JP4299027B2 - 被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、インクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法 - Google Patents

被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、インクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式が、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像―定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録装置として種々の用途において急速に普及している。さらに、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。また、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
上述のようなインクジェット記録方法に適した被記録媒体としては、所謂、上質紙・ボンド紙などに代表される普通紙タイプと、上質紙などの紙、合成紙、合成樹脂フィルムなどの支持体上にインク受理層を設けた塗工紙タイプに大別される。塗工紙タイプはインクジェット記録された画像の品位に優れることから、高品質を要求される用途において使用され、近年では光沢タイプのインクジェット記録シートも上市され需要を伸ばしている。
【0004】
インクジェット記録方法に適した被記録媒体としては、近年、炭酸カルシウムを顔料として用いる被記録媒体が注目されている。
【0005】
既に粒子径0.5〜30μmの中空球状バテライト型結晶系炭酸カルシウムを含む嵩高の中性紙が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、 カルサイト型結晶系を有する炭酸カルシウムを含有する被記録媒体が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。さらにカルサイト若しくはアラゴナイト型結晶系を有する特定の比表面積の炭酸カルシウムを含有する被記録媒体(例えば、特許文献4参照)、特定の粒子径を有する炭酸カルシウムよりなるインク受理層を有する被記録媒体が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0006】
これらの提案による方法では、インクジェット記録方法による記録に用いた場合、被記録媒体のインク吸収性や表面性はコントロールできるものの、画像を形成している染料の耐水性や発色性、表面強度については満足なものが得られなかった。そこで、バテライト型構造を有する炭酸カルシウムを顔料、あるいは抄紙内添用として用いる提案がなされている(例えば、特許文献6参照)。
【0007】
しかしながらこの提案によっても、画像を形成している染料の耐水性や発色性については十分に満足なものが得られていないのが現状である。
【0008】
【特許文献1】
特公平4−50435号公報
【特許文献2】
特公平7−4962号公報
【特許文献3】
特公平7−4963号公報
【特許文献4】
特公平7−4964号公報
【特許文献5】
特開平11−020301号公報
【特許文献6】
特開2001−162923号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、本発明の目的は、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記に鑑み鋭意研究した結果、本発明の被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、インクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法を発明するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の被記録媒体は、水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の被記録媒体は、顔料およびバインダーからなるインク受理層を基材上に設けた被記録媒体において、顔料として水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の被記録媒体は、水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を繊維状物質を含むスラリー中に添加して抄紙してなることを特徴とするものである。
【0014】
上記発明において、上記複合体のBET比表面積としては、5〜500m2/gであることが好ましい。
【0015】
また、上記発明において、上記複合体の一次粒子の平均粒子径は、250nm以下であることが好ましい。
【0016】
上記発明において、インクジェット記録用被記録媒体が被記録媒体からなることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のインクジェット記録方法が、インクの液滴を微細孔から吐出させ、被記録媒体に付与して印字を行うインクジェット記録方法であり、上記発明の該被記録媒体であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の印字物が、上記発明における被記録媒体に画像が形成されてなることを特徴とするものである。
【0019】
さらに、本発明の被記録媒体の製造方法が、水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含む分散液を、基材上に塗布するか、または繊維状物質を含むスラリー中に添加して抄紙することを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法について、詳細に説明する。
【0021】
本発明の被記録媒体は、少なくとも水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とする被記録媒体である。例えば、水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体が、繊維状物質中に、原料調整の段階から添加された構成、または基材上に主として水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体、およびバインダーからなるインク受理層を設けた構成である。
【0022】
炭酸カルシウムの中で、バテライト型結晶系の構造を有するものは、インク中の染料の定着性が良く、他の結晶系の構造を有する炭酸カルシウムと比較して染料の耐水性が優れており、被記録媒体の塗工用顔料および填料に用いる材料としては最も好ましい。
【0023】
このバテライト型結晶系炭酸カルシウムがケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAとの複合体になることで、バテライト型結晶系炭酸カルシウム単独のものよりもより一層親水性が向上し、インク中の染料の定着性、染料の耐水性がさらに優れ、より染料の発色性および耐水性に優れ、且つインク吸収性に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される(この水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVAとの複合体を、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体、または単に複合体と称することにする)。また、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体自身が接着能力を有し、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。
【0024】
バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体は、水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られる。水中の水酸化カルシウムに二酸化炭素を吹き込むだけでは、得られる炭酸カルシウムの結晶系は通常カルサイトであるが、一定量以上のケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAとの複合体になることにより、不安定なバテライト型結晶系炭酸カルシウム部分がカルサイト型結晶系に転移することなく、安定なバテライト型結晶系炭酸カルシウムとPVAとの複合体として生成する。あまりに複合化されるPVA量が少ないと、バテライト型結晶系炭酸カルシウム部分がカルサイト型結晶系に転移してしまう。本発明において用いられる、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体において、バテライト型炭酸カルシウム部分とPVAとの複合化比は何ら制限されるものではないが、X線構造回折測定において、炭酸カルシウム部分の結晶構造がバテライト型結晶系であることが確認されたものでなくてはならない。
【0025】
バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の形状は、通常、球状となるが、本発明において用いられるバテライト型結晶系炭酸カルシウムとPVAとの複合体の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円板状などであってもよい。
【0026】
本発明において用いられるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の一次粒子の平均粒子径は、好ましくは250nm以下であり、特に下限はない。一次粒子の平均粒子径が250nmより大きい場合には、インキ中の染料を十分に吸着・固定することができなくなり、染料の耐水性や発色性が落ちる可能性がある。
【0027】
また、本発明において用いられるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の二次粒子の平均粒子径は、特に制限されるものではない。通常3.0μm以下程度であることが多いが、例えば塗工用顔料として用いる場合、均一な顔料分散が困難であったり、塗工過程の操業性を妨げることがなければ、二次粒子の平均粒子径はこれより大きくても何ら支障をきたすものではない。ただし、本発明の請求項4記載のBET比表面積の条件を満たしていることが好ましい。
【0028】
さらに、本発明において用いられるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体のBET比表面積は、5〜500m2/gの範囲が好ましい。より好ましくは10〜400m2/gの範囲である。BET比表面積が上記範囲の下限よりも小さい場合には、インク中の染料を十分に吸着・固定することが出来なくなり、染料の発色性や耐水性が低下する可能性がある。また、上記範囲の上限より大きい場合には、インク中の溶媒の吸収性が低下する可能性があるとともに、顔料としてのバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を、基材上に均一に塗工できなくなる可能性がある。
【0029】
本発明において、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体に、他の顔料を併用することは、何ら制限されるものではない。他の顔料としては、従来公知の軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー焼成クレー、重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、プラスティックピグメント、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、ゼオライト、ケイソウ土、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。他の顔料との併用の場合、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体が、全顔料中において少なくとも10質量以上、さらに好ましくは30質量以上配合されることが必要であり、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の配合量が少な過ぎると本発明の効果が十分には得られない。
【0030】
本発明の被記録媒体がインク受理層を有する形態の場合には、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体と、インク受理層を構成する接着剤としては、水溶性高分子および水分散性高分子の中から自由に選択して用いることが可能である。例えば、通常の澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフレッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコールまたはその変性体(カチオン変性体、アニオン変性体、シラノール変性体)、ゼラチン、ワックス、カゼイン、大豆蛋白などの天然物およびこれらをカチオン化したもの、スチレン−ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの各種共重合ラテックス、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリン、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。これらの水溶性高分子および水分散性高分子は、単独或いは複合して用いることが可能である。
【0031】
顔料(バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体、および他の顔料を含む)と接着剤の固形分混合比は、顔料:接着剤=1:1〜30:1の範囲で任意に選択することが可能である。より好ましい範囲は、顔料:接着剤=5:1〜25:1である。顔料に対する接着剤の配合比が上記範囲よりも少ない場合は、インク受理層の機械的強度が不足して、インク受理層にひび割れや粉落ちが発生し易くなり、上記範囲よりも少ない場合は、インク受理層の細孔容積が少なくなって、インクの吸収性が低下する可能性がある。
【0032】
本発明における顔料および接着剤から構成されるインク受理層には、必要に応じて他の成分を配合して構わない。例えば、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤などが好適に用いられる。
【0033】
本発明における被記録媒体の基材としては、例えば、ノーサイズプレス原紙、あるいは澱粉、ポリビニルアルコールなどでサイズプレスされた原紙などを用いることができる。また、必要とする原紙の密度、平滑度を得る為に各種カレンダー処理を施す場合もある。一連の操業で、塗工、乾燥された印刷用塗工紙は、必要に応じて各種カレンダー処理が施される。他にも例えばポリエチレンなどを用いたレジンコート紙類、熱可塑性フィルム類などが挙げられる。基材として熱可塑性フィルムを用いる場合は、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロール、ポリエチレン、ポリカーボネートなどの透明フィルムや、顔料の充填または微細な発泡により不透明化したフィルムを用いることができる。
【0034】
本発明における被記録媒体の基材が原紙である時、使用されるパルプは特に制限されるものではなく、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMPなどの他に、古紙パルプが挙げられ、必要に応じて単独或い併用して用いられる。
【0035】
なお、古紙パルプの原料としては、(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に記されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。さらに具体例としては、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙、などのプリンター用紙、およびPPC用紙などのOA古紙、アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙などの塗工紙、或いは上質紙、色上紙、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートンなどの非塗工紙などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留まりパルプ含有紙などが使用されるが、印字、複写、印刷、非印刷を問わず特に限定されるものではない。
【0036】
本発明における被記録媒体の基材が原紙である時、抄紙方法における抄紙機は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、丸網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機が適宜使用できる。
【0037】
本発明における被記録媒体において、基材上にインク受理層を形成する方法としては、上記のバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を有する顔料および接着剤を含む分散液を塗工機を用いて基材上に塗工・乾燥する方法を用いることができる。
【0038】
塗工方法としては特に限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロール、シムサイザーなどの各種メタードフィルムトランスファー、エアナイフ、ロッド、ダイレクトファウンテン、スプレー、ブレードなど各方式を適宜使用して構わない。
【0039】
分散液の塗工量は、乾燥固形分換算で好ましくは0.5〜60g/m2、さらに好ましくは5〜45g/m2である。また、必要に応じて塗工後にカレンダーロールなどを用いてインク受理層の表面平滑を良くすることも可能である。
【0040】
また、本発明のバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を内添したタイプの被記録媒体は、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体(またはその分散液)を、抄紙工程において繊維状物質を含むスラリー中に添加する内添法を用いて製造することが好ましい。この場合、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の内添量は、パルプ固形分重量に対して0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜25質量%である。バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の内添量が上記範囲を外れると本発明の目的は充分には達成されない。かかる方法では、必要に応じて紙力向上剤、歩留まり向上剤、着色剤を同じに添加して用いることができる。歩留まり向上剤としては、例えば、カチオン化澱粉、ジシアンジアミドホルマリン縮合物などのカチオン性歩留まり向上剤;アニオン性ポリアクリルアマイド、アニオン性コロイダルシリカなどのアニオン性歩留まり向上剤を単独または併用して用いることができる。
【0041】
本発明におけるインクジェット記録用被記録媒体は、インクジェット被記録媒体としての使用に留まらず、記録時に液状であるインクを使用するような被記録媒体として用いることもできる。さらに、複写機・プリンターなどに広く使用されている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する被記録媒体として、本発明におけるインクジェット記録用被記録媒体を使用することもできる。
【0042】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
BET比表面積の測定は以下のようにして行った。合成したバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を、十分加熱・脱気してから窒素吸着脱離法を用いて測定した。島津製作所製アキュソーブ2100Eを用いて測定した。
【0044】
X線構造回折測定は、理学電機製X線回折装置を用いて測定した。
【0045】
合成したバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体の形状観察はSEM(日本電子製SCANNING MICROANALYZER JXA−840)を用いて行った。
【0046】
<バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの製造>
2リットルの水中にPVA(日本合成化学工業製、商品名NH−26)10gを添加し、1時間90℃で加温した後、室温まで冷却し、水酸化カルシウム100gを添加。これを30℃に保った状態で、炭酸ガスを2時間吹き込んだ。そのまま30℃で24時間攪拌し、生成物を濾過、洗浄、乾燥させることで、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aを得た。aの結晶系の確認はX線構造回折測定で行い、バテライト型結晶系であることが確認された。次いで、SEMによる形状観察を行った結果、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aは、球状の一次粒子が集合し、さらに大きな球状の二次粒子になっていることが確認された。バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの一次粒子は170nm、二次粒子は2.0μm、BET比表面積は12m2/gであった。
【0047】
<バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体bの製造>
2リットルの水中にPVA(日本合成化学工業製、商品名NH−26)10gを添加し、1時間90℃で加温した後、室温まで冷却し、水酸化カルシウム100gを添加。これを30℃に保った状態で、炭酸ガスを2時間吹き込んだ。28℃で12時間攪拌し、生成物を濾過、洗浄、乾燥させることで、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体bを得た。bの結晶系の確認はX線構造回折測定で行い、バテライト型結晶系であることが確認された。次いで、SEMによる形状観察を行った結果、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体bは、球状の一次粒子が集合し、さらに大きな球状の二次粒子になっていることが確認された。バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体bの一次粒子は150nm、二次粒子は1.5μm、BET比表面積は17m2/gであった。
【0048】
<バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体cの製造>
2リットルの水中にPVA(日本合成化学工業製、商品名NH−26)10gを添加し、1時間90℃で加温した後、室温まで冷却し、水酸化カルシウム100gを添加。これを30℃に保った状態で、炭酸ガスを2時間吹き込んだ。35℃で36時間攪拌し、生成物を濾過、洗浄、乾燥させることで、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体cを得た。cの炭酸カルシウム部分の結晶系の確認はX線構造回折測定で行い、バテライト型結晶系であることが確認された。次いで、SEMによる形状観察を行った結果、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体cは、球状の一次粒子が集合し、さらに大きな球状の二次粒子になっていることが確認された。バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体cの一次粒子は180nm、二次粒子は2.6μm、BET比表面積は4m2/gであった。
【0049】
<バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体dの製造>
1.5リットルの水中にPVA(日本合成化学工業製、商品名NH−26)10gを添加し、1時間90℃で加温した後、室温まで冷却し、水酸化カルシウム100gを添加。これを30℃に保った状態で、炭酸ガスを2時間吹き込んだ。30℃で24時間攪拌し、生成物を濾過、洗浄、乾燥させることで、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体dを得た。dの炭酸カルシウム部分の結晶系の確認はX線構造回折測定で行い、バテライト型結晶系であることが確認された。次いで、SEMによる形状観察を行った結果、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体dは、球状の一次粒子が集合し、さらに大きな球状の二次粒子になっていることが確認された。バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体dの一次粒子は260nm、二次粒子は2.0μm、BET比表面積は9m2/gであった。
【0050】
<カルサイト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体eの製造>
2リットルの水中にPVA(日本合成化学工業製、商品名NH−26)0.1gを添加し、1時間90℃で加温した後、室温まで冷却し、水酸化カルシウム100gを添加。これを30℃に保った状態で、炭酸ガスを2時間吹き込んだ。30℃で24時間攪拌し、生成物を濾過、洗浄、乾燥させることで、カルサイト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体eを得た。eの炭酸カルシウム部分の結晶系の確認はX線構造回折測定で行い、カルサイト型結晶系であることが確認された。
【0051】
<バテライト型結晶系炭酸カルシウムfの製造>
硝酸カルシウム4水塩を236g、尿素120g、およびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを0.36gを混合し、密閉容器中にて、120℃で12時間加熱して反応を行った。この反応生成物に360gの水を加えて、濾過、洗浄、乾燥させることで、バテライト型結晶系炭酸カルシウムfを得た。fの炭酸カルシウム部分の結晶系の確認はX線構造回折測定で行い、バテライト型結晶系であることが確認された。次いで、SEMによる形状観察を行った結果、バテライト型結晶系炭酸カルシウムfは、球状の一次粒子が集合し、さらに大きな球状の二次粒子になっていることが確認された。バテライト型結晶系炭酸カルシウムの一次粒子は240nm、二次粒子は1.4μm、BET比表面積は13m2/gであった。
【0052】
a〜fの物性測定結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004299027
【0054】
<被記録媒体用基材gの製造>
濾水度450mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに填料として軽質炭酸カルシウムTP−121(奥多摩工業社製)を対パルプ8質量部、両性澱粉Cato3210(王子ナショナル社製)を対パルプ0.8質量部、硫酸バンドを対パルプ1質量部、中性ロジンサイズ剤としてNeuSize M―10(ハリマ化成社製)を対パルプ0.35質量部、歩留まり向上剤としてNR―11LS(ハイモ社製)を対パルプ0.02質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、表面サイズプレス液の澱粉糊液として酸化澱粉MS3800(王子コーンスターチ社製)を液濃度6質量%になるように調整し、塗工量が両面で1.5g/m2となるように塗工を行い、マシンカレンダー掛けをして坪量64g/m2の被記録媒体用基材gを製造した。
【0055】
<被記録媒体用基材hの製造>
濾水度450mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに填料として上記方法により製造したバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aを対パルプ8質量部、両性澱粉Cato3210(王子ナショナル社製)を対パルプ0.8質量部、硫酸バンドを対パルプ1質量部、中性ロジンサイズ剤としてNeuSize M−10(ハリマ化成社製)を対パルプ0.35質量部、歩留まり向上剤としてNR−11LS(ハイモ社製)を対パルプ0.02質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、表面サイズプレス液の澱粉糊液として酸化澱粉MS3800(王子コーンスターチ社製)を液濃度6質量%になるように調整し、塗工量が両面で1.5g/m2となるように塗工を行い、マシンカレンダー掛けをして坪量64g/m2の被記録媒体用基材hを製造した。
【0056】
<被記録媒体用基材iの製造>
濾水度450mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに填料として上記方法により製造したバテライト型結晶系炭酸カルシウムfを対パルプ8質量部、両性澱粉Cato3210(王子ナショナル社製)を対パルプ0.8質量部、硫酸バンドを対パルプ1質量部、中性ロジンサイズ剤としてNeuSize M−10(ハリマ化成社製)を対パルプ0.35質量部、歩留まり向上剤としてNR−11LS(ハイモ社製)を対パルプ0.02質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、表面サイズプレス液の澱粉糊液として酸化澱粉MS3800(王子コーンスターチ社製)を液濃度6質量%になるように調整し、塗工量が両面で1.5g/m2となるように塗工を行い、マシンカレンダー掛けをして坪量64g/m2の被記録媒体用基材iを製造した。
【0057】
被記録媒体用基材g〜iについて表2に示す。
【0058】
【表2】
Figure 0004299027
【0059】
被記録媒体については、次に記載した評価方法によってインクジェット記録評価を行った。
【0060】
<染料の発色性>
EPSON製インクジェットプリンターPM−780Cを用いて評価画像印字した後、黒インクでベタ印字した部分の画像濃度を目視で判定を行った。Aは特性が良好、Bは事実上問題ない範囲で良好、Cは事実上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0061】
<耐水性>
EPSON製インクジェットプリンターPM−780Cを用いて評価画像印字した後、カラーインクの文字印字部分について、水滴を1滴垂らし自然乾燥後、文字のにじみ具合を目視で判定した。Aは特性が良好、Bは事実上問題ない範囲で良好、Cは事実上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0062】
<インク吸収性>
EPSON製インクジェットプリンターPM−780Cを用いて評価画像印字した後、カラーインクの文字印字部分の溢れを目視で判定した。Aは特性が良好、Bは事実上問題ない範囲で良好、Cは事実上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0063】
<表面強度>
デニソンワックス(粘着力の異なるワックス棒、数字の大きいほど粘着力が強い)を使用し、アルコールランプで溶かしたワックス棒を被記録媒体表面に立てて、15分放冷後、ワックス棒をはがした。被記録媒体表面の状態を見て、剥けの起こらない最高の番号で示すが、16A以上のものは16Aとして表示した。通常14Aでは問題なく、13A以下では実用上問題がある。
【0064】
実施例1
上記方法により製造したバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aを、固形分濃度が53質量%になるように水中に分散させた。この際、分散剤としてアロンT−40(東亜合成社製)を対顔料固形分で1.0質量使用した。この分散液に、市販スチレンブタジエン共重合ラテックスを対顔料固形分で6質量、市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC)を対顔料固形分で0.1質量添加し、最終固形分濃度が48質量%になるように水を添加し調整した。得られた塗工液を被記録媒体用基材g上に、ロッドコーターを用いて、乾燥固形分換算で20g/m2になるように塗工した。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表3に示す。
【0065】
実施例2
実施例1において、分散液の顔料を、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの代わりに、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体bにした以外は、全て実施例1と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表3に示す。
【0066】
実施例3
実施例1において、分散液の顔料を、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの代わりに、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体cにした以外は、全て実施例1と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表3に示す。
【0067】
実施例4
実施例1において、分散液の顔料を、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの代わりに、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体dにした以外は、全て実施例1と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表3に示す。
【0068】
比較例1
実施例1において、分散液の顔料を、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの代わりに、カルサイト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体eにした以外は、全て実施例1と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表3に示す。
【0069】
比較例2
実施例1において、分散液の顔料を、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体aの代わりに、バテライト型結晶系炭酸カルシウムfにした以外は、全て実施例1と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表3に示す。
【0070】
【表3】
Figure 0004299027
【0071】
表3の結果から明らかなように、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とする被記録媒体では、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。顔料およびバインダーからなるインク受理層を基材上に設けた被記録媒体において、顔料としてバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とする被記録媒体では、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。さらに好ましくは、顔料として用いられるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体が、BET比表面積5〜500m2/g、一次粒子の平均粒子径が、250nm以下であることを特徴とする場合、より一層、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。
【0072】
実施例5
市販カルサイト型結晶系炭酸カルシウムTP−121を、固形分濃度が55質量%になるように水中に分散させた。この際、分散剤としてアロンT−40(東亜合成社製)を対顔料固形分で1.0質量使用した。この分散液に、市販スチレンブタジエン共重合ラテックスを対顔料固形分で8質量、市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC)を対顔料固形分で0.15質量添加し、最終固形分濃度が50質量%になるように水を添加し調整した。得られた塗工液を被記録媒体用基材h上に、ロッドコーターを用いて、乾燥固形分換算で18g/m2になるように塗工した。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表4に示す。
【0073】
比較例3
実施例5において、被記録媒体用基材hの代わりに、被記録媒体用基材gを用いた以外は、全て実施例5と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表4に示す。
【0074】
比較例4
実施例5において、被記録媒体用基材hの代わりに、被記録媒体用基材iを用いた以外は、全て実施例5と同様にして行った。得られた被記録媒体のインクジェット記録評価結果について、表4に示す。
【0075】
【表4】
Figure 0004299027
【0076】
表4の結果から明らかなように、バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とする被記録媒体では、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。バテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を繊維状物を含むスラリー中添加して抄紙してなることを特徴とする被記録媒体では、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。さらに好ましくは、抄紙工程で繊維状物を含むスラリー中添加されるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体が、BET比表面積5〜500m2/g、一次粒子の平均粒子径が、250nm以下であることを特徴とする場合、より一層、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、染料の発色性、および耐水性に優れ、且つインク吸収性、表面強度に優れたインクジェット記録方法による記録に好適に使用することができる被記録媒体、インクジェット記録用被記録媒体、この被記録媒体を用いたインクジェット記録方法、印字物および被記録媒体の製造方法が提供される。

Claims (9)

  1. 水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とする被記録媒体。
  2. 顔料およびバインダーからなるインク受理層を基材上に設けた被記録媒体において、顔料として水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含むことを特徴とする被記録媒体。
  3. 水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を繊維状物質を含むスラリー中に添加して抄紙してなることを特徴とする被記録媒体。
  4. 上記複合体のBET比表面積が、5〜500m2/gである請求項1〜3の何れか1項に記載の被記録媒体。
  5. 上記複合体の一次粒子の平均粒子径が、250nm以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の被記録媒体。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の被記録媒体からなるインクジェット記録用被記録媒体。
  7. インクの液滴を微細孔から吐出させ、被記録媒体に付与して印字を行うインクジェット記録方法において、被記録媒体が、請求項1〜6の何れか1項に記載の被記録媒体であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 前記請求項1〜6の何れか1項に記載の被記録媒体に画像が形成されてなることを特徴とする印字物。
  9. 水中に水酸化カルシウムとケン化度が99.4mol%以上である完全ケン化型PVAを添加し、二酸化炭素ガスを吹き込む方法で得られるバテライト型結晶系炭酸カルシウム/PVA複合体を含む分散液を、基材上に塗布するか、または繊維状物質を含むスラリー中に添加して抄紙することを特徴とする被記録媒体の製造方法。
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