JP2021162229A - 建物の換気システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で天井裏空間の結露を防止すること。【解決手段】本発明の建物の換気システム(1)は、空調された空気を含む空調空間(2)と、空調空間の天井裏に位置する天井裏空間(3)と、空調空間から天井裏空間内へ空調空気を放出する排気口(4)と、天井裏空間の空気を屋外へ強制排気する強制排気手段(5)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の換気システムに関し、特に、天井裏空間を備えた建物の換気システムに関する。
住宅などの一般的な建物には、第一種換気システムおよび第三種換気システムのいずれかが採用されることが多い。第一種換気システムでは、給気および排気の両方が機械にて行われる。これに対し、第三種換気システムでは、排気のみ機械で行い、屋内側を負圧とすることで、外気を自然給気する。
鉄骨造の建物は、建物外壁に隙間を有している。図5に示すように、外壁110に隙間を有する建物は、第三種換気システムを行うと、給気口117で自然給気が行われ、排気ファンなどの強制排気手段500で機械排気が行われる。この場合、建物内が負圧となり、湿気を含む外気が点線で示すように外壁110を通過して建物外から建物内へ侵入する。このように、建物内が天井111を隔てて空調空間200および天井裏空間300で区画される場合、空調空間200と天井裏空間300との間で温度差が生じると、湿度の高い天井裏空間300において、結露が発生するという課題がある。
この課題を解決するため、たとえば、特許文献1(特開2017−146038号公報)には、天井裏空間における結露の発生を防止するために、天井裏空調機を備える放射空調システムが開示されている。
特開2017−146038号公報
特許文献1の放射空調システムによれば、天井裏空間に天井裏空調機を設けて除湿することで、結露の発生を防止している。しかし、天井裏空間にわざわざ空調機を設ける必要があるため、複雑な構造を有し、コストが高いという課題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、空調空間から天井裏空間内へ空調空気を放出する排気口を備えることで、簡易な構造で低コストとしながらも結露の発生を防止することのできる建物の換気システムを提供することである。
本発明のある局面に従う建物の換気システムは、空調された空気を含む空調空間と、空調空間の天井裏に位置する天井裏空間と、空調空間から天井裏空間内へ空調空気を放出する排気口と、天井裏空間の空気を屋外へ強制排気する強制排気手段とを備える。
好ましくは、空調空間は、居室である第1空調空間と、非居室である第2空調空間とを含み、排気口は第1空調空間の天井に設けられ、強制排気手段は第2空調空間の天井裏に配置される。
好ましくは、強制排気手段は、天井裏空間の空気を取入れる第1空気取入れ口と、第2空調空間の空気を取入れる第2空気取入れ口とを含む。
好ましくは、建物は、複数人それぞれが個別に利用する複数の個別居室領域と、複数人が共用して利用する共用領域とを含む。各個別居室領域は、空調空間と、天井裏空間と、排気口と、強制排気手段とを含み、共用領域は、空調された空気を含む共用空調空間と、共用空調空間の天井裏に位置する共用天井裏空間と、共用空調空間から共用天井裏空間内へ空調空気を放出する共用排気口と、共用天井裏空間の空気を屋外へ強制排気する共用強制排気手段とを含む。
好ましくは、共用空調空間の空気は、対流によって個別居室領域の空調空間へ送られる。
好ましくは、共用天井裏空間は、複数の領域に区画され、各区画された領域に共用排気口および共用強制排気手段が設けられる。
好ましくは、外気に対する建物内の圧力を検知する圧力センサと、外気絶対湿度および室内絶対湿度を検知する温湿度センサと、圧力センサおよび温湿度センサによって検知された情報に基づいて、天井裏空間の湿度が設定した目標値となるように、強制排気手段の強制排気量を制御する、強制排気量制御手段とを備える。
本発明によれば、空調空間から天井裏空間内へ空調空気を放出する換気口を備えることで、簡易な構造で低コストとしながらも結露の発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る換気システムを概略的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る換気システムを概略的に示す断面図であり、(a)は実施の形態1に係る換気システムの断面図であり、(b)は実施の形態2に係る換気システムの断面図である。 本発明の一実施形態に係る換気システムの設置例を概略的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る換気システムの動作を示すフローチャートである。 一般的な換気システムを概略的に示す断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(公知の建物について)
本実施の形態に係る換気システムの概略構成の説明に先立ち、はじめに、図5を参照しながら、一般的な第三種換気システム(自然給気、機械排気)を採用した建物における空気の流れについて、簡単に説明する。
建物は、空調空間200と屋外空間とを仕切る外壁110を備えている。外壁110は、外装面材118と内装面材119とを含み、これらの間には不可避的な空隙が存在する。複数階建ての建物の場合、空隙は各階の床116で区切られている。空調空間200は、居室210と、床116との間に隙間を有する扉部材140を介して居室210と隣接する非居室220とを含む。居室210の天井111には空調機600が配置され、非居室220の天井112には換気ファンなどの強制排気手段500が配置されている。
上記の構成を備えた建物における換気システム100では、一般的に、強制排気手段500を常時作動させ、空調空間200内を負圧にすることで、給気口117から空調空間200内に外気を自然給気している。また、鉄骨造の建物は、外壁110に微細な隙間を有しているため、空調空間200が負圧となると、点線矢印で示すように、屋外空間から空調空間200へ向かって外壁110を通過した湿気が入り込む。湿気は、外壁118,119間の空隙で拡散され、湿気の一部は天井裏空間300へ入り込む。これにより、天井裏空間300には多湿環境が形成される。
ここで、空調機600を稼働させると、居室210および非居室220には空調された空気が含まれる空調空間200が形成され、天井裏空間300には多湿環境が形成される、という構成となる。この場合、たとえば夏季では、低温の空調空間200と高温多湿の天井裏空間300との間で温度差が大きくなり、天井裏空間300において結露が発生する。なお、図中丸印で図示したものは、結露である。
上記構成の建物における換気システム100によれば、給気口117から自然給気で送り込まれた外気は、空調機600によって空調空気に変換される。「空調空気」とは、除湿され、季節に適した温度に調整された空気である。なお、特に春季、秋季では、温度調整が必要でない場合がある。この場合、空調空気は、除湿された空気を示す。空調空気は、居室210と非居室220との間に設けられた扉部材140と床116との間の隙間を通過して、たとえばトイレ、浴室などの非居室220へ送り込まれる。空調空気は、非居室220の天井112に配置された強制排気手段500によって強制的に屋外へ排出される。他方、高温多湿環境下にある天井裏空間300では、空気の流れが生じにくい。その結果、天井裏空間300では、外壁110から入り込んできた湿気、および天井裏空間300と空調空間200との温度差の影響で、結露が発生する。
(概略構成について)
本実施の形態に係る建物は、老健施設、老人ホーム、ホテル、オフィスビル、マンション、アパート、複合商業施設、および工場といった大型の空調を行う建物である。図1を参照して、建物自体の基本構成は、図5に示した一般的な建物と同様である。つまり、建物は、外装面材18と内装面材19とを含む外壁10と床16とで囲まれた空間を備えている。この空間は、居室21と非居室22とを含む空調空間2と、天井裏空間3とを備えている。
(実施の形態1について)
図1を参照して、本実施の形態1に係る建物の換気システム(以下の説明において、単に「換気システム」という)について説明する。図1は、実施の形態1に係る換気システム1の基本構成を示す断面図である。
<構成について>
本実施の形態に係る換気システム1は、空調された空気を含む空調空間2と、空調空間2の天井裏に位置する天井裏空間3と、空調空間2から天井裏空間3内へ空調空気を放出する排気口4と、天井裏空間3の空気を屋外へ強制排気する強制排気手段5とを備える。
空調空間2は、第1空調空間21と、第2空調空間22とを含む。第1空調空間21は、居室であり、たとえば老健施設や老人ホームの居住者のための個室、ホテルの宿泊者のための部屋、マンションやアパートの居住者のための部屋、オフィスビルに入居する各テナントなどである。第2空調空間22は、非居室であり、たとえば浴室、トイレ、洗面室、厨房、物置室などである。本実施の形態では、第1空調空間21と第2空調空間22との間は、扉部材14で仕切られており、扉部材14と床16との間には、隙間がある。この隙間を介して、第1空調空間の空気が、対流によって第2空調空間22へ送られる。なお、この隙間は、扉部材14を床から10mm程度離隔して設けられたものでもよいし、扉部材14を切り欠いて形成したアンダーカット部が設けられていてもよい。
天井裏空間3は、空調空間2の天井裏に位置する。天井裏空間3は、第1空調空間21の天井11の裏側に位置する第1天井裏空間31と、第2空調空間22の天井12の裏側に位置する第2天井裏空間32とを含む。本実施の形態では、第1天井裏空間31と第2天井裏空間32との間は仕切られていない。なお、天井裏空間3の空気は、外壁10の隙間から流入してくる湿気を含む空気のため、外気に近い環境の空気である。
第1空調空間21は、天井11に排気口4と、送風口61とを有する。排気口4は、第1空調空間21から第1天井裏空間31内へ空調空気を放出する。第1天井裏空間31と第2天井裏空間32との間は仕切られていないため、空調空気が第1天井裏空間31内へ放出されることで、天井裏空間3全体の空気と空調空気とが混ざり合う。このように、天井裏空間3内の空気と空調空気とが混ざり合った空気を「調整空気」と称することとする。すなわち、調整空気は、天井裏空間3と空調空間2との温度差が緩和され、除湿された空気である。換言すれば、調整空気は、外気よりも空調空気に近い環境の空気である。
第2空調空間22は、天井12に第2空気取入れ口52を有する。第2空気取入れ口52は、第2天井裏空間32に配置される強制排気手段5に通じており、第2空調空間22の空調空気は、ここから屋外へ強制排気される。すなわち、第2天井裏空間32の空気と第2空調空間22の空調空気とは、第2天井裏空間32内で混ざらない。これにより、浴室や洗面室等で発生した湿気が第2天井裏空間32に流入することを防止できる。また、トイレや物置室等で発生した不快な空気が流入することを防止できる。
強制排気手段5は、典型的には2室用換気扇であり、上述した第2空調空間22の空気を取入れる第2空気取入れ口52の他、天井裏空間3の空気を取入れる第1空気取入れ口51をさらに含む。第1空気取入れ口51は、第2天井裏空間32に配置される強制排気手段5に通じており、第2空調空間22の空調空気は、ここから屋外へ強制排気される。第1空気取入れ口51は、好ましくは第2天井裏空間32に配置されるが、第1天井裏空間31に配置されていてもよい。第1空気取入れ口51は、排気口4とダクト等で連結されておらず、離隔して配置される。すなわち、第1天井裏空間31に配置される場合であっても、排気口4から離れた位置に配置される。また、排気口4と第1空気取入れ口51との間の離隔距離は、十分に空気を攪拌する観点から、450mm以上であることが好ましく、900mm以上であることがより好ましい。これにより、排気口4から放出された空調空気が天井裏空間3内に拡散されるため、調整空気を形成することができる。
<共用領域を含む場合の構成について>
建物は、複数人それぞれが個別に利用する複数の個別居室領域と、複数人が共用して利用する共用領域とを含む建物であってもよい。この場合の構成について、図2(a)を参照して詳細に説明する。図2(a)は、個別居室領域R1および共用領域R2を含む換気システム1の断面図である。
個別居室領域R1は、たとえば老健施設や老人ホーム等の居住者の個室であり、複数の居住者がいる建物の中でも各居住者が個人で使用する領域を示す。個別居室領域R1の基本的な構成は、図1を用いて説明したとおりであるが、対流した空気が個別居室領域R1の空調空間2へ送られる方法が相違する点、および空調機6を有していない点が相違している。すなわち、個別居室領域R1は、空調空間2と、天井裏空間3と、排気口4と、強制排気手段5とを含む。
個別居室領域R1と共用領域R2との間は、ドア15で仕切られており、ドア15と床16との間には、隙間が設けられている。この隙間を介して、共用領域R2の空調空気が、対流によって第1空調空間21へ送られる。また、第1空調空間21は、空調機を有することで、共用空調空間23の空調空気だけでなく、空調機で変換された空調空気を併用してもよい。
共用領域R2は、たとえば廊下、談話室、食堂、共用水廻り室、階段室等であり、複数の居住者が共同で使用する領域を示す。共用領域R2は、空調された空気を含む共用空調空間23と、共用空調空間23の天井裏に位置する共用天井裏空間33と、共用空調空間23から共用天井裏空間33内へ空調空気を放出する共用排気口40と、共用天井裏空間33の空気を屋外へ強制排気する共用強制排気手段50とを含む。
共用空調空間23は、天井13に送風口61および共用排気口40を有しており、送風口61から空調機6の空調空気が送り込まれる。共用空調空間23の空気は、ドア15下の隙間を介して個別居室領域R1の空調空間へ送り込まれ、共用排気口40を介して共用天井裏空間33内へ送り込まれる。なお、いずれも場合も、共用空調空間23の空気は対流によって送り込まれている。
共用領域R2の共用天井裏空間33と個別居室領域R1の第1天井裏空間31との間は、仕切り70によって区画されている。換言すれば、共用領域R2および個別居室領域R1は、天井裏空間3を共有していない。すなわち、共用領域R2の空調空気は、ドア15と床16との間の隙間を介してのみ、個別居室領域R1の空調空間へ送られる。
共用天井裏空間33は、共用天井裏空間33内の空気を屋外へ強制排気する共用強制排気手段50を含む。共用強制排気手段50は、たとえば排気ファン等であり、共用排気口40と離隔して配置される。共用強制排気手段50と共用排気口40は、ダクト等で連結されていない。これにより、共用排気口40から送り込まれた共用空調空間23の空調空気は、共用天井裏空間33に放出される。これにより、共用天井裏空間33内で調整空気を形成できるため、共用天井裏空間33における結露の発生を防止できる。
<換気経路について>
本実施の形態の換気システム1の換気経路について、図2(a)を参照して説明する。初めに、外気は空調機6によって空調空気に変換され、共用空調空間23内へ送り込まれる。ここで空調空気は、空気の対流によって、2つの空間に分散される。一方の空調空気は、共用排気口40から共用天井裏空間33内へ放出される。ここで、共用天井裏空間33内の空気と空調空気とが攪拌され、共用天井裏空間33内の空気は、調整空気となる。調整空気は、共用強制排気手段50によって屋外へ強制排気される。また、他方の空調空気は、第1空調空間21内へ送り込まれる。送り込まれた空調空気は、第1空調空間21内の空調空気と攪拌され、空気の対流によって、さらに2つの空間に分散される。
第1空調空間21内の空調空気のうち、一方の空調空気は、排気口4から第1天井裏空間31内へ放出される。ここで、第1,第2天井裏空間31,32は、仕切られていない。すなわち、第1、第2天井裏空間31,32全体の空気と空調空気とが攪拌され、調整空気が形成される。調整空気は、第1空気取入れ口51から強制排気手段5に取り込まれ、屋外へ強制排気される。また、他方の空調空気は、扉部材14と床16との間の隙間から第2空調空間22へ送り込まれる。送り込まれた空調空気は、第2空気取入れ口52から強制排気手段5に取り込まれ、屋外へ強制排気される。
以上より、本実施の形態の換気システム1は、非空調空間を有しておらず、建物全体を十分に換気することができる。また、天井裏空間3と空調空間2との間の温度差が少なく、かつ、建物全体に除湿された空調空気を提供できるため、天井裏空間3における結露の発生を効果的に防止することができる。結露の発生が防止できれば、カビ発生や腐食を防止できる。これにより、天井裏空間3における補修や、やり替え工事に要する高額なコストを削減することができる。また、特にカビの発生を抑えることで、天井裏空間3から空調空間2内へ送り込まれる空気を清潔な状態で維持することができるため、健康被害のリスクも低減することができる。
なお、換気システム1は、外気による室内環境の悪化を防止する観点から、個別居室領域R1には給気口が設けられないことが好ましい。
(変形例について)
図2(a)では、ドア15と床16との間に隙間が設けられている換気システムについて説明したが、ドア下は、密閉されていてもよい。ドア下が密閉された換気システム1Aについて、図2(b)を参照して詳細に説明する。図2(b)は、換気システム1Aの断面図である。
<構成について>
図2(b)を参照して、換気システム1Aは、換気システム1と同様の構成を備えているが、ドア15Aと床16との間に隙間を有していない点、および、共用天井裏空間33と第1空調空間21との間にパスダクト7を備えている点について異なる。
共用空調空間23は、空調機6からの空調空気が送り込まれる。送り込まれた空調空気は、天井13に設けられた共用排気口40から共用天井裏空間33内へ放出される。共用天井裏空間33内へ放出された空調空気によって、共用天井裏空間33に調整空気が形成される。これにより、共用天井裏空間33は除湿され、必要に応じて共用空調空間23との温度差が緩和される。
天井裏空間3において、共用天井裏空間33と第1天井裏空間31との間は、仕切り70Aによって区画されている。本実施の形態では、仕切り70Aを貫通するように、パスダクト7が設けられる。パスダクト7は、一端が共用天井裏空間33内に配置され、他端が第1空調空間21の天井11に配置されている。これにより、共用天井裏空間33内の調整空気は、空気の対流によって第1空調空間21内へ送り込まれる。また、パスダクト7の一端は、共用排気口40と離隔して設けられており、ダクト等で連結されていない。これにより、共用排気口40から放出される空調空気は天井裏空間33内で拡散し、共用天井裏空間33内の空気を十分に攪拌することができる。
<換気経路について>
本実施の形態の換気システム1Aの換気経路について、図2(b)を参照して説明する。初めに、外気は空調機6によって空調空気に変換され、共用空調空間23内へ送り込まれる。空調空気は、空気の対流によって、共用排気口40から共用天井裏空間33内へ放出される。空調空気と共用天井裏空間33内の空気とが攪拌され、共用天井裏空間33内に調整空気が形成される。ここで調整空気は、2つの空間に分散される。一方の調整空気は、共用強制排気手段50によって屋外へ強制排気される。また、他方の調整空気は、対流によってパスダクト7から第1空調空間21内へ送り込まれる。送り込まれた調整空気は、第1空調空間21内の空調空気と攪拌され、さらに2つの空間に分散される。以降の換気経路は、実施の形態1と同様の換気経路を経て、屋外へ排出される。
以上より、本実施の形態の換気システム1Aは、非空調空間を有しておらず、建物全体を十分に換気することができる。また、天井裏空間3と空調空間2との間の温度差が少なく、かつ、建物全体に除湿された空調空気を提供できるため、天井裏空間3における結露の発生を効果的に防止することができる。結露の発生が防止できれば、カビ発生や腐食を防止できる。これにより、天井裏空間3における補修や、やり替え工事に要する高額なコストを削減することができる。また、特にカビの発生を抑えることで、特にパスダクト7から放出される共用天井裏空間33内の空気を清潔な状態で維持することができるため、第1空調空間21を居室として使用する場合であっても健康被害のリスクを低減することができる。
(共用領域の区画について)
共用領域R2は、建物の設計上、共用天井裏空間33を複数の領域に区画することとしてもよい。この場合について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る換気システム1が、複数の区画に設置される場合の設置例を概略的に示す平面図である。図3に示す建物は、たとえば老健施設等の複数の居住者が入居する建物である。この場合、個別居室領域R1は、たとえば各居住者の居室等であり、共用領域R2は、たとえば廊下、談話室、食堂、共用水廻り室、階段室等の共用スペースである。
図3に、天井裏空間3の区画を点線で示す。共用領域R2は、たとえば談話室などの共用スペースと、廊下などの共用スペースとで、共用天井裏空間33が区画されている。共用領域R2の各区画された領域には、共用排気口40および共用強制排気手段50が設けられている。共用排気口40および共用強制排気手段50は、各区画された領域に少なくとも1つ設けられている。また、各区画された領域には、空調機からの空調空気を送り込む送風口61が、少なくとも1つ設けられていることが好ましい。
<換気経路について>
複数の領域に区画された共用領域R2および個別居室領域R1の換気経路について、簡単に説明する。初めに、共用領域R2において、各区画に設けられた送風口61から共用空調空間23内へ空調空気が強制的に送り込まれる。共用空調空間23の空調空気は、2つ以上の空間に分散され、1つ目の空調空気は、対流によって、共用排気口40から共用天井裏空間33内へ放出される。各区画の共用天井裏空間33の空気は、空調空気と攪拌し、調整空気が形成される。調整空気は、各区画の共用天井裏空間33内に設けられた共用強制排気手段50によって、屋外へ強制排気される。また、2つ目の空調空気は、対流によって、個別居室領域R1に送り込まれる。なお、その他の空調空気は、他の共用領域R2の共用空調空間23に向かって拡散される。
個別居室領域R1内での換気経路については、既に述べた通りであるが、居室21に排気口4を備え、個人用トイレ等の非居室22に強制排気手段5を備えている。また、一般的な老健施設では、個別居室領域R1と共用領域R2との間には、隙間を有するドアが設けられる。この場合、共用空調空間23の空調空気は、対流によって居室21の空調空間へ送られる。居室21内の空調空気は、排気口4から第1天井裏空間31へ放出され、第1、第2天井裏空間31,32の空気を空調空気に変換する。第1、第2天井裏空間31,32の空調空気は、非居室22内の空調空気とともに強制排気手段5から屋外へ放出される。
本実施の形態では、共用領域R2の共用天井裏空間33が複数の領域に区画されていても、各区画された領域内で共用天井裏空間33の空気と空調空気とを攪拌することができる。すなわち、本実施の形態の換気システム1は、共用領域R2が広範にわたる場合であっても、非空調空間をなくすことができ、共用天井裏空間33と共用空調空間23の環境を近づけることができるため、天井裏空間3に結露が発生することを防止できる。
(換気システムの動作について)
図4は、換気システムの動作を示すフローチャートである。図4を参照して、換気システムの動作について説明する。換気システムの動作は、強制排気量制御手段を制御する。換気システムは、外気に対する建物内の圧力を検知する圧力センサと、外気絶対湿度および室内絶対湿度を検知する温湿度センサと、圧力センサおよび温湿度センサによって検知された情報に基づいて、天井裏空間の湿度が設定した目標値となるように、強制排気手段の強制排気量を制御する、強制排気量制御手段とを備える。
換気システムは、建物内および建物外にそれぞれ1つの圧力センサを有しており、建物内の圧力(Pi)および建物外の圧力(Po)を検知する。検知する値に基づいて、建物内外の圧力差(ΔP=Po−Pi)を算出し、下記の数式に当てはめる。これにより、外壁を通過して建物内へ流入する外気の量、すなわち流入外気量Qoを算出できる(ステップS1)。
Figure 2021162229
αAは、外皮隙間面積を示す。外皮隙間面積は、特定階の床から特定階の上方に隣接する階の床までの高さにある外壁当たりの隙間面積である。αAは、外壁の仕様によって異なるが、建物の設計時に事前に測定することが可能であるため、本実施の形態では事前に測定した値を当てはめる。ρは、空気の密度を示す。空気の密度は、圧力(P)および温度(T)を用いた以下の数式により算出できる。
Figure 2021162229
本実施の形態では、天井裏空間において結露が発生しやすいと考えられる条件の圧力(P)および温度(T)の値を当てはめることで算出したρの値を、規定値として当てはめる。
換気システムは、建物内および建物外にそれぞれ1つの温湿度センサを有している。各温湿度センサを用いて、外気絶対湿度(Xo)および室内絶対湿度(Xi)を検知する(ステップS2)。
次に、外気絶対湿度(Xo)の値を測定する(ステップS3)。外気絶対湿度(Xo)の値が、たとえば18以下、すなわち低湿度状態の場合、天井裏空間内は結露が発生しにくい環境にある。そのため、強制排気手段の風量は最低風量に設定される(ステップS4)。
外気絶対湿度(Xo)の値が、たとえば18以上、すなわち中〜高湿度状態の場合、天井裏空間内は、場合によっては結露が発生しやすい環境にある。しかしながら、一律で強制排気量を最大風量とすれば、建物内の負圧が高まるだけでなく、強制排気に要するエネルギーも必要以上に消費してしまう。そこで、結露が発生しにくい湿度の値を天井裏空間の目標湿度(Xp)として規定し、外気絶対湿度(Xo)および室内絶対湿度(Xi)を使用して、以下の数式により算出される室内空気供給量(Qs)を決定する(ステップS5)。
Figure 2021162229
室内空気供給量(Qs)は、天井裏空間内へ放出される空調空気量である。数式3で算出された室内空気供給量(Qs)の値に基づいて、強制排気手段の排気能力を制御する(ステップS6)。これにより、必要な分だけ強制排気を行うことができ、不要に運転することを防止できる。
強制排気制御手段は、換気システムが不要に運転することを防止できるため、強制排気に要する電力を削減でき、省エネ効果が見込まれる。また、必要以上に強制排気が行われないため、建物内外の圧力差を低減できる。さらに、建物内外の圧力差を低減できれば、外壁からの流入外気量Qoを抑制することができるため、天井裏空間の湿度の低下も見込まれる。その結果、天井裏の結露防止に効果的な換気システムとすることができる。
換気システムが複数の居住者で構成される建物に採用される場合、居住者によって居室内の空調空気の温度が異なることが想定される。この場合であっても、各居室に温湿度センサを設けておけば、各居室の天井裏空間に適した強制排気を行うことができるため、効果的に天井裏空間の結露を防止することができる。また、居室毎に強制排気量制御手段を備える構成の場合、たとえば空室における不要な強制排気を行う必要がないため、効果的に電力を節約することができる。
なお、換気システム1は、複数の居住者で構成される建物に設けられるとしたが、天井裏空間および複数の居室を有する建物であれば、戸建て住宅に採用することも可能である。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1、1A 換気システム、2空調空間、3 天井裏空間、4 排気口、5 強制排気手段、6 空調機、7 パスダクト、10 外壁、11,12,13 天井、14 扉部材、15,15A ドア、16 床、18 外装面材、19 内装面材、21 第1空調空間、22 第2空調空間、23 共用空調空間、31 第1天井裏空間、32 第2天井裏空間、33 共用天井裏空間、40 共用排気口、50 共用強制排気手段、51 第1空気取入れ口、52 第2空気取入れ口、61 送風口、70,70A 仕切り、100 換気システム、110 外壁、200 空調空間、300 天井裏空間、400 共用排気口、500 強制排気手段、600 空調機。

Claims (7)

  1. 建物の換気システムであって、
    空調された空気を含む空調空間と、
    前記空調空間の天井裏に位置する天井裏空間と、
    前記空調空間から前記天井裏空間内へ空調空気を放出する排気口と、
    前記天井裏空間の空気を屋外へ強制排気する強制排気手段とを備える、建物の換気システム。
  2. 前記空調空間は、居室である第1空調空間と、非居室である第2空調空間とを含み、
    前記排気口は前記第1空調空間の天井に設けられ、前記強制排気手段は前記第2空調空間の天井裏に配置される、請求項1に記載の建物の換気システム。
  3. 前記強制排気手段は、前記天井裏空間の空気を取入れる第1空気取入れ口と、前記第2空調空間の空気を取入れる第2空気取入れ口とを含む、請求項2に記載の建物の換気システム。
  4. 前記建物は、複数人それぞれが個別に利用する複数の個別居室領域と、複数人が共用して利用する共用領域とを含み、
    前記各個別居室領域は、前記空調空間と、前記天井裏空間と、前記排気口と、前記強制排気手段とを含み、
    前記共用領域は、空調された空気を含む共用空調空間と、前記共用空調空間の天井裏に位置する共用天井裏空間と、前記共用空調空間から前記共用天井裏空間内へ空調空気を放出する共用排気口と、前記共用天井裏空間の空気を屋外へ強制排気する共用強制排気手段とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の建物の換気システム。
  5. 前記共用空調空間の空気は、対流によって前記個別居室領域の空調空間へ送られる、請求項4に記載の建物の換気システム。
  6. 前記共用天井裏空間は、複数の領域に区画され、
    前記各区画された領域に前記共用排気口および前記共用強制排気手段が設けられる、請求項4または5に記載の建物の換気システム。
  7. 外気に対する建物内の圧力を検知する圧力センサと、
    外気絶対湿度および室内絶対湿度を検知する温湿度センサと、
    前記圧力センサおよび前記温湿度センサによって検知された情報に基づいて、前記天井裏空間の湿度が設定した目標値となるように、前記強制排気手段の強制排気量を制御する、強制排気量制御手段とを備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の建物の換気システム。
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