JP4302290B2 - データ伝送制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ATM網やフレームリレー網のような再送制御機能を持たない網で伝送路を使用して通信を行うデータ伝送制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は例えば特開平5−206894号公報に示された従来の2ルート伝送制御システムを示すシーケンス図であり、図において、1,2はルートa,bの2ルートの伝送路を介して相互に接続された伝送装置である。
【0003】
次に動作について説明する。
伝送装置1,2は互いにルートa,bの2ルートの伝送路を利用してデータ伝送を行っており、通常時はルートaから受信されたデータを採用している。
受信データが正常に送られていることを、ルート対応に監視タイマを設けて一定周期毎に監視しており、データが受信できれば、これら各監視タイマはそれぞれリセットされる。したがって、何らかのルート異常によりデータが受信できなければ、そのルート対応の監視タイマはタイムアウトとなり、異常検出される。
【0004】
この例では、通常ルートaから受信されたデータを採用している場合を示しており、このルートaの監視タイマがタイムアウトを示したとき、これに対応して他のルートbに切り替え、ルートbから受信されたデータを採用する。それと同時にこのルートa側の監視タイマのカウント動作を停止させる。
その後、ルートb側でも監視タイマのタイムアウトが生じると、同様にその監視タイマのカウント動作を停止させると同時に、ルートa側の監視タイマが停止していることを検出してルートaへの切り替えを抑止するように制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の2ルート伝送制御システムは以上のように構成されているので、再送制御機能を持たない網において、一旦、ルートa,b共に異常になってしまうと、その間、全伝送データは廃棄されてしまう。例えば、図2に示す伝送路のたすきがけ障害のようにそれぞれのルートの障害が局部的な場合においても同様である。すなわち、従来のままでは、再送制御機能を持たない網において両ルート異常が発生した場合は、上位の回路もしくはソフトウェアで再送制御を行ってもルート異常が回復するまでは両ルートは共に切断され、通信不可となるなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、伝送路のたすきがけ障害が発生した場合でもデータ伝送を可能にして、伝送路の健全性をより高めると共に通信システムの信頼性を向上させるデータ伝送制御システムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデータ伝送制御システムは、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたデータの両データ共に異常となる障害を検出する障害検出部と、障害検出部による両データ共に異常となる障害が検出されていない時は、2つのストレートルートの伝送路を介してデータを送信し、障害検出部による両データ共に異常となる障害が検出された時は、2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えたものである。
【0008】
この発明に係るデータ伝送制御システムは、2つのストレートルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信するヘルスチェック信号送信部と、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号共に異常となる障害を検出する障害検出部と、障害検出部による両信号共に異常となる障害が検出されていない時は、2つのストレートルートの伝送路を介してデータを送信し、障害検出部による両信号共に異常となる障害が検出された時は、2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えたものである。
【0009】
この発明に係るデータ伝送制御システムは、2つのストレートルートおよび2つのクロスルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信するヘルスチェック信号送信部と、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号共に異常となる障害を検出すると共に、2つのクロスルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号共に異常となる障害を検出する障害検出部と、障害検出部による両信号共に異常となる障害が検出されていない2つのストレートルートの伝送路または2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えたものである。
【0010】
この発明に係るデータ伝送制御システムは、障害検出部による両信号共に異常となる信号が規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に障害と判定し、その障害判定後に両信号共に正常となる信号が規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に回復と判定する判定部を備えたものである。
【0011】
この発明に係るデータ伝送制御システムは、データを送信する2つのストレートルートの伝送路または2つのクロスルートの伝送路を手動により切り替え自在にする手動切り替え部と、現在使用中の伝送路のルートを表示する表示部とを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるデータ伝送制御システムを示す構成図であり、図において、11〜14はATM交換機(交換機)、15はそれらATM交換機11〜14を接続したATM網(通信網)である。
21はATM交換機11,12にそれぞれ伝送路16,17を介して接続された伝送装置(第1の伝送装置)、31はATM交換機13,14にそれぞれ伝送路18,19を介して接続された伝送装置(第2の伝送装置)である。
22,32は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、受信レベル断等により伝送路16〜19の障害を検出する障害検出部、23,33は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、障害検出部22,32からの障害検出情報に応じて、通信網15に送信するデータの通信パスを切り替える伝送制御部である。
【0013】
なお、伝送装置21,31は、ATM網15を介してデータを双方向に伝送可能なものである。
また、伝送制御部23,33のそれぞれには、伝送路16,18とATM交換機11,13とを経由するストレートルートa、および、伝送路17,19とATM交換機12,14とを経由するストレートルートbを利用して通信するストレートパス、また、図2に示すように、伝送路16,19とATM交換機11,13,14とを経由するクロスルートc、および、伝送路17,18とATM交換機12,14,13とを経由するクロスルートdを利用して通信するクロスパスが予め設定されている。
なお、図2は伝送路のたすきがけ障害時の伝送ルートを示す説明図である。
【0014】
次に動作について説明する。
図1において、まず、伝送装置21から伝送装置31へのデータの送信では、伝送装置21の伝送制御部23からストレートパスを付加した同一のデータをATM網15に送信し、伝送路16、ATM交換機11,13、伝送路18を経由するストレートルートa、および伝送路17、ATM交換機12,14、伝送路19を経由するストレートルートbを通じて伝送装置31に同一のデータを送信する。伝送装置31の障害検出部32では、受信された両データの受信レベル等から良否判定を行い、良ければ伝送制御部33に障害なしの障害検出情報を出力し、その伝送制御部33では、受信された同一のデータのうちの一方のデータを採用して、他方のデータを廃棄する。
また、伝送装置31から伝送装置21へのデータの送信においても、同様に伝送装置31の伝送制御部33からストレートパスを付加した同一のデータをATM網15に送信し、伝送路18、ATM交換機13,11、伝送路16を経由するストレートルートa、および伝送路19、ATM交換機14,12、伝送路17を経由するストレートルートbを通じて伝送装置21に同一のデータを送信し、伝送装置21の障害検出部22において、受信された両データの受信レベル等から良否判定を行い、良ければ一方のデータを採用して、他方のデータを廃棄する。
【0015】
ここで、例えば、伝送路16に障害が生じた場合、伝送装置21,31の障害検出部22,32は、ストレートルートaを通じて受信されたデータの受信レベルの異常を検出し、伝送制御部23,33にストレートルートaに障害ありの障害検出情報を出力し、その伝送制御部23,33では、受信されたストレートルートbのデータを採用する。
また、例えば、伝送路16の障害が回復し、復旧された後に、伝送路19に障害が生じた場合、伝送装置21,31の障害検出部22,32は、ストレートルートbを通じて受信されたデータの受信レベルの異常を検出し、伝送制御部23,33にストレートルートbに障害ありの障害検出情報を出力し、その伝送制御部23,33では、受信されたストレートルートaのデータを採用する。
【0016】
さらに、図2に示すように、例えば、伝送路16の障害が復旧される前に、伝送路19に障害が生じた場合、すなわち、たすきがけ障害が生じた場合は、伝送装置21,31の障害検出部22,32は、ストレートルートa,bを通じて受信されたデータの受信レベルの異常を検出し、伝送制御部23,33にストレートルートa,b共に障害ありの障害検出情報を出力する。
伝送制御部23,33では、障害検出部22,32からストレートルートa,b共に障害ありの障害検出情報を入力した場合、たすきがけ障害が生じたと判断して、クロスパスを付加した同一のデータをATM網15に送信する。
すなわち、伝送装置21の伝送制御部23においては、伝送路16、ATM交換機11,13,14、伝送路19を経由するクロスルートc、および伝送路17、ATM交換機12,14,13、伝送路18を経由するクロスルートdを通じて伝送装置31に同一のデータを送信する。伝送装置31の障害検出部32では、受信された両データの受信レベル等から良否判定を行い、良い方の受信されたクロスルートdのデータを採用する。
また、伝送装置31の伝送制御部33においても、同様に伝送路19、ATM交換機14,12,11、伝送路16を経由するクロスルートc、および伝送路18、ATM交換機13,11,12、伝送路17を経由するクロスルートdを通じて伝送装置21に同一のデータを送信し、伝送装置21の障害検出部22において、受信された両データの受信レベル等から良否判定を行い、良い方の受信されたクロスルートdのデータを採用する。
【0017】
なお、上記実施の形態1によれば、ATM網15を4台のATM交換機11〜14を接続したものとしたが、ATM交換機は2台以上であれば何台接続したものであっても良い。
また、通信網としてATM交換機を接続したATM網15を示したが、通信網は、別構成のATM綱、または、その他の再送制御機能を持たない網であっても良い。
さらに、たすきがけ障害は、伝送路16および伝送路19に障害が生じた場合を想定したが、伝送路17および伝送路18に障害が生じた場合であっても良い。
さらに、クロスルートcを伝送路16、ATM交換機11,13,14、伝送路19を経由するものとし、クロスルートdを伝送路17、ATM交換機12,14,13、伝送路18を経由するものとしたが、クロスルートcを伝送路16、ATM交換機11,12,14、伝送路19を経由するものとし、クロスルートdを伝送路17、ATM交換機12,11,13、伝送路18を経由するものとしても良く、さらに、クロスルートc,dは両者の組み合わせであっても良い。
【0018】
以上のように、この実施の形態1によれば、伝送路にたすきがけ障害が発生した場合でもデータ伝送を継続することができる効果が得られる。
【0019】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2によるデータ伝送制御システムを示す構成図であり、図において、24,34は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、パケットもしくはセル等で構成されるヘルスチェック信号を定周期で2つのストレートルートa,bに送信するヘルスチェック信号送信部、25,35は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、ヘルスチェック信号の受信レベル断等により伝送路16〜19の障害を検出する障害検出部である。
その他の構成は、実施の形態1と同一なので同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0020】
次に動作について説明する。
伝送装置21のヘルスチェック信号送信部24は、2つのストレートルートa,bを介して伝送装置31にヘルスチェック信号を定周期で送信し、伝送装置31のヘルスチェック信号送信部34は、2つのストレートルートa,bを介して伝送装置21にヘルスチェック信号を定周期で送信する。対応する伝送装置21,31に設けられた障害検出部25,35は、それら2つのストレートルートa,bを介した双方向のヘルスチェック信号をそれぞれ受信し、その受信レベルの良否を判定する。このように、ヘルスチェック信号の送信は、定期的に伝送路16〜19の健全性を確認するために、定周期でかつ双方向で行われる。
2つのストレートルートa,bの正常時、および一方のストレートルートの異常時の伝送制御部23,33の動作は実施の形態1と同一であり、2つのストレートルートa,bの正常時では、いずれか一方のデータを採用し、一方のストレートルートの異常時では、ヘルスチェック信号の受信レベルが良かった方のデータを採用する。
【0021】
ここで、図2に示したようなたすきがけ障害が発生した場合は、2つのストレートルートa,b共にヘルスチェック信号の通信が不可となり、障害検出部25,35は、両ルートのヘルスチェック異常を検出する。そして、両ルートのヘルスチェック異常を入力した伝送制御部23,33は、通信パスをストレートパスからクロスパスに切り替える。
クロスパスに切り替え後の伝送制御部23,33の2つのクロスルートc,dへのデータの送信動作は実施の形態1と同一である。
なお、ヘルスチェック信号送信部24,34からは、クロスパスに切り替え後も2つのストレートルートa,bにそれぞれ継続してヘルスチェック信号が送信されている。
【0022】
次に、例えば、たすきがけ障害の伝送路16の障害が回復すると、障害検出部25,35は、ストレートルートaを介してそれぞれ正常なヘルスチェック信号を受信するため、障害検出部25,35は、伝送制御部23,33にそれぞれストレートパスの異常復旧を示すヘルスチェック正常を出力する。そして、伝送制御部23,33は、ストレートパスで通信を行ってもストレートルートaによって正常に通信ができると判断し、クロスパスからストレートパスに切り替える。
【0023】
以上のように、この実施の形態2によれば、常にストレートルートa,bにヘルスチェック信号を送信しているので、ストレートルートの障害後の回復を障害検出部25,35によって検出することができ、クロスルートc,dからストレートルートa,bへの復旧を行うことができる。これにより、通常時は、ストレートパスを使用する等、通信パスの優先度を考慮したネットワーク設計が可能となる。
また、ヘルスチェック信号を定周期に送信することによって、障害検出部25,35では、伝送路に障害が発生したことを即座に検出することができ、ストレートルートおよびクロスルートの切り替え、切り戻しを迅速に行うことができる。
さらに、ヘルスチェック信号を定周期に送信することによって、伝送路のバースト的な擾乱時に、頻繁に通信パスの切り替え、および切り戻しが行われることを防ぎ、通信システムの安定動作を図ることができる。
さらに、クロスパスに切り替えた後、例えば、図3のポイント▲1▼およびポイント▲2▼で障害が発生した場合、通信パスをストレートパスに切り戻して引き続き正常な通信が可能となる効果が得られる。
【0024】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3によるデータ伝送制御システムを示す構成図であり、図において、26,36は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、それぞれの障害検出部25,35により2つのヘルスチェック信号の受信レベルが共に異常となることが規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に障害と判定し、その障害判定後に2つのヘルスチェック信号の受信レベルが共に正常となることが規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に回復と判定するタイマ(判定部)である。
その他の構成は、実施の形態2と同一なので同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0025】
次に動作について説明する。
タイマ26,36は、それぞれヘルスチェック信号を常時監視している障害検出部25,35からのヘルスチェック異常、およびヘルスチェック正常によって制御される。例えば、ヘルスチェック状態が正常である時に、障害検出部25,35からタイマ26,36にヘルスチェック異常を出力すると、タイマ26,36は、その時間、あるいはその回数分カウントする。そして、タイマ26,36によって規定回数分カウントされれば、障害検出部25,35から伝送制御部23,33に障害検出情報を出力すると共に、タイマ26,36をリセットする。そして、伝送制御部23,33は、通信パスの切り替えを行う。
なお、タイマ26,36は、ヘルスチェック異常を規定回数カウントするまでにヘルスチェック正常を入力すると、カウンタ値をリセットする。
【0026】
また、ヘルスチェック状態が異常である時に、障害検出部25,35からタイマ26,36にヘルスチェック正常を出力すると、タイマ26,36は、その時間、あるいはその回数分カウントする。そして、タイマ26,36によって規定回数分カウントされれば、障害検出部25,35から伝送制御部23,33に障害が回復された障害検出情報を出力すると共に、タイマ26,36をリセットする。そして、伝送制御部23,33は、通信パスの切り替えを行う。
なお、タイマ26,36は、ヘルスチェック正常を規定回数カウントするまでにヘルスチェック異常を入力すると、カウンタ値をリセットする。
【0027】
以上のように、この実施の形態3によれば、通信パスの切り替えおよび切り戻しに保護段数を設けることができ、これにより、伝送路のランダム的な擾乱時に、頻繁に通信パスの切り替えおよび切り戻しが行われることを防ぎ通信システムの安定動作を図ることができ、通信システムの信頼性をより向上させる効果が得られる。
【0028】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4によるデータ伝送制御システムを示す構成図であり、図において、24a,24b,34a,34bは伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、パケットもしくはセル等で構成されるヘルスチェック信号を定周期で送信するヘルスチェック信号送信部であり、ヘルスチェック信号送信部24a,34aは、2つのストレートルートa,bに送信し、ヘルスチェック信号送信部24b,34bは、2つのクロスルートc,dに送信するものである。
25a,25b,35a,35bは伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、ヘルスチェック信号の受信レベル断等により伝送路16〜19の障害を検出する障害検出部であり、障害検出部25a,35aはストレートルートa,bを介して受信されたヘルスチェック信号を検出し、障害検出部25b,35bはクロスルートc,dを介して受信されたヘルスチェック信号を検出するものである。
26a,26b,36a,36bは伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、それぞれの障害検出部25a,25b,35a,35bにより2つのヘルスチェック信号の受信レベルが共に異常となることが規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に障害と判定し、その障害判定後に2つのヘルスチェック信号の受信レベルが共に正常となることが規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に回復と判定するタイマ(判定部)である。
その他の構成は、実施の形態3と同一なので同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0029】
次に動作について説明する。
図5に示したように、伝送装置21,31のそれぞれにヘルスチェック信号をストレートルートa,bだけではなく、クロスルートc,dにも送信できるようにヘルスチェック信号送信部24b,34bを設ける。また、それらヘルスチェック信号送信部24b,34bに対応して、クロスルートc,dを介して受信されたヘルスチェック信号の良否判定を行う障害検出部25b,35bと、それら障害検出部25b,35bに対応したタイマ26b,36bを設ける。
これにより、2つのストレートルートa,b、および2つのクロスルートc,dの両ルートで障害が発生している場合において、例えば、クロスルートの方が早く障害が回復したとすると、クロスルートからは正常なヘルスチェック信号が受信されるため、障害検出部25b,35bのそれぞれはヘルスチェック正常をタイマ26b,36bに出力し、それらタイマ26b,36bよって規定回数分カウントされれば、障害検出部25b,35bから伝送制御部23,33に障害が回復された障害検出情報を出力する。そして、伝送制御部23,33のそれぞれは、通信パスをストレートパスからクロスパスに切り替える。
【0030】
以上のように、この実施の形態4によれば、常に2つのストレートルートa,b、および2つのクロスルートc,dの状態を監視しているので、伝送路の障害の回復によっていずれか1つでもルートが回復すれば、その健全なルートに通信パスを即座に切り替えることができ、通信システムの信頼性をより向上させる効果が得られる。
【0031】
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5によるデータ伝送制御システムを示す構成図であり、図において、27,37は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、データを送信する2つのストレートルートa,bまたは2つのクロスルートc,dを手動により切り替え自在にする手動切り替え部、28,38は伝送装置21,31にそれぞれ内蔵され、現在使用中の伝送路のルートを表示するLED(表示部)である。
その他の構成は、実施の形態1と同一なので同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0032】
次に動作について説明する。
手動切り替え部27,37は、伝送制御部23,33の異常時で通信パスの自動切り替えが不可となった場合、または、保守点検時の障害箇所の切分け等の場合に、手動により操作し、2つのストレートルートa,bおよび2つのクロスルートc,dのうち所望のルートにデータを送信するものである。
また、この時、LED28,38によって現在使用中の伝送路のルートを表示させることができ、手動操作によって所望のルートにデータを送信することができたか確認することができ、操作員の安心感および保守点検の効率を高めることができる。
【0033】
以上のように、この実施の形態5によれば、手動切り替え部27,37およびLED28,38によって、通信エラー時の障害箇所の切分けなど保守点検を簡便に行うことができ、また、伝送制御部23,33の異常時で通信パスの自動切り替えが不可となった場合等、手動で通信パスを切り替えて通信を再開させることができ、通信システムの保守運用性をより向上させる効果が得られる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたデータの両データ共に異常となる障害を検出する障害検出部と、障害検出部による両データ共に異常となる障害が検出されていない時は、2つのストレートルートの伝送路を介してデータを送信し、障害検出部による両データ共に異常となる障害が検出された時は、2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えるように構成したので、伝送路にたすきがけ障害が発生した場合でもデータ伝送を継続することができ、伝送路の健全性をより高めると共に通信システムの信頼性を向上させる効果が得られる。
【0035】
この発明によれば、2つのストレートルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信するヘルスチェック信号送信部と、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号共に異常となる障害を検出する障害検出部と、障害検出部による両信号共に異常となる障害が検出されていない時は、2つのストレートルートの伝送路を介してデータを送信し、障害検出部による両信号共に異常となる障害が検出された時は、2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えるように構成したので、伝送路にたすきがけ障害が発生した場合でもデータ伝送を継続することができ、また、2つのストレートルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信しているので、ストレートルートの障害後の回復を障害検出部によって検出することができ、1つでもストレートルートが回復すれば、クロスルートからストレートルートへ復旧することができ、伝送路の健全性をより高めると共に、通信システムの保守管理性および信頼性を向上させる効果が得られる。
【0036】
この発明によれば、2つのストレートルートおよび2つのクロスルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信するヘルスチェック信号送信部と、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号共に異常となる障害を検出すると共に、2つのクロスルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号共に異常となる障害を検出する障害検出部と、障害検出部による両信号共に異常となる障害が検出されていない2つのストレートルートの伝送路または2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えるように構成したので、伝送路にたすきがけ障害が発生した場合でもデータ伝送を継続することができ、また、2つのストレートルートおよび2つのクロスルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信しているので、障害の回復によっていずれか1つでもルートが回復すれば、その健全なルートに即座に切り替えを行うことができ、通信システムの信頼性をより向上させる効果が得られる。
【0037】
この発明によれば、障害検出部による両信号共に異常となる信号が規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に障害と判定し、その障害判定後に両信号共に正常となる信号が規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に回復と判定する判定部を備えるように構成したので、通信ルートの切り替えおよび切り戻しに保護段数を設けることができ、伝送路のランダム的な擾乱時に、頻繁に通信ルートの切り替えおよび切り戻しが行われることを防ぎ、通信システムの安定動作を図ることができ、通信システムの信頼性をより向上させる効果が得られる。
【0038】
この発明によれば、データを送信する2つのストレートルートの伝送路または2つのクロスルートの伝送路を手動により切り替え自在にする手動切り替え部と、現在使用中の伝送路のルートを表示する表示部とを備えるように構成したので、通信エラー時の障害箇所の切分けなど保守点検を簡便に行うことができ、また、伝送制御部の異常時で通信ルートの自動切り替えが不可となった場合等、手動で通信ルートを切り替えて通信を再開させることができ、通信システムの保守運用性をより向上させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるデータ伝送制御システムを示す構成図である。
【図2】 伝送路のたすきがけ障害時の伝送ルートを示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるデータ伝送制御システムを示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるデータ伝送制御システムを示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4によるデータ伝送制御システムを示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5によるデータ伝送制御システムを示す構成図である。
【図7】 従来の2ルート伝送制御システムを示すシーケンス図である。
【符号の説明】
11〜14 ATM交換機(交換機)、15 ATM網(通信網)、16〜19 伝送路、21 伝送装置(第1の伝送装置)、22,25,25a,25b,32,35,35a,35b 障害検出部、23,33 伝送制御部、24,24a,24b,34,34a,34b ヘルスチェック信号送信部、26,26a,26b,36,36a,36b タイマ(判定部)、27,37 手動切り替え部、28,38 LED(表示部)、31 伝送装置(第2の伝送装置)。

Claims (5)

  1. 複数の交換機からなる通信網と、
    上記複数の交換機のうちの第1の交換機に第1の伝送路を介して接続されると共に第2の交換機に第2の伝送路を介して接続された第1の伝送装置と、
    上記複数の交換機のうちの第3の交換機に第3の伝送路を介して接続されると共に第4の交換機に第4の伝送路を介して接続された第2の伝送装置と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、上記第1および上記第3の伝送路および上記第1および上記第3の交換機を経由する第1のストレートルート、上記第2および上記第4の伝送路および上記第2および上記第4の交換機を経由する第2のストレートルートの2つのストレートルートの伝送路を介して受信された両データが共に異常となる障害を検出する障害検出部と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、上記障害検出部による両データが共に異常となる障害が検出されていない時は、2つのストレートルートの伝送路を介してデータを送信し、その障害検出部による両データが共に異常となる障害が検出された時は、上記第1および上記第4の伝送路および上記第1および上記第4の交換機を経由する第1のクロスルート、上記第2および上記第3の伝送路および上記第2および上記第3の交換機を経由する第2のクロスルートの2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えたデータ伝送制御システム。
  2. 複数の交換機からなる通信網と、
    上記複数の交換機のうちの第1の交換機に第1の伝送路を介して接続されると共に第2の交換機に第2の伝送路を介して接続された第1の伝送装置と、
    上記複数の交換機のうちの第3の交換機に第3の伝送路を介して接続されると共に第4の交換機に第4の伝送路を介して接続された第2の伝送装置と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、上記第1および上記第3の伝送路および上記第1および上記第3の交換機を経由する第1のストレートルート、上記第2および上記第4の伝送路および上記第2および上記第4の交換機を経由する第2のストレートルートの2つのストレートルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信するヘルスチェック信号送信部と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号が共に異常となる障害を検出する障害検出部と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、上記障害検出部による両信号が共に異常となる障害が検出されていない時は、2つのストレートルートの伝送路を介してデータを送信し、その障害検出部による両信号が共に異常となる障害が検出された時は、上記第1および上記第4の伝送路および上記第1および上記第4の交換機を経由する第1のクロスルート、上記第2および上記第3の伝送路および上記第2および上記第3の交換機を経由する第2のクロスルートの2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えたデータ伝送制御システム。
  3. 複数の交換機からなる通信網と、
    上記複数の交換機のうちの第1の交換機に第1の伝送路を介して接続されると共に第2の交換機に第2の伝送路を介して接続された第1の伝送装置と、
    上記複数の交換機のうちの第3の交換機に第3の伝送路を介して接続されると共に第4の交換機に第4の伝送路を介して接続された第2の伝送装置と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、上記第1および上記第3の伝送路および上記第1および上記第3の交換機を経由する第1のストレートルート、上記第2および上記第4の伝送路および上記第2および上記第4の交換機を経由する第2のストレートルートの2つのストレートルート、および上記第1および上記第4の伝送路および上記第1および上記第4の交換機を経由する第1のクロスルート、上記第2および上記第3の伝送路および上記第2および上記第3の交換機を経由する第2のクロスルートの2つのクロスルートの伝送路を介してヘルスチェック信号を送信するヘルスチェック信号送信部と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、2つのストレートルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号が共に異常となる障害を検出すると共に、2つのクロスルートの伝送路を介して受信されたヘルスチェック信号の両信号が共に異常となる障害を検出する障害検出部と、
    上記第1および上記第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、上記障害検出部による両信号が共に異常となる障害が検出されていない2つのストレートルートの伝送路または2つのクロスルートの伝送路を介してデータを送信する伝送制御部とを備えたデータ伝送制御システム。
  4. 第1および第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、障害検出部による両信号が共に異常となる信号が規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に障害と判定し、その障害判定後に両信号が共に正常となる信号が規定時間、あるいは規定回数以上検出された場合に回復と判定する判定部を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3記載のデータ伝送制御システム。
  5. 第1および第2の伝送装置にそれぞれ設けられ、データを送信する2つのストレートルートの伝送路または2つのクロスルートの伝送路を手動により切り替え自在にする手動切り替え部と、
    現在使用中の伝送路のルートを表示する表示部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のデータ伝送制御システム。
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