量レベルが1であった状態から排気運転による風量レベルが1となる。従ってシステム制御手段16は給気運転による総風量が3で、排気運転による総風量が5であると計算する。ここまでが前述した図6のフローチャート内の処理S1及びS2に相当する。
【0021】
次に、総排気量と総給気量との差を求め(この場合は5−3=2となる。)、予め設定された範囲との比較を行う。例えば予め室内が負圧寄りとなるよう下限Δminが0、上限Δmaxが1と設定されていたならば、総給気量を増やす必要がある。ここでは給気手段13を備える子供部屋1以外の全エリアの風量を予め決められた方法に従って調整する。この実施の形態では、この給気量の差を該当するエリア数で割ることで一エリアあたりの給気量の増加値を決めるため、該当する全ての部屋の給気量を0.25増加させることになる。これにより、総排気量と総給気量との差は0となり予め設定された範囲に納まる。ここまでが前述した図6のフローチャート内の処理S3及びS4に相当する。
【0022】
このようにすることで排気過多状態が解消され、建物全体として適切なバランスを保った換気が維持されるようになる。
【0023】
なお、この実施の形態では給気量の増加分を全てのエリアで一律に同じ値としているが、エリア毎に異なる給気量の増加分を設定してもよい。
【0024】
また、このように全エリアの換気量を調整することで建物全体の換気バランスを制御するので部分的に風量が多くなることを防止できる。さらに、複数のエリアで風量変更をして変化量が大きくなった場合でも、給排気手段の数が多いため十分調整可能である。
【0025】
さらに、総排気量と総給気量との差によって調整するため、複数の部屋で運転変更した場合や給気量を増やした場合や給排気量の両方を変化させた場合であっても、全体の換気量を調整することで給排気バランスを保つことができる。
【0026】
実施の形態2.
図8は実施の形態2における換気システムの制御手段のブロック構成図であり、図4の換気システムにおいて総給排気量の調整を自動に行えるようにしたものである。
なお、建物の構成や換気手段12の配置は実施の形態1で用いた図1〜図3と同様であるため説明を省略する。
【0027】
換気から総給排気量の調整までを自動化するためには、各部屋の空気の状況を検知する必要がある。そのため、給気用換気扇12及び排気用換気扇13とともに空気の状況を検知するための手段を設けなければならない。図8はこのための検知手段を設けた場合の換気システム制御手段のブロック構成を示しており、図中、19がその検知手段である。
【0028】
なお、検知手段としてどのようなものを用いるかは空気中のどの成分を検知するかによって変わってくる。例えば、体に影響を及ぼす二酸化炭素や一酸化炭素ガスを検知することを目的とすれば二酸化炭素や一酸化炭素濃度を検知するセンサが必要となり、煙草の煙や料理により生じる煙を検知するセンサであれば煙検知センサが必要となる。さらに、部屋内に人が密集することにより室温が上昇した場合や台所で調理することで室温が上昇した場合などであれば温度を検知するセンサが必要となる。この実施の形態では検知手段19を温度センサとする
【0029】
図中、給気手段13及び排気手段14とともに室内に設置された検知手段19から検知した値を信号に変え、エリア制御手段15からシステム制御手段16へ送っている。
図9は、この検知手段19を使用した制御方法である。まず、検知手段19で検知した現在の部屋の空気状態(成分濃度や温度)を示す値を読み込む(S11)。次に、各部屋毎に空気状態の基準となる値を設定したテーブルの数値と比較する(S12)。この結果、現在の空気状態が設定値を超えていればその部屋の排気運転を行い(S13)、超えていなければ排気運転は行わないで処理を終了する。
【0030】
この図9の制御で現在の空気状態が設定値を超えていて排気運転されれば、建物全体での総給気量と総排気量との関係が変化するので、これを定常状態にするように実施の形態1での図6の制御を行う。
【0031】
なお、予め基準として設定する値は、検知した値と数学的な関係を持たせて、使用者が認識しやすいような単位で設定してもよい。この場合は、制御手段内で検知した値を基準となる値と同じ単位に変換して比較するか、逆に基準となる値を検知した値と同じ単位に変換して比較すればよい。
【0032】
図10は、前述の基準となる値を「クリーン度」として、予め設定された各部屋のクリーン度を記憶したテーブルと、現在のその部屋のクリーン度とを具体的な例(子供部屋1)を用いて比較をしている。図中、予め設定されたクリーン度の基準値及び現在のクリーン度はレベル表示としている。いま、子供部屋1のクリーン度が悪化して、設定値を超えたため子供部屋1の排気手段14を予め設定してある排気風量で運転させる。
【0033】
これにより、総給気量(ΣNin)と総排気量(ΣNex)とが変化するため、図6の運転制御フローチャートに従い建物全体の給排気量の調整を行う。
【0034】
なお、前述のテーブルはエリア制御手段15及びシステム制御手段16のどちらに記憶させてもよく、あるいは、設定はシステム制御手段16で行い、これをもとに比較はエリア制御手段15で行うようにしてもよい。
【0035】
実施の形態3.
図11は実施の形態3における換気システムの制御手段のブロック構成図、図12は実施の形態3における給排気調整のための管理図である。
なお、建物の構成や換気手段12の配置は実施の形態1で用いた図1〜図3と同様であるため説明を省略する。
【0036】
実施の形態1では一部のエリアで運転状態が変わったときに全てのエリアの風量を一度に調整していたが、部屋によってはあまり風量を変化させたくない部屋もあり得る。また、建物の増改築により内部の部屋の構成が変わる場合もある。そのため、この実施の形態では部屋の状況や建物内部の構成によって、建物全体の風量調整時に、エリア毎に調整に寄与する割合を設定可能な換気システムとその制御方法について説明する。
なお、以下、全体調整時に他の部屋よりも先に給気させるエリアを「優先度が高いエリア」と称する。
【0037】
図11中、20は建物内の換気手段の数を入力するシステム構成入力手段、21は各エリアについて調整時の給排気運転の優先度を入力するための優先度入力手段である。
【0038】
この制御手段を用いて、前述したようにクリーンゾーンに分類される部屋とダーティゾーンに分類される部屋とで異なる優先度を設ける。その上で、書斎2等はクリーンゾーンに位置する部屋であり給気を優先する制御、トイレ4等はダーティゾーンに位置する部屋であり排気を優先する制御を行う。
また、この実施の形態ではクリーンゾーンの中でも子供部屋1や寝室3は最もクリーンな状態に維持する必要があるので給気を優先する制御の中でも最も優先度の高い部屋と設定する。
【0039】
実際に優先度の設定とその設定された優先度に基き、給排気運転を変更する制御について図12と図13を基に説明する。
なお、説明を具体的にするため、ここではリビング7の排気手段の風量が運転変更されたとする。
【0040】
この実施の形態のシステム制御手段16は、各部屋毎の給排気量設定手段17の設定が変更されるとエリア制御手段15を介して現在の運転状況を把握する(S21)。次に、全てのエリアの運転要求から住宅全体での総給気要求量(ΣNin)と総排気要求量(ΣNex)とを求める(S22)。この総排気要求量(ΣNex)と総給気要求量(ΣNin)との差が予め設定された範囲内(ΔmaxとΔminの間)であるか否かを判定する(S23)。これにより、範囲内であればYESとなり処理は終了するが、範囲外(ここではリビング7での排気運転による排気過多)であれば、各エリアについて対象となる優先度が存在するか否かを判定する(S24)。対象となる優先度が存在していれば、対象となる優先度を含むエリアの中から最も高い優先度が設定されたエリアのエリア制御手段を選択し、給気量を増加させる(S25)。増加給気量は給気手段13の能力に合わせて定められている。
【0041】
このように風量調整を行った後、総給排気量のバランスが釣り合わないため再度調整するときに、一旦調整されたエリアの風量を再度変更すると一部の優先度の高いエリアばかり風量が増加してしまうため、S25で選択されたエリアの優先度は、再度の選択時に対象外とするよう指令する(S26)。
【0042】
ここまでの処理を行うと、再度S22の処理に戻り、総給排気量のバランスをチェックする。これによって、まだ設定範囲内におさまらないと判定されれば再度S24〜S26の処理をする。この時、前述したように一回目の処理で調整したエリアの優先度を対象外としているため、二回目の処理では優先度が一段低いエリアを対象とする。このようにして全ての優先度が設定されている部屋について風量を調整するまで処理が繰り返される。
【0043】
しかし、運転変更したエリアの排気手段の能力が格段に大きかったり、複数の部屋で同時に運転変更した場合など、全てのエリアについて優先度に従って風量の調整をしたにもかかわらず、S23での総給排気量のバランスが設定範囲内に納まらない場合もあり得る。その結果、総給排気量のバランスが釣り合わないにもかかわらず全てのエリアが優先度対象外となり、調整不可能となってしまう。
【0044】
そのような事態を避けるために、局所的に運転変更されたエリア(ここではリビング7だけでの排気運転だが、以下は複数のエリアで運転変更されている場合も想定した処理である。)を運転制御対象とするように切り換える(S27)。
【0045】
次に、新たに運転変更対象となったエリアついて対象となる優先度が存在するか判定する(S28)。存在すると判定されれば、これらエリアの中で最も優先度の高い設定がされたエリア制御手段を選択し予め定められた風量分だけ排気運転を減少させる(S29)。次いで、S29で選択されたエリアの優先度を対象外とし(S30)、S22で総給排気バランスをチェックする。
【0046】
このように、給気手段の容量が間に合わない場合は、排気運転に変更した部屋の排気風量を強制的に減少させ、バランスが釣り合うようにする。
なお、運転変更したエリアに制御対象を変更した後に風量調整処理を繰り返しても、全ての対象となるエリアの排気風量を変更したにもかかわらず(S28で対象となる優先度が存在しない状態)バランスが釣り合わないときは、再度運転変更した全エリアの優先度を対象とし(S31)、処理を繰り返すことで総給排気バランスが設定された範囲内に納まるようにする。
【0047】
図13は、このような制御についてテーブルを用いて具体的に説明している。図中、定常換気状態からリビング7が給気運転1から排気運転3となったため、総給気量は3、総排気量は7と変化している。そのため、まず、図12のS25の処理で、最も優先度の高い子供部屋1と寝室3の給気量が風量増加の上限である0.5だけ増加する。この状態で総給気量は4、総排気量は7であり、まだ総給排気バランスは予め設定された値(Δmax=1≧ΣNex−ΣNin≧Δmin=0)となっていない。そのため、再度S25の処理で次に優先度の高い書斎2、和室9、廊下10、階段11の給気量を風量増加の上限である0.5だけ増加させる。これにより総給気量、総排気量ともに7となり設定範囲に納まるため処理が終了する。
【0048】
このような換気システムにより、部屋毎の環境設定を崩すことなく、建物内全体の総給排気量のバランスを釣り合わせることができる。
【0049】
なお、この実施の形態では優先度を部屋の空気清浄度に合わせて設定しているが、これに限るものではない。例えば、予め運転変更された部屋が発生したら、その隣室の優先度を高くするように設定するアルゴリズムを作成し、これに従って設定してもよい。このようにすることで運転変更による局所的な気流の変化の影響を最小限に抑えることが可能である。
また、実施の形態2と組み合わせることで、空気の汚れを検知して自動的に換気し、これに基き建物全体の換気バランスを保つ制御をすることも可能である。
【0050】
さらに、エリア毎に使用される給気手段13の容量は異なるのが当然であり、そのような場合や給気手段13の容量の限界以前であっても、給気が強すぎて住人に不快感を与えるような場合などは、個々のエリア毎の給気手段13に対して任意の上限を設定してもよい。
【発明の効果】
空気を換気する換気手段と、
換気手段の風量を設定する給排気量設定手段とを有する複数のエリア制御手段と、
複数のエリア制御手段と制御情報を送受信し、全エリアの給気量の総和と排気量の総和とを算出し排気量の総和と給気量の総和との差が一定範囲外であれば、給排気量設定手段で風量を設定されたエリアを除くエリアの給気量及び排気量の少なくとも一つを変更するシステム制御手段とを有し、
システム制御手段は、エリア制御手段に対応づけた優先度を有し、給気量の総和と排気量の総和との差が一定範囲に納めるように給気量または排気量を変更する指令をするエリア制御手段を優先度に基づき選択するので、
個々の部屋の局所的な急速換気の要求に対して、全体の給排気バランスを乱すことなく簡易に換気できる。
また、できるだけ給気優先の換気をしたい部屋や排気優先の換気をしたい部屋とを分けて設定できる。
【0051】
また、空気を換気する換気手段と
換気手段の風量を設定する給排気量設定手段とを有する複数のエリア制御手段と、複数のエリア制御手段と制御情報を送受信するシステム制御手段とを有する換気システムの制御方法であって、
複数のエリア毎の給気量と排気量とを把握し、建物全体での総給気量と総排気量とを算出するステップと、
その差が一定範囲になければ、その差が一定範囲に納まるように指令するエリア制御手段をエリア制御手段に対応した優先度の順位に基き選択するステップと、
選択したエリア制御手段に対して給気量の総和と排気量の総和との差が一定範囲に納まるように給気量または排気量を変更する指令をするステップとを有するので、
個々の部屋の局所的な急速換気の要求に対して、全体の給排気バランスを乱すことなく簡易に換気できる。
また、できるだけ給気優先の換気をしたい部屋や排気優先の換気をしたい部屋とを分けて設定できる。
【0052】
建物内部にこの発明の換気システムを有するので、
個々の部屋の局所的な急速換気の要求に対して、全体の給排気バランスを乱すことなく換気できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における高気密住宅の概略断面図
【図2】 この発明の実施の形態1における高気密住宅の一階部分の平面図
【図3】 この発明の実施の形態1における高気密住宅の二階部分の平面図
【図4】 この発明の実施の形態1における換気システムの制御手段のブロック構成図
【図5】 この発明の実施の形態1における制御内容の応答を示すブロック構成図
【図6】 この発明の実施の形態1における運転制御のフローチャート
【図7】 この発明の実施の形態1における給排気バランスの管理図
【図8】 この発明の実施の形態2における換気システムの制御手段のブロック構成図
【図9】 この発明の実施の形態2における自動換気の制御フローチャート
【図10】 この発明の実施の形態2における各部屋毎のクリーン度の管理図
【図11】 この発明の実施の形態3における換気システムの制御手段のブロック構成図
【図12】 この発明の実施の形態3における運転制御のフローチャート
【図13】 この発明の実施の形態3における給排気バランスの管理図
【符号の説明】
1 子供部屋、 2 書斎、 3 寝室、 4 トイレ、 5 浴室、 6 洗面所、 7 リビング、 8 台所、 9 和室、 10 廊下、 11 階段、 12 換気手段、 13 給気手段、 14 排気手段、 15 エリア制御手段、 16 システム制御手段、 17 給排気量設定手段、 18 換気制御手段、 19 検出手段、 20 システム構成入力手段、 21 優先度入力手段。

Claims (5)

  1. 空気を換気する換気手段と、
    前記換気手段の給気量及び排気量の少なくとも一方を設定する給排気量設定手段とを有するエリア制御手段が複数あって、
    全ての換気手段について給気量の総和と排気量の総和を算出し、その差が一定範囲にない場合には、
    前記給排気量設定手段により給気量及び排気量の少なくとも一方が変更されたエリア制御手段以外のエリア制御手段の給気量及び排気量の少なくとも一方に前記一定範囲に納めるように指令するシステム制御手段とを有し、
    前記システム制御手段は、
    前記エリア制御手段に対応づけた優先度を有し、
    前記給気量の総和と前記排気量の総和との差が前記一定範囲に納めるように給気量または排気量を変更する指令をする前記エリア制御手段を前記優先度に基づき選択することを特徴とする換気システム。
  2. エリア制御手段の給気量及び排気量には上限値があり、システム制御手段は、優先度の順位に従い前記上限値となるまで給気量及び排気量の少なくとも一方を変更する指令を割付けることを特徴とする請求項記載の換気システム。
  3. 空気を換気する換気手段と
    前記換気手段の風量を設定する給排気量設定手段とを有する複数のエリア制御手段と、前記複数のエリア制御手段と制御情報を送受信するシステム制御手段とを有する換気システムの制御方法において、
    前記複数のエリア毎の給気量と排気量とを把握し、建物全体での総給気量と総排気量とを算出するステップと、
    その差が一定範囲になければ、その差が前記一定範囲に納まるように指令する前記エリア制御手段を前記エリア制御手段に対応した優先度の順位に基き選択するステップと、
    選択した前記エリア制御手段に対して前記給気量の総和と前記排気量の総和との差が前記一定範囲に納まるように給気量または排気量を変更する指令をするステップとを有する換気システムの制御方法。
  4. エリア制御手段の給気量及び排気量には上限値があり、
    給気量または排気量を変更する指令をするステップでは、選択したエリア制御手段の前記上限値となるまで給気量及び排気量の少なくとも一方を変更する指令をすることを特徴とする請求項3に記載の換気システムの制御方法。
  5. 複数のエリアと、
    前記複数のエリアが空間的に連結されている建物において、
    請求項1または2のいずれかに記載の換気システムを有することを特徴とする建物。
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