JP4294181B2 - ケース移載方法およびケース移載装置 - Google Patents

ケース移載方法およびケース移載装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDやDVD等の情報記録円盤(以下、光ディスクと記す)が装填される折り畳み可能なプラスチック製のケースに表題紙を挿入する際に用いられるケース移載方法およびケース移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
光ディスクを装填するケースは、通常、二つ折りの箱形形状を有しており、ケースの一方の側に光ディスクが装填され、また他方の側に説明書やしおり等の所定の用紙が挿入される。また、このようなケースにおいては、一般に、表紙となる表題紙を挿入するための透明カバーがケースの表面側に設けられている。
【0003】
従来は、このようなケースに光ディスクを装填して所定の用紙や表題紙を挿入する自動機がなかったため、人手による装填作業が行われており、非常に煩雑であった。
【0004】
そこで、本件出願人によって、光ディスクをケース内に自動的に装填でき、表題紙をケースの透明カバー内に自動的に装填できる光ディスク自動装填装置が開発されている(特願平11−217277号参照)。
【0005】
この場合には、搬送コンベアによりケースを搬送しつつ、表題紙挿入部が表題紙の挿入を行い、また、光ディスク装填部が光ディスクの装填を行い、さらに、用紙挿入部がケースの係止爪に所定の用紙を挿入することによって、自動装填装置が実現されている。
【0006】
表題紙挿入の際には、吸着パッドがケースを吸着保持した状態で斜め下方に移動することによって、ケース本体が偏平な逆V字状に屈曲するとともに、透明カバーが下方に略V字状に垂れ下がり、これにより、ケースに表題紙挿入空間が形成されるようになっている。そして、この状態から、波形形成機構により波状に変形した表題紙がケースの表題紙挿入空間に挿入される。
【0007】
しかしながら、この場合には、表題紙がケースの表題紙挿入空間に挿入されている間は吸着パッドがケースを吸着保持したままの待機状態にあり、このため、処理速度を向上させることができない。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、表題紙挿入時の処理速度を向上させることができるケース移載方法およびケース移載装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るケース移載方法は、折り畳み可能なケース本体および透明カバーからなる光ディスク装填用のケースに表題紙を挿入する際のケース移載方法である。表題紙挿入前の展開状態のケースが導入される導入ステーションと、これに対向配置されるとともに、表題紙挿入後の展開状態のケースが導出される導出ステーションと、ケース本体が屈曲することによりケース本体と透明カバーとの間に表題紙挿入空間が形成される、対向配置された第1,第2の挿入空間形成ステーションとが円周上に均等間隔で配置されるとともに、前記各ステーションに対応した第1ないし第4の4個の吸着ヘッドを有する回転可能なタレットが設けられている。まず、導入ステーションに導入されたケースを第1の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを90度回転させることによって、第1の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第1の挿入空間形成ステーションに移動させるとともに、ケース本体を屈曲させることにより表題紙挿入空間が形成されたケースを、第1の吸着ヘッドの吸着状態の解除により第1の挿入空間形成ステーションに載置する。次に、第1の挿入空間形成ステーションに載置されたケースに対して表題紙挿入動作が行われている間に、導入ステーションに導入された次のケースを、該導入ステーションに配置されていた第2の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを前記回転方向とは逆方向に90度反転させることによって、第2の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第2の挿入空間形成ステーションに移動させるとともに、ケース本体を屈曲させることにより表題紙挿入空間が形成されたケースを、第2の吸着ヘッドの吸着状態の解除により第2の挿入空間形成ステーションに載置する。そして、第1の挿入空間形成ステーションでの表題紙挿入動作の完了後、表題紙が挿入されたケースを、第1の挿入空間形成ステーションに配置されていた第4の吸着ヘッドにより吸着保持するとともに、このとき導入ステーションに導入されていた次のケースを第1の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを90度回転させることによって、第4の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを導出ステーションに移動させるとともに、第1の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第1の挿入空間形成ステーションに移動させ、第1,第4の吸着ヘッドの吸着状態の解除により、導出ステーションおよび第1の挿入空間形成ステーションにそれぞれケースを載置する。次に、第2の挿入空間形成ステーションでの表題紙挿入動作の完了後、表題紙が挿入されたケースを、第2の挿入空間形成ステーションに配置されていた第3の吸着ヘッドにより吸着保持するとともに、このとき導入ステーションに導入されていた次のケースを第2の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを90度反転させることによって、第3の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを導出ステーションに移動させるとともに、第2の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第2の挿入空間形成ステーションに移動させ、第2,第3の吸着ヘッドの吸着状態の解除により、導出ステーションおよび第2の挿入空間形成ステーションにそれぞれケースを載置する。
【0010】
請求項2の発明に係るケース移載方法は、請求項1において、前記各吸着ヘッドが、ケース本体の各面にそれぞれ対応した一対の吸着パッドから構成されており、前記各吸着パッドが導入ステーションから第1,第2の挿入空間形成ステーションに移動する際には、前記各吸着パッドが斜め下方に移動してケース本体が偏平な逆V字状に屈曲することによって、透明カバーがその自重により略V字状に撓んで表題紙挿入空間が形成されるようになっていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明に係るケース移載装置は、折り畳み可能なケース本体および透明カバーからなる光ディスク装填用のケースに表題紙を挿入する際にケースを移載するためのケース移載装置であって、表題紙挿入前の展開状態のケースが導入される導入ステーションと、これに対向配置されるとともに、表題紙挿入後の展開状態のケースが導出される導出ステーションと、ケース本体が屈曲することによりケース本体と透明カバーとの間に表題紙挿入空間が形成される、対向配置された第1,第2の挿入空間形成ステーションとが円周上に均等間隔で配置され、前記各ステーションに対応した第1ないし第4の4個の吸着ヘッドを有する正逆転可能なタレットが設けられるとともに、第1,第2の挿入空間形成ステーションには、ケース本体の屈曲により表題紙挿入空間が形成された状態のケースが載置される載置台が配置されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4の発明に係るケース移載装置は、請求項3において、前記各吸着ヘッドが、ケース本体の各面にそれぞれ対応しかつ斜め下方に移動可能な一対の吸着パッドから構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項1の発明に係るケース移載方法について、図6の模式図を用いて説明する。
図6には、第1ないし第4の吸着ヘッド▲1▼〜▲4▼を有する回転可能なタレットTが設けられている。同図(a)において、吸着ヘッド▲1▼の位置が導入ステーションに、吸着ヘッド▲2▼の位置が第2の挿入空間形成ステーションに、吸着ヘッド▲3▼の位置が導出ステーションに、吸着ヘッド▲4▼の位置が第1の挿入空間形成ステーションにそれぞれ対応している。各ステーションは、円周上に均等間隔で配置されている。
【0014】
まず、図(a)において、導入ステーションに導入されたケース101 を吸着ヘッド▲1▼により吸着保持し、この状態からタレットTを反時計方向に90度回転させることによって、吸着ヘッド▲1▼に吸着保持されたケース101 を第1の挿入空間形成ステーションに移動させる(図(b)参照)。この移動の際には、ケース本体が屈曲することによって、ケース101 に表題紙挿入空間が形成される。第1の挿入空間形成ステーションでは、吸着ヘッド▲1▼の吸着状態が解除されて、ケース101 が第1の挿入空間形成ステーションに載置される。
【0015】
次に、図(b)に示すように、第1の挿入空間形成ステーションに載置されたケース101 に対して表題紙挿入動作が行われている間に、導入ステーションに導入された次のケース102 を、該導入ステーションに配置されていた吸着ヘッド▲2▼により吸着保持し、この状態からタレットTを時計方向に90度反転させることによって、吸着ヘッド▲2▼に吸着保持されたケース102 を第2の挿入空間形成ステーションに移動させる(図(c)参照)。この移動の際には、ケース本体が屈曲することによって、ケース102 に表題紙挿入空間が形成される。第2の挿入空間形成ステーションでは、吸着ヘッド▲2▼の吸着状態が解除されて、ケース102 が第2の挿入空間形成ステーションに載置される。
【0016】
次に、図(c)に示すように、第1の挿入空間形成ステーションでの表題紙挿入動作の完了後、第2の挿入空間形成ステーションに載置されたケース102 に対して表題紙挿入動作が行われている間に、表題紙が挿入されたケース101 が、第1の挿入空間形成ステーションに配置されていた吸着ヘッド▲4▼により吸着保持されるとともに、このとき導入ステーションに導入されていた次のケース103 が吸着ヘッド▲1▼により吸着保持される。
【0017】
この状態からタレットTを反時計方向に90度回転させることによって、吸着ヘッド▲4▼に吸着保持されたケース101 が導出ステーションに移動するとともに、吸着ヘッド▲1▼に吸着保持されたケース103 が第1の挿入空間形成ステーションに移動する(図(d)参照)。そして、吸着ヘッド▲1▼,▲4▼の吸着状態の解除により、導出ステーションおよび第1の挿入空間形成ステーションにそれぞれケース101 ,103 が載置される。
【0018】
次に、図(d)に示すように、第2の挿入空間形成ステーションでの表題紙挿入動作の完了後、第1の挿入空間形成ステーションに載置されたケース103 に対して表題紙挿入動作が行われている間に、表題紙が挿入されたケース102 が、第2の挿入空間形成ステーションに配置されていた吸着ヘッド▲3▼により吸着保持されるとともに、このとき導入ステーションに導入されていた次のケース104 が吸着ヘッド▲2▼により吸着保持される。
【0019】
この状態からタレットTを時計方向に90度回転させることによって、吸着ヘッド▲3▼に吸着保持されたケース102 が導出ステーションに移動するとともに、吸着ヘッド▲2▼に吸着保持されたケース104 が第2の挿入空間形成ステーションに移動する(図(e)参照)。そして、吸着ヘッド▲2▼,▲3▼の吸着状態の解除により、導出ステーションおよび第2の挿入空間形成ステーションにそれぞれケース102 ,104 が載置される。
以下、必要に応じて、図(d)および図(e)の操作が繰り返される。
【0020】
この場合には、挿入空間形成ステーションを対向配置された2個所に設けるとともに、タレットを90度ずつ交互に正逆転させることにより、ケースを第1,第2の挿入空間形成ステーションに交互に移載するようにしたので、表題紙挿入時に吸着ヘッドを待機状態におく必要がなくなり、これにより、表題紙挿入時の処理速度を向上させることができる。
【0021】
請求項3の発明に係るケース移載装置によれば、対向配置された第1,第2の挿入空間形成ステーションと、90度ずつ交互に正逆転可能なタレットと、第1,第2の挿入空間形成ステーションにおいてケースが載置される載置台とが設けられるので、請求項1の発明の場合と同様に、導入ステーションのケースが第1,第2の挿入空間形成ステーションの載置台に交互に移載されるようになり、これにより、表題紙挿入時の処理速度を向上させることができる。
【0022】
請求項2および4の発明によれば、ケースが導入ステーションから挿入空間形成ステーションに移載される際には、吸着ヘッドを構成する一対の吸着パッドが斜め下方に移動して、ケース本体が偏平な逆V字状に屈曲する。すると、透明カバーが自重によって略V字状に撓み、これにより、ケースに表題紙挿入空間が形成される。この場合には、表題紙挿入空間の形成を簡単な機構で実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図10は本発明の一実施態様によるケース移載方法およびケース移載装置を説明するための図であって、図1は本発明の一実施態様が採用された光ディスク装填装置全体の平面概略図、図2はケースの展開状態の平面図、図3はケースの展開状態の側面図、図4はケース移載装置を構成するタレットの平面図、図5はタレットの側面図、図6は本発明によるケース移載方法を説明するための模式図、図7はタレットにおける吸着ヘッド▲1▼の動作を説明するための図、図8はタレットにおける吸着ヘッド▲2▼の動作を説明するための図、図9はタレットにおける吸着ヘッド▲4▼の動作を説明するための図、図10はタレットにおける吸着ヘッド▲3▼の動作を説明するための図である。
【0024】
図1に示すように、この光ディスク装填装置1は、ケース10を矢印X方向に搬送する搬送コンベア2と、搬送コンベア2の搬送方向上流端に配置されたケース積載ステーション3と、ケース積載ステーション3から取り出されてスロープ3a上に立て置きされたケース10を一個ずつ搬送コンベア2側に供給するケース供給部4と、閉じられたケース10を開放するケース開放部5と、ケース10の透明カバー内に表題紙Pを挿入する表題紙挿入部6,6′と、表題紙挿入の際にケース10を移載するための移載装置7と、ケース10の装填穴に光ディスクDを装填する光ディスク装填部8と、ケース10内に所定の用紙を挿入する用紙挿入部9,9′と、ケース10を閉じるケース閉塞部20と、製品を振り分けるためのプッシャー30とから構成されている。
【0025】
ケース10は、図2および図3に示すように、二つ折り可能な箱形ケースであって、ケース本体11と、その表面側に装着された透明カバー12とを有している。ケース本体11の一方の本体部11aには、円周方向に延びる複数の突起部13が形成されている。これらの突起部13の内周面により、光ディスク装填穴が形成されている。ケース本体11の他方の本体部11bには、説明書など比較的大形の冊子状の用紙やクーポンなど比較的小形の単葉の用紙を係止するための一対の係止爪14が設けられている。透明カバー12の両端12a,12bは、ケース本体11の本体部11a,11bの各端部に熱溶着されている。
【0026】
図1において、表題紙挿入部6,6′は、搬送コンベア2の両側に移載された各ケース10に対してそれぞれ表題紙挿入を行うために、搬送コンベア2を挟んで対向配置されている。いずれの表題紙挿入部も、表題紙Pを波形状に変形させるために、波形状の合わせ面を有しかつ接近・離反可能な上型および下型から構成されている。光ディスク装填部8は、回動可能なL形状の装填ヘッド8aを有している。用紙挿入部9,9′は、用紙を吸着保持する吸着部およびシリンダ等から構成されている。
【0027】
移載装置7は、図4に示すように、90度間隔で配置されかつ放射状に延びる4本のアーム70を備えたタレットTを有している。タレットTは、回転軸75の回りを正逆転可能になっている。アーム70の各先端には、ケース10を吸着保持するための吸着ヘッド71,72,73,74が設けられており、各吸着ヘッドは、同一円周上に配置されている。
【0028】
図4において、搬送コンベア2上には、表題紙挿入前の展開状態のケース10が導入される導入ステーションAと、タレットTを挟んで導入ステーションAに対向配置されるとともに、表題紙挿入後の展開状態のケース10が導出される導出ステーションCとが設けられている。また、搬送コンベア2の外側には、タレットTを挟んで第1,第2の挿入空間形成ステーションB,B′が対向配置されている。これらのステーションA,B,B′,Cは、円周上に均等間隔で配置されている。
【0029】
タレットTの各吸着ヘッド71〜74は、図5に示すように、支軸部76の回りを上下方向回動可能な一対のアーム部材77から構成されている。各アーム部材の77の先端には、吸着パッド78a,78bがそれぞれ2個ずつ設けられている。吸着パッド78a,78bは、ケース本体11の各本体部11a,11bにそれぞれ対応している。また、第1の挿入空間形成ステーションBには、ケース本体11と透明カバー12との間に表題紙挿入空間Sが形成されたケース10が載置される載置台79が設けられている。載置台79は、ケース10の両端を下方から支持している。なお、図5では表れていないが、第2の挿入空間形成ステーションB′側にも、載置台79と同様の載置台が設けられている。
【0030】
次に、移載装置7によるケース移載方法について、図4ないし図10を用いて説明する。なお、図4の各吸着ヘッド71〜74は、図6中の各吸着ヘッド▲1▼〜▲4▼にそれぞれ対応している。また、図7ないし図10において、▲1▼〜▲4▼は図6中の各吸着ヘッド▲1▼〜▲4▼にそれぞれ対応し、(a)〜(e)は図6中の各図(a)〜(e)にそれぞれ対応している。すなわち、図7ないし図10はそれぞれ吸着ヘッド▲1▼,▲2▼,▲4▼,▲3▼の動作を示していることになる。また、以下の説明文中、括弧内の数字は、図6中の対応符号を示している。
【0031】
導入ステーションAに導入された展開状態のケース10(101 )は、吸着ヘッド71(▲1▼)により吸着保持される(図6(a)参照)。このとき、図7中の(a)に示すように、吸着ヘッド71(▲1▼)の各アーム部材77が開いており、各先端の吸着パッド78a,78bがケース10(101 )を吸着保持して上方に移動する。
【0032】
次に、タレットTを反時計方向に90度回転させ、吸着ヘッド71(▲1▼)に吸着保持されたケース10(101 )を第1の挿入空間形成ステーションBに移動させる(図6(b)参照)。この移動の際には、図7中の(a)〜(b)および(b)に示すように、吸着ヘッド71(▲1▼)の各アーム部材77が下方に回動することによって、各吸着パッド78a,78bが斜め下方に移動する。これにより、ケース本体11が偏平な逆V字状に屈曲して、透明カバー12がその自重により略V字状に撓む。その結果、ケース10(101 )に表題紙挿入空間Sが形成される。表題紙挿入空間Sが形成されたケース10(101 )は、第1の挿入空間形成ステーションBに配置された載置台79に載置される。ケース10の載置後、吸着ヘッド71(▲1▼)は吸着状態を解除して上方に退避する。
【0033】
第1の挿入空間形成ステーションBに載置されたケース10(101 )に対しては、表題紙挿入部6による表題紙挿入動作が行われる。この表題紙挿入動作が行われている間に導入ステーションAに導入された次のケース10(102 )を、該導入ステーションAに配置されていた吸着ヘッド72(▲2▼)により吸着保持し、この状態からタレットTを時計方向に90度回転させる。すると、吸着ヘッド72(▲2▼)に吸着保持されたケース10(102 )が第2の挿入空間形成ステーションB′に移動する(図6(c)参照)。
【0034】
この移動の際においても、図8中の(c)に示すように、ケース本体11が偏平な逆V字状に屈曲することによって、ケース10(102 )に表題紙挿入空間Sが形成される。表題紙挿入空間Sが形成されたケース10(102 )は、第2の挿入空間形成ステーションB′に配置された載置台79に載置される。ケース10の載置後、吸着ヘッド72(▲2▼)は吸着状態を解除して上方に退避する。
【0035】
次に、第1の挿入空間形成ステーションBでの表題紙挿入動作の完了後、第2の挿入空間形成ステーションB′に載置されたケース10(102 )に対して表題紙挿入動作が行われている間に、表題紙Pが挿入されたケース10(101 )が、第1の挿入空間形成ステーションBに配置されていた吸着ヘッド74(▲4▼)により吸着保持されるとともに(図9(c)参照)、このとき導入ステーションAに導入されていた次のケース10(103 )が吸着ヘッド71(▲1▼)により吸着保持される。この場合には、吸着ヘッド74(▲4▼)の下降および上昇時に(図5実線および一点鎖線参照)同時に吸着ヘッド71(▲1▼)が下降し上昇するので、効率良く各処理を進めることができる。
【0036】
この状態からタレットTを反時計方向に90度回転させることによって、吸着ヘッド74(▲4▼)に吸着保持されたケース10(101 )が導出ステーションCに移動するとともに、吸着ヘッド71(▲1▼)に吸着保持されたケース10(103 )が第1の挿入空間形成ステーションに移動する(図6(d)参照)。そして、吸着ヘッド71(▲1▼)の吸着状態の解除により、第1の挿入空間形成ステーションBにケース10(103 )が載置されるとともに、吸着ヘッド74(▲4▼)の吸着状態の解除により、導出ステーションCにケース10(101 )が載置される(図9(d)参照)。
【0037】
この場合においても、吸着ヘッド71(▲1▼)の下降および上昇時に(図5実線および一点鎖線参照)同時に吸着ヘッド74(▲4▼)が下降し上昇するので、効率よく各処理を進めることができる。また、導出ステーションCに載置されたケース10(101 ) は、搬送コンベア2により搬出される。
【0038】
次に、第2の挿入空間形成ステーションB′での表題紙挿入動作の完了後、第1の挿入空間形成ステーションBに載置されたケース10(103 )に対して表題紙挿入動作が行われている間に、表題紙Pが挿入されたケース10(102 )が、第2の挿入空間形成ステーションB′に配置されていた吸着ヘッド73(▲3▼)により吸着保持されるとともに(図10(d)参照)、このとき導入ステーションAに導入されていた次のケース10(104 )が吸着ヘッド72(▲2▼)により吸着保持される(図8(d)参照)。
【0039】
この状態からタレットTを時計方向に90度回転させることによって、吸着ヘッド73(▲3▼)に吸着保持されたケース10(102 )が導出ステーションCに移動するとともに、吸着ヘッド72(▲2▼)に吸着保持されたケース10(104 )が第2の挿入空間形成ステーションB′に移動する(図6(e)参照)。そして、吸着ヘッド72(▲2▼),73(▲3▼)の吸着状態の解除により、導出ステーションCおよび第2の挿入空間形成ステーションB′にそれぞれケース10(102 ),10(104 )が載置される。
以下、導出ステーションAにケース10が導入される毎に、図6(d)および(e)の操作が繰り返されることになる。
【0040】
このように本実施態様によれば、挿入空間形成ステーションB,B′を対向配置された2個所に設けるとともに、タレットTを90度ずつ交互に正逆転させることにより、ケースを第1,第2の挿入空間形成ステーションB,B′に交互に移載するようにしたので、表題紙挿入時に吸着ヘッドを待機状態におく必要がなくなり、これにより、表題紙挿入時の処理速度を向上させることができる。
【0041】
また、ケース10が導入ステーションAから挿入空間形成ステーションB,B′に移載される際には、吸着ヘッドを構成する一対の吸着パッドが斜め下方に移動してケース本体11が偏平な逆V字状に屈曲することにより、透明カバー12が自重によって略V字状に撓んで、ケース10に表題紙挿入空間Sが形成される。これにより、表題紙挿入空間の形成を簡単な機構で実現できる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係るケース移載方法によれば、第1の挿入空間形成ステーションに対向して第2の挿入空間形成ステーションを設けるとともに、タレットを90度ずつ交互に正逆転させることにより、導入ステーションのケースを第1,第2の挿入空間形成ステーションに交互に移載するようにしたので、表題紙挿入時の処理速度を向上できる効果がある。
【0043】
また、請求項3の発明に係るケース移載装置によれば、対向配置された第1,第2の挿入空間形成ステーションと、90度ずつ交互に正逆転可能なタレットと、第1,第2の挿入空間形成ステーションにおいてケースが載置される載置台とが設けられるので、請求項1の発明の場合と同様に、導入ステーションのケースが第1,第2の挿入空間形成ステーションの載置台に交互に移載されるようになり、これにより、表題紙挿入時の処理速度を向上できる効果がある。
【0044】
さらに、請求項2および4の発明によれば、ケースが導入ステーションから挿入空間形成ステーションに移載される際には、吸着ヘッドを構成する一対の吸着パッドが斜め下方に移動して、ケース本体が偏平な逆V字状に屈曲することにより、透明カバーが自重によって略V字状に撓み、これにより、ケースに表題紙挿入空間が容易に形成される。この場合には、表題紙挿入空間の形成を簡単な機構で実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるケース移載方法およびケース移載装置が採用された光ディスク装填装置全体の平面概略図。
【図2】ケースの展開状態の平面図。
【図3】ケースの展開状態の側面図。
【図4】ケース移載装置を構成するタレットの平面図。
【図5】タレットの側面図。
【図6】本発明によるケース移載方法を説明するための模式図。
【図7】タレットにおける吸着ヘッド▲1▼の動作を説明するための図。
【図8】タレットにおける吸着ヘッド▲2▼の動作を説明するための図。
【図9】タレットにおける吸着ヘッド▲4▼の動作を説明するための図。
【図10】タレットにおける吸着ヘッド▲3▼の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光ディスク装填装置
6,6′ 表題紙挿入部
7 移載装置
71〜74 吸着ヘッド
78a 吸着パッド
78b 吸着パッド
79 載置台
10 ケース
11 ケース本体
12 透明カバー
D 光ディスク
P 表題紙
S 表題紙挿入空間
T タレット
A 導入ステーション
B 第1の挿入空間形成ステーション
B′ 第2の挿入空間形成ステーション
C 導出ステーション

Claims (4)

  1. 折り畳み可能なケース本体および透明カバーからなる光ディスク装填用のケースに表題紙を挿入する際のケース移載方法であって、
    表題紙挿入前の展開状態のケースが導入される導入ステーションと、これに対向配置されるとともに、表題紙挿入後の展開状態のケースが導出される導出ステーションと、ケース本体が屈曲することによりケース本体と透明カバーとの間に表題紙挿入空間が形成される、対向配置された第1,第2の挿入空間形成ステーションとが円周上に均等間隔で配置されるとともに、
    前記各ステーションに対応した第1ないし第4の4個の吸着ヘッドを有する回転可能なタレットが設けられており、
    導入ステーションに導入されたケースを第1の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを90度回転させることによって、第1の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第1の挿入空間形成ステーションに移動させるとともに、ケース本体を屈曲させることにより表題紙挿入空間が形成されたケースを、第1の吸着ヘッドの吸着状態の解除により第1の挿入空間形成ステーションに載置し、
    第1の挿入空間形成ステーションに載置されたケースに対して表題紙挿入動作が行われている間に、導入ステーションに導入された次のケースを、該導入ステーションに配置されていた第2の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを前記回転方向とは逆方向に90度反転させることによって、第2の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第2の挿入空間形成ステーションに移動させるとともに、ケース本体を屈曲させることにより表題紙挿入空間が形成されたケースを、第2の吸着ヘッドの吸着状態の解除により第2の挿入空間形成ステーションに載置し、
    第1の挿入空間形成ステーションでの表題紙挿入動作の完了後、表題紙が挿入されたケースを、第1の挿入空間形成ステーションに配置されていた第4の吸着ヘッドにより吸着保持するとともに、このとき導入ステーションに導入されていた次のケースを第1の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを90度回転させることによって、第4の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを導出ステーションに移動させるとともに、第1の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第1の挿入空間形成ステーションに移動させ、第1,第4の吸着ヘッドの吸着状態の解除により、導出ステーションおよび第1の挿入空間形成ステーションにそれぞれケースを載置し、
    第2の挿入空間形成ステーションでの表題紙挿入動作の完了後、表題紙が挿入されたケースを、第2の挿入空間形成ステーションに配置されていた第3の吸着ヘッドにより吸着保持するとともに、このとき導入ステーションに導入されていた次のケースを第2の吸着ヘッドにより吸着保持し、この状態からタレットを90度反転させることによって、第3の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを導出ステーションに移動させるとともに、第2の吸着ヘッドに吸着保持されたケースを第2の挿入空間形成ステーションに移動させ、第2,第3の吸着ヘッドの吸着状態の解除により、導出ステーションおよび第2の挿入空間形成ステーションにそれぞれケースを載置するようにした、
    ことを特徴とするケース移載方法。
  2. 請求項1に記載のケース移載方法において、
    前記各吸着ヘッドが、ケース本体の各面にそれぞれ対応した一対の吸着パッドから構成されており、前記各吸着パッドが導入ステーションから第1,第2の挿入空間形成ステーションに移動する際には、前記各吸着パッドが斜め下方に移動してケース本体が偏平な逆V字状に屈曲することによって、透明カバーがその自重により略V字状に撓んで表題紙挿入空間が形成されるようになっている、
    ことを特徴とするケース移載方法。
  3. 折り畳み可能なケース本体および透明カバーからなる光ディスク装填用のケースに表題紙を挿入する際にケースを移載するためのケース移載装置であって、
    表題紙挿入前の展開状態のケースが導入される導入ステーションと、これに対向配置されるとともに、表題紙挿入後の展開状態のケースが導出される導出ステーションと、ケース本体が屈曲することによりケース本体と透明カバーとの間に表題紙挿入空間が形成される、対向配置された第1,第2の挿入空間形成ステーションとが円周上に均等間隔で配置され、
    前記各ステーションに対応した第1ないし第4の4個の吸着ヘッドを有し、90度ずつ交互に正逆転可能なタレットが設けられるとともに、
    第1,第2の挿入空間形成ステーションには、ケース本体の屈曲により表題紙挿入空間が形成された状態のケースが載置される載置台が配置されている、
    ことを特徴とするケース移載装置。
  4. 請求項3に記載のケース移載装置において、
    前記各吸着ヘッドが、ケース本体の各面にそれぞれ対応しかつ斜め下方に移動可能な一対の吸着パッドから構成されている、
    ことを特徴とするケース移載装置。
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