JP4295955B2 - インターフェロンαレセプター2型遺伝子の多型およびその使用 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象、例えば、C型肝炎ウイルス感染者などのインターフェロンを投与されるべき対象においてインターフェロンの効果を予測するためのマーカー遺伝子、それを利用したインターフェロンの効果を予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本にはC型肝炎ウイルス(以下HCV)感染者が約200万人存在する。HCVに感染した人の多くは、やがて慢性肝炎を発症し、その70%近くの人が、更に10年から20年を経た後で肝癌を発症すると考えられている。現在、慢性肝炎の治療にはインターフェロン(以下IFN)αないしβが有効であるとされている。しかしながら、IFNαおよびβの効果は、宿主とウイルスに関する幾つかの要因によって大きく左右される。
【0003】
HCV感染患者に対するIFNαの治療効果に影響を与える因子としては次のようなことが知られている。まず、ウイルスの因子としては、血中のウイルス量が多い患者ほどIFNαおよびβの効果が低く、また、タイプ1よりタイプ2のウイルスに感染している患者の方が治療効果は高い(A. Tsubota et al., Hepatology 19, 1088−1094 1994)。
【0004】
一方、宿主の側の要因によってもIFNαおよびβの治療効果は異なる。例えば、マンノース結合レクチン(MBL)の遺伝子の二箇所のSNPsの遺伝子型により(M. Matsushita et al., J. Hepatology, 29; 695−700, 1998)、また、MxA遺伝子のプロモータ領域に存在するSNPの遺伝子型(M. Hijikata et al.,Intervirology, 43; 124−127, 2000)、さらにはインターフェロンαレセプター1型遺伝子(以下IFNAR1と記す)のマイクロサテライトのGT反復配列の数(特願2001−318472)によりその治療効果は左右される。
【0005】
現在、IFNによる治療には、重大な副作用が伴うこと、治療期間も長期に及ぶこと、また、治療に係る費用が高額であること等の問題がある。このようなことを考慮すると、効果が期待できない患者にIFNを投与することは患者を苦しめるばかりではなく、無駄に多額の医療費を患者や国に負担させることになる。従って、個々の患者についてIFN治療が期待できるかどうかを予め予測するための技術の開発が強く望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、対象、特に、インターフェロンを投与されるべき対象におけるIFNの治療効果の予測をより精度よく行う方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下のような本発明によって解決される。即ち、
(I) インターフェロンαレセプター2型遺伝子のプロモーター領域の−134位の、対象においてインターフェロン治療の有効性を予測するための単塩基多型マーカー;
(II) インターフェロンαレセプター2型遺伝子のプロモーター領域の−75位の、対象においてインターフェロン治療の有効性を予測するための単塩基多型マーカー;
(III) (1)前記対象に由来する核酸サンプルを得ることと、
(2)(1)の核酸サンプルについて、前記(I)および(II)に記載の単塩基多型マーカーの遺伝子型と、インターフェロンαレセプター1型遺伝子のプロモーター領域のマイクロサテライトマーカーの遺伝子型を決定することと、
(3)(2)で決定された遺伝子型からインターフェロン治療の有効性の予測を行うことと、
を具備する対象においてインターフェロン治療の有効性を予測する方法;
(IV) インターフェロンαレセプター2型遺伝子の遺伝子型を検出するための核酸プローブであって、配列番号1に記載の塩基配列およびその相補鎖からなる群より選択されるポリヌクレオチドに含まれる連続した8から500塩基を含み、且つ配列番号1の塩基配列における1367位または1426位の少なくとも1の単塩基多型部位の塩基を含む核酸プローブ;および
(V) 上記(IV)に記載の核酸プローブを具備する塩基配列検出用チップ。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.用語の説明
本明細書において「インターフェロン」とは、インターフェロンα、β、γおよび/またはωを示す語として使用する(以下、インターフェロンをINFと記す)。IFNαおよびβのレセプターのうち、1型のレセプターをコードする遺伝子を「IFNAR1遺伝子」と記し、同じく2型のレセプターをコードする遺伝子を「IFNAR2遺伝子」と記す。またここで、「IFNの治療の有効性」とは、IFNにより治療され得る疾患を有する対象において、IFNが前記疾患を治療できる可能性の程度をいう。
【0009】
従って、治療効果が低いと予測された場合には、IFNを投与してもその対象が罹患する疾患は治療される可能性が低いと考えられる。従って、そのような対象へのIFNの投与は控えた方がよいであろう。一方、治療効果が高いと予測された場合には、IFNの投与により、その対象における疾患が治療される可能性は高い(または、低くはない)と考えられる。従って、そのような対象へのIFNの投与は行って見る価値があると考えられる。
【0010】
例えば、そのような疾患の例は、B型肝炎およびC型肝炎などの肝炎、膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫、皮膚悪性黒色腫、腎癌、多発性骨髄腫、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性白血病、亜急性硬化性全脳炎、ウイルス性脳炎、免疫抑制患者の全身性帯状疱疹及び水痘、上咽頭未分化癌、聴力低下を伴うウイルス性内耳感染症、ヘルペス性角膜炎、偏平コンジローマ、尖圭コンジローマ、アデノウイルス及びヘルペスウイルス感染による結膜炎、性器ヘルペス、口唇ヘルペス、子宮頸癌、癌性胸水症、角化棘細胞腫、基底細胞癌およびδ型慢性活動性肝炎などが挙げられるが、これに限定するものではない。また、対象の体質を調べる目的などのために、疾患を有さない健康な対象についてIFNの有効性を調べてもよい。
【0011】
ここにおいて「多型遺伝子」または「多型」とは、1つの遺伝子座を占める複数種の対立遺伝子群、又はこのような対立遺伝子群に属する個々の対立遺伝子を指称するものとする。また、多型部位の中で1塩基のみが異なるものを、「単塩基多型」(Single Nucleotide Polymorphism、以後、SNPと称する)と指称する。
【0012】
ここで使用される「単塩基多型マーカー」とは、その単塩基多型の遺伝子型によって、IFNの治療効果を予測できる指標として使用されるマーカーである。具体的には、対象より採取されたサンプル中に含まれる特定の核酸の特定の部位を示す。また、ここで使用される「マイクロサテライトマーカー」とは、GTの反復配列を指し、その反復回数、即ち、当該マイクロサテライト多型の遺伝子型、からIFNの治療効果を予測できる指標として使用されるマーカーである。具体的には、対象より採取されたサンプル中に含まれる特定の核酸の特定の部位を示す。これらのマーカーは、IFNの治療効果を予測するために使用することが可能である。
【0013】
ここで使用される「遺伝子型」の語は、注目している遺伝子座の対立遺伝子の存在状態を示す。またここで使用される「IFN感受性関連多型」とは、IFNの有効性を左右する多型遺伝子をいう。
【0014】
2.インターフェロンαレセプター2型の新規SNP
今回、発明者らは、インターフェロンαレセプター2型(以下、IFNAR2と記す)遺伝子に新規のSNP(single nucleotide polymorphism)を見出した。更に鋭意研究の結果、この新規のSNPは、HCV感染者におけるIFNの治療効果を予測するためのマーカー、即ち、対象のIFN感受性を判定するためのマーカーとして利用できることを見出した。このような知見に基づいて本発明は達成された。
【0015】
今回、本発明者によって発見されたIFNAR2の新規SNPsは、転写開始部位を+1として、IFNAR2のプロモーター領域の−134番目(以下−134または−134位と記す)と−75番目(以下−75または−75位と記す)に存在する。図1にIFNAR2遺伝子のプロモーター領域の塩基配列の1例を示す。配列の左側の数字は、mRNAの転写開始点を+1とした場合の位置を示す。図1の下線部が当該SNPの部位であり、この例では、当該単塩基多型マーカーである−134がチミン、−75がシトシンである例が示される。
【0016】
配列表には、配列番号1として、IFNAR2遺伝子のプロモーター領域を含む配列の例を示す。配列番号1で示される塩基配列では、当該SNPである−134は1367位、−75は1426位に示される。本明細書の配列表および図面に記載された各配列中で、多型部位は任意の塩基を表す表記「N」または「n」によって示される。「N」および「n」はアデニン、チミン、グアニンまたはシトシンの何れかの塩基であればよい。
【0017】
一般的には、−134の取り得る塩基は、チミン(以下、Tまたはtと記す)またはグアニン(以下、Gまたはgと記す)であり、詳しくは、T/Tホモ型、G/Gホモ型およびT/Gヘテロ型である。また、−75の取り得る塩基は、シトシン(以下、Cまたはcと記す)またはアデニン(以下、Aまたはcと記す)であり、詳しくは、C/Cホモ型、A/Aホモ型およびC/Aヘテロ型である。
【0018】
本明細書において、IFNAR2遺伝子の−134と−75についてSNPsの遺伝子型の両方を一括して以下のように表記する。例えば、−134がT/Tホモ型であり、且つ−75がC/Cホモ型である場合には、TT/CCと記す。また、−134がG/Gホモ型であり、−75がA/Aホモ型である場合には、GG/AAと記す。各表記と−134および−75の遺伝子型の関係を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004295955
【0020】
3.IFNAR2のSNPsの利用
上述したようにIFNAR2遺伝子に存在する2つのSNPsは、対象におけるIFNの治療効果を予測するためのマーカーとして使用することが可能である。例えば、IFNAR2遺伝子の当該SNPsの遺伝子型と、IFNAR1遺伝子のプロモータ領域のマイクロサテライト多型の遺伝子型とを、対象について解析し、それらの遺伝子型からIFNの治療効果を予測することが可能である。この場合、IFNAR2遺伝子の当該SNPsは、IFNAR1遺伝子の多型による予測を更に確実なものとし、予測の精度を向上できる。
【0021】
本発明者らは、既に、特願2001−318472によりIFNAR1のマイクロサテライト多型のGT反復配列数によるIFN治療効果が予測することを提案している。本発明の態様に従うと、特願2001−318472に開示される方法に比較して、より高い精度でIFN治療効果を予測することが可能である。また、例えば、C型肝炎ウイルス(以下、HCV)感染者の場合には、一般的に罹患しているウイルスの型や量を特に考慮しなくともINFの治療効果を予測できる。本発明の態様に従う予測する方法の例についての説明は、次項のIFNAR1遺伝子の多型に関する説明の後に行う。
【0022】
図2にIFNAR1のプロモーター領域からイントロン1の領域を示す。配列の左側の数字は、mRNAの転写開始点を+1とした場合の位置を示す。問題のマイクロサテライト多型は、−77位から−60位に存在し、図2に記載された配列の反復回数は9である。しかしながらこの反復回数は、遺伝子型の違いによって異なる反復回数で存在する。従って、反復回数に応じてマイクロサテライト多型の存在部位は変わる。即ち、例えば、反復回数が5の場合には、当該マイクロサテライト多型の部位は、転写開始点を+1とした場合、−59番目から−60番目、即ち、−59位から−60位に存在する。また更なるIFN感受性に関連のないSNPが−408位、−18位および−3位に存在する。
【0023】
ここで、図2および配列表に示される配列は、IFN感受性に関連する多型およびIFN感受性に関連のないSNP部位以外の領域は何れの配列でも共通である。本明細書の配列表および図面に記載された各配列中で、多型部位は任意の塩基を表す表記「N」または「n」によって示される。「N」および「n」はアデニン、チミン、グアニンまたはシトシンの何れかの塩基を示す。
【0024】
対象の対立遺伝子における当該マイクロサテライト多型の反復回数が5である5/5ホモ接合の場合、または対象の対立遺伝子の当該反復回数が5と14である5/14ヘテロ接合である場合に、対象におけるIFN治療の有効である可能性は高いと予測される(表2)。それに対して、対象の対立遺伝子の当該反復回数が、5/5ホモ接合または5/14ヘテロ接合の何れでもない場合には、IFN治療の有効である可能性は低いと予測される(表2)。
【0025】
【表2】
Figure 0004295955
【0026】
5.IFNAR2遺伝子とIFNAR1遺伝子の多型を用いたIFNの治療効果の予測
上記のようなIFNAR1遺伝子のマイクロサテライト多型の遺伝子型に加えて、IFNAR2遺伝子のSNPsの遺伝子型を考慮すれば、IFN治療の効果はより精度よく予測することが可能である。
【0027】
表3に示すように、対象のIFNAR1遺伝子のマイクロサテライト多型の遺伝子型が5/5および5/14ではなく(即ち、non5/5および5/14であり)、且つIFNAR2の当該SNPsの遺伝子型がTT/CCまたはGG/AAである場合、対象におけるIFNの治療効果は低いと予測される(表3)。これに対して、対象のIFNAR1遺伝子のマイクロサテライト多型の遺伝子型が5/14であり、且つIFNAR2の当該SNPsの遺伝子型がTT/CCおよびGG/AAではない(即ち、nonTT/CCおよびGG/AAである)場合、対象におけるIFNの治療効果は高いと予測される。従って、このような知見を基に、対象におけるIFNの効果をより高い精度で予測することが可能である。
【0028】
【表3】
Figure 0004295955
【0029】
このように、IFNAR2の当該SNPsは、対象におけるIFNの治療効果を予測するためのマーカーとして利用できる。本発明は、そのようなマーカーとしてのIFNAR2の当該SNPs、−134および−75を提供するものである。
【0030】
6.インターフェロン治療の有効性を予測する方法
本発明では、IFNAR2遺伝子のプロモーター領域に新たな2つのSNPsの存在を発見し、このSNPsを利用することにより、IFNの治療効果を予測できることを見出した。このような知見から、本発明は、対象においてIFNの治療効果、即ち、IFNの有効性を予測する方法を提供する。
【0031】
本発明によれば、IFNによる治療の実施に先立って、INFを投与されるべき対象、例えば、HCV感染者について、IFNAR1の当該マイクロサテライト多型の遺伝子型とIFNAR2の当該SNPsの遺伝子型とを決定し、その遺伝子型から、該HCV感染者ではIFNの治療が有効であるかどうかを予測することができる。
【0032】
本発明に従うと、
(1)前記対象に由来する核酸サンプルを得ることと、
(2)(1)の核酸サンプルについて、IFNAR2遺伝子のプロモーター領域の−134と−75に存在する単塩基多型マーカーの遺伝子型と、IFNAR1遺伝子のプロモーター領域のマイクロサテライトマーカーの遺伝子型決定することと、
(3)(2)で決定された遺伝子型からIFN治療の有効性の予測を行うことと、
を具備する対象においてIFN治療の有効性を予測する方法
が提供される。
【0033】
また、本発明に従うと、上記(3)の工程において、対象のIFNAR1の遺伝子型が5/5のホモ接合または5/14のヘテロ接合であり、且つIFNAR2の遺伝子型がTT/CCまたはGG/AAの何れでもない場合に、インターフェロン治療が有効である可能性は高いと予測されることを特徴とする対象においてIFN治療の有効性を予測する方法が提供される。
【0034】
また、上記(3)の工程において、対象のIFNAR1の遺伝子型が5/5でも5/14ではなく(即ち、non5/5および5/14であり)、且つIFNAR2の遺伝子型がTT/CCまたはGG/AAでの何れかである場合には、IFN治療が有効である可能性は低いと予測されることを特徴とする対象においてIFN治療の有効性を予測する方法が提供される。
【0035】
本発明に従う「対象」とは、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジおよびヤギなどの哺乳動物などであってもよいが、ヒトがより好ましい。また、対象は、IFNが投与されるべきものであることが好ましい。
【0036】
また、当該対象は、インターフェロンを投与されるべき対象であることが好ましい。ここで、「インターフェロンを投与されるべき対象」とは、IFN治療が有効である疾患、好ましくはIFNα、β、γまたはωが有効である疾患に罹患した患者であり得る。IFNα、β、γまたはωが有効である疾患には、C型肝炎およびB型肝炎等の肝炎、膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫、皮膚悪性黒色腫、腎癌、多発性骨髄腫、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性白血病、亜急性硬化性全脳炎、ウイルス性脳炎、免疫抑制患者の全身性帯状疱疹及び水痘、上咽頭未分化癌、聴力低下を伴うウイルス性内耳感染症、ヘルペス性角膜炎、偏平コンジローマ、尖圭コンジローマ、アデノウイルス及びヘルペスウイルス感染による結膜炎、性器ヘルペス、口唇ヘルペス、子宮頸癌、癌性胸水症、角化棘細胞腫、基底細胞癌、並びにδ型慢性活動性肝炎が含まれるが、これらに限定されない。また、前記対象は、前記のような疾患に罹患していない健康な者であってもよい。
【0037】
図3を用いて本発明の1態様を説明する。以下の操作は全て実施者の手によって行われる。
【0038】
ステップ3aでは、実施者が、対象から血液サンプル等のサンプルを採取し、予測を開始する。採取されたサンプルは、必要に応じて精製および抽出等の処理がなされた後で、IFNレセプター遺伝子の遺伝子型を順不同で決定し、ステップ3bへ移行する。
【0039】
ステップ3bでは、ステップ3aにおいて決定したIFNレセプター遺伝子の遺伝子型を判定し、当該IFNAR1の遺伝子型が5/5ホモ接合または5/14ヘテロ接合であり、且つIFNAR2の遺伝子型がTT/CCおよびGG/AA以外である場合はステップ3cへ移行し、IFNAR1の遺伝子型が5/5ホモ接合および5/14ヘテロ接合以外であり、且つIFNAR2の遺伝子型がTT/CCまたはGG/AAである場合にはステップ3dへ移行する。
【0040】
ステップ3cでは、ステップ3bの判定結果から、当該対象におけるIFN治療は有効である可能性が高いと予測し、全予測工程を終了する。
【0041】
ステップ3dでは、ステップ3bの判定結果から、当該対象におけるIFN治療は有効である可能性が低いと予測し、全予測工程を終了する。
【0042】
或いは、遺伝子型とIFN感受性を対応付けたテーブル、例えば、表3に表として示したデータテーブル3に従って、即ち、遺伝子型とIFNの感受性を対応付けたデータテーブル3を検索して対応するIFN感受性を抽出し、当該対象におけるIFNの有効性を決定してもよい。
【0043】
ここで使用されるデータテーブルは遺伝子型とIFN感受性またはIFNの効果を対応付けた情報である。データテーブルを表として示したものがテーブル番号に対応する表である。従って、上述の方法において使用した表3は、データテーブルの1例として示したものである。また、ここで使用されるデータテーブルは遺伝子型とIFNの効果を対応付けたものであればよい。表3は、当該遺伝子型とIFNの効果の関係を示す表である。表中の「IFNAR1とIFNAR2の遺伝子型」の欄は「インターフェロンαレセプター遺伝子の遺伝子型」を示す。具体的には、そこには、IFNAR1のプロモーター領域のマイクロサテライト多型とIFNAR2のプロモータ領域の−134と−75の遺伝子型が示される。また、「有効性」はIFN治療の有効性を示す。
【0044】
また、ここで使用される表3に記載される成分としての「高」および「低」の文字は、遺伝子型とIFN感受性またはIFNの効果を対応付けた情報を示す表示の1例であり、当該表に記載の文字を限定しようとするものではない。即ち、遺伝子型と著効または非著効との相関関係を実質的に示すことが可能な表記であればよく、例えば、「○」、「×」、「△」であっても、数値、例えば、簡略化された数値によるスコア(例えば、1、2、3、4および5等)であってもよい。
【0045】
IFN感受性に関連する多型の遺伝子型を決定する手段は、それ自身公知の何れの手段を用いておこなってよい。例えば、対象となる対象から得たサンプル、より、目的のポリヌクレオチドを含む核酸を調製し、遺伝子型を決定すればよい。
【0046】
ここで使用される「サンプル」とは、生物対象から採取した血液、血清、リンパ液および組織等の生物試料をいう。また、「サンプル」必要に応じて、生物試料をホモジネートおよび抽出等の必要な任意の前処理を行って得た試料であってもよい。このような前処理は、対象となる生物試料に応じて当業者によって選択され得るであろう。
【0047】
生物試料から調製される目的のポリヌクレオチドを含む核酸は、DNAおよびRNAから調製すればよい。例えば、対象からゲノムDNAサンプルを準備する手段は、対象から得た末梢血中の白血球、単球、リンパ球および顆粒球等の血球細胞からフェノールクロロホルム法、塩析法または市販のキット等を用いて抽出する方法等、一般的に使用される何れの手段を用いて行うことが可能であるmRNAを抽出する場合には、オリゴdTカラムにかけてもよい。。
【0048】
ポリヌクレオチドの量が少ないときには、必要に応じてポリヌクレオチドを増幅する操作を行ってもよい。増幅操作は、例えば、逆転写ポリメラーゼ反応(RT-PCR)を含むポリメラーゼ連鎖反応(以下PCRと略記する)によって行い得る。
【0049】
必要に応じて、抽出操作及び/又は増幅操作を行った後に、目的とする多型部位の遺伝子型を決定する。遺伝子型を決定する手段は、直接シークエンス法、SSCP法、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション法、特異的プライマー法および塩基配列検出用チップ等の一般的に使用される何れの手段を使用してもよい。また、直接に塩基配列を決定してもよく、DHPLC(変性高速液体クロマトグラフィー)等を利用してもよい。
【0050】
決定すべきヌクレオチドが、制限酵素の認識部位の中に存在している場合には、制限酵素断片長多型法を用いてもよい。
【0051】
その他、多型を決定する方法としては、PCR−SSP(PCR-specific sequence primers)法、ドットプロット法とPCRを組み合わせたPCR−SSO(PCR-sequence specific oligonucleotide)法、及びPCR−SSCP法等の周知の方法を使用することもできるが、これらに限定されない。
【0052】
なお、ドットブロット法とは、配列が既知のプローブ核酸鎖を用いて、試料中に含まれる特定の配列をもった核酸鎖を検出する一つの方法である。この方法では、例えば基板上の有機薄膜に一本鎖核酸の試料を固定化し、次に蛍光物質等で標識した一本鎖のプローブ核酸鎖の溶液をこの薄膜上の試料に接触させる。試料がプローブ核酸鎖と相補的な配列を有していれば、プローブ核酸鎖とハイブリダイズして二本鎖を形成するので、基板上に固定される。したがって、洗浄により未反応の核酸鎖を除去した後、プローブに付された標識を検出することにより、プローブに対して相補的な配列を有する試料核酸鎖を検出することができる。従って、本発明は、IFN感受性関連多型遺伝子の検出における、本発明によるポリヌクレオチドのプローブとしての使用をも含むものである。また、そのようなポリヌクレオチドを含有することを特徴とする、インターフェロンを投与すべき対象に対してインターフェロン治療が有効であるかどうかを予測するための試験薬或いは塩基配列検出用チップもまた本発明に含まれる。
【0053】
上記のような方法によって、IFNAR1に存在する当該マイクロサテライト多型の遺伝子型とIFNAR2に存在する当該SNPsの遺伝子型を決定し、その結果を基にIFN治療の有効性を予測することができる。
【0054】
7.IFN治療の有効性の判定の応用
また、上記した本発明に従う方法における判定は、INFAR1とINFAR2の遺伝子型の情報と共に、更に、従来の公知の他のIFN感受性関連多型遺伝子の遺伝子型の情報を考慮して判定を行ってもよい。
【0055】
例えば、HCV感染患者に対するIFNα/βの治療効果に影響を与える更なる因子としては、次のようなことが知られている。まず、ウイルスの因子として、血中のウイルス量が多い患者ほどIFNα/βの効果が低いこと、また、タイプ1よりタイプ2のウイルスに感染している患者の方が治療効果の高いことが知られている(A.Tsubota et al., Hepatology 19, 1088-1094 1994)。
【0056】
また、マンノース結合レクチンをコードするMBL遺伝子の2箇所のSNPがXBタイプの遺伝子型の患者はYAタイプの遺伝子型の患者より、IFNα/βの効き目が悪いことが知られている(M.Matsushita et al.,J. Hepatology 29,695-700, 1998)。また、MxAタンパクをコードするMxA遺伝子プロモーター内に存在するSNPがC型慢性肝炎患者のインターフェロン治療感受性に關係していることも知られている(M. Hijikata et al., Intervirology 43, 124-127, 2000)。これらSNPの決定は、SNPを含むDNA断片をPCRにて増幅し、その塩基配列を決定することで行われている。
【0057】
本発明に従うと、これら従来のIFN感受性関連多型遺伝子およびウイルスの型の情報を当該マイクロサテライト多型の遺伝子型の情報と共に考慮することによって、IFNを投与されるべき対象、例えば、HCV感染者、C型肝炎患者またはB型肝炎患者においてIFN治療の有効性を予測する方法も提供される。また、上記以外の情報と組み合わせて考慮してもよい。
【0058】
8.コンピュータを用いてIFN治療の有効性を予測する方法
更に、上述したような本発明に従う方法は、コンピュータを用いて解析することも可能である。即ち、本発明は、コンピュータを用いて対象においてIFN治療の有効性を予測する方法であって、
(1)オペレータが前記対象に由来するサンプルを用いて決定されたIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報をコンピュータに入力すること、
(2)(1)で入力された前記遺伝子型に基づいて、予めコンピュータの記憶手段に記憶された遺伝子型とIFNの有効性を対応付けたテーブルに従って、コンピュータがIFN治療の有効性を予測すること、および
(3)(2)で得られた予測結果をコンピュータがオペレータに示すこと、
を具備するコンピュータを用いて対象においてIFN治療の有効性を予測する方法も提供する。
【0059】
図4に、本発明の方法を実施するための装置の1態様の構成図を示す。ここで処理手段4は入力手段2,表示手段3及び記憶手段5に接続されている。
【0060】
図4に示す通り、本態様であるコンピュータ1は、コンピュータ1に人がデータを入力するための入力手段2と、種々の情報を表示する表示手段3と、当該コンピュータを制御したり種々の処理を行うためのプロセッサまたはCPU等の処理手段4と、プログラムおよびテーブル等を記憶する記憶手段5を少なくとも具備する。
【0061】
コンピュータを用いてIFNを投与されるべき対象においてIFN治療の有効性を予測する方法の例を図5を用いて以下に説明する。
【0062】
。ここで処理手段4は、当該コンピュータの各部を統括して制御する主制御部であり、記憶部に記憶される予測プログラムを実行してIFN治療の有効性を予測する。
【0063】
ステップ5aでは、オペレータが、IFNを投与されるべき対象に由来するIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報を入力手段2から入力すると、入力された情報は、記憶手段5に記録され、ステップ5bへ移行する。ここで、入力される遺伝子型の情報は、具体的な遺伝子型であっても生データであってもよく、目的とする遺伝子型の情報を表す何れかの情報であればよい。
【0064】
ステップ5bでは、処理手段4が、記録された情報から、記憶手段5に予め記憶されている遺伝子型とIFN有効性を対応付けたデータテーブル3(即ち、表3)を読み出し検索することによって対応するIFN有効性を抽出し、ステップ5cに移行する。
【0065】
ステップ5cでは、処理手段4が、ステップ5bにおいて決定したIFN有効性から、当該有効性が「高」であればステップ5dへ移行することを判定し、「低」であればステップ5eへ移行することを判定する。
【0066】
ステップ5dでは、処理手段4がステップ5cの結果から当該対象においてIFNが有効である可能性は高いと予測し、ステップ5fに移行する。
【0067】
ステップ5fでは、処理手段4が、ステップ5dで予測した結果を表示手段3に表示しおよび/または記憶手段5に記録し、全ての予測工程を終了する。ここでの表示は、予め記憶手段5に記憶したIFN治療の有効性を示す画像として出力されてもよい。また、必要に応じてステップ5fから5aに移行するようなループを設定してもよい。
【0068】
ステップ5eでは、処理手段4がステップ5cの結果から当該対象においてIFNが有効である可能性は低いと予測し、ステップ5gに移行する。
【0069】
ステップ5gでは、処理手段4が、ステップ5eで予測した結果を表示手段3に表示しおよび/または記憶手段5に記録し、全ての予測工程を終了する。ここでの表示は、予め記憶手段5に記憶したIFN治療の有効性を示す画像として出力されてもよい。また、必要に応じてステップ5gから5aに移行するようなループを設定してもよい。
【0070】
ここで使用される「データテーブル」とは遺伝子型とIFN治療の有効性を対応付けた情報である。例えば、データテーブル3を表として示した例を表3に示す。ここで使用されるテーブルは、遺伝子型とIFN治療の有効性を対応付けたものであればよい。即ち、遺伝子型とIFN治療の有効性との相関関係を実質的に示すことが可能な表記であれば、例えば、「○」、「×」、「△」であっても、簡略化された数値によるスコア(例えば、1、2、3、4および5等)であってもよい。
【0071】
また、上述の方法では、当該IFNAR1および2の遺伝子型のみを決定し情報として入力して予測を行っているが、当該遺伝子型の情報に加えて、例えば、それ自身公知の他のIFN感受性関連多型遺伝子および/またはC型肝炎ウイルスの型などのデータとIFN治療の有効性を考慮し、当該情報として入力して予測を行ってもよい。その場合、入力する情報に応じてそれに応じて使用するテーブルの構成を変更すればよい。
【0072】
また、上述した本発明に従う方法は、所望に応じて本願発明の範囲を逸脱しない範囲において変更することが可能である。
【0073】
更に、上述したコンピュータを用いて対象においてIFN治療の有効性を予測する方法を実行するためのプログラムも本発明の範囲内である。そのようなプログラムは、例えば、対象においてIFN治療の有効性を予測するためにコンピュータを、
(1)前記対象に由来するサンプルを用いて決定されたIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報を記録させる手段、
(2)(1)で記録された遺伝子型から、予めコンピュータに記憶されている遺伝子型とIFNの有効性を対応付けたデータテーブルに従って、IFN治療の有効性を導出する手段、および
(3)(2)で得られた予測結果を出力する手段、
として機能させるためのプログラムである。
【0074】
更に前記プログラムは、対象においてIFN治療の有効性を予測するためにコンピュータを、前記対象に由来するサンプルを用いて決定されたIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報を入力する入力手段として機能させてもよい。
【0075】
また、対象においてIFN治療の有効性を予測する有効性予測装置であって、
(1)遺伝子型とIFNの有効性を対応付けたデータテーブルを記憶する記憶手段と、
(2)被検対象である対象に由来するサンプルを用いて決定されたIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報を入力する入力手段と、
(3)前記入力手段を通じて入力された遺伝子型と、前記記憶手段が記憶するデータテーブルとに基づいて、IFN治療の有効性を予測する予測手段と、
(4)前記予測手段の予測結果を表示する表示手段とを具備することを特徴とする有効性予測装置も本発明の範囲内である。
【0076】
また、本発明は、コンピュータを用いて対象においてIFN治療の有効性を予測する方法であって、
(1)前記対象に由来するサンプルを用いて決定されたIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報をデータ記録手段に記録すること、
(2)(1)で記録された遺伝子型から、予めコンピュータに記憶されている遺伝子型とIFNの有効性を対応付けたデータテーブルに従って、IFN治療の有効性を予測すること、
(3)(2)で得られた予測結果を出力すること、
を具備するコンピュータを用いて対象においてIFN治療の有効性を予測する方法も提供する。
【0077】
また更に、対象においてIFN治療の有効性を予測する有効性予測方法であって、
(1)前記対象に由来するサンプルを用いて決定されたIFNレセプター遺伝子の遺伝子型の情報を入力する入力工程と、
(2)前記入力工程で入力された遺伝子型と、遺伝子型とIFNの有効性を対応付けたデータテーブルが記憶するデータテーブルとに基づいて、IFN治療の有効性を予測する予測工程と、
(3)この予測工程の予測結果を表示する表示工程と
を具備することを特徴とする有効性予測方法も本発明の範囲内である。
【0078】
9.IFN治療の有効性を予測するためのポリヌクレオチド
本発明は、IFN治療の有効性を予測するためのポリヌクレオチドも提供する。
【0079】
本明細書において「ポリヌクレオチド」とは、2以上のヌクレオシドがリン酸エステル結合で結合されてなる物質を意味する。「ヌクレオシド」には、デオキシリボヌクレオシド及びリボヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されない。さらに、本発明において「ポリヌクレオチド」とは、ペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸、S-オリゴ核酸等の人工合成核酸も指称するものとする。
【0080】
なお、本明細書において「プロモータ領域」とは、TATAボックス等の転写開始反応に直接関与する領域のみを指すのではなく、該領域の近傍または遠隔に存在して転写開始反応の効率に影響を与える調節配列を含む配列も指称するものとする。従って、「プロモータ領域」なる語には、転写開始反応に関与する配列のみ、調節配列のみ、及びその両者が連結された配列が含まれることに留意されたい。
【0081】
ポリヌクレオチドは、所望の配列を有するように合成しても、また生体試料から調製してもよい。生体試料から調製する場合、対象から試料を採取した後、通常は、該試料からポリヌクレオチドを抽出する操作を行えばよい。生体成分からポリヌクレオチドを抽出する方法としては、例えばフェノール抽出、エタノール沈澱の他、任意の抽出方法を使用し得る。mRNAを抽出する場合には、オリゴdTカラムにかけてもよい。
【0082】
本発明にしたがって提供されるポリヌクレオチドは対象に由来するサンプルのポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのプローブやプライマーとして使用できる。
【0083】
本発明に従って提供されるポリヌクレオチドには、以下の(a)〜(f)が含まれる。
【0084】
(a)配列番号1に示されるポリヌクレオチド。
【0085】
(b)前記(a)に示されるポリヌクレオチドにおいて、当該プロモーター領域のマイクロサテライト多型部位を除く1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、または付加された修飾ポリヌクレオチド。
【0086】
(c)配列番号1に示される前記ポリヌクレオチドの塩基配列のうち、インターフェロン治療の有効性に関与しているのは当該プロモーター領域の−134位と−75位に存在するSNPのヌクレオチドであるので、本発明のポリヌクレオチドは、当該SNP部位を含むポリヌクレオチドの断片であってもよい。(c)で示される断片は対象に由来するサンプルのポリヌクレオチドの塩基配列を決定するためのプローブとして好適に利用され得る。例えば、プローブ核酸鎖として好ましい断片は、IFNAR2遺伝子のプロモーター領域の塩基配列であって少なくとも目的のSPN部位を含む8から500の核酸鎖及びその相補鎖が挙げられる。さらに好ましくは10ヌクレオチド以上100ヌクレオチド以下、特に、塩基配列検出用チップのプローブとして用いる場合、PNAプローブでは10ヌクレオチド以上15ヌクレオチド以下、DNAプローブでは11ヌクレオチド以上30ヌクレオチド以下が望ましい。ポリヌクレオチド断片の長さが過度に長いと、1個のヌクレオチドの相違を識別することが困難になる。一方、基板にポリヌクレオチドの長さが過度に短いと試料中に含まれるポリヌクレオチドの塩基配列の決定が困難になる。また、プライマーとして使用する場合には、当該SNP部位を増幅するための配列を有するポリヌクレオチドであればよいので、当該SNP部位を含まない配列番号1に示される前記ポリヌクレオチドの塩基配列またはその断片であってもよい。
【0087】
(d)前記(a)〜(c)に示されるポリヌクレオチドの相補鎖であってもよい。
【0088】
また、これらのポリヌクレオチドは、標識物質、色素、蛍光物質、発光物質および放射性同位元素等の標識物質を具備していてもよい。
【0089】
なお、配列表に記載した塩基配列中の「n」は、A、T、CおよびGから任意に選択されてよい。
【0090】
10.塩基配列検出用チップ
本発明は、前記ポリヌクレオチドまたは断片を具備する塩基配列検出用チップも提供する。そのような塩基配列検出用チップも本発明の範囲内である。
【0091】
本発明の態様に従うと、上述したポリヌクレオチドまたはその断片を具備する塩基配列検出用チップが提供される。それらは、例えば、蛍光検出用DNAチップおよび電流検出型DNAチップ等であるが、これに限られるものではない。ウイルスの検出を、前記ポリヌクレオチドまたはその断片をプローブとして配置した塩基配列検出用チップを使用することにより行えば、検出方法は簡便化および効率化される。塩基配列検出用チップは、以下の手順により作成することができる。
【0092】
(a) 蛍光検出用塩基配列検出用チップの作製
上述した本発明の態様に従うポリヌクレオチドまたはその一部の配列を含むポリヌクレオチド、またはそれらの配列に相補的な配列を有したポリヌクレオチドプローブ31として基板30に固定化する(図6)。基板は、例えば、ガラス基板およびシリコン基板等、従来用いられる何れの基板も使用することが可能である。固定化手段は、スポッター等を使用する手段、一般的な半導体技術を使用した手段等、当業者にそれ自身公知の手段を用いて固定することが可能である。
【0093】
標識物質が蛍光物質の場合には、ハイブリダイゼーション反応の検出は、例えば、蛍光検出器を用いて試料中の標識された塩基配列又は2次プローブ中の標識物質から生じる蛍光信号を検出すればよい。同様に、蛍光標識以外の標識物質を利用してハイブリダイゼーションを検出するようなチップを作製してもよく、そのようなチップも本発明の範囲内である。標識物質を用いる方法の場合には、試料に含まれる核酸は、FITC、Cy3、Cy5若しくはローダミンなどの蛍光色素、またはビオチン、ハプテン、オキシダーゼ若しくはポスファターゼ等の酵素、またはフェロセン若しくはキノン類等の電気化学的に活性な物質で標識される。或いは前述した物質で標識したセカンドプローブを用いることで検出を行う。複数の標識物質を同時に使用してもよい。
【0094】
(b)電流検出型塩基配列検出用チップの作製
上述した本発明の態様に従うポリヌクレオチドまたはその一部の配列を有するポリヌクレオチド断片、またはそれらの配列に相補的な配列を有したポリヌクレオチドプローブ41として、基板40に具備された電極42に共有結合、イオン結合、物理吸着または化学吸着等によって固定化すればよい(図7)。電流検出型DNAチップの例は、平成8年10月24日に登録された特許番号第2573443号の遺伝子検出装置等であるが、これに限られるものではない。当該文献は引用することによりここに組み込まれる。
【0095】
電気化学的方法の場合、以下のような手順で検出を行ってよい。まず、プローブ固定支持体(以下支持体とも記す)上で試料核酸と核酸プローブとを反応させた後、当該支持体を洗浄する。その後、電極としての長細担体表面に形成された二本鎖部分に選択的に結合する二本鎖認識体を作用させ、そこに結合した二本鎖認識体からの信号を電気化学的に測定すればよい。
【0096】
二本鎖認識体の例は、これらに限定されるものではないが、例えば、ヘキスト33258、アクリジンオレンジ、キナクリン、ドウノマイシン、メタロインターカレーター、ビスアクリジン等のビスインターカレーター、トリスインターカレーター及びポリインターカレーター等である。また、これらのインターカレーターを電気化学的に活性な金属錯体、例えば、フェロセン、ビオロゲン等で修飾しておいてもよい。
【0097】
また電極を用いて遺伝子の検出を行なう場合には、電気化学発光を生じる挿入剤を利用することもできる。このような挿入剤は特に限定されるものではなく、例えば、ルミノ−ル、ルシゲニン、ピレン、ジフェニルアントラセンおよびルブレンを挙げることができる。これらの挿入剤による電気化学発光は、ホタルルシフェリン、デヒドロルシフェリンのようなルシフェリン誘導体、フェニルフェノ−ル、クロロフェノ−ルのようなフェノ−ル類もしくはナフト−ル類のようなエンハンサ−を用いることにより増強することが可能である。
【0098】
1つの塩基配列検出用チップに固定化するプローブとしては、上記したIFNAR2遺伝子の遺伝子型を決定するための塩基配列のプローブに加えて、ウイルス遺伝子の型を検出するプローブおよび/または他の公知のIFN感受性関連多型の遺伝子型を決定プローブ等を1つのチップに共に固定化されていても良い。それにより罹患したウイルスの遺伝子型や他の関連多型の遺伝子型も同時に検出することが可能である。
【0099】
遺伝子型を検出可能なプローブを用いる際は、異なる遺伝子型に対応する複数のプローブを基板上に同時に固定化して用いることにより精度の高い検出が可能である。
【0100】
試料物質中の病原微生物の遺伝子型を検出するには、試料物質中の病原微生物の遺伝子に対して予めその遺伝子型に特徴的なプライマーを用いてPCR反応を行い、その後ユニバーサルプローブを固定化したチップで検出することも可能である。
【0101】
本発明の態様に従って、ポリヌクレオチド類を具備するプローブおよび塩基配列検出用チップを用いて検出を行えば、その検出を簡便且つ効率よく行える。
【0102】
11.キット
本発明のインターフェロン治療の有効性を予測する方法を行うために必要な要素からなるキットも本発明の範囲内である。例えばそのようなキットは、IFNAR2の問題のSNPsの遺伝子型を決定するための核酸を具備していてもよく、或いは、IFNAR1のマイクロサテライト多型の遺伝子型を決定するための核酸を共に具備していてもよい。また、このような核酸を上述の塩基配列検出用チップ上に固定された状態で具備してもよい。また、そのようなキットは、遺伝子型を決定するために必要な種々の試薬を具備してもよい。例えば、遺伝子型の決定を塩基配列検出用チップで行うための試薬、例えば、標識物質または二本鎖認識体等を具備してよい。或いは、PCR反応により遺伝子型を決定する場合には、本発明のキットは、目的のSNPsおよび/またはマイクロサテライト多型を含む領域を増幅するためのプライマーおよび/または酵素を具備していてもよい。更に、本発明に従うキットは、本発明の方法に必要な容器等の器具を具備していてもよい。
【0103】
【実施例】
I.IFNAR1とIFNAR2の遺伝子多型を利用したHCV感染者におけるIFNαの治療効果の予測
(1)概要
IFNα治療効果を施した157人のHCV感染患者より血液を採取し、DNAおよびRNAを抽出し、解析用のサンプルとした。HCVのタイプの判定にはRNA画分を、IFNRA2遺伝子のSNPs解析にはDNA画分を利用してPCR法を用いて塩基配列を決めることにより解析した。この手法を用い個々の患者についてIFNAR2のSNPsの型決定を行い、IFNαの治療効果およびウイルスタイプ、さらにはIFNAR1のマイクロサテライトのGT反復配列数を加えて関連性を検討した。
【0104】
(2)患者
肝臓の組織化学的検査により慢性肝炎Cであることが証明された157人のHCV感染患者のサンプルがこの研究に使用された。なお、すべての患者からは本研究の対象となることのインフォームドコンセントが得られている。IFNα治療を行った後の6ヶ月の追跡期間中に、血中のalanine amino transferaseが正常範囲であり、かつHCVのRNAが陰性であった患者を完全著効と判定した。一方、この追跡期間中にHCVのRNAが検出されるか、あるいはalanine amino transferaseが高値を示した患者は非著効とした。157人中HCVの遺伝子がタイプ1(正確には1bである)の感染者が101人でそのうち16人が完全著効、残りの85人が非著効であった。タイプ2(2aか2bのいずれか)の感染者は55人で、そのうち34人が完全著効、残りの21人が非著効であった。残りの1人は両方に感染しており、非著効であった。
【0105】
(3)HCVおよびSNPのタイピング
血液より抽出したRNAからcDNAを作製し、その一部分をPCRにより増幅し、塩基配列を決定しHCVの遺伝子のタイピングを行った(K. Chayama et al., J. Gastroenterol. Hepatol. 8, 40-44, 1993)。
【0106】
(4)IFNAR2プロモーター部位のSNPの探索
Ageneボランティアサンプルを用いてIFNAR2プロモーター部位800bpについてSNPの探索を行った。その結果、transcriptionstart site(nt1とする)上流−75位及び−134位の2箇所に新たなSNPsを見出した。−75番目のSNPsはc/cとa/aのホモ型およびc/aのヘテロ型で、−134番目のSNPsはt/tとg/gのホモ型およびt/gのヘテロ型であった。
【0107】
例1 IFNAR2遺伝子の遺伝子型について
東芝病院から供与されたHCV患者でインターフェロン治療効果が有効だったもの50サンプル、無効だったもの107サンプル(合計157サンプル)の血液、または血清から抽出したDNAを用いて上述のIFNAR2のSNPs解析を行った。
【0108】
解析に用いた以下のIFNAR2の各プライマーはGenBank Acc#X77722の配列より作製した。
【0109】
PCRプライマー:
R5L; 5’AGGCGGCGTTTTCCCTCCAGTCAGCTGGC 3’ (配列番号3)
F3L; 5’GACCTCAGATGGTCCATCTGCCTTGGCCTC 3’ (配列番号4)
シーケンシングプライマー(Sequencing primer):
R4 ; 5’CTTCGCCGAGAAAGCTCCATA 3’ (配列番号5)
R3; 5’TTACCTTTGCAGCTCTCGCCTT 3’ (配列番号6)。
【0110】
DNA約1pgを鋳型とし、R5LとF3Lプライマーを用いてGeneAmp PCR9600(Roch社製)でIFNAR2プロモーター断片の増幅を行った。SNPs解析には、その増幅断片をMilliPore 96wellclean upフィルターにて精製し、Direct Sequencing法によりABI3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems社製)にて解析を行った。なおPCRにはクローンテック社Advantage−GC Genomic polymeraseemix kitTMを用いて反応溶液の調整を行い温度条件は94℃で30sec.、70℃ 3minを5サイクル、94℃ 30sec. 68℃ 3min.で30サイクル行い、最初に95℃ 2min.72℃ 3min、最後に68℃ 10minを行った。
【0111】
解析した患者157人のHCVタイプ、IFNα治療の効果、IFNAR2の−134と−75の遺伝子型の組み合わせは以下の通りである。即ち、HCV2型感染患者の中でIFNα治療により完全著効(SR)となった34人のうち過半数を超える18人(52.9%)が、IFNAR2の−134と−75の遺伝子型の組み合わせがt/gヘテロ型およびc/aヘテロ型の遺伝子型であった。これに対し、非著効(NR)患者内では、t/gヘテロ型およびc/aヘテロ型の遺伝子型を持っていた人は、21人中8人の38.1%であった(P<0.001)。一方、−134がg/gホモ型あるいは−134/−75の遺伝子型の組み合わせがGG/AAであった人の非著効者の割合はそれぞれ52.4%(11人)および38.1%(8人)で、完全著効者では35.3%(12人)そして23.5%(8人)であった(P<0.01)。
【0112】
これらの結果は、HCV2型感染患者ではIFNAR2の−134/−75の遺伝子型の組み合わせがt/gとc/aである人ではINFαによる治療効果を期待できるが、逆に−134にg/gホモ型、或いは−134/−75の遺伝子型の組み合わせとしてGG/AAを持つ人は、比較的治療効果は低いと予測される。ただし、これら相関関連は、HCV1型感染患者においては認められない。
【0113】
例2 IFNAR1遺伝子の遺伝子型について
IFNAR1のマイクロサテライトマーカーを利用してIFNの効果について検討した結果を以下に示す。
【0114】
(1)概要
例1と同じ157人のHCV感染患者より血液を採取した。それらの採取された血液よりDNAおよびRNAを抽出し、解析用サンプルとした。RNA画分を用いてウイルスのタイピングを行い、DNAを用いてIFNAR1遺伝子のSNP解析およびマイクロサテライトマーカーのタイピングを行った。そして、IFNα/βの治療効果とウイルスのタイプおよびIFNAR1遺伝子のSNP、或いはマイクロサテライトマーカーとの関連を調べた。
【0115】
(2)患者
肝臓の血液生化学的・組織学的・画像診断学的検査により慢性C型肝炎であることが証明された157人のHCV感染患者のサンプルをこの研究に使用した。なお、全ての患者から本研究の対象となることに関してのインフォームドコンセントを取得した。IFNα/β治療を行った後の6ヶ月の追跡期間中に、血中のアラニンアミノトランスフェラーゼが正常範囲であり、且つHCVのRNAが陰性であった患者を完全著効と判定した。一方、この追跡期間中にHCVのRNAが検出されたり、或いはアラニンアミノトランスフェラーゼが高値を示した患者は非著効とした。
【0116】
(3)HCV、SNPおよびマイクロサテライトのタイピング
上述したC型肝炎患者でインターフェロン治療効果が有効だった症例50サンプル、無効だった症例107サンプル(合計157サンプル)の血液、または血清から抽出したDNAを用いて解析を行った。血液より抽出したRNAからcDANを作成し、その一部分をPCRにより増幅し、塩基配列を決定しHCV遺伝子のタイピングを行った(K.Chayama et al., J.Gastroenterlo. Hepatol. 8,40-44, 1993)。血液より抽出したDNAを用いてIFNAR1プロモーターの2箇所(nt-408,nt-18)のSNPsと1箇所のマイクロサテライト(GT:-79~-56)の多型(Genes and Immunity 2001; 2:159-160)についても検討した。
【0117】
また、これらプライマーに用いた配列はGenBank受付番号X60459であるIFNARの配列に基づき作成し、転写開始部位をnt1と記述している。プライマーはDNA約1ngを鋳型とし、−629F(5’-TCTCGCCCCTCAGCCAAGTC-3’)と+205R(5’-CAGCTGCGTGCCCTACCTCC-3’)プライマーを用いて、GeneAmp PCR9600(Roch)でIFNAR1プライマー断片の増幅を行った。
【0118】
SNPs解析には、その増幅断片をMiiliPore 96well clean up フィルタにて精製し、直接シーケンス法(direct Sequencing法)によりABI3100Genetic Analyzer(Applied Biosystems)にて塩基配列を決定した。また、(GT)リピート数の決定は、GeneScan解析法を用いた。−629Fと+205Rプライマーで得られたPCR断片を鋳型とし、更に片方のプライマーに蛍光色素(6−FAM)をラベルした6FAM+92Rと−245Fプライマーを用いて、再度PCRを行いABI3100Genetic Analyzer GeneScan(ver.3.7)で行った。なお、PCRは95℃で10秒、58℃で30秒、72℃で30秒、を30〜35サイクル行い、その前に95℃で2分、後に72℃7分の処理を行った。
【0119】
(4)結果
マイクロサテライトのGT反復配列より表される遺伝子型とIFNα/βの治療効果の関係を示す。遺伝子型は5、6、10〜18の11種類存在する。5又は14の何れかの遺伝子型を持つ場合は、完全著効が非著効を上回っているのに対し、それ以外では非著効が完全著効を上回っていた(図8)。
【0120】
これより、5又は14の遺伝子型を持つ場合、即ち、5/5ホモ接合または5/14ヘテロ接合の場合には、IFN治療が有効となる可能性が期待される。さらに詳しくこの遺伝子型とIFNα/βの治療効果との関係をまとめたものが表4である。ウイルスタイプ1型に感染した患者の中で完全著効にいたった16人中、5/5のホモ接合と5/14のヘテロ接合を持つ者は13人(81%)であるのに対し、それ以外の遺伝子型を持つものは3人(19%)であった。また、ウイルスタイプ2型に感染している患者においても、完全著効者34人中27人(79%)が5/5のホモ接合と5/14のヘテロ接合を持つ者で、それ以外の遺伝子型を持つ者7人(21%)を大きく上回っていた。一方、非著効者107人における5/5のホモ接合と5/14のヘテロ接合を持つ者およびそれ以外の遺伝子型を持つ者の割合は、ウイルス両タイプを合わせるとそれぞれ59%(63人)と41%(44人)であるので、完全著効者に占める5/5のホモ接合と5/14のヘテロ接合を持つ者の出現頻度(80%)が統計的に優位であることが示された(P=0.009)。これは、5/5のホモ接合または5/14のヘテロ接合の遺伝子型を持つ場合には、IFNα/β治療によって完全著効に至る可能性が高いことを示している。一方、5または14の遺伝子型を持たない人の中に完全著効を認めなかったのは、対象となる患者数(4/157)が少なかったとは言え注目に値する。
【0121】
【表4】
Figure 0004295955
【0122】
II.まとめ
例1と例2の結果についてχ検定を行い、IFNAR2遺伝子とIFNAR1遺伝子の多型とIFNの有効性について得られた結果を表5に示す。
【0123】
【表5】
Figure 0004295955
【0124】
IFNAR1の多型がnon5/5および5/14であり、IFNAR2の多型がTT/CCまたはGG/AAである場合は、非著効の患者が有意に多かった。また、IFNAR1の多型が5/5または5/14であり、且つIFNAR2の多型がnonTT/CCおよびGG/AAである場合は、他の遺伝子型である場合に比べて完全著効である患者が有意に多くいた。
【0125】
【発明の効果】
以上のような本発明により、対象におけるIFNの治療効果の予測をより精度よく行う方法が提供された。
【0126】
【配列表】
Figure 0004295955
Figure 0004295955
Figure 0004295955
Figure 0004295955

【図面の簡単な説明】
【図1】IFNAR2遺伝子のプロモータ領域を含む配列を示す図。
【図2】IFNAR1遺伝子のプロモータ領域を含む配列を示す図。
【図3】本発明に従う方法の1例を示す図。
【図4】本発明の従い使用される装置の1例を示すブロック図。
【図5】本発明に従う方法の1例を示す図。
【図6】本発明の態様に従うDNAチップの1例を示す模式図。
【図7】本発明の態様に従うDNAチップの1例を示す模式図。
【図8】完全著効および非著効であったインターフェロン治療患者内で認められたIFNAR1のマイクロサテライト(GT)数の出現頻度を示すグラフ。
【符号の説明】
1.コンピュータ 2.入力手段 3.表示手段 4.処理手段 5.記憶手段 30.基板 31.プローブ 40.基板 41.プローブ

Claims (2)

  1. (1)対象から採集された核酸サンプルについて、インターフェロンαレセプター2型遺伝子のプロモーター領域の−134位(配列番号1の塩基配列において1367番目の塩基)および−75位(配列番号1の塩基配列において1426番目の塩基)に位置する多型、並びにインターフェロンαレセプター1型遺伝子プロモーター領域の−60位(配列番号2の塩基配列において592番目の塩基)を含んで存在するGT反復配列である多型の遺伝子型を決定することと、
    (2)(1)で決定された遺伝子型からC型肝炎に対するインターフェロン治療の有効性の予測を行うことと、
    を具備するC型肝炎に対してインターフェロンα、ωおよび/またはβにより行われるインターフェロン治療の有効性を予測する方法。
  2. 前記(2)の工程が:
    (a)インターフェロンαレセプター1型遺伝子のプロモーター領域の−60位(配列番号2の塩基配列において592番目の塩基)を含んで存在するマイクロサテライトマーカーの遺伝子型が反復回数5/5ホモ接合および5/14ヘテロ接合以外であり、且つインターフェロンαレセプター2型遺伝子プロモーター領域の−134位(配列番号1の塩基配列において1367番目の塩基)および−75位(配列番号1の塩基配列において1426番目の塩基)の単塩基多型の遺伝子型がTT/CCまたはGG/AAである場合に、インターフェロンの治療効果は低いと予測すること、および
    (b)インターフェロンαレセプター1型遺伝子のプロモーター領域の−60位(配列番号2の塩基配列において592番目の塩基)を含んで存在するマイクロサテライトマーカーの遺伝子型が反復回数5/5ホモ接合または5/14ヘテロ接合であり、且つインターフェロンαレセプター2型遺伝子プロモーター領域の−134位(配列番号1の塩基配列において1367番目の塩基)および−75位(配列番号1の塩基配列において1426番目の塩基)の単塩基多型の遺伝子型がTT/CCまたはGG/AAの何れでもない場合に、他の遺伝子型に比較してインターフェロンの治療効果は高いと予測すること
    を具備する請求項1に記載の方法。
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