JP4653434B2 - IFN−γ低産生関連IL−12Rβ2遺伝子プロモーター領域の多型とその検出方法 - Google Patents

IFN−γ低産生関連IL−12Rβ2遺伝子プロモーター領域の多型とその検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、インターフェロンγ(以下、IFN-γと表記する。)の産生性を制御するインターロイキン−12受容体(以下、IL-12Rと表記する。)遺伝子のプロモーター領域に含まれる多型及びその利用方法に関する。より具体的には、ヒト由来ゲノムDNAのIL-12Rプロモーターの遺伝子多型を検出することにより感染症などの疾患の遺伝的素因を検査する方法に関する。
IFN-γは、細胞やCD8+T細胞、NK細胞、NKT細胞、マクロファージによって産生され、免疫関連遺伝子の発現を誘導もしくは抑制して、多岐にわたる免疫調節機能を発揮する。一方、IL-12は、Th1細胞を選択的に刺激し、Th1/Th2バランスをTh1優位にし,細胞性免疫が優位に導く作用を持つ因子として知られている。IL-12の産生は、IFN-γによって促進的に制御される。
一塩基多型(SNP)はヒトゲノムでは約300塩基対に一つ存在する高密度なDNA多型であり、任意の遺伝子の近傍に高い確率で存在する。近年、SNPを遺伝的マーカーとして利用することにより、連鎖解析によって絞り込まれた領域から疾患原因遺伝子を同定することが可能となりつつある。とりわけ個々の原因遺伝子の浸透率が低いと予想される多数の遺伝子が複雑に関係した多遺伝子疾患では、SNPの遺伝的マーカーとしての有効性がクローズアップされる。また、SNP自身が遺伝的発現物質の質的・量的な変化をもたらす場合には、SNPは直接診断、治療のターゲットともなり得る。
IL-12は、感染防御に重要な機能を果たしているだけでなく、いくつかの疾患の成因となっているものと考えられている。エンドトキシンショックや、自己免疫疾患であるEAE(experimental auto immune encephalomyelitis)、インスリン依存性糖尿病、クローン病、潰瘍性大腸炎,喘息などにおいて、IL-12が疾患に関与していることが示唆される所見が得られている。遺伝的にIL-12Rβ1分子の発現を欠損した例では、IFN-γ産生の低下が見られ、結核菌その他の細胞内寄生菌に対する抵抗性が低下することが見出されていると同時に、この遺伝子のプロモーター部位にいくつかの変異があることが知られている。一方、IL-12Rβ2分子については、その遺伝子領域における変異とIFN-γ産生の関連については未だ報告が無い。
一方、特開2002−238577号公報や特開2003−52379号公報には、特定の疾患に関連する遺伝子多型を検出する方法が記載されている。
特開2002−238577号公報 特開2003−52379号公報
先天的にIFN-γの低産生性を示す個体は、細胞性免疫不全に陥り、強いてはTh1/Th2バランスにおいてTh2優位に誘導される。これら免疫が関わる様々な感染症やアレルギー等の疾患の、発症危険度の予測や重症進行度の判断をすることは、これら疾患に対する予防や治療により有用な手段を与えることとなる。
この観点から、感染症に対する遺伝的素因マーカーを特定する試みが行われてきた。本発明は、重篤な感染症の遺伝的素因マーカーとなりうる遺伝子多型を見出し、これを利用して感染症やアレルギー等の疾患に対する感受性を個体レベルで検査する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、IFN-γの低産生が細胞内寄生菌の抵抗性の低下につながっている知見から、その関連をIL-12Rβ2の遺伝子変異によるものとして調査した。IL-12Rβ2のプロモーター領域に関する多型解析を行った結果、IL-12Rβ2遺伝子のプロモーター配列においてIFN-γ低産生患者とコントロール群間で有意にアレル頻度の異なる新規遺伝子多型を同定することに成功した。
すなわち本発明は、以下の(1)及び(2)を提供するものである。
本明細書においては、IFN-γ低産生関連IL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域における多型部位を、GENBANK ACCESSION NO. AL389925(2000年12月21日登録)(配列番号16)で特定された配列において定義された位置に対応するように記載する。
(1)IFN-γ低産生関連IL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域の、GENBANK ACCESSION NO. AL389925(配列番号16)の少なくとも連続する15塩基以上のDNA断片からなるIFN-γ低産生の遺伝的素因マーカーであって、前記DNA断片は、配列番号16で示される塩基配列において、59338位の塩基置換による多型部位、59350位の塩基置換による多型部位、59715位〜59723位のいずれか1位の欠失による多型部位、又は59909位の塩基置換による多型部位を有するIFN-γ低産生の遺伝的素因マーカー。
)ヒトゲノムDNAから、IFN-γ低産生関連IL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域の、GENBANK ACCESSION NO. AL389925(配列番号16)における59338位の塩基置換による多型部位、59350位の塩基置換による多型部位、59715位〜59723位のいずれか1位の欠失による多型部位、及び59909位の塩基置換による多型部位のうち少なくとも1つの多型部位を検出することにより、IFN-γ低産生の遺伝的素因を検査する方法。
本発明によれば、重篤な感染症の遺伝的素因マーカーとなりうる遺伝子多型を見出し、これを利用して感染症やアレルギー等の疾患に対する感受性を個体レベルで検査する方法が提供される。すなわち本発明によれば、IFN-γの産生性に関わるIL-12βIIの発現について、本発明にかかる遺伝子多型の有無を調べることにより、感染症などの疾患感受性に関わる遺伝的感受性を予測し、より効果的な生活指導及び治療が可能となる。
以下、本発明について詳述する。ヒトIL-12R遺伝子は公知であり、本発明は、ヒトIL-12R遺伝子の新規多型及び該多型を検出することにより個体におけるIFN-γの産生性に関わる遺伝的素因を検出する方法を提供するものである。
本発明において、「DNA」とは2本鎖DNAのみならずそれを構成する1本鎖DNAも含み、「DNA断片」とは全長DNAのみならず部分DNAも含むものとする。また、「遺伝子多型」とはヒト染色体における遺伝子の変異を意味し、遺伝子の配列が野生型(正常遺伝子の塩基配列)と異なる場合を意味するものとする。本発明にかかるヒトIL-12R遺伝子の新規多型は、例えば以下のようにして検出しうる。
まずINFγ低産生の患者群及び健常人ボランティアによるコントロール群の検体から公知の方法に従いゲノムDNAを抽出する。前記検体は、被験者の体細胞であれば特に限定されず、例えば抹消血や白血球等の血液検体を好適に用いることができる。また、DNAの抽出は市販の抽出キット、例えば「ドナクイック」(大日本製薬)や「QIAamp midi kit」(QIAGEN社)を用いて行うことができる。
次に抽出したゲノムDNAを鋳型として(蛍光オリゴヌクレオチドプライマーを用いて)PCRを行い、IL-12Rβ2遺伝子のプロモーター領域を含む5非翻訳領域もDNA断片をオーバーラップさせるように増幅する。
次いで増幅したDNA断片を公知の方法でシーケンシングして配列決定を行い、遺伝子多型を確認する。
患者群とコントロール群の検体について上記のように解析した結果をデータベース化し、多型ごとに多型アレル出現頻度を計算し、患者群とコントロール群の間の有意差を検定することで、IFN-γの産生量の少ない患者群に有意に関連する遺伝子多型を特定することができる。このようにして、IFN-γの産生を制御するIL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域に存在する4つの多型部位、すなわち、GENBANK ACCESSION NO. AL389925(2000年12月21日登録)において表される59338番目のアデニンからグアニンへの塩基置換、59350番目のアデニンからグアニンへの塩基置換、59715番目〜59723番目のグアニンのうちいずれか1つの欠失、及び59909番目のアデニンからグアニンへの塩基置換のハプロタイプが、感染症と有意に関連する遺伝子多型であるものとして特定した。
配列番号1(TTTTTTGTAAAG)は、ヒトIL-12Rβ2プロモーター領域の5非翻訳領域に存在する、GENBANK ACCESSION NO. AL389925で特定された配列において定義された59338番目に相当する塩基置換部位(以下、単に59338番目の塩基置換部位と記載する。他の部位についても同様に記載する。)から5’側の隣接する11塩基への連続した12塩基からなる塩基配列を表す。配列番号2(GACTCACTTT)は、前記5非翻訳領域に存在する59350番目の塩基置換部位から3’側の隣接する9塩基への連続した10塩基からなる塩基配列を表す。配列番号3(AACGGGGTGGGGGAGGGGGGGG)は、前記5非翻訳領域に存在する59715番目〜59723番目の連続する9個の塩基のうちいずれか1つの塩基の欠失により多型を生じた連続する8個の塩基から、5’側の隣接する14塩基への連続した22塩基からなる塩基配列を表す。配列番号4(CTAGCGCATAAATAATGGTATG)は、前記5非翻訳領域に存在する59909番目の塩基置換部位から5’側の隣接する21塩基への22塩基からなる連続した塩基配列を表す。
これらの配列は、本発明にかかる新規多型の特異的検出に必要な最小限の塩基配列である。従って、本発明においては、配列番号1〜配列番号4で特定されるDNA断片、それぞれIFN-γ低産生の遺伝的素因マーカーとして利用する。すなわち、本発明は配列番号1〜配列番号4のいずれかのDNA断片からなる遺伝的素因マーカーである。また、本発明においては、上記配列番号1〜配列番号4の各々の、5’末端及び/又は3’末端に隣接する塩基を含めた配列からなるDNA断片を遺伝的素因マーカーとして用いても良い。このとき、前記隣接する塩基としては、所望の機能を維持することができる程度の長さの塩基を、当業者が適宜決定することができる。このような遺伝的素因マーカーを含むDNA断片を検出することにより個体におけるIFN-γ低産生の遺伝的素因を検査することができる。
本発明のマーカーを含むDNA断片の検出方法としては、公知の方法を特に限定することなく用いることができる。例えば、(1)マーカーを含む領域でPCRを行い、SSCP法で検出する方法、(2)同PCR産物を直接シーケンシングし、配列を決定する方法、(3)マーカーを含む領域をプローブとして使用し、個体DNAとハイブリダイズさせることで検出する方法(ASO(allele specific oligonucleotide)法)、(4)マーカー近傍の配列をプローブとして用いて質量分析装置等で検出する方法等が挙げられる。
検出には、本発明のオリゴヌクレオチド、すなわち本発明のマーカーを含むDNA断片に特異的にハイブリダイズし、該マーカーを検出するためのオリゴヌクレオチドを用いることができる。ここで、前記本発明のマーカーを含むDNA断片は、所望の目的を達成することができる程度の長さのものを、当業者が適宜決定することができる。該オリゴヌクレオチドは通常15〜50塩基長、好ましくは15〜25塩基長である。
このようなオリゴヌクレオチドとしては、前記の多型部位を含むものが挙げられる。具体的には、上記配列番号1〜配列番号4、配列番号5(GATATTTGGGGTTTTTTTGTAAAG)、配列番号6(TTAAAGTGAGTCATTTTCTTTATC)、配列番号7(AAAAGTTGTCTTAAAGTGAGTC)、配列番号8(AGAGACAACGGGGTGGGGGAGGGGGGGGA)、配列番号9(AGAGACAACGGGGTGGGGGAG)、配列番号10(TACTAGCGCATAAATAATGGTATG)、配列番号11(CTAAGACTTCCTTAATTATAAGAC)及びこれらに相補的な配列等が挙げられる。
ここで、配列番号5及び配列番号6は、59338位の多型を検出するために用いられる。配列番号7は、59350位の多型を検出するために用いられる。配列番号8及び9は、59715位〜59723位の多型を検出するために用いられる。配列番号10及び11は、59909位の多型を検出するために用いられる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明のマーカーを含むDNA断片に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド「プローブ」として設計することができる。このとき、本発明のオリゴヌクレオチドは、放射性物質、蛍光物質、酵素等で適宜標識される。
例えばASO法の一例であるTaqMan PCR法(Livak KJ. Genet Anal14, 143 (1999)、Morris T et al. J Clin Microbiol 34, 2933 (1996))の場合では、多型部位を含む領域に相補的な20塩基長程度のオリゴヌクレオチドがプローブとして設計される。該プローブは5’末端を蛍光色素、3’末端を消光物質により標識され、検体DNAと特異的にハイブリダイズするがそのままでは発光せず、別に加えられたPCRプライマーの上流からの伸長反応により5’側の蛍光色素結合が切断され、遊離した蛍光色素により検出される。
ASO法の別の一例であるInvader法(Lyamichev V. et al. Nat Biotechnol 17,292 (1999))では、多型部位に隣接する配列(3’側と5’側の2種)に相補的なオリゴヌクレオチドがプローブとして設計される。検出は、これら2種のプローブと検体とは無関係な第3のプローブによって達成される。
また、本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明のマーカーを含むDNA断片に特異的にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド「プライマー」として設計することもできる。本発明においては、前記プライマーは多型部位の5’側に隣接する配列又は近傍の配列に対して相補的に設計することができる。すなわち、その3’末端が前記の多型部位よりも1塩基〜8塩基上流に位置するように設定したものを標的DNA断片に特異的にハイブリダイズすることができる。標的DNA断片に特異的にハイブリダイズした後、一塩基だけPCR伸長され、この一塩基伸長産物が検出の対象となる。
例えばMass Array法にMALDI-TOF/MS(Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization Time-Of-Flight Mass Spectrometry)を応用した方法(Haff LA et al.Genome Res 7, 378 (1997),Little DP et al. Nature Medicine vol.3 No.12 1413-1416, (1997))では、シリコンチップ上に固定した検体DNAに前記プライマーをハイブリダイズさせ、ddNTPを添加して一塩基だけ伸長させる。次いで一塩基伸長産物を分離し、質量分析法により多型を検出する。この方法では、プライマーは通常15塩基長以上で可能な限り短く設計することが望ましい。
さらに、本発明のオリゴヌクレオチドは、適当な基盤上に整列化して固定させることで、多型検出用のDNAチップとして利用することもできる。
本発明にかかる検査方法は、ヒトゲノムDNAから、IL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域の5非翻訳領域に存在する多型部位を検出することによりIFN-γ低産生の遺伝的素因を検査する方法であり、上述の4箇所の多型部位のうち少なくとも1箇所の多型部位を検出することにより達成される。本発明においては、上述の配列番号1〜4を遺伝子素因マーカーとして用いることができ、これらのうち少なくとも1つのマーカーを検出することによりIFN-γ低産生の遺伝的素因を検査することができる。マーカーの検出は、上述のオリゴヌクレオチドを用いることができ、配列番号5〜配列番号11のオリゴヌクレオチドを用いて行うことがより好ましい。
本発明は、重篤な感染症やアレルギー等の疾患に対する遺伝的素因の検査に特に有用である。本発明の検査方法を利用すれば、これら疾患の発症危険率の予測や重症進行度の判断をすることができ、これら疾患に対する予防や治療においてより有用な手段を得ることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例においても多型部位を表す数字は、特に断りのない限り、上述と同様にGENBANK ACCESSION NO. AL389925で特定された配列において定義された位置に対応する。
[実験例1]
1. 検体の入手及び全血からのゲノムDNAの抽出
ハンセン病患者L型群(129例)及びハンセン病患者T型群(46例)よりインフォームド・コンセントを得たうえで採血を行い末梢血リンパ球を原料として染色体DNAを抽出した。DNAの抽出は市販の抽出キットである「ドナクイック」(大日本製薬)および「QIAamp midi kit」(QIAGEN社)を使用し、キットに添付された説明書のプロトコルに従って行った。1 ml 全血から10〜25 μgのゲノムDNAを抽出した。
2. ヒトIL-12R遺伝子プロモータ領域のシーケンス
(1) IL-12R遺伝子プロモータ領域の、GENBANK ACCESSION NO.AF349574で特定される配列に相当する約1200塩基長を増幅するためのPCRプライマーと内部配列解析用のシーケンスプライマーとをプライマー設計ソフト、Oligo(Molecular Biology Insights社)を用いて設計した。以下に、用いたPCRプライマーの塩基配列を示す。
PCR用
Forward primer: 5’-CAC ACA ATA ATG GGA ACA CTT CG -3’(配列番号12)
Reverse primer: 5’-CTT GTT GAC AGC CAT CAG GGA AC -3’(配列番号13)
内部配列解析用シーケンス
Forward primer: 5’-TCC AAG ATG TAC ATT TTT CA -3’(配列番号14)
Reverse primer: 5’-AAA AAG AAC TGC CAG GTA AAC -3’(配列番号15)
(2) 次に、上記プライマーを用いて各領域のPCR増幅を行った。抽出したゲノムDNA(鋳型)10ng、各プライマー10pmolずつ、各ヌクレオチド3燐酸(dNTP)10nmolずつ、トリス塩酸緩衝液(pH8.3)10μM、KCl 50mM、MgCl2 1.5mM、及びEX TaqDNAポリメラーゼ(Takara社製)1unit を加え、全液量を20μlとしてPCR反応を行った。PCR反応の条件は、最初の変性条件のみは94℃で2分間、その後は、それぞれ次の反応条件下で増幅反応を行った。変性条件は94℃で20秒間、アニーリングは55℃で40秒間、伸長反応は72℃で1分間のサイクルを35回繰り返し、最後に72℃で5分間の伸長反応を行い、目的のPCR産物を得た。PCR反応の確認は、2μlのPCR産物を2%アガロースで電気泳動を行い、UVサンプル撮影装置FAS-III(東洋紡績)で確認した。
増幅が確認できたPCR産物は、オートシークエンサーを用いたダイレクトシーケンス法により塩基配列を解析した。PCR産物からプライマー除去キット(EXO-SAP-IT;Amersham社)を用いてプライマーと余剰のdNTPを除き、BigDye Terminator によるサイクルシーケンシング反応(BigDye Terminator cycle sequencing kit/ ABI社)を行い、DNAシーケンサー(ABI3730)で電気泳動して多型及び野生型の塩基配列を決定した。塩基配列解析の結果、ヒトIL-12R遺伝子プロモータ領域に4個の特徴的な遺伝子多型が検出された。
すなわち、翻訳開始点から-1035番目(すなわち本発明における59338番目)の塩基に、野生型の塩基配列であるアデニン(A)の他にグアニン(G)が、翻訳開始点から-1023番目(本発明における59350番目)の塩基に野生型の塩基配列であるアデニン(A)の他にグアニン(G)が、翻訳開始点から-650番目(本発明における59723番目)の塩基に野生型の塩基配列であるグアニン(G)の塩基に欠損が、翻訳開始点から-464番目(本発明における59909番目)の塩基に野生型の塩基配列であるアデニン(A)の塩基のほかにグアニン(G)が検出された。
Figure 0004653434
3. IL-12R遺伝子プロモータ領域の遺伝子多型の頻度解析
(1)上述のように検出同定されたIL-12R遺伝子プロモータ領域における4箇所について、ハンセン病患者L型群(129例)及びT型群(46例)の両群を対象にして、多型解析を行い、その出現頻度を算出した(表1)。解析の結果、59338番目、59350番目、59723番目および59909番目の位置(Position)における塩基はいずれも野生型の塩基よりもハンセン病患者L型群において、別の塩基の出現頻度が高かった。
次にそれぞれの多型についてハンセン病患者L型群とT型群の間の有意差をカイ2乗法を用いて検定した(表1)。4箇所の多型のなかで59350番目のAからGへの塩基置換(A>G)は自由度1、有意水準P<0.5の有意差を示した。他の3箇所の多型(59338番目のAからGへの塩基置換(A>G)、59723番目のGの欠失(G>del)、及び59909番目のAからGへの塩基置換(A>G))については、いずれも自由度1、P<0.1の有意差を示し、これらの多型がハンセン病L型患者群で有意に多く存在することがわかった。
これら、ハンセン病L型患者群では、IFN-γの産生量の低下とともに、IL-12βIIの発現が有意に低下していることが報告されており、この結果とも一致している。また、4箇所の多型がすべて別の塩基に変わっているハプロタイプをもっている頻度を、ハンセン病患者L型群とハンセン病患者T型群とで比較すると、48%(L型)、18%(T型)と、P<0.005の有意差を示した。以上より、4箇所の多型における塩基置換はハンセン病患者L型群に有意に関連する新規遺伝子多型であり、個体におけるIFN-γの産生量の低下に関与する遺伝的素因を検査するマーカーとして用いることができることが判明した。
配列番号1は、IL-12Rβ2遺伝子の塩基置換の多型であり、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59338位のアデニンがグアニンによって置換されている。
配列番号2は、IL-12Rβ2遺伝子の塩基置換の多型であり、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59350位のアデニンがグアニンによって置換されている。
配列番号3は、IL-12Rβ2遺伝子の欠失の多型であり、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59715位〜59723位のいずれか1位からグアニンが欠失している。GENBANK ACCESSION NO. AL389925は、配列表に記載した位置の前又は後の位置にグアニンを有する。
配列番号4は、IL-12Rβ2遺伝子の塩基置換の多型であり、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59909位のアデニンがグアニンによって置換されている。
配列番号5は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59338位の多型を検出するための配列である。
配列番号6は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59338位の多型を検出するための配列である。
配列番号7は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59350位の多型を検出するための配列である。
配列番号8は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59715位〜59723位の多型を検出するための配列である。
配列番号9は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59715位〜59723位の多型を検出するための配列である。
配列番号10は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59909位の多型を検出するための配列である。
配列番号11は、GENBANK ACCESSION NO. AL389925における59909位の多型を検出するための配列である。
配列番号12は、プライマーの配列である。
配列番号13は、プライマーの配列である。
配列番号14は、プライマーの配列である。
配列番号15は、プライマーの配列である。

Claims (2)

  1. IFN-γ低産生関連IL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域の、GENBANK ACCESSION NO. AL389925(配列番号16)の少なくとも連続する15塩基以上のDNA断片からなるIFN-γ低産生の遺伝的素因マーカーであって、前記DNA断片は、配列番号16で示される塩基配列において、59338位の塩基置換による多型部位、59350位の塩基置換による多型部位、59715位〜59723位のいずれか1位の欠失による多型部位、又は59909位の塩基置換による多型部位を有するIFN-γ低産生の遺伝的素因マーカー。
  2. ヒトゲノムDNAから、IFN-γ低産生関連IL-12Rβ2遺伝子プロモーター領域の、GENBANK
    ACCESSION NO. AL389925(配列番号16)における59338位の塩基置換による多型部位、59350位の塩基置換による多型部位、59715位〜59723位のいずれか1位の欠失による多型部位、及び59909位の塩基置換による多型部位のうち少なくとも1つの多型部位を検出することにより、IFN-γ低産生の遺伝的素因を検査する方法。
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