以下に、本発明にかかる換気システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態にかかる換気システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる換気システムは、遠隔操作機器10と、宅内設備機器集中管理装置20と、熱交換換気装置30と、シャッター付き吸気部40と、宅内無線ライン50と、公共無線ライン60と、宅内通信ライン70と、を有している。
遠隔操作機器10は、たとえば携帯電話またはタブレットなどの携帯機器である。遠隔操作機器10は、宅内設備機器の運転、停止または風量の調整などの操作を行うための指示情報が入力され、該指示情報を宅内設備機器集中管理装置20に送信する機能を有する。宅内設備機器は、建物内に配置された各種電子機器であり、ここでは、熱交換換気装置30とシャッター付き吸気部40とが例示される。また、熱交換換気装置30とシャッター付き吸気部40と以外の宅内設備機器には、空調設備、サニタリー排気装置などの電子機器が挙げられる。遠隔操作機器10は、入力部11と、表示部12と、通信部13と、制御部14とを有する。入力部11と表示部12と通信部13と制御部14とは、互いに通信可能に接続されている。
入力部11は、使用者が宅内設備機器の運転、停止または風量の調整などの操作を行うための指示情報を入力する入力手段である。本実施の形態では、回転数変更指示情報である回転数低減指示情報がユーザにより入力部11から遠隔操作機器10に入力される。回転数低減指示情報は、常時換気時の既定の第1の回転数よりも少ない回転数である第2の回転数での、熱交換換気装置30の給気側送風機33における熱交換給気運転を指示する指示情報である。換言すると、回転数低減指示情報は、既定の第1の風量よりも少ない風量である第2の風量での給気側送風機33における熱交換給気運転を指示する指示情報である。以下、給気側送風機33における第2の回転数での熱交換給気運転、すなわち給気側送風機33における第2の風量での熱交換給気運転を、給気「弱」運転と呼ぶ場合がある。
ここで、第1の回転数は、在室者が居ない場合または夜間においても熱交換換気装置30が小風量で行う通常の常時換気における、熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数であり、あらかじめ宅内設備機器集中管理装置20または熱交換換気装置30の制御部36に設定されている。一方、第2の回転数は、熱交換換気装置30の常時換気において第1の回転数よりも少ない回転数で熱交換給気を行う場合における、熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数である。第1の風量は、熱交換換気装置30の給気側送風機33が第1の回転数で運転する際の給気の風量である。第2の風量は、熱交換換気装置30の給気側送風機33が第2の回転数で運転する際の給気の風量である。回転数低減指示情報には、熱交換換気装置30の給気側送風機33が第1の回転数で常時換気を行っている状態において給気側送風機33の回転数を第1の回転数から第2の回転数に切り替える回転数低減制御を行う時刻である回転数低減開始時刻の情報が含まれている。
また、本実施の形態では、回転数変更指示情報である回転数復帰指示情報がユーザにより入力部11から遠隔操作機器10に入力される。回転数復帰指示情報は、回転数低減指示情報に基づいて第2の回転数での熱交換給気運転を行っている熱交換換気装置30に対して、第1の回転数での熱交換給気運転を指示する指示情報である。すなわち、回転数復帰指示情報は、第1の回転数よりも少ない回転数である第2の回転数での熱交換給気運転を解除し、熱交換給気における熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数を通常の常時換気運転の状態に復帰させる指示情報である。
回転数復帰指示情報には、熱交換換気装置30の給気側送風機33が第2の回転数で常時換気を行っている状態において給気側送風機33の回転数を第2の回転数から第1の回転数に切り替える回転数復帰制御を行う時刻である回転数復帰時刻の情報が含まれている。また、回転数復帰指示情報には、熱交換換気装置30の給気側送風機33が第2の回転数で常時換気を開始してから、給気側送風機33における第2の回転数での給気の継続時間を指定する回転数低減継続時間の情報が含まれてもよい。熱交換換気装置30の給気側送風機33は、回転数低減継続時間だけ第2の回転数での熱交換給気運転を行った後に、第2の回転数での熱交換給気運転を解除し、熱交換給気の回転数を通常の常時換気運転の状態である第1の回転数に復帰させる制御が行われる。
表示部12は、宅内設備機器の運転状況または遠隔操作機器10に入力された情報など、宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報を表示する表示手段である。通信部13は、宅内設備機器集中管理装置20との間で、建物内の複数の宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報の通信を、宅内無線ライン50または公共無線ライン60を介して行う。制御部14は、遠隔操作機器10全体の動作を制御する。
宅内設備機器集中管理装置20は、建物内の複数の宅内設備機器の運転、停止または風量の調整などの動作を、遠隔管理により制御する。宅内設備機器集中管理装置20は、通信部21と、制御部22とを有する。宅内設備機器集中管理装置20は、HEMSに相当する。ただし、本実施の形態では、宅内設備機器集中管理装置20におけるHEMSの機能のうち換気設備に関する制御についてのみを示している。
通信部21は、遠隔操作機器10との間で、宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報の通信を、宅内無線ライン50または公共無線ライン60を介して行う。また、通信部21は、建物内の複数の宅内設備機器との間で、該宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報の通信を、宅内通信ライン70を介して行う。制御部22は、遠隔操作機器10から宅内無線ライン50または公共無線ライン60を介して送信される情報に基づいて、または該制御部22にあらかじめ設定された情報に基づいて、宅内設備機器の制御または監視に必要な各種処理を制御する。制御部22は、たとえば遠隔操作機器10から受信した回転数変更指示情報に基づいて、熱交換換気装置30における給気を制御する。また、制御部22は、宅内設備機器集中管理装置20全体の動作を制御する。
熱交換換気装置30の給気側送風機33が第1の回転数で常時換気運転を行っている状態において、制御部22は、遠隔操作機器10から入力される回転数低減指示情報に基づいて、熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数を第2の回転数に低減させる制御を行うことができる。すなわち、制御部22は、熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数を第1の回転数よりも少ない回転数である第2の回転数とするように、給気側送風機33の運転状態を切り替える回転数低減制御を行うことができる。
換言すると、熱交換換気装置30が既定の第1の風量で常時換気運転を行っている状態において、制御部22は、遠隔操作機器10から入力される回転数低減指示情報に基づいて、給気側送風機33の風量を低減させる制御を行う。すなわち、制御部22は、給気側送風機33の風量を第1の風量よりも少ない風量である第2の風量とするように、給気側送風機33の運転状態を切り替える回転数低減制御を行う。制御部22は、回転数低減制御を、回転数低減指示情報に含まれる回転数低減開始時刻に行う。
また、熱交換換気装置30が回転数低減指示情報に基づいて給気側送風機33の回転数を低減して第2の回転数で熱交換給気運転している状態において、制御部22は、遠隔操作機器10から入力される回転数復帰指示情報に基づいて、熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数の低減状態を解除し、給気側送風機33の回転数を通常の常時換気運転の状態に復帰させる制御を行う。すなわち、制御部22は、給気側送風機33の回転数を第2の回転数から第1の回転数とするように、給気側送風機33の運転状態を切り替える回転数復帰制御を行う。
換言すると、熱交換換気装置30が回転数低減指示情報に基づいて給気側送風機33の風量を低減して第2の風量で熱交換給気運転している状態において、制御部22は、遠隔操作機器10から入力される回転数復帰指示情報に基づいて、熱交換給気の給気風量の低減状態を解除し、給気側送風機33の風量を通常の常時換気運転の状態に復帰させる回転数復帰制御を行う。すなわち、制御部22は、給気側送風機33の風量を第2の風量から第1の風量とするように、給気側送風機33の運転状態を切り替える回転数復帰制御を行う。
制御部22は、回転数復帰指示情報に基づいて熱交換給気の風量を第2の風量から第1の風量へ切り替える回転数復帰制御を、回転数復帰指示情報に含まれる回転数復帰時刻に行うことができる。
また、制御部22は、回転数復帰指示情報に基づいて熱交換給気を第2の風量から第1の風量へ切り替える回転数復帰制御を、回転数復帰指示情報に含まれる回転数低減継続時間の経過後に行うことができる。したがって、制御部22は、回転数低減継続時間の経過後、すなわち熱交換換気装置30の給気側送風機33が該低減継続時間だけ第2の回転数での熱交換給気運転を行った後に、給気側送風機33における第2の回転数での熱交換給気運転を解除して給気側送風機33の回転数を通常の常時換気運転の状態に復帰させることができる。
上記のような給気側送風機33の回転数の変更処理、すなわち給気側送風機33の給気風量の変更処理は、制御部22が、回転数低減指示情報および回転数復帰指示情報に基づいて熱交換換気装置30を制御することによって行われる。一方、熱交換換気装置30の排気側送風機32については、停止または回転数が低減されることはない。
また、制御部22は、熱交換換気装置30の給気側送風機33に対して回転数低減制御を行った場合に、回転数低減指示情報に基づいてシャッター付き吸気部40の開閉処理部42のシャッターを開いて吸気口41を建物の外部に開放させる制御を行う。また、制御部22は、熱交換換気装置30の給気側送風機33に対して回転数復帰制御を行った場合に、回転数復帰指示情報に基づいてシャッター付き吸気部40の開閉処理部42のシャッターを閉じて吸気口41を閉鎖する制御を行う。
すなわち、制御部22は、回転数低減開始時刻にシャッター付き吸気部40の開閉処理部42のシャッターを開いて吸気口41を建物の外部に開放させる制御を行う。また、制御部22は、回転数復帰時刻にシャッター付き吸気部40の開閉処理部42のシャッターを閉じて吸気口41を閉鎖する制御を行う。
熱交換換気装置30は、熱交換器31と、排気側送風機32と、給気側送風機33と、熱交換器操作スイッチ34と、通信部35と、制御部36とを有している。熱交換換気装置30は、たとえば建物の廊下の天井裏または廊下の天井面の裏側などの室内以外のスペースに配置される。
熱交換器31は、建物外から熱交換換気装置30を介して建物内に導入される外気と、建物内の室内から熱交換換気装置30を介して建物外に排出される室内空気との間で熱交換を行う。すなわち、熱交換器31は、建物外から吸い込んだ外気と建物内の室内から吸い込んだ室内空気との間で熱交換を行う。熱交換換気装置30は、建物の外部まで配設されて建物外に連通したダクトからなる第1給気風路部に接続されている。また、熱交換換気装置30は、1または複数の室内まで配設されて該室内に連通したダクトからなる第2給気風路部に接続されている。熱交換換気装置30は、建物の外部まで配設されて建物外に連通したダクトからなる第1排気風路部に接続されている。また、熱交換換気装置30は、1または複数の室内まで配設されて該室内に連通したダクトからなる第2排気風路部に接続されている。
排気側送風機32は、建物内の室内から室内空気を吸い込むとともに熱交換後の室内空気を建物の外側へ送り出して排出する熱交換排気のための送風を行う送風機である。排気側送風機32は、室内の空気を継続的に排気することが可能な換気装置の機能を有する。給気側送風機33は、建物外から外気を吸い込むとともに熱交換後の外気を室内へ送り出す熱交換給気のための送風を行う送風機である。給気側送風機33は、建物内に新鮮な空気を継続的に給気することが可能な換気装置の機能を有する。
熱交換器操作スイッチ34は、使用者が熱交換換気装置30の運転、停止または風量の調整などの操作を行うための指示情報を入力するスイッチであり、建物内の任意の部屋に配置される。なお、本実施の形態では、熱交換換気装置30の運転、停止または風量の調整などの操作を行うための指示情報は、遠隔操作機器10によっても入力可能である。そして、遠隔操作機器10によって入力された指示情報は宅内設備機器集中管理装置20を介して熱交換換気装置30の通信部35に入力される。熱交換換気装置30の通信部35に入力された指示情報は、熱交換換気装置30の制御部36に入力される。
通信部35は、宅内設備機器集中管理装置20との間で、熱交換換気装置30の制御または監視に必要な各種情報の通信を、宅内通信ライン70を介して行う。
制御部36は、熱交換換気装置30の全体の動作を制御する。
熱交換換気装置30は、通常、在室者が居ない場合および夜間においても小風量で常時換気、すなわち24時間換気が行われる24時間換気システムである。ここで、24時間換気システムとは、室内の空気をファンなどの機械を使って小風量で計画的に入れ替え、常に新鮮な空気を維持するシステムである。24時間換気は、住宅内から発生するVOC(Volatile Organic Compounds)を排出することを目的としている。排気側送風機32と給気側送風機33とを同時に運転することで、外気と室内空気との熱交換により室温に近づけられた外気が第2給気風路部を介して、寝室、子供部屋、リビングダイニングキッチンなどの建物内の各室内へ給気される。すなわち、室温に近づけられた新鮮な空気が各室内へ継続的に給気される。以下では、リビングダイニングキッチン104をLDK104と記載する場合がある。
シャッター付き吸気部40は、回転数低減指示情報に基づいて熱交換換気装置30が給気側送風機33の回転数を低減して給気「弱」運転を行う場合に、建物内の給気を補足する機能を有している。すなわち、回転数低減指示情報に基づいて熱交換換気装置30の給気側送風機33が給気「弱」運転を行う場合でも、排気側送風機32の回転数は低減させないため、建物内から建物外への排気風量が、建物外から建物内への給気風量よりも多くなる。この場合に、シャッター付き吸気部40での給気を行うことで、建物内への給気を補って建物の給排気バランスを保つことができる。
シャッター付き吸気部40は、吸気口41と、開閉処理部42と、通信部43と、制御部44とを有する。吸気口41は、建物内の給排気のバランスを保つため、たとえばリビングまたはキッチンなどのスペースの壁に設置され、外気、すなわち新鮮な空気を建物の室内に給気するための吸気口である。開閉処理部42は、シャッターを開閉することによって吸気口41を開放または閉鎖して、室内の気圧による自然給気の実施または停止を制御する。通信部43は、宅内設備機器集中管理装置20との間で、シャッター付き吸気部40の制御に必要な各種情報の通信を、宅内通信ライン70を介して行う。制御部44は、シャッター付き吸気部40の全体の動作を制御する。
宅内無線ライン50は、遠隔操作機器10と宅内設備機器集中管理装置20との間で、宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報の通信を行うための建物内無線通信回線である。
公共無線ライン60は、遠隔操作機器10と宅内設備機器集中管理装置20との間で宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報の通信を行うための公衆無線通信回線である。
宅内通信ライン70は、宅内設備機器集中管理装置20と、熱交換換気装置30およびシャッター付き吸気部40などの宅内設備機器との間で、宅内設備機器の制御または監視に必要な各種情報の通信を行うための建物内通信回線である。宅内通信ライン70は、有線方式の通信回線であってもよく、また無線方式の通信回線であってもよい。
上記のように構成された本実施の形態にかかる換気システムでは、熱交換換気装置30が既定の第1の回転数で通常の常時換気運転を行っている状態において、熱交換換気装置30の給気側送風機33が、第1の回転数よりも低い回転数である第2の回転数での給気「弱」運転を実施するように自動的に制御される。すなわち、本実施の形態にかかる換気システムでは、熱交換換気装置30が既定の第1の風量で通常の常時換気運転を行っている状態において、熱交換換気装置30の給気側送風機33が、第1の風量よりも少ない風量である第2の風量での給気「弱」運転を実施するように自動的に制御される。
また、熱交換換気装置30の給気側送風機33は、第2の回転数で給気「弱」運転を行っている状態において、第1の回転数での通常の常時換気の給気運転に復帰するように自動的に制御される。すなわち、熱交換換気装置30の給気側送風機33は、第2の風量で給気「弱」運転を行っている状態において、第1の風量での通常の常時換気の給気運転に復帰するように自動的に制御される。
したがって、熱交換換気装置30の給気側送風機33の回転数を低減した、すなわち給気側送風機33の給気風量を低減した給気「弱」運転を行うことによって、たとえば夜間における熱交換換気装置30の給気側送風機33の給気運転騒音の軽減が可能となる。また、夜間に熱交換換気装置30の給気側送風機33の給気運転の回転数を下げることによって、給気側送風機33の消費電力を抑えることができ、省エネルギー効果を得ることができる。
次に、本実施の形態にかかる換気システムが一般家庭住宅に適用された場合の該換気システムの動作の例について説明する。図2は、本実施の形態にかかる換気システムの一般家庭住宅における構成例を示す図である。図2においては、熱交換換気装置によって常時換気が行われている状態で夜間に熱交換換気装置30における熱交換給気の給気風量を低減した運転を行っている状態を示している。図2において、矢印は空気の流れを示しており、矢印の大きさは風量を表している。図3は、本実施の形態にかかる換気システムの通信網を示す図である。
図2において、住宅の1階の浴室102の天井裏200には、サニタリーゾーンであるトイレ101、浴室102および洗面所103の空気の排気を行う排気装置であるサニタリー排気装置210が配置されている。サニタリー排気装置210は、浴室102の天井を介して浴室102に連通している。また、サニタリー排気装置210は、建物の外部まで配設されて建物外に連通したダクトからなる第1排気風路部111に接続されている。また、サニタリー排気装置210は、トイレ101および洗面所103まで配設されて該トイレ101および洗面所103に連通したダクトからなる第2排気風路部112に接続されている。
サニタリー排気装置210は、トイレ101と浴室102と洗面所103とに連通しており、トイレ101と浴室102と洗面所103とからの総排気風量を一定の風量として、同時に一括してトイレ101と浴室102と洗面所103とから排気を行う。
住宅の1階の玄関廊下105の天井裏200には、熱交換換気装置30aが配置されている。熱交換換気装置30aは、建物の外部まで配設されて建物外に連通したダクトからなる第1給気風路部121に接続されている。また、熱交換換気装置30aは、リビングダイニングキッチン104および図示しない1階の他の室内まで配設されて該リビングダイニングキッチン104および図示しない1階の他の室内に連通したダクトからなる第2給気風路部122に接続されている。熱交換換気装置30aは、建物の外部まで配設されて建物外に連通したダクトからなる第3排気風路部123に接続されている。また、熱交換換気装置30aは、LDK104および図示しない1階の他の室内まで配設されて該LDK104および図示しない1階の他の室内に連通したダクトからなる図示しない第4排気風路部に接続されている。
熱交換換気装置30aは、上述した熱交換換気装置30であり、熱交換器31と、排気側送風機32と、給気側送風機33と、玄関廊下105に配置された熱交換器操作スイッチ34と、通信部35と、制御部36とを有している。なお、熱交換器31と通信部35と制御部36とについては、図示を省略している。
住宅の1階のリビングダイニングキッチン104の天井裏200には、シャッター付き吸気部40aが配置されている。シャッター付き吸気部40aは、建物の外部まで配設されて建物外に連通したダクトからなる給気風路部131に接続されている。シャッター付き吸気部40aは、上述したシャッター付き吸気部40であり、リビングダイニングキッチン104に外気の給気を行う。
住宅の1階のリビングダイニングキッチン104の天井裏200には、シャッター付き吸気部40bが配置されている。シャッター付き吸気部40bは、天井裏200の壁を介して建物外に連通しており、建物内に外気の給気を行う。シャッター付き吸気部40bは、上述したシャッター付き吸気部40である。
住宅の1階のリビングダイニングキッチン104には、空調設備室内機140aが配置されている。空調設備室内機140aは、図示しないダクトからなる風路部を介して、建物の外部に配置された図示しない空調設備室外機に接続されている。
住宅の1階のリビングダイニングキッチン104には、遠隔操作機器10aが配置されている。なお、遠隔操作機器10aは、建物内における任意の場所に移動可能とされている。遠隔操作機器10aは、上述した遠隔操作機器10である。
建物の外部には、使用者が持ち歩く遠隔操作機器10bがある。遠隔操作機器10bは、建物外における任意の場所に移動可能とされている。遠隔操作機器10bは、上述した遠隔操作機器10である。
住宅の1階の洗面所103には、宅内設備機器集中管理装置20が配置されている。
住宅の2階の廊下301の屋根裏400には、熱交換換気装置30bが配置されている。熱交換換気装置30bは、建物の外部まで配設されて建物外に連通しダクトからなる第1給気風路部121に接続されている。また、熱交換換気装置30bは、2階の居室302、居室303および居室304まで配設されて該居室302、居室303および居室304に連通しダクトからなる第2給気風路部122に接続されている。熱交換換気装置30bは、建物の外部まで配設されて建物外に連通しダクトからなる第3排気風路部123に接続されている。また、熱交換換気装置30bは、2階の居室302、居室303および居室304まで配設されて該居室302、居室303および居室304に連通しダクトからなる図示しない第4排気風路部に接続されている。
熱交換換気装置30bは、上述した熱交換換気装置30であり、熱交換器31と、排気側送風機32と、給気側送風機33と、2階の廊下301に配置された熱交換器操作スイッチ34と、通信部35と、制御部36とを有している。なお、熱交換器31と通信部35と制御部36とについては、図示を省略している。
たとえば2階では、熱交換換気装置30bによって各居室302,303,304に供給された空気が各居室302,303,304のドアのアンダーカットまたはガラリ150を通って廊下301へ流れ、廊下301の天井面の裏側に設置された熱交換換気装置30bに吸込まれて熱交換された後に建物外へ排出される。
住宅の2階の居室304には、空調設備室内機140bが配置されている。空調設備室内機140bは、図示しないダクトからなる風路部を介して、建物の外部に配置された図示しない空調設備室外機に接続されている。
住宅の2階のトイレ305には、トイレ排気装置311が配置されている。トイレ排気装置311は、トイレ305の壁を介して建物外に連通しており、トイレ305の排気を行う。
また、建物の内外には、上述した宅内無線ライン50、公共無線ライン60および宅内通信ライン70が備わっている。遠隔操作機器10と宅内設備機器集中管理装置20とは、各装置内の通信部により、宅内無線ライン50または公共無線ライン60を用いて通信を行うことができる。遠隔操作機器10と宅内設備機器集中管理装置20との通信は、各装置内の通信部により行われる。また、熱交換換気装置30a、熱交換換気装置30b、シャッター付き吸気部40a、シャッター付き吸気部40b、空調設備室内機140a、空調設備室内機140bおよびサニタリー排気装置210と、宅内設備機器集中管理装置20とは、各装置内の通信部により、宅内通信ライン70を用いて通信を行うことができる。
つぎに、図2に示すように構成される換気システムの動作について説明する。図4は、図2に示す換気システムの動作の手順を示すフローチャートである。なお、以下では、本実施の形態の特徴である、熱交換換気装置30a、熱交換換気装置30b、シャッター付き吸気部40aおよびシャッター付き吸気部40bの動作について説明する。まず、ステップS10では、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが通常の常時換気、すなわち24時間換気を実施する。
ステップS20では、遠隔操作機器10aが回転数変更指示情報を宅内設備機器集中管理装置20に送信する。すなわち、遠隔操作機器10aは、使用者により該遠隔操作機器10aに入力された、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bについての回転数変更指示情報を、宅内無線ライン50を介して宅内設備機器集中管理装置20に送信する。また、遠隔操作機器10bが、使用者により該遠隔操作機器10bに入力された回転数変更指示情報を、公共無線ライン60を介して宅内設備機器集中管理装置20に送信してもよい。回転数変更指示情報には、回転数低減指示情報および回転数復帰指示情報が含まれる。なお、回転数低減指示情報および回転数復帰指示情報を個別に送信する形態とされてもよい。そして、宅内設備機器集中管理装置20は、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bについての回転数変更指示情報を受信すると、制御部22が該回転数変更指示情報を保持する。
図5は、遠隔操作機器10aによる換気システムの給気「弱」運転の設定方法を示す図である。ここで行う設定は、回転数変更指示情報の設定である。回転数変更指示情報を宅内設備機器集中管理装置20に保持させて給気「弱」運転の設定を行うことで、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、常時換気の実施中に熱交換給気の風量を低減した給気「弱」運転モードに確実に移行し、さらに通常の常時換気に復帰することができる。したがって、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bにおける常時換気が確実に継続される。たとえば住宅の引渡し時に回転数変更指示情報の設定をしておくことで、住み始め時から給気「弱」運転モードを活用することができる。
図5に示すように、遠隔操作機器10aにおいて熱交換換気装置の設定画面500が表示される。使用者は、まず、熱交換換気装置30aの給気の弱運転機能を使用するか否かを、熱交換換気装置の設定画面500の給気「弱」運転機能の選択欄511において設定する。弱運転機能は、熱交換換気装置30aが上述した第2の風量での熱交換給気運転を行う機能である。
弱運転機能を使用する場合には、給気「弱」運転機能の選択欄511において「あり」を選択する。遠隔操作機器10aの入力部11と表示部12とはたとえばタッチパネルにより構成され、該タッチパネルを用いて情報の入力が可能である。給気「弱」運転機能の選択欄511において「あり」を設定することで、給気「弱」運転時の通知の設定欄512、給気「弱」運転の<開始>設定時刻の設定欄513および給気「弱」運転の<終了>設定時刻の設定欄515が表示される。
給気「弱」運転時の通知の設定欄512において「あり」を選択した場合は、熱交換換気装置30aの給気側送風機33の回転数を下げた際、すなわち給気側送風機33の風量を下げた際に、給気「弱」運転中である旨を宅内設備機器集中管理装置20が介して遠隔操作機器10aに通知する。使用者は、該通知を見ることで、熱交換換気装置30aが「弱」運転中であることを確認できる。
熱交換換気装置30bについても、図5に示す熱交換換気装置の設定画面500において回転数変更指示情報を入力できる。また、遠隔操作機器10bにおいても、図5に示す熱交換換気装置の設定画面500において熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bの回転数変更指示情報を入力できる。熱交換換気装置30aの回転数変更指示情報と熱交換換気装置30bについての回転数変更指示情報とは、異なる条件であってもよい。
給気「弱」運転の<開始>設定時刻の設定欄513では、回転数低減開始時刻を設定する。すなわち、給気「弱」運転の<開始>設定時刻の設定欄513では、熱交換換気装置30aの給気側送風機33の回転数を弱にする、すなわち給気側送風機33の回転数を上述した第2の回転数に切り替える時刻を選択する。給気「弱」運転の<開始>設定時刻の設定欄513で設定された回転数低減開始時刻に、熱交換換気装置30aの給気側送風機33が「弱」の回転数で、すなわち常時換気運転時よりも少ない回転数で、給気「弱」運転が開始する。
さらに、給気「弱」運転の<終了>設定時刻の設定欄515では、回転数復帰時刻を設定する。すなわち、給気「弱」運転の<終了>設定時刻の設定欄515では、熱交換換気装置30aの給気側送風機33の回転数を元の回転数に戻す、すなわち常時換気運転時の回転数に戻す時刻を選択する。熱交換換気装置30aの給気側送風機33は、給気「弱」運転の<終了>設定時刻の設定欄515で設定された回転数復帰時刻に、回転数を元の回転数に復帰させ、すなわち風量を元の風量に復帰させて、例えば給気「強」運転が開始する。
給気「弱」運転の<開始>設定時刻の設定欄513および給気「弱」運転の<終了>設定時刻の設定欄515は、それぞれの下部領域に表示される時刻選択欄514により設定時間を選択できる。
また、図6に示すように、熱交換換気装置の設定画面500において、給気「弱」運転の<終了>設定時刻の設定欄515の代わりに、給気「弱」運転の継続時間の設定欄516を設けてもよい。図6は、熱交換換気装置の設定画面500の他の構成例を示す図である。給気「弱」運転の継続時間の設定欄516では、回転数低減継続時間が設定される。すなわち、給気「弱」運転の継続時間の設定欄516では、給気「弱」運転の<開始>設定時刻の設定欄513で設定された時刻に給気側送風機33が給気「弱」運転を開始してからの、給気「弱」運転の継続時間が設定される。熱交換換気装置30aの給気側送風機33は、給気「弱」運転の開始後、給気「弱」運転の継続時間の設定欄516に設定した回転数低減継続時間の経過後に、回転数を元の回転数に復帰させ、すなわち給気側送風機33の風量を元の風量に復帰させて、例えば給気「強」運転を開始する。
ステップS30では、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが、設定時刻に給気「弱」運転を開始する。すなわち、宅内設備機器集中管理装置20が、回転数変更指示情報の回転数低減指示情報に基づいて、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bに対して回転数低減制御を、回転数低減指示情報に含まれる給気「弱」運転の<開始>設定時刻、すなわち回転数低減開始時刻に行う。該回転数低減制御により、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、給気「弱」運転を開始する。
すなわち、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、既定の第1の風量で通常の常時換気運転を行っている状態において、給気側送風機33が第2の回転数での給気「弱」運転を自動的に実施可能である。換言すると、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、第1の回転数で通常の常時換気運転を行っている状態において、給気側送風機33が第2の風量での給気「弱」運転を自動的に実施可能である。
ステップS40では、シャッター付き吸気部40が給気を開始する。すなわち、宅内設備機器集中管理装置20が、回転数変更指示情報に基づいて、回転数低減開始時刻にシャッター付き吸気部40のシャッターを開く制御を行う。これにより、シャッター付き吸気部40は、吸気口41を介して室内に外気の給気を行う。すなわち、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが給気「弱」運転を開始すると同時に、シャッター付き吸気部40は給気を開始する。これにより、建物全体の給気を補って、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bにおける給気「弱」運転に起因して建物内の吸排気のバランスが崩れることを抑制できる。なお、シャッター付き吸気部40は、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが給気「弱」運転を開始する際にすでに給気を行っている場合には、給気を継続する。
ステップS50では、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが、設定時刻に給気「弱」運転を終了し、通常の常時換気における給気運転を開始する。すなわち、宅内設備機器集中管理装置20が、回転数変更指示情報の回転数復帰指示情報に基づいて、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bに対して回転数復帰制御を、回転数復帰指示情報に含まれる給気「弱」運転の<終了>設定時刻、すなわち回転数復帰時刻に行う。該回転数復帰制御により、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、給気「弱」運転を終了し、通常の常時換気における給気運転を開始する。
すなわち、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、給気側送風機33が第2の回転数で給気「弱」運転を行っている状態において、第1の回転数での通常の常時換気の給気運転に自動的に復帰可能である。換言すると、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bは、給気側送風機33が第2の風量で給気「弱」運転を行っている状態において、第1の風量での通常の常時換気の給気運転に自動的に復帰可能である。
ステップS60では、シャッター付き吸気部40が給気を停止する。すなわち、宅内設備機器集中管理装置20が、回転数変更指示情報の回転数復帰指示情報に基づいて、回転数復帰時刻にシャッター付き吸気部40のシャッターを閉じる制御を行う。これにより、シャッター付き吸気部40は、吸気口41を介した室内への外気の給気を停止する。すなわち、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが給気「弱」運転を終了すると同時に、シャッター付き吸気部40は給気を停止する。これにより、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが通常の常時換気の給気運転に移行することに起因して建物内の吸排気のバランスが崩れることを抑制できる。なお、宅内設備機器集中管理装置20は、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが給気「弱」運転を開始する際にシャッター付き吸気部40がすでに給気を行っていた場合には、熱交換換気装置30aおよび熱交換換気装置30bが給気「弱」運転を終了しても給気を継続するように制御する。
なお、上記においては宅内設備機器集中管理装置20が、回転数変更指示情報に基づいて熱交換換気装置30a、熱交換換気装置30bおよびシャッター付き吸気部40を制御する場合について説明したが、宅内設備機器集中管理装置20の代わりに熱交換換気装置30a、熱交換換気装置30bおよびシャッター付き吸気部40のそれぞれが回転数変更指示情報に基づいて上述した制御を行ってもよい。熱交換換気装置30a、熱交換換気装置30bおよびシャッター付き吸気部40は、宅内設備機器集中管理装置20から回転数変更指示情報を取得すればよい。
上述したように、本実施の形態にかかる換気システムでは、熱交換換気装置30が既定の第1の回転数で通常の常時換気運転を行っている状態において、熱交換換気装置30の給気側送風機33が、第1の回転数よりも低い回転数である第2の回転数での給気「弱」運転を自動的に実施可能である。すなわち、本実施の形態にかかる換気システムでは、熱交換換気装置30が既定の第1の風量で通常の常時換気運転を行っている状態において、熱交換換気装置30の給気側送風機33が、第1の風量よりも少ない風量である第2の風量での給気「弱」運転を自動的に実施可能である。
また、熱交換換気装置30の給気側送風機33は、第2の回転数で給気「弱」運転を行っている状態において、第1の回転数での通常の常時換気の給気運転に自動的に復帰可能である。すなわち、熱交換換気装置30の給気側送風機33は、第2の風量で給気「弱」運転を行っている状態において、第1の風量での通常の常時換気の給気運転に自動的に復帰可能である。
したがって、本実施の形態にかかる換気システムによれば、建物内の24時間換気における給気の運転音を抑制可能な換気システムを実現することができる。これにより、夜間に寝室などの建物内の室内で聞こえる給気運転音を低減させ、睡眠中の不快感を解消し、快適な住宅環境を提供することができる。また、夜間に熱交換換気装置30の給気側送風機33の給気運転の風量を下げることによって、給気側送風機33の消費電力を抑えることができ、省エネルギー効果を得ることができる。