JP4297578B2 - 不透明石英ガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、不透明石英ガラスの製造方法、さらに詳しくは微細な気泡が均一に分散し、熱線遮断性に優れた高純度の不透明石英ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、不透明石英ガラスは、その不透明性を利用した熱線遮断材料として、例えば半導体熱処理用炉芯管などのフランジ材、または半導体熱処理治具の把持部形成材料として用いられてきた。前記不透明石英ガラスの製造方法としては、耐熱性型内に充填したガラス原料を非酸化性雰囲気下で特定の温度条件で溶融する方法(特開平7−69674号公報)、石英粉もしくはガラス粉にカーボン粉や窒化珪素などを添加混合し、加熱溶融する方法(特開平4−65328号公報)、またはアンモニア化石英ガラス原料を加熱溶融する方法(特開平5−345636号公報)などが挙げられる。しかし、前記非酸化雰囲気中で加熱溶融する方法で得た不透明石英ガラスは赤外域の遮光能力が不十分でフィン保温筒など赤外線の遮断を高く要求する部材の材料としては満足できるものでなく、また、カーボン粉や窒化珪素などは、石英粉並みの高純度のものが少なく、かつ高価であり、また添加混合する場合も、粒径が小さい(0〜20μm)ものしかないため均一混合が難しく、加熱溶融する方法で得た不透明石英ガラスは、固体粒子の混合や固相反応・分解反応などが均一に行われず、気泡の分散が片寄る欠点があった。さらに、アンモニア化石英ガラス原料を加熱溶融する方法で得た不透明石英ガラスは、大きな気泡を有し機械的強度が不足し半導体治具の材料として使用できないなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうした現状に鑑み、本発明者等は、鋭意研究を続けた結果、揮発性珪素化合物を火炎加水分解して得た石英ガラス微粒子を堆積して得た多孔質石英ガラス体に化学蒸着法(Vapor‐Phase Deposition Method)で炭素元素をドープして気泡材を形成し、それを石英粉に混合したのち、加熱溶融することで熱線遮断性に優れ、機械的強度が高く、かつ高純度の不透明石英ガラスが製造できることを見出して、本発明を完成したものである。すなわち、
【0004】
本発明は、微細な気泡が均一に分散し熱線遮断性に優れ、機械的強度が高く、かつ高純度の不透明石英ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、揮発性珪素化合物を加水分解して得た石英ガラス微粒子をSi(CH 3 )Cl 3 、Si(CH 3 )H又はSi(CH 3 ) 4 から選ばれる揮発性有機珪素化合物の雰囲気中で加熱処理し炭素元素をドープして気泡材を形成した後、それを石英粉と0.5〜20重量%の範囲で混合し、加熱溶融することを特徴とする不透明石英ガラスの製造方法に係る。
【0006】
上記炭素元素を含有する気泡材とは、精製した高純度のSi(CH3)Cl3、Si(CH3)H又はSi(CH3)4の揮発性珪素化合物を酸水素火炎中で加水分解し、石英ガラス微粒子を形成し、堆積したのち炭素元素を化学蒸着法(Vapor‐Phase Deposition Method)でドープし、粉砕して得た粉体をいう。前記炭素元素をドープするには、Si(CH3)Cl3、Si(CH3)H又はSi(CH3)4の揮発性有機珪素化合物の雰囲気中で加熱処理するのがよい。この揮発性有機珪素化合物雰囲気は、窒素などの不活性ガスを0.5〜2.0容量%の範囲で混合できる。炭素元素は、単体或はSiCとして存在し、加熱溶融でSiO2と反応し、CO2、COのガスとなり気泡を形成し、不透明ガラスの不透明度を増大する。
【0007】
また、石英粉としては、結晶質石英粉および非晶質粉が使用されるが、特に超高純度の水晶粉または高純度の水晶粉を米国特許第4,983,370号明細書に記載の純化処理した水晶粉が耐熱性の点からよい。非晶質粉としては、アルコキシシランをアルコール溶媒中で酸及び/又は塩基性触媒の存在下で加水分解し、それを加温条件下でゲル化したのち、乾燥し、焼成ガラス化して得た石英ガラス粉末、多孔質石英ガラス体を粉砕して得た石英ガラス粉末などが挙げられる。前記結晶質石英粉および非晶質粉の粒度は350μm〜50μmの範囲に調整されるのがよい。
【0008】
本発明の製造方法にあっては、上記気泡材を石英粉に対して0.5〜20重量%の割合で混合するが、これにより原料中の炭素元素の含有量は5〜30,000ppmとなる。該原料を加熱溶融することで、得られた不透明石英ガラス中の炭素元素の含有量は5〜10,000ppmの範囲となる。そして、気泡直径は10〜180μm、密度は2.0g/cm3以上と、機械的強度が高い上に、気泡が微細で、かつ均一であることから装置との接着の時の密着性や熱線遮断性が良好となる。気泡材の混合量が0.5重量%未満では気泡の形成が十分でなく熱線の遮断性に欠け、また20重量%を超えると、高い反射率が得られるが機械的強度が落ち、高温粘性も低下し、半導体治具に使用できない。
【0009】
【発明の実施の態様】
次に具体例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はそれにより限定されるものではない。
【0010】
【実施例】
実施例1
四塩化珪素を酸水素火炎中で加水分解反応させ、石英ガラス微粒子を形成し、堆積して多孔質石英ガラス体を製造した。該多孔質石英ガラス体をN 2 :Si(CH 3 )Cl 3 =1:1の混合ガスがフローする雰囲気処理炉に入れ、900℃に昇温し5時間に保持して炭素含有多孔質石英ガラス体を得た。得られた炭素含有多孔質石英ガラス体中の炭素元素濃度は20,000ppmであった。前記炭素含有多孔質石英ガラス体を粒度250μm以下に粉砕して気泡材を製造した。この気泡材の1.0kgを予め用意した粒度500μm以下の水晶粉20kgとボールミルを用いて混合し、内径230mm×高さ400mmのカーボン製鋳型中に充填した。カーボン製鋳型内を1×10−2Torrまで減圧し混合粉体に含まれる気体を除去し、N2に置換したのち、1気圧に保って加熱溶融した。加熱温度は室温から1800℃までは10時間かけて昇温し、同温度に5時間保持し、その後10時間かけて室温まで冷却した。得られた不透明石英ガラス体は、外径230mm、高さ120mmであった。この不透明石英ガラス体を下面から60mmの高さで水平にカットし、厚さ4mmの板状サンプルを切り出し、表面をファイアポリシュしたのち、中心から、外周に向って2mm毎に、赤外線2μmの透過率を測定した。赤外線透過率は1〜4%の範囲にあった。また、前記サンプルの比重を測定したところ2.10であり、前記比重は、アルキメデス法に気泡径は10〜180μmの範囲にあった。さらに、気泡密度は200,000個/cm 3 、含有炭素元素濃度は2000ppmであった。前記比重は、アルキメデス法により測定した値、気泡径及び気泡密度はDIN58927に準じて測定した値、窒素元素濃度は、不活性ガス融解伝導度法により測定した値である。
【0012】
比較例1
水晶粉を、実施例1と同様に内径230mm×高さ400mmのカーボン製鋳型中に充填し、1×10-2Torrまで減圧して含有する気体を除去したのち、N2に置換し、1800℃までは10時間かけて昇温し、同温度に5時間保持したのち、10時間かけて室温まで冷却して不透明石英ガラス体を製造した。得られた不透明石英ガラス体からサンプルを切り出し、実施例1と同様にして赤外線透過率、比重、気泡直径、気泡密度を測定したところ、赤外線透過率は、4〜8%、比重は2.10、気泡直径は10〜130μm、気泡密度は40,000個/cm3であった。
【0013】
本発明の製造方法では、気泡直径が10〜180μm、密度が2.0g/cm 3 以上と機械的強度が優れ、かつ、微細な気泡が均一に分散していて熱線遮断性がよく半導体熱処理用炉芯管のフランジ材や半導体熱処理治具の把持材として有用であるという効果を奏します。
Claims (3)
- 揮発性珪素化合物を加水分解して得た石英ガラス微粒子をSi(CH 3 )Cl 3 、Si(CH 3 )H又はSi(CH 3 ) 4 から選ばれる揮発性有機珪素化合物の雰囲気中で加熱処理し炭素元素をドープして気泡材を形成した後、それを石英粉と0.5〜20重量%の範囲で混合し、加熱溶融することを特徴とする不透明石英ガラスの製造方法。
- 石英粉が天然結晶質石英粉であることを特徴とする請求項1記載の不透明石英ガラスの製造方法。
- 請求項1又は2記載の不透明石英ガラス中の炭素元素の含有量を5〜10,000ppm、気泡直径を10〜180μm、密度を2.0g/cm 3 以上とすることを特徴とする不透明石英ガラスの製造方法。
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