JP4293686B2 - 静磁場発生装置及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に用いられる静磁場発生装置に係り、特にIVR(Interventional Radiology)の術技がやり易く、被検体にとっての開放性を改善した静磁場発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6、図7に、MRI装置に使用される静磁場発生装置の従来例を示す。この静磁場発生装置は静磁場の発生に永久磁石を用いた磁気回路から構成されている。図6は静磁場発生装置の外観を示す斜視図、図7は静磁場発生装置の縦断面図(右側のみ)である。図7において、計測空間40を挟んで上下方向に一対の磁極片53a、53bと永久磁石52a、52bが配置され、計測空間40に磁場均一度の高い静磁場が形成されている。磁極片53a、53bはそれらの外側に配置された一対の鉄製のヨーク51a、51bによって支持されている。ヨーク51a、51bは4本の鉄製のコラム57a〜57dによって、所定の間隔をとって支持されている。
【0003】
この静磁場発生装置41において、上側の永久磁石52aと下側の永久磁石52とは互いに極性の異なるものとしており、磁気回路42は永久磁石52a→磁極片53a→計測空間40→磁極片53b→永久磁石52b→ヨーク51b→コラム57a〜57d→ヨーク51a→永久磁石52aの経路で形成される。さらに、磁極片53a、53bの表面には、計測空間40の磁場均一度を改善するために、鉄片54又は磁石片55が略同心円状に配置されている。
【0004】
さらに、対向して配置された磁極片53a、53bの周縁部には、上下とも、同一形状の環状突起部56a、56bが設けられている。この環状突起部56a、56bは、装置の周辺への磁束の漏れを抑制し、計測空間40における磁場均一度を改善するためのものである。この詳細に関しては、特開昭60-88407号公報に開示されている。
【0005】
図示の装置で、被検体が挿入される計測空間40の有効な間隙は、2個の磁極片52a、53bの2個の環状突起部56aと56bの間の距離となる。この間隙内には、被検体のほか、開口部用外装カバーと磁気共鳴イメージング(MRI)に必要な送信側高周波コイルと受信側高周波コイル(いずれも図示せず)などが配置され、傾斜磁場コイル9については、磁極片53a、53bの凹部に配置されているのが一般的構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記において、磁極片53a、53bの環状突起部56a、56bは、装置の周辺への磁束の漏れを抑制し、計測空間40の磁場均一度を改善するためのものであるが、この環状突起部56a、56bだけでは、計測空間40の周辺部における磁場強度の低下を防止することは困難である。このため、永久磁石52a、52bの外径を磁極片53a、53bの外径よりも大きくすることにより、計測空間40の周辺部での磁場強度の低下を防止している。さらに、組み立てを容易にするために、ヨーク51a、51bの外径を永久磁石52a、52bの外径より大きくしている。
【0007】
しかし、上記の如き構造を具備する従来例では、以下に示すような不具合点を有している。先ず第1に、磁極片53の外径より、永久磁石52、ヨーク51の外径が大きいために、被検体にとっての開放性が低下しているという問題がある。第2に、MRI装置を使用したIVRなどの術技を実施する場合、いかに被検体に接近するかが課題となっているが、磁極片53の外径より、永久磁石52の外径及びヨーク51の外径が大きいために、術者が無理な体勢で被検体に接近しなければならないという問題がある。
【0008】
第3に、ヨーク51の板厚に関して、永久磁石52と接続されている部分の板厚とコラム57と接続されている部分の板厚が略等しいために、ヨーク51の面積が永久磁石52に比べて非常に広くなり、その結果、被検体にとっての開放性が悪化し、術者は無理な体勢で被検体に接近しなければならないという問題がある。
【0009】
第4に、永久磁石52からの磁束は磁極片53側を通るのが望ましいが、磁極片53の外径に対し、永久磁石52の外径及びヨーク51の外径が大きいため、磁束のうち直接ヨーク51に戻る成分も多くなり、計測空間40での磁場発生効率が悪いという問題がある。
【0010】
以上の問題点を考慮して、本発明では、MRI装置を使用したIVRに適し、かつ、被検体にとっての開放性を改善した静磁場発生装置及びそれを使用したMRI装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の静磁場発生装置は、被検体が挿入される計測空間を挟んで対向して、計測空間から近い順に、一対の磁極片と、これに接続された一対の永久磁石と、これを支持する一対のヨーク(継鉄)が配置され、一対のヨークは柱状のコラム(継鉄)によって間隔をとって支持され、かつ、コラムと磁気的に結合されている静磁場発生装置において、
前記ヨークは、略円板形状の磁石支持部と、前記磁石支持部から半径方向に突出したコラム接続部から成り、
前記磁石支持部は、前記突出部分において、幅がコラム接続部より狭く、厚さが前記磁石支持部よりも厚くなっている
【0012】
この構成では、磁極片の外径に対し、永久磁石の実質的外径が略同一になっているため、被検体にとっての開放性が良くなり、またIVRなどの術者の被検体へのアクセス性が向上する。
【0013】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記永久磁石の最大外径と、前記ヨークの永久磁石を支持する部分の外径が略同一である。
この構成では、ヨークの外径が永久磁石の最大外径と略同一であるので、被検体にとっての開放性及び、IVRなどの術者の被検体へのアクセス性が大幅に向上するとともに、磁石の漏洩磁場が減少し、磁場発生効率が向上する。
【0014】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記磁極片は計測空間に対向する面側の外周部に環状突起部を有し、かつ、渦電流の発生を阻止あるいは抑制するように構成されている。
【0015】
この構成では、外周部に環状突起部を設けたことにより、計測空間の周辺部における磁場強度の低下を防止することができ、さらに磁極片を渦電流発生阻止構造にしたことにより、傾斜磁場コイルによって磁極片に発生する渦電流を抑制することができる。その結果、傾斜磁場コイルを磁極片に近接して配置することができるため、磁極片間距離を短縮することができ、磁石の磁場発生効率を向上することができる。
【0016】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記磁極片は中央の円板部と、該円板部を取り巻く外周の環状突起部に分割され、前記円板部が強磁性体から成り、前記環状突起部が永久磁石から成り、前記円板部を渦電流の発生を阻止あるいは抑制するように構成されている。
この構成では、強磁性体から成る磁極片の外周部にリング状の永久磁石(環状突起部)を配置したことにより、磁極片(円板部)の外径を永久磁石の最大外径より小さくしたことによって生じる計測空間の周辺部の磁場強度の低下を防止することができる。また、磁極片(円板部)を渦電流発生阻止構造にしたことにより、磁極片間距離を短縮することができ、磁石の磁場発生効率を向上することができる。
【0017】
本発明の静磁場発生装置は、被検体が挿入される計測空間を挟んで対向して、計測空間から近い順に、一対の永久磁石と、これを支持する一対のヨーク(継鉄)が配置され、一対のヨークは柱状のコラム(継鉄)によって間隔をとって支持され、かつ、コラムと磁気的に結合されている静磁場発生装置において、前記永久磁石の最大外径と、前記ヨークの永久磁石を支持する部分の外径が略同一であり、前記永久磁石の計測空間に対向する面側の少なくとも外周部に環状突起部を有する。
【0018】
この構成では、磁極片を省略して、永久磁石とヨークとコラムで磁気回路を作り、永久磁石の最大外径とヨークの外径を略同一とし、永久磁石の外周部に環状突起部を設けているので、前述と同様な効果が得られる。さらに、磁極片を省略しているために、製造コストを低減することができるとともに、静磁場発生装置の全長を短縮することも可能である。
【0019】
本発明の静磁場発生装置では更に、前記ヨークは前記永久磁石を支持する円板状の磁石支持部と、該磁石支持部から半径方向に突出したコラム接続部から成り、該コラム接続部の厚さは前記磁石支持部の厚さより厚くなっている。
【0020】
この構成では、ヨークのコラム接続部の厚さが磁石支持部の板厚より厚く作られているので、コラム接続部が磁石支持部と結合する部分の広がり(幅)を狭くすることができ、計測空間における被検体にとっての開放性が向上し、IVRなどにおける術者の被検体のアクセス性が向上する。また、コラム接続部の厚さを大きくしたことにより、コラム接続部における磁路の断面積も減少することなく確保されるので、磁石支持部とコラム接続部との結合部において、磁束が絞られることはないので、この部分での漏洩磁場が抑制される。
【0021】
本発明のMRI装置は、計測空間に静磁場を発生する静磁場発生装置と、計測空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生装置と、被検体(検査対象)に電磁波を照射し、被検体からの核磁気共鳴信号を検出する高周波コイルと、前記核磁気共鳴信号を用いて被検体の物理的性質をあらわす画像を得る画像再構成手段と、検査条件を制御する制御手段とを備えたMRI装置において、前記静磁場発生装置が本発明の静磁場発生装置である。
この構成では、本発明の静磁場発生装置をMRI装置に適用することにより、被検体にとっての開放性が向上し、IVRなどの術者の被検体へのアクセス性が向上するとともに、磁石の漏洩磁場が抑制され、磁場発生効率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の静磁場発生装置の第1の実施例を示す図、図2は本発明の静磁場発生装置を使用したMRI装置の全体構成を示すブロック図である。ここでは、先ず、図1によって本発明の静磁場発生装置の第1の実施例の詳細について説明し、次に、図2によって本発明の静磁場発生装置を使用したMRI装置の全体構成について説明する。
【0023】
図1の中で、図1(a)は本発明の静磁場発生装置の第1の実施例の上面図、図1(b)は縦断面図である。本実施例の静磁場発生装置41は、計測空間40を挟んで上下方向に一対の磁極片53a、53b、永久磁石52a、52b、ヨーク(継鉄)51a、51bが対向して配置され、計測空間40に高磁場均一度の静磁場が形成される。ここで、上下のヨーク51a、51bは永久磁石52a、52bと磁極片53a、53bを支持している。上下のヨーク51a、51bは、2本のコラム(継鉄)57a、57bによって所定の間隔をとって支持されている。ヨーク51a、51bとコラム57a、57bの材料は鉄などの強磁性体から成り、両者はコラム57a、57bの端部にて磁気的に接続されている。
【0024】
本実施例では、磁極片53a、53b、永久磁石52a、52bは円板状に形成されており、両者の外径はほぼ同一寸法になっている。また、ヨーク51a、51bは図1(b)に示す如く、永久磁石52a、52bを支持する磁石支持部60と、コラム57a、57bと接続されるコラム接続部61とから構成される。磁石支持部60はほぼ一様な厚さの円板で、円板部分の外径は永久磁石52a、52bの外径とほぼ同一である。コラム接続部61は、コラム57a、57bの本数に対応して、各々のヨーク51a、51bに2個ずつあり、磁石支持部60から半径方向に突出している。2個のコラム接続部61の突出方向が作る角度θは180度より小さい角度である。
【0025】
コラム接続部61のコラム57a、57bと接続される部分はほぼ円形(直径D)で、磁石支持部60と接続される部分の幅Wは、前記直径Dと同じか、それより少し狭くなっている。このコラム接続部61においては、その厚さt2を磁石支持部60の厚さt1より厚くして、コラム接続部61の磁路としての断面積が小さくならないようにしている。これは、磁束が磁石支持部60からコラム接続部61へ、又はコラム接続部61から磁石支持部60へ流れるときに、この部分で磁束密度が高くなりすぎて磁気飽和を起こさないようにするためである
【0026】
この静磁場発生装置41において、上側の永久磁石52aと下側の永久磁石52bとは、互いに極性の異なるものとしており、磁気回路42は、永久磁石52a→磁極片53a→計測空間40→磁極片53b→永久磁石52b→ヨーク51b(磁石支持部60→コラム接続部61)→コラム57a、57b→ヨーク51a(コラム接続部61→磁石支持部60)→永久磁石52aの経路で形成される。さらに、磁極片53a、53bの表面には略同心円状に磁場均一度補正用の鉄片54又は磁石片55が配置されている。
【0027】
上下の磁極片53a、53bの対向面の周縁部には同一形状の環状突起部56が設けられている。この環状突起部56は、永久磁石52a、53bで発生する磁束が周辺に漏れるのを抑制するとともに、測定空間40における静磁場の磁場均一度を改善するためのものである。
【0028】
磁極片53a、53bは、渦電流の発生を阻止する材料で構成されている。これは、本発明の静磁場発生装置をMRI装置に使用する場合、磁極片53a、53bの計測空間40に対向する面側に近接して傾斜磁場コイルが配置されるため、傾斜磁場コイルの動作時に、磁極片53a、53bに渦電流が発生するので、これを阻止するためである。磁極片53a、53bの材料としては、通常薄い珪素鋼板が使用される。この珪素鋼板は正方形又は長方形に切断され、磁場方向(ここでは垂直方向)に積層される。珪素鋼板以外に、ソフトフェライトなどの軟磁性体も磁極片53a、53bの材料として使用される。ソフトフェライトなどは、燒結体で用いられる。珪素鋼板及びソフトフェライトなどは電気抵抗を大きくすることで、渦電流の発生を抑制している。
【0029】
本実施例において、永久磁石52a、52bは円板状として説明したが、実際は分割された磁石ブロックによって形成されている。永久磁石52a、52bの構造について図3を用いて説明する。図3は、本実施例の永久磁石52の構造を説明するための図で、図3(a)は静磁場発生装置の下側半分の断面図、図3(b)は永久磁石52bの上面図である。図3(b)において、永久磁石52bは、縦、横に配列された複数個の磁石ブロック65で構成されている。磁石ブロック65は通常上面が正方形で、高さは永久磁石52bの厚さと同じに作られている。これらの磁石ブロック65は、縦、横に結合され、その外周は凹凸があり、きれいな円形になっていない。
【0030】
このため、上記で構成した永久磁石52bの外周をほぼ円形とみなし、そのみなし円形の直径66と磁極片53の外径をほぼ同一とし、さらに周辺が凹凸している永久磁石52bの最大外径67とヨーク51bの磁石支持部60の外径をほぼ同一となるように構成されている。また、ヨーク51bの磁石支持部60については、その外径部分を増やすために、コラム接続部61が突出する部分の幅Wをできるだけ狭くし、その代わりにこの突出する部分を含めてコラム接続部61全体の厚さを厚くして、この部分で磁束の流れが絞られ過ぎないような構造にしている。
【0031】
次に、図2を用いて、本発明の静磁場発生装置を適用したMRI装置の全体構成及び動作について説明する。図2において、MRI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体1の断層画像を得るもので、そのために、必要十分に大きい開口をもった静磁場発生装置2(図1の静磁場発生装置41に相当)と、中央処理装置(以下、CPUという)8と、シーケンサ7と、高周波送信系4と、傾斜磁場発生系3と、高周波受信系5と、信号処理系6とから構成される。
【0032】
上記静磁場発生装置2は被検体1の周りの計測空間に、被検体1の体軸方向又は体軸と直角方向に均一な静磁場を発生するもので、被検体1の周りのある広がりをもった空間に配置されている。静磁場発生装置2としては、永久磁石方式のもの、常伝導方式のもの、超電導方式のものなどがあるが、本発明では永久磁石方式のものを対象とする。
【0033】
シーケンサ7は、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を、高周波送信系4、傾斜磁場発生系3及び高周波受信系5に送るものである。
【0034】
高周波送信系4は、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側高周波コイル14aとから成り、高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ7の命令に従って、変調器12で振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に、被検体1に近接して配置された送信側高周波コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1に照射されるように構成されている。
【0035】
傾斜磁場発生系3は、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向の傾斜磁場を発生するように巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの軸方向のコイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、シーケンサ7からの命令に従って、それぞれの軸方向のコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するように構成されている。この傾斜磁場の印加により、被検体1に対するスライス面を設定することができる。
【0036】
高周波受信系5は、受信側高周波コイル14bと、増幅器15と、直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成り、上記送信側高周波コイル14aから照射された電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)を、被検体1に近接して配置された受信側高周波コイル14bで検出し、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器17に入力して、デジタル量に変換する。
【0037】
この際、A/D変換器17は、シーケンサ7からの命令によるタイミングで、直交位相検波器16から出力された2系列の信号をサンプリングし、2系列のデジタルデータを出力する。それらのデジタル信号は、信号処理系6に送られて、フーリェ変換されるように構成されている。
【0038】
信号処理系6は、CPU8と、磁気ディスク装置18及び磁気テープ装置19などの記録装置と、CRTなどの表示装置(ディスプレイ)20とから成り、上記デジタル信号を用いて、フーリェ変換、補正係数計算、断層画像再構成などの処理を行い、被検体1の任意断面の信号強度分布、あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化して、ディスプレイ20に表示するように構成されている。
【0039】
本実施例の静磁場発生装置及びそれを用いたMRI装置では、静磁場発生装置の磁極片の外径、永久磁石の外径、ヨークの磁石支持部の外径がほぼ同一になるため、計測空間に挿入される被検体にとっての開放性を向上することができ、従来閉所恐怖症で診断できなかった人でも、検査を受けることができる。
【0040】
また、MRI装置を用いてIVRなどの術技を行う場合、術者が無理な体勢をとることなく被検体に接近できるので、術技のミスなどが減少する。また、装置に開放感があるために、被検体が安心して検査を受けることができ、そ結果、被検体の動きなどによるアーチファクトが低減される。
【0041】
本発明の静磁場発生装置の第2の実施例を図4に示す。図4は、本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の下側半分の要部断面図を示したものである。図4において、永久磁石52bの下側にはヨーク51bの磁石支持部60が配置され、永久磁石52bの上側には、第1の実施例の磁極片53bの代わりに、磁極片70と永久磁石片71が配置されている。ここで、磁極片70は円板状に、永久磁石片71はリング状に形成され、リング状の永久磁石片71が磁極片70の外周に配置されている。また、磁極片70は第1の実施例と同様に渦電流発生を阻止する材料で構成されている。従来の静磁場発生装置では、図6における磁極片53の外径より、永久磁石52の外径が大きいので、磁場均一領域である計測空間40の周辺部の磁場強度の低下を防止することができるが、本実施例の場合、磁極片70の周りに永久磁石片71を配置して計測空間40の周辺部の磁場強度の低下を防止している。
【0042】
本実施例においては、図3における永久磁石52bのみなし円形の直径66にほぼ等しい直径を有する磁極片70を永久磁石52bの中央部に配置し、永久磁石52bの最大外径67にほぼ等しい外径を有するリング状の永久磁石片71が磁極片70の外周に配置されている。永久磁石片71の高さは、磁極片70の厚さよりかなり(2倍以上)高くしている。この永久磁石片71は、第1の実施例での磁極片53の環状突起部56の役割を分担し、その効果を増強している。
【0043】
本発明の静磁場発生装置の第3の実施例を図5に示す。図5は、本発明の静磁場発生装置の第3の実施例の下側半分の要部断面図を示したものである。図5において、静磁場発生装置の主要構成要素は永久磁石75とヨーク51で、磁極片は省略されている。本実施例では、永久磁石75の外周部に環状突起部76を設け、第1の実施例での磁極片53の環状突起部56又は第2の実施例でのリング状の永久磁石片71の役割を分担させている。
【0044】
また、本実施例においても、永久磁石75の最大外径とヨーク51の磁石支持部60の外径をほぼ同一としている。この結果、本実施例の効果としては、第1の実施例とほぼ同様であり、さらに磁極片が省略できるので、コスト低減にも寄与し、静磁場発生装置の全長の短縮化も可能としている。
【0045】
以上の実施例においては、永久磁石の外径と、磁極片の外径、ヨークの外径をほぼ同一にしたことにより、計測空間の周辺部の磁場強度の低下を防止するために、磁極片又は永久磁石の外周部に環状突起部を設けているが、この計測空間の外周部の磁場強度低下防止手段はこの環状突起部に限定されず、他の構造体、例えば内側に磁極片のリング、外側に永久磁石片のリングを配置した二層リング構造などであってもよい。また、環状突起部の断面形状も長方形以外に、台形や逆L字形などにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の静磁場発生装置を適用したMRI装置では、永久磁石の外径と磁極片の外径、ヨークの外径がほぼ同一となるため、被検体にとっての開放性が向上し、従来閉所恐怖症で診断できなかった人も、検査を受けることができる。
【0047】
また、本発明のMRI装置を使用してIVRなどの術技をする場合、ヨークの外径が永久磁石の外径とほぼ同一になったことにより、術者が無理な体勢をすることなく被検体に接近することができるので、術技でのミスが大幅に減少する。
【0048】
また、本発明のMRI装置では、開放感があるので、被検体が安心して検査を受けられるため、被検体の体動などによって生じるアーチファクトを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静磁場発生装置の第1の実施例。
【図2】本発明の静磁場発生装置を使用したMRI装置の全体構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施例の永久磁石の構造を説明するための図。
【図4】本発明の静磁場発生装置の第2の実施例の下側半分の要部断面図。
【図5】本発明の静磁場発生装置の第3の実施例の下側半分の要部断面図。
【図6】従来の静磁場発生装置の外観を示す斜視図。
【図7】従来の静磁場発生装置の縦断面図。
【符号の説明】
1…被検体
2、41…静磁場発生装置
3…傾斜磁場発生系
4…高周波送信系
5…高周波受信系
6…信号処理系
7…シーケンサ
8…CPU
10…傾斜磁場電源
11…高周波発振器
12…変調器
13…高周波増幅器
14a…送信側高周波コイル
14b…受信側高周波コイル
15…増幅器
16…直交位相検波器
17…A/D変換器
18…磁気ディスク装置
19…磁気テープ装置
20…表示装置(ディスプレイ)
40…計測空間
42…磁気回路
51…ヨーク
52、75…永久磁石
53、70…磁極片
54…鉄片
55、71…磁石片
56、76…環状突起部
57…コラム
60…磁石支持部
61…コラム接続部
65…磁石ブロック
66…直径(みなし円形)
67…最大外径
71…永久磁石片

Claims (6)

  1. 被検体が挿入される計測空間を挟んで対向して、計測空間から近い順に、一対の磁極片と、これに接続された一対の永久磁石と、これを支持する一対のヨーク(継鉄)が配置され、一対のヨークは柱状のコラム(継鉄)によって間隔をとって支持され、かつ、コラムと磁気的に結合されている静磁場発生装置において、
    前記ヨークは、略円板形状の磁石支持部と、前記磁石支持部から半径方向に突出したコラム接続部から成り、
    前記コラム接続部は、幅方向にくびれており、厚さ方向に前記磁石支持部よりも厚くなっていることを特徴とする静磁場発生装置。
  2. 請求項1記載の静磁場発生装置において、前記磁極片は計測空間に対向する面側の外周部に環状突起部を有し、かつ、渦電流の発生を阻止あるいは抑制するように構成したことを持撒とする静磁場発生装置。
  3. 請求項2記載の静磁場発生装置において、前記磁極片は中央の円板部と、該円板部を取り巻く外周の環状突起部に分割され、前記円板部が強磁性体から成り、前記環状突起部が永久磁石から成り、前記円板部を渦電流の発生を阻止あるいは抑制するように構成したことを特徴とする静磁場発生装置。
  4. 請求項1乃至3いずれか1項に記載の静磁場発生装置において、前記ヨークは前記永久磁石を支持する円板状の磁石支持部と、該磁石支持部から半径方向に突出したコラム接続部から成り、該コラム接続部の厚さは前記磁石支持部の厚さより厚く、前記磁石支持部は、前記コラム接続部の近傍において厚さが厚くなっていることを持徹とする静磁場発生装置。
  5. 請求項1乃至4いずれか1項に記載の静磁場発生装置において、前記ヨークは前記永久磁石を支持する円板状の磁石支持部と、該磁石支持部から半径方向に突出したコラム接続部から成り、前記磁石支持部の底辺が前記コラム接続部の底辺より上側となるように構成されていることを特徴とする静磁場発生装置。
  6. 計測空間に静磁場を発生する静磁場発生装置と、計測空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生装置と、被検体(検査対象)に電磁波を照射し、被検体からの核磁気共鳴信号を検出する高周波コイルと、前記核磁気共鳴信号を用いて被検体の物理的性質をあらわす画像を得る画像再構成手段と、検査条件を制御する制御手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記静磁場発生装置が請求項1乃至のいずれか1項に記載の静磁場発生装置であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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